(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
メインミラー保持枠に保持され、撮影光路上に位置して被写体光を観察光学系に反射させるファインダ導光位置と、撮影光路から退避して被写体光を撮像用受光媒体側に通過させる退避位置との間で回動されるメインミラー;
上記メインミラー保持枠に相対回動可能に支持されるサブミラー保持枠に保持され、上記メインミラーが上記ファインダ導光位置にあるとき被写体光の一部を上記観察光学系と異なる方向へ反射させる突出位置に位置し、上記メインミラーが上記退避位置にあるとき該メインミラーと共に撮影光路から退避する格納位置に位置するサブミラー;及び
上記メインミラー保持枠に連動して回動し、少なくとも上記メインミラーが上記ファインダ導光位置に回動したときに、上記サブミラー保持枠を上記突出位置に抑えて上記格納位置側への回動を防ぐ制振部材;
を備えたことを特徴とするカメラの可動ミラー駆動装置。
請求項1記載のカメラの可動ミラー駆動装置において、上記制振部材の回動軸と平行な回動軸を中心として回動可能に支持され、回動することによって上記サブミラー保持枠を上記メインミラー保持枠に連動して上記突出位置と上記格納位置に回動させる連動制御回動部材を備え、
上記連動制御回動部材と上記制振部材は互いに同一の回動平面内に位置する当接可能部を有し、上記メインミラー保持枠が上記退避位置から上記ファインダ導光位置に回動するとき、上記制振部材が該制振部材側の上記当接可能部を上記連動制御回動部材側の上記当接可能部に接近させる方向に回動し、該2つの当接可能部の相互当接によって、上記格納位置側へ上記サブミラー保持枠を回動させる方向への上記連動制御回動部材の回動を制限するカメラの可動ミラー駆動装置。
請求項2記載のカメラの可動ミラー駆動装置において、上記連動制御回動部材と上記制振部材はさらに、互いに同一の回動平面内に位置する第2の当接可能部を有し、上記メインミラー保持枠が上記ファインダ導光位置から上記退避位置に回動するとき、上記制振部材が該制振部材の上記第2の当接可能部を上記連動制御回動部材側の上記第2の当接可能部に接近させる方向に回動し、該2つの第2の当接可能部の相互当接によって、上記突出位置側へ上記サブミラー保持枠を回動させる方向への上記連動制御回動部材の回動を制限するカメラの可動ミラー駆動装置。
請求項2または3記載のカメラの可動ミラー駆動装置において、上記連動制御回動部材は、上記メインミラーが上記退避位置と上記ファインダ導光位置の間で回動する途中で、上記制振部材に対して上記当接可能部の接近方向に回動してから該当接可能部の離間方向へ反転回動し、
上記当接可能部は、上記連動制御回動部材が上記反転回動する前に当接したとき、上記
制振部材から上記連動制御回動部材に対して該反転回動方向への押圧分力を付与するカム
面を有しているカメラの可動ミラー駆動装置。
請求項1記載のカメラの可動ミラー駆動装置において、上記サブミラー保持枠と上記制振部材は互いに同一の回動平面内に位置する当接可能部を有し、上記メインミラー保持枠が上記退避位置から上記ファインダ導光位置に回動するとき、上記制振部材が該制振部材側の上記当接可能部を上記サブミラー保持枠側の上記当接可能部に接近させる方向に回動し、該2つの当接可能部の相互当接によって、上記格納位置側への上記サブミラー保持枠の回動を制限するカメラの可動ミラー駆動装置。
メインミラー保持枠に保持され、撮影光路上に位置して被写体光を観察光学系に反射させるファインダ導光位置と、撮影光路から退避して被写体光を撮像用受光媒体側に通過させる退避位置との間で回動されるメインミラー;
上記メインミラー保持枠に相対回動可能に支持されるサブミラー保持枠に保持され、上記メインミラーが上記ファインダ導光位置にあるとき被写体光の一部を上記観察光学系と異なる方向へ反射させる突出位置に位置し、上記メインミラーが上記退避位置にあるとき該メインミラーと共に撮影光路から退避する格納位置に位置するサブミラー;及び
上記メインミラー保持枠に連動して動作し、上記サブミラーの上記突出位置と上記格納位置の少なくとも一方で上記サブミラー保持枠のバウンドを抑制し、かつ、上記メインミラーが上記ファインダ導光位置と上記退避位置の途中に位置する状態で上記サブミラー保持枠側からの反力を受けたときに、該サブミラー保持枠に対して上記メインミラー保持枠の回動方向に対応する方向への押圧力を付与する制振部材;
を備えたことを特徴とするカメラの可動ミラー駆動装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1に示す一眼レフカメラ(以下、カメラ)10は、カメラボディ11の前面に交換式のレンズ鏡筒12を着脱させるレンズマウント13を有し、その内方にミラーボックス14が設けられている。
【0018】
