(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記収容部本体が、前記短縮した状態から伸長された状態となった後、再び当該短縮した状態となったときは、当該収容部本体は前記固定状態に切り替えられる請求項1に記載の収容装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0009】
<実施形態1>
(構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態(実施形態1)に係る画像形成装置10の外観を示す斜視図である。図示の画像形成装置10は、本発明の画像形成装置の一例である。また、画像形成装置10は、本発明の収容装置が装着される装置本体の一例でもある。画像形成装置10は、画像形成部11、画像形成部11に向けて供給される用紙を収容する用紙収容装置20および用紙収容装置20に収容された用紙を搬送する用紙搬送部12とを備えている。用紙収容装置20は、本発明の収容装置の一例であるとともに、本発明の画像形成装置および用紙搬送装置における用紙収容部の一例である。
画像形成部11は、デジタル写真方式等により画像を形成する。
図2は、画像形成装置10の底部を示す底面図およびラッチユニット19を示す図である。画像形成装置10の底部には、
図2(A)に示すように、用紙収容装置20が装着される用紙収容装置装着部18が形成されている。用紙収容装置装着部18は、用紙収容装置20を、前後方向Xに沿って前方Fに向けて引き出し可能に装着する。用紙収容装置装着部18には、装着された用紙収容装置20を、脱着可能に保持する2つのラッチユニット19が設けられている。
ラッチユニット19は、
図2(B)に示すように、中心C回りに回転可能に支持されたラッチ本体19aと、ラッチ本体19aを特定の一方向(
図2(B)においては破線矢印で示した反時計回りの向き)に回転させるように弾性力を与えるバネ19bとを備えている。
なお、用紙収容装置20と、用紙収容装置装着部18と、用紙搬送部12とによって構成される用紙搬送装置15は、本発明の用紙搬送装置の一例である。
【0010】
図3は用紙収容装置20を示す斜視図、
図4は用紙収容装置20(後述するカバー24の記載を省略している)を示す平面図である。画像形成装置10から取り外された状態の用紙収容装置20は、
図3(A),(B),(C)に示すように、例えば3段階の長さに伸縮可能となっている。
図3(A)は、伸縮可能の長さの範囲で最も短い状態(短縮状態)を示す。
図3(B)は、
図3(A)に示した最も短い状態よりも長い状態を示す。
図3(C)は、
図3(B)に示した状態よりも長い状態を示す。
なお、
図3(A)は、用紙収容装置20の内部に例えばA5サイズの用紙を収容するのに適した長さの状態である。また、
図3(B)は、用紙収容装置20の内部に例えばA4サイズの用紙を収容するのに適した長さの状態である。また、
図3(C)は、用紙収容装置20の内部に例えばリーガルサイズの用紙を収容するのに適した長さの状態である。
【0011】
用紙収容装置20は、
図4に示すように、用紙収容部本体21と伸縮レバー25(切替部材の一例)と保持部材27(保持部材の一例)とを備えている。
用紙収容部本体21は、長さ方向X1に沿って伸縮可能である。用紙収容部本体21は、長さ方向X1が画像形成装置10の前後方向Xに沿うように画像形成装置10の用紙収容装置装着部18に装着される。したがって、用紙収容部本体21は、画像形成装置10からの用紙収容装置20の引き出し可能の方向(前後方向X)に沿って伸縮可能となっている。
【0012】
図5は、用紙収容部本体21を示す斜視図である。用紙収容部本体21は、
図5に示すように、ベースハウジング22(基部の一例)と、エクステンションハウジング23(伸縮部の一例)と、カバー24とを備えている。ベースハウジング22には、用紙が載せられる底板22aと、長さ方向X1の後端を仕切る後部板22bと、長さ方向X1に直交する幅方向Yの両端の側板22c,22dとが形成されている。底板22aには、画像形成装置10の用紙収容装置装着部18(
図2(A)参照)に設けられた2つのラッチユニット19にそれぞれ掛けられる被保持部22e(
