特許第6160513号(P6160513)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6160513
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】蓄電装置およびその蓄電装置の放電方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/44 20060101AFI20170703BHJP
   H01M 2/34 20060101ALI20170703BHJP
   H01M 2/30 20060101ALI20170703BHJP
   H01M 2/06 20060101ALI20170703BHJP
   H01M 10/54 20060101ALI20170703BHJP
   H01G 11/74 20130101ALI20170703BHJP
   H01G 11/14 20130101ALI20170703BHJP
   H01G 9/12 20060101ALI20170703BHJP
【FI】
   H01M10/44 Z
   H01M2/34 A
   H01M2/30 B
   H01M2/06 A
   H01M10/54
   H01G11/74
   H01G11/14
   H01G9/12 C
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-38386(P2014-38386)
(22)【出願日】2014年2月28日
(65)【公開番号】特開2015-162426(P2015-162426A)
(43)【公開日】2015年9月7日
【審査請求日】2016年5月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】弘瀬 貴之
(72)【発明者】
【氏名】奥田 元章
(72)【発明者】
【氏名】西原 寛恭
【審査官】 古河 雅輝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−101889(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/014762(WO,A1)
【文献】 特開2014−041791(JP,A)
【文献】 特開2013−098108(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/175619(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 2/02
H01G 2/08
H01G 2/24
H01G 9/00
H01G 9/07
H01G 9/12
H01G 9/21
H01G 9/26−11/86
H01M 2/00− 2/08
H01M 2/20− 2/34
H01M 10/42−10/667
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース内の圧力が所定値を超えて電流遮断装置が作動した後に蓄電装置を放電する方法であって、
前記電流遮断装置は、
一端が前記ケース内に位置しているとともに他端が前記ケースの外部でカシメ変形されて前記ケースに固定されており、前記ケースの内外を連通する貫通孔が設けられており、その貫通孔の壁面に第1ボルトが締め付けられているボルト溝が設けられている第1通電部材と、
前記第1通電部材と間隔をおいて前記第1通電部材に対向する位置に配置されている第2通電部材と、
前記第1通電部材と前記第2通電部材の間に配置されているとともに、端部が前記第1通電部材に接続されており、中央部が前記第2通電部材に接続されており、前記ケース内の圧力が所定値を超えたときに変形することで前記第2通電部材と非接続になる変形部材と、を備えており、
前記変形部材が前記第2通電部材と非接続になった後に、前記第1ボルトを前記第1通電部材から外す第1工程と、
前記第1ボルトよりも長い第2ボルトを前記ボルト溝に締め付け、前記第2ボルトを前記変形部材に接触させ、前記変形部材を前記第2通電部材に向けて移動させ、前記変形部材を前記第2通電部材に接触させる第2工程と、を有する蓄電装置の放電方法。
【請求項2】
前記第2工程において、前記変形部材を、変形前の状態にする請求項1に記載の蓄電装置の処理方法。
【請求項3】
ケース内の圧力が所定値を超えたときに電極端子と電極の間の導通を遮断する電流遮断装置を有する蓄電装置であって、
前記電流遮断装置は、
貫通孔の壁面にボルト溝が設けられており、一端が前記ケース内に位置しているとともに、他端が前記ケースの外部でカシメ変形されて前記ケースに固定されている第1通電部材と、
前記第1通電部材と間隔をおいて前記第1通電部材に対向する位置に配置されている第2通電部材と、