ミラーボックス14内には、可動ミラー(クイックリターンミラー)を構成するメインミラー15とサブミラー17が設けられる。メインミラー15はメインミラーシート(メインミラー保持枠)16上に支持され、メインミラーシート16は、メインミラー支持軸16xを介してミラーボックス14の両側壁間に軸支されている。メインミラーシート16にはさらに、メインミラー支持軸16xと略平行なサブミラー支持軸18xを介してサブミラーシート(サブミラー保持枠)18が軸支されている。サブミラーシート18にはサブミラー17が支持されている。以下の説明では、特に断りがない限り、メインミラーシート16とサブミラーシート18はそれぞれメインミラー15とサブミラー17を保持した状態の部材であるものとする。
【0019】
ミラーボックス14の後方にはフォーカルプレーンシャッタ(以下、シャッタ)19が設けられ、シャッタ19の後方には撮像用受光媒体としてイメージセンサ20が設けられている。なお、本実施形態のカメラ10は、撮像用受光媒体にイメージセンサ20を用いるデジタルカメラであるが、撮像用受光媒体として銀塩フィルムを用いるカメラに対しても本発明は適用が可能である。
【0020】
メインミラー15(メインミラーシート16)は、メインミラー支持軸16xを中心として、レンズ鏡筒12内の撮影レンズ12aからイメージセンサ20に至る撮影光路上に約45度の角度で斜設されるダウン位置(ファインダ導光位置:
図1の実線、
図3ないし
図5)と、撮影光路から上方に退避したアップ位置(退避位置:
図1の二点鎖線、
図10)の間で往復回動(揺動)される。ミラーボックス14の両側壁のうち一方の内面から位置決めピン21が突出しており、この位置決めピン21に対してメインミラーシート16の一側部に設けたストッパ部16aを当接させることで、メインミラー15のダウン位置が定められる。ストッパ部16aは、メインミラーシート16を構成する後述の前方橋絡部16fを側方に突出させて形成されている。位置決めピン21は回転調整可能な偏心ピンとして構成されており、ミラーボックス14の側面上に露出する回転操作部21a(
図3)を回転操作して位置決めピン21の回転角位置を変化させることによりストッパ部16aとの当接関係が変化し、メインミラー15のダウン位置の角度調整を行うことができる。また、ミラーボックス14内には、メインミラー15をアップ位置に回動させたときメインミラーシート16のストッパ部16aが当接可能なクッション22が設けられている。さらにミラーボックス14の上方には、ペンタプリズムや接眼レンズなどにより構成されるファインダ光学系23が設けられている。
【0021】
レンズマウント13にレンズ鏡筒12を装着した状態でレンズ鏡筒12内の撮影レンズ12aを通してミラーボックス14内に入射する被写体光は、メインミラー15がダウン位置にあるときには、メインミラー15により反射されてファインダ光学系23に入り、カメラボディ11後面側のファインダ窓23aを通して被写体像を観察することができる。この状態では、ファインダ光学系23を構成するペンタプリズムの後方に設けた測光ユニット24による測光が可能である。また、メインミラー15のダウン位置では、サブミラー17(サブミラーシート18)はメインミラー15に対して斜め下方に向けて突出し、ハーフミラーとして構成されたメインミラー15を透過した被写体光の一部がサブミラー17によって反射されてミラーボックス14の下方の測距ユニット25に導かれ、被写体距離を検出(合焦状態を検出)することができる。測距ユニット25は周知の位相差AFセンサである。この測距ユニット25への導光状態の位置をサブミラー17(サブミラーシート18)の突出位置(
図3ないし
図5)と呼ぶ。サブミラー17の突出位置は、サブミラーシート18の一側部に設けたストッパ部18aを、ミラーボックス14の内面に設けた位置決めピン26に当接させることで定められる。位置決めピン26は回転調整可能な偏心ピンとして構成されており、ミラーボックス14の側面上に露出する回転操作部26a(
図2及び
図3)を回転操作して位置決めピン26の回転角位置を変化させることによりストッパ部18aとの当接関係が変化し、サブミラー17の突出位置の角度調整を行うことができる。
【0022】
一方、メインミラー15がアップ位置にあるときには、撮影レンズ12aを通してミラーボックス14内に入射する被写体光はメインミラー15で反射されずにシャッタ19側に進み、シャッタ19を開くことでイメージセンサ20の受光面上に光を入射させることができる。メインミラー15のアップ位置では、サブミラー17はメインミラーシート16の背面側に格納され、光路上には突出しない。このサブミラー17(サブミラーシート18)の位置を格納位置と呼ぶ(
図10)。
【0023】
カメラボディ11の後面に設けたLCDモニタ27には、イメージセンサ20により得られる被写体の電子画像や、電子画像以外の各種の情報を表示することができる。
【0024】
メインミラー15とサブミラー17の詳細な支持構造を説明する。
図3や
