特許第6160660号(P6160660)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6160660
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】アタッチメントの連結装置
(51)【国際特許分類】
   B66C 23/26 20060101AFI20170703BHJP
【FI】
   B66C23/26 C
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-141812(P2015-141812)
(22)【出願日】2015年7月16日
(65)【公開番号】特開2017-24813(P2017-24813A)
(43)【公開日】2017年2月2日
【審査請求日】2016年6月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前藤 鉄兵
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 恭平
【審査官】 井上 信
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/024151(WO,A1)
【文献】 実開昭58−30682(JP,U)
【文献】 特開平11−165986(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械を構成する複数の長尺のアタッチメントを上下に積み重ねるときに用いる当該アタッチメント同士の連結装置であって、
前記アタッチメントの側面に設けられる連結器具を備え、
前記連結器具は、
前記アタッチメントのうちの第1アタッチメントの側面から外方へ向かって延在する連結用第1支持部と、
前記アタッチメントのうちの前記第1アタッチメントの上に積み重ねられる第2アタッチメントの側面から外方へ向かって延在する連結用第2支持部と、
前記連結用第1支持部と前記連結用第2支持部とを連結する連結部材と、
を備えることを特徴とする、アタッチメントの連結装置。
【請求項2】
請求項1に記載のアタッチメントの連結装置において、
前記連結部材は、
前記連結用第1支持部から上方へ向かって突設された連結用第1プレートと、
前記連結用第2支持部から下方へ向かって突設された連結用第2プレートと、
前記連結用第1プレートと前記連結用第2プレートとを側方から連結する連結用棒状部材と、
を備えることを特徴とする、アタッチメントの連結装置。
【請求項3】
請求項2に記載のアタッチメントの連結装置において、
前記アタッチメントの側面に設けられ、前記連結用第1プレートに形成された、前記連結用棒状部材が入れられる孔と、前記連結用第2プレートに形成された、前記連結用棒状部材が入れられる孔との位置を合わせるための位置合せ具をさらに備えることを特徴とする、アタッチメントの連結装置。
【請求項4】
請求項3に記載のアタッチメントの連結装置において、
前記位置合せ具は、
前記第1アタッチメントおよび前記第2アタッチメントのうちの一方の側方に配置された位置合せ用棒状部材と、
前記一方に対する他方の側方に配置された、前記位置合せ用棒状部材に係合する凹部を有する位置合せ用係合部材と、
を備えることを特徴とする、アタッチメントの連結装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のアタッチメントの連結装置において、
前記アタッチメントの長手方向において所定の間隔をあけて配置される複数の前記連結器具を備えることを特徴とする、アタッチメントの連結装置。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載のアタッチメントの連結装置において、
前記アタッチメントの長手方向において前記連結器具との間に所定の間隔をあけて前記第1アタッチメントの上面に固定される、前記第2アタッチメントの長手方向端部が上方から当接する受け板をさらに備えることを特徴とする、アタッチメントの連結装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クローラクレーンなどの作業機械を構成するストラットなどの複数の長尺のアタッチメントを上下に積み重ねるときに用いる連結装置に関する。
【背景技術】
【0002】
クローラクレーンなどの作業機械を分解して保管する際、または分解して輸送する際、ブーム、ストラットなどの複数の長尺のアタッチメントは上下に積み重ねられて崩れないように固定される。
