(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記バックアップ手段は、前記モード切替手段によって、売上データの精算処理を行う精算モードに切り替えられたときに、前記第1の記憶手段に記憶されている前記設定の内容のバックアップデータを前記第2の記憶手段に記憶することを特徴とする請求項1に記載の売上データ処理装置。
前記設定変更手段は、前記モード切替手段によって前記複数種類のモードのうちの設定モードに切り替えられたときに、前記第1の記憶手段に記憶されている前記設定の内容の変更を行い、
前記バックアップ手段は、前記モード切替手段によって前記設定モードから他のモードに切り替えられたときに、前記第1の記憶手段に記憶されている前記設定の内容のバックアップデータを前記第2の記憶手段に記憶することを特徴とする請求項1又は2に記載の売上データ処理装置。
前記第2の記憶手段は、電源の供給が遮断してもデータの内容を記憶保持可能な不揮発性記録媒体であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の売上データ処理装置。
売上データを登録するための各種設定の内容が記憶された第1の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶されている前記設定の内容のバックアップデータを記憶するための第2の記憶手段とを備えた売上データ処理装置のコンピュータを制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記第1の記憶手段に記憶されている前記設定の内容に基づいて売上データの登録を行う登録手段、
前記第1の記憶手段に記憶されている前記設定の内容を変更する設定変更手段、
複数種類のモードの何れかに切り替えるモード切替手段、
前記モード切替手段によるモードの切り替えが行われたときに、前記第1の記憶手段に記憶されている前記設定の内容のバックアップデータを前記第2の記憶手段に記憶するバックアップ手段、
として機能させるようにしたコンピュータ読み取り可能なプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するための技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0011】
売上データ処理装置1は、店舗に設けられ、ユーザの操作に基づいて購買された商品の登録処理、精算処理等を行う。なお、この実施形態で、売上データ処理装置とは、ECR(Electronic Cash Resister)等を含むものである。
【0012】
図1に示すように、売上データ処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)10、入力部11、表示部12、RAM(Random Access Memory)13、記憶部14、通信部15、印刷部16、ドロア17、計時部18、メモリカードリーダライタ19等を備えて構成され、各部はバス20を介して接続されている。
【0013】
制御部としてのCPU10は、記憶部14に記憶されているシステムプログラムを読み出し、RAM13のワークエリアに展開し、該システムプログラムに従って各部を制御する。また、CPU10は、記憶部14に記憶されている処理プログラム141を読み出してワークエリアに展開し、各種処理を実行する。CPU10は、例えば、RAM13に記憶された後述する設定の内容に基づいて売上データの登録を行う登録処理を実行する。すなわち、CPU10は、登録手段として機能する。
【0014】
入力部11は、
図2に示すように、テンキー111、部門キー112、フラットPLUキー113、入金キー114、出金キー115、クレジットキー116、券キー117、現金預金キー118、小計キー119、登録確認キー120、金額キー121、乗算キー122、接続キー123等を備えて構成されている。
【0015】
フラットPLUキー113は、PLU番号が対応付けられた複数のキーにより構成される。PLU番号は、商品又は取引項目(現金売上、クレジット、商品券売上等)を識別するために割り当てられた識別番号である。フラットPLUキー113のそれぞれには、PLU番号に対応する商品の名称又は取引項目の名称が表示されている。例えば、PLU番号145は取引項目「現金売上」を識別する番号であるので、PLU番号145に対応するフラットPLUキー113には、「現金売上」の文字が表示されている。フラットPLUキー113の何れかが押下されると、そのフラットPLUキー113に対応するPLU番号が入力される。
入金キー114、出金キー115、クレジットキー116、券キー117、現金預金キー118は、取引区分(出金、入金、クレジット、商品券、現金)を入力するためのキーである。