図4に示すように、メインミラーシート16は、メインミラー15を支持するミラー支持面16cの両側に一対の側壁16d、16eを有し、側壁16dと側壁16eの前端部を前方橋絡部16fで接続し、側壁16dと側壁16eの後端部を後方橋絡部16gで接続した枠形状をなしている。前方橋絡部16fの両端は側壁16dと側壁16eよりも側方に突出しており、側壁16dから突出する側の前方橋絡部16fの端部としてストッパ部16aが構成されている。側壁16dのうち後方橋絡部16gに近い後端部付近から、ミラーシートボス16bが側方へ突出している。ミラー支持面16cにはサブミラー17側へ被写体光の一部を透過させるための透光開口部16hが形成されている。後方橋絡部16gの両側部には軸孔16iが形成されており、この軸孔16iに対してミラーボックス14の内面に突設したメインミラー支持軸16xが挿入される。また、側壁16dと側壁16eから側方へ、メインミラー支持軸16xと平行な軸線のサブミラー支持軸18xが突設されている。
図3と
図4では側壁16e側のサブミラー支持軸18xのみを図示しているが、側壁16d側にも同軸上にサブミラー支持軸18xが突設されている。
【0025】
サブミラーシート18は、サブミラー17を支持するミラー支持面18bの両側に一対の側壁18c、18dを有する。側壁18cと側壁18dはメインミラーシート16の側壁16dと側壁16eを挟むように位置しており、サブミラー支持軸18xを挿入させる軸孔18eが形成されている。
図3と
図4では、側壁18d側の軸孔18eのみを図示しているが、側壁18c側にも同様に軸孔18eが形成されてサブミラー支持軸18xが挿入されている。サブミラーシート18にはさらに、軸孔18eの形成箇所を挟んで側壁18dと異なる方向へ延設された延長アーム18fを有し、この延長アーム18fから側方へ連動ピン(突出部)18gが突設されている。
【0026】
サブミラーシート18は、連動制御レバー(連動制御回動部材)30を介してメインミラーシート16と連動される。
図2、
図5ないし
図15に示すように、連動制御レバー30は、メインミラー支持軸16xやサブミラー支持軸18xと平行な軸線の連動レバー支持軸30xを中心として回動可能にミラーボックス14の側部に支持されている。連動制御レバー30には、連動レバー支持軸30xを中心とする半径方向に向けて長い弧状の連動孔(長孔)30aが形成されており、この連動孔30aに対してサブミラーシート18の連動ピン18gが移動可能に挿入されている。連動孔30aは、連動制御レバー30の回動方向に対向して位置する連動ピン摺接面30a-1と対向面30a-2と、連動レバー支持軸30xに近い側の端部を構成する内径側端面30a-3と、連動レバー支持軸30xから遠い側の端部を構成する外径側端面30a-4を有する。連動制御レバー30のバネ掛け部30bとミラーボックス14のバネ掛け部14aには、連動制御レバーバネ31の一端部と他端部が係合している。連動制御レバーバネ31は引っ張りバネであり、連動制御レバー30を
図5ないし
図15の時計方向へ回動付勢している。この連動制御レバーバネ31の付勢力は、連動孔30aの連動ピン摺接面30a-1によって連動ピン18gを押圧する方向に作用する。また、連動制御レバー30上にアーム当接部(当接可能部)30cが突出形成されている。アーム当接部30cは連動制御レバー30の回動半径方向に細長い形状をなし、その外
径側と内径側の端部がそれぞれ半円状の円弧面として形成されている。連動制御レバー30は、連動孔30aと連動ピン18gを介してメインミラーシート16に対するサブミラーシート18の角度を制御する機能を有しており、その動作の詳細は後述する。
【0027】
ミラーボックス14の一側部(カメラ前方から見て左側の側部)には、メインミラー15の昇降回動を行わせるミラー駆動機構が設けられている。ミラー駆動機構は図示されておらず詳細な説明を省略するが、周知の機構(例えば特開2010-266617号に記載された機構)を用いることができる。具体的な構造の一例を述べると、メインミラー支持軸16xと平行な支持軸を介してミラーボックス14に軸支されたミラー駆動レバーを備え、モータの駆動力によってミラー駆動レバーが回動(揺動)される。ミラー駆動レバーは、メインミラーシート16の側部に設けたミラーシートボス16bに力を伝えることが可能であり、ミラー駆動レバーがミラーシートボス16bを下方に押圧することでメインミラー15をダウン位置に向けて回動させ、ミラーシートボス16bを上方に押圧することでメインミラー15をアップ位置に向けて回動させる。
【0028】
ミラーボックス14の他側部(カメラ前方から見て右側の側部)には、サブミラー17のバウンド(振動)を抑制して防振性能や連射速度の向上を実現させるバウンド抑制機構が備えられている。続いて、このバウンド抑制機構の構造を説明する。
図3ないし
図15に示すように、メインミラーシート16には、軸孔16iを中心とする周方向に所定の範囲で扇状の伝達ギヤ16jが形成されている。
図2ないし
