(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のセンサと前記第2のセンサの一方は、前記アンテナに対し巻回中心を含む前記第1の領域に配置され、他方は前記第1の領域を除く前記第2の領域に配置される請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の給電装置。
【発明を実施するための形態】
【0028】
<第1実施形態>
以下に本発明の通信装置について図面を参照して説明する。なお、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するために通信装置の一例を示すものであって、本発明をこの通信装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の装置にも等しく適応し得るものである。
【0029】
図1はRFIDシステムの一例を示す概略図である。
図2はRFタグ(無線機器)の構成の一例を示す図である。
図3はRFリーダ(通信装置)の構成の一例を示す図である。
【0030】
RFタグ1は例えば
図1に示すようにポスター100等に取り付けられている。ユーザはRFリーダ2のアンテナコイル(詳細は後述)をRFタグ1に近づけることでRFタグ1から情報を取得することができる。
図1においてアンテナコイルはRFリーダ2の裏面下方中央部の一区画に配される。但し、アンテナコイルがRFリーダ2のどの位置に配されているかは特に限られるものではない。
【0031】
RFタグ1について説明を行う。本実施形態のRFタグ1はパッシブタグ(受動タグ)である。パッシブタグとはRFリーダ2からの非接触電力伝送により動作するタグであり、電池等の電力源を内蔵しない。なお、RFタグ1がアクティブタグ(能動タグ)であることとしてもよい。アクティブタグとは内部に電力源を内蔵したタグであり、通信時に自らの電力で電波を発するため通信距離がパッシブタイプに比べて長くなる。
【0032】
RFタグ1はアンテナコイル(アンテナの一例)11、通信部12、記憶部13及び制御部14を備える。RFIDシステムではアンテナコイル11に後述するRFリーダ2のアンテナコイル21を近づけて電磁結合させることで、電磁誘導方式によって駆動エネルギーとデータ信号の伝達を行うことができる。アンテナコイル11に電流が流れると磁界が発生しRFリーダ2のアンテナコイル21に影響を与える。電磁波の周波数としては一般的に使用される13.56MHzを用いてもよいし、これ以外の周波数を用いてもよい。アンテナコイル11とRFリーダ2のアンテナコイル21の通信可能距離は例えば数センチメートル〜数十センチメートル程度に予め設定される。
【0033】
通信部12はRFリーダ2に送信するデータに所定の符号化・変調処理を施した送信信号をアンテナコイル11に出力する。送信信号を取得したアンテナコイル11は電磁誘導によりRFリーダ2にデータを送信する。
【0034】
記憶部13は各種情報を記憶する記憶手段であり、例えばEEPROMが使用される。記憶部13にはRFタグ1の識別番号、RFリーダ2に送信する情報等の情報が記憶される。
【0035】
制御部14はRFタグ1全体を制御する制御手段である。制御部14はRFリーダ2から受信した読取要求に応じて記憶部13記憶されているデータを通信部12、アンテナコイル11を介してRFリーダ2に送信する。
【0036】
次にRFリーダ2について説明を行う。RFリーダ2はアンテナコイル(アンテナの一例)21、通信部22、検出部23、磁気センサ24、表示部25及び制御部26を備える。
【0037】
アンテナコイル21は図示しない基板に環状且つ平面スパイラル状に巻き回されたループアンテナが使用される。アンテナコイル21の両端は端子(不図示)を介してRFリーダ2の通信部22に接続される。アンテナコイル21に電流を流すとアンテナコイル21に磁界が発生する。そして上述したようにRFタグ1のアンテナコイル11にアンテナコイル21を近づけてRFタグ1のアンテナコイル11と磁束結合させることで、駆動エネルギーとデータ信号の伝達を行うことができる。
【0038】
通信部22はRFタグ1のアンテナコイル11からアンテナコイル21に入力されたデータを取得する。通信部22は取得したデータに所定の復調・復号処理を施してデータを読み出す。
【0039】
検出部23はRFタグ1のアンテナコイル11から発生する磁界の強さを検出する磁気センサ24の出力信号(検出結果)を制御部26に入力する。磁気センサ24はRFタグ1のアンテナコイル11とアンテナコイル21の重ね合せ方向(
図4参照、詳細は後述)の磁界の強さを検出する。磁気センサ24としてはピックアップコイル、磁気抵抗素子(MR素子)、ホール素子、磁気インピーダンス素子(MI素子)などが用いられる。本実施形態でRFリーダ2は1又は2以上の磁気センサ24を備える。磁気センサ24の配置の詳細については後述する。
【0040】
表示部25は所定の画像や映像が表示される。本実施形態で表示部25はタッチパネル機能を有して操作部を兼ねるが、タッチパネル機能を有し、或いは有さずに別途操作部を設けることとしてもよい。表示部25には後述するようにRFタグ1の方向を示す情報が表示される。
【0041】
制御部26はRFリーダ2全体を制御する制御手段である。制御部26はCPU261とROM262とRAM263とを含んでいる。ROM262には制御部26が実行するプログラム、プログラムの実行に必要なパラメータやデータが記憶されている。CPU261はROM262に記憶されている各種プログラムを実行する。RAM263は各種処理の過程で得られるデータや各種処理の結果得られるデータを一時的に格納する。これらCPU261、ROM262、RAM263等は、バスを介して接続されている。なお、CPU261、ROM262及びRAM263はこれらの一部または全部を1チップに集積化しても構わない。
【0042】
制御部26は検出部23から入力される磁気センサ24の出力信号に基づいてRFタグ1の位置及び/又は方向を特定し、表示部25にRFタグ1の位置及び/又は方向を示す情報を表示する。RFタグ1の位置の特定方法及び表示部25への表示の詳細については後述する。
【0043】
次に、RFリーダ2における磁気センサ24の配置について
図4及び
図5を参照して説明する。
図4はRFタグ1とRFリーダ2の位置ずれ状態を示す平面図である。
図5はRFタグ1とRFリーダ2の位置ずれ状態を示す斜視図である。
図6はRFリーダ2の内部構成の一例を示す第1の平面図である。
図7は
図6のA−Aにおける側面断面図である。
【0044】