図2(B)参照)が形成されている。被保持部22eは、用紙収容部本体21が画像形成装置10に装着された状態で、ラッチユニット19に掛り、画像形成装置10の用紙収容装置装着部18に着脱可能に保持される。
【0013】
ベースハウジング22の被保持部22eは、
図2(B)に示すように、バネ19bによって反時計回りに回転するラッチ本体19aに掛り、これにより用紙収容部本体21は、画像形成装置10に保持される。一方、ベースハウジング22が前方Fに向かう荷重を受け、この荷重が、ラッチユニット19と被保持部22eとの間の掛りの荷重を超えると、被保持部22eが、ラッチ本体19aを、バネ19bの弾性力に抗する方向(
図2(B)においては実線矢印で示した時計回りの向き)に回転させる。これにより、用紙収容部本体21は画像形成装置10から取り外される。
【0014】
エクステンションハウジング23(
図5参照)には、用紙が載せられる底板23aと、長さ方向X1の前端を仕切る前部板23bと、幅方向Yの両端に設けられた側板23c,23dとが形成されている。前部板23bの外面には、使用者が手を掛けて用紙収容装置20を前方Fに引き出す操作力を加える取手部23eが形成されている。底板23aは、ベースハウジング22の底板22aの上に重ねられている。
用紙収容部本体21は、ベースハウジング22の底板22a、後部板22b、側板22c,22dおよびエクステンションハウジング23の底板23a、前部板23b、側板23c,23dによって仕切られた空間21Sに用紙を収容する。
【0015】
エクステンションハウジング23は、ベースハウジング22に対して伸縮方向(
図5において長さ方向X1と同じ)に移動可能に、ベースハウジング22に組み付けられている。これにより、エクステンションハウジング23がベースハウジング22に対して伸縮方向の伸長側に移動することで、用紙収容部本体21の前部板23bと後部板22bとの間の距離が伸びて、用紙収容装置20に収容し得る用紙の長さを長くすることができる。
一方、エクステンションハウジング23がベースハウジング22に対して伸縮方向の短縮側に移動することで、用紙収容部本体21の前部板23bと後部板22bとの間の距離が短くなって、用紙収容装置20に収容し得る用紙の長さを短くすることができる。
【0016】
カバー24は、その前端がエクステンションハウジング23の前端に回転可能に支持されている。これにより、カバー24は、後端側が前上方に向くように開く。なお、カバー24は、用紙収容装置20が
図3(C)に示す最も長い状態で画像形成装置10に装着されているときも、用紙収容装置20の内部(空間21S)が、外方に露出しない長さに設定されている。
【0017】
伸縮レバー25(
図4参照)は、用紙収容部本体21を伸縮できる可動状態または伸縮できない固定状態に切り替えるものである。固定状態は、用紙収容部本体21の長さを用紙のサイズに対応して固定した通常の使用状態であり、可動状態は、サイズの異なる用紙を使用するために、用紙収容部本体21の長さを調整するときの状態である。
図6は、伸縮レバー25の詳細を示す斜視図である。伸縮レバー25は、詳しくは
図6に示すように、支点となる中心孔25a回りに一定の角度だけ回転するものである。伸縮レバー25の一方の端部には、使用者が指を掛けて操作力を図示時計回りの向きに入力する操作部25bが形成されている。伸縮レバー25の他方の端部には、用紙収容部本体21を可動状態または固定状態に切り替える作用を行う、図示反時計回りの向きに突出した凸部25cが形成されている。また、伸縮レバー25の他方の端部側であって、凸部25cとは回転向きの反対側には、弾性変形する弾性片25dが形成されている。
【0018】
伸縮レバー25は、重ね合わされるエクステンションハウジング23の底板23aとベースハウジング22の底板22aとの間に配置されている。ここで、ベースハウジング22の底板22aには、凹状の溝22f(
図4,5参照)が形成されている。そして、伸縮レバー25は、この溝22fに嵌めこまれて配置されている。
伸縮レバー25は、溝22fに配置された状態で、中心孔25aに、エクステンションハウジング23の底板23aから下方に伸びて形成された円筒状の軸23f(