小計キー119は、商品の登録が終了し、登録された売上金額の合計の算出指示を入力するためのキーである。登録確認キー120は、仕訳処理への移行指示を入力するためのキーである。
金額キー121は、テンキー111で入力された数値が金額であることを入力するためのキーである。
乗算キー122は、数量を入力するためのキーである。
【0016】
また、入力部11は、モードスイッチ124を備えている。モードスイッチ124は、売上データ処理装置1の動作モードを登録モード、点検モード、精算モード、設定モード、OFFモード、戻モードの何れかに切り替えるためのスイッチである。モードスイッチ124は、スイッチの位置に応じた信号をCPU10に出力する。CPU10は、モードスイッチ124から出力された信号に応じてモードを切り替える。すなわち、CPU10は、複数種類のモードの何れかに切り替えるモード切替手段として機能する。登録モードは、購買された商品の売上データの登録を行うモードである。精算モードは、1日の売上データの精算処理を行うモードである。設定モードは、売上データの登録を行うための各種設定の変更を行うモードである。戻しモードは、返品処理を行うモードである。
【0017】
更に、入力部11は、商品に設けられたバーコードを読み取るバーコードリーダやバーコードスキャナ等を備える。
【0018】
表示部12は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等により構成される。表示部12には、CPU10から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
【0019】
記憶部14は、ROM(Read Only Memory)等の半導体の不揮発性メモリ等により構成される。記憶部14は、CPU10で実行されるシステムプログラムや処理プログラム141、これらのプログラムの実行に必要なデータ等を記憶する。これらのプログラムは、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードの形態で記憶部14に格納されている。CPU10は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。また、記憶部14には、PLU初期設定ファイル142を記憶している。このPLU初期設定ファイル142には、売上データの登録を行うための各種設定の初期データが記述されている。本実施の形態では、このPLU初期設定ファイル142をRAM13に展開して使用することで、工場出荷時の設定にすることができる。
【0020】
第1の記憶手段としてのRAM13は、CPU10により記憶部14から読み出されたシステムプログラムや処理プログラム141、入力データ、出力データ、パラメータ等を一時的に格納するワークエリアを有する。また、RAM13は、部門別、担当者(店員)別、取引(現金、カード、商品券等)別等の売上データを合計して記憶するための合計器を備えている。さらに、本実施の形態では、RAM13は、記憶部14から読み出されたPLU初期設定ファイル142や後述するメモリカード190から読み出されたバックアップファイル190aを展開するワークエリアを有し、当該ワークエリアに展開された設定ファイルをPLU設定ファイル131として機能させることができる。このPLU設定ファイル131に記述された各種設定は設定モードにおいて変更することができるようになっている。
【0021】
図3は、RAM13に展開されたPLU設定ファイル131のデータ構成例を示す図である。
図3に示すように、PLU設定ファイル131には、「PLU番号」、「名称(商品名称又は取引項目名称)」、「仕分けコード」、「単価」、「課税方式」、「品番PLU」等の項目が設けられている。すなわち、PLU設定ファイル131においては、「PLU番号」に対応付けて、PLU番号により識別される商品に関する設定情報、又は、PLU番号により識別される取引項目の仕分けパターン情報を特定するための仕分けコード等が格納されている。
【0022】
図3において、PLU番号001(1)〜144のそれぞれには、そのPLU番号により識別される商品に関する設定情報が対応付けて格納されている。例えば、PLU番号001(1)には、「メニューA」についての設定情報(「単価」、「課税方式」、「部門リンク」等)が対応付けて格納されている。また、PLU番号145〜160のそれぞれには、そのPLU番号により識別される取引項目の仕訳パターン情報を特定するための仕訳コードが対応付けて格納されている。例えば、PLU番号145には、「現金売上」の仕訳パターン情報を特定するための「仕訳コード」が対応付けて格納されている。
また、PLU設定ファイル131には、固有の設定ファイル名、設定タイプ及び設定日時がそれぞれ記述されている。
設定タイプは、日替わりメニューの設定であることを示す設定「1」と、キャンペーン等、不定期メニューや季節メニューの設定であることを示す設定「2」と、レギュラーメニューの設定変更であることを示す設定「3」との何れかから選択される。