上述したようにアンテナコイル11とアンテナコイル21の通信可能距離は数センチメートル〜数十センチメートル程度に設定される。特に通信可能距離が数センチメートルに設定されている場合には、RFタグ1にRFリーダ2を近づけた際にアンテナコイル11とアンテナコイル21の位置ずれが大きいとRFタグ1の情報をRFリーダ2で読み取ることができないことがある。
【0045】
アンテナコイル11とアンテナコイル21の位置ずれとは、RFタグ1にRFリーダ2を近づけた際に、アンテナコイル11とアンテナコイル21との重ねあわせ方向(
図4の紙面に対して垂直方向)に投影した場合にアンテナコイル21の領域内(
図4で斜線で示す領域内)にアンテナコイル11が存在しない状態をいう(
図4参照)。より詳細には、
図5に示すように磁界の重心とアンテナコイル11の中心軸との距離が所定距離L(所定距離Lは通信可能距離であってもよいし、通信可能距離以下の任意の距離であってもよい)以上離れている状態をいう。
【0046】
図4及び
図5に示すような位置ずれが発生している場合にはアンテナコイル11とアンテナコイル21の通信可能距離によっては通信不良が生ずる。従って、本実施形態において制御部26は検出部23から入力される磁気センサ24の出力信号に基づいてRFタグ1の位置及び/又は方向を特定し、表示部25にRFタグ1の位置及び/又は方向を示す情報を表示する。
【0047】
上述したように磁気センサ24はアンテナコイル11から発生する磁界の強さを検出するが、アンテナコイル21から発生する磁界の強さも検出してしまう。アンテナコイル11から発生する磁界の強さは、特にRFタグ1がパッシブタグである場合にはアンテナコイル21から発生する磁界の強さよりも弱く、磁気センサ24は主としてアンテナコイル21から発生する磁界の強さを検出することになりかねない。
【0048】
そこで本実施形態ではアンテナコイル21から発生する磁界の強さを示す信号が磁気センサ24の出力信号に含まれることが抑制される位置に磁気センサ24を配する。なお、本実施形態において磁気センサ24は2個の磁気センサ24aと24bとからなり、磁気センサ24a、24bは磁気抵抗素子である。
【0049】
アンテナコイル21から発生する磁界は磁束の向きが互いに逆方向である第1の領域と第2の領域を有する。磁気センサ24a、24bは夫々アンテナコイル21から発生する磁界において第1の領域の一部の磁界の強さと磁界の強さと第2の領域の磁界の強さとを検出可能な位置に配される。以下、
図6及び
図7を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明において磁気センサ24aが第1の領域の一部、第2の領域の一部の磁界の強さを検出することを、単に第1の領域、第2の領域の磁界の強さを検出すると記載することもある。
【0050】
図6に示すように磁気センサ24a、24bは夫々アンテナコイル21の外側である第1の領域の一部の磁界の強さを検出する位置と、アンテナコイル21の内側である第2の領域の一部の磁界の強さを検出する位置に配される。検出部23は磁気センサ24aの検出したアンテナコイル21の磁界の強さの強さと磁気センサ24bが検出したアンテナコイル21の磁界の強さを加算した磁界の強さを磁気センサ24が検出したアンテナコイル21の磁界の強さとして制御部26に出力する。
【0051】
図7に示すように磁気センサ24aと24bが夫々アンテナコイル21を挟んで第1の領域、第2の領域に対向して配置されると、磁気センサ24aが検出する磁束の向きと磁気センサ24bが検出する磁束の向きは略逆方向である。従って、磁気センサ24aと24bが検出した磁界の強さの絶対値が略同値であれば、両者の出力信号を加算することにより算出される磁気センサ24が検出するアンテナコイル21の磁界の強さは略0となる。つまり磁気センサ24の出力信号にアンテナコイル21の磁界の強さを示す信号が含まれることが抑制されることになり、アンテナコイル11とアンテナコイル21が近づけられた際に磁気センサ24は主にアンテナコイル11の磁界の強さを検出するセンサとして機能する。
【0052】
以下、RFリーダ2の制御部26が実行する処理について説明する。
図8は本実施形態のRFリーダ2の制御部26が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0053】
制御部26はアンテナコイル11とアンテナコイル21の通信が開始されたときにRFタグ1の位置及び/又は方向を示す表示を行うための処理を開始する。ステップS01において制御部26は検出部23から磁気センサ24の出力信号を取得する。上述したように磁気センサ24にアンテナコイル21の磁界の強さを示す信号が含まれることが抑制されるので、磁気センサ24の出力信号は主としてアンテナコイル11の磁界の強さを示す信号からなる。
【0054】
ステップS02において制御部26はアンテナコイル11とアンテナコイル21の位置関係を特定する。例えば
図6に示すようにRFリーダ2が1個の磁気センサ24を備える場合には、磁気センサ24の出力信号と所定の閾値とを比較してアンテナコイル11に対するアンテナコイル21の近さ或いは遠さを特定する。
【0055】
また、例えば
図9に示すようにRFリーダ2が2個の磁気センサ24(磁気センサ241及び242)を備える場合には、一方の磁気センサ24と他方の磁気センサ24の出力信号を比較することでアンテナコイル11の一次元方向を特定する。すなわち、本実施形態でアンテナコイル21はRFリーダ2の下方中央部の一区画に配置されており、上下方向(
図4に示すY方向)に位置ずれすることは少なく、左右方向(
図4に示すX方向)に位置ずれすることが多い。そこで
図9ではアンテナコイル21で上下方向に伸びる2辺に夫々磁気センサ24を配置する。
【0056】
当該構成により、例えば磁気センサ241の出力信号よりも磁気センサ242の出力信号の方が磁界の強さが強い場合には、アンテナコイル21の中心点Oを中心として磁気センサ241の方向にアンテナコイル11(RFタグ1)が存在すると特定される。なお、RFリーダ2におけるアンテナコイル21の位置に応じて2個の磁気センサ24の配置を変えることとしてもよい。例えばアンテナコイル21がRFリーダ2の左方中央部の一区画に配置されているときは上下方向の位置ずれが発生することが多いと考えられる。そこでアンテナコイル21で左右方向に伸びる2辺に夫々磁気センサ24を配置することとしてもよい。
【0057】
また、例えば
図10に示すようにRFリーダ2が3個の磁気センサ24(磁気センサ243、244,245)又は3個以上の磁気センサ24を備える場合には、各磁気センサ24の出力信号を比較することでアンテナコイル11の方向の二次元方向を特定する。
【0058】