図4参照)が挿入される。これにより、伸縮レバー25は、エクステンションハウジング23に対して中心孔25a回りに回転可能に支持されるとともに、エクステンションハウジング23と一体的に長さ方向X1に移動する。このとき、伸縮レバー25の操作部25bは、エクステンションハウジング23の前部板23bの近くで、底板23aよりも上方に突出している。
【0019】
また、伸縮レバー25の弾性片25dは、ベースハウジング22に形成された溝22fの2つの側面22g,22h(
図4参照)のうち、弾性片25dに対向する側の側面22hに接して、側面22hから反時計回りの向きに押圧力を受ける。この押圧力により、伸縮レバー25は中心孔25aの反時計回りの向きに回転する荷重(弾性力)が掛けられる。
【0020】
ベースハウジング22の溝22fの2つの側面22g,22hのうち、凸部25cに対向する側面22gには、長さ方向X1の3か所に、凸部25cが嵌る凹部22i,22j,22kが形成されている。これら3つの凹部22i,22j,22kは、用紙収容部本体21に収容される用紙のサイズ(長さ)に対応した位置にそれぞれ形成されている。
つまり、3つの凹部22i,22j,22kのうち最も後方Rに形成された凹部22iに凸部25cが嵌ったとき、用紙収容装置20は
図3(A)に示した最も短い状態(例えば、A5サイズの用紙を収容し得る長さの状態)となる。また、3つの凹部22i,22j,22kのうち最も前方Fに形成された凹部22kに凸部25cが嵌ったとき、用紙収容装置20は
図3(C)に示した最も長い状態(例えば、リーガルサイズの用紙を収容し得る長さの状態)となる。また、3つの凹部22i,22j,22kのうち間に形成された凹部22jに凸部25cが嵌ったとき、用紙収容装置20は
図3(B)に示した中間の長さの状態(例えば、A4サイズの用紙を収容し得る長さの状態)となる。
【0021】
伸縮レバー25は、弾性片25dの弾性力により反時計回りに回転しようとしているため、凸部25cは、凹部22i,22j,22kが形成された側の側面22gに常に接した状態となる。ここで、ベースハウジング22に対してエクステンションハウジング23を長さ方向X1に移動させたとき、伸縮レバー25の凸部25cに、いずれかの凹部22i,22j,22kが向かい合うと、凸部25cがその対向した凹部22i,22j,22kに嵌る。これにより、ベースハウジング22とエクステンションハウジング23とが伸縮レバー25を介して固定されて用紙収容部本体21は伸縮できなくなり、用紙収容装置20を固定状態とする。
【0022】
使用者が、伸縮レバー25の操作部25bに指を掛ける等して、操作部25bに対して時計回りの向きに、弾性片25dの弾性力を超える荷重を掛けると、伸縮レバー25は時計回りの向きに回転する。これにより、凸部25cは、嵌っていたいずれかの凹部22i,22j,22kから抜ける。そして、ベースハウジング22に対してエクステンションハウジング23を長さ方向X1に移動させることができ、用紙収容装置20の伸縮ができる可動状態となる。
凸部25cが凹部22i,22j,22kから抜けた可動状態でエクステンションハウジング23を長さ方向X1に動かし、凸部25cが溝22fの側面22gに接した状態となったときは、操作部25bから指等を離しても、用紙収容装置20は可動状態が維持される。
【0023】
このように、伸縮レバー25は、用紙収容部本体21を可動状態または固定状態に切り替えるとともに、用紙収容部本体21の固定状態に対応する向きに荷重が掛けられている。
なお、用紙収容部本体21が可動状態のとき、用紙収容部本体21を短縮状態から伸長させるのに要する長さ方向X1に沿った荷重は、ラッチユニット19によって用紙収容部本体21の保持を解除する(用紙収容部本体21の被保持部22e(
図2(B)参照)がラッチユニット19から離脱する)のに要する前後方向Xの前方Fへの荷重よりも小さい。
一方、用紙収容部本体21が固定状態のときは、ラッチユニット19によって用紙収容部本体21の保持を解除するのに要する前後方向Xへの荷重よりも大きな荷重を長さ方向X1に沿って掛けても、用紙収容部本体21を短縮状態から伸長させることはできない。
【0024】
図7は、保持部材27を示す斜視図である。保持部材27は、用紙収容部本体21および伸縮レバー25とは別体に形成されていて、例えば
