特許第6160298号(P6160298)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6160298トルク検出装置、このトルク検出装置を備える電動パワーステアリング装置、および、トルク検出装置の校正方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6160298
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】トルク検出装置、このトルク検出装置を備える電動パワーステアリング装置、および、トルク検出装置の校正方法
(51)【国際特許分類】
   G01L 3/10 20060101AFI20170703BHJP
   B62D 5/04 20060101ALI20170703BHJP
   G01L 25/00 20060101ALI20170703BHJP
【FI】
   G01L3/10 305
   B62D5/04
   G01L25/00 C
【請求項の数】4
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-134234(P2013-134234)
(22)【出願日】2013年6月26日
(65)【公開番号】特開2015-10847(P2015-10847A)
(43)【公開日】2015年1月19日
【審査請求日】2016年5月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】青木 要
【審査官】 深田 高義
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−106673(JP,A)
【文献】 特開2004−144716(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 3/10
B62D 5/04
G01L 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周方向に着磁された永久磁石と、
前記永久磁石が形成する磁界内に配置され、前記永久磁石との相対的な位置が変化する磁気ヨークと、
主ホール素子、副ホール素子、および、前記主ホール素子および前記副ホール素子に対するゲイン調整およびオフセット調整の少なくとも一方を行う演算部を有し、前記永久磁石および前記磁気ヨークを含む磁気回路の磁束を検出する複数の磁気検出部と
を備え、
前記磁気検出部は、前記主ホール素子が生成する主磁気信号または前記副ホール素子が生成する副磁気信号を校正する校正信号が入力されたとき、前記校正信号に基づいて前記演算部により前記主ホール素子および前記副ホール素子を同時に校正する
トルク検出装置。
【請求項2】
前記磁気検出部は、前記主ホール素子の校正結果および前記副ホール素子の校正結果を記憶する記憶部を有し、
前記記憶部は、不揮発性メモリにより構成されている
請求項1に記載のトルク検出装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のトルク検出装置と、
操舵部品の操舵をアシストするアシストモータと前記トルク検出装置における校正された前記主磁気信号に基づいて前記アシストモータの駆動を制御する制御装置とを有するアシスト装置と
を備える電動パワーステアリング装置。
【請求項4】
周方向に着磁された永久磁石と、前記永久磁石が形成する磁界内に配置され、前記永久磁石との相対的な位置が変化する磁気ヨークと、主ホール素子、副ホール素子、および、前記主ホール素子および前記副ホール素子に対するゲイン調整およびオフセット調整の少なくとも一方を行う演算部を有し、前記永久磁石および前記磁気ヨークを含む磁気回路の磁束を検出する複数の磁気検出部とを備えるトルク検出装置を組立てる工程と、
前記永久磁石と前記磁気ヨークとの相対位置の変化による前記主ホール素子の主磁気信号の出力レベルの変化および前記副ホール素子の副磁気信号の出力レベルの変化をモニタする工程と、
前記主磁気信号を予め設定された主基準信号に一致させるための校正信号、または前記副磁気信号を予め設定された副基準信号に一致させるための校正信号に基づいて、前記主磁気信号および前記副磁気信号を同時に校正する工程と
を有するトルク検出装置の校正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気検出部を有するトルク検出装置、このトルク検出装置を備える電動パワーステアリング装置、および、トルク検出装置の校正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のトルク検出装置は、磁気検出部として2個のホールICおよび2個の監視ホールICを有する。従来のトルク検出装置は、一方のホールICの出力信号と一方の監視ホールICの監視信号との比較、および他方のホールICの出力信号と他方の監視ホールICの監視信号との比較に基づいて、2個のホールICが正常か否かを判定する。詳しくは、従来のトルク検出装置は、一方のホールICの出力信号と一方の監視ホールICの監視信号とが同じ値となるとき、一方のホールICは正常と判定する。従来のトルク検出装置は、他方のホールICの出力信号と他方の監視ホールICの監視信号とが同じ値となるとき、他方のホールICは正常と判定する。そして、従来のトルク検出装置は、一方のホールICが正常の場合、一方のホールICの出力信号を出力する。また従来のトルク検出装置は、一方のホールICが異常かつ他方のホールICが正常の場合、他方のホールICの出力信号を出力する。なお、特許文献1は、従来のトルク検出装置の一例を示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−132757号公報
【特許文献2】特開2001−124511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のトルク検出装置においては、このトルク検出装置の各構成要素の寸法誤差および各構成要素間の組立誤差により、組立後のトルク検出装置におけるホールICの出力信号が予め設定された基準となる出力信号からずれる場合がある。これにより、正確な操舵トルクが算出されないおそれがある。
【0005】
そこで、ホールICの出力信号が予め設定された基準となる出力信号と一致するようにホールICの出力信号を校正するホールICが提案されている(特許文献2参照)。特許文献2のトルク検出装置においては、1個のホールIC、詳しくは1個のホール素子の出力信号に対して校正することができる。このため、従来のトルク検出装置のように2個のホールICおよび2個の監視ホールICを有する校正においては、4回にわたり校正を行う必要がある。このため、校正が煩雑となり、この点において改善の余地がある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するため、出力信号を容易に校正することが可能なトルク検出装置、このトルク検出装置を備える電動パワーステアリング装置、および、トルク検出装置の校正方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本手段は、「周方向に着磁された永久磁石と、前記永久磁石が形成する磁界内に配置され、前記永久磁石との相対的な位置が変化する磁気ヨークと、主ホール素子、副ホール素子、および、前記主ホール素子および前記副ホール素子に対するゲイン調整およびオフセット調整の少なくとも一方を行う演算部を有し、前記永久磁石および前記磁気ヨークを含む磁気回路の磁束を検出する複数の磁気検出部とを備え、前記磁気検出部は、前記主ホール素子が生成する主磁気信号または前記副ホール素子が生成する副磁気信号を校正する校正信号が入力されたとき、前記校正信号に基づいて前記演算部により前記主ホール素子および前記副ホール素子を同時に校正するトルク検出装置」を有する。