図10ではアンテナコイル21で左右方向に伸びる2辺(2個の直線部)に合計3個の磁気センサを配置し、一方の辺には1個の磁気センサ24(磁気センサ243)が、他方の辺には2個の磁気センサ24(磁気センサ244、245)が配置される。磁気センサ243の出力信号と磁気センサ244及び/又は245の出力信号とを比較することでRFタグ1に対する上下方向の位置ずれが特定される。また、磁気センサ244と磁気センサ245の出力信号を比較することでアンテナコイル11に対するアンテナコイル21の左右方向の位置ずれが特定される。
【0059】
制御部26は特定した上下方向及び左右方向の位置ずれに基づいて2次元方向の位置ずれを特定する。磁気センサ24の個数は特に限られるものではなく、より多くの磁気センサ24を配置することで、より高精度にRFタグ1の位置及び/又は方向を特定することができる。例えば
図11に示すようにアンテナコイル21の各辺に2個ずつ磁気センサ24を配置することで辺毎にRFタグ1に対する上下方向又は左右方向の位置ずれを特定することができる。
【0060】
ステップS03において制御部26はステップS02で特定したアンテナコイル11とアンテナコイル21の位置関係に基づいて、表示部25にアンテナコイル11の位置及び/又は方向を示す表示を行う。例えば磁気センサ24の配置が
図6に示す配置である場合には、
図12に示すようにアンテナコイル11に対するアンテナコイル21の近さ或いは遠さを示す表示を行う。磁気センサ24の配置が
図9に示す配置である場合には、
図13に示すようにアンテナコイル21の中心点Oを基準としたアンテナコイル11の一次元方向を示す表示を行う。磁気センサ24の配置が
図10及び
図11に示す配置である場合には、
図14に示すようにアンテナコイル21の中心点Oを基準としたアンテナコイル11の二次元方向を示す表示を行う。
【0061】
なお、
図6に示す磁気センサ24の配置において磁気センサ24の出力信号と所定の閾値との差異が所定値以下である場合、
図9〜
図11に示す磁気センサ24の配置において各磁気センサ24の出力信号の差異が所定値以下である場合はアンテナコイル11とアンテナコイル21の位置ずれが生じていないか生じているとしても無視してもよい程度の位置ずれである。その場合制御部26は表示部25に何も表示しないこととしてもよいし、位置ずれが生じていないことを示す表示(例えば
図15参照)を行うこととしてもよい。
【0062】
ステップS04において制御部26はアンテナコイル11とアンテナコイル21の通信が終了したか否かを判定する。通信が終了していなければ(ステップS04のN)ステップS01に戻る。これによりRFリーダ2を動かした場合にアンテナコイル11の位置及び/又は方向を示す表示が更新される。通信が終了していれば(ステップS04のY)処理を終了する。
【0063】
なお、アンテナコイル11とアンテナコイル21の通信が終了していないときにステップS03でアンテナコイル11の位置及び/又は方向を示す表示を行ってから所定時間経過しているか否かを判定し、所定時間経過している場合にステップS01に戻ることとしてもよい。当該構成により所定時間毎に表示が更新される。
【0064】
本実施形態によれば、RFリーダのアンテナコイルに電流が流れた際にRFリーダのアンテナコイルから発生する磁界の強さを示す信号が磁気センサの出力信号に含まれることが抑制される位置に磁気センサを配したので、磁気センサの出力信号は主としてRFリーダと通信を行うRFタグから発生した磁界の強さを示す信号からなる。そして磁気センサの出力信号に基づいてRFタグの位置及び/又は方向を高精度に検出し、RFタグのアンテナコイルとRFリーダのアンテナコイルとの位置ずれに関する通知を行うことができる。
【0065】
また、アンテナコイルから発生する磁界は磁束の向きが互いに逆方向である第1の領域と第2の領域とを有し、磁気センサは第1の領域の磁界の強さと第2の領域の磁界の強さとを検出可能な位置に配される。そして検出した第1の領域の磁界の強さと第2の領域の磁界の強さとを加算することでRFリーダのアンテナコイルから発生する磁界の強さを示す信号が磁気センサの出力信号に含まれることが抑制されるのでRFタグの位置及び/又は方向を高精度に検出することができる。
【0066】
また、RFリーダのアンテナコイルに対するRFタグのアンテナコイルの一次元又は二次元の位置ずれ方向を算出してRFタグの方向を通知するのでユーザは当該通知に基づいてRFリーダを動かすことでRFタグと安定して通信することができる。
【0067】
また、RFタグのアンテナコイルとRFリーダのアンテナコイルとの位置ずれが所定の閾値以下であれば位置ずれが発生していないことを示す通知を行うのでユーザはRFリーダの現在の位置を維持することでRFタグと安定して通信することができる。
【0068】
<第2実施形態>
第1実施形態では磁気センサ24として磁気抵抗素子を用いた。第2実施形態ではより安価なピックアップコイルを用いることとする。なお、ピックアップコイルとしては円形状のピックアップコイル(ループコイル)や8の字状のピックアップコイルが例示される。
【0069】
図16はRFリーダ2の内部構成の第2の例を示す平面図である。
図17は
図16のB−Bにおける側面断面図である。
図18はRFリーダ2の内部構成の第3の例を示す平面図である。
図19は
図18のC−Cにおける側面断面図である。
図16及び
図17はRFリーダ2が磁気センサ24として円形状のピックアップコイルを備える。
図18及び
図19はRFリーダ2が磁気センサ24として8の字状のピックアップコイルを備える。以下、磁気センサ24をピックアップコイル24と称することもある。
【0070】
図16及び
図17に示すように
図16の紙面に対して垂直方向に見た場合にアンテナコイル21から発生する磁界は磁束の向きが互いに逆方向であるアンテナコイル21の外側(第1の磁界)で発生する磁界とアンテナコイル21の内側(第2の磁界)で発生する磁界とに分けられ、円形状のピックアップコイル24は第1の領域の一部の磁界の強さを検出する第1センサ部246と第2の領域の一部の磁界の強さを検出する第2センサ部247とからなる。検出部23は第1センサ部246の検出したアンテナコイル21の磁界の強さの強さと第2センサ部247が検出したアンテナコイル21の磁界の強さを加算した磁界の強さをピックアップコイル24が検出したアンテナコイル21の磁界の強さとして制御部26に出力する。
【0071】