図7に示すように概略直方体状に形成されている。また、保持部材27は、例えば発泡ポリプロピレン(EPP)材などの包材(梱包資材)で形成されている。
図7に示すように、保持部材27の一側面には、伸縮レバー25(
図4参照)の操作部25bに接する押圧部27aが形成され、底部には、長さ方向X1に沿って延びる溝27bと切り欠き27cとが形成されている。溝27bはエクステンションハウジング23の、長さ方向X1に延びた仕切りリブ23g(
図4参照)が接しながら長さ方向X1に相対的に移動するのを妨げないようにする逃げである。切り欠き27cは、ベースハウジング22の側板22dに形成され、幅方向Yに突出したガイド部22mに嵌め合わされるものである。
なお、ガイド部22mは、ベースハウジング22に対して長さ方向X1に移動するエクステンションハウジング23が、底板22aに平行に移動するのを案内するために形成されている既存の部分である。
【0025】
(作用)
次に、本実施の形態の用紙収容装置20、用紙搬送装置15および画像形成装置10の作用について説明する。
図8は、用紙収容装置20の作用を説明する斜視図である。
用紙収容装置20は、初期的に最も短縮した状態(
図3(A)参照)で画像形成装置10の用紙収容装置装着部18(
図2参照)に装着されている。このとき、用紙収容装置20の2つの被保持部22eがそれぞれ、画像形成装置10のラッチユニット19に保持されている。用紙収容装置20に備えられた保持部材27は、
図4に示すように、用紙収容部本体21が最も短縮した状態において用紙収容部本体21が可動状態となるように伸縮レバー25を保持する。また、保持部材27は、用紙収容部本体21が短縮した状態から伸長されたときは伸縮レバー25の保持を解除する。
【0026】
具体的には、
図4,8(A)に示すように、保持部材27の溝27bにエクステンションハウジング23の仕切りリブ23gが通されている。また、保持部材27の切り欠き27cにベースハウジング22のガイド部22mが嵌め合わされている。さらに、保持部材27の押圧部27aが伸縮レバー25の操作部25bを時計回りの向きに押した状態となっている。このように保持部材27が取り付けられている状態では、伸縮レバー25の凸部25cがベースハウジング22の凹部22iから抜けた状態であり、用紙収容部本体21は可動状態に保持されている。
【0027】
この状態から、用紙収容装置20の内部に用紙を補給するなどのために、使用者は用紙収容装置20の取手部23eに手を掛けて、用紙収容装置20を画像形成装置10(
図1参照)から前方Fに引く。
このとき、用紙収容装置20のベースハウジング22はラッチユニット19(
図2参照)によって画像形成装置10に保持されている。一方、取手部23eが形成されたエクステンションハウジング23はベースハウジング22に対して、ラッチユニット19による保持を解除するよりも小さい荷重で前方Fへ移動可能の可動状態にある。したがって、使用者が取手部23eに手を掛けて前方Fに引いたとき、
図8(B)に示すように、ベースハウジング22は動かずに、エクステンションハウジング23のみが前方Fに移動し、この移動にしたがって用紙収容部本体21は伸長する。
【0028】
エクステンションハウジング23の移動に伴って、伸縮レバー25も前方に移動する。一方、保持部材27は、切り欠き27cがベースハウジング22のガイド部22mに嵌め合わされている(
図8(A))ため、ベースハウジング22に対して前方Fに移動しない。エクステンションハウジング23は、仕切りリブ23gが保持部材27の溝27bに接しながら前方Fに移動可能である。したがって、用紙収容部本体21が伸長されても、保持部材27はベースハウジング22とともに動かない。
【0029】
ベースハウジング22に対するエクステンションハウジング23の前方Fへの移動により、
図8(B)に示すように、伸縮レバー25の操作部25bが保持部材27の押圧部27aから離れ、伸縮レバー25は弾性片25d(
図4参照)の弾性力により、反時計回りの向きに回される荷重を受ける。この状態は、凸部25cが溝22fの側面22gに接した状態であり、