設定日時は、当該PLU設定ファイルを売上データ処理装置1に設定する日時を示している。設定ファイル名、設定タイプ及び設定日時は、ユーザにより適宜変更することができる。
本実施の形態では、売上データ処理装置1が、レストラン、喫茶店等の飲食店の店舗に設置されることを想定しているため、PLU設定ファイル131の「名称」に格納されるメニューA〜Jは、レストランにおける料理名称や飲物名称を表わすものである。
【0023】
通信部15は、モデム、ルータ、ネットワークカード等により構成される。通信部15は、通信ネットワークを介して接続された外部装置とのデータ送受信を行う。
【0024】
印刷部16は、例えば、サーマルプリンタ(感熱式プリンタ)であり、レシート用、ジャーナル用のロール紙(感熱紙)を有し、CPU10から入力される指示信号に従って、ロール紙に対して金額や売上データ等をプリントアウトする。
【0025】
ドロア17は、硬貨や紙幣等の現金を収納する引出しである。ドロア17は、CPU10の指示により、引出しが開けられる。
【0026】
時刻情報出力手段としての計時部18は、RTC(Real Time Clock)等の計時回路を内蔵し、現在の日時を示す日時情報をCPU10に出力する。
【0027】
メモリカードリーダライタ19は、メモリカード190が挿入されるスロットルを有し、スロットルに挿入されたメモリカード190の記憶領域に対する読み出し及び書き込みを行うリーダライタ装置である。
【0028】
第2の記憶手段としてのメモリカード190は、電源の供給が遮断してもデータの内容を記憶保持可能であって、読み出し及び書き込みが自由な不揮発性メモリを備えた可搬型記録媒体である。メモリカード190としては、例えば、SDメモリカードが適用可能である。本実施の形態において適用可能な記録媒体としてメモリカード190を例に説明するが、可搬型記録媒体であれば何れも適用可能であり、例えば、CD−R(Compact Disk-Recordable)、DVD−R(Digital Versatile Disk-Recordable)、可搬型フラッシュメモリ等が挙げられる。また、上述した可搬型記録媒体の他、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気ディスクや、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)等の半導体メモリ等を適用することもできる。
メモリカード190は、RAM13に記憶されたPLU設定ファイル131のバックアップデータをバックアップファイル190aとして記憶することができる。メモリカード190は、複数のバックアップファイル190aを記憶することができる。
【0029】
本実施の形態では、バックアップファイル190aを可搬型記録媒体としてのメモリカード190に記憶させるようにしたので、例えば、店舗における売上データ処理装置1を入れ替える場合において、入れ替える前に使用していた売上データ処理装置1の設定の内容を入れ替えた後の売上データ処理装置1に容易に反映させることができるので、利便性が高くなる。また、店舗内で複数の売上データ処理装置1を使用する場合に、1台の売上データ処理装置1において設定した内容を他の売上データ処理装置1についても容易に反映させることができるので、利便性が高くなる。
【0030】
次に、上述のようにして構成された売上データ処理装置1のCPU10にて実行される設定モード制御処理について
図4を参照しながら説明する。設定モード制御処理は、例えば、モードスイッチ124によって設定モードにモードが切り替えられたときに実行される処理である。
【0031】
まず、CPU10は、RAM13に記憶されているPLU設定ファイル131における各種設定を変更する設定変更処理を実行する(ステップS101)。すなわち、CPU10は、第1の記憶手段に記憶されている設定の内容を変更する設定変更手段として機能する。
【0032】
そして、CPU10は、設定モードが終了したか否かを判定する(ステップS102)。具体的には、CPU10は、モードスイッチ124によって設定モードから他のモードに切り替えられたことにより設定モードが終了したことを判定する。
【0033】
CPU10は、設定モードが終了したと判定しないときは(ステップS102:N)、ステップS101の処理を実行する。一方、CPU10は、設定モードが終了したと判定したときは(ステップS102:Y)、PLU設定ファイル131における設定の内容が変更されたか否かを判定する(ステップS103)。
【0034】