図15に示すように、ミラーボックス14の側部には、この伝達ギヤ16jに噛み合う従動ギヤ32aを有する制振レバー(制振部材)32が、制振レバー支持軸32xを中心として回動可能に支持されている。制振レバー32の回動中心となる制振レバー支持軸32xの軸線は、メインミラー支持軸16x、サブミラー支持軸18x、連動レバー支持軸30xの軸線と平行である。メインミラーシート16が回動すると、伝達ギヤ16jから従動ギヤ32aに力が伝わって、制振レバー32がメインミラーシート16や連動制御レバー30の回動平面と平行な平面に沿って回動する。メインミラーシート16がダウン位置にあるときの制振レバー32の位置を第1位置、メインミラーシート16がアップ位置にあるときの制振レバー32の位置を第2位置と呼ぶ。伝達ギヤ16jと従動ギヤ32aは、メインミラーシート16の回動量(回転角度)に対して制振レバー32の回動量(回転角度)を約1.5倍にさせるギヤ比に設定されている。
【0029】
制振レバー32には外径方向に制振用アーム(当接可能部)32bが延設されている。制振用アーム32bは連動制御レバー30のアーム当接部30cと同一の回動平面内に位置しており、制振レバー32の第2位置から第1位置への回動は、制振用アーム32bの外周に形成した当接カム面32cをアーム当接部30cに対して接近させる方向の回動である。当接カム面32cは凸状の湾曲面として形成されている。
【0030】
以上の構造から成るミラー駆動装置の動作を説明する。以下の各部材の回動方向は、
図5ないし
図15に示す左側面から見た状態を示している。
図5は、メインミラー15がダウン位置にある状態を示している。この状態では、メインミラーシート16に設けたストッパ部16aが位置決めピン21に当接してダウン位置よりも下方への回動が規制される。連動制御レバー30は連動制御レバーバネ31によって同図の時計方向に回動付勢され、この付勢力によって連動孔30aの連動ピン摺接面30a-1が連動ピン18gを押圧し、サブミラーシート18がストッパ部18aを位置決めピン26に当接させる突出位置に保持されている。メインミラーシート16に連動して回動される制振レバー32は、制振用アーム32bの当接カム面32cをアーム当接部30cに接近させる第1位置に保持されている。このとき当接カム面32cとアーム当接部30cの間には、わずかなクリアランスがある。このクリアランスによって、位置決めピン21の回転位置を変化させてメインミラーシート16の角度調整を行ったり、位置決めピン26の回転位置を変化させてサブミラーシート18の角度調整を行ったりする際に、連動制御レバー30と制振レバー32が干渉しないようになっている。
【0031】
図6から
図9は、メインミラー15を支持するメインミラーシート16が
図5のダウン位置から
図10のアップ位置へ向けて回動するときの動作を示している。メインミラーシート16が
図5のダウン位置からアップ位置へ向けて回動すると、これに伴ってサブミラーシート18を軸支するサブミラー支持軸18xの位置が、メインミラー支持軸16xを中心とする円弧状の軌跡に沿って上方へ変位する。この移動に応じて、延長アーム18fの先端に設けた連動ピン18gが、連動ピン摺接面30a-1に摺接しながら連動孔30a内を内径側端面30a-3に接近する方向に変位していく。このときストッパ部18aは、位置決めピン26に接触しながらサブミラー支持軸18xの方向(
図5のミラーダウン状態におけるサブミラー支持軸18xの位置へ接近する方向)へ移動する。連動制御レバー30は、連動ピン18gが内径側端面30a-3に接触するまで若干量時計方向に回動し、続いて連動ピン18gによって連動ピン摺接面30a-1を押圧されることで、連動制御レバーバネ31の付勢力に抗して反時計方向に回動する。
図6に示すように、この連動制御レバー30の反時計方向回動時に
は、連動制御レバーバネ31の反力によって連動ピン18gに対して矢印F1で示す力が作用する。この矢印F1方向の力はサブミラーシート18を突出位置方向(反時計方向)へ押圧させるものであるが、当該方向へのサブミラーシート18の回動は連動ピン18gが内径側端面30a-3に当接することで規制される。
【0032】
メインミラーシート16がアップ位置方向への回動を続けて
図7の角度に達したとき、連動制御レバーバネ31の付勢力によって連動ピン摺接面30a-1から連動ピン18gに加わる力の作用方向が矢印F2になる。この力の作用方向上にサブミラー支持軸18xの中心(軸線)が位置しているため、サブミラーシート18は突出位置方向へ押圧されなくなる。
【0033】
図7よりもメインミラーシート16がアップ位置方向へ回動すると、連動制御レバーバネ31の付勢力によって連動制御レバー30が連動ピン18gを押圧する力は、サブミラーシート18を格納位置へ向けて回動させる力として作用する。
図7の状態からメインミラーシート16がアップ位置方向へ回動すると、連動孔30a内で連動ピン18gが連動ピン摺接面30a-1に接しながら外径側端面30a-4に接触するまで移動して、サブミラーシート18が格納位置方向へ大きく回動する。同時に、連動制御レバー30が連動制御レバーバネ31の付勢力によって時計方向に回動する。
【0034】
メインミラーシート16のアップ位置方向への回動が継続されると、サブミラーシート18は、メインミラーシート16に追随して上方へ移動しながら、連動ピン18gを連動制御レバー30の連動ピン摺接面30a-1に押圧されてメインミラーシート16に対して徐々に格納位置方向へ相対回動され、ミラー支持面16cにミラー支持面18bが接近して徐々にサブミラー17がメインミラー15の裏面側に収納されていく。やがて、メインミラーシート16が