図8(C)に示すように,凸部25cが間の凹部22jが向き合う位置まで伸長されると、凸部25cが凹部22jに嵌って固定状態になり、用紙収容装置20の伸長は止まる。この凹部22jに凸部25cが嵌った状態は、用紙収容装置20が
図3(B)に示した中間の長さの状態(例えば、A4サイズの用紙を収容し得る長さの状態)となる。
【0030】
使用者は、用紙収容装置20の全体が画像形成装置10から引き出されるまで、取手部23e(
図1参照)に操作力を加え続けるが、凸部25cが凹部22jに嵌って固定状態になった後は、使用者が取手部23eに加えている操作力が、ベースハウジング22の被保持部22eおよびラッチユニット19に作用する。そして、その取手部23eに作用する操作力が、ラッチユニット19による被保持部22eに対する保持力を超えると、ラッチユニット19による被保持部22eに対する保持が解除され、用紙収容装置20の全体が一体的に前方Fに移動する。
【0031】
用紙収容装置20の全体が引き出されて画像形成装置10から取り出されると、使用者は
図5に示すようにカバー24を開いて、用紙収容装置20の用紙を収容する空間21Sに用紙を収容することができる。このとき、用紙を収容する空間21Sには、保持部材27が残存しているが、この保持部材27は、画像形成装置10の本来の機能とは無関係であるため、使用者によって取り除かれる。
【0032】
以上のように構成された実施形態1の用紙収容装置20、用紙搬送装置15および画像形成装置10によれば、短縮状態で画像形成装置10に装着された用紙収容装置20を、例えば用紙の補給の操作によって画像形成装置10から引き出すことで、用紙収容装置20を短縮状態から伸長することができる。つまり、画像形成装置10は、用紙収容装置20が最も短縮した状態で画像形成装置10に装着されているため、用紙収容装置20を含む画像形成装置10の全体としてのサイズを、用紙収容装置20を伸長した状態よりも小型にすることができる。これにより、画像形成装置10を運搬する際のコストやスペースを低減することができる。
特に、使用開始前の画像形成装置10は、使用開始後に比べて搬送等の機会が多いため、運搬する際のコストやスペースの低減の効果が相対的に大きい。
【0033】
また、この画像形成装置10は、使用者が用紙を補給する操作等として、短縮状態で装着された用紙収容装置20を画像形成装置10から引き出す操作を行ったときに、用紙収容装置20のサイズを、使用開始前のサイズよりも大きいサイズ(例えば、使用頻度の高いA4サイズの用紙に対応したサイズ)まで伸長させることができる。このとき、使用者は、伸縮レバー25を操作することがないため、使用者に意図させることなく、用紙収容装置20を伸長させることができる。
【0034】
さらに、用紙収容装置20は、画像形成装置10に装着されている状態から引き出されて、最初の短縮状態から伸長した後に、特定の用紙のサイズ(実施形態1においては、A4サイズ)に対応して固定状態とされるため、固定状態に切り替わらずに無用に伸長する事態を避けることができる。
なお、用紙収容装置20は、短縮した状態から伸長された状態に移動した後は、保持部材27による伸縮レバー25の規制が解除されるため、用紙収容装置20を再び短縮した状態としても、用紙収容部本体21は可動状態ではなく固定状態に切り替えられる。
【0035】
実施形態1の用紙収容装置20、用紙搬送装置15および画像形成装置10によれば、用紙収容部本体21をベースハウジング22とエクステンションハウジング23との組み合わせとした構成により、用紙収容部本体21を伸縮させる構造を簡易にすることができる。
また、この構成において、例えばラッチユニット19によって、ベースハウジング22を画像形成装置10に脱着可能に保持させることにより、ラッチユニット19による保持力との関係により、エクステンションハウジング23だけを移動させて用紙収容部本体21を容易に伸長させることができる。
【0036】
さらに、実施形態1の用紙収容装置20、用紙搬送装置15および画像形成装置10によれば、伸縮レバー25をエクステンションハウジング23とともに移動させる。そして、保持部材27を、用紙収容部本体21が短縮した状態において用紙収容部本体21が可動状態となるように伸縮レバー25に接するようにする。加えて、エクステンションハウジング23がベースハウジング22に対して伸長方向に移動した状態で伸縮レバー25から離れるように構成する。これにより、用紙収容装置20の可動状態と固定状態との切替えを、エクステンションハウジング23の動き、すなわち用紙収容装置20の伸長動作に依存させることができる。
