(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述のスイッチでは、2軸方向の出力を検知するために各軸ごとに独立した別体の基板が必要であるとともに、2軸方向における復帰力を得るために各軸専用のバネ部材を必要とするので、部品点数,組立工数が多く、生産性が低い。
また、前述のスイッチでは、2軸方向のいずれの接点機構も、2軸方向にそれぞれ往復移動して接点を開閉する機構となっているので、所定の操作ストロークを確保しようとすると、スイッチの体積が増大し、スイッチの薄型化が困難であるという問題点がある。
本発明に係るスイッチは、前記問題点を解決すべく、部品点数,組立工数が少なく、生産性が高いとともに、薄型のスイッチを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るスイッチは、前記課題を解決すべく、凹所の底面に回動軸心を中心として複数の固定接点部を露出させたベースと、
下面に回動接触板を備え、
外側面に側方から回動操作可能な操作用突部を突設し、前記ベースの凹所内に前記回動軸心を中心として回動可能に嵌合したロータと、
前記ベースおよび前記ロータを被覆し、かつ、前記ベースに取り付けられたカバーとからなり、
前記回動接触板から切り起こした可動接触片を、前記凹所の底面に圧接させて前記ロータを上方に付勢したスイッチであって、
前記回動接触板から切り起こした可動接触片を、前記
回動軸心方向に沿って上下動させて前記ベースの固定接点部に接離させるとともに、
前記ロータを、前記回動軸心を中心として少なくとも一方側に回動することにより、前記回動接触板から切り起こした可動接触片を、前記ベースの凹所の底面から露出する前記固定接点部に接離する構成としてある。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、回動接触板を、
回動軸心方向の操作で接点を開閉できる接点機構と、回動方向の操作で接点を開閉できる接点機構とに併用しているので、部品点数,組立工数が少なく、生産性の高いスイッチが得られる。
また、本発明によれば、回動軸心を中心とする回動操作で接点を開閉する接点機構と、前記
回動軸心方向に往復移動する操作で接点を開閉する接点機構とで構成されている。このため、所定の操作ストロークを確保しても、従来例のような体積の増加がなく、薄型のスイッチが得られる。
【0008】
本発明
に係るスイッチは、凹所の底面に回動軸心を中心として複数の固定接点部を露出させたベースと、下面に回動接触板を備え、前記ベースの凹所内に前記回動軸心を中心として回動可能に嵌合したロータと、前記ベースおよび前記ロータを被覆し、かつ、前記ベースに前記回動軸心に沿って上下動可能に取り付けられたカバーとからなり、前記回動接触板から切り起こした可動接触片を、前記凹所の底面に圧接させて前記ロータを上方に付勢したスイッチであって、前記カバーを押し下げることにより、前記回動接触板から切り起こした可動接触片を、前記ベースの底面に露出する前記固定接点部に接触させるとともに、前記ロータを、前記回動軸心を中心として少なくとも一方側に回動することにより、前記回動接触板から切り起こした可動接触片を、前記ベースの凹所の底面から露出する前記固定接点部に接離する構成としてもよい。
【0009】
本発明によれば、回動接触板を、
回動軸心方向の操作で接点を開閉できる接点機構と、回動方向の操作で接点を開閉できる接点機構とに併用しているので、部品点数,組立工数が少なく、生産性の高いスイッチが得られる。
また、本発明によれば、回動軸心を中心とする回動操作で接点を開閉する接点機構と、前記
回動軸心方向に往復移動する操作で接点を開閉する接点機構とで構成されている。このため、所定の操作ストロークを確保しても、従来例のような体積の増加がなく、薄型のスイッチが得られる。
【0010】
本発明の実施形態としては、前記カバーを、ベースに回動可能に取り付けた操作レバーを介して押し下げる構成としてもよい。
本実施形態によれば、所定の接点ストロークを確保でき、使い勝手の良いスイッチが得られる。
【0011】
本発明
に係るスイッチとしては、凹所の底面に回動軸心を中心として複数の固定接点部を露出させたベースと、下面に回動接触板を備え、前記ベースの凹所内に前記回動軸心を中心として回動可能に収納したロータと、前記ベースおよび前記ロータを被覆し、かつ、前記ベースに取り付けられたカバーと、前記ベースに回動可能に取り付けられた操作レバーと、からなり、前記回動接触板から切り起こした複数本の可動接触片のうち、少なくとも1本の可動接触片を、前記操作レバーから延在した操作腕部で押し上げるとともに、残る可動接触片を前記凹所の底面に圧接させて前記ロータを上方に付勢したスイッチであって、前記操作レバーを押し下げ、前記回動接触板から切り起こした可動接触片の全てを前記ベースの底面に圧接させるとともに、少なくとも2本の前記可動接触片を前記固定接点部に接触させる一方、前記ロータを、前記回動軸心を中心として少なくとも一方側に回動させることにより、