【0008】
磁気検出部の主ホール素子および副ホール素子は、主に同一のウェハーまたは直近のロットにより製造される。このため、主ホール素子の出力特性および副ホール素子の出力特性が類似すると考えられる。詳しくは、主ホール素子の主磁気信号が予め設定された基準となる出力信号に対してずれる方向と、副ホール素子の副磁気信号が予め設定された基準となる出力信号に対してずれる方向とが概ね等しくなると考えられる。また、主ホール素子の主磁気信号の基準となる出力信号に対するずれ量と、副ホール素子の副磁気信号の基準となる出力信号に対するずれ量とが概ね等しくなると考えられる。
【0009】
本出願人は、このような主ホール素子および副ホール素子の出力特性の類似性に着目し、主磁気信号の基準となる出力信号に対する校正量と副磁気信号の基準となる出力信号に対する校正量とが概ね等しくなることを知見した。
【0010】
そこで、本発明のトルク検出装置においては、校正信号に基づいて主ホール素子および副ホール素子を同時に校正している。すなわち、トルク検出装置は、同一の校正信号により主ホール素子の主磁気信号および副ホール素子の副磁気信号を同時に校正している。このため、主ホール素子の主磁気信号および副ホール素子の副磁気信号の校正を個別に行うと仮定した場合と比較して、磁気検出部の校正の回数が減る。このため、磁気検出部の校正が容易となる。
【0011】
上記手段の一形態は、「前記磁気検出部は、前記主ホール素子の校正結果および前記副ホール素子の校正結果を記憶する記憶部を有し、前記記憶部は、不揮発性メモリにより構成されているトルク検出装置」を有する。
【0012】
このトルク検出装置においては、主ホール素子の校正結果および副ホール素子の校正結果が不揮発性メモリとしての記憶部に記憶されるため、トルク検出装置に供給される電力が停止したときにおいても記憶部が主ホール素子の校正結果および副ホール素子の校正結果が保持される。したがって、トルク検出装置に供給される電力が停止されることにより、記憶部から主ホール素子の校正結果および副ホール素子の校正結果が消去されることが回避される。したがって、磁気検出部を再度校正することが抑制される。
【0013】
上記手段の一形態は、「上記に記載のトルク検出装置と、操舵部品の操舵をアシストするアシストモータと前記トルク検出装置における校正された前記主磁気信号に基づいて前記アシストモータの駆動を制御する制御装置とを有するアシスト装置とを備える電動パワーステアリング装置」を有する。
【0014】
この電動パワーステアリング装置においては、校正される前の主磁気信号に基づいてアシストモータを駆動すると仮定した構成と比較して、アシストモータが操舵部品の操舵をより適切にアシストすることができる。
【0015】
本手段は、「周方向に着磁された永久磁石と、前記永久磁石が形成する磁界内に配置され、前記永久磁石との相対的な位置が変化する磁気ヨークと、主ホール素子、副ホール素子、および、前記主ホール素子および前記副ホール素子に対するゲイン調整およびオフセット調整の少なくとも一方を行う演算部を有し、前記永久磁石および前記磁気ヨークを含む磁気回路の磁束を検出する複数の磁気検出部とを備えるトルク検出装置を組立てる工程と、前記永久磁石と前記磁気ヨークとの相対位置の変化による前記主ホール素子の主磁気信号の出力レベルの変化および前記副ホール素子の副磁気信号の出力レベルの変化をモニタする工程と、前記主磁気信号を予め設定された主基準信号に一致させるための校正信号、または前記副磁気信号を予め設定された副基準信号に一致させるための校正信号に基づいて、前記主磁気信号および前記副磁気信号を同時に校正する工程とを有するトルク検出装置の校正方法」を有する。
【0016】
磁気検出部の主ホール素子および副ホール素子は、主に同一のウェハーまたは直近のロットにより製造される。このため、主ホール素子の出力特性および副ホール素子の出力特性が類似すると考えられる。このため、主ホール素子の主磁気信号が主基準信号に対してずれる方向と、副ホール素子の副磁気信号が副基準信号に対してずれる方向とが概ね等しくなると考えられる。また、主ホール素子の主磁気信号と主基準信号とのずれ量と、副ホール素子の副磁気信号と副基準信号とのずれ量とが概ね等しくなると考えられる。
【0017】
本出願人は、このような主ホール素子および副ホール素子の出力特性の類似性に着目し、主磁気信号の主基準信号に対する校正量と副磁気信号の副基準信号に対する校正量とが概ね等しくなることを知見した。
【0018】
そこで、本発明のトルク検出装置の校正方法においては、校正信号に基づいて主磁気信号および副磁気信号を同時に校正している。このため、主ホール素子の主磁気信号および副ホール素子の副磁気信号の校正を個別に行うと仮定した場合と比較して、磁気検出部の校正の回数が減る。このため、磁気検出部の校正が容易となる。
【発明の効果】
【0019】
本トルク検出装置、本電動パワーステアリング装置、および、本トルク検出装置の校正方法は、トルク検出装置の出力信号を容易に校正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態のトルク検出装置を備える電動パワーステアリング装置の構成を示す概略図。
図2】実施形態のトルク検出装置の分解斜視図。
図3】実施形態の電動パワーステアリング装置のトルク検出装置周辺の縦断面図。
図4】実施形態のトルク検出装置の第1磁気検出部および第2磁気検出部の構成を示すブロック図。
図5】実施形態の操舵トルクの算出の処理手順を示すフローチャート。
図6】実施形態のトルク検出装置の第1磁気検出部の基準となる出力特性を示すグラフ。
図7】実施形態のトルク検出装置の第1磁気検出部の校正前の出力特性を示すグラフ。
図8】実施形態のトルク検出装置の第1磁気検出部の校正前の出力特性を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0021】
トルク検出装置40を備える電動パワーステアリング装置1の構成について、図1を用いて説明する。
電動パワーステアリング装置1は、操舵機構10、転舵機構14、アシスト装置20、および、トルク検出装置40を有する。
【0022】
操舵機構10は、コラムシャフト11、インターミディエイトシャフト12、ピニオンシャフト13、および、ハウジング18を有する。
コラムシャフト11は、ハウジング18に挿入されている。コラムシャフト11は、入力シャフト11A、出力シャフト11B、および、トーションバー11Cを有する。入力シャフト11Aの上端部は、操舵部品2に接続されている。入力シャフト11Aと出力シャフト11Bとは、トーションバー11Cを介して相対回転可能に連結されている。トーションバー11Cは、入力シャフト11Aおよび出力シャフト11Bに加わるトルク差に応じてねじれる。
【0023】