また、このとき、保持部材27をベースハウジング22に固定した構成により、用紙収容装置20の可動状態から固定状態への切り替えのタイミングを、ベースハウジング22に対するエクステンションハウジング23の移動距離に対応させることができる。
【0037】
実施形態1の用紙収容装置20、用紙搬送装置15および画像形成装置10によれば、保持部材27が、運搬時等において振動軽減や緩衝等の目的で使用されることのある包材で形成されているため、簡易に低コストで製造することができる。
また、外観においても、保持部材27が用紙収容装置20自体の部品であると誤認されることがないため、除去や廃棄を促すことができる。
【0038】
なお、実施形態1における保持部材27は、EPP材などの包材で形成されているものとしたが、本発明における保持部材は、EPP材の包材に限定されるものではなく、段ボール材など他の種類の包材であってもよい。ただし、保持部材27には、伸縮レバー25の弾性片25dによる弾性力が作用するため、この弾性力に抗して用紙収容部本体21を可動状態に保持し得る剛性を有するものであることが求められる。加えて、保持部材27は、画像形成装置10の搬送時等通常の物流状態で破壊、脱落等しないものであることが必要である。
また、保持部材27は、プラスチック材(樹脂部材)で形成されていてもよい。保持部材27をプラスチック材で形成する場合は、用紙収容装置20の部品との誤認を避ける観点で、用紙収容装置20の材質とは異なる種類の材料であることが好ましい。
保持部材27としては、用紙収容装置20を形成している資材と誤認を生じないような、用紙収容装置20とは異なる資材であればよい。
【0039】
なお、実施形態1は、用紙収容部本体21を可動状態と固定状態とに切り替える切替部材として、可動状態と固定状態とを切り替える作用点となる凸部25cとは別に、使用者が指を掛けて操作力を入力することで、凸部25cを固定状態から可動状態に切り替える操作部25bが形成されている伸縮レバー25を適用している。これにより、使用者は、操作部25bに一方の手指で操作力を加えるだけで、凸部25cを固定状態から可動状態に移行させることができるとともに、その操作力を加えたままで手指を長さ方向X1に移動させることで、用紙収容部本体21の伸縮を容易に行うことができる。また、一方の手で、操作部25bに操作力を加えつつエクステンションハウジング23を変位させることができるため、用紙収容部本体21の伸縮を片手で容易に行うことができる。
【0040】
(実施形態2)
図9は、本発明の第2の実施の形態(実施形態2)における保持部材28を示す斜視図である。実施形態2は、実施形態1における保持部材27が保持部材28(
図9参照)に代わった以外、他の構成は実施形態1と同じである。保持部材28は、用紙収容部本体21および伸縮レバー25とは別体に形成されていて、長さ方向X1に沿って細長い概略四角柱状に形成された本体28aと、本体28aを固定するための接着テープ28bとを備えている。本体28aは、例えば発泡ポリプロピレン(EPP)材などの包材(梱包資材)で形成されている。
図10は、実施形態2における用紙収容装置20(カバー24の記載を省略している)を示す平面図である。保持部材28の本体28aの一方の端部の側の一側面には、伸縮レバー25(
図10参照)の操作部25bに接する押圧部28cが形成されている。接着テープ28bは、押圧部28cとは反対側の端部に貼付されている。保持部材28は、
図10に示すように、用紙収容部本体21の長さ方向X1に本体28aの長手方向を沿わせて用紙収容部本体21に設けられる。
【0041】
そして、保持部材28は、用紙収容装置20が初期的に最も短縮した状態(
図3(A)参照)で画像形成装置10に装着されている。このとき、本体28aの押圧部28cが伸縮レバー25の操作部25bを時計回りの向きに押した状態で、接着テープ28bにより本体28aがベースハウジング22の底板22aに貼付して固定されている。このように保持部材28が用紙収容部本体21に取り付けられている状態では、伸縮レバー25の凸部25cがベースハウジング22の凹部22iから抜けた状態であり、用紙収容部本体21は可動状態に保持されている。