【0003】
この種の技術として、例えば下記の特許文献1、2に記載されたものがある。その従来技術は、次のように構成されている。特許文献1では、上下に積み重ねられる前マストと後マストとの対向部にそれぞれフォークエンド、アイエンドと称する連結具を固定し、これら連結具同士をピンで連結している。特許文献2では、上下に積み重ねられる中間ブームの対向部にそれぞれラグを固定し、これらラグ同士を連結ピンで連結している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭61−101593号公報
【特許文献2】特開2004−18251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
クローラクレーンなどの作業機械を分解して例えばトレーラーに載せて輸送する際、輸送制限高さを守らなければならない。大型の作業機械の場合、各アタッチメントも大型化するので、輸送制限高さを守るようにトレーラーへの積載を計画すると、アタッチメントを積み重ねて積載することが難しいことがある。この場合、各アタッチメントを単独で輸送したり、各アタッチメントをさらに分割して輸送したりする計画としなければならない。これは輸送コストの増大を招く。
【0006】
ここで、上記した従来技術には次の問題がある。特許文献1、2に記載のアタッチメント同士の固定方法は、いずれも、上下に積み重ねられるアタッチメントの対向部にラグなどの連結具を固定してピン止めするというものであるので、当該連結具の高さ分、輸送高さが高くなってしまう。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、作業機械を構成する複数の長尺のアタッチメントを上下に積み重ねて相互に固定したときの高さ寸法を従来よりも低減することができるアタッチメントの連結装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る連結装置は、作業機械を構成する複数の長尺のアタッチメントを上下に積み重ねるときに用いる当該アタッチメント同士の連結装置であり、前記アタッチメントの側面に設けられる連結器具を備える。前記連結器具は、前記アタッチメントのうちの第1アタッチメントの側面から外方へ向かって延在する連結用第1支持部と、前記アタッチメントのうちの前記第1アタッチメントの上に積み重ねられる第2アタッチメントの側面から外方へ向かって延在する連結用第2支持部と、前記連結用第1支持部と前記連結用第2支持部とを連結する連結部材とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、アタッチメントの側面に連結器具を設けたので、連結器具の高さは、作業機械を構成する複数の長尺のアタッチメントを上下に積み重ねて相互に固定したときの高さ寸法にほとんど影響を与えない。すなわち、アタッチメントを上下に積み重ねて相互に固定したときの高さ寸法を従来よりも低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態に係る連結装置にて、上下に積み重ねたストラットを固定した状態を示す側面図である。
図2図1のA−A断面図である(ピンは挿入されていない状態)。
図3図1に示す連結器具の斜視図である。
図4図1に示す位置合せ具の斜視図である。
図5】本発明の第2実施形態に係る連結装置にて、上下に積み重ねたストラットを固定した状態を示す側面図である。
図6図5のB部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下に示す実施形態では、作業機械であるラッフィングジブクレーン(ブームの先端部にジブが取り付けられたクレーン)を分解して輸送する際の例を示しているが、その他の様々な形式のクレーンを分解して輸送したり保管したりするときに、クレーンを構成する長尺のアタッチメントに設けた本発明の連結装置を用いることができる。上記長尺のアタッチメントとしては、ストラット、ジブ、ブーム、マストなどを挙げることができる。
【0012】
(第1実施形態)
分解したラッフィングジブクレーンを構成する長尺のアタッチメントは、例えば図1に示す形態でトレーラー50に積載されて輸送される。図1中に示す下部ジブ2は、ラッフィングジブクレーンのブームの先端部に取り付けられるジブの下部部分を構成するものである。また、第1アタッチメントとしてのフロントストラット3、および第2アタッチメントとしてのリヤストラット4は、それぞれ、ラッフィングジブクレーンのフロントストラット、およびリヤストラットである。図1に示す例では、下部ジブ2にピンを介して取り付けられたフロントストラット3を下部ジブ2の上に折り畳み、そのフロントストラット3の上にリヤストラット4を積み重ねて、下部ジブ2、フロントストラット3、およびリヤストラット4を1台のトレーラー50で一緒に輸送するようにしている。