前記第1通電部材と前記第2通電部材の間に配置されているとともに、端部が前記第1通電部材に接続されており、中央部が前記第2通電部材に接続されており、前記ケース内の圧力が所定値を超えたときに変形することで前記第2通電部材と非導通になる変形部材と、
前記変形部材と非接触の状態で前記ボルト溝に締め付けられて前記貫通孔を塞いでいるとともに、前記第1通電部材から取り外すことが可能な第1ボルトと、を備えており、
前記第1ボルトは、前記変形部材の中央部が前記第1通電部材側に突出した状態であっても第2通電部材側の端部が前記変形部材と非接触になるように前記変形部材と間隔を有して前記ボルト溝に締め付けられている蓄電装置。
【請求項4】
前記蓄電装置が、二次電池である請求項に記載の蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、電流遮断装置を備えた蓄電装置およびその蓄電装置の放電方法に関する技術を開示する。特に、本明細書は、電流遮断装置が駆動にした後に、蓄電装置を放電する方法を開示する。
【背景技術】
【0002】
蓄電装置が過充電されたり、内部で短絡が発生したときに、電極端子間(正極端子と負極端子)に流れる電流を遮断する電流遮断装置を備えた蓄電装置が知られている。電流遮断装置は、電極端子と電極の間(正極端子と正極の間又は負極端子と負極の間)に配置される。特許文献1には、第1通電部材(電極端子)をケースにカシメ固定し、第1通電部材に対向する位置に電極に接続する第2通電部材を配置し、第1通電部材と第2通電部材の間に変形部材を配置している蓄電装置が開示されている。第1通部材には貫通孔が設けられている。ケースの外部において、その貫通孔にキャップが固定されている。変形部材の端部は第1通電部材に固定されており、中央部は第2通電部材に接続されている。特許文献1の電流遮断装置は、蓄電装置内の圧力が所定値を超えると、変形部材の中央部が第2通電部材から離反し、第1通電部材と第2通電部材を非導通にすることによって電極端子と電極との間の導通を遮断する。
【0003】
特許文献1では、電流遮断装置が駆動した後、キャップを破壊し、第1通電部材の貫通孔から絶縁棒を挿入する。そして、その絶縁棒を押し込んで、変形部材を第2通電部材と接触させる。あるいは、電流遮断装置が駆動した後、キャップを破壊し、第1通電部材の貫通孔からガスを注入し、変形部材を第2通電部材と接触させる。特許文献1は、変形部材を第2通電部材と接触させ、電極端子と電極を再度導通させることにより蓄電装置を放電している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−101889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電流遮断装置が駆動した後の蓄電装置は、安全に解体,廃棄するために、完全に放電することが必要である。すなわち、蓄電装置が完全に放電するまで、確実に変形部材と第2通電部材とを接触させておくことが必要である。特許文献1では、絶縁棒を使い、あるいは、ガスを注入して蓄電装置を放電する。絶縁棒を使う場合、放電が完了するまで絶縁棒を押し続けることが必要である。さらに、絶縁棒の挿入深さを正確に位置決めしないと、変形部材と第2通電部材が非接触になったり、絶縁棒で変形部材を損傷することが起こり得る。また、ガスを注入する場合、例えば変形部材が第2通電部材から離反する際に損傷していると、ガスを注入しても変形部材を第2通電部材側に移動させることができないことが起こり得る。本明細書では、電流遮断装置が駆動した後に簡単な方法で確実に放電作業を行うことができる蓄電装置、及び、その蓄電装置の放電方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、ケース内の圧力が所定値を超えて電流遮断装置が駆動した後に蓄電装置を放電する方法を開示する。上記電流遮断装置は、第1通電部材と、第2通電部材と、変形部材を備えている。上記第1通電部材には、貫通孔が設けられている。上記貫通孔の壁面に、第1ボルトが締め付けられているボルト溝が設けられている。上記第1通電部材の一端は、上記ケース内に位置している。上記第1通電部材の他端は、上記ケースの外部でカシメ変形されて上記ケースに固定されている。上記第2通電部材は、上記第1通電部材と間隔をおいて上記第1通電部材に対向する位置に配置されている。上記変形部材は、上記第1通電部材と上記第2通電部材の間に配置されている。上記変形部材の端部は、上記第1通電部材に接続されている。上記変形部材の中央部は、上記第2通電部材に接続されている。上記変形部材は、上記ケース内の圧力が所定値を超えたときに上記第2通電部材と非接続になる。本明細書で開示する放電方法は、第1工程及び第2工程を備える。上記第1工程は、上記変形部材が上記第2通電部材と非接続になった後に、上記第1ボルトを上記第1通電部材から外す。上記第2工程は、上記第1ボルトよりも長い第2ボルトを上記ボルト溝に締め付け、上記変形部材を上記第2通電部材に接触させる。
【0007】
