特許第6160609号(P6160609)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6160609
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】砂地における砂移動防止方法
(51)【国際特許分類】
   E01F 7/00 20060101AFI20170703BHJP
   A01G 13/00 20060101ALI20170703BHJP
   A01G 1/00 20060101ALI20170703BHJP
【FI】
   E01F7/00
   A01G13/00 B
   A01G1/00 301C
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-504095(P2014-504095)
(86)(22)【出願日】2013年9月6日
(86)【国際出願番号】JP2013074121
(87)【国際公開番号】WO2014038668
(87)【国際公開日】20140313
【審査請求日】2016年7月19日
(31)【優先権主張番号】特願2012-198111(P2012-198111)
(32)【優先日】2012年9月10日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100090343
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 百合子
(74)【代理人】
【識別番号】100129160
【弁理士】
【氏名又は名称】古館 久丹子
(74)【代理人】
【識別番号】100177460
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 智子
(72)【発明者】
【氏名】梶山 宏史
(72)【発明者】
【氏名】藤山 友道
(72)【発明者】
【氏名】白井 孝宗
【審査官】 西田 光宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−291636(JP,A)
【文献】 特開2010−227093(JP,A)
【文献】 特開平06−264415(JP,A)
【文献】 特開昭53−051601(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0013992(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 3/28
E01F 7/00
E01F 7/02
E01F 8/02
A01G 1/00
A01G 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノフィラメントから構成されるネットを砂移動防止材として用い、砂地面上に前記ネットの一部が砂に埋められ、且つ前記ネットの他の一部が砂地面に立てられた状態で前記ネットを設置することを特徴とする砂移動防止方法。
【請求項2】
前記ネットの中間部を砂地面側を山として折り曲げて少なくとも1つの折り曲げ部を形成し、該折り曲げ部を砂に埋めることを特徴とする請求項1に記載の砂移動防止方法。
【請求項3】
前記ネットの他の一部の高さが砂地面から5〜30cmであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の砂移動防止方法。
【請求項4】
前記ネットのガーレ法による剛軟度が20〜150mNであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の砂移動防止方法。
【請求項5】
前記ネットの風速5m/minでの圧力損失が50〜300Paであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の砂移動防止方法。
【請求項6】
前記モノフィラメントの繊度が300〜600dTex(デシテックス)であり、前記ネットの目合いが0.5〜5mmであることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の砂移動防止方法。
【請求項7】
前記モノフィラメントがポリ乳酸を含むことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の砂移動防止方法。
【請求項8】
砂地面上に、上から見て縦方向及び横方向にそれぞれ複数の前記ネットを交差させて設置することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の砂移動防止方法。
【請求項9】