CPU10は、PLU設定ファイル131における設定の内容が変更されたと判定したときは(ステップS103:Y)、計時部18から出力される日時情報に基づいてタイムスタンプを生成し、設定変更後のPLU設定ファイル131に対応付けてRAM13に記憶する(ステップS104)。一方、CPU10は、PLU設定ファイル131における設定の内容が変更されたと判定しないときは(ステップS103:N)、ステップS104の処理を実行することなく、ステップS105の処理を実行する。
【0035】
次に、CPU10は、メモリカード190に記憶されているバックアップファイル190aにおけるタイムスタンプとPLU設定ファイル131に対応するタイムスタンプとを比較する(ステップS105)。このタイムスタンプの比較は、メモリカード190に記憶されている全てのバックアップファイル190aのそれぞれについて行われる。
【0036】
CPU10は、タイムスタンプを比較した結果、PLU設定ファイル131に対応するタイムスタンプと一致するタイムスタンプを有するバックアップファイル190aがあるか否かを判定する(ステップS106)。
【0037】
CPU10は、PLU設定ファイル131に対応するタイムスタンプと一致するタイムスタンプを有するバックアップファイル190aがあると判定しないときは(ステップS106:N)、RAM13に記憶されているPLU設定ファイル131が最新の設定ファイルであると判断して、バックアップファイルの作成確認表示を表示部12に表示して、ユーザにバックアップファイルの作成を許可するか否かを受け付ける(ステップS107)。なお、このとき、メモリカード190がメモリカードリーダライタ19に挿入されていない場合には、表示部12にその旨の警告表示を行うようにしてもよい。
【0038】
CPU10は、ユーザの入力部11への操作に応じて、バックアップファイルを作成するか否かを判定する(ステップS108)。CPU10は、バックアップファイルを作成すると判定したときは(ステップS108:Y)、RAM13に記憶されているPLU設定ファイル131に基づいてバックアップファイルを作成してメモリカード190に記憶し(ステップS109)、この処理を終了する。CPU10は、バックアップファイルの作成に際して、例えば、
図5に示すようなヘッダ情報をファイル毎に作成する。そして、CPU10は、作成したバックアップファイルとヘッダ情報とを対応付けてそれぞれメモリカード190に記憶する。ヘッダ情報には、設定ファイル名、設定タイプ、設定日時及びタイムスタンプが含まれている。ヘッダ情報に含まれるタイムスタンプは、ステップS104において取得されたタイムスタンプである。これにより、設定変更されたPLU設定ファイル131がバックアップされた日時を把握することができる。一方、CPU10は、ステップS108において、バックアップファイルを作成すると判定しないとき、すなわち、ユーザによりバックアップファイルの作成を許可しない旨の操作が行われたときは(ステップS108:N)、ステップS109の処理を実行することなく、この処理を終了する。
【0039】
また、CPU10は、ステップS106において、PLU設定ファイル131に対応するタイムスタンプと一致するタイムスタンプを有するバックアップファイル190aがあると判定したときは(ステップS106:Y)、PLU設定ファイル131における設定の内容の変更がなされていないとして、ステップS107〜ステップS109の処理を実行することなく、この処理を終了する。
【0040】
このように、本実施の形態では、CPU10は、モード切替手段によるモードの切り替えが行われたときに、第1の記憶手段に記憶されている設定の内容のバックアップデータを第2の記憶手段に記憶するバックアップ手段として機能する。
【0041】
本実施の形態によれば、上述したようにして構成することにより、設定の変更後にモードの切り替えが行われることにより最新の設定を自動的にバックアップさせることができるので、手動によるバックアップの手間を省略させることができ、利便性を向上させることができる。また、ユーザが変更後の設定についてバックアップをし忘れるというヒューマンエラーを防止することができる。
【0042】
また、本実施の形態によれば、PLU設定ファイル131に対応するタイムスタンプとバックアップファイル190aにおけるタイムスタンプとを比較し、異なる場合に設定の変更があったとしてバックアップを行うようにしたので、最新の設定の内容がバックアップされているか否かについてユーザがいちいち確認しなくても容易に最新の設定の内容であるPLU設定ファイル131のバックアップデータを取得できるようになる。また、バックアップファイル190aと同一の設定の内容であるPLU設定ファイル131についてバックアップを行う等の不要なバックアップの実行を抑制でき、処理効率が向上する。
【0043】
次に、精算モード制御処理について
図6を参照しながら説明する。精算モード制御処理は、例えば、モードスイッチ124によって精算モードに切り替えられたときに実行される処理である。
【0044】
