(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6160420
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】冷暖房用放熱パネル
(51)【国際特許分類】
F24D 3/16 20060101AFI20170703BHJP
F24D 3/14 20060101ALI20170703BHJP
【FI】
F24D3/16 A
F24D3/14
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-207812(P2013-207812)
(22)【出願日】2013年10月3日
(65)【公開番号】特開2015-72082(P2015-72082A)
(43)【公開日】2015年4月16日
【審査請求日】2016年7月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】513026399
【氏名又は名称】三菱ケミカルインフラテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097928
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 数彦
(72)【発明者】
【氏名】久家 毅
【審査官】
宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−131390(JP,A)
【文献】
特開2008−309395(JP,A)
【文献】
特開平06−147504(JP,A)
【文献】
特開平11−193935(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0014152(US,A1)
【文献】
特開平8−270195(JP,A)
【文献】
特開平7−293923(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24D 3/16
F24D 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面形状を方形に形成された断熱材としての薄板状の発泡樹脂成形体と、当該発泡樹脂成形体の表側の溝に配置された通水管と、発泡樹脂成形体に埋設された床仕上げ材固定用の根太状部材と、当該放熱パネルの表側に貼着された熱拡散用の放熱シートとからなり、前記通水管によって温水または冷水の循環路が構成された冷暖房用の放熱パネルであって、根太状部材は、発泡樹脂成形体の一辺部と平行に且つ300〜305mmのピッチで配列された複数の横根太と、発泡樹脂成形体の前記一辺部に隣接する他の一辺部と平行に且つ300〜305mmのピッチで配列された複数の縦根太とを含み、通水管は、1本の連続する管で構成されていることを特徴とする冷暖房用放熱パネル。
【請求項2】
放熱シートは、発泡樹脂成形体の複数の角部に相当する部分が切り欠かれた形状を備え、通水管は、その両端部が放熱シートの切り欠き部分で露出している請求項1に記載の冷暖房用放熱パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷暖房用放熱パネルに関するものであり、詳しくは、例えば床暖房に使用される放熱パネルであって、床下地の上に敷設され且つ上面にフローリング等の床仕上げ材が配置され、内部の通水管に温水を循環させる放熱パネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
床暖房の施工においては、フローリング等の床仕上げ材の下地として、予め通水管を埋設した放熱パネルが使用される。斯かる放熱パネルは、平面形状を方形に形成された薄板状の発泡樹脂成形体と、当該発泡樹脂成形体の表側に埋設された通水管と、発泡樹脂成形体に埋設された床仕上げ材固定用の根太状部材と、発泡樹脂成形体の表側の表面に貼設された熱拡散用の放熱シートとから成り、通水管によって温水の循環路が構成されている(特許文献1参照)。
【0003】