砂地面上に、上から見て縦方向又は横方向に複数の前記ネットを設置し、前記ネット以外の砂移動防止材を、前記ネットを縦方向に設置した場合は横方向に、又は、前記ネットを横方向に設置した場合は縦方向に、交差させて設置することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の砂移動防止方法。
【請求項10】
植物の種を、前記ネットの一部を砂に埋める前に、砂に埋めるのと同時に、又は砂に埋めた後に、前記ネットの近傍の砂に埋めることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の砂移動防止方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、砂漠地帯や砂丘及び海岸など砂地で覆われている場所で、その砂地の砂が風で移動するのを抑制し、且つ植物を育成させる方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
砂漠地帯や砂丘、海岸などの広く地表面が砂で覆われている場所であって、その砂が風力などにより激しく移動する場所の典型的な例として、中国内蒙古地区などでは強風によって移動、拡大する流動砂丘地帯がある。この地帯での砂漠化は、カシミヤ山羊や羊の過放牧および流砂が植物を埋もれさせることで拡大したと言われている。風によって運ばれた砂は、砂塵、さらには黄砂原因と言われており、この地域からの砂の巻上げに起因する被害を軽減したいという要望が高まっている。
【0003】
同地区は、降水量が砂漠地としては多く地下水位も高いため、強風による地面表層付近の砂流動を抑制して砂を定着させることで緑化が可能であると考えられており、それを実現する手法として、古くから、草方格と呼ばれる手法が用いられている。
この草方格と呼ばれる緑化手法は、麦わらや枝を利用した治砂手法の一つであり、砂地表面に1〜1.5m間隔で格子状の線を引き、該格子の線に沿ってスコップを使って溝を掘り、その溝に麦わら等を立ていくというものである。しかし、麦わら等は、その調達が容易でなく、嵩張るため現地での輸送が困難であり(砂地上での輸送が必要となる)、さらには麦わら等が劣化するために2〜3年で差し替える必要があるなど設置後の維持、管理に問題があった。
【0004】
特許文献1には、筒状編地を複数本交差させて砂地面に設置して砂の移動を抑える工法が記載されているが、砂を筒状編地に詰める作業が大変であり、雨が降ったあとに濡れた砂を筒状編地に詰めることが難しい。又、設置した砂面が凹構造となるため設置直後に植物を植えると植物が倒れ、設置から暫くして植物を植える必要があることや、筒状編地に種と砂を一緒に入れても芽が編地から出ないなどの問題があった。
【0005】
特許文献2には、筒状編地を複数本ならべて間に種や苗を移植する方法が記載されているが、筒状編地に砂を詰める作業が重労働なうえに、砂が詰まった筒状編地を並列にならべることも実作業として困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】日本国特開2008−291636公報
【特許文献2】日本国特開2010−227093公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、砂移動防止または植物育成用の材料が軽量で輸送が砂漠地帯などでも容易であり、かつ設置の作業性が良好で作業者の負荷を軽減した砂の移動防止工法を提供することであり、また砂地に覆われた場所に植物を育成することを可能とする方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決せんとするものであって、以下の(1)〜(10)の構成からなる。
(1)モノフィラメントから構成されるネットを砂移動防止材として用い、砂地面上に、前記ネットの一部が砂に埋められ、且つ前記ネットの他の一部が砂地面に立てられた状態で前記ネットを設置することを特徴とする砂移動防止方法。
(2)前記ネットの中間部を砂地面側を山として折り曲げて少なくとも1つの折り曲げ部を形成し、該折り曲げ部を砂に埋めることを特徴とする前記(1)に記載の砂移動防止方法。
(3)前記ネットの他の一部の高さが砂地面から5〜30cmであることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の砂移動防止方法。
(4)前記ネットのガーレ法による剛軟度が20〜150mNであることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の砂移動防止方法。
(5)前記ネットの風速5m/minでの圧力損失が50〜300Paであることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の砂移動防止方法。
(6)前記モノフィラメントの繊度が300〜600dTex(デシテックス)であり、前記ネットの目合いが0.5〜5mmであることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の砂移動防止方法。