図10のアップ位置に達すると、サブミラーシート18は、ミラー支持面16cの背後にミラー支持面18bを略平行に沿わせる格納位置まで達し、メインミラー15の背後にサブミラー17が格納されるミラーアップ状態となる。
【0035】
以上のミラーアップ動作では、制振レバー32は、メインミラーシート16の伝達ギヤ16jから従動ギヤ32aへ回転力が伝えられて、制振用アーム32bを下方に向ける第1位置から、制振用アーム32bを光軸方向後方に向ける第2位置まで反時計方向に回動する。この制振レバー32の回動は、制振用アーム32bを連動制御レバー30のアーム当接部30cから離間させる方向の回動である。
【0036】
一方、ミラーアップ動作に伴って、連動制御レバー30は、
図16にUで示す軌跡で揺動を行う。
図16のUは、連動制御レバー30におけるアーム当接部30cの移動軌跡を示している。前述のように、
図5のミラーダウン状態から連動制御レバーバネ31による付勢方向である時計方向へ少量回動し(U1)、続いて連動ピン18gに押圧されて連動制御レバーバネ31の付勢力に抗する反時計方向へ回動される(U2)。
図6はこの反時計方向への回動U2の途中の状態である。メインミラーシート16が
図7の位置を過ぎると、連動制御レバー30は、連動ピン18gによって押し上げられる反時計方向回動U2から、連動ピン18gを押し下げる時計方向回動U3に反転され、この連動制御レバー30の時計方向回動U3によってサブミラーシート18を格納位置へ回動させていく。
図9はこの時計方向への回動U3途中の状態である。連動制御レバー30は、
図10のミラーアップ状態で時計方向の回動端に達する。つまり、連動制御レバー30は、
図7に示す反転位置まで、アーム当接部30cを制振レバー32の制振用アーム32bに接近させる方向へ回動し(U2)、続いてアーム当接部30cを制振レバー32の制振用アーム32bから遠ざける方向に回動する(U3)。この間、制振レバー32は、制振用アーム32bをアーム当接部30cから遠ざける第2位置の方向へ回動しているが、連動制御レバー30も
反時計方向回動U2の最中は制振レバー32に追随する方向へ変位しているため、
図7に示す連動制御レバー30の反転位置では、制振用アーム32bの当接カム面32cにアーム当接部30cが近接した関係になる。
【0037】
設計上、このミラーアップ時における
図7の接近状態でもアーム当接部30cと当接カム面32cが当接しないように僅かなクリアランスが設けられている。具体的には、
図7に示す状態で制振用アーム32bとアーム当接部30cが干渉しないようにするべく、伝達ギヤ16jと従動ギヤ32aのギヤ比の設定によって制振レバー32の回転量(回転角)を大きくさせている。但し、若干の動作誤差により、連動制御レバー30の回動の反転のタイミングが遅れる可能性がある。
図8はこのような状態を示しており、当接カム面32cがアーム当接部30cに当接している。当接カム面32cは凸状の湾曲面であり、これに対するアーム当接部30cの当接箇所(外径側端部)も半円状の円弧面であるため、当接カム面32cとアーム当接部30cは連動レバー支持軸30xや制振レバー支持軸32xの軸線と平行な線状の領域で当接する。そして、
図8のように当接すると、その反力として当接カム面32cからアーム当接部30cに対して矢印F3方向の力が作用する。この矢印F3方向の力から連動制御レバー30を時計方向に回動させる方向の分力が生ずる。すると、サブミラーシート18の連動ピン18gに対して矢印F4方向の力が作用する。この矢印F4方向の押圧力は、
図8の各部材の位置関係では、サブミラーシート18を格納位置へ回動させる方向に作用し、連動ピン18gを内径側端面30a-3から離れる方向へ連動ピン摺接面30a-1に沿って移動させながら、サブミラーシート18が格納位置方向へ回動することが可能になる。この動作を実現するべく、連動制御レバー30の回転方向の接線Tと矢印F3のなす最大圧力角(
図8参照)が60度以下となるように当接カム面32cとアーム当接部30cの形状が設定されている。従って、
図8のように連動制御レバー30の回動反転のタイミングが若干遅れても、制振レバー32の干渉によって連動制御レバー30やサブミラーシート18の動作がロックしてしまうことがなく、連動制御レバー30の回動方向を反転させて、メインミラーシート16のアップ位置への回動を継続させることができる。
【0038】
図11から
図15は、メインミラー15を支持するメインミラーシート16が
図10のアップ位置から
