特許第6160619号(P6160619)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6160619フェライト磁性材料、フェライト焼結磁石及びモータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6160619
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】フェライト磁性材料、フェライト焼結磁石及びモータ
(51)【国際特許分類】
   H01F 1/11 20060101AFI20170703BHJP
   C04B 35/26 20060101ALI20170703BHJP
   C01G 49/00 20060101ALI20170703BHJP
【FI】
   H01F1/11
   C04B35/26
   C01G49/00 C
【請求項の数】7
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2014-528221(P2014-528221)
(86)(22)【出願日】2013年8月1日
(86)【国際出願番号】JP2013070895
(87)【国際公開番号】WO2014021426
(87)【国際公開日】20140206
【審査請求日】2016年3月10日
(31)【優先権主張番号】特願2012-170847(P2012-170847)
(32)【優先日】2012年8月1日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】谷川 直春
(72)【発明者】
【氏名】皆地 良彦
(72)【発明者】
【氏名】高塚 靖巳
(72)【発明者】
【氏名】牧田 和人
【審査官】 右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−045167(JP,A)
【文献】 特開2006−001752(JP,A)
【文献】 特開2001−068319(JP,A)
【文献】 特開2005−057083(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 1/11
C01G 49/00
C04B 35/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
六方晶構造を有するフェライトを主成分として含むフェライト磁性材料であり、
前記主成分に含まれる金属元素の構成比率が、
組成式:R1−x(Fe12―yCo
で表され、
上記組成式中、RはLa、Ce、Pr、Nd及びSmを含む群より選択される少なくとも1種の元素であってLaを少なくとも含み、AはCa、Sr及びBaを含む群より選択される少なくとも2種の元素であってCa及びSrを少なくとも含み、
0.3≦x≦0.6
8.0≦12z≦10.1
1.32≦x/yz≦1.96
を満たし、
前記主成分に対して、副成分として、Si成分を少なくとも含み、かつ、Al成分及び/又はCr成分を含み、
Al成分をAlに換算したAl含有量(質量%)と、Cr成分をCrに換算したCr含有量(質量%)を4で除した値との両方の和をL(質量%)とし、
R、A、Fe、Co及びSiの各原子%で求めた値を用いて[(R+A)−(Fe+Co)/12]/Siを計算した値をGとし、
前記L及び前記Gが、前記Lをx軸に表し、前記Gをy軸に表したとき、(x,y)座標において、a:(0.20,2.30)、b:(2.15,0.30)、c:(2.50,0.30)及びd:(1.50,2.30)で囲まれる領域内の値であることを特徴とするフェライト磁性材料。
【請求項2】
上記組成式中のAについて、1.8≦Ca/Sr≦3.7である請求項1に記載のフェライト磁性材料。
【請求項3】
上記組成式中のAについて、Ba/Sr≦2.0である請求項1に記載のフェライト磁性材料。
【請求項4】
六方晶構造を有するフェライトを主成分として含むフェライト焼結磁石であり、
前記主成分に含まれる金属元素の構成比率が、
組成式:R1−x(Fe12―yCo
で表され、
上記組成式中、RはLa、Ce、Pr、Nd及びSmを含む群より選択される少なくとも1種の元素であってLaを少なくとも含み、AはCa、Sr及びBaを含む群より選択される少なくとも2種の元素であってCa及びSrを少なくとも含み、
0.3≦x≦0.6
8.0≦12z≦10.1
1.32≦x/yz≦1.96
を満たし、
前記主成分に対して、副成分として、Si成分を少なくとも含み、かつ、Al成分及び/又はCr成分を含み、
Al成分をAlに換算したAl含有量(質量%)と、Cr成分をCrに換算したCr含有量(質量%)を4で除した値との両方の和をL(質量%)とし、
R、A、Fe、Co及びSiの各原子%で求めた値を用いて[(R+A)−(Fe+Co)/12]/Siを計算した値をGとし、
前記L及び前記Gが、前記Lをx軸に表し、前記Gをy軸に表したとき、(x,y)座標において、a:(0.20,2.30)、b:(2.15,0.30)、c:(2.50,0.30)及びd:(1.50,2.30)で囲まれる領域内の値であることを特徴とするフェライト焼結磁石。
【請求項5】
上記組成式中のAについて、1.8≦Ca/Sr≦3.7である請求項4に記載のフェライト焼結磁石。
【請求項6】
上記組成式中のAについて、Ba/Sr≦2.0である請求項4に記載のフェライト焼結磁石。
【請求項7】
請求項4に記載のフェライト焼結磁石を用いたモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェライト磁性材料、フェライト焼結磁石及びモータに関する。
【背景技術】
【0002】
フェライト焼結磁石は、家電製品、自動車等に搭載される電動機を始めとして、広く利用されている。フェライト焼結磁石は、一般的に、マグネトプランバイト型の六方晶型結晶構造を有するBaフェライトまたはSrフェライトを材料として製造されている。マグネトプランバイト型の六方晶型結晶構造を有するSrフェライトまたはBaフェライトは、マグネトプランバイト型フェライトまたはM型フェライトとも呼ばれている。このM型フェライトはAFe1219の一般式で表され、Aサイトを構成する元素としてBa、Sr、Pbなどが適用される。
【0003】
Aサイトを構成する元素として、Caと、希土類元素として少なくともLaとを含むフェライト焼結磁石が開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、組成比が下記一般式により表される六方晶のマグネトプランバイト構造を有するフェライト相と、Siを必須に含む粒界相とを有するフェライト焼結磁石であり、高い保磁力HcJ及び残留磁束密度Brを有し、優れた磁気特性を有することが記載されている。
一般式:Ca1−x−yFe2n−zCo