図16に示すように第1センサ部246と第2センサ部247が夫々第1の領域の一部、第2の領域の一部で磁界の強さを検出するよう配置されることで第1センサ部246が検出する磁束の向きと第2センサ部247が検出する磁束の向きは略逆方向である。従って、第1センサ部246と第2センサ部247が検出した磁界の強さの絶対値が略同値であれば、両者の出力信号を加算することにより算出されるピックアップコイル24が検出するアンテナコイル21の磁界の強さは略0となる。つまりピックアップコイル24の出力信号にアンテナコイル21の磁界の強さを示す信号が含まれることが抑制されることになり、アンテナコイル11とアンテナコイル21が近づけられた際にピックアップコイル24は主にアンテナコイル11の磁界の強さを検出するセンサとして機能する。
【0072】
図18及び
図19に示すように8の字状のピックアップコイル24は第1コイル248と第2コイル249を備える。第1コイル248及び第2コイル249は夫々アンテナコイル21の外側(第1の領域)の一部の磁界の強さを検出する位置と、アンテナコイル21の内側(第2の領域)の一部の磁界の強さを検出する位置に配される。検出部23は第1コイル248の検出したアンテナコイル21の磁界の強さの強さと第2コイル249が検出したアンテナコイル21の磁界の強さを加算した磁界の強さをピックアップコイル24が検出したアンテナコイル21の磁界の強さとして制御部26に出力する。
【0073】
図19に示すように第1コイル248と第2コイル249とが夫々第1の領域、第2の領域で磁界の強さを検出するよう配置されることで第1コイル248が検出する磁束の向きと第2コイル249が検出する磁束の向きは略逆方向である。従って、第1コイル248と第2コイル249が検出した磁界の強さの絶対値が略同値であれば、両者の出力信号を加算することにより算出されるピックアップコイル24が検出するアンテナコイル21の磁界の強さは略0となる。つまりピックアップコイル24の出力信号にアンテナコイル21の磁界の強さを示す信号が含まれることが抑制されることになり、アンテナコイル11とアンテナコイル21が近づけられた際にピックアップコイル24は主としてアンテナコイル11の磁界の強さを検出するセンサとして機能する。
【0074】
本実施形態によれば第1実施形態と同様の効果を奏する。加えて、磁気センサとして安価なピックアップコイルを用いることでRFリーダのコストを削減できる。
【0075】
<補足>
上記各実施形態において制御部26は表示部25にアンテナコイル11の位置及び/又は方向を示す表示を行ってユーザに対してアンテナコイル11の位置及び/又は方向に関する通知を行うこととした。しかしながらアンテナコイル11の位置及び/又は方向は表示以外の方法でユーザに通知することとしてもよい。例えばスピーカを介して音声によりアンテナコイル11の位置及び/又は方向を通知することとしてもよい。すなわち、アンテナコイル11の位置及び/又は方向が認識可能な態様であればどのような通知方法であってもよい。
【0076】
また、上記各実施形態においてRFリーダ2が2個の磁気センサ24を備える場合にアンテナコイル11の一次元方向を特定することとしたが、RFリーダ2がさらにRFリーダ2の移動方向を検知する加速度センサを有することとして二次元方向を特定することとしてもよい。
【0077】
図20を参照して具体的に説明を行う。
図20はRFリーダ2の本変形例の説明図である。リーダ2が磁気センサ24としてピックアップコイル24cと24dを有し、本例においてピックアップコイル24cの出力信号よりもピックアップコイル24dの出力信号のほうが磁界の強さが強いとする。従って、アンテナコイル21の中心点Oを基準としてピックアップコイル24cの方向(左方向)にアンテナコイル11が存在すると特定される。加えてピックアップコイル24c及び24dが検出する磁界の強さの変動を参照して、RFリーダ2を矢印D1の方向に動かした場合にピックアップコイル24c及び24dの検出する磁界の強さが弱まればRFタグ1が上方向に存在することが特定可能である。つまりアンテナコイル11はRFリーダ2から左方向且つ上方向、すなわち左上方向に存在すると特定される。
【0078】
一方、RFリーダ2を矢印D2の方向に動かした場合にピックアップコイル24c及び24dの検出する磁界の強さが弱まればアンテナコイル11が下方向に存在することが特定可能である。つまりRFタグ1はRFリーダ2から左方向且つ下方向、すなわち左下方向に存在すると特定される。
【0079】
上記各実施形態では1の磁気センサ24の出力信号と閾値とを比較して、或いは、2以上の磁気センサ24の各出力信号を比較してアンテナコイル11の一次元方向又は二次元方向を示すこととしたが、アンテナコイル11から発生する磁界の重心座標Pを算出し、アンテナコイル21の中心点Oを基準とする重心座標Pの方向をアンテナコイル11の方向として特定することとしてもよい。
【0080】
なお、i番目の磁気センサ24の位置座標が(X
i、Y
i)、磁気センサ24の出力信号がHi(A/m)である場合に、アンテナコイル11から発生する磁界の重心座標P(X、Y)は、次式(1)及び(2)を満たすX、Yである。
Σ(X
i−X)Hi=0・・・(1)
Σ(Y
i−Y)Hi=0・・・(2)
【0081】
上記各実施形態ではアンテナコイル21として平面スパイラル状に巻き回されたループアンテナを使用することとしたがこれに限られるものではなく例えば
図21に示すように立体スパイラル状のループアンテナを使用することとしてもよい。
図21、
図22は夫々は
図6、
図7に示すアンテナコイル21の変形例であるが他の実施形態のアンテナコイル21に適用することとしてもよい。
【0082】
ここでさらに、第1の領域で発生するアンテナコイル21の磁界の強さと第2の領域で発生するアンテナコイル21の磁界の強さについて説明する。上記実施形態で示すようにスパイラル状のアンテナコイル21で第1の領域で発生する磁界の強さはアンテナコイル21の全部(四辺)から発生する磁界の影響を受けるのに対して、第2の領域で発生する磁界の強さは主としてアンテナコイル21の一部(一辺)から発生する磁界の影響を受ける。従って一般的に第1の領域の磁界の強さは第2の領域の磁界の強さよりも大きい。
【0083】
そのような状況で磁気センサ24が検出するアンテナコイル21の磁界の強さを略0とするために、磁気センサ24がピックアップコイルである場合には、
図23、
図24に示すように磁気センサ24において第1の領域の磁界の強さを検出するセンサ(第1センサ部246、第1コイル248)よりも第2の領域の磁界の強さを検出するセンサ(第2センサ247、第2コイル249)を大きくすることとすればよい。
【0084】
また、磁気センサ24が
図6及び
図7に示す磁気抵抗素子である場合には、
図25に示すように第1の領域において磁気センサ24a、24bが検出する磁界を発生させるアンテナコイル21の部位に対して、磁気センサ24aが磁界の強さを検出する領域を、第2の領域において磁気センサ24bが磁界の強さを検出する領域よりも遠い位置に設定することとすればよい。