前記回動接触板から切り起こした可動接触片を、前記ベースの凹所の底面から露出する前記固定接点部に接離させる構成としてもよい。
【0012】
本発明によれば、回動接触板を、
回動軸心方向の操作で接点を開閉できる接点機構と、回動方向の操作で接点を開閉できる接点機構とに併用しているので、部品点数,組立工数が少なく、生産性の高いスイッチが得られる。
また、本発明によれば、回動軸心を中心とする回動操作で接点を開閉する接点機構と、前記
回動軸心方向に往復移動する操作で接点を開閉する接点機構とで構成されている。このため、所定の操作ストロークを確保しても、従来例のような体積の増加がなく、薄型のスイッチが得られる。
【0013】
本発明の実施形態としては、前記カバーと前記操作レバーとで、伸縮可能な操作バネを挟持した構成としてもよい。
本実施形態によれば、所望の接点ストロークが得やすくなるとともに、操作感触の良いスイッチが得られる。
【0014】
本発明の
別の実施形態としては、前記ロータを両方向に回動させて別の可動接触を別の固定接点部に接触させる構成としてもよい。
本実施形態によれば、両方向に回動させることにより、開閉できる接点の数が増大し、汎用性のスイッチが得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図A,Bは本発明に係るスイッチの第1実施形態を異なる角度から視た全体斜視図である。
【
図2】
図1Aで図示したスイッチの分解斜視図である。
【
図3】
図1Bで図示したスイッチの分解斜視図である。
【
図4】
図A,Bは
図2,3で示したケースを異なる角度から視た斜視図である。
【
図5】
図A,Bは
図2,3で示したベースの斜視図および平面図である。
【
図6】
図A,B,Cは
図2,3で示した回動接触板の平面図,斜視図および正面図である。
【
図7】
図A,Bは
図2,3で示したロータを異なる角度から視た斜視図である。
【
図8】
図A,Bは
図2,3で示したカバーを異なる角度から視た斜視図である。
【
図9】
図A,Bは
図2,3で示した操作レバーを異なる角度から視た斜視図である。
【
図10】
図A,Bは
図1に図示したスイッチの操作前を示す全体斜視図および部分断面図である。
【
図11】
図A,B,Cは
図10に図示したスイッチの操作レバーを押し下げた状態を示す全体斜視図,部分断面図および要部平面図である。
【
図12】
図A,Bは
図11に図示したスイッチのロータを一方側に回動させた状態を示す全体斜視図および要部平面図である。
【
図13】
図A,Bは
図11に図示したスイッチのロータを他方側に回動させた状態を示す全体斜視図および要部平面図である。
【
図14】
図A,Bは本発明に係るスイッチの第2実施形態を異なる角度から視た全体斜視図である。
【
図17】
図A,Bは
図15,16で示したケースを異なる角度から視た斜視図である。
【
図19】
図A,B,Cは
図15,16で示した回動接触板の平面図,斜視図および正面図である。
【
図20】
図A,Bは
図15,16で示したロータを異なる角度から視た斜視図である。
【
図21】
図A,Bは
図15,16で示したカバーを異なる角度から視た斜視図である。
【
図22】
図A,Bは
図15,16で示した操作レバーを異なる角度から視た斜視図である。
【
図23】
図A,B,Cは
図14に図示したスイッチの操作前を示す全体斜視図,断面図および部分断面斜視図である。
【
図24】
図A,B,Cは
図23に図示したスイッチの操作レバーを押し下げた状態を示す全体斜視図,断面図および要部平面図である。
【
図25】
図A,Bは
図24に図示したスイッチのロータを一方側に回動させた状態を示す全体斜視図および要部平面図である。
【
図26】
図A,Bは
図24に図示したスイッチのロータを他方側に回動させた状態を示す全体斜視図および要部平面図である。
【
図27】
図A,Bは本発明に係るスイッチの第3実施形態を異なる角度から視た全体斜視図である。
【
図30】
図A,Bは
図28,29で示したカバーを異なる角度から視た斜視図である。
【
図31】
図A,Bは