但し、R元素は、希土類元素の少なくとも1種であって、Laを必須に含む。A元素は、SrとBaとの何れか一方または両方である。また、1−x−y、x、y、zは、各元素の原子比率を表し、nはモル比を表し、それぞれ、0.3≦1−x−y≦0.65、0.2≦x≦0.65、0≦y≦0.2、0.03≦z≦0.65、4≦n≦7である。
【0004】
また、保磁力HcJが高く、優れた磁気特性を有するフェライト焼結磁石を得るためには、アルミナ(Al)や酸化クロム(Cr)を添加することが有効であることが知られている(例えば、特許文献2、3参照)。
【0005】
しかしながら、上記組成のフェライト焼結磁石を作製する際に、AlとCrとの何れか一方または両方の添加量を増大するだけでは、保磁力HcJを上昇させることはできず、残留磁束密度Brも大幅に低下して、高い磁気特性を有することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2011−001831号明細書
【特許文献2】特開2000−277312号公報
【特許文献3】特開2007−210876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、477kA/m以上の高い保磁力HcJを有すると共に330mT以上の残留磁束密度Brを維持し、高い磁気特性を有することができるフェライト磁性材料及びこれを用いたフェライト焼結磁石、モータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明者らはフェライト磁性材料、フェライト焼結磁石及びモータについて鋭意研究をした。その結果、副成分としてAlまたはCrを単に添加するだけでは、得られるフェライト焼結磁石の保磁力HcJを向上させることはできず、残留磁束密度Brも低下してしまうため、十分な磁気特性を有することができないことに着目した。更に高い保磁力HcJを有するフェライト焼結磁石を得るため、本発明者らは、AlとCrの何れか一方または両方の含有量(質量%)と、R、A、Fe、Co及びSiの各原子%の値を用いて[(R+A)−(Fe+Co)/12]/Siを計算した値との関係に注目した。そして、この点について鋭意研究をしたところ、AlとCrの何れか一方または両方の含有量と、[(R+A)−(Fe+Co)/12]/Siとのバランスを調整することにより、得られるフェライト焼結磁石の保磁力HcJを更に向上させることができることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
【0009】
この目的を達成するために、本発明に係るフェライト磁性材料は、六方晶構造を有するフェライトを主成分として含むフェライト磁性材料であり、前記主成分に含まれる金属元素の構成比率が、組成式:R1−x(Fe12―yCoで表され、上記組成式中、RはLa、Ce、Pr、Nd及びSmを含む群より選択される少なくとも1種の元素であってLaを少なくとも含み、AはCa、Sr及びBaを含む群より選択される少なくとも2種の元素であってCa及びSrを少なくとも含み、0.3≦x≦0.6、8.0≦12z≦10.1、1.32≦x/yz≦1.96を満たし、前記主成分に対して、副成分として、Si成分を少なくとも含み、かつ、Al成分及び/又はCr成分を含み、Al成分をAlに換算したAl含有量(質量%)と、Cr成分をCrに換算したCr含有量(質量%)を4で除した値との両方の和をL(質量%)とし、R、A、Fe、Co及びSiの各原子%で求めた値を用いて[(R+A)−(Fe+Co)/12]/Siを計算した値をGとし、前記L及び前記Gが、前記Lをx軸に表し、前記Gをy軸に表したとき、(x,y)座標において、a:(0.20,2.30)、b:(2.15,0.30)、c:(2.50,0.30)及びd:(1.50,2.30)で囲まれる領域内の値であることを特徴とする。これにより、本発明に係るフェライト磁性材料を用いて得られるフェライト焼結磁石は、高い保磁力HcJを有すると共に残留磁束密度Brを維持することができる。
【0010】
上記組成式中のAについて、好ましくは、1.8≦Ca/Sr≦3.7である。Ca/Sr比を前記の範囲内とすることにより、本発明の効果をさらに大きくすることができる。
【0011】
上記組成式中のAについて、好ましくは、Ba/Sr≦2.0である。Ba/Sr比を前記の範囲内とすることにより、本発明の効果をさらに大きくすることができる。
【0012】
本発明に係るフェライト焼結磁石は、六方晶構造を有するフェライトを主成分として含むフェライト焼結磁石であり、前記主成分に含まれる金属元素の構成比率が、組成式:R1−x(Fe12―yCoで表され、上記組成式中、RはLa、Ce、Pr、Nd及びSmを含む群より選択される少なくとも1種の元素であってLaを少なくとも含み、AはCa、Sr及びBaを含む群より選択される少なくとも2種の元素であってCa及びSrを少なくとも含み、0.3≦x≦0.6、8.0≦12z≦10.1、1.32≦x/yz≦1.96を満たし、前記主成分に対して、副成分として、Si成分を少なくとも含み、かつ、Al成分及び/又はCr成分を含み、Al成分をAlに換算したAl含有量(質量%)と、Cr成分をCrに換算したCr含有量(質量%)を4で除した値との両方の和をL(質量%)とし、R、A、Fe、Co及びSiの各原子%で求めた値を用いて[(R+A)−(Fe+Co)/12]/Siを計算した値をGとし、前記L及び前記Gが、前記Lをx軸に表し、前記Gをy軸に表したとき、(x,y)座標において、a:(0.20,2.30)、b:(2.15,0.30)、c:(2.50,0.30)及びd:(1.50,2.30)で囲まれる領域内の値であることを特徴とする。これにより、フェライト焼結磁石は、高い保磁力HcJを有すると共に残留磁束密度Brを維持することができる。
【0013】
上記組成式中のAについて、好ましくは、1.8≦Ca/Sr≦3.7である。Ca/Sr比を前記の範囲内とすることにより、本発明の効果をさらに大きくすることができる。
【0014】
上記組成式中のAについて、好ましくは、Ba/Sr≦2.0である。Ba/Sr比を前記の範囲内とすることにより、本発明の効果をさらに大きくすることができる。
【0015】
また、本発明に係るモータは、上記フェライト焼結磁石を用いた。これにより、モータの性能を更に向上させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、477kA/m以上の高い保磁力HcJを有すると共に330mT以上の残留磁束密度Brを維持し、高い磁気特性を有することができる。また、本発明に係るフェライト焼結磁石は、優れた磁気特性を有することができる。また、本発明に係るモータは、性能を更に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の実施形態に係るフェライト焼結磁石の製造方法の手順を示すフローチャートである。
図2図2は、LとGとの関係を示す図である。
図3図3は、保磁力と残留磁束密度との関係を示す図である。
図4図4は、xと保持力との関係を示す図である。