【0085】
つまり、第1の領域の磁界の強さと第2の領域の磁界の強さとが異なる場合に、磁界の強さが弱い領域における磁界の強さの検出よりも磁界の強さが強い領域における磁界の強さの検出が抑制される位置に磁気センサ24を配することとすればよい。
【0086】
また、第1の領域の磁界の出力信号及び/又は第2の領域の磁界の出力信号のゲインを調整することで、磁気センサ24が検出するアンテナコイル21の磁界の強さを略0することとしてもよい。
【0087】
<第3実施形態>
上記第1実施形態及び第2実施形態ではRFIDシステムに関してRFタグとRFリーダの位置ずれが発生している場合にRFタグの方向を通知する場合について説明した。それら通知は非接触給電システムにおける給電装置が備える給電素子と受電装置が備える受電素子の位置ずれが発生している場合にも適用可能である。
【0088】
以下、非接触給電システムについて
図26及び
図27を参照して説明を行う。
図26は非接触給電システムの第1例を示す概略図である。
図27は非接触給電システムの構成を示す図である。なお、本実施形態及び以降の実施形態において非接触給電システムが備える給電装置及び受電装置は、本発明の技術的思想を具体化するために給電装置及び受電装置の一例を示すものであって、本発明をこれら給電装置及び受電装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の給電装置及び受電装置にも等しく適応し得るものである。
【0089】
非接触給電システム300は給電装置400及び受電装置500を備える。
図26おいて受電素子510は受電装置500(例えばスマートフォンやタブレット端末)の背面の一区画(
図26では下方中央部)に配される。ユーザは給電装置400が備える給電素子440を受電装置500が備える受電素子510に近づけることで非接触給電を行うことができる。
【0090】
ところで
図26に示すように受電装置500が給電装置400よりも大きい場合、非接触給電を行うためにはユーザが給電装置400(給電装置400が備える給電素子440)を受電装置500が備える受電素子510の位置まで手動で動かす必要がある。そこで本実施形態では給電装置400が備える表示部470を介してユーザに受電素子510の位置を示す。
【0091】
給電装置400は電源部410、制御部420、給電駆動部430、給電素子440、検出部450、磁気センサ460及び表示部470を備える。電源部410は図示しない商用電源から交流電力を供給され、電源部410は制御部420及び給電駆動部430に電力を供給する。
【0092】
制御部420は給電装置400全体を制御する制御手段である。給電駆動部430は交流電力を給電素子440に供給する。
【0093】
給電素子440に交流電力が供給されると給電素子440に交流の電流が流れ、給電面400aに垂直な方向に交番磁界が生じる。この交番磁界により給電素子440に近づけられた受電素子510に誘導電流が励起され、電力が伝送される。
【0094】
本実施形態及び以降の実施形態において給電素子440の材質や形状は特に限られるものではないが、例えば上面視で渦巻きの中心に向かって反時計回りに渦を巻く形状を有するコイルモジュールが使用される。
【0095】
検出部450は受電素子510から発生する磁界の強さを検出する磁気センサ460の出力信号(検出結果)を制御部420に入力する。磁気センサ460は受電素子510と給電素子440の重ね合せ方向(
図28参照、詳細は後述)の磁界の強さを検出する。磁気センサ460としてはピックアップコイル、磁気抵抗素子(MR素子)、ホール素子、磁気インピーダンス素子(MI素子)などが用いられる。本実施形態で給電装置400は1又は2以上の磁気センサ460を備える。磁気センサ460の配置の詳細については後述する。
【0096】
表示部470は所定の画像や映像が表示される。表示部470には後述するように受電装置500(受電装置500の受電素子510)の方向を示す情報が表示される。
【0097】
受電装置500は受電素子510、整流部520、電源部530、制御部540、充電池550及び記憶部560を備える。受電素子510は上述したように給電素子440から伝送された電力を受電する。受電素子510が受電した交流の電力は整流部520に供給される。整流部520は例えばダイオードやコンデンサなどで構成されており、受電素子510から供給された交流の電力を直流の電力に変換する。
【0098】
整流部520によって直流に変換された電力は電源部530に供給される。制御部540は受電装置500全体を制御する制御手段であり、整流部520による受電素子510が受電した交流電力の直流電力への変換や、電源部530による充電池550への蓄電を制御する。
【0099】
記憶部560は各種情報を記憶する記憶手段であり、例えばEEPROMが使用される。記憶部560には給電装置400の識別番号が記憶される。
【0100】
次に、給電装置400における磁気センサ460の配置について
図28及び
図29を参照して説明する。
図28は受電素子510と給電素子440の位置ずれ状態を示す平面図である。
図29は受電素子510と給電素子440の位置ずれ状態を示す斜視図である。
図30は給電装置400の内部構成の一例を示す第1の平面図である。
図31は
図30のA−Aにおける側面断面図である。
【0101】
受電素子510と給電素子440とを非接触で給電させる場合、比較的近い距離(数センチメートル程度)まで近づける必要がある。従って、受電素子510に給電素子440を近づけた際に受電素子510と給電素子440の位置ずれが大きいと受電素子510に給電できないことがある。
【0102】
受電素子510と給電素子440の位置ずれとは、受電素子510に給電装置400を近づけた際に、受電素子510と給電素子440との重ねあわせ方向(
図28の紙面に対して垂直方向)に投影した場合に給電素子440の領域内に受電素子510が存在しない状態をいう(
図28参照)。より詳細には、
図29に示すように磁界の重心と受電素子510の中心軸との距離が所定距離L(所定距離Lは給電可能距離であってもよいし、給電可能距離以下の任意の距離であってもよい)以上離れている状態をいう。
【0103】
図28及び
図29に示すような位置ずれが発生している場合には給電素子440から受電素子510への給電に関して給電効率の低下等の給電不良が生ずる。従って、本実施形態において制御部420は検出部450から入力される磁気センサ460の出力信号に基づいて受電素子510の位置及び/又は方向を特定し、表示部470に受電素子510の位置及び/又は方向を示す情報を表示する。