図27に図示したスイッチのカバーを押し下げる前後を示す側面図である。
【
図32】
図A,Bは
図31に図示したスイッチのロータを異なる方向に回動させた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係るスイッチの実施形態を
図1ないし
図32の添付図面に従って説明する。
第1実施形態に係るスイッチは、
図1ないし
図13に示すように、ケース10と、ベース20と、回動接触板40と、ロータ50と、復帰バネ60と、カバー70と、操作バネ80と、操作レバー90と、で構成されている。
【0017】
前記ケース10は、
図4に示すように、平面方形の板状体であり、その4隅に後述するベース20を固定するための固定用弾性爪部11を突設してあるとともに、前記固定用弾性爪部11の背後に位置する外周縁部に取付用弾性爪部12をそれぞれ突設してある。また、前記ケース10は、その片側縁部に断面方形の筒状ソケット部13を一体成形してある。前記
筒状ソケット部13は、その内周縁部に位置決め用リブ14を突設してある。
【0018】
前記ベース20は、
図5に示すように、第1固定接点端子30の両側に共通固定接点端子31,32を配置するとともに、前記共通固定接点端子31,32の外側に第2,第3固定接点端子33,34をそれぞれ配置し、これらをインサート成形してある。また、前記ベース20は、その中央上面に設けた凹所21の底面
に、前記第1,第2,第3固定接点端子30,33,34の
第1,第2,第3固定接点部30a,33a,34a
と、共通固定接点端子31,32の
共通固定接点部31a,32a
と、をそれぞれ露出している。さらに、前記ベース20は、その側面から前記第1,第2,第3固定接点端子30,33,34および共通固定接点端子31,32の端子部30b〜34bを側方に突出させている。そして、前記端子部30b〜34bは、下方側に折り曲げられて位置規制板35に均等ピッチで支持されている。前記位置規制板35には、位置決め用切り欠き部36が設けられている。
また、前記ベース20は、前記凹所21の内側面に円弧状凹部22を形成してあるとともに、前記円弧状凹部22の反対側に操作用切り欠き部23を形成してある。そして、前記ベース20は、前記ケース10の固定用弾性爪部11と対応する位置に固定用段部24を形成してあるとともに、前記固定用段部24,24の間に位置する外側面に一対の係止用爪部25をそれぞれ突設してある。さらに、前記固定用段部24,24のうち、前記端子部30b〜34bの反対側に位置する固定用段部24に、位置決め突部26を隣接するように一体成形してある。前記位置決め突部26,26は、その外向面に軸部27,27を同一直線上にそれぞれ突設してある。
【0019】
前記回動接触板40は、
図6に示すように、導電性薄板を打ち抜いてプレス加工したものであり、前記ベース20の凹所21に嵌合可能な平面形状を有し、中心孔41の周りにツイン接点構造の共通可動接触片42,43を点対称に配置してある。また、前記共通可動接触片42,43の外側には3組の湾曲するツイン接点構造の第1,第2,第3可動接触片44,45,46を同心円上に形成してある。さらに、前記第1,第2,第3可動接触片44,45,46の外側には、巾広の湾曲する付勢用可動接触片47を形成してある。前記付勢用可動接触片47は後述するロータ50を上方に付勢するバネ力を得るためのものである。そして、前記回動接触板40は、自由状態において高さ寸法で共通可動接触片42,43および第1,第2,第3可動接触片44,45,46と、付勢用可動接触片47との間にギャップGが存在する(
図6C)。
【0020】
前記ロータ50は、
図7に示すように、前記ベース20の凹所21に回動可能に嵌合できる平面円形であり、その上面縁部に形成した環状リブ51に係止用切り欠き部52を形成するとともに、前記環状リブ51の外周面に操作用突部53を側方に突設してある。また、前記ロータ50は、その底面の中央に位置決め用突部54を突設するとともに、前記位置決め用突部54の周囲にカシメ用突起55を突設してある。
【0021】
前記復帰バネ60は、
図2に示すように、前記ロータ50の環状リブ51に収納可能な外径を有するコイルバネである。そして、前記復帰バネ60は、その両端部61,62を前記ロータ50の係止用切り欠き部52に係止するとともに、前記ベース20の円弧状凹部22に係止することにより、前記ロータ50に復帰力を付与する。
【0022】
前記カバー70は、