この状態で、使用者が取手部23e(
図1参照)に手を掛けて用紙収容装置20を前方Fに引いたとき、
図8(B)に示したのと同様に、ベースハウジング22は動かずに、エクステンションハウジング23のみが前方Fに移動し、用紙収容部本体21は伸長する。
【0042】
エクステンションハウジング23の移動に伴って、伸縮レバー25も前方に移動する。ここで、保持部材28は、
図10に示すように、接着テープ28bによってベースハウジング22に固定されているため前方Fに移動しない。一方、エクステンションハウジング23は、前方Fに移動する。したがって、ベースハウジング22に対するエクステンションハウジング23の前方Fへの移動が進むと、伸縮レバー25の操作部25bが保持部材28の押圧部28cから離れ、
図8(C)に示したのと同様に、伸縮レバー25の凸部25cが凹部22jに嵌って固定状態となる。この結果、用紙収容装置20の伸長は止まり、その後は、実施形態1と同様に、用紙収容装置20の全体が一体的に前方Fに移動し、画像形成装置10の用紙収容装置装着部18から引き出される。
【0043】
以上のように構成された実施形態2の用紙収容装置20、用紙搬送装置15および画像形成装置10によれば、短縮状態で画像形成装置10に装着された用紙収容装置20を、例えば用紙の補給の操作によって画像形成装置10から引き出すことで、用紙収容装置20を短縮状態から伸長することができる。つまり、画像形成装置10は、用紙収容装置20が最も短縮した状態で画像形成装置10に装着されているため、用紙収容装置20を含む画像形成装置10の全体としてのサイズを、用紙収容装置20を伸長した状態よりも小型にすることができる。これにより、画像形成装置10を運搬する際のコストやスペースを低減することができる。
特に、使用開始前の画像形成装置10は、使用開始後に比べて搬送等の機会が多いため、運搬する際のコストやスペースの低減の効果が相対的に大きい。
また、この画像形成装置10は、使用者が用紙を補給する操作等として、短縮状態で装着された用紙収容装置20を画像形成装置10から引き出す操作を行ったときに、用紙収容装置20のサイズを、使用開始前のサイズよりも大きいサイズまで伸長させることができる。このとき、使用者は、伸縮レバー25を操作することがないため、使用者に意図させることなく、用紙収容装置20を伸長させることができる。
この実施形態2の用紙収容装置20および画像形成装置10によれば、実施形態1と同じ効果を発揮することができる。
【0044】
(実施形態3)
図11は、本発明の第3の実施の形態(実施形態3)における保持部材29を示す斜視図である。実施形態3は、実施形態1における保持部材27が保持部材29(
図11参照)に代わった以外、他の構成は実施形態1と同じである。保持部材29は、用紙収容部本体21および伸縮レバー25とは別体に形成されていて、概略直方体状に形成された本体29aと、本体29aを固定するための接着テープ29bとを備えている。本体29aは、例えば発泡ポリプロピレン(EPP)材などの包材(梱包資材)で形成されている。本体28aの下面には、下方に突出する凸部29cが形成されている。
ここで、
図5に示すように、エクステンションハウジング23の、一方の側面22gに対応する部分には、ベースハウジング22に貫通する孔23kが形成されている。この孔23kは、凹部22i,22j,22kのいずれかに凸部25cが嵌っている状態を上方から見通すことができるように形成されている。
【0045】
図12は実施形態3における用紙収容装置20(カバー24の記載を省略している)を示す平面図、
図13は
図12におけるXIII−XIII線に沿った断面図、
図14は
図12におけるXIV−XIV線に沿った断面図である。保持部材29は、
図12に示すように用紙収容部本体21が最も短縮した状態で、
図13(A),14(A)に示すように孔23kが凹部22iに重なり凸部29cが孔23kに突入して、エクステンションハウジング23に接着テープ29bで固定されている。
孔23kに突入した凸部29cは、