インターミディエイトシャフト12の上端部は、コラムシャフト11の出力シャフト11Bの下端部に接続されている。
ピニオンシャフト13の上端部は、インターミディエイトシャフト12の下端部に接続されている。ピニオンシャフト13には、ピニオンシャフト13の軸方向における所定範囲にわたりピニオン歯13Aが形成されている。
【0024】
転舵機構14は、ラックシャフト15を有している。ラックシャフト15には、ラックシャフト15の軸方向において所定範囲にわたりラック歯15Aが形成されている。ラックシャフト15は、ラック歯15Aにおいてピニオン歯13Aと噛み合わせられている。ラック歯15Aとピニオン歯13Aとは、互いに噛み合うことによりラックアンドピニオン機構16を構成している。ラックアンドピニオン機構16は、ピニオンシャフト13の回転をラックシャフト15の軸方向の往復動に変換する。ラックシャフト15の両端部は、タイロッド17等を介して転舵輪3に接続されている。
【0025】
上述した操舵機構10および転舵機構14の構成により、運転者により操舵部品2に回転力が加えられるとき、コラムシャフト11およびインターミディエイトシャフト12を介してピニオンシャフト13が回転する。ピニオンシャフト13の回転力は、ラックアンドピニオン機構16によりラックシャフト15の軸方向の往復動に変換される。ラックシャフト15の軸方向の往復動は、タイロッド17等を介して転舵輪3を転舵させる。
【0026】
アシスト装置20は、アシストモータ21、減速機構22、および、制御装置30を有する。本実施形態の電動パワーステアリング装置1は、アシストモータ21の回転力をコラムシャフト11に伝達することにより運転者の操舵を補助するコラムアシスト型を構成している。アシストモータ21は、ハウジング18に固定されている。減速機構22は、ハウジング18に収容されている。減速機構22は、互いに噛み合ったウォームシャフトおよびウォームホイールを有するウォームギヤである。ウォームシャフトは、アシストモータ21に連結されている。ウォームホイールは、コラムシャフト11の出力シャフト11Bに固定されている。アシスト装置20は、減速機構22によりアシストモータ21の回転を減速した状態でアシストモータ21の出力軸の回転力を操舵部品2の操舵を補助するアシスト力としてコラムシャフト11に付与する。
【0027】
制御装置30は、トルク検出装置40が出力するトーションバー11Cのねじれ量に応じた出力信号に基づいて運転者の操舵に応じた操舵トルクを算出する。制御装置30は、操舵トルクに基づいて運転者の操舵を補助するアシストトルクを算出する。制御装置30は、アシストトルクに基づいてアシストモータ21の駆動を制御する。
【0028】
上述したアシスト装置20の構成により、運転者の操舵に応じてトーションバー11Cがねじれるとき、制御装置30によりアシストトルクが算出される。算出されたアシストトルクに基づいてアシストモータ21が駆動されて、アシストモータ21の出力軸が回転する。アシストモータ21の出力軸の回転力は、減速機構22を介してコラムシャフト11に付与される。
【0029】
図2および図3を参照して、トルク検出装置40の概略構成について説明する。
図2に示したとおり、トルク検出装置40は、永久磁石41、回路基板42(図3参照)、ヨークユニット50、集磁ユニット60(図3参照)、第1磁気検出部70、および、第2磁気検出部80を有する。
【0030】
永久磁石41は、円筒状に形成されている。永久磁石41は、コラムシャフト11の入力シャフト11Aの外周面に固定されている。永久磁石41は、周方向ZCにおいてN極とS極とが交互に着磁されている。本実施形態の永久磁石41は、24極に多極着磁されている。
【0031】
ヨークユニット50は、円筒状に形成されている。ヨークユニット50は、出力シャフト11Bに固定されている。ヨークユニット50は、永久磁石41と間隔を空けてコラムシャフト11と同軸的に永久磁石41の径方向ZB外側に配置されている。
【0032】
ヨークユニット50は、第1磁気ヨーク51、第2磁気ヨーク52、および、ホルダ53を有する。
第1磁気ヨーク51は、軟磁性体の金属からなる。第1磁気ヨーク51は、第1環部51Aおよび12個の第1爪部51Bを有する。第1環部51Aは、環状に形成されている。第1環部51Aは、コラムシャフト11と同軸的に配置されている。第1爪部51Bは、第1環部51Aの内縁部からコラムシャフト11の軸方向ZAに向けて延びている。12個の第1爪部51Bは、第1環部51Aの全周にわたり周方向ZCに等間隔に配置されている。なお、第2磁気ヨーク52は、第1磁気ヨーク51と同一構成であるため、説明を省略する。第2磁気ヨーク52は、第1磁気ヨーク51と同一構成の部分の符号の1桁目を「1」から「2」に変更して示している。
【0033】
第1磁気ヨーク51の第1環部51Aと第2磁気ヨーク52の第2環部52Aとは、互いに軸方向ZAに間隔を空けて対向している。第1磁気ヨーク51の第1爪部51Bと第2磁気ヨーク52の第2爪部52Bとは、互いにコラムシャフト11の周方向ZCに間隔を空けて等間隔に配置されている。第1磁気ヨーク51の第1爪部51Bは、第2磁気ヨーク52に向けて軸方向ZAに延びている。第2磁気ヨーク52の第2爪部52Bは、第1磁気ヨーク51に向けて軸方向ZAに延びている。
【0034】
ホルダ53は、樹脂からなる。ホルダ53は、円筒状に形成されている。ホルダ53は、コラムシャフト11と同軸的に配置されている。ホルダ53は、各磁気ヨーク51,52を保持している。ホルダ53は、射出成形により各磁気ヨーク51,52と一体に成形されている。
【0035】
図3に示したとおり、集磁ユニット60は、円筒状に形成されている。集磁ユニット60は、ハウジング18に固定されている。集磁ユニット60は、ヨークユニット50と間隔を空けてコラムシャフト11と同軸的にヨークユニット50の径方向ZB外側に配置されている。集磁ユニット60は、一組の集磁リング61およびホルダ62を有する。
【0036】
集磁リング61は、軟磁性体の金属からなる。集磁リング61は、環状に形成されている(図2参照)。集磁リング61は、コラムシャフト11と同軸的に配置されている。各集磁リング61は、第1磁気ヨーク51の第1環部51Aおよび第2磁気ヨーク52の第2環部52Aの径方向ZB外側に配置されている。2個の集磁リング61同士は、互いに軸方向ZAに間隔を空けて配置されている。各集磁リング61は、2個のセンサ対向部61Aを有する。2個の集磁リング61の2個のセンサ対向部61A同士は、互いに軸方向ZAに間隔を空けて対向している。
【0037】
ホルダ62は、樹脂からなる。ホルダ62は、円筒状に形成されている。ホルダ62は、コラムシャフト11と同軸的に配置されている。ホルダ62は、2個の集磁リング61を保持している。
【0038】
第1磁気検出部70は、本実施形態ではホールICである。第1磁気検出部70は、対向する一方のセンサ対向部61Aの軸方向ZAの間に配置されている。第1磁気検出部70は、一方のセンサ対向部61A間に流れる磁束密度に応じた信号を回路基板42に出力する。第1磁気検出部70は、永久磁石41、各磁気ヨーク51,52、および、2個の集磁リング61により構成される磁気回路の磁束密度を検出する。
【0039】