上記の放電方法によると、電流遮断装置が駆動した後に、変形部材が第2通電部材に接触するまで第2ボルトをボルト溝に締め付けることにより、蓄電装置を放電することができる。適切な長さの第2ボルトを用意しておけば、変形部材を第2通電部材に確実に接触させることができる。すなわち、上記の放電方法によると、第1ボルトを第2ボルトと交換するだけで、放電が長時間に及んでも、蓄電装置が完全に放電するまで確実に変形部材と第2通電部材を接触させ続けることができる。
【0008】
本明細書では、上記放電方法を実現する蓄電装置についても開示する。その蓄電装置は、ケース内の圧力が所定値を超えたときに電極端子と電極の間の導通を遮断する電流遮断装置を有する。上記電流遮断装置は、貫通孔の壁面にボルト溝が設けられており、一端が上記ケース内に位置しているとともに、他端が上記ケースの外部でカシメ変形されて上記ケースに固定されている第1通電部材と、上記第1通電部材と間隔をおいて上記第1通電部材に対向する位置に配置されている第2通電部材と、上記第1通電部材と上記第2通電部材の間に配置されているとともに、端部が上記第1通電部材に接続されており、中央部が上記第2通電部材に接続されており、上記ケース内の圧力が所定値を超えたときに上記第2通電部材と非導通になる変形部材を備えている。この蓄電装置を用いることにより、上記した放電方法を実行することができる。
【発明の効果】
【0009】
本明細書で開示される技術によると、電流遮断装置が駆動した後に、蓄電装置を、簡単な方法で確実に放電することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施例の蓄電装置の断面図を示す。
図2】第1実施例の蓄電装置で用いられている電流遮断装置の拡大断面図を示す。
図3】第1実施例の蓄電装置で用いられている電流遮断装置が駆動した後の拡大断面図を示す。
図4】第1実施例の蓄電装置の放電工程1を示す。
図5】第1実施例の蓄電装置の放電工程2を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本明細書で開示する蓄電装置の技術的特徴の幾つかを記す。なお、以下に記す事項は、各々単独で技術的な有用性を有している。
【0012】
蓄電装置は、ケースと、電極組立体と、電極端子と、電流遮断装置を備えている。電極組立体は、ケース内に収容されており、正極及び負極を備えていてよい。電極端子は、ケースの内外を通じている導電性の部品(以下、第1通電部材と称する)に、ケースの外部で接続していてよい。電流遮断装置は、負極端子と負極に接続されていてもよい。この場合、電流遮断装置は、負極端子と負極の通電経路上に配置され、ケースの内圧が所定値を超えたときに、負極端子と負極を導通状態から非導通状態に切換える。電流遮断装置は、正極端子と正極に接続されていてもよい。この場合、電流遮断装置は、正極端子と正極の通電経路上に配置され、ケースの内圧が所定値を超えたときに、正極端子と正極を導通状態から非導通状態に切換える。
【0013】
電流遮断装置は、第1通電部材と、第2通電部材と、変形部材を備えていてよい。第1通電部材は、蓄電装置のケースに固定されていてよい。第1通電部材とケースは、絶縁されていてよい。第1通電部材の一端がケースの内部に位置しており、他端がケースの外部に位置していてよい。第1通電部材の他端は、ケースの外部でカシメ変形(加圧変形)されていてよい。第1通電部材の他端をカシメ変形することによって、第1通電部材がケースに固定されていてよい。第1通電部材は、貫通孔を備えていてよい。貫通孔は、ケースの内部から外部まで延びていてよい。貫通孔を画定している第1通電部材の壁面に、ボルト溝が設けられていてよい。
【0014】
第2通電部材は、第1通電部材と間隔をおいて第1通電部材に対向する位置に配置されていてよい。第2通電部材の中央部の厚みは、端部の厚みより薄くてよい。第2通電部材の中央部に、ケース内の圧力が所定値を超えたときに破断の起点となる破断溝が設けられていてもよい。破断溝は、第2通電部材の中央部において、連続的又は断続的に一巡していてもよい。なお、破断溝は、ケース内の圧力が所定値を超えたときに破断の起点となる脆弱部であればよく、第2通電部材の中央部に局所的に設けられていてもよい。第2通電部材にケース内の圧力が直接加わり、第2通電部材が破断されてもよい。あるいは、ケース内の圧力が加わる他の部品を第2通電部材の近くに設け、ケース内の圧力が所定値を超えたときに、その他の部品が第2通電部材に接触することにより第2通電部材が破断されてもよい。電流遮断装置を平面視(上記貫通孔が延びる方向から第2通電部材を観察)したときに、破断溝が、上記貫通孔の内側に位置していてもよい。
【0015】