まず、CPU10は、精算処理を実行するか否かを判定する(ステップS201)。具体的には、ユーザの入力部11への所定の精算操作が行われることにより精算処理の実行を判断する。
【0045】
CPU10は、精算処理を実行すると判定したときは(ステップS201:Y)、CPU10は、登録した売上データの精算を行う精算処理を実行する(ステップS202)。精算処理は、例えば、RAM13における合計器の内容に基づいて、商品別の売上レポートを作成して表示部12に表示し、印刷部16により印刷出力する。CPU10は、精算処理が完了すると、RAM13における合計器の内容をクリアする。一方、CPU10は、精算処理を実行すると判定しないときは(ステップS201:N)、精算処理を実行すると判定されるまでステップS201の処理を繰り返し実行する。
【0046】
次に、CPU10は、メモリカード190に記憶されているバックアップファイル190aにおけるタイムスタンプとPLU設定ファイル131に対応するタイムスタンプとを比較する(ステップS203)。
【0047】
CPU10は、タイムスタンプを比較した結果、PLU設定ファイル131に対応するタイムスタンプと一致するタイムスタンプを有するバックアップファイル190aがあるか否かを判定する(ステップS204)。
【0048】
CPU10は、PLU設定ファイル131に対応するタイムスタンプと一致するタイムスタンプを有するバックアップファイル190aがあると判定しないときは(ステップS204:N)、バックアップファイルの作成確認表示を表示部12に表示して、ユーザにバックアップファイルの作成を許可するか否かを受け付ける(ステップS205)。ここで、メモリカード190に記憶されているバックアップファイル190aにおけるタイムスタンプとPLU設定ファイル131に対応するタイムスタンプとが一致しない状況は、例えば、上述した設定モード制御処理において、設定の変更を行ったにもかかわらず、バックアップファイルを作成しなかった場合に生じ得る。
【0049】
CPU10は、ユーザの入力部11への操作に応じて、バックアップファイルを作成するか否かを判定する(ステップS206)。CPU10は、バックアップファイルを作成すると判定したときは(ステップS206:Y)、RAM13に記憶されているPLU設定ファイル131に基づいてバックアップファイルを作成してメモリカード190に記憶し(ステップS207)、この処理を終了する。一方、CPU10は、バックアップファイルを作成すると判定しないとき、すなわち、ユーザによりバックアップファイルの作成を許可しない旨の操作が行われたときは(ステップS206:N)、ステップS207の処理を実行することなく、この処理を終了する。
【0050】
また、CPU10は、ステップS204において、PLU設定ファイル131に対応するタイムスタンプと一致するタイムスタンプを有するバックアップファイルがあると判定したときは(ステップS204:Y)、PLU設定ファイル131における設定の内容の変更がなされていないとして、ステップS205〜ステップS207の処理を実行することなく、この処理を終了する。
【0051】
このように、本実施の形態では、PLU設定ファイル131における各種設定の変更を行ったときや、精算処理を行ったときに、設定変更後のPLU設定ファイル131について、自動的にバックアップすることができるので、業務時間の短縮を図ることができる。また、設定変更したにもかかわらずバックアップをし忘れるというヒューマンエラーを防止することができる。
【0052】
次に、バックアップ自動復帰処理について
図7を参照しながら説明する。バックアップ自動復帰処理は、例えば、所定時間(例えば、1分)毎に実行される割り込み処理である。
【0053】
まず、CPU10は、計時部18から日時情報を取得し、メモリカード190に記憶されたヘッダ情報の設定日時を参照して、取得した日時情報と一致する設定日時を含むバックアップファイルを検索する(ステップS301)。なお、メモリカード190に記憶されたヘッダ情報の設定日時が曜日であるバックアップファイルについては、売上データ処理装置1が起動してから最初に実行されるバックアップ自動復帰処理において検索対象とされる。
【0054】
CPU10は、検索した結果、該当するバックアップファイルがメモリカード190に記憶されているか否かを判定する(ステップS302)。
【0055】
CPU10は、該当するバックアップファイルがメモリカード190に記憶されていると判定したときは(ステップS302:Y)、当該バックアップファイル190aをメモリカード190から読み出して、RAM13に展開するか否かを判定する(ステップS303)。具体的には、CPU10は、例えば、入力部11にて所定の操作が行われることによりバックアップファイルの読み出しを行うと判断する。
【0056】