図13(A)に示すように、ベースハウジング22の凹部22iまで突入している。これにより、凹部22iに嵌るべき伸縮レバー25の凸部25cは、凹部22iに突入している保持部材29の凸部29cに突き当たり、
図14(A)に示すように、凹部22iに嵌らない状態となる。この状態は、実施形態1および実施形態2と同様に、用紙収容部本体21の伸縮が可能の可動状態であり、この状態で、用紙収容装置20が画像形成装置10に装着されている。
したがって、使用者が取手部23eに手を掛けて前方Fに引いたとき、
図8(B)に示したのと同様に、ベースハウジング22は動かずに、エクステンションハウジング23のみが前方Fに移動し、この移動にしたがって用紙収容部本体21は伸長する。
【0046】
エクステンションハウジング23の移動に伴って、孔23kは凹部22iに対して前方Fにずれていき、
図13(B)に示すように、凹部22iを仕切っている前方F側の仕切り壁22zが保持部材29の凸部29cの前方F側のテーパ29dに当たる。これにより、凸部29cのテーパ29dが仕切り壁22zに乗り上げるように、保持部材29の本体29aが上方に押し上げられ、凸部29cが凹部22iから抜け出す。
本体29aが上方に押し上げられることで、接着テープ29bの一部はエクステンションハウジング23から剥がれるが、接着テープ29bの残りの一部は、エクステンションハウジング23に貼付された状態を維持する。本体29aは上方に押し上げられた状態のままでエクステンションハウジング23とともに移動する。
【0047】
ベースハウジング22に対するエクステンションハウジング23の前方Fへの移動がさらに進むと、孔23kが次の凹部22jに重なるが、保持部材29の本体29aは上方に押し上げられた状態のままであるため、凸部29cは凹部22jに突入しない。これにより、
図14(B)に示すように、伸縮レバー25の凸部25cが真中の凹部22jに嵌って固定状態となる。この結果、用紙収容装置20の伸長は止まり、その後は、実施形態1と同様に、用紙収容装置20の全体が一体的に前方Fに移動し、画像形成装置10の用紙収容装置装着部18から引き出される。
【0048】
以上のように構成された実施形態3の用紙収容装置20、用紙搬送装置15および画像形成装置10によれば、短縮状態で画像形成装置10に装着された用紙収容装置20を、例えば用紙の補給の操作によって画像形成装置10から引き出すことで、用紙収容装置20を短縮状態から伸長することができる。つまり、画像形成装置10は、用紙収容装置20が最も短縮した状態で画像形成装置10に装着されているため、用紙収容装置20を含む画像形成装置10の全体としてのサイズを、用紙収容装置20を伸長した状態よりも小型にすることができる。これにより、画像形成装置10を運搬する際のコストやスペースを低減することができる。
特に、使用開始前の画像形成装置10は、使用開始後に比べて搬送等の機会が多いため、運搬する際のコストやスペースの低減の効果が相対的に大きい。
また、この画像形成装置10は、使用者が用紙を補給する操作等として、短縮状態で装着された用紙収容装置20を画像形成装置10から引き出す操作を行ったときに、用紙収容装置20のサイズを、使用開始前のサイズよりも大きいサイズまで伸長させることができる。このとき、使用者は、伸縮レバー25を操作することがないため、使用者に意図させることなく、用紙収容装置20を伸長させることができる。
この実施形態3の用紙収容装置20、用紙搬送装置15および画像形成装置10によれば、実施形態1と同じ効果を発揮することができる。
【0049】
なお、保持部材29の本体29aをプラスチック材で形成した場合は、本体29aを用紙収容部本体21に固定するものとして、接着テープ29bの代わりにスナップフィットを適用してもよい。
また、本実施形態3は、保持部材29の凸部29cの前方F側にテーパ29dが形成されたものであるため、凸部29cを凹部22iから抜け出し易くすることができるが、本発明における保持部材は、このようなテーパが形成されたものである必要はない。
上述した各実施形態は、本発明の収容装置の例示として、用紙を収容する用紙収容装置を適用したものであるが、本発明に係る収容装置は、用紙を収容する用紙収容装置に限定されるものではなく、収容可能の被収容物を収容する収容装置であればよい。