変形部材は、第1通電部材と第2通電部材の間に配置されていてよい。変形部材の端部が第1通電部材に接続されており、変形部材の中央部が第2通電部材に接続されていてよい。変形部材の中央部は、破断溝に囲まれた位置で第2通電部材に固定されていてもよい。変形部材は、ケース内の圧力が所定値を超えたときに変形することで第2通電部材と非接続になってもよい。変形部材は、ケース内の圧力が所定値を超えたときに、中央部が第2通電部材から離反して第1通電部材に向けて移動してもよい。変形部材は、第2通電部材と接続しているときは中央部が第2通電部材に向けて突な状態であり、第2通電部材と非接続のときは中央部が第1通電部材に向けて突な状態に変形してもよい。ケース内の圧力が所定値を超えたときに第2通電部材の中央部が破断し、変形部材が第2通電部材から離れてもよい。変形部材が第2通電部材に接続しているときに電極端子と電極が導通しており、変形部材が第2通電部材から離れたときに電極端子と電極が非導通になってよい。電流遮断装置を平面視したときに、変形部材と第2通電部材の接続部分が、上記貫通孔の内側に位置していてもよい。
【0016】
第2通電部材に対して上記した変形部材とは反対側に、第2の変形部材が配置されていてもよい。すなわち、電流遮断装置が2個の変形部材を備えていてよい。以下、第1通電部材と第2通電部材の間に配置されている変形部材を第1変形部材と称し、第2の変形部材を第2変形部材と称することがある。第2通電部材が、第1変形部材と第2変形部材の間に設けられていてよい。第2変形部材は、第2通電部材と電極組立体の間に設けられていてよい。第2変形部材が、電流遮断装置の内部と外部を隔てていてよい。すなわち、第2変形部材が電流遮断装置の外側面を構成しており、ケース内の圧力が第2変形部材に直接作用してもよい。第2変形部材は、第2通電部材に固定されていてよい。第2変形部材の第2通電部材側の中央部に、第2通電部材に向かって突出した形状の突起が設けられていてよい。突起は、第2通電部材から離れた状態で、第2通電部材の破断溝に囲まれた部分に対向していてもよい。突起は、絶縁性であってもよい。突起(第2変形部材)が第2通電部材に接触することにより、第2通電部材が破断されてもよい。
【0017】
蓄電装置の使用中に、上記ボルト溝に第1ボルトが締め付けられていてよい。第1ボルトの先端は、第1変形部材と間隔をおいて第1通電部材に対向していてよい。電流遮断装置が駆動した(第1変形部材が第2通電部材と非接続になった)後に、第1ボルトを第1通電部材から取り外し(第1工程)、第1ボルトより長い第2ボルトを上記ボルト溝に締め付けてよい(第2工程)。第2工程では、第1変形部材を変形前の状態にしてよい。すなわち、第2ボルトを用いて第1変形部材を第2通電部材側に移動させ、第1変形部材と第2通電部材を接触させてよい。第2工程において、第2ボルトは、第1変形部材を、第1変形部材が第2通電部材と非接続になる前の位置まで移動させてよい。
【0018】
本明細書で開示する蓄電装置の一例として、二次電池、キャパシタ等が挙げられる。二次電池の電極組立体の一例として、セパレータを介して対向する電極対(負極及び正極)を有するセルが複数積層された積層タイプの電極組立体、セパレータを介して対向する電極対を有するシート状のセルが渦巻状に加工された捲回型の電極組立体が挙げられる。また、本明細書で開示する蓄電装置は、例えば車両に搭載され、モータに電力を供給することができる。以下、蓄電装置の構造について説明する。なお、以下の説明では、電流遮断装置が負極端子と負極に接続されている蓄電装置について説明する。本明細書で開示する技術は、電流遮断装置が正極端子と正極に接続されている蓄電装置に適用することもできる。また、以下の説明では、電流遮断装置が2個の変形部材を備えている蓄電装置について説明する。本明細書で開示する技術は、電流遮断装置が1個の変形部材を備えている蓄電装置に適用することもできる。
【実施例】
【0019】
(第1実施例)
図1を参照し、蓄電装置100の構造を説明する。蓄電装置100は、ケース28と、電極組立体62と、正極端子18と、負極端子46と、電流遮断装置58を備えている。ケース28は、金属製であり、略直方体形状である。ケース28は、蓋部28aと本体部28bを備えている。ケース28の内部には、電極組立体62と電流遮断装置58が収容されている。電極組立体62は、正極と負極を備えている(図示省略)。正極タブ26が正極に固定されており、負極タブ34が負極に固定されている。ケース28の内部には、電解液が注入されている。
【0020】
正極端子18と負極端子46は、ケース28の同一側(蓋部28aが設けられている側)に配置されている。すなわち、正極端子18と負極端子46の双方が、電極組立体62に対して同じ方向に配置されている。正極端子18は、ボルト16と金属板14を備えている。正極端子18は、正極カシメ部材6に接続されている。具体的には、正極カシメ部材6とボルト16が、金属板14によって接続されている。負極端子46は、ボルト42と金属板44を備えている。負極端子46は、負極カシメ部材52に接続されている。負極カシメ部材52とボルト42が、金属板44によって接続されている。正極カシメ部材6と負極カシメ部材52は、ケース28の内外を通じている。また、正極カシメ部材6と負極カシメ部材52は、ケース28に固定されている。なお、正極端子18及び正極カシメ部材6を併せて「正極端子」と捉えることもできる。同様に、負極端子46及び負極カシメ部材52を併せて「負極端子」と捉えることもできる。