(7)前記モノフィラメントがポリ乳酸を含むことを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の砂移動防止方法。
(8)砂地面上に、上から見て縦方向及び横方向にそれぞれ複数の前記ネットを交差させて設置することを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の砂移動防止方法。
(9)砂地面上に、上から見て縦方向又は横方向に複数の前記ネットを設置し、前記ネット以外の砂移動防止材を、前記ネットを縦方向に設置した場合は横方向に、又は、前記ネットを横方向に設置した場合は縦方向に、交差させて設置することを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の砂移動防止方法。
(10)植物の種を、前記ネットの一部を砂に埋める前に、砂に埋めるのと同時に、又は砂に埋めた後に、前記ネットの近傍の砂に埋めることを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれか一つに記載の砂移動防止方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、砂移動防止のための材料が軽量であるため、現地への輸送が容易であり、砂移動防止の作業において、特に雨天後に作業性が優れるという効果がある。さらに砂移動防止材料の設置作業が容易となり、又、同時に植物の植生も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の砂移動防止方法の状態を示す断面図である。
図2図2は、本発明の砂移動防止方法におけるネットの配置の例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の砂移動防止方法は、モノフィラメントから構成されるネット(以下、「本発明のネット」ともいう)を砂移動防止材として用い、このネットの一部が砂に埋められて、且つネットの他の一部が砂地面に立てられた状態で設置することで砂の移動を防止させるものである。
ネットは自立できる硬さを有するものであり、本発明のネットの一部を砂に埋めて固定すると、砂地面から出たネットの残部(すなわち、ネットの他の一部)は砂地面に対して垂直方向に自立し、砂地面から突出したネットに風等によって移動した砂が留まり、砂の拡散を防ぐ。
【0012】
本発明のネットを埋め立てる方向は、偏西風など一定方向に吹く風に対して砂の移動を押さえる時は、風向きに対して垂直方向に立てて設置することで砂の移動を防止させることが好ましい。
【0013】
ネットの一部が砂に埋められ、且つ前記ネットの他の一部が砂地面に立てられた状態で前記ネットを設置する方法として、シート状のネットを砂地面に対して垂直方向に立ててから砂に埋める方法、シート状のネットの一部を砂地面に埋めると同時にネットの他の一部を砂地面に立てる方法またはシート状のネットの一部を砂地面に埋めた後にネットの他の一部を砂地面に立てる方法が挙げられる。ネットの一部が砂に埋められ、且つ前記ネットの他の一部が砂地面に立てられた状態で前記ネットを設置するのに要する時間を短縮することができるとの観点から、適度な巾を持ったロール状のネットを必要とされる長さまで伸ばして設置し、ネットの一部をスコップなどで砂に押し込み、必要な場合へこんだ部分には砂を被せることでネットを立てて設置することが好ましい。
【0014】
また、ネットを砂地面側を山として折り曲げ部を形成し、該折り曲げ部を砂に埋めてもよい。ネットに折り曲げ部を形成する場所については、ネットの一部が砂に埋められ、且つネットの他の一部が砂地面に立てられた状態で設置できる限りにおいて限定はされないが、ネットの長手方向に沿った中間部が好ましい。なお、本発明において、「中間部」とは、ネットの対向する両端部の間の部分をいう。すなわち、折り曲げ部の形成場所は、ネットの幅方向における両端部が砂地面に立てられた状態で設置できる限りにおいて限定はされず、ネットの幅方向における略中央部や、1/3の部分等適宜選択できる。また、折り曲げ部は、1枚のネットに対して1つ設けてもよいし、2つ以上設けてもよい。
【0015】
図1は本発明の砂移動防止方法の状態を示す断面図であり、折り曲げ部をネットの幅方向における略中央部に設けた例を示す。
図1に示す状態になるようにネット1の一部を砂3に押し込む際に、ネットの略中央部を下側(砂地面側)が山となるように折り曲げて折り曲げ部1aを形成し、この折り曲げ部1aを砂3に押し込む。すると、砂地面に対してネットの両端を均等に立たせることができるので、より一層、風速を低減でき、砂の飛散を抑えることができるので好ましい。
【0016】