第2磁気検出部80は、本実施形態ではホールICである。第2磁気検出部80は、対向する他方のセンサ対向部61Aの軸方向ZAの間に配置されている。第2磁気検出部80は、他方のセンサ対向部61A間に流れる磁束密度に応じた信号を回路基板42に出力する。第2磁気検出部80は、永久磁石41、各磁気ヨーク51,52、および、2個の集磁リング61により構成される磁気回路の磁束密度を検出する。
【0040】
トルク検出装置40の動作について説明する。
入力シャフト11Aおよび出力シャフト11Bとの間にねじれトルクが印加されていない状態、すなわちトーションバー11Cがねじれていない状態では、各磁気ヨーク51,52の各爪部51B,52Bの中心位置と永久磁石41のN極とS極との境界とが一致している。このとき、永久磁石41のN極とS極から同数の磁力線が各磁気ヨーク51,52の各爪部51B,52Bに出入りするため、第1磁気ヨーク51の内部と第2磁気ヨーク52の内部とにおいてそれぞれ磁力線が閉じている。したがって、第1磁気ヨーク51と第2磁気ヨーク52との間に磁束が漏れることはなく、第1磁気検出部70および第2磁気検出部80により検出される磁束密度は「0」となる。
【0041】
一方、入力シャフト11Aと出力シャフト11Bとの間にねじれトルクが印加された状態、すなわちトーションバー11Cがねじれた状態では、各磁気ヨーク51,52の各爪部51B,52Bの中心位置と永久磁石41のN極とS極との境界とが一致しない。このため、第1磁気ヨーク51および第2磁気ヨーク52においては、N極またはS極の磁力線が増加する。
【0042】
このとき、第1磁気ヨーク51および第2磁気ヨーク52は、互いに逆の極性を有する磁力線が増加する。このため、第1磁気ヨーク51と第2磁気ヨーク52との間に磁束密度が発生する。磁束密度は、トーションバー11Cのねじれ量(ねじれ角の絶対値)に概ね比例し、かつトーションバー11Cのねじれ方向に応じて極性が反転する。磁束密度は、第1磁気検出部70および第2磁気検出部80により検出されて電圧信号として取り出される。
【0043】
第1磁気検出部70および第2磁気検出部80の詳細な構成について、図4を用いて説明する。
各磁気検出部70,80は、3個の端子、すなわち電源端子70A,80A、センサ出力端子70B,80B、および接地端子70C,80Cを有する。各磁気検出部70,80は、制御装置30と電気的に接続されている。詳しくは、各磁気検出部70,80は、各端子70A〜70C,80A〜80Cが回路基板42(図3参照)と電気的に接続されている。回路基板42は、電源線、センサ出力線、および、接地線を有するリード線を介して制御装置30と電気的に接続されている。
【0044】
各磁気検出部70,80は、主ホール素子71A,81A、副ホール素子71B,81B、主温度検出素子72A,82A、副温度検出素子72B,82B、主アナログデジタル変換部73A,83A、副アナログデジタル変換部73B,83B、主記憶部74A,84A、および、副記憶部74B,84Bを有する。各磁気検出部70,80は、この他に、主演算部75A,85A、副演算部75B,85B、相互監視部76,86、電源監視部77,87、および、デジタルアナログ変換部78,88を有する。
【0045】
なお、第2磁気検出部80の各構成要素の構成は、第1磁気検出部70の各構成要素の構成と共通しているため、第2磁気検出部80の各構成要素の説明を省略する。また、第2磁気検出部80においては、第1磁気検出部70の信号を以下のように置き換える。すなわち、「第1主磁気信号H11」を「第2主磁気信号H21」に置き換える。「第1副磁気信号H12」を「第2副磁気信号H22」に置き換える。「第1主温度信号」を「第2主温度信号」に置き換える。「第1副温度信号」を「第2副温度信号」に置き換える。
【0046】
主ホール素子71Aは、主アナログデジタル変換部73Aと電気的に接続されている。主ホール素子71Aは、2個の集磁リング61のうち、一方のセンサ対向部61A間の磁束密度に応じた第1主磁気信号H11を主アナログデジタル変換部73Aに出力する。
【0047】
副ホール素子71Bは、副アナログデジタル変換部73Bと電気的に接続されている。副ホール素子71Bは、2個の集磁リング61のうち、一方のセンサ対向部61A間の磁束密度に応じた第1副磁気信号H12を副アナログデジタル変換部73Bに出力する。
【0048】
主温度検出素子72Aは、主アナログデジタル変換部73Aと電気的に接続されている。主温度検出素子72Aは、主ホール素子71Aの温度に応じた第1主温度信号を主アナログデジタル変換部73Aに出力する。
【0049】
副温度検出素子72Bは、副アナログデジタル変換部73Bと電気的に接続されている。副温度検出素子72Bは、副ホール素子71Bの温度に応じた第1副温度信号を副アナログデジタル変換部73Bに出力する。
【0050】
主アナログデジタル変換部73Aは、主演算部75Aと電気的に接続されている。主アナログデジタル変換部73Aは、アナログ信号として生成された主ホール素子71Aの第1主磁気信号H11および主温度検出素子72Aの第1主温度信号をデジタル信号に変換し、主演算部75Aに出力する。
【0051】
副アナログデジタル変換部73Bは、副演算部75Bと電気的に接続されている。副アナログデジタル変換部73Bは、アナログ信号として生成された副ホール素子71Bの第1副磁気信号H12および副温度検出素子72Bの第1副温度信号をデジタル信号に変換し、副演算部75Bに出力する。
【0052】
主演算部75Aは、相互監視部76およびデジタルアナログ変換部78と電気的に接続されている。主演算部75Aは、DSP(Digital Signal Processor)により構成されている。主演算部75Aは、デジタル信号としての主ホール素子71Aの第1主磁気信号H11を演算処理することによりリニアな出力信号に変換する。
【0053】
主演算部75Aは、温度補正部、オフセット調整部、および、ゲイン調整部を有する。温度補正部は、第1主温度信号に基づいて、主ホール素子71Aの温度による第1主磁気信号H11の出力レベルの変化が小さくなるように補正(校正)する機能を有する。オフセット調整部は、主ホール素子71Aが検出する磁束密度が「0」のときの第1主磁気信号H11の出力レベルを調整(校正)する機能を有する。すなわち、オフセット調整部は、操舵部品2の中立位置の検出のずれを調整(校正)する機能を有する。ゲイン調整部は、主ホール素子71Aの磁束密度に対する第1主磁気信号H11の出力レベルの変化の傾きを調整(校正)する機能を有する。主演算部75Aは、温度補正部、オフセット調整部、および、ゲイン調整部により校正された第1主磁気信号H11を相互監視部76とデジタルアナログ変換部78とに出力する。主演算部75Aは、温度補正部、オフセット調整部、および、ゲイン調整部による第1主磁気信号H11の校正結果を主記憶部74Aに出力する。
【0054】
副演算部75Bは、相互監視部76と電気的に接続されている。副演算部75Bは、DSP(Digital Signal Processor)により構成されている。副演算部75Bは、デジタル信号としての副ホール素子71Bの第1副磁気信号H12を演算処理することによりリニアな出力信号に変換する。
【0055】