また、放熱パネルの1つとして、平面形状が正方形に形成され且つ一辺が606mmに設計された小型のパネルが提案されている。斯かるパネルは、放熱パイプ(通水管)収容用の溝として、断熱基板(発泡樹脂成形体)の左右の辺から一定距離に形成された外側縦溝および内側縦溝と、左右の外側縦溝を連結する状態に形成された外側Uターン溝と、左右の内側縦溝を連結する状態に形成された内側Uターン溝とを備え、放熱パイプを各方向に向けて引き回せるように構成されている。そして、根太状部材として、外側縦溝および内側縦溝と平行に、小根太、小小根太および補助小根太が配置されている。上記のパネルは、タイル状に多数使用することにより、床面積および床形状に応じて配置できるようにしたものである(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−107071号公報
【特許文献2】特開2005−300550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の放熱パネルは、小根太等と称する床仕上げ材固定用の根太状部材が床仕上げ材の幅に対応させて等間隔で一方向に揃えられて配置されているため、床仕上げ材の最終的な配置を考慮し、縦横の方向を設定して床下地上に敷設する必要があり、敷設場所の形状によっては適用し難いと言う問題がある。また、タイル状に配置する小型のパネルも方向性に制限があり、かつ、敷設後に通水管の設置施工が必要であり、施工に多くの手間を要すると言う問題がある。
【0006】
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、例えば床暖房に使用される放熱パネルであって、設置場所の形状に制限されずに簡単に敷設でき、しかも、施工が一層容易な冷暖房用放熱パネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明においては、平面形状を方形に形成された発泡樹脂成形体に対して、根太状部材として複数の横根太と複数の縦根太とを当該発泡樹脂成形体の隣接する二辺とそれぞれ平行に一定のピッチで配列することにより、放熱パネルを配置する場合の方向性に自由度を持たせると共に、1本の連続した通水管を予め引き回して温水または冷水の循環路を構成することにより、施工性を高めるようにした。更に、発泡樹脂成形体の複数の角部に相当する部分を切り欠いた形状の放熱シートを貼着して通水管の両端部を露出させることにより、隣接する放熱パネル間で通水管同士を一層容易に接続できるようにした。
【0008】
すなわち、本発明の要旨は、平面形状を方形に形成された断熱材としての薄板状の発泡樹脂成形体と、当該発泡樹脂成形体の表側の溝に配置された通水管と、発泡樹脂成形体に埋設された床仕上げ材固定用の根太状部材と、当該放熱パネルの表側に貼着された熱拡散用の放熱シートとからなり、前記通水管によって温水または冷水の循環路が構成された冷暖房用の放熱パネルであって、根太状部材は、発泡樹脂成形体の一辺部と平行に且つ300〜305mmのピッチで配列された複数の横根太と、発泡樹脂成形体の前記一辺部に隣接する他の一辺部と平行に且つ300〜305mmのピッチで配列された複数の縦根太とを含み、通水管は、1本の連続する管で構成されていることを特徴とする冷暖房用放熱パネルに存する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る冷暖房用放熱パネルによれば、根太状部材として複数の横根太と複数の縦根太が一定のピッチで配列されているため、床仕上げ材の方向性を考慮することなく且つ設置場所の形状に制限されずに簡単に敷設でき、かつ、通水管の端部を自由に引き回すことができるため、隣接して配置した放熱パネル間で通水管同士を容易に接続できる。従って、本発明に係る冷暖房用放熱パネルは、施工が一層容易であり、施工性をより向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に係る冷暖房用放熱パネルの最小ユニットの構成を示す平面図である。
【
図2】本発明に係る冷暖房用放熱パネルの他の構成例を示す平面図である。
【
図3】本発明に係る冷暖房用放熱パネルの更に他の構成例を示す平面図である。
【
図4】
図2の冷暖房用放熱パネルにおける通水管の引き回しの一例を示す平面図である。
【
図5】