より砂の流動や飛散を抑えるために、図2に示すようにモノフィラメントの織物のネットを複数交差させて設置し、交差点を設けて一定間隔の方格とするも可能である。
交差点を設けて一定間隔の方格とするときは、交差点に木などからできた直径1cm程度の杭を埋め込んで交差点を固定することも可能である。
【0017】
具体的には、砂地面上に、上から見て(平面視で)縦方向及び横方向にそれぞれ複数の本発明のネットを交差させて設置する。このように本発明のネットを方格状に配置することで、あらゆる方向からの風に対しても砂の移動を防止することができる。
【0018】
また、交差点を設けて設置する場合、設置場所の風向きによって方向は異なるが、偏西風など一定方向に風が強い方向に垂直に本発明のモノフィラメントから構成されるネットを設置し、他の風が弱い方向には他の形態の物として本発明のネット以外の砂移動防止材を設置して方格を作ることも可能である。本発明のネット以外の砂移動防止材としては、例えばポリ乳酸繊維からなる筒状編地に砂を詰めた物、麦藁、適度な長さに揃えた枝などが挙げられる。
【0019】
具体的には、砂地面上に、上から見て(平面視で)縦方向又は横方向に複数の本発明のネットを設置し、本発明のネット以外の砂移動防止材を、前記ネットを縦方向に設置した場合は横方向に、又は、前記ネットを横方向に設置した場合は縦方向に、交差させて設置する。このように風の強弱に対して異なる砂移動防止材を用いることで、砂移動防止材を従来は設置することが困難であった場所にも設置することができる。
【0020】
一定間隔の方格を設置する場合は、方格の間隔は0.5〜2mとする事が好ましい。方格の間隔が0.5〜2mの間隔であれば、より砂の飛散を抑えることが可能である。
【0021】
本発明のモノフィラメントから構成されるネットの一部を埋めてネットを立てる際には、ネットを通過して風の風速を落として砂の飛散を抑えるために砂面からでているネットの他の一部(ネットの残部)の高さは砂地面から5〜30cmであることが好ましく、より強風地域で砂の飛散を抑えるためにはネットの他の一部の高さは10〜20cmの高さとすることがより好ましい。
【0022】
又、ネットの一部を砂に埋め込む時は、風によってネットを動かないように固定する必要があり、ネットを深さ方向に5〜20cmほど地中に埋め込むことが好ましい。
【0023】
又、砂の移動を押さえながら緑化も同時に進める方法として、ネットを設置する際に植物の種を蒔くことが好ましい。植物の種は、ネットの一部を砂に埋める前に、砂に埋めるのと同時に、又は砂に埋めた後に、ネットの近傍の砂に埋めることが好ましい。
具体的には、ネットを地面に敷いて一部を砂に押し込む時に、ネットの上方又は下方に種を播いてネットと一緒に埋める。この場合、種を水を含む土層まで確実に運ぶことができるため発芽をより確実にすることができ、発芽後はネットの編目から芽や根が伸びるため植物の成長には何ら問題はない。図1では植物の種2がネットの上方の砂に埋まっている。あるいは、ネットを砂に埋め、立てた後にネットとネットの間に種や苗を埋める。ネットの上方又は下方に種がまかれた場合、山羊や羊などの動物が芽を食べようとしてもネットが邪魔になる。さらに根まで食べることができないので、砂漠化を抑えることができるので好ましい。
【0024】
種の種類については特に限定されないが、砂漠における乾燥・極寒・猛暑といった過酷な気候に耐えうる植物が好ましく、また、植物が定着したときには、家畜のえさとして用いられる植物が好ましい。たとえば、中国で使用する場合には、沙柳、沙棘、沙米、羊柴などである。
緑化も同時に進めることで、たとえばポリ乳酸(PLA)からなるネットでは設置後5〜10年でほぼ完全に生分解して消滅するが、それまでに植物を育てることで、その後は残った該植物が砂移動防止効果をしていくこととなる。
【0025】
次に、本発明のネットの構成について説明する。
本発明のネットはモノフィラメントから構成される。モノフィラメントはポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリ乳酸などの熱可塑性樹脂から作られることが好ましく、設置後に生分解しうる樹脂を含むことが好ましい。特に代表的な生分解性樹脂であるポリ乳酸を含むモノフィラメントから構成されるネットが好ましい。ポリ乳酸を含むモノフィラメントから構成されるネットは、紫外線照射に対して劣化しにくく、砂漠の強烈な紫外線照射環境下においてもモノフィラメントから構成されるネットの劣化を抑制することができる。
【0026】
たとえば、ネットにポリ乳酸を使用する場合はポリ乳酸の分子量は重量平均分子量(Mw)で10〜20万の範囲である事が好ましい。10万以下であれば、十分な強力を持ったポリ乳酸モノフィラメントを得ることができないので、ネット作成時に糸切れが多発し生産性に劣る。又、20万以上のポリ乳酸を用いた場合は、紡糸時に紡糸温度が高くなるために紡糸時の熱劣化が進むため、ネット生産時に糸切れが発生し生産が困難となる。ポリ乳酸のMwは、溶媒としてクロロホルムを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の値である。