【0104】
上述したように磁気センサ460は受電素子510から発生する磁界の強さを検出するが、給電素子440から発生する磁界の強さも検出してしまう。受電素子510から発生する磁界の強さは、特に受電素子510がパッシブタグである場合には給電素子440から発生する磁界の強さよりも弱く、磁気センサ460は主として給電素子440から発生する磁界の強さを検出することになりかねない。
【0105】
そこで本実施形態では給電素子440から発生する磁界の強さを示す信号が磁気センサ460の出力信号に含まれることが抑制される位置に磁気センサ460を配する。なお、本実施形態において磁気センサ460は2個の磁気センサ460aと460bとからなり、磁気センサ460a、460bは磁気抵抗素子である。
【0106】
給電素子440から発生する磁界は磁束の向きが互いに逆方向である第1の領域と第2の領域を有する。磁気センサ460a、460bは夫々給電素子440から発生する磁界において第1の領域の一部の磁界の強さと磁界の強さと第2の領域の磁界の強さとを検出可能な位置に配される。以下、
図30及び
図31を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明において磁気センサ460aが第1の領域の一部、第2の領域の一部の磁界の強さを検出することを、単に第1の領域、第2の領域の磁界の強さを検出すると記載することもある。
【0107】
図30に示すように磁気センサ460a、460bは夫々給電素子440の外側である第1の領域の一部の磁界の強さを検出する位置と、給電素子440の内側である第2の領域の一部の磁界の強さを検出する位置に配される。検出部450は磁気センサ460aの検出した給電素子440の磁界の強さの強さと磁気センサ460bが検出した給電素子440の磁界の強さを加算した磁界の強さを磁気センサ460が検出した給電素子440の磁界の強さとして制御部420に出力する。
【0108】
図31に示すように磁気センサ460aと460bが夫々給電素子440を挟んで第1の領域、第2の領域に対向して配置されると、磁気センサ460aが検出する磁束の向きと磁気センサ460bが検出する磁束の向きは略逆方向である。従って、磁気センサ460aと460bが検出した磁界の強さの絶対値が略同値であれば、両者の出力信号を加算することにより算出される磁気センサ460が検出する給電素子440の磁界の強さは略0となる。つまり磁気センサ460の出力信号に給電素子440の磁界の強さを示す信号が含まれることが抑制されることになり、受電素子510と給電素子440が近づけられた際に磁気センサ460は主に受電素子510の磁界の強さを検出するセンサとして機能する。
【0109】
以下、給電装置400の制御部420が実行する処理について説明する。
図32は本実施形態の給電装置400の制御部420が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0110】
制御部420は受電素子510と給電素子440の給電が開始されたときに受電素子510の位置及び/又は方向を示す表示を行うための処理を開始する。ステップS11において制御部420は検出部450から磁気センサ460の出力信号を取得する。上述したように磁気センサ460に給電素子440の磁界の強さを示す信号が含まれることが抑制されるので、磁気センサ460の出力信号は主として受電素子510の磁界の強さを示す信号からなる。
【0111】
ステップS12において制御部420は受電素子510と給電素子440の位置関係を特定する。例えば
図30に示すように給電装置400が1個の磁気センサ460を備える場合には、磁気センサ460の出力信号と所定の閾値とを比較して受電素子510に対する給電素子440の近さ或いは遠さを特定する。
【0112】
また、例えば
図33に示すように給電装置400が2個の磁気センサ460(磁気センサ461及び462)を備える場合には、一方の磁気センサ460と他方の磁気センサ460の出力信号を比較することで受電素子510の一次元方向を特定する。すなわち、本実施形態で給電素子440は給電装置400の下方中央部の一区画に配置されており、上下方向(
図28に示すY方向)に位置ずれすることは少なく、左右方向(
図28に示すX方向)に位置ずれすることが多い。そこで
図33では給電素子440で上下方向に伸びる2辺に夫々磁気センサ460を配置する。
【0113】
当該構成により、例えば磁気センサ461の出力信号よりも磁気センサ462の出力信号の方が磁界の強さが強い場合には、給電素子440の中心点Oを中心として磁気センサ461の方向に受電素子510(受電素子510)が存在すると特定される。なお、給電装置400における給電素子440の位置に応じて2個の磁気センサ460の配置を変えることとしてもよい。例えば給電素子440が給電装置400の左方中央部の一区画に配置されているときは上下方向の位置ずれが発生することが多いと考えられる。そこで給電素子440で左右方向に伸びる2辺に夫々磁気センサ460を配置することとしてもよい。
【0114】
また、例えば
図34に示すように給電装置400が3個の磁気センサ460(磁気センサ463、464,465)又は3個以上の磁気センサ460を備える場合には、各磁気センサ460の出力信号を比較することで受電素子510の方向の二次元方向を特定する。
【0115】
図34では給電素子440で左右方向に伸びる2辺(2個の直線部)に合計3個の磁気センサを配置し、一方の辺には1個の磁気センサ460(磁気センサ463)が、他方の辺には2個の磁気センサ460(磁気センサ464、465)が配置される。磁気センサ463の出力信号と磁気センサ464及び/又は465の出力信号とを比較することで受電素子510に対する上下方向の位置ずれが特定される。また、磁気センサ464と磁気センサ465の出力信号を比較することで受電素子510に対する給電素子440の左右方向の位置ずれが特定される。
【0116】
制御部420は特定した上下方向及び左右方向の位置ずれに基づいて2次元方向の位置ずれを特定する。磁気センサ460の個数は特に限られるものではなく、より多くの磁気センサ460を配置することで、より高精度に受電素子510の位置及び/又は方向を特定することができる。例えば
図35に示すように給電素子440の各辺に2個ずつ磁気センサ460を配置することで辺毎に受電素子510に対する上下方向又は左右方向の位置ずれを特定することができる。
【0117】
ステップS13において制御部420はステップS12で特定した受電素子510と給電素子440の位置関係に基づいて、表示部470に受電素子510の位置及び/又は方向を示す表示を行う。例えば磁気センサ460の配置が