図5のダウン位置へ向けて回動するときの動作を示している。メインミラーシート16がダウン位置へ向けて回動すると、これに伴ってサブミラーシート18を軸支するサブミラー支持軸18xの位置が、メインミラー支持軸16xを中心とする円弧状の軌跡に沿って下方へ変位する。この移動に応じて、サブミラーシート18が、連動ピン18gを連動孔30a内において外径側端面30a-4に接近する方向に変位させる。連動ピン18gが外径側端面30a-4の位置に達するまでは、サブミラーシート18はメインミラーシート16と一体的に回動する。連動ピン18gが外径側端面30a-4に当接する位置までメインミラーシート16がダウン位置方向へ回動すると、連動制御レバー30は、連動ピン18gによって連動ピン摺接面30a-1と外径側端面30a-4を押圧されることで、連動制御レバーバネ31の付勢力に抗して反時計方向に回動する。
図11に示すように、この連動制御レバー30の反時計方向回動時には、連動ピン18gが連動ピン摺接面30a-1を押圧したとき連動制御レバーバネ31の反力によって連動ピン18gに対して矢印F5で示す力が作用する。この矢印F5方向の力はサブミラーシート18を格納位置方向へ押圧させるものであるが、当該方向へのサブミラーシート18の回動は連動ピン18gが外径側端面30a-4に当接することで規制され、サブミラーシート18は格納位置方向へ戻らずに連動制御レバー30を押圧する。
【0039】
メインミラーシート16がダウン位置方向への回動を続けて
図12の角度に達したとき、連動制御レバーバネ31の付勢力によって連動ピン摺接面30a-1から連動ピン18gに加わる力の方向が矢印F6になる。この力の作用方向上にサブミラー支持軸18xの中心(軸線)が位置しているため、サブミラーシート18は格納位置方向へ押圧されなくなる。
【0040】
メインミラーシート16が
図12の位置を超えてダウン位置方向へ回動すると、連動制御レバー30は反時計方向への回動端に達し、連動制御レバーバネ31の付勢力によって連動制御レバー30が連動ピン18gを押圧する力は、サブミラーシート18を突出位置へ向けて回動させる力として作用する。すると、
図14に示すように連動孔30a内で連動ピン18gが連動ピン摺接面30a-1に沿って内径側端面30a-3側に移動して、サブミラーシート18が突出位置方向へ大きく回動する。同時に、連動制御レバー30が連動制御レバーバネ31の付勢力によって時計方向に回動する。
【0041】
図15は連動制御レバー30が時計方向への回動端に達した状態を示しており、この段階でサブミラーシート18はストッパ部18aを位置決めピン26に当接させている。この状態からメインミラーシート16が若干量反時計方向に回動すると、ストッパ部16aが位置決めピン21に当接して、
図5に示すミラーダウン状態となる。
図15の状態から
図5のミラーダウン状態までの間は、連動孔30a内での連動ピン18gの位置を内径側端面30a-3から離間させる方向に変位させつつ、連動制御レバー30が反時計方向に若干量回転される。このときストッパ部18aは、位置決めピン26に接触しながら移動する。
【0042】
以上のミラーダウン動作では、制振レバー32は、メインミラーシート16の伝達ギヤ16jから従動ギヤ32aへ回転力が伝えられて、制振用アーム32bを光軸方向後方に向ける第2位置から、制振用アーム32bを下方に向ける第1位置へ向けて時計方向に回動する。この制振レバー32の回動は、制振用アーム32bを連動制御レバー30のアーム当接部30cに接近させる方向の回動である。
【0043】
一方、ミラーダウン動作に伴って、連動制御レバー30は、
図16にDで示す軌跡で揺動を行う。
図16のDは、連動制御レバー30におけるアーム当接部30cの移動軌跡を示している。前述のように、
図10のミラーアップ状態から
図12の位置を過ぎるまで連動ピン18gに押圧されて連動制御レバーバネ31の付勢力に抗する反時計方向へ回動される(D1)。
図11はこの反時計方向への回動D1の途中の状態である。メインミラーシート16が
図12の位置を過ぎると、連動制御レバー30は、連動ピン18gによって押し上げられる反時計方向回動D1から、連動ピン18gを押し下げる時計方向回動D2に反転され、この連動制御レバー30の時計方向回動D2によってサブミラーシート18を突出位置へ回動させていく。連動制御レバー30は、
図15の状態で時計方向の回動端に達し、
図5のミラーダウン状態になるまで反時計方向に若干量反転回動される(D3)。つまり、連動制御レバー30は、
図12に示す反転位置まで、アーム当接部30cを制振レバー32の制振用アーム32bに接近させる方向へ回動し(D1)、続いてアーム当接部30cを制振レバー32の制振用アーム32bから遠ざける方向に回動する(D2)。この間、制振レバー32は、制振用アーム32bをアーム当接部30cに接近させる第1位置の方向へ回動しており、
図12に示す連動制御レバー30の反転位置では、制振用アーム32bの当接カム面32cにアーム当接部30cが近接した関係になる。
【0044】
ミラーアップ動作時と同様に、設計上、このミラーダウン時における
図12の接近状態でもアーム当接部30cと当接カム面32cが当接しないように僅かなクリアランスが設けられている。但し、若干の動作誤差により、連動制御レバー30の回動の反転のタイミングが遅れる可能性がある。