図2の冷暖房用放熱パネルにおける通水管の引き回しの他の例を示す平面図である。
【
図6】
図2の冷暖房用放熱パネルを床に複数組使用した場合の床仕上げ材の配置例を示す平面図である。
【
図7】
図2の冷暖房用放熱パネルを床に複数組使用した場合の床仕上げ材の他の配置例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る冷暖房用放熱パネル(以下、「放熱パネル」と言う。)の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明は、その趣旨を越えない限り、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0012】
本発明の放熱パネルは、温水を循環させることにより暖房用として使用され、また、冷水を循環させることにより冷房用として使用される。以下、本発明の実施形態として、床暖房に利用する場合の一形態を例に挙げて説明する。
【0013】
本発明の放熱パネルは、ベニヤ等の構造用合板やパーティクルボード、あるいは、コンクリートスラブ等から成る床下地の上に機能下地材として敷設され且つ上面にフローリング等の床仕上げ材7(
図6,
図7参照)が配置される。床仕上げ材7としては、通常、マトア、チーク、オーク、ナラ、サクラ、ヒノキ、メープル、ウリン等の各種天然木材を少なくとも表面に使用した所謂フローリングが使用される。
【0014】
図1に符号1で示すように、本発明の放熱パネルは、平面形状を方形に形成された断熱材としての薄板状の発泡樹脂成形体2と、当該発泡樹脂成形体の表側の溝に配置された通水管3と、発泡樹脂成形体2に埋設された床仕上げ材固定用の根太状部材41,42と、当該放熱パネルの表側に貼着された熱拡散用の放熱シート5とから構成される。
図1に示す放熱パネル1(1A)は、平面形状を正方形に形成された最小ユニットのパネルであり、一辺の長さ(幅)を600〜610mmに設定されている。
【0015】
発泡樹脂成形体2としては、硬質ポリウレタン発泡体、硬質ポリエチレン発泡体、硬質ポリプロピレン発泡体、ポリスチレン発泡体、フェノール樹脂発泡体、硬質ポリ塩化ビニル発泡体、ポリメチルメタクリレート発泡体、ポリカーボネート発泡体、ポリフェニレンオキサイド発泡体、ポリスチレンとポリエチレン混合物の発泡体などが挙げられる。中でも、硬質ポリプロピレン発泡体、硬質ポリウレタン発泡体、ポリスチレン発泡体などが好適である。
【0016】
通水管3は、発泡樹脂成形体2の表面に形成された溝を利用し、放熱シート5に接触する状態に発泡樹脂成形体2に埋設される。通水管3としては、架橋ポリエチレン管、ポリブテン管、ポリプロピレン管、ポリエチレン管などの樹脂管などが使用でき、一般的には、架橋ポリエチレン管、ポリブテン管が使用される。通水管3の大きさは、圧力損失を小さくして流れる温水の平均温度をより高い温度に維持するため、外径が通常は6〜10mm、好ましくは7〜9mm、内径が通常は4〜7mm、好ましくは5〜6mmとされる。そして、放熱パネル1Aにおいては、施工性を高めるため、1本の連続する通水管3によって温水の循環路が構成されている。
【0017】
発泡樹脂成形体2には、縦横の辺と平行に根太状部材として横根太41及び縦根太42が配置されている。これら根太状部材は、床下地が木質系の場合にビスや釘を使用して当該放熱パネルを固定すると共に、上方から加わる鉛直荷重を支持するための小割り状の部材であり、スギ、サクラ、ヒノキ、ラワン及び合板などの木材、または、樹脂の硬質発泡材で構成される。横根太41及び縦根太42の幅は、施工性、強度および断熱性の観点から通常は45mm程度とされる。
【0018】
横根太41及び縦根太42は、一般的な床仕上げ材7の幅の規格に対応するために一定のピッチで配置される。横根太41は、発泡樹脂成形体2の上下の辺(図中の横方向の辺)と平行に300〜305mmのピッチで2本配列される。各横根太41は、発泡樹脂成形体2の縦方向の一方の辺(左辺)から縦方向の他方の辺(右辺)まで達しない長さに設定される。横根太41の右端から発泡樹脂成形体2の縦方向の他方の辺(右辺)までの距離、換言すれば、横根太41の先端側の隙間の大きさは、53〜56mm程度とされる。
【0019】