図5図5は、12zと保持力との関係を示す図である。
図6図6は、x/yzと保持力との関係を示す図である。
図7図7は、Ca/Srと保持力との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。また、以下に開示する構成は、適宜組み合わせることが可能である。
【0019】
<フェライト磁性材料>
本発明の実施形態に係るフェライト磁性材料(以下、本実施形態のフェライト磁性材料という。)について説明する。本実施形態のフェライト磁性材料は、六方晶構造を有するフェライトを主成分として含む。主成分は、マグネトプランバイト型フェライト(M型フェライト)であることが好ましい。なお、本実施形態のフェライト磁性材料は原料の粉末を混合して得られた原料組成物を仮焼する工程を必須として含み、本実施形態のフェライト磁性材料が粉末または焼結体として作製される。
【0020】
主成分は、R、A、Fe及びCoを含む。RはLa、Ce、Pr、Nd及びSmを含む群より選択される少なくとも1種の元素であってLaを少なくとも含む。Rは、Laのみを含むことが、異方性磁界を向上させる観点から特に好適である。AはCa、Sr及びBaを含む群より選択される少なくとも1種の元素であってSrを少なくとも含む。
【0021】
主成分に含まれるR、A、Fe及びCoのそれぞれの金属元素の総計の構成比率は下記組成式で表される。下記組成式中、x、1−x、(12−y)z及びyzは、それぞれ、R、A、Fe及びCoの原子比率を示している。なお、この組成式は、M型フェライトを示す一般式に基づいているが、酸素の表記を省略している。
組成式:R1−x(Fe12―yCo
【0022】
上記組成式中のRの原子比率xは、0.3以上0.6以下である。上記組成式中のRの原子比率xが上記範囲内であると、残留磁束密度Br及び保磁力HcJが良好に得られる。上記組成式中のRの原子比率xが小さすぎると、その分Rの量は少なくなる。Rの量が少なすぎると、M型フェライトに対するCoの所定の固溶量を確保できなくなり、残留磁束密度Br及び保磁力HcJが低くなる。一方、上記組成式中のRの原子比率xが大きすぎると、その分Rの量は多くなる。Rの量が多くなりすぎると、Rを含むオルソフェライトなどの非磁性相(異相)が生成するため、残留磁束密度Brが低下する。このような観点から、本実施形態では、上記組成式中のRの原子比率xは0.3以上0.6以下とし、0.33以上0.55以下であることが好ましく、0.35以上0.53以下であることがより好ましい。
【0023】
上記組成式においてzが小さすぎると、A、Rを含む異相が増加する。また、zが大きすぎると、α−Fe相やCoを含む軟磁性スピネルフェライト相等の異相が増加する。ここで、FeとCoとの総量は、上記組成式より、12zで表される。12zが所定の範囲内の場合、これら異相の影響による特性低下を小さく抑えることができる。このような観点から、本実施形態では、12zは8.0以上10.1以下とし、8.5以上9.8以下であることが好ましく、8.75以上9.7以下であることがより好ましい。
【0024】
R量とCo量との比は、x/yzで表される。x/yzは1.32以上1.96以下とし、1.4以上1.85以下であることが好ましく、1.50以上1.65以下であることがより好ましい。
【0025】
上記組成式中のAについて、好ましくは、1.8≦Ca/Sr≦3.7であり、より好ましくは2.0≦Ca/Sr≦3.4であり、さらに好ましくは2.3≦Ca/Sr≦3.1である。Ca/Sr比を前記の範囲内とすることにより、本発明の効果をさらに大きくすることができる。
【0026】
上記組成式中のAについて、好ましくは、Ba/Sr≦2.0であり、より好ましくはBa/Sr≦1.0であり、さらに好ましくはBa/Sr≦0.2である。本実施形態において、Baは含有しなくてもよく、Baを含有しない場合、Ba/Sr比は0となる。Ba/Sr比を前記の範囲内とすることにより、本発明の効果をさらに大きくすることができる。
【0027】
上記組成式中のAの原子比率(1−x)は、0.4以上0.7以下であることが好ましい。上記組成式中のAの原子比率(1−x)が上記範囲内であると、残留磁束密度Br及び保磁力HcJが良好に得られる。上記組成式中のAの原子比率(1−x)が小さすぎると、Rの原子比率xが大きくなるためRの量が多くなりすぎ、Rを含むオルソフェライト等の異相が生成し、残留磁束密度Br及び保磁力HcJが低下する。一方、上記組成式中のAの原子比率(1−x)が大きすぎると、Rの原子比率xが小さくなるためRの量が少なくなり、M型フェライトに対するCoの所定の固溶量を確保できなくなり、残留磁束密度Br及び保磁力HcJが低くなる。このような観点から、上記組成式中のAの原子比率(1−x)は、0.4以上0.7以下とし、0.45以上0.67以下であることが好ましく、0.47以上0.65以下であることがより好ましい。
【0028】
上記組成式中のFeの原子比率((12―y)z)は、7.76以上10.0以下であることが好ましい。上記組成式中のFeの原子比率((12―y)z)が上記範囲内であると、磁気特性の低下の原因となる異相の発生を抑えることができる。上記組成式中のFeの原子比率((12―y)z)が小さすぎると、A、Rを含む異相が増加する原因となる。一方、上記組成式中のFeの原子比率((12―y)z)が大きすぎると、α−Fe相等の異相が増加する原因となる。このような観点から、本実施形態では、上記組成式中のFeの原子比率((12―y)z)は7.76以上10以下が好ましく、7.9以上9.7以下がより好ましく、8.1以上9.5以下であることがさらに好ましい。
【0029】
上記組成式中のCoの原子比率(yz)は、0.2以上0.39以下であることが好ましい。上記組成式中のCoの原子比率(yz)が上記範囲内であると、CoはM型フェライト相のFeの一部を置換することにより磁気特性を向上する効果を発揮することができる。上記組成式中のCoの原子比率(yz)が小さすぎると、Feの一部をCoで置換することによる磁気特性向上の効果を十分に得ることができない。一方、上記組成式中のCoの原子比率(yz)が大きすぎると、Rとの電荷バランスの最適点を越えてしまい磁気特性が劣化することとなる。このような観点から、本実施形態では、上記組成式中のCoの原子比率(yz)は0.2以上0.39以下が好ましく、0.21以上0.36以下であることがより好ましく、0.23以上0.34以下であることがさらに好ましい。
【0030】
本実施形態のフェライト磁性材料においては、十分な磁気特性を得る観点からは、本実施形態のフェライト磁性材料中、主成分の含有割合は90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上100質量%以下であることがより好ましい。
【0031】
本実施形態のフェライト磁性材料は、副成分として、Si成分を少なくとも含み、かつ、Al成分及び/又はCr成分を含む。副成分は、本実施形態のフェライト磁性材料の主相及び粒界のどちらにも含まれ得る。本実施形態のフェライト磁性材料においては、全体のうちの主成分以外が副成分である。