図13はこのような状態を示しており、当接カム面32cがアーム当接部30cに当接している。アーム当接部30cと当接カム面32cが当接すると、その反力として当接カム面32cからアーム当接部30cに対して矢印F7方向の力が作用する。この矢印F7方向の力から連動制御レバー30を時計方向に回動させる方向の分力が生ずる。すると、サブミラーシート18の連動ピン18gに対して、連動制御レバー30の連動ピン摺接面30a-1から矢印F8方向の力が作用する。この矢印F8方向の押圧力は、
図13の各部材の位置関係では、サブミラーシート18を突出位置へ回動させる方向に作用し、連動ピン18gを外径側端面30a-4から離れる方向へ連動ピン摺接面30a-1に沿って移動させながら、サブミラーシート18が突出位置方向へ回動することが可能になる。この動作を実現するべく、連動制御レバー30の回転方向の接線Tと矢印F7のなす最大圧力角(
図13参照)が60度以下となるように当接カム面32cとアーム当接部30cの形状が設定されている。従って、
図13のように連動制御レバー30の回動反転のタイミングが若干遅れても、制振レバー32の干渉によって連動制御レバー30やサブミラーシート18の動作がロックしてしまうことがなく、連動制御レバー30の回動方向を反転させて、メインミラーシート16のダウン位置への回動を継続させることができる。特に、ミラーダウン動作時における制振レバー32の回動方向は矢印F7方向へ連動制御レバー30を押圧する方向であるため、連動制御レバー30の回動反転をアシストするように制振レバー32が機能する。
【0045】
ミラーダウン動作の終盤で、連動制御レバー30は
図15に示す時計方向回動端から
図5に示す位置まで回動を行う(
図16のD3)。また、制振レバー32は第1位置へ向けて反時計方向に回動している。そのため、連動制御レバー30のアーム当接部30cと、制振レバー32に設けた制振用アーム32bの当接カム面32cの間隔が小さくなる。
図15の状態でサブミラーシート18はストッパ部18aを位置決めピン26に当接させる突出位置に達しているが、メインミラーシート16が最終的に
図5のダウン位置に達するまでの間に、サブミラーシート18が衝撃で格納位置方向へ跳ね上がる挙動、すなわちバウンドを生じる可能性がある。このようなサブミラーシート18のバウンドを制振レバー32によって抑えることができる。具体的には、
図15の状態から
図5の状態になるときにサブミラーシート18が格納位置方向へ回動しようとすると、連動ピン18gによって連動制御レバー30を反時計方向に押圧する。ここで、連動制御レバー30のアーム当接部30cには制振レバー32の当接カム面32cが近接状態で対向しており、当該方向への連動制御レバー30の可動域は、アーム当接部30cが当接カム面32cに当接することで制限される。より詳しくは、制振レバー32を回動させるメインミラーシート16はサブミラーシート18に対して慣性モーメントが十分大きいこと、メインミラーシート16と制振レバー32の結合(噛合)箇所である伝達ギヤ16jと従動ギヤ32aはメインミラー支持軸16xの近傍である(メインミラー支持軸16xを中心とする半径方向の距離が短い)ことによって、アーム当接部30cから当接カム面32cに負荷が加わっても、制振レバー32がメインミラーシート16を回転させるほどのモーメントが起きない。よって、当接カム面32cがアーム当接部30cに当接した状態で連動制御レバー30の反時計方向の回動が規制され、連動制御レバー30の可動域を確実に制限することができる。連動制御レバー30の反時計方向の回動が規制されれば、サブミラーシート18の格納位置方向への回動も規制されるため、サブミラーシート18のバウンドが抑制される。当接カム面32cとアーム当接部30cの間隔は、
図15の状態から
図5のミラーダウン状態に近付くにつれて徐々に小さくなるため、連動制御レバー30の可動域が徐々に制限されていき、
図5のミラーダウン状態になるときにはサブミラーシート18に対するバウンド抑制効果が最大になる。なお、前述の通り、ミラーダウン位置においてサブミラーシート18がバウンドしていない状態では、当接カム面32cとアーム当接部30cが当接しないようにクリアランスが確保されており、メインミラーシート16やサブミラーシート18の角度調整に伴う連動制御レバー30と制振レバー32の若干の相対位置変化が許容される。
【0046】
以上の実施形態では、制振レバー32によってミラーダウン時のサブミラー17(サブミラーシート18)のバウンド抑制を行うが、若干の構成追加で、ミラーアップ時のサブミラー17のバウンド抑制を行わせることも可能である。この第2の実施形態を
図17以降を参照して説明する。第2実施形態の基本的な構成要素は先の実施形態と共通している。相違するのは、連動制御レバー30と制振レバー32の形状である。連動制御レバー30は、アーム当接部30cのうち連動レバー支持軸30xに近い内径側端部付近に、側方へ突出する第2アーム当接部(第2の当接可能部)30dを有している。第2アーム当接部30dの先端は、アーム当接部30cの両端と同様に半円状の円弧面形状になっている。制振レバー32は、制振用アーム32bと概ね対称をなす形状の第2制振用アーム(第2の当接可能部)32dを有しており、第2制振用アーム32dの外周には凸状の湾曲面である当接カム面32eが形成されている。