【0013】
フロントストラット3とリヤストラット4とは連結器具1で連結される。連結器具1は、ストラットの長手方向において所定の間隔をあけて、本実施形態では、ストラットの長手方向両端部の側面にそれぞれ配置されている。なお、図1中の紙面奥側の対応する位置にも連結器具1は配置されており(図2参照)、本実施形態ではこれら計4つの連結器具1が配置されている。
【0014】
また、フロントストラット3の上にリヤストラット4を重ねるときのストラット長手方向の相互の位置合わせは位置合せ具7を利用して行われる。位置合せ具7は、ストラットの側面であってそれぞれの連結器具1の近くに(連結器具1との間に所定の間隔をあけて)配置されている。上記連結器具1と同様に、位置合せ具7は、ストラットの幅方向両側に配置されており、すなわち、本実施形態では計4つの位置合せ具7が配置されている。本実施形態では、計4つの連結器具1と計4つの位置合せ具7とで連結装置を構成する。
【0015】
フロントストラット3は、ラチス構造のストラットであり、図2に示すように、長手方向に延びる4本のパイプ部材21と、パイプ部材21を連結する複数の連結部材22とを有する。同様に、リヤストラット4もラチス構造のストラットであり、図2に示すように、長手方向に延びる4本のパイプ部材31と、パイプ部材31を連結する複数の連結部材32とをリヤストラット4は有する。
【0016】
連結器具1は、フロントストラット3とリヤストラット4とが横に寝かされて上下に積み重ねられたときの対向部の側方に設けられる。本実施形態のこの連結器具1は、断面円形で所定長さを有する連結用第1支持部11および連結用第2支持部12と、2枚の連結用第1プレート13および1枚の連結用第2プレート14と、これらプレート同士をその側方からピン止めして連結する連結用棒状部材としての連結ピン15とで構成される。2枚の連結用第1プレート13、1枚の連結用第2プレート14、および連結ピン15で、連結用第1支持部11と連結用第2支持部12とを連結する連結部材を構成する。
【0017】
連結用第1支持部11は、フロントストラット3の構成部材のうちの、積み重ねられたときのリヤストラット4に近い側のパイプ部材21の側面から外方へ向かって延在するように当該パイプ部材21の側面に設けられる。連結用第2支持部12は、リヤストラット4の構成部材のうちの、積み重ねられたときのフロントストラット3に近い側のパイプ部材31の側面から外方へ向かって延在するように当該パイプ部材31の側面に設けられる。
【0018】
2枚の連結用第1プレート13は、間隔をあけて連結用第1支持部11に外挿固定されることで当該連結用第1支持部11から上方へ向かって突設される。連結用第2プレート14は、連結用第2支持部12に外挿固定されることで当該連結用第2支持部12から下方へ向かって突設される。なお、上方、下方とは、横に寝かされたフロントストラット3の上にリヤストラット4が積み重ねられたときの方向のことである。また、フロントストラット3の上にリヤストラット4が積み重ねられたときに、2枚の連結用第1プレート13の間の隙間に連結用第2プレート14が入り込むようにされる。連結用第1プレート13および連結用第2プレート14には、それぞれ、ピン孔13aおよびピン孔14aが形成されている(図3参照)。
【0019】
位置合せ具7は、前記した連結器具1と同様に、フロントストラット3とリヤストラット4とが横に寝かされて上下に積み重ねられたときの対向部の側方に設けられる。図4に示したように、本実施形態のこの位置合せ具7は、断面円形で所定長さを有する位置合せ用第1支持部19および位置合せ用第2支持部20と、2枚の位置合せ用プレート16および1枚の係合プレート17(位置合せ用係合部材)と、2枚の位置合せ用プレート16の間に固定される位置合せ用棒状部材としての位置決めガイド18とで構成される。2枚の位置合せ用プレート16、位置決めガイド18、および係合プレート17で、位置合せ部材を構成する。位置合せ具7は、前記した連結用第1プレート13のピン孔13aと、連結用第2プレート14のピン孔14aとの位置を合わせるための器具である。
【0020】