【0032】
Si成分としては、Siを含有する組成を有する限り、特に限定されないが、例えば、SiO、NaSiO、SiO・nHO等の形態で添加してもよい。本実施形態のフェライト磁性材料は、Si成分を含むことにより、焼結性が良好となり、また焼結体の結晶粒径が適度に調整され、磁気特性が良好に制御されたものとなる。その結果、高い保磁力HcJを得つつ残留磁束密度Brを良好に維持することが可能となる。
【0033】
本実施形態のフェライト磁性材料において、Si成分の含有量は、全てのSi成分の合計で、SiOに換算して0.2質量%以上4.0質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.8質量%以上3.6質量%以下である。Si成分の含有量が上記範囲内であると、高い保磁力HcJが得られる。
【0034】
Al成分としては、Alを含有する組成を有する限り、特に限定されないが、例えば、Al、AlSiO、Al・nHO等の形態で主成分を含んで形成された仮焼体を粉砕して仮焼粉末を得る際に添加してもよい。本実施形態のフェライト磁性材料は、Al成分を含むことにより、焼結性が良好となり、また焼結体の結晶粒径が適度に調整され、良好に磁気特性が制御されたものとなる。その結果、残留磁束密度Brを良好に維持しつつ、高い保磁力HcJを得ることが可能となる。また、Al成分は、本実施形態のフェライト磁性材料の製造条件の変動による磁気特性の変動を抑制する効果を有する。本実施形態のフェライト磁性材料は、成形体を構成する微粉砕材の比表面積により残留磁束密度Br及び保磁力HcJが変動するが、Al成分を含有させることにより、保磁力HcJの変動を抑制することができる。
【0035】
本実施形態のフェライト磁性材料において、Al成分の含有量は、上述した組成式で示される主成分100質量%に対して0.2質量%以上2.5質量%以下であり、より好ましくは0.55質量%以上2.45質量%以下である。なお、Al成分の含有量は、全てのAlの合計をAlに換算した値である。Al成分の含有量が上記範囲内であると、高い保磁力HcJが得られる。Al成分の含有量が高すぎると、フェライト焼結磁石の残留磁束密度Brを低下させる場合がある。
【0036】
Cr成分としては、Crを含有する組成を有する限り、特に限定されないが、例えば、Cr、CrSiO、Cr・nHO等の形態で添加してもよい。Cr成分は本実施形態のフェライト磁性材料から得られるフェライト焼結磁石の保磁力HcJを向上させる傾向にある。本実施形態のフェライト磁性材料は、Cr成分を含むことにより、焼結性が良好となり、また焼結体の結晶粒径が適度に調整され、良好に磁気特性が制御されたものとなる。その結果、残留磁束密度Brを良好に維持しつつ、高い保磁力HcJを得ることが可能となる。
【0037】
本実施形態のフェライト磁性材料において、Cr成分の含有量を4で除した値は、主成分100質量%に対して0.2質量%以上2.5質量%以下であり、より好ましくは0.55質量%以上2.45質量%以下である。なお、Cr成分の含有量は、全てのCrの合計を、Crに換算した値である。Cr成分の含有量が上記範囲内であると、高い保磁力HcJが得られる。Cr成分の含有量が少なすぎると、Cr成分を添加した効果が充分に発揮されない。一方、Cr成分の含有量が高すぎると、フェライト焼結磁石の残留磁束密度Brを低下させる場合がある。
【0038】
また、Al成分とCr成分とを含む場合、良好な保磁力HcJの向上効果を得る観点からは、Al成分をAlに換算したAl含有量とCr成分をCrに換算したCr含有量を4で除した値との両方の和は、本実施形態のフェライト磁性材料全体に対し、AlやCrに換算して合計で0.2質量%以上2.5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.55質量%以上2.45質量%以下である。ただし、これらの成分は本実施形態のフェライト磁性材料から得られるフェライト焼結磁石の残留磁束密度Brを低下させる場合があるため、良好な残留磁束密度Brを得る観点からは、2.5質量%以下とすることが好ましい。
【0039】
本実施形態のフェライト磁性材料は、副成分として、Si成分、Al成分及びCr成分以外の成分を含んでいてもよい。その他の副成分としては、例えば、B成分を含んでいてもよい。B成分は、例えばB等の形態で含まれていてもよい。B成分を含むことで、本実施形態のフェライト磁性材料を焼結させて焼結体を得る際の仮焼温度や焼結温度を低くすることができ、フェライト焼結磁石が生産性良く得られるようになる。ただし、B成分が多すぎるとフェライト焼結磁石の飽和磁化が低下する場合があるため、B成分の含有量は、本実施形態のフェライト磁性材料全体に対し、Bとして0.5質量%以下であることが好ましい。
【0040】
さらに、本実施形態のフェライト磁性材料は、副成分として、Ga、Mg、Cu、Mn、Ni、Zn、In、Li、Ti、Zr、Ge、Sn、V、Nb、Ta、Sb、As、W、Mo成分を含む群より選択される少なくとも1種を、酸化物の形態で含んでいてもよい。これらの含有量は、各原子の化学量論組成の酸化物に換算して、酸化ガリウム5質量%以下、酸化マグネシウム5質量%以下、酸化銅5質量%以下、酸化マンガン5質量%以下、酸化ニッケル5質量%以下、酸化亜鉛5質量%以下、酸化インジウム3質量%以下、酸化リチウム1質量%以下、酸化チタン3質量%以下、酸化ジルコニウム3質量%以下、酸化ゲルマニウム3質量%以下、酸化スズ3質量%以下、酸化バナジウム3質量%以下、酸化ニオブ3質量%以下、酸化タンタル3質量%以下、酸化アンチモン3質量%以下、酸化砒素3質量%以下、酸化タングステン3質量%以下、酸化モリブデン3質量%以下であることが好ましい。ただし、これらを複数種類組み合わせて含む場合は、磁気特性の低下を避けるため、その合計が5質量%以下となるようにすることが望ましい。
【0041】
本実施形態のフェライト磁性材料は、上述した主成分及び副成分を含有しているが、本実施形態のフェライト磁性材料の組成は、蛍光X線分析法などにより分析することができる。また、本実施形態のフェライト磁性材料の焼結体についても同様に蛍光X線分析法により焼結体の組成を分析することができる。本実施形態のフェライト磁性材料で特定される各元素の含有量は、この分析値によって特定することができる。また、本実施形態のフェライト磁性材料におけるM型フェライト相の存在は、X線回折法、電子線回折で観察された回折パターンなどにより確認することができる。
【0042】
また、本実施形態における主成分に含まれる組成式:R1−x(Fe12―yCoのR、A、Fe、Co及びSiの各元素の原子%で求めた値を用いて[(R+A)−(Fe+Co)/12]/Siを計算した値は、主相から溢れて粒界に存在すると考えられる成分のSi成分に対する粒界での存在比を表す。
【0043】