【0027】
ポリ乳酸はコポリマーであってもよい。乳酸コポリマーは、乳酸モノマーまたはラクチドと、それと共重合可能な他の成分とが共重合されたものである。このような他の成分としては、2個以上のエステル結合形成性の官能基を持つジカルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等、及びこれらの種々の構成成分よりなる各種ポリエステル、各種ポリエーテル、各種ポリカーボネート等が挙げられる。また、分子量増大を目的として、少量の鎖延長剤、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどのジイソシアネート化合物を使用して高分子量化する方法、あるいはカーボネート化合物を用いて脂肪族ポリエステルカーボネートを得る方法を使用してもよい。
【0028】
さらに、乳酸系ポリマーの性質が損なわれない範囲で、酸化防止剤等の添加剤や粒子を含有しているものであってもよい。ポリ乳酸繊維糸を用いる場合、本発明では、ポリ乳酸繊維のカルボキシル末端量が10当量/t以下とすることも好ましい。該カルボキシル末端量が10当量/t以下であると、ポリ乳酸繊維の加水分解を抑制できる。ポリ乳酸繊維のカルボキシル末端量を10当量/t以下にする方法としては、原料樹脂の段階で、例えば脂肪族アルコールやアミド化合物などの縮合反応型化合物や、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、オキサジン化合物、アジリジン化合物などの付加反応型の化合物などをポリ乳酸のカルボキシル末端に反応させて封鎖すればよい。後者の付加反応型の化合物を用いれば、例えば、アルコールとカルボキシル基の脱水縮合反応による末端封鎖のように余分な副生成物を反応系外に排出する必要がないため、ポリ乳酸を溶融紡糸する際に付加反応型の化合物を添加・混合・反応させることができるため、実用的に十分高い分子量や耐熱性および耐加水分解性を兼ね備えた反応形成物を得るにあたり有利である。
【0029】
上記付加反応型化合物の中でもポリ乳酸にカルボジイミド化合物を添加する方法が好ましい。ポリ乳酸ポリマーまたはそれに含まれるオリゴマーの反応活性末端をカルボジイミド化合物で封鎖することにより、ポリマー中の反応活性末端を不活性化しポリ乳酸の加水分解を抑制するものである。ここでいうカルボジイミド化合物は、例えば、日本国特開平11−80522号公報記載のようにジイソシアネート化合物を重合したものが好適に用いられるが、中でも4,4´−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミドの重合体やテトラメチルキシリレンカルボジイミドの重合体やその末端をポリエチレングリコール等で封鎖したものが好ましい。
【0030】
ポリ乳酸の末端封鎖剤として、エポキシ系化合物も好ましい。エポキシ系化合物にて末端封鎖されたポリ乳酸を用いることで、必要な耐久性を得ることができる。特に、3官能以上のエポキシ系化合物を含有させ、この3官能以上のエポキシ系化合物をポリ乳酸の少なくとも一部に反応させることが好ましい。3官能以上のエポキシ系化合物をポリ乳酸の末端の少なくとも一部に反応させることがさらに好ましい。上記3官能以上のエポキシ系化合物は、化合物1分子中にエポキシ基を3個以上有するものである。化合物1分子に対してエポキシ基を3個以上とする理由としては、ポリ乳酸と溶融混練を行う際、一部がポリ乳酸と反応し、また、再度溶融成形を行う際に残存したエポキシ基がさらにポリ乳酸と反応することで分子量が増大し、最終成型物の耐久性を飛躍的に向上させることが可能となるからである。また、エポキシ系化合物は、他の末端反応性物質、例えばカルボジイミド化合物と比較してポリ乳酸に対する反応速度が遅い。そのため、ポリ乳酸に添加する物質をエポキシ化合物とすればポリ乳酸の分子量が極端に大きくなることがないため、エポキシ基全てがポリ乳酸と反応した構造となりにくく、ポリ乳酸短繊維中に未反応のエポキシ基が残存した構造とすることが容易となる。
【0031】
また、本発明に用いられる3官能以上のエポキシ系化合物は、グリシジルオキシカルボニル基またはN−(グリシジル)アミド基を1分子内に少なくとも1個持つ化合物であることがより好ましい。
【0032】