CPU10は、バックアップファイルをメモリカード190から読み出すと判定したときは(ステップS303:Y)、当該バックアップファイル190aをメモリカード190から読み出して、RAM13にPLU設定ファイル131として展開した後(ステップS304)、この処理を終了する。一方、CPU10は、バックアップファイルをメモリカード190から読み出すと判定しないときは(ステップS303:N)、ステップS304の処理を実行することなく、この処理を終了する。
【0057】
また、CPU10は、ステップS302において、該当するバックアップファイルがメモリカード190に記憶されていると判定しないときは(ステップS302:N)、ステップS303及びステップS304の処理を実行することなく、この処理を終了する。
【0058】
なお、ステップS302において、検索した結果、抽出されたバックアップファイルが複数ある場合は、バックアップファイルの読み出しを行うときに、例えば、表示部12に検索結果抽出されたバックアップファイルが複数ある旨を表示する。そして、ユーザが入力部11を操作することにより、RAM13に展開するバックアップファイルを選択できるようにする。あるいは、各バックアップファイルに優先順位が設定されており、検索した結果、抽出されたバックアップファイルが複数ある場合は、優先順位の高いものがRAM13に展開するバックアップファイルとして選択されるようにしてもよい。
【0059】
このように、本実施の形態では、CPU10は、第2の記憶手段に記憶されたバックアップデータにおける設定の内容に含まれる設定時刻となったときに、当該バックアップデータにおける設定の内容を第2の記憶手段から読み出して第1の記憶手段に記憶するバックアップ復帰手段として機能する。
【0060】
以上説明したように、本実施の形態によれば、RAM13は、売上データを登録するための各種設定の内容を記憶する。CPU10は、RAM13に記憶されている設定の内容に基づいて売上データの登録を行う。CPU10は、RAM13に記憶されている設定の内容を変更する。CPU10は、複数種類のモードの何れかに切り替える。メモリカード190は、RAM13に記憶されている設定の内容のバックアップデータを記憶する。CPU10は、モードの切り替えが行われたときに、RAM13に記憶されている設定の内容のバックアップデータをメモリカード190に記憶する。その結果、設定の内容を変更した場合には、モードの切り替えが行われることにより確実にバックアップを実施させることができるので、変更した設定の内容のバックアップ忘れを防止することができる。また、モードの切り替えが行われることにより自動的にバックアップさせることができるので、手動によるバックアップの手間を省略させることができ、利便性を向上させることができる。また、ユーザが変更後の設定についてバックアップをし忘れるというヒューマンエラーを防止することができる。
【0061】
また、本実施の形態によれば、CPU10は、売上データの精算処理を行う精算モードに切り替えられたときに、RAM13に記憶されている設定の内容のバックアップファイルをメモリカード190に記憶する。その結果、精算処理の実行を契機として自動的にバックアップを行うことができるので、業務時間の短縮を図ることができる。
【0062】
また、本実施の形態によれば、CPU10は、複数種類のモードのうちの設定モードに切り替えられたときに、RAM13に記憶されている設定の内容の変更を行う。CPU10は、設定モードから他のモードに切り替えられたときに、RAM13に記憶されている設定の内容のバックアップファイルをメモリカード190に記憶する。その結果、設定の変更が行われて設定モードから他のモードに切り替えられたときに自動的にバックアップを行うので、設定の変更を行ったにもかかわらずバックアップをし忘れることをより確実に防止することができる。
【0063】
また、本実施の形態によれば、計時部18は、現在の時刻を特定可能な日時情報を出力する。CPU10は、設定の内容を変更したときに計時部18から出力された日時情報を取得して変更後の設定の内容とともにRAM13に記憶する。CPU10は、RAM13に設定の内容とともに記憶されているタイムスタンプと、メモリカード190に記憶されているバックアップファイル190aに含まれるタイムスタンプとを比較して一致しない場合に、RAM13に記憶されている設定の内容及びタイムスタンプをバックアップデータとしてメモリカード190に記憶する。その結果、最新の設定の内容がバックアップされているか否かについてユーザがいちいち確認しなくても容易に最新の設定の内容のバックアップデータを取得できるようになるので、利便性が向上する。また、同一の設定の内容についてバックアップを行う等の不要なバックアップの実行を抑制することができ、処理効率が向上する。
【0064】