[(R+A)−(Fe+Co)/12]/Siの値は、0.3以上2.3以下であることが好ましく、より好ましくは0.4以上2.0以下である。本実施形態のフェライト磁性材料は、[(R+A)−(Fe+Co)/12]/Siの値が上記範囲内にあることで、Aサイト元素が多い(Bサイト元素が少ない)ような化学量論比から離れた組成であっても、良好にM型フェライトの構造が保たれるようになる。その結果、残留磁束密度Brが維持されるとともに、高い保磁力HcJが得られる。
【0044】
本実施形態において、Al成分をAlに換算したAl含有量(質量%)とCr成分をCrに換算したCr含有量(質量%)を4で除した値との何れか一方または両方をL(質量%)とし、R、A、Fe、Co及びSiの各原子%で求めた値を用いて[(R+A)−(Fe+Co)/12]/Siを計算した値をGとする。このとき、L及びGの値が、Lをx軸に表し、Gをy軸に表したとき、x−y座標において、所定の範囲の領域内の値である。なお、Cr含有量を4で割っているのは、Al成分が保磁力HcJを向上させる効果と同じ効果を得るためにCr成分を添加する場合、Cr成分はAl成分の4倍必要となるためである。
【0045】
L及びGの値は、所定の範囲の領域内として、点a:(0.20,2.30)、点b:(2.15,0.30)、点c:(2.50,0.30)、点d:(1.50,2.30)の4つの点で囲まれる領域内の値である。L及びGの値は、所定の範囲の領域内として、さらに、点e:(0.55,2.00)、点f:(2.20,0.40)、点g:(2.45,0.40)、点h:(1.45,2.00)の4つの点で囲まれる領域内の値であることが好ましい。
【0046】
なお、点a、点b、点c、点dの4つの点で囲まれる領域内の値および点e、点f、点g、点hの4つの点で囲まれる領域内とは、各点を直線で結び、線上の値をも含む意味である。
【0047】
Lの値を大きくしていった時に、L及びGの値が、点aと点bとを直線で結んだ線以上であると、本実施形態のフェライト磁性材料を焼結させて得られるフェライト焼結磁石の保磁力HcJを例えば477kA/m以上に更に向上させることができる。また、Gの値を大きくしていった時に、L及びGの値が、点bと点cとを直線で結んだ線以上であると、Si成分は本実施形態のフェライト磁性材料を焼結する際の焼結の制御を良好に保つことができる。これにより、得られるフェライト焼結磁石は保磁力HcJを向上させることができる。また、Lの値を大きくしていった時に、L及びGの値が、点cと点dとを直線で結んだ線以下であると、本実施形態のフェライト磁性材料を焼結させて得られるフェライト焼結磁石の保磁力HcJを例えば477kA/m以上かつ残留磁束密度Brを例えば330mT以上に維持することができる。また、Gの値を大きくしていった時に、L及びGの値が、点aと点dとを直線で結んだ線以下であると、得られるフェライト焼結磁石の保磁力HcJを例えば477kA/m以上に向上させることができる。
【0048】
このように、本実施形態のフェライト磁性材料は、L及びGの値が上記所定の範囲の領域内となるように、Al成分とCr成分とのいずれか一方または両方の含有量(質量%)と、[(R+A)−(Fe+Co)/12]/Siの値との両方のバランスを調整している。これにより、得られるフェライト焼結磁石の保磁力HcJを更に向上させることができる。本実施形態のフェライト磁性材料を用いて得られるフェライト焼結磁石は、保磁力HcJを例えば477kA/mよりも高くすることができると共に、残留磁束密度Brを330mT以上とすることができ、優れた磁気特性を得ることができる。したがって、本実施形態のフェライト磁性材料を用いることにより、高い磁気特性を有するフェライト焼結磁石を得ることができる。
【0049】
また、特許文献1では、フェライト磁石を製造する際の微粉砕を一次微粉砕とし、得られた粉末に熱処理を施し、さらに二次微粉砕することにより、残留磁束密度Brを維持しつつ、例えば494kA/mという高い保磁力HcJを得ている。しかし、熱処理、二次微粉砕を行うと、製造工程が増加し、複雑になり、生産コストが上昇してしまう。そのため、フェライト磁性材料を安価に入手して広く使用することを考慮すると実用的ではない。また、特許文献1では、一次微粉砕して得られた粉末に熱処理を施してさらに二次微粉砕を行う工程のように、工程が増加する製造方法を取り入れないと、保磁力HcJが例えば477kA/m以上のフェライト磁石を得ることはできない。これに対し、本実施形態のフェライト磁性材料を用いてフェライト焼結磁石を製造する際、特許文献1とは異なり、一次微粉砕後に熱処理して二次微粉砕をする必要が無く、工程を増加する必要がない。そのため、本実施形態のフェライト磁性材料を用いてフェライト焼結磁石を低コストで生産することができる。したがって、本実施形態のフェライト磁性材料は、高い保磁力HcJを有すると共に十分な残留磁束密度Brを維持しながら、コストパフォーマンスに優れたフェライト焼結磁石を得ることができる。
【0050】
なお、本実施形態のフェライト磁性材料は、副成分として、アルカリ金属元素(Na、K、Rb等)を含まないことが好ましい。アルカリ金属元素は、フェライト焼結磁石の飽和磁化を低下させやすい傾向にある。ただし、アルカリ金属元素は、例えばフェライト磁性材料を得るための原料中に含まれている場合もあるが、そのように不可避的に含まれる程度であれば、フェライト磁性材料中に含まれていてもよい。磁気特性に大きく影響しないアルカリ金属元素の含有量は、3質量%以下である。
【0051】
また、本実施形態のフェライト磁性材料は、フェライト焼結磁石またはフェライト磁石粉末を構成することができる。また、本実施形態のフェライト磁性材料は、膜状の磁性層として磁気記録媒体などを構成することもできる。
【0052】
<フェライト焼結磁石>
次に、本実施形態のフェライト磁性材料がフェライト焼結磁石を構成する場合について説明する。本実施形態に係るフェライト焼結磁石(以下、本実施形態のフェライト焼結磁石という。)は、本実施形態のフェライト磁性材料で構成される。そのため、本実施形態のフェライト焼結磁石は、高い保磁力HcJを有すると共に、残留磁束密度Brを維持することができ、高い磁気特性を有することができる。また、本実施形態のフェライト焼結磁石が低コストで生産することができるため、安価に入手できる。本実施形態のフェライト焼結磁石の形状は、特に限定されるものではなく、平板状、円柱状など種々の形状とすることができる。
【0053】
本実施形態のフェライト焼結磁石は、本実施形態のフェライト磁性材料で構成されたものであり、結晶粒子(主相)と粒界とを含む。本実施形態のフェライト焼結磁石の結晶粒子の平均結晶粒子径は、好ましくは1.5μm以下であり、より好ましくは1.0μm以下であり、さらに好ましくは0.5μm〜1.0μmである。このような平均結晶粒子径を有することで、高い保磁力HcJが得られ易くなる。なお、本実施形態のフェライト磁性材料の焼結体の平均結晶粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)によって測定して求めることができる。具体的には、SEMで写真を撮影し、個々の結晶粒子を認識した後、画像解析により個々の結晶粒子の重心を通る最大径を求め、それを結晶粒子径とする。そして、平均結晶粒子径は1試料あたり100個程度の結晶粒子について計測を行い、全測定粒子の結晶粒子径の平均値を平均結晶粒子径とした。