【0021】
正極端子18は、絶縁部材8によってケース28から絶縁されている。絶縁部材8は、突出部8aと平板部8bを備えている。ボルト16の一部(ケース28側)が突出部8aに囲まれている。金属板14は、突出部8a及び平板部8bの上面に配置されており、絶縁部材8の形状に倣って屈曲した形状を有している。負極端子46は、絶縁部材48によってケース28から絶縁されている。絶縁部材48は、突出部48aと平板部48bを備えている。ボルト42の一部(ケース28側)が突出部48aに囲まれている。金属板44は、突出部48a及び平板部48bの上面に配置されており、絶縁部材48の形状に倣って屈曲した形状を有している。なお、正極端子18と負極端子46のいずれか一方がケース28と導通していてもよい。
【0022】
正極カシメ部材6に、正極リード24が接続されている。正極リード24は、正極タブ26に接続されている。正極カシメ部材6は、正極リード24を介して、正極タブ26に電気的に接続されている。すなわち、正極端子18は、電極組立体62の正極に電気的に接続されている。正極リード24は、絶縁シート22によってケース28から絶縁されている。正極カシメ部材6のケース28内に位置する部分は、絶縁部材2によってケース28から絶縁されている。正極カシメ部材6とケース28の間に絶縁性のシール部材4が配置されている。正極カシメ部材6とケース28の隙間は、シール部材4によってシールされている。
【0023】
負極カシメ部材52は、電流遮断装置58に接続されている。負極カシメ部材52には、第1ボルト49が締結されている。電流遮断装置58の詳細は後述する。電流遮断装置58は、金属製の接続部材38を介して、負極リード36に接続されている。負極カシメ部材52は、負極リード36を介して、負極タブ34に電気的に接続されている。すなわち、負極カシメ部材52は、電極組立体62の負極に電気的に接続されている。負極リード36は、絶縁シート32によってケース28から絶縁されている。負極カシメ部材52のケース28内に位置する部分は、絶縁部材56によってケース28から絶縁されている。負極カシメ部材52とケース28の間に絶縁性のシール部材54が配置されている。負極カシメ部材52とケース28の隙間は、シール部材54によってシールされている。
【0024】
蓄電装置100は、ケース28内の圧力が所定値以下のときは、負極端子46と負極タブ34が、電流遮断装置58を介して電気的に接続している。すなわち、負極端子46と負極の間が導通している。ケース28内の圧力が所定値を超えると、電流遮断装置58が、負極端子46と負極タブ34の導通を遮断し、蓄電装置100に電流が流れることを防止する。なお、図1は、電流遮断装置58が駆動する前の状態を示しており、負極端子46と負極の間が導通している。
【0025】
図2は、図1の二点鎖線IIで囲った部分の拡大図である。図2に示すように、負極カシメ部材52の一端はケース28の外部に位置しており、他端はケース28の内部に位置している。負極カシメ部材52の一端は、ケース28の外部でカシメ部52aを構成している。負極カシメ部材52の他端は、ケース28の内部で基部52cを構成している。カシメ部52aと基部52cは柱状部52bで接続されている。柱状部52bは、ケース28の内外を通過している。柱状部52bに、貫通孔50か設けられている。貫通孔50を画定している壁面にボルト溝52dが設けられている。第1ボルト49は、ボルト溝52dに締め付けられている。
【0026】
カシメ部52aとケース28の間には、金属板44及び絶縁部材48の平板部48bが配置されている。絶縁部材48によって、カシメ部52a及び金属板44が、ケース28から絶縁されている。なお、絶縁部材48は、柱状部52bとケース28間にも介在しており、柱状部52bとケース28を絶縁している。基部52cとケース28の間には、絶縁部材56が配置されている。絶縁部材56によって、基部52cが、ケース28から絶縁されている。負極カシメ部材52は、絶縁部材48,56によって、ケース28から絶縁されている。負極カシメ部材52は、第1通電部材の一例である。
【0027】
基部52cの破断板78に対向する対向面64は、中央に向かって窪んでいる。すなわち、破断板78とは反対側に窪んでいる窪み部76が、対向面64に設けられており、対向面64自体が窪んだ面となっている。より具体的には、基部52cの対向面64が、端部から中央に向かうに従って、破断板78から離れるように傾斜している。窪み部76が設けられていることにより、基部52cと第1変形部材66の距離は、端部から中央に向かうにしたがって長くなっている。なお、対向面64とは、基部52cの破断板78に対向する面のうち、第1変形部材66が固定されていない面のことを意味する。基部52cの破断板78側において、窪み部76より外側に、溝67が設けられている。なお、第1変形部材66及び破断板78の詳細については後述する。
【0028】