エポキシ系化合物はポリ乳酸ポリマーおよびそれに含まれるオリゴマーの反応活性末端をエポキシ系化合物で封鎖することにより、ポリマー中の反応活性末端を不活性化しポリ乳酸の加水分解を抑制するものである。この反応活性末端は水酸基、カルボキシル基があるが、エポキシ系化合物はカルボキシル基の封鎖性に優れている。エポキシ系化合物の添加量はカルボキシル末端量に対して決める。さらに、ラクチド等の残存オリゴマーも加水分解によりカルボキシル末端を生じることから、ポリマーのカルボキシル末端だけでなく、残存オリゴマーやモノマー由来のものも併せたトータルカルボキシル末端量の2倍当量以下とすることが好ましい。末端封鎖によりトータルカルボキシル末端濃度はポリ乳酸全体に対し、10当量/t以下であると耐加水分解性を飛躍的に向上することができ好ましい。
【0033】
ポリ乳酸の含有量はネット全体に対して50質量%以上、さらに80質量%以上、またさらに90質量%以上であることが好ましい。
【0034】
又、熱可塑性樹脂に耐紫外線向上剤やチタンなどの無機物質をブレンドしてもよい。
【0035】
本発明のネットに使用されるモノフィラメントの繊度は200〜800dTex(デシテックス)であることが好ましい。繊度が200dTex未満のモノフィラメントを使用した場合は、ネットの構成本数が多くなるためコストが高くなり不適格となる。又、繊度が800dTexを超えるモノフィラメントを用いた場合は、ネットが硬くなり、ネットをロール状に巻き取って運搬することが難しくなる。モノフィラメントの繊度は、より好ましくは、300〜600dTexである。
【0036】
本発明のネットに使用されるモノフィラメントの強度は2.5〜5.5cN/dTex(センチニュートン/デシテックス)であることが好ましい。
【0037】
本発明のネットは砂に一部を埋めた際にネットを立てることで風の抵抗を受ける必要がある。従って、ネットには一定の硬度が必要となるため、ネットは織物からなることが好ましい。織物の構成としては、平織や綾織、朱子織などを用いることができるが、平織がより硬度の高い織物とすることが可能なため好ましい。
【0038】
モノフィラメントから構成されるネットを立てるためには、適度な硬さが必要となり、JIS L1096記載の曲げ反発性A法(ガーレ法)による剛軟度が20〜150mNであることが好ましい。上記範囲であると、砂地にネットの一部を埋めた際に、砂面から出たネットの残部が傾倒することなく自立する。ガーレ法による剛軟度のさらに好ましい範囲としては40〜100mNである。
【0039】
又、モノフィラメントから構成されるネットを立てて、埋め立てることで、ネット編目を風が通る際に適度に風速を落とすことができ、風に含まれる砂をネット同士の間に落とすことで溜め、砂の移動をより押さえることができる。そのため、本発明のネットの目合いは0.5〜4mm角であることが適度な圧力損失を得ることができるため好ましい。ここで、目合いとは、方格のことを意味する。ネットの目合いは、より好ましくは、1〜3mm角である。
【0040】
又、風速を落とすための圧力損失は、5m/minの風速でネットの差圧を測定し、それを圧力損失とするが、本発明のポリ乳酸を含むモノフィラメントから構成されるネットの圧力損失は50〜300Paの範囲であることが好ましい。圧力損失が小さいと、ネット通過時の風速が落ちないため砂移動防止が弱くなり、一方圧力損失が大きいと、風の抵抗が大きく、風でネットが倒されたり、飛ばされたりするために砂移動防止効果が不安定となる。ネットの圧力損失は、より好ましくは、70〜200Paである。
【0041】
モノフィラメントから構成されるネットの耐紫外線劣化特性のファクターとして、JIS B 7753(2007)に基づくサンシャインウェザーメーター試験による劣化試験を実施したときに、450時間後の破断強力保持率が70%以上であることが好ましい。同試験での破裂強力が70%以上であれば、砂漠の強烈な紫外線でも3年以上形態を保持することができる。破裂強力は、さらに好ましくは80%以上である。
【実施例】
【0042】
以下、実施例に基づいて、さらに詳しく本発明について説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、上述した説明中で出てくるパラメータについては、以下のようにして測定した値である。
【0043】
A.ポリ乳酸の重量平均分子量
ポリ乳酸ネットをクロロホルム溶液に溶解し測定溶液とした。これをゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(溶媒:クロロホルム)で測定し、ポリスチレン換算で重量平均分子量を求めた。
【0044】
B.引張強度、引張伸度
JIS L 1013:1999 8.5.1に拠って測定した。
試料を緩く張った状態で、引張試験機(オリエンテック社製“テンシロン”(登録商標)UCT−100)のつかみにつかみ間隔20cmで取り付け、引張速度20cm/分の定速伸長にて試験を行った。初荷重をかけたときの伸びを緩み(mm)として読み、更に試料を引っ張り、試料が切断したときの荷重及び伸び(mm)を測定し、次の式によって引張強さ(引張強度)及び伸び率(引張伸度)を算出した。試験回数は10回とし、その平均値を算出した。