副演算部75Bは、温度補正部、オフセット調整部、および、ゲイン調整部を有する。温度補正部は、第1副温度信号に基づいて、副ホール素子71Bの温度による第1副磁気信号H12の出力レベルの変化が小さくなるように補正(校正)する機能を有する。オフセット調整部は、副ホール素子71Bが検出する磁束密度が「0」のときの第1副磁気信号H12の出力レベルを調整(校正)する機能を有する。ゲイン調整部は、副ホール素子71Bの磁束密度に対する第1副磁気信号H12の出力レベルの変化の傾きを調整(校正)する機能を有する。副演算部75Bは、温度補正部、オフセット調整部、および、ゲイン調整部により校正された第1副磁気信号H12を相互監視部76に出力する。副演算部75Bは、温度補正部、オフセット調整部、および、ゲイン調整部による第1副磁気信号H12の校正結果を副記憶部74Bに出力する。
【0056】
主記憶部74Aは、主演算部75Aと電気的に接続されている。主記憶部74Aは、不揮発性メモリとしてEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)により構成されている。主記憶部74Aは、主演算部75Aによる第1主磁気信号H11の校正結果を記憶する。
【0057】
副記憶部74Bは、副演算部75Bと電気的に接続されている。副記憶部74Bは、不揮発性メモリとしてEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)により構成されている。副記憶部74Bは、副演算部75Bによる第1副磁気信号H12の校正結果を記憶する。
【0058】
相互監視部76は、デジタルアナログ変換部78と電気的に接続されている。校正された第1主磁気信号H11および校正された第1副磁気信号H12が一致するか否かを判定する。詳しくは、相互監視部76は、校正された第1主磁気信号H11および校正された第1副磁気信号H12が一致する場合、合致信号をデジタルアナログ変換部78に出力する。相互監視部76は、校正された第1主磁気信号H11および校正された第1副磁気信号H12が一致しない場合、相違信号をデジタルアナログ変換部78に出力する。
【0059】
相互監視部76は、主演算部75Aおよび副演算部75Bを同期させる。詳しくは、相互監視部76は、主演算部75Aの温度調整部、ゲイン調整部、および、オフセット調整部により第1主磁気信号H11が校正されるとき、副演算部75Bの温度調整部、ゲイン調整部、および、オフセット調整部により第1副磁気信号H12が第1主磁気信号H11の校正と同様にかつ同時に校正された状態とする。
【0060】
電源監視部77は、デジタルアナログ変換部78と電気的に接続されている。電源監視部77は、電源端子70Aを介して入力された電圧が予め設定された範囲内となるか否かを判定している。電源監視部77は、電源端子70Aを介して入力された電圧が予め設定された範囲内の場合、正常信号をデジタルアナログ変換部78に出力する。電源監視部77は、電源端子70Aを介して入力された電圧が予め設定された範囲外の場合、異常信号をデジタルアナログ変換部78に出力する。
【0061】
デジタルアナログ変換部78は、センサ出力端子70Bを介して校正された第1主磁気信号H11、合致信号または相違信号、および、正常信号または異常信号を回路基板42(制御装置30)に出力する。
【0062】
制御装置30は、第1磁気検出部70の異常信号を受信したとき、電源端子70Aを介して第1磁気検出部70に電力を供給することを停止する。制御装置30は、第1磁気検出部70の正常信号を受信したとき、電源端子70Aを介して第1磁気検出部70に電力を供給する。なお、制御装置30は、第2磁気検出部80についても同様に制御する。
【0063】
制御装置30は、第1磁気検出部70のデジタルアナログ変換部78の各信号と、第2磁気検出部80のデジタルアナログ変換部88の各信号とに基づいて、操舵トルクの算出を行うとともに、各磁気検出部70,80の故障判定を行う。
【0064】
各磁気検出部70,80の故障判定について説明する。
各磁気検出部70,80の故障としては、第1磁気検出部70の主ホール素子71Aおよび副ホール素子71Bの少なくとも一方が故障する形態、および、第2磁気検出部80の主ホール素子81Aおよび副ホール素子81Bの少なくとも一方が故障する形態が挙げられる。
【0065】
制御装置30は、第1磁気検出部70の相互監視部76を介して合致信号を受信するとき、第1磁気検出部70が正常と判定する。制御装置30は、相互監視部76を介して相違信号を受信するとき、第1磁気検出部70が故障していると判定する。また、制御装置30は、第2磁気検出部80の相互監視部86を介して合致信号を受信するとき、第2磁気検出部80が正常と判定する。制御装置30は、相互監視部86を介して相違信号を受信するとき、第2磁気検出部80が故障していると判定する。
【0066】
次に、各磁気検出部70,80の故障判定を踏まえた操舵トルクの算出の処理手順について、図5を用いて説明する。図5に示される操舵トルクの算出処理は、所定時間毎に繰り返し実行される。なお、図5を参照する以下の説明において、符号が付された電動パワーステアリング装置1の構成要素は、図1および図4に記載された構成要素を示す。
【0067】
まず、制御装置30は、ステップS11において第1磁気検出部70の第1主磁気信号H11を取得する。そして制御装置30は、ステップS12において第2磁気検出部80の第2主磁気信号H21を取得する。
【0068】
次に、制御装置30は、以下の2つの判定を行う。すなわち、制御装置30は、ステップS13において第1磁気検出部70の相互監視部76を介して合致信号を受信したか否かを判定する。そして、制御装置30は、ステップS14において第2磁気検出部80の相互監視部86を介して合致信号を受信したか否かを判定する。
【0069】
制御装置30は、ステップS13において肯定判定のとき、第1磁気検出部70が正常と判定する。そして、制御装置30は、ステップS21において校正した第1主磁気信号H11に基づいて操舵トルクを算出する。
【0070】
制御装置30は、ステップS13において否定判定かつステップS14において肯定判定のとき、第1磁気検出部70が故障かつ第2磁気検出部80が正常と判定する。そして、制御装置30は、ステップS22において校正した第2主磁気信号H21に基づいて操舵トルクを算出する。そして、制御装置30は、ステップS23において車両のメータパネルにトルク検出装置40が故障した旨の警告灯を表示する。
【0071】
制御装置30は、ステップS13およびステップS14において否定判定のとき、すなわち第1磁気検出部70および第2磁気検出部80がともに故障したと判定したとき、ステップS24においてアシスト装置20の動作を停止する。詳しくは、制御装置30は、アシストモータ21への電力の供給を停止する。そして、制御装置30は、ステップS23に移行する。
【0072】
このように、トルク検出装置40は、第1磁気検出部70が故障した場合、第2磁気検出部80の校正した第2主磁気信号H21に基づいてアシストモータ21の駆動を制御する。すなわち、電動パワーステアリング装置1は、第1磁気検出部70が故障したとしても第2磁気検出部80の第2主磁気信号H21によりアシスト装置20による操舵部品2(図1参照)の操舵のアシストを実行することが可能となる。このため、トルク検出装置40は、冗長性を有する。
【0073】
第1磁気検出部70の磁気信号について、図6図8を用いて説明する。なお、第2磁気検出部80の磁気信号は、第1磁気検出部70の磁気信号と同様のため、その説明を省略する。また、図6図8を参照する以下の説明において、符号が付された電動パワーステアリング装置1の構成要素は、図1図4に記載された構成要素を示す。