【0054】
本実施形態のフェライト焼結磁石は、上記のような特性を有することから、例えば、モータ、発電機、スピーカやマイク、マグネトロン管、MRI(Magnetic Resonance Imaging system、磁気共鳴画像装置)用磁場発生装置、ABS(Anti-lock Braking System)センサ、燃料・オイルレベルセンサ、ディストリビュータ用センサ、マグネットクラッチ等に用いられる永久磁石として好適に用いることができる。
【0055】
また、本実施形態のフェライト磁性材料はフェライト焼結磁石を構成するほかに、フェライト磁石粉末を構成することができる。このフェライト磁石粉末は、樹脂と混合されることによりボンディッド磁石を構成することができる。
【0056】
<フェライト焼結磁石の製造方法>
次に、上述したような本実施形態のフェライト焼結磁石の製造方法を説明する。以下では、本実施形態のフェライト磁性材料を用いて得られる本実施形態のフェライト焼結磁石の製造方法の一例を示す。
【0057】
図1は、本実施形態のフェライト焼結磁石の製造方法の手順を示すフローチャートである。図1に示すように、本実施形態では、本実施形態のフェライト焼結磁石は、配合工程(ステップS11)、仮焼工程(ステップS12)、粉砕工程(ステップS13)、成形工程(ステップS14)及び焼成工程(ステップS15)を経て製造することができる。各工程については以下に説明する。
【0058】
(配合工程:ステップS11)
本実施形態のフェライト磁性材料の原料の粉末(原料粉末)を、本実施形態のフェライト磁性材料の所望の組成が得られるように秤量した後、原料粉末を、例えば、湿式アトライタ、ボールミル等で0.1時間〜20時間程度粉砕しながら混合し、原料組成物を得る(ステップS11)。出発原料は、フェライト相を構成する元素(Sr、Ca、La、Fe、Co)の1種又は2種以上を含有する化合物(原料化合物)が挙げられる。原料化合物は、例えば粉末状のものが好適である。フェライト相を構成する元素の1種を含有する化合物として、例えば、SrCO、La(OH)、Fe、BaCO、CaCO及びCo等が挙げられる。化合物としては、酸化物、焼成により酸化物となる化合物等を用いることができる。また、焼成により酸化物となる化合物としては、例えば炭酸塩、水酸化物、硝酸塩等が挙げられる。出発原料の平均粒子径は特に限定されないが、通常、0.1μm〜2.0μm程度とすることが好ましい。
【0059】
また、本実施形態のフェライト磁性材料におけるAl成分の原料としては、Alが挙げられるが、Alを含有する化合物等であれば特に制限されない。また、原料粉末には、必要に応じてその他の副成分の原料化合物(元素単体、酸化物等)を配合してもよい。
【0060】
また、本実施形態のフェライト磁性材料におけるSi成分の原料としては、SiOが挙げられるが、Siを含有する化合物等であれば特に制限されない。また、原料粉末には、必要に応じてその他の副成分の原料化合物(元素単体、酸化物等)を配合してもよい。
【0061】
なお、配合工程において、全ての原料を混合する必要はなく、各化合物の一部または全部を後述する仮焼後に添加するようにしてもよい。例えば、副成分であるAlの原料(例えば、Al)、Siの原料(例えば、SiO)、主成分の構成元素であるCaの原料(例えば、CaCo)は、後述する仮焼後、粉砕(特に微粉砕)工程において添加してもよい。添加の時期は、所望とする組成や磁気特性が得られ易いように調整すればよい。
【0062】
(仮焼工程:ステップS12)
配合工程(ステップS11)で得られた原料組成物を乾燥し、整粒した後、仮焼する(ステップS12)。原料組成物を仮焼することによって、顆粒状の仮焼体が得られる。仮焼は、例えば、空気中等の酸化性雰囲気中で行うことが好ましい。仮焼の温度は、1100℃〜1400℃の温度範囲とすることが好ましく、1100℃〜1300℃がより好ましく、1100℃〜1250℃がさらに好ましい。仮焼の時間は、1秒〜10時間が好ましく、1時間〜3時間がより好ましい。仮焼により得られる仮焼体は、上述したような主相を70%以上含む。主相の一次粒子径は、好ましくは10μm以下であり、より好ましくは2μm以下である。
【0063】
この仮焼工程(ステップS12)において、原料組成物を仮焼することにより、六方晶構造を有するフェライトが主成分として生成し、本実施形態のフェライト磁性材料が作製される。
【0064】
(粉砕工程:ステップS13)
仮焼工程(ステップS12)により得られた顆粒状の仮焼体を粉砕し、仮焼粉末を得る(ステップS13)。これにより、後述する成形工程(ステップS14)での成形が容易となる。この粉砕工程では、上述したような配合工程で配合しなかった原料を添加してもよい(原料の後添加ともいう。)。粉砕工程は、例えば、仮焼体を粗い粉末となるように粉砕(粗粉砕)した後、これを更に微細に粉砕する(微粉砕)、2段階の工程で行ってもよい。
【0065】
顆粒状の仮焼体を粗粉砕する際には、例えば、振動ミル等を用いて、顆粒状の仮焼体を平均粒子径が0.5μm〜5.0μmとなるまで粉砕する。なお、顆粒状の仮焼体を粗粉砕して得られた粉末を、粗粉砕粉末という。粗粉砕粉末を微粉砕する際には、粗粉砕粉末と水とソルビトールとを混合させ、粉砕用スラリーを作製する。そして、ボールミルを用いて粉砕用スラリーを湿式粉砕する。微粉砕の手段はボールミルに限定されるものではなく、例えば、湿式アトライタ、振動ミル、ボールミル、ジェットミル等を用いることができる。なお、粗粉砕粉末を微粉砕して得られた粉末を、微粉砕材という。微粉砕では、得られた微粉砕材の平均粒子径が、好ましくは0.08μm〜2.0μm、より好ましくは0.1μm〜1.0μm、さらに好ましくは0.2μm〜0.8μm程度となるように粉砕する。微粉砕材の比表面積は、7m/g〜12m/g程度とすることが好ましい。粉砕時間は、粉砕方法に応じて適宜決定すればよい。例えば、湿式アトライタの場合、30分間〜10時間が好ましく、ボールミルによる湿式粉砕では10時間〜50時間程度が好ましい。なお、微粉砕材の比表面積は、例えばBET法により求められる。
【0066】
粉砕工程で原料の一部を添加する場合、例えば、添加は微粉砕において行うことが好ましい。本実施形態では、Al成分の原料としてAl、Si成分の原料としてSiO、Ca成分の原料としてCaCOを添加することができる。
【0067】