Tb=SD/F0
ここに、Tb:引張強さ、SD:切断時の強さ、F0:試料の正量繊度である。
伸び率(%)=[(E2−E1)/(L+E1)]×100
ここに、E1:緩み(mm)、E2:切断時の伸び(mm)、L:つかみ間隔(mm)である。
【0045】
C.ネットの編目
表面をルーペで観察し、n数を10として平均を求めた。
【0046】
D.圧力損失
JIS B9908記載の形式3様の測定機を用い、ネット設置部に空気の漏れの無いようにネットを2枚重ねて設置し測定した差圧とする。
なお、測定面積は176.7cm(150mmφ)である。
【0047】
E.剛軟度
JIS L1096記載の曲げ反発性A法(ガーレ法)により得られた値とした。
【0048】
F.紫外線劣化試験
ネットをJIS B 7753法に準じ、1サイクルが照射180min/降雨12min、ブラックパネル温度63℃、湿度50%Rhの条件にて、サンシャインウェザーメーター(スガ試験機株式会社製)を用いて450時間の照射を実施した。照射前後で引張強力を測定して破断強力の保持率(%)を求めた。n数を5として平均値を求めた。
【0049】
G.施工性
砂移動防止資材を砂漠に施工するときに、1人当たりの仕事量(10分)の仕事量について以下の3段階で評価を行った。
◎:一人当たりの施工面積が7m以上と作業性に非常に優れる。
〇:一人当たりの施工面積が5m以上と作業性に優れる。
×:一人当たりの施工面積が5m未満と作業性に劣る。
【0050】
H.砂移動防止効果
砂移動防止資材を砂漠に設置して1年後の砂移動状況をまとめ、以下の4段階で評価を行った。
◎:砂移動防止資材が砂に埋もれることなく、砂移動防止効果が非常に高い。
〇:砂移動防止資材の一部が砂に埋まっているが、砂移動防止効果が高い。
△:砂移動防止資材の一部が砂に埋まったり、方格内の中央部の砂面が凹となるが、砂移動防止効果がやや劣る。
×:砂移動防止効果がない。
【0051】
〔ポリ乳酸の製造〕
(a)製造例1(ポリ乳酸の製造)
光学純度99.5%のL乳酸から製造したラクチドを、ビス(2−エチルヘキサノエート)スズ触媒(ラクチド対触媒モル比=10000:1)を存在させてチッソ雰囲気下180℃で160分間重合を行い、ポリ乳酸樹脂P1を得た。得られたポリ乳酸の重量平均分子量は18万であった。
【0052】
(b)製造例2(ポリ乳酸の製造)
光学純度99.5%のL乳酸から製造したラクチドを、ビス(2−エチルヘキサノエート)スズ触媒(ラクチド対触媒モル比=10000:1)を存在させてチッソ雰囲気下180℃で140分間重合を行い、ポリ乳酸樹脂P2を得た。得られたポリ乳酸の重量平均分子量は14.5万であった。
【0053】
〔実施例1〕
製造例1で得られたポリ乳酸樹脂P1を溶融紡糸・延伸して、420dTexのモノフィラメントを得た。得られたポリ乳酸モノフィラメントの強度は3.5cN/dTex、伸度:35%であった。
得られたモノフィラメントを巾2m、長さ400m、目合いを1mm×1mmとなるようにレピア織機でネットを作成した。その後、巾0.5mに溶融コテで溶融カットし、砂移動防止材としてのネットを作成した。ネットの圧力損失は186Pa、剛軟度は84mN、紫外線劣化試験での強力保持率は85%となった。
得られたネットをほぼ平らな砂地面100mに、最も強い風向きに対して垂直になるようにネットの中央部付近を埋め、砂地面からネットの高さが5〜15cmにし、1m間隔で設置した。作業員4人での設置時の施工性は、18.0m/10分と非常に優れ、「◎」の評価であった。
1年後の状態を確認したが、砂移動防止材が砂に埋まることなく、高い砂移動防止効果が得られ、「〇」の評価であった。
【0054】
〔実施例2〕
実施例1と同じネットを用い、ほぼ平面な砂地面100mに、図2に示すようにネットの一部を埋め、砂地面からネットの高さが10〜20cmにし、直交して交差するようにピッチ1mの格子状に設置した。作業員4人での設置時の施工性は、9.5m/10分と非常に優れ、「◎」の評価であった。
1年後の状態を確認したが、砂移動防止材が砂に埋まることなく、非常に高い砂移動防止効果が得られ、「◎」の評価であった。
【0055】
〔実施例3〕
目合いを2mm×2mmとした以外は実施例1と同じ方法でネットを得た。ネットの圧力損失は80Pa、剛軟度は40mN、紫外線劣化試験での強力保持率は83%となった。
得られたネットを砂丘のほぼ平面な砂地面100mに、直交して交差するように1m間隔の格子状に設置した。作業員4人での設置時の施工性は、8.0m/10分と非常に優れ、「◎」の評価であった。
1年後の状態を確認したが、一部の砂移動防止資材が砂に埋まる現象が見られたが、高い砂移動防止効果が得られ、「〇」の評価であった。
【0056】
〔実施例4〕