また、本実施の形態によれば、メモリカード190は、可搬型記録媒体であって、メモリカード190に対する読み出し及び書き込みを行うメモリカードリーダライタ19を備えたので、バックアップデータの搬出が可能となり、例えば、店舗における売上データ処理装置を入れ替える場合において、入れ替える前に使用していた売上データ処理装置の設定の内容を入れ替えた後の売上データ処理装置に容易に反映させることができる。また、例えば、店舗内で複数の売上データ処理装置を使用する場合に、1台の売上データ処理装置において設定した内容を他の売上データ処理装置についても容易に反映させることができるので、利便性が高くなる。
【0065】
また、本実施の形態によれば、CPU10は、メモリカード190に記憶されたバックアップファイル190aにおける設定の内容に含まれる設定日時となったときに、当該バックアップファイル190aにおける設定の内容をメモリカード190から読み出してRAM13に記憶する。その結果、予め作成しておいた設定の内容を予め設定された時間となったときに自動的にセットすることができるので、設定の変更を容易に行うことができ、利便性を向上させることができる。
【0066】
また、本実施の形態によれば、メモリカード190は、電源の供給が遮断してもデータの内容を記憶保持可能な不揮発性記録媒体であるので、バックアップデータを消失することを防止することができる。
【0067】
なお、上記実施形態における記述内容は、本発明に係る売上データ処理装置の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
【0068】
また、本実施の形態では、自動バックアップ復帰処理を定期的に実行することで、自動的にバックアップファイル190aをメモリカード190からRAM13に展開するようにしたが、ユーザにより自動バックアップ復帰機能を機能させるか否かを選択できるようにしてもよい。また、自動バックアップ復帰処理を備えないものであってもよい。
【0069】
また、本実施の形態では、計時部18により現在の日時を示す日時情報を出力するようにしたが、少なくとも時刻を特定可能な時刻情報を出力できるものとしてもよい。
【0070】
また、本実施の形態では、設定モードから他のモードに切り替えたとき、及び、他のモードから精算モードに切り替えたときにPLU設定ファイル131における変更後の設定のバックアップを行うようにしたが、設定モードから他のモードに切り替えたときにのみ行うようにしてもよい。また、他のモードから精算モードに切り替えたときにのみバックアップを行うようにしてもよい。
【0071】
また、本実施の形態では、メモリカード190に記憶されているバックアップファイル190aにおけるタイムスタンプとPLU設定ファイル131に対応するタイムスタンプとを比較することにより、PLU設定ファイル131における設定の内容が最新のものであるか否かを判断するようにしたが、他の方法によりPLU設定ファイル131における設定の内容が最新のものであるか否かを判断するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、メモリカード190に記憶されているバックアップファイル190aにおけるタイムスタンプとPLU設定ファイル131に対応するタイムスタンプとを比較し、一致しない場合に、バックアップファイルを作成するようにしたが、タイムスタンプの比較を行わないで、モードが切り替えられた場合には必ずバックアップファイルを作成するようにしてもよい。
【0072】
また、本実施の形態では、バックアップファイルを作成するに際して、ユーザによるバックアップファイルの作成の許否を受け付けるようにしたが、バックアップファイルの作成の許否を受け付ける機能を備えないで、必ずバックアップするように構成してもよい。
【0073】
また、本実施の形態では、PLU設定ファイル131における設定の全体についてのバックアップデータを作成するようにしたが、一部のみバックアップデータを作成するようにしてもよく、例えば、設定の変更が行われた部分のみのバックアップデータを作成するようにしてもよい。
【0074】
また、本実施の形態では、1つのバックアップファイル190aのみを読み出してRAM13に展開するようにしたが、2以上のバックアップファイル190aを読み出してそれぞれRAM13に展開するようにしてもよい。例えば、設定タイプが「3」である設定の内容を含むバックアップファイル190aから全体の設定についてRAM13に展開した後、設定タイプが「1」である設定の内容を含むバックアップファイル190aから重複する一部の設定についてRAM13に更新して用いるようにしてもよい。
【0075】
また、上記の各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体として、ROMやハードディスク等の他、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを所定の通信回線を介して提供する媒体としては、キャリアウェーブ(搬送波)も適用される。