また、微粉砕する際には、焼成後に得られる焼結体の磁気的配向度を高めるため、粉砕用スラリーには、界面活性剤(例えば、一般式C(OH)n+2で表される多価アルコール)を添加することが好ましい。ここで、多価アルコールとしては、一般式において、nが4〜100であるものが好ましく、4〜30であるものがより好ましく、4〜20であるものがさらに好ましく、4〜12であるものが最も好ましい。多価アルコールとしては、例えばソルビトールが挙げられる。また、2種類以上の多価アルコールを併用してもよい。さらに、多価アルコールに加えて、他の公知の分散剤を併用してもよい。
【0068】
多価アルコールを添加する場合、その添加量は、添加対象物(例えば粗粉砕材)に対して、0.05質量%〜5.0質量%であると好ましく、0.1質量%〜3.0質量%であるとより好ましく、0.2質量%〜2.0質量%であると更に好ましい。なお、微粉砕工程で添加した多価アルコールは、後述する焼成工程(ステップS15)で熱分解除去される。
【0069】
(成形工程:ステップS14)
粉砕工程(ステップS13)で得られた粉砕材(好ましくは微粉砕材)を、磁場中で成形して、成形体を得る(成形工程:ステップS14)。成形は、乾式成形及び湿式成形のいずれの方法でも行うことができる。磁気的配向度を高くする観点からは、湿式成形で行うことが好ましい。
【0070】
湿式成形により成形体を得る場合は、例えば上述した粉砕工程(ステップS13)で微粉砕を湿式で行うことでスラリーを得た後、このスラリーを所定の濃度に濃縮して、湿式成形用スラリーを得、これを用いて成形を行うことが好ましい。スラリーの濃縮は、遠心分離やフィルタープレス等によって行うことができる。湿式成形用スラリーは、その全量中、微粉砕材が30質量%〜80質量%程度を占めるものであると好ましい。スラリーにおいて、微粉砕材を分散する分散媒としては水が好ましい。この場合、スラリーには、グルコン酸、グルコン酸塩、ソルビトール等の界面活性剤を添加してもよい。また、分散媒としては非水系溶媒を使用してもよい。非水系溶媒としては、トルエンやキシレン等の有機溶媒を使用することができる。非水系溶媒を使用する場合には、オレイン酸等の界面活性剤を添加することが好ましい。なお、湿式成形用スラリーは、微粉砕後の乾燥状態の微粉砕材に、分散媒等を添加することによって調製してもよい。
【0071】
湿式成形では、次いで、この湿式成形用スラリーに対し、磁場中成形を行う。その場合、成形圧力は、9.8MPa〜49MPa(0.1ton/cm〜0.5ton/cm)程度であると好ましく、印加する磁場は398kA/m〜1194kA/m(5kOe〜15kOe)程度とすることが好ましい。
【0072】
(焼成工程:ステップS15)
成形工程(ステップS14)で得られた成形体を焼成して焼結体とする(焼成工程:ステップS15)。これにより、上述したような、本実施形態のフェライト磁性材料を焼結することにより本実施形態のフェライト焼結磁石が得られる。
【0073】
焼成は、大気中等の酸化性雰囲気中で行うことができる。焼成温度は、1050℃〜1270℃が好ましく、1080℃〜1240℃であるとより好ましい。また、焼成時間(焼成温度に保持する時間)は、0.5時間〜3時間程度が好ましい。
【0074】
なお、上述したような湿式成形で成形体を得た場合、この成形体を充分に乾燥させないまま焼成を行うことで急激に加熱すると、分散媒等の揮発が激しく生じて成形体にクラックが発生する可能性がある。そこで、上記の焼結温度まで到達させる前に、例えば室温から100℃程度まで、0.5℃/分程度の昇温速度で加熱して成形体を充分に乾燥させることで、焼結体の表面にクラック等が発生するのを抑制することが好ましい。さらに、界面活性剤(分散剤)等を添加した場合は、例えば、100℃〜500℃程度の温度範囲において、2.5℃/分程度の昇温速度で加熱を行うことで、界面活性剤等を充分に除去して、脱脂処理を行うことが好ましい。なお、これらの処理は、焼成工程のはじめに行ってもよく、焼成工程よりも前に別途行っておいてもよい。
【0075】
以上、本実施形態のフェライト焼結磁石の好適な製造方法の一例について説明したが、本実施形態のフェライト磁性材料を用いる限り、製造方法は上記に限定されず、条件等は適宜変更することができる。
【0076】
また、磁石は、焼結磁石ではなく、ボンド磁石を製造する場合は、例えば、上述した粉砕工程までを行った後、得られた粉砕物とバインダーとを混合し、これを磁場中で成形することで、本実施形態のフェライト磁性材料の粉末を含むボンド磁石を得ることができる。
【実施例】
【0077】
以下、本発明を実施例及び比較例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0078】
[1.フェライト焼結磁石の製造]
<実験例1〜11、比較例1〜15>
まず、フェライト磁性材料の主成分の出発原料として、水酸化ランタン(La(OH))、炭酸カルシウム(CaCO)、炭酸ストロンチウム(SrCO)、酸化鉄(Fe)及び酸化コバルト(Co)を準備した。これらの出発原料を、主成分の組成式が表1に示す構成比率となるように秤量した。これらの主成分を構成する原料を、酸素を除いて焼成後の主相が以下の組成式で表される原子比率となるように秤量した。なお、表1中、括弧内の表示は、下記組成式の構成比率を示す。
組成式:R1−x(Fe12―yCo
【0079】
【表1】
【0080】
次いで、これらの秤量した原料を湿式アトライタで混合、粉砕してスラリー状の原料組成物を得た(配合工程)。このスラリーを乾燥後、大気中1200℃で1.0時間保持する仮焼を行った(仮焼工程)。得られた仮焼粉はロッド振動ミルで粗粉砕した。得られた粗粉砕材に、酸化鉄(Fe)、炭酸ストロンチウム(SrCO)、炭酸カルシウム(CaCO)、酸化コバルト(Co)を表2に示す原子比、酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)を表2に示す質量%となるようにそれぞれ添加した。この混合物を、水及びソルビトールを溶媒として湿式ボールミルにて微粉砕を30時間行った(粉砕工程)。次いで、微粉砕後に得られたスラリーを脱水して固形分濃度を調整して湿式成形用スラリーとした。この湿式成形用スラリーを、湿式磁場成形機を使用して、約1000kA/m(12kOe)の印加磁場中で成形し、直径30mm×厚み15mmの円柱状の成形体を得た(成形工程)。得られた円柱状成形体は、大気中、室温において十分乾燥し、大気中1200℃で1時間保持する焼成を行った。これにより、フェライト焼結磁石を得た(焼成工程)。得られた各フェライト焼結磁石を試料C1〜C26とした。
【0081】
<実施例12〜65、比較例16〜27>