負極カシメ部材52は、基部52cとケース28の間に絶縁部材56を配置し、金属板44と絶縁部材48を所定の位置に配置した状態で、カシメ部52aに力を加える。カシメ部52aが図2に示すように変形し、ケース28,金属板44及び絶縁部材48,56が、カシメ部52aと基部52cに挟まれる。これにより、負極カシメ部材52がケース28にカシメ固定される。負極カシメ部材52をケース28に固定した後に、柱状部52bの貫通孔50を画定している壁面にボルト溝52dを形成する。なお、正極カシメ部材6は、柱状部が中実であること、基部に窪み部が設けられていないことを除き、実質的に負極カシメ部材52と同じ構造である。そのため、正極カシメ部材6についての詳細な説明は省略する。
【0029】
電流遮断装置58は、負極カシメ部材52と、破断板78と、第1変形部材66と、第2変形部材75を備えている。上記したように、基部52c(負極カシメ部材52)は、ケース28に固定されている。破断板78は、基部52cと間隔を有して基部52cに対向する位置に配置されている。破断板78は、第2通電部材の一例である。電極組立体62(図1も参照)とケース28の間において、電極組立体62の上方に、第2変形部材75,破断板78,第1変形部材66,基部52cの順に配置されている。
【0030】
破断板78には、接続部材38が固定されている。破断板78は、接続部材38,負極リード36を介して、負極タブ34と導通している(図1も参照)。破断板78の中央部78aの厚みは、端部78bの厚みより薄い。また、中央部78aには、破断溝82が設けられている。破断溝82は、中央部78aで連続的に一巡している。破断板78の基部52c側に、溝74が設けられている。溝74は、溝67に対向する位置に設けられている。なお、破断溝82は、電流遮断装置58を平面視(蓄電装置100の外部から貫通孔50を通じて蓄電装置100の内部を観察)したときに、貫通孔50の内側に位置している。
【0031】
第1変形部材66は、金属性のダイアフラムである。第1変形部材66は、基部52cと破断板78の間に配置されている。第1変形部材66の端部66bは、基部52cに固定されている。より具体的には、第1変形部材66の端部66bは、基部52cに溶接されている。第1変形部材66の中央部66aが、基部52cから離れるように破断板78に向けて突出している。換言すると、第1変形部材66は、端部66bから中央部66aに向かうに従って、破断板78に近づいている。
【0032】
第1変形部材66の中央部66aは、破断溝82の内側で、破断板78に固定されている。より具体的には、電流遮断装置58を平面視すると(図2の上から見ると)、中央部66aが、破断溝82に囲まれた範囲で、破断板78に溶接されている。
【0033】
シール部材68が、基部52cと破断板78の間に配置されている。シール部材68は、絶縁性のOリングである。シール部材68は、基部52cと破断板78を絶縁するとともに、電流遮断装置58の内部を気密に保っている。すなわち、シール部材68は、基部52cと破断板78をシールして、電流遮断装置58の内部の空間を、電流遮断装置58の外部の空間(ケース28内の空間)と遮断している。
【0034】
絶縁部材72が、基部52cと破断板78の間に配置されている。絶縁部材72は、シール部材68の内側に配置されている。絶縁部材72は、基部52cと破断板78の間隔を維持している。絶縁部材72は、基部52cと破断板78が直接接することを防止している。すなわち、絶縁部材72は、基部52cと破断板78が直接導通することを防止している。絶縁部材72の両端部が、溝67,74内に位置している。そのため、絶縁部材72は、第1変形部材66及びシール部材68に向けて移動することが規制されている。また、絶縁部材72の移動が規制されているので、シール部材68が第1変形部材66側に移動しようとしても、シール部材68が絶縁部材72に接触し、それ以上内側に移動することがない。
【0035】
第2変形部材75は、破断板78に対して、第1変形部材66とは反対側に配置されている。すなわち、破断板78は、第1変形部材66と第2変形部材75の間に配置されている。第2変形部材75は、金属製のダイアフラムである。第2変形部材75の端部75bが、破断板78に固定されている。より具体的には、第2変形部材75の端部75bが破断板88に溶接されている。
【0036】
第2変形部材75の破断板68側には、絶縁性の突起79が設けられている。突起79は、第2変形部材75の中央部75aに配置されており、破断板68に向かって突出している形状である。突起79は、破断板68の中央部68aに対向している。より具体的には、電流遮断装置58を平面視(電流遮断装置58の外部から、貫通孔を通じて第1変形部材66を観察)したときに、突起79が、破断溝82で囲まれた範囲内に位置している。第2変形部材75は、端部75bから中央部75aに向かうに従って、破断板68から離れるように突出している。
【0037】