図8に示すように、前記ベース20を被覆可能な正面略門型形状であり、その中央上面に形成した凹部71の底面に、軸部72を形成してある。また、前記カバー70は、その両側面に一対の係合孔73,73およびガイド突起74をそれぞれ形成してある。さらに、前記カバー70は、その天井面に一対の棒状突部75,75を突設してある。
【0023】
前記操作バネ80は、前記カバー70の軸部72に
嵌合可能なコイルバネであり、後述する操作レバー90に復帰力を付与する。
【0024】
前記操作レバー90は、
図9に示すように、前記カバー70を被覆可能な正面略門型形状を有し、その両側面の一端側に軸孔91を同一軸心上に設けてあるとともに、その他端側にガイド溝92を形成してある。また、前記操作レバー90は、その天井面に操作軸部93を突設してある。
【0025】
前述の構成部品の組立方法について説明する。
ケース10の上面にベース20を位置決めし、端子部30b〜34bを取り付けた位置規制板35の切り欠き部36を、筒状ソケット部13の位置決め用リブ14に係合するとともに、ベース20の固定用段部24を前記ケース10の固定用弾性爪部11に係止して固定する。
そして、下面に回動接触板40をカシメ固定したロータ50を、前記ベース20の凹所21に回動可能に嵌合した後、前記ロータ50に復帰バネ60を嵌合するとともに、前記復帰バネ60の両端部61,62を係止用切り欠き部52にそれぞれ係止する。このとき、前記回動接触板40は、3本の巾広の付勢用可動接触片47だけが前記ベース20の凹所21の底面に当接している。
さらに、前記ベース20の係止用爪部25にカバー70の係合孔73を上下動可能に係合する。これにより、前記カバー70の棒状突部75,75が復帰バネ60の両端部61,62にそれぞれ係止する。また、付勢用可動接触片47のバネ力でロータ50が上方に付勢されるので、前記ロータ50の環状リブ51がカバー70の天井面に圧接する。
ついで、前記カバー70の軸部72に操作バネ80を組付けた後、操作レバー90の軸孔91を前記ベース20の軸部27に嵌合するとともに、前記カバー70のガイド突起74に前記操作レバー90のガイド溝92を係合することにより、組立作業が完了する。このとき、前記操作バネ80のバネ力により、前記操作レバー90が上方に付勢されている。
なお、カバー70の天井面に一対の棒状突部75を設けず、復帰バネ60の両端部61,62を前記ベース20の円弧状凹部22に係止してもよいことは勿論である。
【0026】
次に、前記スイッチの操作方法について説明する。操作例としては、例えば、乗用車をオートドライブ運転からマニュアル運転に切り換え、ギヤチェンジを行う場合が挙げられる。
まずは、操作前では、
図10に示すように、回動接触板40に設けた付勢用可動接触片47のバネ力でロータ50が押し上げられている。このため、前記回動接触板40の共通可動接触片42,43および第1,第2,第3可動接触片44,45,46は、ベース20の凹所21の底面から浮き上っている。この結果、カバー70も上方に押し上げられているとともに、操作バネ80を介して操作レバー90も上方に押し上げられている。
【0027】
そして、
図11に示すように、前記操作レバー90を押し下げると、操作バネ80が圧縮されるとともに、カバー70,ロータ50が押し下げられる。このため、前記ロータ50の下面にカシメ固定された回動接触板40の共通可動接触片42,43および第1,第2,第3可動接触片44,45,46が前記ベース20の底面に圧接する。このとき、共通可動接触片42,43が
共通固定接点部31a,32aにそれぞれ圧接するとともに、第1可動接触片44が第1固定接点部30aに接触するので、操作レバー90が押圧されたことを示す信号が出力される。
【0028】
また、
図12に示すように、操作レバー90を押し下げたままの状態である中立位置からロータ50を一方側に回動させると、第2可動接触片45が第2固定接点部33aに接触し、ロータ50が一方側に回動操作されたことを示す信号が出力される。そして、前記ロータ50に対する回動力が解除されると、復帰バネ60のバネ力でロータ50が元の中立位置に復帰する。
【0029】
さらに、
図13に示すように、操作レバーを押し下げたままの状態である中立位置からロータ50を他方側に回動させると、第3可動接触片46が第3固定接点部34aに接触し、操作レバー90が他方側に回動操作されたことを示す信号が出力される。そして、前記ロータ50に対する回動力が解除されると、復帰バネ60のバネ力でロータ50が元の中立位置に復帰する。
【0030】
ついで、前記操作レバー90に対する押圧力を解除すると、付勢用可動接触片47のバネ力でロータ50,カバー70が順次、押し上げられるとともに、操作バネ80を介して操作レバー90が元の位置に復帰する。