【0074】
図6は、予め設定された基準となる第1主磁気信号(以下、「第1主基準信号HK1」)および予め設定された基準となる第1副磁気信号(以下、「第1副基準信号HK2」)を示している。図6は、第1副基準信号HK2が第1主基準信号HK1に対して反転した状態で示されている。第1主基準信号HK1は、磁束密度が大きくなるにつれて出力レベルが大きくなる。第1副基準信号HK2は、磁束密度が大きくなるにつれて出力レベルが小さくなる。第1主基準信号HK1および第1副基準信号HK2は、磁束密度が「0」のとき、交差する。
【0075】
制御装置30は、第1主基準信号HK1(磁束密度)に基づいてトーションバー11C(図1参照)のねじれ量を算出する。そして、制御装置30は、トーションバー11Cのねじれ量に基づいて操舵トルクを算出する。
【0076】
ところで、第1磁気検出部70は、予め設定された特定の永久磁石の特性に基づいて、第1主基準信号HK1および第1副基準信号HK2が設定されている。このため、トルク検出装置40の永久磁石41が上述の特定の永久磁石と異なる種類の永久磁石が用いられる場合、第1磁気検出部70の第1主磁気信号H11および第1副磁気信号H12が第1主基準信号HK1および第1副基準信号HK2からずれる場合がある。また、トルク検出装置40の組立時において、永久磁石41の着磁のばらつき、永久磁石41と各磁気ヨーク51,52との相対位置のばらつき、および、各磁気ヨーク51,52と2個の集磁リング61との相対位置のばらつきが生じる場合がある。これにより、第1磁気検出部70および第2磁気検出部80に流れる磁束にばらつきが生じるため、第1磁気検出部70の第1主磁気信号H11および第1副磁気信号H12が第1主基準信号HK1および第1副基準信号HK2からずれる場合がある。
【0077】
このように、第1磁気検出部70の第1主磁気信号H11および第1副磁気信号H12が第1主基準信号HK1および第1副基準信号HK2に対して例えば図7および図8に示されるようなばらつきが生じる。そして、第1主磁気信号H11および第1副磁気信号H12が第1主基準信号HK1および第1副基準信号HK2に対するばらつきが生じる場合、以下の問題が生じる。
【0078】
図7(a)の二点鎖線のグラフにより示されるように、第1主磁気信号H11および第1副磁気信号H12の傾き度合が第1主基準信号HK1および第1副基準信号HK2の傾き度合よりも小さい場合、実際の操舵トルクよりも小さい操舵トルクを算出する。このため、制御装置30は、必要なアシストトルクよりも小さいアシストトルクを算出するため、運転者に重い操舵感を与えてしまう。
【0079】
また、図7(b)の二点鎖線のグラフにより示されるように、第1主磁気信号H11および第1副磁気信号H12の傾き度合が第1主基準信号HK1および第1副基準信号HK2の傾き度合よりも大きい場合、実際の操舵トルクよりも大きい操舵トルクを算出する。このため、制御装置30は、必要なアシストトルクよりも大きいアシストトルクを算出するため、運転者に必要以上に軽い操舵感を与えてしまう。
【0080】
また、図8(a)の二点鎖線のグラフにより示されるように、磁束密度が「0」のときの第1主磁気信号H11および第1副磁気信号H12の出力レベルが磁束密度が「0」のときの第1主基準信号HK1および第1副基準信号HK2よりも大きい場合、操舵部品2が中立位置にもかかわらず一方側に旋回に操舵したときの操舵トルクを算出する。このため、電動パワーステアリング装置1は、操舵部品2が中立位置にもかかわらず一方側に旋回するアシストトルクを付与してしまう。
【0081】
また、図8(b)の二点鎖線のグラフにより示されるように、磁束密度が「0」のときの第1主磁気信号H11および第1副磁気信号H12の出力レベルが磁束密度が「0」のときの第1主基準信号HK1および第1副基準信号HK2よりも小さい場合、操舵部品2が中立位置にもかかわらず他方側に旋回に操舵したときの操舵トルクを算出する。このため、電動パワーステアリング装置1は、操舵部品2が中立位置にもかかわらず他方側に旋回するアシストトルクを付与してしまう。なお、上述の問題は、第2磁気検出部80に基づいてアシストモータ21の駆動を制御する場合についても同様に発生する。
【0082】
このような問題に鑑みて、本実施形態の電動パワーステアリング装置1においては、操舵機構10にトルク検出装置40を取り付けた状態において、第1磁気検出部70および第2磁気検出部80を校正する。詳しくは、第1磁気検出部70の各演算部75A,75Bにより第1主磁気信号H11および第1副磁気信号H12が第1主基準信号HK1および第1副基準信号HK2に一致するように校正する。なお、第2磁気検出部80の校正についても同様である。
【0083】
第1磁気検出部70の第1主磁気信号H11および第1副磁気信号H12の詳細な校正方法について、図7および図8を用いて説明する。なお、第2磁気検出部80の校正方法については、第1磁気検出部70の校正方法と同様であるため、その説明を省略する。
【0084】
組立後のトルク検出装置40がコラムシャフト11およびハウジング18に取り付けられた状態において、操舵部品2が回転するとき、永久磁石41および各磁気ヨーク51,52の相対位置が変化するため、第1磁気検出部70の第1主磁気信号H11および第1副磁気信号H12の出力レベルが変化する。第1主磁気信号H11および第1副磁気信号H12の出力レベルの変化は、モニタされる。
【0085】
モニタの結果、第1主磁気信号H11および第1副磁気信号H12が図7(a)の二点鎖線のグラフとして示された場合、制御装置30は、第1磁気検出部70のゲインを大きくする校正信号を第1磁気検出部70のセンサ出力端子70Bに出力する。第1磁気検出部70の主演算部75Aは、ゲイン調整部により校正信号に基づいてゲインを大きくする。これにより、第1主磁気信号H11の傾き度合が大きくなり、第1主基準信号HK1に近づく。また、第1磁気検出部70の副演算部75Bは、主演算部75Aと同期する。詳しくは、副演算部75Bは、主演算部75Aのゲイン調整が行われたことに基づいて、主演算部75Aのゲイン調整と同じ校正を行う。これにより、第1副磁気信号H12の傾き度合が大きくなり、第1副基準信号HK2に近づく。なお、第1磁気検出部70のゲインは、主ホール素子71Aの第1主磁気信号H11をリニアな出力に変換する際のゲインを示す。
【0086】
また、第1主磁気信号H11および第1副磁気信号H12が図7(b)の二点鎖線のグラフとして示された場合、制御装置30は、第1磁気検出部70のゲインを小さくする校正信号をセンサ出力端子70Bに出力する。主演算部75Aは、ゲイン調整部により校正信号に基づいてゲインを小さくする。これにより、第1主磁気信号H11の傾き度合が小さくなり、第1主基準信号HK1に近づく。同様に、副演算部75Bは、主演算部75Aと同期するため、第1副磁気信号H12の傾き度合が小さくなり、第1副基準信号HK2に近づく。
【0087】