支持部材85が、基部52cと破断板78を支持している。支持部材85は、金属製の外側部90と、絶縁性の第1内側部88と、絶縁性の第2内側部86を備えている。第1内側部88は、外側部90の内側に配置されており、第2内側部86の上方(ケース28側)に配置されている。第1内側部88は、絶縁部材56と一体に形成されている。第2内側部86は、外側部90の内側に配置されており、第1内側部88の下方(電極組立体62側)に配置されている。外側部90によって、基部52cと破断板78が位置決めされている。具体的には、第1内側部88と第2内側部84を所定の位置に配置した後、外側部90をかしめることによって、破断板78を基部52cに固定している。なお、内側部86,88は、基部52cと破断板78を絶縁している。
【0038】
ケース28の内圧が所定値以下のときは、負極端子46は、負極カシメ部材52、変形部材66,破断板78,接続部材38,負極リード36,負極タブ34を介して、負極と導通している(図1図2)。例えば、蓄電装置100が過充電状態になると、ケース28の内圧が上昇し、所定値を超える。ケース28の内圧が所定値を超えると、電流遮断装置58の内部と外部に圧力差が生じる。その結果、第2変形部材75にケース28内(電流遮断装置58の外部)の圧力が加わり、第2変形部材75が、破断板78に向かうように変形する。すなわち、中央部78aが、破断板78の中央部88aに向けて移動する。換言すると、第2変形部材75が、端部78bを支点として反転する。突起79が破断板78に接触し、破断板78が破断溝82を起点として破断する。ケース28の内圧が所定値を超えると、破断溝82を起点として破断板78が破断する。その結果、第1変形部材66が変形することで破断板78から分離し、第1変形部材66と破断板78が非導通となる(図3)。負極端子46と負極が非導通になるので、正極端子18と負極端子46(図1も参照)の間に電流が流れることを防止することができる。
【0039】
なお、破断板78が破断すると、第1変形部材66の中央部66aが、破断板78側から基部52c側に向けて移動する。換言すると、第1変形部材66が反転する。上記したように、基部52cに窪み部76が設けられているので、第1変形部材66の反転が基部52c(負極カシメ部材52)に妨げられることはない。破断板78が破断した後に、第1変形部材66と破断板78が再導通することを防止することができる。また、図3に示すように、変形部材が基部52c側に向けて移動しても、第1変形部材66と第1ボルト49は接触しない。
【0040】
電流遮断装置58が駆動した後の蓄電装置100は、それ以上使用することなく、廃棄処分する。安全に蓄電装置100を破棄処分するために、蓄電装置100を完全に放電する。以下、電流遮断装置58が駆動した後に行う蓄電装置100の放電方法について説明する。
【0041】
まず、図4に示すように、負極カシメ部材52から第1ボルト49を取り外す(第1工程)。第1変形部材66の中央部66aが、蓄電装置100の外部から貫通孔を通じて確認できるようになる。次いで、図5に示すように、第2ボルト149をボルト溝52dに締結する(第2工程)。第2ボルト149は、第1ボルト49より長い。第2ボルト149をボルト溝52dに締め付けることにより、第1変形部材66を、破断板78に接触させる。具体的には、第2ボルト149は、第2ボルト149をボルト溝52dに完全に締め付けたときに、第1変形部材66を、第1変形部材66が破断板78から分離する前の位置まで移動させることができる長さに調整されている。これにより、負極端子46と負極が再導通し、蓄電装置100を放電することができる。なお、図5に示すように、第1変形部材66は、破断板78の破断溝82(図2も参照)に囲まれていた範囲の外側部分80にも接触する。
【0042】
蓄電装置100の利点を説明する。上記したように、蓄電装置100では、電流遮断装置58が駆動した後に、第1ボルト49を外し、第2ボルト149を締結するだけで、蓄電装置100を放電することができる。第2ボルト149を締結した後は、放電が完了するまで何も行う必要がない。蓄電装置100は、電流遮断装置58が駆動した後に、簡単で確実に放電を行うことができる。すなわち、蓄電装置100は、異常が発生したときに破棄処理を安全に行うことができる。
【0043】
蓄電装置100の他の利点を説明する。蓄電装置100を使用するときに、負極カシメ部材52(ボルト溝52d)に第1ボルト49を締結している。そのため、仮に電流遮断装置58が駆動したときに第1変形部材66が破損しても、蓄電装置100の内容物(例えば電解液)が、内部から外部に飛び出すことを規制することができる。また、電流遮断装置58を平面視したときに、破断溝82が貫通孔50の内側に位置している。そのため、第2ボルト149をボルト溝52dに締め付けたときに、第1変形部材66を、破断板78の破断溝82が設けられていた部分よりも外側で、破断板78に接触させることができる。第1変形部材66が破断溝82から分離するときに、破断溝82で囲まれていた部分が破損しても、第1変形部材66と破断溝82を確実に接触させることができる。