一方、縦根太42は、発泡樹脂成形体2の上半部および下半部において、各々、発泡樹脂成形体2の上下の辺に隣接する他の一辺(図中の縦方向の辺)と平行に300〜305mmのピッチで2本配列される。各縦根太42は、各横根太41から下方へ分岐した状態に配置される。上側の2本の縦根太42は、上方の横根太41から下方の横根太41まで達しない長さに設定され、下側の2本の縦根太42は、下方の横根太41から発泡樹脂成形体2の下辺部(図中の下側の辺)まで達しない長さに設定される。上方の縦根太42の下端から下方の横根太41までの距離、ならびに、下方の縦根太42の下端から発泡樹脂成形体2の下辺部までの距離、換言すれば、縦根太42の先端側の隙間の大きさは、93〜96mm程度とされる。
【0020】
すなわち、放熱パネル1Aにおいては、横根太41の長さを発泡樹脂成形体2の一辺部の長さよりも短く設定し、縦根太42の長さを発泡樹脂成形体2の一辺部の半分よりも短く設定することにより、根太上部材を迂回する状態で1本の通水管3を引き回し、温水の循環路の所要の長さを確保している。
【0021】
発泡樹脂成形体2及び上記の根太状部材の表面、すなわち、放熱パネル1Aの表面には、通水管3の温水の熱を床仕上げ材7に伝える放熱シート5が配置される。放熱シート5は、厚さが20〜100μm、好ましくは30〜60μmで且つ熱伝導性に優れた可撓性のフィルム又はシート、例えば、アルミニウム箔、錫箔、銅箔、ステンレス鋼箔などの金属箔、金属製の織布や不織布、樹脂フィルム又は樹脂シート、あるいは、これらを組合せた積層シート等から構成される。中でも、製造の容易さやコストの点から、アルミニウムシート(又はフィルム若しくは箔)が好ましい。
【0022】
上記の放熱シート5は、通常、発泡樹脂成形体2及び根太状部材の表面に対してアクリル樹脂系粘着剤によって貼着される。また、図示しないが、放熱シート5の表面には、横根太41及び縦根太42に相当する位置に釘打ち用のマーキングが施されているのが好ましい。斯かるマーキングが施されていることにより、通水管3を傷つけることなく且つ迅速に床仕上げ材7を敷設することができる。
【0023】
本発明において、放熱シート5は、発泡樹脂成形体2の複数の角部に相当する部分が切り欠かれた形状を備えている。具体的には、発泡樹脂成形体2において、横根太41の端部が当該発泡樹脂成形体の一辺に達していない部分の角部、根太状部材が配置されていない角部、および、縦根太42の端部が当該発泡樹脂成形体の一辺に達していない部分の角部に相当する部分が三角形に切り欠かれた形状を備えている。
【0024】
更に、発泡樹脂成形体2の上記の3つの角部を含む当該発泡樹脂成形体の2辺部分(右辺および下辺部分)を露出させるように、放熱シート5の一辺側の長さは、発泡樹脂成形体2の一辺の長さよりも若干短く設定されている。上記のように、放熱シート5を発泡樹脂成形体2よりも幾分小面積に構成することにより、放熱パネル1Aの角部や縁部において通水管3の両端側が露出するようになされている。これにより、複数枚の放熱パネル1Aを配列した際、通水管3の先端側を自由に引き回すことができ、隣接する放熱パネル1A間で通水管3同士を容易に接続することができる。
【0025】
なお、
図1は、通水管3の一端部31及び他端部32を内側に折り畳んで施工現場へ出荷する状態の放熱パネル1Aを示したものであり、発泡樹脂成形体2の角部には、通水管3を各方向へ引き回すための配管溝6が予め設けられている。
【0026】
本発明の放熱パネル1は、根太上部材と放熱シート5が上記のような構成を備えている限り、各種のパターンに設計できる。例えば、本発明の放熱パネル1としては、
図2に示す形態の放熱パネル1Bが例示できる。
図2に示す放熱パネル1Bは、
図1に示す放熱パネル1Aのパターンを横方向(横根太41の長さ方向)に3組連続させた構造を備えている。斯かる放熱パネル1Bは、長さを1800〜1810mmに設定されている点を除き、
図1の放熱パネル1Aと同様の構造を備えている。
【0027】
更に、本発明の放熱パネル1としては、
図3に示す形態の放熱パネル1Cが例示できる。
図3に示す放熱パネル1Cは、