また、第1主磁気信号H11および第1副磁気信号H12が図8(a)の二点鎖線のグラフとして示された場合、制御装置30は、第1主基準信号HK1と第1副基準信号HK2との交点と、第1主磁気信号H11と第1副磁気信号H12との交点との間の距離であるオフセットが「0」となるための校正信号をセンサ出力端子70Bに出力する。また、第1主磁気信号H11および第1副磁気信号H12が図8(b)の二点鎖線のグラフとして示された場合も同様に、制御装置30は、オフセットが「0」となるための校正信号をセンサ出力端子70Bに出力する。校正信号に基づいて主演算部75Aは、オフセット調整部により主ホール素子71Aの第1主磁気信号H11を校正する。副演算部75Bは、主演算部75Aと同期するため、副ホール素子71Bの第1副磁気信号H12を主ホール素子71Aの第1主磁気信号H11の校正と同様に校正する。これらにより、第1主磁気信号H11および第1副磁気信号H12が第1主基準信号HK1および第1副基準信号HK2に向けて平行移動する。
【0088】
主演算部75Aは、第1主磁気信号H11の校正結果を主記憶部74Aに出力する。主記憶部74Aにおいては、第1主磁気信号H11の校正結果が記憶される。同様に、副演算部75Bは、第1副磁気信号H12の校正結果を副記憶部74Bに出力する。副記憶部74Bにおいては、第1副磁気信号H12の校正結果が記憶される。
【0089】
そして、校正完了後のトルク検出装置40の動作時においては、主演算部75Aは、主ホール素子71Aの第1主磁気信号H11が入力されたとき、第1主磁気信号H11の校正結果に基づいて、第1主磁気信号H11を校正する。同様に、副演算部75Bは、副ホール素子71Bの第1副磁気信号H12が入力されたとき、第1副磁気信号H12の校正結果に基づいて、第1副磁気信号H12を校正する。そして、トルク検出装置40は、第1磁気検出部70が正常の場合、校正された第1主磁気信号H11を制御装置30に出力する。また、トルク検出装置40は、第1磁気検出部70が故障かつ第2磁気検出部80が正常の場合、校正された第2主磁気信号H21を制御装置30に出力する。
【0090】
本実施形態の電動パワーステアリング装置1の作用について説明する。
第1磁気検出部70の主ホール素子71Aおよび副ホール素子71Bは、1個のホールICに含まれるホール素子であるため、同一のウェハーにより製造される。このため、主ホール素子71Aの出力特性および副ホール素子71Bの出力特性が類似すると考えられる。このため、図7および図8に示したとおり、主ホール素子71Aの第1主磁気信号H11が第1主基準信号HK1に対してずれる方向と副ホール素子71Bの第1副磁気信号H12が第1副基準信号HK2に対してずれる方向とが概ね等しくなると考えられる。また、第1主磁気信号H11の第1主基準信号HK1に対するずれ量と第1副磁気信号H12の第1副基準信号HK2に対するずれ量とが概ね等しくなると考えられる。
【0091】
本出願人は、このような主ホール素子71Aおよび副ホール素子71Bの出力特性の類似性に着目し、第1主磁気信号H11が第1主基準信号HK1に対して校正する方向と第1副磁気信号H12が第1副基準信号HK2に対して校正する方向とが概ね等しいことを知見した。そして、本出願人は、第1主磁気信号H11の第1主基準信号HK1に対する校正量と第1副磁気信号H12の第1副基準信号HK2に対する校正量とが概ね等しいことを知見した。
【0092】
そこで、本実施形態の第1磁気検出部70においては、相互監視部76により主演算部75Aおよび副演算部75Bが同期することにより、副演算部75Bが主演算部75Aの校正が行われたことに基づいて主演算部75Aの校正と同じ校正が行われる。このため、制御装置30から校正信号を1度入力することにより、主ホール素子71Aの第1主磁気信号H11および副ホール素子71Bの第1副磁気信号H12の両方が校正される。したがって、第1主磁気信号H11および第1副磁気信号H12を個別に校正すると仮定した場合と比較して、第1磁気検出部70の校正の回数が減るため、第1磁気検出部70の校正にかかる時間が短縮される。また、第2磁気検出部80の第2主磁気信号H21および第2副磁気信号H22の校正についても同様である。
【0093】
本実施形態の電動パワーステアリング装置1は、以下の効果を奏する。
(1)第1磁気検出部70は、校正信号に基づいて主演算部75Aおよび副演算部75Bが同期して第1主磁気信号H11および第1副磁気信号H12を校正する。第2磁気検出部80は、校正信号に基づいて主演算部85Aおよび副演算部85Bが同期して第2主磁気信号H21および第2副磁気信号H22を校正する。この構成によれば、制御装置30から構成信号を1度入力することにより、第1磁気検出部70の主ホール素子71Aの第1主磁気信号H11および副ホール素子71Bの第1副磁気信号H12の両方が校正される。したがって、第1主磁気信号H11および第1副磁気信号H12を個別に校正すると仮定した場合と比較して、第1磁気検出部70の校正が容易に行われる。なお、第2磁気検出部80についても第1磁気検出部70と同様の効果を奏する。
【0094】
(2)第1磁気検出部70は、校正信号に基づく第1主磁気信号H11の校正結果が主記憶部74Aに記憶され、校正信号に基づく第1副磁気信号H12の校正結果が副記憶部74Bに記憶される。第2磁気検出部80は、校正信号に基づく第2主磁気信号H21の校正結果が主記憶部84Aに記憶され、校正信号に基づく第2副磁気信号H22の校正結果が副記憶部84Bに記憶される。この構成によれば、制御装置30を介して第1磁気検出部70に電力の供給が停止されたとき、第1主磁気信号H11の校正結果および第1副磁気信号H12の校正結果が消去されることが回避される。したがって、第1磁気検出部70を再度校正することが抑制される。なお、第2磁気検出部80についても第1磁気検出部70と同様の効果を奏する。
【0095】
(3)制御装置30は、校正された第1主磁気信号H11または校正された第2主磁気信号H21に基づいて操舵トルクを算出する。この構成によれば、校正される前の第1主磁気信号H11または校正される前の第2主磁気信号H21に基づいて操舵トルクを算出すると仮定した構成と比較して、正確な操舵トルクを算出することができる。このため、電動パワーステアリング装置1においては、アシストモータ21が操舵部品2の操舵をより適切にアシストすることができる。したがって、操舵フィーリングが向上する。
【0096】
(4)第1磁気検出部70および第2磁気検出部80に対して1つの電源端子のみを有すると仮定した構成においては、電源端子または電源端子および制御装置30を互いに接続するリード線の電源線が故障したとき、第1磁気検出部70および第2磁気検出部80の両方の動作が不能となる。
【0097】
これに対して、本実施形態のトルク検出装置40においては、第1磁気検出部70が電源端子70Aを有し、第2磁気検出部80が電源端子80Aを有する。この構成によれば、電源端子70A,80Aの一方または電源端子70A,80Aおよび制御装置30を互いに接続するリード線の電源線の一方が故障したとき、電源端子70A,80Aの他方または電源端子70A,80Aおよび制御装置30を互いに接続するリード線の電源線の他方により各磁気検出部70,80のいずれかが動作する。このため、電源系統の信頼性が高くなる。
【0098】
本電動パワーステアリング装置および本トルク検出装置は、上記実施形態とは別の実施形態を含む。以下、本電動パワーステアリング装置および本トルク検出装置の他の実施形態としての上記実施形態の変形例を示す。なお、以下の各変形例は、技術的に可能な範囲において互いに組み合わせることもできる。
【0099】