製造例2で得られたポリ乳酸樹脂P2を紡糸速度4000m/分で溶融紡糸して、106dTex、26フィラメントの半延伸糸を得た。これを2本合わせて延伸−仮撚加工を行い、167dTex、52フィラメントの1ヒーター仮撚加工糸を得た。これを釜径3.5インチ、22ゲージ丸編機を使用して筒状の編地を作成した。
得られたネットを風が強い向きに対して垂直方向に、筒状編地に砂を詰めた物を風が強い向きに対して直交して交差するように、1m間隔の格子状として砂丘のほぼ平面な砂地面100mに設置した。作業員4人での設置時の施工性は、5.0m/10分と、「〇」の評価であった。
1年後の状態は、筒状編地の一部が砂に埋もれ、格子内がやや凹になったが高い砂移動防止効果が得られ、「◎」の評価であった。
【0057】
〔実施例5〕
目合いを3mm×3mmとした以外は実施例1と同じ方法でネットを得た。ネットの圧力損失は52Pa、剛軟度は22mNとなった。
得られたネットを砂丘のほぼ平面な砂地面100mに、直交して交差するように1m間隔の格子状に設置した。設置時の施工性は、ネットの剛軟度が低いため、ネットをシャベルで押し込んでもネットの立ち方が悪かったが、作業性は5.8m/10分と、「〇」の評価となった。
1年後の状態を確認したが、一部のネット資材は土で埋まってしまい、砂移動防止効果は、「〇」の結果となった。
【0058】
〔実施例6〕
実施例2と同様の方法でネットを設置したが、ネットの一部を土に埋め込む前に、ネットを所定の長さに広げ、ネットの上面の中央部に羊柴の種を播き、ネットの中央部を地面に押し込んで種も一緒に図1のように土に埋めた。
作業員4人での設置時の施工性は、8.8m/10分と非常に優れ、「◎」の評価であった。
1年後の状態を確認したが、砂移動防止資材が砂に埋まることなく、又、ネットのV字の間から羊柴が発芽しており、非常に高い砂移動防止効果が得られ、「◎」の評価であり、緑化効果も合わせて得ることができた。
【0059】
〔実施例7〕
実施例2と同様の方法でネットを設置し、ピッチ1mの格子内の砂上に洋柴の種を撒いた。
1年後の状態を確認したが、砂移動防止資材が砂に埋まることなく、又、格子内から洋柴が発芽しており、非常に高い砂移動防止効果が得られ、「◎」の評価であり、緑化効果も合わせて得ることができた。
【0060】
〔実施例8〕
ポリエチレンテレフタレートからなる420dTexのモノフィラメントを得た。得られたモノフィラメントの強度は4.7cN/dTex、伸度:40%であった。
得られたモノフィラメントを巾2m、長さ400m、目合いを1mm×1mmとなるようにレピア織機でネットを作成した。その後、巾0.5mに溶融コテで溶融カットし、砂移動防止材としてのネットを作成した。ネットの圧力損失は173Pa、剛軟度は78mN、紫外線劣化試験での強力保持率は70%となった。
得られたネットをほぼ平らな砂地面100mに、最も強い風向きに対して垂直になるようにネットの中央部付近を埋め、砂地面からネットの高さが5〜15cmにし、1m間隔で設置した。作業員4人での設置時の施工性は、18.0m/10分と非常に優れ、「◎」の評価であった。
1年後の状態を確認したが、砂移動防止材が砂に埋まることなく、高い砂移動防止効果が得られ、「〇」の評価であった。
【0061】
〔比較例1〕
実施例4で使用したポリ乳酸からなる筒状編地に砂を詰めた資材のみを用い、ほぼ平面な砂地面100mに、直交して交差するようにピッチ1mの格子状に設置した。作業員4人での設置時の施工性は、5.0m/10分と作業性に劣り、「×」の結果となった。
1年後の状態を確認したが一部が砂に埋まったり、方格内の中央部の砂面が凹となるが、砂移動防止効果が劣り、「△」の結果となった。
【0062】
〔比較例2〕
市販されているポリエチレンテレフタレートのマルチフィラメントから構成される長繊維不織布(目付100g/m)を巾50cmにカットして、長さ400mに巻き取った。長繊維不織布の圧力損失は452Pa、剛軟度0.81mN、紫外線劣化試験での強力保持率は70%となった。
長繊維不織布をほぼ平らな砂地面100mに、最も強い風向きに対して垂直になるように長繊維不織布の中央部付近を埋め、砂地面からネットの高さが5〜15cmにし、1m間隔で設置した。作業員4人での設置時の施工性は、18.0m/10分と非常に優れ、「◎」の評価であった。
1年後の状態を確認したが、長繊維不織布が風によって破れたり、一部が風に飛ばされたりし、砂移動防止効果が得られず、「×」の評価であった。
【0063】
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。本出願は、2012年9月10日出願の日本特許出願(特願2012−198111)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
【符号の説明】
【0064】
1: ネット
1a:折り曲げ部
2: 植物の種
3: 砂(地面)
図1
図2