図1に示す放熱パネル1Aのパターンを横方向(横根太41の長さ方向)に3組連続させ、かつ、放熱パネル1Aの上半部または下半部のパターンを縦方向(縦根太42の長さ方向)に連続させた構造を備えている。すなわち、横根太41が3列配置された構造を備えている。斯かる放熱パネル1Cは、長さを1800〜1810mmに設定され、幅を900〜909mmに設定されている点を除き、
図1の放熱パネル1Aと同様の構造を備えている。
【0028】
本発明の放熱パネル1は、上記のように、通水管3の両端側が発泡樹脂成形体2の表側に露出した構造を備えており、通水管3を種々の方向に引き出すことができる。例えば、上記の放熱パネル1Bは、
図4に示すように、当該放熱パネル右上角部の横根太41の先端側から通水管3の一端部31を引き出し、当該放熱パネル右下角部の根太上部材がない部分から通水管3の他端部32を引き出すことができる。更に、
図5に示すように、当該放熱パネル右下角部の根太上部材がない部分から通水管3の一端部31を引き出し、当該放熱パネル左下角部の縦根太42の先端側から通水管3の他端部32を引き出すこともできる。これにより、複数の放熱パネル1Bを配置した場合、各放熱パネル1Bの通水管3,3同士を簡単に接続でき、温水の循環路を構成することができる。
【0029】
図示しないが、具体的には、床の形状に応じて放熱パネル1を必要数だけ配置した後、これら放熱パネルの通水管3を相互にタケノコ継手で接続し、次いで、一端に位置する放熱パネル1の通水管3の一端部31、および、他端に位置する放熱パネル1の通水管3の他端部32に対し、熱源装置から伸長された連絡配管としての往き管および戻り管(一対のペアチューブ)をそれぞれ接続することにより、温水を循環させるように構成される。熱源装置としては、例えば、ガスの燃焼によって温水を製造する湯沸し装置やボイラー装置が使用される。
【0030】
なお、複数の放熱パネル1を配置して各通水管3を接続した後は、放熱シート5の切り欠き部分および通水管3の一部が露出する発泡樹脂成形体2の縁部に対し、放熱シート5と同様の三角形のシート及びテープを貼着してもよい。
【0031】
更に、本発明の放熱パネル1は、互いに直交する方向に配置された横根太41と縦根太42がそれぞれ同一のピッチで配列されているため、縦横何れの方向に配置した場合でも床仕上げ材7を容易に敷設することができる。具体的には、
図6に示すように、放熱パネル1Bを縦根太42の長さ方向に例えば4組配列した場合には、複数枚の床仕上げ材7を横根太41と平行(放熱パネル1Bの長さ方向と平行)に配置し、各床仕上げ材7の矧ぎ部分を縦根太42に固定できる。また、
図7に示すように、複数枚の床仕上げ材7を縦根太42と平行(放熱パネル1Bの幅方向と平行)に配置し、各床仕上げ材7の矧ぎ部分を横根太41に固定できる。
【0032】
通常、床仕上げ材7を敷設する場合には、放熱パネル1の根太状部材(横根太41及び縦根太42)の上面に予め接着剤を貼付し、配置した床仕上げ材7の矧ぎ部分を釘固定する。なお、
図6及び
図7に示した放熱パネル1Bの配置においては、
図4に示すパターンで通水管3を引き回している。
【0033】
上記のように、本発明の放熱パネル1においては、根太状部材として複数の横根太41と複数の縦根太42が一定かつ同一のピッチで配列されているため、床仕上げ材7の方向性を考慮することなく且つ設置場所の形状に制限されずに簡単に敷設することができる。しかも、通水管3の端部を自由に引き回すことができるため、隣接して配置した放熱パネル1,1間で通水管3,3同士を容易に接続できる。従って、本発明の放熱パネル1によれば、施工が一層容易であり、施工性をより向上することができる。
【0034】
本発明の放熱パネル1は、冷水を循環させることにより、冷房用パネルとして使用することができる。また、壁や天井の機能下地材として使用し、壁冷暖房、天井冷暖房を構築することもできる。なお、本発明の放熱パネル1においては、通水管3の配置前に下張りとして、放熱シート5と同様のシートが発泡樹脂成形体2の表面に予め貼着されていてもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 :放熱パネル
1A〜1C:放熱パネル
2 :発泡樹脂成形体
3 :通水管
31:通水管の一端部
32:通水管の他端部
41:根太状部材(横根太)
42:根太状部材(縦根太)
5 :放熱シート
6 :配管溝
7 :床仕上げ材