・上記実施形態のトルク検出装置40において、集磁ユニット60を省略することもできる。この場合、第1磁気検出部70および第2磁気検出部80は、第1磁気ヨーク51および第2磁気ヨーク52の間に流れる磁束の磁束密度に応じた信号を第1主磁気信号H11、第1副磁気信号H12、第2主磁気信号H21、および、第2副磁気信号H22として出力する。
【0100】
・上記実施形態の第1磁気検出部70は、主記憶部74Aおよび副記憶部74Bを有する。ただし、第1磁気検出部70の構成は上記実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例の第1磁気検出部70は、主記憶部74Aおよび副記憶部74Bの一方を省略することもできる。変形例の第1磁気検出部70は、主記憶部74Aおよび副記憶部74Bの他方が主演算部75Aおよび副演算部75Bに電気的に接続される。主記憶部74Aおよび副記憶部74Bの他方は、第1主磁気信号H11の校正結果および第1副磁気信号H12の校正結果のそれぞれが記憶される。なお、第2磁気検出部80についても同様に変更することができる。
【0101】
・上記実施形態の主演算部75Aおよび副演算部75Bにおいて、温度補正部を省略することができる。なお、第2磁気検出部80の主演算部85Aおよび副演算部85Bについても同様に変更することができる。
【0102】
・上記実施形態の第1磁気検出部70は、校正信号に基づいて主演算部75Aが主ホール素子71Aの第1主磁気信号H11の校正を行い、副演算部75Bが主演算部75Aと同期して副ホール素子71Bの第1副磁気信号H12の校正を行う。ただし、第1磁気検出部70の校正方法は上記実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例の第1磁気検出部70は、校正信号に基づいて副演算部75Bが副ホール素子71Bの第1副磁気信号H12の校正を行い、主演算部75Aが副演算部75Bと同期して主ホール素子71Aの第1主磁気信号H11の校正を行う。なお、第2磁気検出部80についても同様に変更することができる。
【0103】
・上記実施形態の第1磁気検出部70は、相互監視部76により主演算部75Aおよび副演算部75Bが同期することにより第1主磁気信号H11および第1副磁気信号H12に対して同時にかつ同様の校正が行われる。ただし、第1主磁気信号H11および第1副磁気信号H12に対する同時にかつ同様の校正を行うための構成は上記実施形態に例示された内容に限られない。例えば変形例の第1磁気検出部70は、以下の(A)〜(C)の構成が挙げられる。なお、第2磁気検出部80についても同様に変更することができる。
【0104】
(A)変形例の第1磁気検出部70は、校正信号が入力される通信部を有する。通信部は、校正信号を主演算部75Aおよび副演算部75Bに出力する。これにより、第1主磁気信号H11および第1副磁気信号H12に対して同時にかつ同様の校正が行われる。
【0105】
(B)変形例の第1磁気検出部70においては、主演算部75Aが送信部を有し、副演算部75Bが受信部を有している。主演算部75Aは、送信部により校正信号に基づく主ホール素子71Aの校正結果を副演算部75Bに出力する。副演算部75Bは、受信部により主ホール素子71Aの校正結果を受信する。そして副演算部75Bは、主ホール素子71Aの校正と同じ校正を副ホール素子71Bに行う。
【0106】
(C)変形例の第1磁気検出部70は、校正信号が入力される信号記憶部を有する。主演算部75Aおよび副演算部75Bは、信号記憶部を監視する。主演算部75Aおよび副演算部75Bは、信号記憶部に校正信号が入力されたとき、校正信号を取得する。これにより、第1主磁気信号H11および第1副磁気信号H12に対して同時にかつ同様の校正が行われる。
【0107】
・上記実施形態の第1磁気検出部70は、センサ出力端子70Bを介して校正信号を受信する。ただし、校正信号の受信する構成は上記実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例の第1磁気検出部70は、電源端子70Aを介して校正信号を受信する。なお、第2磁気検出部80についても同様に変更することができる。
【0108】
・上記実施形態の主ホール素子71Aおよび副ホール素子71Bは、同一のウェハーではなく、直近のロットにより製造されてもよい。なお、主ホール素子81Aおよび副ホール素子81Bについても、同一のウェハーではなく、直近のロットにより製造されてもよい。
【0109】
・上記実施形態の電動パワーステアリング装置1は、コラムアシスト型の構成を有する。ただし、電動パワーステアリング装置1の構成は上記実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例の電動パワーステアリング装置1は、ラックパラレル型、ラック同軸型、ラッククロス型、ピニオンアシスト型、およびデュアルピニオンアシスト型の構成のいずれかを有する。
【0110】
次に、上記実施形態から把握することのできる技術的思想について以下に記載する。
(付記1)前記磁気検出部は、1個の電源端子、1個のセンサ出力端子、および、1個の接地端子を有し、前記校正信号は、前記電源端子または前記センサ出力端子に入力される請求項1または2に記載のトルク検出装置。
【符号の説明】
【0111】
1…電動パワーステアリング装置、2…操舵部品、3…転舵輪、10…操舵機構、11…コラムシャフト、11A…入力シャフト、11B…出力シャフト、11C…トーションバー、12…インターミディエイトシャフト、13…ピニオンシャフト、13A…ピニオン歯、14…転舵機構、15…ラックシャフト、15A…ラック歯、16…ラックアンドピニオン機構、17…タイロッド、20…アシスト装置、21…アシストモータ、22…減速機構、30…制御装置、40…トルク検出装置、41…永久磁石、42…回路基板、50…ヨークユニット、51…第1磁気ヨーク、51A…第1環部、51B…第1爪部、52…第2磁気ヨーク、52A…第2環部、52B…第2爪部、53…ホルダ、60…集磁ユニット、61…集磁リング、61A…センサ対向部、62…ホルダ、70…第1磁気検出部、70A…電源端子、70B…センサ出力端子、70C…接地端子、71A…主ホール素子、71B…副ホール素子、72A…主温度検出素子、72B…副温度検出素子、73A…主アナログデジタル変換部、73B…副アナログデジタル変換部、74A…主記憶部、74B…副記憶部、75A…主演算部、75B…副演算部、76…相互監視部、77…電源監視部、78…デジタルアナログ変換部、80…第2磁気検出部、80A…電源端子、80B…センサ出力端子、80C…接地端子、81A…主ホール素子、81B…副ホール素子、82A…主温度検出素子、82B…副温度検出素子、83A…主アナログデジタル変換部、83B…副アナログデジタル変換部、84A…主記憶部、84B…副記憶部、85A…主演算部、85B…副演算部、86…相互監視部、87…電源監視部、88…デジタルアナログ変換部、H11…第1主磁気信号、H12…第1副磁気信号、H21…第2主磁気信号、H22…第2副磁気信号、HK1…第1主基準信号(基準となる出力信号)、HK2…第1副基準信号(基準となる出力信号)、ZA…軸方向、ZB…径方向、ZC…周方向。
図1
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