【0044】
上記実施例では、電流遮断装置が第1変形部材と第2変形部材を備える蓄電装置について説明した。しかしながら、本明細書で開示する技術は、第1通電部材(負極カシメ部材の基部)と第2通電部材(破断板)の間に1個の変形部材を備える蓄電装置に適用することもできる。すなわち、本明細書で開示する技術は、第1通電部材が貫通孔を備えており、その貫通孔を画定している壁面にボルトを締結するためのボルト溝が形成されていることである。そして、そのボルト溝に締結するボルトを利用して、電流遮断装置が駆動した後に変形部材を第2通電部材を接触させることである。そのため、電流遮断装置の構造、及び、蓄電装置を構成する部品の材料は様々なものを使用することができる。以下に、蓄電装置の一例であるリチウムイオン二次電池について、蓄電装置を構成する部品の材料を例示する。
【0045】
電極組立体について説明する。電極組立体は、正極と、負極と、正極と負極の間の位置に介在しているセパレータを備えている。正極は、正極用金属箔と、正極用金属箔上に形成されている正極活物質層を有する。正極タブは、正極活物質層が塗布されていない正極用金属箔に相当する。負極は、負極用金属箔と、負極用金属箔上に形成されている負極活物質層を有する。負極タブは、負極活物質層が塗布されていない負極用金属箔に相当する。なお、活物質層に含まれる材料(活物質、バインダ、導電助剤等)には特に制限がなく、公知の蓄電装置等の電極に用いられる材料を用いることができる。
【0046】
正極用金属箔として、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、ステンレス鋼又はそれらの複合材料を用いることができる。特に、アルミニウム又はアルミニウムを含む複合材料であることが好ましい。また、正極リードの材料として、正極用金属箔と同様の材料を用いることができる。
【0047】
正極活物質は、リチウムイオンが侵入及び脱離可能な材料であればよく、LiMnO、Li(NiCoMn)0.33、Li(NiMn)0.5、LiMn、LiMnO、LiNiO、LiCoO、LiNi0.8Co0.15Al0.05、LiMnO、LiMn等を使用することができる。また、正極活物質としてリチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、あるいは、硫黄などを用いることもできる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。正極活物質は、必要に応じて導電材,結着剤等とともに正極用金属箔に塗布される。
【0048】
負極用金属箔として、アルミニウム、ニッケル、銅(Cu)等、又はそれらの複合材料等を使用することができる。特に、銅又は銅を含む複合材料であることが好ましい。また、負極リードの材料として、負極用金属箔と同様の材料を用いることができる。
【0049】
負極活物質として、リチウムイオンが侵入及び脱離可能な材料を用いる。リチウム(Li)、ナトリウム(Na)等のアルカリ金属、アルカリ金属を含む遷移金属酸化物、天然黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ、高配向性グラファイト、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料、シリコン単体又はシリコン含有合金又はシリコン含有酸化物を使用することができる。なお、負極活物質は、電池容量を向上させるため、リチウム(Li)を含まない材料であることが特に好ましい。負極活物質は、必要に応じて導電材,結着剤等とともに負極用金属箔に塗布される。
【0050】
セパレータは、絶縁性を有する多孔質を用いる。セパレータとして、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、あるいは、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、メチルセルロース等からなる織布または不織布を使用することができる。
【0051】
電解液は、非水系の溶媒に支持塩(電解質)を溶解させた非水電解液であることが好ましい。非水系の溶媒として、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等の鎖状エステルを含んでいる溶媒、酢酸エチル、プロピロン酸メチルなどの溶媒、又はこれらの混合液を使用することができる。また、支持塩(電解質)として、例えば、LiPF、LiBF、LiAsF等を使用することができる。
【0052】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0053】
28:ケース
46:負極端子
49:第1ボルト
50:貫通孔
52:第1通電部材
58:電流遮断装置
66:変形部材
78:第2通電部材
100:蓄電装置
149:第2ボルト
図1
図2
図3
図4
図5