図30に示す配置である場合には、
図36に示すように受電素子510に対する給電素子440の近さ或いは遠さを示す表示を行う。磁気センサ460の配置が
図33に示す配置である場合には、
図37に示すように給電素子440の中心点Oを基準とした受電素子510の一次元方向を示す表示を行う。磁気センサ460の配置が
図34及び
図35に示す配置である場合には、
図38に示すように給電素子440の中心点Oを基準とした受電素子510の二次元方向を示す表示を行う。
【0118】
なお、
図30に示す磁気センサ460の配置において磁気センサ460の出力信号と所定の閾値との差異が所定値以下である場合、
図33〜
図35に示す磁気センサ460の配置において各磁気センサ460の出力信号の差異が所定値以下である場合は受電素子510と給電素子440の位置ずれが生じていないか生じているとしても無視してもよい程度の位置ずれである。その場合制御部420は表示部470に何も表示しないこととしてもよいし、位置ずれが生じていないことを示す表示(例えば
図39参照)を行うこととしてもよい。
【0119】
ステップS14において制御部420は受電素子510への給電が終了したか否かを判定する。給電が終了していなければ(ステップS14のN)ステップS11に戻る。これにより給電装置400を動かした場合に受電素子510の位置及び/又は方向を示す表示が更新される。給電が終了していれば(ステップS14のY)処理を終了する。
【0120】
なお、受電素子510への給電が終了していないときにステップS13で受電素子510の位置及び/又は方向を示す表示を行ってから所定時間経過しているか否かを判定し、所定時間経過している場合にステップS11に戻ることとしてもよい。当該構成により所定時間毎に表示が更新される。
【0121】
本実施形態によれば、給電素子に電流が流れた際に給電素子から発生する磁界の強さを示す信号が磁気センサの出力信号に含まれることが抑制される位置に磁気センサを配したので、磁気センサの出力信号は主として給電素子から電力の伝送を受けた受電素子から発生した磁界の強さを示す信号からなる。そして磁気センサの出力信号に基づいて受電素子の位置及び/又は方向を高精度に検出し、給電素子と受電素子との位置ずれに関する通知を行うことができる。
【0122】
また、給電素子から発生する磁界は磁束の向きが互いに逆方向である第1の領域と第2の領域とを有し、磁気センサは第1の領域の磁界の強さと第2の領域の磁界の強さとを検出可能な位置に配される。そして検出した第1の領域の磁界の強さと第2の領域の磁界の強さとを加算することで給電素子から発生する磁界の強さを示す信号が磁気センサの出力信号に含まれることが抑制されるので受電素子の位置及び/又は方向を高精度に検出することができる。
【0123】
また、給電素子に対する受電素子の一次元又は二次元の位置ずれ方向を算出して受電素子の方向を通知するのでユーザは当該通知に基づいて給電装置を動かすことで受電素子に効率よく電力を伝送することができる。
【0124】
また、受電素子と給電素子との位置ずれが所定の閾値以下であれば位置ずれが発生していないことを示す通知を行うのでユーザは給電装置の現在の位置を維持することで受電素子に効率よく電力を伝送することができる。
【0125】
<第4実施形態>
第3実施形態では磁気センサ460として磁気抵抗素子を用いた。第4実施形態ではより安価なピックアップコイルを用いることとする。なお、ピックアップコイルとしては円形状のピックアップコイル(ループコイル)や8の字状のピックアップコイルが例示される。
【0126】
図40は給電装置400の内部構成の第2の例を示す平面図である。
図41は
図40のB−Bにおける側面断面図である。
図42は給電装置400の内部構成の第3の例を示す平面図である。
図43は
図42のC−Cにおける側面断面図である。
図40及び
図41は給電装置400が磁気センサ460として円形状のピックアップコイルを備える。
図42及び
図43は給電装置400が磁気センサ460として8の字状のピックアップコイルを備える。以下、磁気センサ460をピックアップコイル460と称することもある。
【0127】
図40及び
図41に示すように
図40の紙面に対して垂直方向に見た場合に給電素子440から発生する磁界は磁束の向きが互いに逆方向である給電素子440の外側(第1の磁界)で発生する磁界と給電素子440の内側(第2の磁界)で発生する磁界とに分けられ、円形状のピックアップコイル460は第1の領域の一部の磁界の強さを検出する第1センサ部466と第2の領域の一部の磁界の強さを検出する第2センサ部467とからなる。検出部450は第1センサ部466の検出した給電素子440の磁界の強さの強さと第2センサ部467が検出した給電素子440の磁界の強さを加算した磁界の強さをピックアップコイル460が検出した給電素子440の磁界の強さとして制御部420に出力する。
【0128】
図40に示すように第1センサ部466と第2センサ部467が夫々第1の領域の一部、第2の領域の一部で磁界の強さを検出するよう配置されることで第1センサ部466が検出する磁束の向きと第2センサ部467が検出する磁束の向きは略逆方向である。従って、第1センサ部466と第2センサ部467が検出した磁界の強さの絶対値が略同値であれば、両者の出力信号を加算することにより算出されるピックアップコイル460が検出する給電素子440の磁界の強さは略0となる。つまりピックアップコイル460の出力信号に給電素子440の磁界の強さを示す信号が含まれることが抑制されることになり、受電素子510と給電素子440が近づけられた際にピックアップコイル460は主に受電素子510の磁界の強さを検出するセンサとして機能する。
【0129】
図42及び
図43に示すように8の字状のピックアップコイル460は第1コイル468と第2コイル469を備える。第1コイル468及び第2コイル469は夫々給電素子440の外側(第1の領域)の一部の磁界の強さを検出する位置と、給電素子440の内側(第2の領域)の一部の磁界の強さを検出する位置に配される。検出部450は第1コイル468の検出した給電素子440の磁界の強さの強さと第2コイル469が検出した給電素子440の磁界の強さを加算した磁界の強さをピックアップコイル460が検出した給電素子440の磁界の強さとして制御部420に出力する。
【0130】
