【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明にかかる物品情報認識装置は、物品における情報表示面を撮像する撮像装置と、前記撮像装置の撮像画像に基づいて前記情報表示面に表示された物品情報を認識する物品情報認識部と、が設けられたものであって、
前記撮像画像において前記物品情報を示す文字列には、前記物品情報の種別を示す種目文字列と、前記種目文字列に対応する前記物品情報を示す内容文字列とを含み、
前記撮像画像において前記種目文字列を囲む枠と、前記撮像画像において前記内容文字列が表示されていると予定される表示予定枠との間には、前記撮像画像における相対的な位置が規定されており、
前記物品情報認識部が、
前記撮像画像において前
記種目文字列を検出する種目文字列検出処理と、
前記種目文字列検出処理にて検出された前記種目文字列
との相対位置に基づいて、前記
表示予定枠に対応する表示予定領域を前記撮像画像に設定し、且つ、前記表示予定領域に存在する前記内容文字列を抽出する文字列抽出処理と、
前記文字列抽出処理にて抽出した前記内容文字列に基づいて前記物品情報を認識する物品情報認識処理と、
を実行する点を特徴とする。
【0007】
すなわち、検出した種目文字列に対応して設定される表示予定領域に存在する内容文字列を抽出し、抽出した内容文字列に基づいて物品情報を認識することができる。
種目文字列は、例えば、「製造番号」や「使用期限」等といった、物品情報の種別を表す文字列である。例えば、使用期限を示す種目文字列としては、他に「UseByDate」等の文字列が想定し得るが、そのバリエーションは限られている。一方、内容文字列としては、物品の種別によって、文字数や文字の並び順の異なる様々なバリエーションが想定し得る。このように、種目文字列のバリエーションは内容文字列のバリエーションに比べて少ない。このため、例えば、上述したようなパターン認識処理を行う場合と比べて、物品の情報表示面に表示された物品情報を迅速に認識することが可能となる。
このように、物品の情報表示面に表示された物品情報を迅速に認識することが可能な物品情報認識装置が提供できる。
【0008】
本発明に係る物品情報認識装置の実施形態においては、前記物品情報認識部が、前記内容文字列に使用される文字の属性である設定文字属性を前記種目文字列に対応づけて予め記憶するように構成され、かつ、前記種目文字列ついての前記表示予定領域に対して実行した前記文字列抽出処理にて抽出した前記内容文字列について、前記設定文字属性に基づいて適正度を評価する文字列評価処理を実行し、前記物品情報認識処理において、前記文字列評価処理にて評価された前記内容文字列の適性度が設定適正条件を満たす場合に、当該内容文字列が示す内容を前記物品情報として認識するように構成されていることが好ましい。
【0009】
すなわち、種目文字列についての表示予定領域に対して実行した文字列抽出処理にて抽出した内容文字列について、その種目文字列に対応づけて予め記憶された設定文字属性に基づいて適正度を評価し、適性度が設定適正条件を満たす場合に、当該内容文字列が示す内容を物品情報として認識するから、文字列抽出処理において複数の文字列を抽出した場合に、より適正度の高い内容文字列を物品情報として認識することができる。このため、文字列抽出処理にて抽出した内容文字列に基づいて、より正確に物品情報を認識することができ、認識精度を向上できる。
【0010】
本発明に係る物品情報認識装置の実施形態においては、前記設定文字属性が、前記内容文字列に使用される文字の書体であることが好ましい。
【0011】
すなわち、情報表示面に表示される内容文字列の夫々が、異なる複数の書体を用いて表示されている場合がある。このような場合に、内容文字列に使用される文字に基づいてその内容文字列の適正度を評価し、設定適正条件を満たす内容文字列を物品情報として認識することによって、より適正度の高い内容文字列を物品情報として認識することができる。
【0012】
本発明に係る物品情報認識装置の実施形態においては、前記設定文字条件が、前記内容文字列における文字の上下方向の寸法であることが好ましい。
【0013】
すなわち、情報表示面に表示される文字列の夫々の上下方向の寸法が異なる場合がある。このような場合に、文字列の上下方向の寸法に基づいてその文字列の適正度を評価し、設定適正条件を満たす内容文字列を物品情報として認識することによって、より適正度の高い内容文字列を物品情報として認識することができる。
【0014】
本発明に係る物品情報認識装置の実施形態においては、前記物品情報認識部が、前記内容文字列の文字数として定められた予定文字数情報を前記種目文字列に対応づけて予め記憶するように構成され、かつ、前記文字列抽出処理を実行した結果、その文字列抽出処理にて抽出された前記内容文字列の文字数が前記予定文字数情報にて規定された文字数に満たない場合には、前記表示予定領域を設定寸法だけ拡張した拡張後の表示予定領域に対して前記文字列抽出処理を実行するように構成されていることが好ましい。
【0015】
すなわち、情報表示面には種目文字列に対応する内容文字列として必要な文字数の文字がすべて表示されていたとしても、その内容文字列における全ての文字が表示予定領域に存在しない場合(すなわち、内容文字列が表示予定領域からずれて表示されているような場合)、文字列抽出処理によって抽出した内容文字列が物品情報として必要な文字数よりも少ない状態となる場合がある。