【0031】
第2実施形態は、
図14ないし
図26に図示するように、前述の第1実施形態と同様に、ケース10と、ベース20と、回動接触板40と、ロータ50と、復帰バネ60と、カバー70と、操作バネ80と、操作レバー90と、で構成されている。特に異なる点は、ケース10、ベース20、回動接触板40、ロータ50および操作レバー90の形状である。
【0032】
前記ケース10は、
図17に示すように、前述の第1実施形態に係るケース10とほぼ同一であり、異なる点は、隣り合う前記固定用弾性爪部11,11の間に平面方形の操作孔15を設けた点である。
【0033】
前記ベース20は、
図18に図示するように、第1固定接点端子30の両側に共通固定接点端子31,32を配置するとともに、前記共通固定接点端子31,32の外側に第2,第3固定接点端子33,34をそれぞれ配置し、それらをインサート成形してある。また、前記ベース20は、その中央上面に設けた凹所21の底面
に、前記第1,第2,第3固定接点端子30,33,34の
第1,第2,第3固定接点部30a,33a,34a
と、共通固定接点端子31,32の
共通固定接点部31a,32a
と、をそれぞれ露出している。さらに、前記ベース20は、その側面から前記第1,第2,第3固定接点端子30,33,34および共通固定接点端子31,32の端子部30b〜34bを側方に突出させている。そして、前記端子部30b〜34bは、下方側に折り曲げられて位置規制板35に均等ピッチで支持されている。前記位置規制板35には、位置決め用切り欠き部36が設けられている。
また、前記ベース20は、前記凹所21の内側面に円弧状凹部22を形成してあるとともに、前記円弧状凹部22の反対側に操作用切り欠き部23を形成してある。そして、前記ベース20は、前記ケース10の固定用弾性爪部11と対応する位置に固定用段部24を形成してあるとともに、前記固定用段部24,24の間に位置する外側面に一対の係止用爪部25をそれぞれ突設してある。さらに、前記固定用段部24,24のうち、前記端子部30b〜34bの反対側に位置する固定用段部24に、位置決め突部26を隣接するように一体成形してある。前記位置決め突部26,26は、その外向面に軸部27,27を同一直線上にそれぞれ突設してある。
さらに、前記ベース20の底面には、共通固定接点部31aと第2固定接点部33aとの間に操作孔28が形成されている。
【0034】
前記回動接触板40は、
図19に示すように、導電性薄板を打ち抜いてプレス加工したものであり、前記ベース20の凹所21に嵌合可能な平面形状を有する。そして、前記回動接触板40は、その中心孔41の周りに3組のツイン接点構造の湾曲する第1,第2,第3可動接触片44,45,46を均一ピッチで同心円状に配置してある。また、前記第1,第2,第3可動接触片44,45,46の外側には、2組の湾曲するツイン接点構造の共通可動接触片42,43を同心円上に形成してある。さらに、前記回動接触板40は、自由状態において高さ寸法で第1,第2,第3可動接触片44,45,46と共通可動接触片42,43との間にギャップGが存在する(
図19C)。
【0035】
前記ロータ50は、
図20に示すように、前述の第1実施形態のロータ50とほぼ同等であり、異なる点はカシメ用突起55の突設位置である。
【0036】
前記カバー70は、
図21に図示するように、前記ベース20を被覆可能な正面略門型形状であり、その中央上面に形成した凹部71の底面に、軸部72を形成してある。また、前記カバー70は、その両側面に一対の係合孔73,73をそれぞれ形成してある。さらに、前記カバー70は、その天井面に一対の棒状突部75,75を突設してある。
【0037】
操作レバー90は、
図22に図示するように、カバー70を被覆可能な正面略門型形状を有し、その両側面の一端側に軸孔91,91を同一軸心上に設けてあるとともに、その天井面に操作軸部93を突設してある。また、前記操作レバー90は、その片側面の縁部から略J字形状の操作腕部94を延在してある。
他は前述の第1実施形態とほぼ同様であるので、同一部分には同一番号を附して説明を省略する。
【0038】
前述の構成部品の組立方法について説明する。
まず、底面に回動接触板40をカシメ固定したロータ50を、前記ベース20の凹所21に回動可能に嵌合した後、前記ロータ50に復帰バネ60を嵌合するとともに、前記復帰バネ60の両端部61,62を前記ロータ50の係止用切り欠き部52にそれぞれ係止する。このとき、前記回動接触板40の共通可動接触片42,43および第1,第2,第3可動接触片44,45,46が前記ベース20の凹所21の底面に当接している。