図43に示すように第1コイル468と第2コイル469とが夫々第1の領域、第2の領域で磁界の強さを検出するよう配置されることで第1コイル468が検出する磁束の向きと第2コイル469が検出する磁束の向きは略逆方向である。従って、第1コイル468と第2コイル469が検出した磁界の強さの絶対値が略同値であれば、両者の出力信号を加算することにより算出されるピックアップコイル460が検出する給電素子440の磁界の強さは略0となる。つまりピックアップコイル460の出力信号に給電素子440の磁界の強さを示す信号が含まれることが抑制されることになり、受電素子510と給電素子440が近づけられた際にピックアップコイル460は主として受電素子510の磁界の強さを検出するセンサとして機能する。
【0131】
本実施形態によれば第3実施形態と同様の効果を奏する。加えて、磁気センサとして安価なピックアップコイルを用いることでRFリーダのコストを削減できる。
【0132】
<補足>
上記第3実施形態及び第4実施形態において制御部420は表示部470に受電素子510の位置及び/又は方向を示す表示を行ってユーザに対して受電素子510の位置及び/又は方向に関する通知を行うこととした。しかしながら受電素子510の位置及び/又は方向は表示以外の方法でユーザに通知することとしてもよい。例えばスピーカを介して音声により受電素子510の位置及び/又は方向を通知することとしてもよい。すなわち、受電素子510の位置及び/又は方向が認識可能な態様であればどのような通知方法であってもよい。
【0133】
また、上記第3実施形態及び第4実施形態において給電装置400が2個の磁気センサ460を備える場合に受電素子510の一次元方向を特定することとしたが、給電装置400がさらに給電装置400の移動方向を検知する加速度センサを有することとして二次元方向を特定することとしてもよい。
【0134】
図44を参照して具体的に説明を行う。
図44は給電装置400の本変形例の説明図である。リーダ2が磁気センサ460としてピックアップコイル460cと460dを有し、本例においてピックアップコイル460cの出力信号よりもピックアップコイル460dの出力信号のほうが磁界の強さが強いとする。従って、給電素子440の中心点Oを基準としてピックアップコイル460cの方向(左方向)に受電素子510が存在すると特定される。加えてピックアップコイル460c及び460dが検出する磁界の強さの変動を参照して、給電装置400を矢印D3の方向に動かした場合にピックアップコイル460c及び460dの検出する磁界の強さが弱まれば受電素子510が上方向に存在することが特定可能である。つまり受電素子510は給電装置400から左方向且つ上方向、すなわち左上方向に存在すると特定される。
【0135】
一方、給電装置400を矢印D4の方向に動かした場合にピックアップコイル460c及び460dの検出する磁界の強さが弱まれば受電素子510が下方向に存在することが特定可能である。つまり受電素子510は給電装置400から左方向且つ下方向、すなわち左下方向に存在すると特定される。
【0136】
上記第3実施形態及び第4実施形態では1の磁気センサ460の出力信号と閾値とを比較して、或いは、2以上の磁気センサ460の各出力信号を比較して受電素子510の一次元方向又は二次元方向を示すこととしたが、受電素子510から発生する磁界の重心座標Pを算出し、給電素子440の中心点Oを基準とする重心座標Pの方向を受電素子510の方向として特定することとしてもよい。
【0137】
なお、j番目の磁気センサ460の位置座標が(X
j、Y
j)、磁気センサ460の出力信号がHj(A/m)である場合に、受電素子510から発生する磁界の重心座標P(X、Y)は、次式(3)及び(4)を満たすX、Yである。
Σ(X
j−X)Hj=0・・・(3)
Σ(Y
j−Y)Hj=0・・・(4)
【0138】
上記第3実施形態及び第4実施形態では給電素子440として平面スパイラル状に巻き回されたループアンテナを使用することとしたがこれに限られるものではなく例えば
図45に示すように立体スパイラル状のループアンテナを使用することとしてもよい。
図45、
図46は夫々は
図30、
図31に示す給電素子440の変形例であるが他の実施形態の給電素子440に適用することとしてもよい。
【0139】
ここでさらに、第1の領域で発生する給電素子440の磁界の強さと第2の領域で発生する給電素子440の磁界の強さについて説明する。上記実施形態で示すようにスパイラル状の給電素子440で第1の領域で発生する磁界の強さは給電素子440の全部(四辺)から発生する磁界の影響を受けるのに対して、第2の領域で発生する磁界の強さは主として給電素子440の一部(一辺)から発生する磁界の影響を受ける。従って一般的に第1の領域の磁界の強さは第2の領域の磁界の強さよりも大きい。
【0140】
そのような状況で磁気センサ460が検出する給電素子440の磁界の強さを略0とするために、磁気センサ460がピックアップコイルである場合には、
図47、
図48に示すように磁気センサ460において第1の領域の磁界の強さを検出するセンサ(第1センサ部466、第1コイル468)よりも第2の領域の磁界の強さを検出するセンサ(第2センサ467、第2コイル469)を大きくすることとすればよい。
【0141】
また、磁気センサ460が
図30及び
図31に示す磁気抵抗素子である場合には、
図49に示すように第1の領域において磁気センサ460a、460bが検出する磁界を発生させる給電素子440の部位に対して、磁気センサ460aが磁界の強さを検出する領域を、第2の領域において磁気センサ460bが磁界の強さを検出する領域よりも遠い位置に設定することとすればよい。
【0142】
つまり、第1の領域の磁界の強さと第2の領域の磁界の強さとが異なる場合に、磁界の強さが弱い領域における磁界の強さの検出よりも磁界の強さが強い領域における磁界の強さの検出が抑制される位置に磁気センサ460を配することとすればよい。
【0143】
また、第1の領域の磁界の出力信号及び/又は第2の領域の磁界の出力信号のゲインを調整することで、磁気センサ460が検出する給電素子440の磁界の強さを略0することとしてもよい。
【0144】
非接触給電システムに関して上記第3実施形態及び第4実施形態ではスマートフォンやタブレット端末等のポータブル電子機器に対して給電する場合を例に説明したが、給電対象はポータブル電子機器に限られるものではない。例えば
図50に示すように受電素子を備える車両(
図50では乗用車を例示するが、自動二輪、自転車や歩行補助車(いわゆるシルバーカー)等の軽車両であってもよい)に給電することとしてもよい。
【0145】
図50において受電素子610は車両600のボンネット600aの略中央部に配され、給電装置400を受電素子610に近づけることで給電を行う。このような場合においても磁気センサの出力信号に基づいて受電素子610の位置及び/又は方向を高精度に検出し、給電素子410と受電素子610との位置ずれに関する通知を行う