【0047】
図21はミラーダウン状態を示している。このとき制振レバー32は第1位置にあり、制振レバー32の制振用アーム32bに形成した当接カム面32cが連動制御レバー30のアーム当接部30cに近接してサブミラーシート18のバウンドを抑える一方で、第2制振用アーム32dの当接カム面32eは連動制御レバー30の第2アーム当接部30dから離間した位置にある。
【0048】
図22はミラーアップ動作の途中を示しており、具体的には連動制御レバー30が
図16における反時計方向回動U2から時計方向回動U3に反転する回動端に達した状態である。ミラーダウン状態に比べて第2制振用アーム32dの当接カム面32eと第2アーム当接部30dが接近しているが、互いの間にはまだ所定以上の間隔があり、直ちに当接する関係にはない。
【0049】
図22の状態からメインミラーシート16がアップ位置方向に回動すると、連動制御レバー30は
図16の時計方向回動U3を行う。この連動制御レバー30の回動はアーム当接部30cを制振レバー32から離間させる方向の回動であるが、第2アーム当接部30dはアーム当接部30cと異なる方向へ突出されているため、アーム当接部30cとは異なる軌跡で変位する。一方、制振レバー32は第2位置へ向けて回動し、この回動によって第2制振用アーム32dの当接カム面32eを徐々に第2アーム当接部30dに接近させる。そして
図23に示すミラーアップ状態では、制振レバー32が第2位置まで達して、第2制振用アーム32dの当接カム面32eが連動制御レバー30の第2アーム当接部30dに近接している。従って、
図23の状態でサブミラーシート18が突出位置方向へ変位しようとしても、当接カム面32eに対して第2アーム当接部30dが当接することで連動制御レバー30の反時計方向回動が規制され、サブミラーシート18を格納位置で安定して止めることができる。なお、
図23のミラーアップ状態において、当接カム面32eと第2アーム当接部30dの間には所定以上のクリアランスが設けられており、サブミラーシート18のバウンド抑制時を除くと当接カム面32eと第2アーム当接部30dが当接しないようになっている。なお、ミラーアップ側ではメインミラー15やサブミラー17の角度調整が行われないため、
図23に示すミラーアップ状態で、角度調整に対応させるためのクリアランスを当接カム面32eと第2アーム当接部30dの間に設けない構成とすることも可能である。当接カム面32eと第2アーム当接部30dの間のクリアランスが小さいほどサブミラー17のバウンド抑制効果が高くなる。
【0050】
図24はミラーダウン動作の途中を示しており、具体的には連動制御レバー30が
図16における反時計方向回動D1から時計方向回動D2に反転する回動端に達した状態である。第2制振用アーム32dの当接カム面32eと第2アーム当接部30dがミラーアップ状態に比べて離間しており、当接カム面32eと第2アーム当接部30dが当接して連動制御レバー30の回動を妨げることはない。そして、メインミラーシート16がさらに回動して
図21のミラーダウン状態に達すると、第2制振用アーム32dの当接カム面32eと第2アーム当接部30dはさらに離間する。
【0051】
以上のように、メインミラー15をダウン位置やアップ位置に回動させたときに、メインミラーシート16に連動して回動する制振レバー32を用いてサブミラーシート18のバウンドを抑制させたことにより、サブミラー17においてミラーショック軽減や連射速度向上の効果を得ることが可能となった。バウンド抑制の構造は、サブミラーシート18の回動を制御する連動制御レバー30上のアーム当接部30cや第2アーム当接部30dに対して制振レバー32の当接カム面32c
や当接カム面32eを当接させるものであるため、複雑な構造を要しない。また、制振部材である制振レバー32はメインミラー15の回動に伴って回動することでサブミラー17に対するバウンド抑制位置に移動するので、ミラーボックス14のような固定部材に形成したストッパに対してサブミラーシート18を係合させてバウンドを抑えるタイプの制振機構に比べて、動作タイミングのずれなどに対する許容量が大きく、動作不良となるおそれが少ない。よって、簡単な構造で確実にサブミラーのバウンド抑制を行うことができる。
【0052】
以上、図示実施形態に基づき説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図示実施形態では、制振レバー32が連動制御レバー30に当接することでサブミラーシート18のバウンドを抑える構造であるが、制振レバー32に相当する制振部材を、サブミラーシート18に直接的に当接させてバウンドを抑える構造にすることも可能である。一例として、図示実施形態におけるサブミラーシート18の連動ピン18gを延長させたり、連動ピン18gとは別の当接可能部をサブミラーシート18に設けたりして、この連動ピン18gまたは別の当接可能部に対して当接可能な(同一の回動平面内に位置する)形状の制振レバーを用いるという構成でも成立する。