【0039】
そして、前記ベース20の係止用爪部25にカバー70の係合孔73を係合して取り付ける。これにより、前記カバー70の棒状突部75,75が復帰バネ60の両端部61,62にそれぞれ係止する。また、前記回動接触板40の共通可動接触片42,43および第1,第2,第3可動接触片44,45,46の全てが、前記ベース20の凹所21の底面に圧接する。さらに、共通可動接触片42,43および第1,第2,第3可動接触片44,45,46のバネ力でロータ50が上方に付勢されているので、前記ロータ50の環状リブ51の縁部がカバー70の天井面に圧接している。
【0040】
さらに、前記カバー70の軸部72に操作バネ80を組付けた後、操作レバー90の軸孔91を前記ベース20の軸部27に嵌合するとともに、操作腕部94を前記ベース20の操作孔28に嵌合する。このため、前記操作腕部94が共通可動接触片42を押し上げることにより、前記共通可動接触片42が前記ベース20の凹所21の底面から開離する。
【0041】
ついで、ケース10の上面に前記ベース20を位置決めし、端子部30b〜34bを取り付けた位置規制板35の切り欠き部36を、筒状ソケット部13の位置決め用リブ14に係合するとともに、ベース20の
固定用段部24に前記ケース10の固定用弾性爪部11を係止することにより、組立作業が完了する。
【0042】
次に、操作方法について説明する。
まずは、操作前では、
図23に示すように、回動接触板40に設けた2組の共通可動接触片42,43のうち、一方の共通可動接触片42が操作レバー90の操作腕部94で上方に押し上げられている。そして、他方の共通可動接触片43がベース20の底面に位置する共通固定接点部32aに圧接するとともに、第1可動接触片44が
第1固定接点部30aに圧接している。また、第2,第3可動接触片45,46は前記ベース20の底面に圧接しているが、
第2,第3固定接点部
33a,34aに接触していない。ただし、前記
共通固定接点端子32はダミー端子であるので、出力信号は出力されていない。
【0043】
そして、
図24に示すように、前記操作レバー90を押し下げると、操作バネ80が圧縮されるとともに、操作腕部94が下降して共通可動接触片42から離れ、前記共通可動接触片42が共通固定接点部31aに圧接する。このため、前記回動接触板40を介して第1固定接点端子30と共通固定接点端子31とが導通し、操作レバー90が押圧されたことを示す信号が出力される。
【0044】
また、
図25に示すように、操作レバー90を押し下げたままの状態である中立位置からロータ50を一方側に回動させると、第2可動接触片45が第2固定接点部33aに接触し、ロータ50が一方側に回動操作されたことを示す信号が出力される。そして、前記ロータ50に対する回動力が解除されると、復帰バネ60のバネ力でロータ50が元の中立位置に復帰する。
【0045】
さらに、
図26に示すように、操作レバー90を押し下げたままの状態である中立位置からロータ50を他方側に回動させると、第3可動接触片46が第3固定接点部34aに接触し、ロータ50が他方側に回動操作されたことを示す信号が出力される。そして、前記ロータ50に対する回動力が解除されると、復帰バネ60のバネ力でロータ50が元の中立位置に復帰する。
【0046】
ついで、前記操作レバー90に対する押圧力を解除すると、操作バネ80のバネ力で操作レバー90が押し上げられ、前記操作レバー90の操作腕部94が共通可動接触片42を押し上げることにより、元の位置に復帰する。
【0047】
第3実施形態は、
図27ないし
図32に図示するように、前述の第1実施形態とほぼ同様であり、異なる点は操作レバー90を介さず、前述の第1実施形態と異なる形状のカバー70でロータ50を直接、押し下げる点である。
前記カバー70は、
図30に示すように、前記ベース20を被覆可能な正面略門型形状であり、その中央上面に突部76を突設してあるとともに、他は前述の第1実施形態とほぼ同様であるので、同一部分には同一番号を附して説明を省略する。
【0048】
本実施形態によれば、前記カバー70を押し下げることにより、ロータ50を直接、押し下げることができるので、俊敏に動作し、応答性に優れたスイッチが得られるという利点がある。
【0049】
なお、第3実施形態では、カバー70を直接、押し下げるだけでなく、前述の実施形態のように操作レバーを介して操作してもよいことは勿論である。逆に、第1,第2実施形態では操作レバー90を介してカバー70を操作するだけでなく、前記カバー70を直接、操作してもよいことは勿論である。