前記実験例1〜11、比較例1〜15とは、主成分の組成を変更する以外は同様の方法で粗粉砕材を得た。そして、得られた粗粉砕材に、酸化鉄(Fe)、炭酸ストロンチウム(SrCO)、炭酸カルシウム(CaCO)、酸化コバルト(Co)を表3に示す原子比、酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)を表3に示す質量%となるようにそれぞれ添加する以外は同様の方法でフェライト焼結磁石を得た。また、酸化アルミニウム(Al)を酸化クロム(Cr)に変更して表4に示すフェライト焼結磁石を得た。さらに、酸化アルミニウム(Al)を酸化アルミニウム(Al)と酸化クロム(Cr)との混合物に変更して表5に示すフェライト焼結磁石を得た。さらに、実施例19、29及び39について、Srの一部をBaに置き換えて表6に示すフェライト焼結磁石を得た。また、C16から副成分(Al、Si)を変化させて表7に示すフェライト焼結磁石を得た。得られた各フェライト焼結磁石を試料D1〜D66とした。
【0082】
[2.評価]
(焼結体の組成)
得られた焼結体の組成(La、Ca、Sr、Fe、Co、Al、Si)を、蛍光X線定量分析により測定した。また、主成分(La、Ca、Sr、Fe、Co)、副成分(Al、Si)の含有量は、各元素を主成分と副成分の全ての元素の和に対する割合として算出した。
【0083】
(フェライト焼結磁石の評価)
得られた各試料C1〜C26及びD1〜D66の円柱の上下面を加工した後、最大印加磁場約2000kA/m(25kOe)のB−Hトレーサを使用して、残留磁束密度Br、保磁力HcJを測定した。なお、残留磁束密度Br及び保磁力HcJの測定は、室温(25℃)において行った。
【0084】
各試料C1〜C26の主成分の構成比率、Al含有量、Si含有量、モル比、残留磁束密度Br及び保磁力HcJの結果を表2に示す。また、AlをAlに換算したAl含有量と、CrをCrに換算したCr含有量を4で除した値との何れか一方または両方をLとする。R、A、Fe、Co及びSiの各原子%で求めた値を用いて[(R+A)−(Fe+Co)/12]/Siを計算した値をGとする。Lをx軸に表し、Gをy軸に表す。このときのLとGとの関係を図2に示す。また、測定された保磁力HcJと残留磁束密度Brとの関係を図3に示す。なお、図2中、点a:(0.20,2.30)、点b:(2.15,0.30)、点c:(2.50,0.30)、点d:(1.50,2.30)の4点を直線で囲んだ領域内(範囲1)の点を四角(塗りつぶし)、丸(塗りつぶし)でプロットし(実施例1〜11)、それ以外を×でプロットした(比較例1〜15)。なお、丸(塗りつぶし)でプロットした点は、保磁力HcJが477kA/m以上500kA/m未満の値であり、四角(塗りつぶし)でプロットした点は、保磁力HcJが500kA/m以上の値である。また、四角(塗りつぶし)でプロットした領域を含む点e:(0.55,2.00)、点f:(2.20,0.40)、点g:(2.45,0.40)、点h:(1.45,2.00)の4点を直線で囲んだ領域内を範囲2とした。
【0085】
【表2】
【0086】
表2、図2、3に示すように、LとGとが図2の点a、点b、点c、点dの4点を直線で囲んだ領域内の値となるフェライト焼結磁石は、残留磁束密度Brが330mT以上であり、保磁力HcJが477kA/m以上であった。LとGとが図2の点e、点f、点g、点hの4点を直線で囲んだ領域内の値となるフェライト焼結磁石は、保磁力HcJが500kA/m以上であった。そして、図2に示すように、Lを大きくしてもGが所定の値の範囲内にないと、得られるフェライト焼結磁石の保磁力HcJが低下したことが分かった。このことから、このLとGとの両方の値によって、得られるフェライト焼結磁石の保磁力HcJを向上させることができないことが分かった。よって、フェライト焼結磁石を製造する際、Alの含有量を単に増大するだけでは、[(R+A)−(Fe+Co)/12]/Siの値が所定の値の範囲内にないと、得られるフェライト焼結磁石の保磁力HcJをさらに向上させることができないといえる。したがって、Al含有量と、[(R+A)−(Fe+Co)/12]/Siの値との両方のバランスを調整することにより、得られるフェライト焼結磁石の保磁力HcJを更に向上させることができることが判明した。
【0087】
各試料D1〜D38の主成分の構成比率、Al含有量、Si含有量、モル比、残留磁束密度Br及び保磁力HcJの結果を表3に示す。また、x、12z、x/yzおよびCa/Srと、測定された保磁力Hcjとの関係をそれぞれ図4図7に示す。
【0088】
表3、図4図6に示すように、0.3≦x≦0.6、8.0≦12z≦10.1および1.32≦x/yz≦1.96を全て満たすフェライト焼結磁石は、残留磁束密度Brが330mT以上、保磁力HcJが477kA/m以上であった。
【0089】
なお、D1〜D38では、主成分の構成比率が、最も好ましい範囲である0.35≦x≦0.53、8.75≦12z≦9.7、1.5≦x/yz≦1.65を全て満たす場合には、C1〜C26と同様、LとGとが前記範囲2の領域内である場合に残留磁束密度Brが366mT以上、保持力HcJが500kA/m以上となった。
【0090】
【表3】
【0091】
表4に示すように、酸化アルミニウム(Al)を酸化クロム(Cr)に変更しても、本願発明の構成要件を全て満たすフェライト焼結磁石D40〜D45は、残留磁束密度Brが374mT以上、保磁力HcJが478kA/m以上であった。
【0092】
【表4】
【0093】
表5に示すように、酸化アルミニウム(Al)を酸化アルミニウム(Al)と酸化クロム(Cr)との混合物に変更しても、本願発明の構成要件を全て満たすフェライト焼結磁石D48〜D53は、残留磁束密度Brが355mT以上、保磁力HcJが482kA/m以上であった。
【0094】
【表5】
【0095】
表6に示すようにBa/Sr≦0.2を満たす試料D21と、Ba/Sr≦0.2を満たさない試料D55(Ba/Sr以外はD21と同じ試料)とを比較した場合、試料D21は試料D55と比較して残留磁束密度Brおよび保持力HcJが優れる結果となった。さらに、Ba/Sr≦0.2を満たす試料D9、0.2<Ba/Sr≦1.0を満たす試料D57(Ba/Sr以外はD9と同じ試料)およびBa/Sr≦1.0を満たさない試料D58(Ba/Sr以外はD9と同じ試料)とを比較した場合、試料D9、試料D57、試料D58の順に残留磁束密度Brおよび保持力HcJが優れる結果となった。また、試料D56(Ba/Sr=0.16)と試料D34(Ba/Sr=0)は共にBa/Sr≦0.2を満たす。そして、Ba/Sr=0の試料D34とBa/Sr=0.16の試料D56(Ba/Sr以外はD34と同じ試料)とを比較した場合、磁石特性を総合的に見て同等程度に優れる結果となることが確認できた。
【0096】
【表6】
【0097】
表7に示すように、C16と同様に好ましい主成分の組成を有し、図2の点a、点b、点c、点dの4点に対応する実施例58〜61では、残留磁束密度Brが330mT以上、保持力HcJが477kA/m以上500kA/m未満であった。また、図2の点e、点f、点g、点hの4点に対応する実施例62〜65では、残留磁束密度Brが330mT以上、保持力HcJが500kA/m以上であった。
【0098】
【表7】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7