【0016】
上記構成によれば、文字列抽出処理にて抽出された内容文字列の文字数が予定文字数情報にて規定された文字数に満たなければ、表示予定領域を設定寸法だけ拡張した拡張後の表示予定領域に対して文字列抽出処理を実行することになる。
これにより、拡張後の表示予定領域には、物品情報として必要な全ての文字列が存在する可能性が高くなるので、その拡張した表示予定領域に対して文字列抽出処理を実行することによって、種目文字列に対応する内容文字列を適切に抽出できる可能性が高くなる。
また、仮に拡張した表示予定領域に対して文字列抽出処理を実行しても、なお抽出した内容文字列が物品情報として必要な文字数よりも少ない場合は、さらに表示予定領域を拡張してその拡張した表示予定領域に対して文字列抽出処理を実行すれば、種目文字列に対応する内容文字列を適切に抽出できる可能性がさらに高くなる。
【0017】
すなわち、上記構成によれば、文字列抽出処理の対象とする領域を制限することによって物品情報の認識の迅速化を図りつつ、そのように文字列抽出処理の対象とする領域を制限することによって内容文字列が欠落する事態を極力回避できる。
このように、上記構成によれば、物品情報の認識の迅速化を図りつつ、文字列抽出処理によって抽出した内容文字列が欠落する事態を極力回避できる。
【0018】
本発明に係る物品情報認識装置の実施形態においては、前記物品情報認識部が、前記内容文字列に使用される文字の候補である認識候補文字を前記種目文字列に対応づけて予め記憶するとともに、前記認識候補文字の少なくとも1つについて、当該認識候補文字に類似する文字として予め設定された少なくとも1つの誤読想定文字を当該認識候補文字に対応付けて記憶するように構成され、かつ、前記種目文字列ついての前記表示予定領域に対して実行した前記文字列抽出処理にて抽出した前記内容文字列の夫々の文字について、前記認識候補文字であるか否かを判定する抽出文字判定処理と、前記抽出文字判定処理により前記認識候補文字でないと判定された文字が前記誤読想定文字である場合には、当該誤読想定文字を当該誤読想定文字に対応付けて記憶されている前記認識候補文字と置換する認識結果置換処理を実行することが好ましい。
【0019】
すなわち、文字列抽出処理において、種目文字列に対応する内容文字列に使用されるべき文字とは異なる文字が抽出される場合がある。例えば、使用期限を示す内容文字列においては、数字についてはすべての文字が使用されないので、使用期限についての文字列抽出処理にて例えば「I」や「O」を抽出したとすれば、これらに類似した形象の文字である数字の「1」や「0」と誤読している可能性がある。
上記構成によれば、認識候補文字でないと判定された文字が誤読想定文字である場合には、誤読想定文字をその誤読想定文字に対応付けられている認識候補文字と置換することができる。上記の例の場合、アルファベットの「I」や「O」を誤読想定文字に設定し、認識候補文字のうち数字の「1」をアルファベットの「I」に対応する認識候補文字として、数字の「0」をアルファベットの「O」に対応する認識候補文字として記憶しておけば、抽出文字判定処理において認識候補文字でないと判定された誤読想定文字としてのアルファベットの「I」や「O」を、当該「I」や「O」に対応付けられている認識候補文字としての数字の「1」や「0」に置換することができる。
このように、文字列抽出処理にて抽出した内容文字列に基づいて物品情報を認識する場合に、その認識精度を向上することができる。
【0020】
本発明に係る物品情報認識装置の実施形態においては、異なる2つの属性の前記物品情報に対応する異なる2つの前記種目文字列が、前記物品の前記情報表示面における異なる位置に表示され、前記物品情報認識部が、前記種目文字列検出処理において異なる2つの前記種目文字列の夫々を検出自在に構成され、かつ、前記種目文字列検出処理により異なる2つの前記種目文字列のうち一方の前記種目文字列のみが検出され、当該一方の種目文字列についての前記表示予定領域に2つの前記内容文字列を抽出した場合において、抽出された2つの前記内容文字列のうち一方の内容文字列が一方の種目文字列に対応する物品情報と認識したときには、抽出された2つの前記内容文字列のうち他方の内容文字列を、異なる2つの前記種目文字列のうち他方の種目文字列に対応する物品情報と認識するように構成されていることが好ましい。
【0021】
すなわち、種目文字列検出処理にて異なる2つの属性の物品情報に対応する異なる2つの種目文字列のうちの一方のみが検出され、その一方の種目文字列についての表示予定領域に2つの内容文字列を抽出した場合において、抽出された2つの内容文字列のうち一方の内容文字列が一方の種目文字列に対応する物品情報と認識できた場合、2つの内容文字列のうち他方の内容文字列は、種目文字列検出処理にて検出できなかった他方の種目文字列に対応するものと推定することができる。
そこで、上記のような場合、抽出された2つの内容文字列のうち他方の内容文字列を、異なる2つの種目文字列のうち他方の種目文字列に対応する物品情報と認識することによって、仮に2つの種目文字列のうちの一方のみしか検出できなかったとしても、2つの種目文字列と、その夫々に対応する内容文字列とを対応付けて、適切に物品情報を認識することができる。