【0076】
その他、売上データ処理装置を構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0077】
本発明の実施の形態及び変形例を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態及び変形例に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
売上データを登録するための各種設定の内容が記憶された第1の記憶手段と、
前記第1の記憶手段に記憶されている前記設定の内容に基づいて売上データの登録を行う登録手段と、
前記第1の記憶手段に記憶されている前記設定の内容を変更する設定変更手段と、
複数種類のモードの何れかに切り替えるモード切替手段と、
前記第1の記憶手段に記憶されている前記設定の内容のバックアップデータを記憶するための第2の記憶手段と、
前記モード切替手段によるモードの切り替えが行われたときに、前記第1の記憶手段に記憶されている前記設定の内容のバックアップデータを前記第2の記憶手段に記憶するバックアップ手段と、
を備えたことを特徴とする売上データ処理装置。
<請求項2>
前記バックアップ手段は、前記モード切替手段によって、売上データの精算処理を行う精算モードに切り替えられたときに、前記第1の記憶手段に記憶されている前記設定の内容のバックアップデータを前記第2の記憶手段に記憶することを特徴とする請求項1に記載の売上データ処理装置。
<請求項3>
前記設定変更手段は、前記モード切替手段によって前記複数種類のモードのうちの設定モードに切り替えられたときに、前記第1の記憶手段に記憶されている前記設定の内容の変更を行い、
前記バックアップ手段は、前記モード切替手段によって前記設定モードから他のモードに切り替えられたときに、前記第1の記憶手段に記憶されている前記設定の内容のバックアップデータを前記第2の記憶手段に記憶することを特徴とする請求項1又は2に記載の売上データ処理装置。
<請求項4>
現在の時刻を特定可能な時刻情報を出力する時刻情報出力手段を備え、
前記設定変更手段は、前記設定の内容を変更したときに前記時刻情報出力手段から出力された時刻情報を取得して変更後の前記設定の内容とともに前記第1の記憶手段に記憶し、
前記バックアップ手段は、前記第1の記憶手段に前記設定の内容とともに記憶されている時刻情報と、前記第2の記憶手段に記憶されているバックアップデータに含まれる時刻情報とを比較して一致しない場合に、前記第1の記憶手段に記憶されている前記設定の内容及び時刻情報をバックアップデータとして前記第2の記憶手段に記憶することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の売上データ処理装置。
<請求項5>
前記第2の記憶手段は、可搬型記録媒体であって、
前記可搬型記録媒体に対する読み出し及び書き込みを行うリーダライタ装置を備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の売上データ処理装置。
<請求項6>
前記設定の内容には設定時刻が含まれており、
前記第2の記憶手段に記憶されたバックアップデータにおける前記設定の内容に含まれる設定時刻となったときに、当該バックアップデータにおける前記設定の内容を前記第2の記憶手段から読み出して前記第1の記憶手段に記憶するバックアップ復帰手段を備えたことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の売上データ処理装置。
<請求項7>
前記第2の記憶手段は、電源の供給が遮断してもデータの内容を記憶保持可能な不揮発性記録媒体であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の売上データ処理装置。
<請求項8>
売上データを登録するための各種設定の内容が記憶された第1の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶されている前記設定の内容のバックアップデータを記憶するための第2の記憶手段とを備えた売上データ処理装置のコンピュータを制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記第1の記憶手段に記憶されている前記設定の内容に基づいて売上データの登録を行う登録手段、
前記第1の記憶手段に記憶されている前記設定の内容を変更する設定変更手段、
複数種類のモードの何れかに切り替えるモード切替手段、
前記モード切替手段によるモードの切り替えが行われたときに、前記第1の記憶手段に記憶されている前記設定の内容のバックアップデータを前記第2の記憶手段に記憶するバックアップ手段、
として機能させるようにしたコンピュータ読み取り可能なプログラム。