位置合せ用第1支持部19は、フロントストラット3の構成部材のうちの、積み重ねられたときのリヤストラット4に近い側のパイプ部材21の側面から外方へ向かって延在するように当該パイプ部材21の側面に設けられる。位置合せ用第2支持部20は、リヤストラット4の構成部材のうちの、積み重ねられたときのフロントストラット3に近い側のパイプ部材31の側面から外方へ向かって延在するように当該パイプ部材31の側面に設けられる。
【0021】
2枚の位置合せ用プレート16は、間隔をあけて位置合せ用第1支持部19に外挿固定されることで当該位置合せ用第1支持部19から上方へ向かって突設される。係合プレート17は、位置合せ用第2支持部20に外挿固定されることで当該位置合せ用第2支持部20から下方へ向かって突設される。また、フロントストラット3の上にリヤストラット4が積み重ねられたときに、2枚の位置合せ用プレート16の間の隙間に係合プレート17が入り込むようにされる。係合プレート17の端部には円弧状の凹部17aが設けられている。この凹部17aの内周面と上記位置決めガイド18の外周面とは相互に面接触するように同径とされている。
【0022】
フロントストラット3の上にリヤストラット4を積み重ねる際、係合プレート17の凹部17aを位置決めガイド18の上にのせる。これにより、フロントストラット3の上にリヤストラット4がのった状態(あずけられた状態)となるとともに、上記ピン孔13aおよびピン孔14aの孔が合わさる(側方から視て一致した状態となる。このようになるように、ストラットの側面に位置合せ具7(の各部品)が配置される)。そこに連結ピン15を打ち込み、これにより、上下に積み重ねられたフロントストラット3とリヤストラット4とが連結され、輸送の際に崩れ落ちることが防止される。
【0023】
(第2実施形態)
図5および図6は第2実施形態を示す。この第2実施形態の説明では、図1等に示す第1実施形態で説明した部品、部材には同一の符号を付している。
【0024】
図5中に示す上部ブーム5は、ラッフィングジブクレーンのブームの上端部分を構成するものである。本実施形態は、上部ブーム5部分でピンを介して連結された、下部ジブ2、フロントストラット3、およびリヤストラット4を1台のトレーラー50でまとめて輸送する場合の例である。
【0025】
本実施形態で示す連結装置は、ストラットの幅方向両端部側面に設けられる1組の連結器具1と、ストラットの長手方向において連結器具1との間に所定の間隔をあけてフロントストラット3の上面に固定される1組の受け板6とで構成される。
【0026】
受け板6は、フロントストラット3の構成部材のうちの、積み重ねられたときのリヤストラット4に近い側のパイプ部材21の上面に固定される。なお、受け板6は、図5,6中の紙面奥側の対応する位置にも配置される。
【0027】
この受け板6は、上部ブーム5にピン止めされたリヤストラット4が、そのピン止め部分を支点にして倒れてきたときに、リヤストラット4の先端部がフロントストラット3の上記パイプ部材21に当たる箇所のパイプ部材21の上面に固定される。これにより、リヤストラット4が折り畳まれると、リヤストラット4の先端部が上方から受け板6に当接するので、フロントストラット3を構成するパイプ部材21が傷つくことが防止される。なお、フロントストラット3とリヤストラット4とは、上部ブーム5を介してピンで連結されているとともに、連結器具1によっても連結される。すなわち、ストラットの長手方向の2箇所で相互に連結されるので、輸送の際に崩れ落ちることは十分に防止される。
【0028】
(変形例)
図3等に示したように、上記した実施形態では、2枚の連結用第1プレート13の間の隙間に連結用第2プレート14を挿入するようにしているが、連結用第1プレート13を1枚のみにして、連結用第1プレート13と連結用第2プレート14とをピン止めしてもよい。
【0029】
前記した連結ピン15に代えて、例えばボルト・ナットを用い、連結用第1プレート13と連結用第2プレート14とをボルト・ナットで連結固定してもよい。
【0030】
位置合せ具7を連結器具1の近くに配置する必要は必ずしもない。
【0031】
位置合せ具7に関し、フロントストラット3の側方に位置決めガイド18を配置し、リヤストラット4の側方に係合プレート17を配置することに代えて、フロントストラット3の側方に係合プレート17を配置し、リヤストラット4の側方に位置決めガイド18を配置してもよい。
【0032】
位置合せ用プレート16は1枚のみであってもよい。
【0033】
係合プレート17を図4に示したものよりも長くするとともに、位置合せ用第1支持部19の外径に凹部17aの外径を合わせ、且つ位置決めガイド18を省略する。このようにして、係合プレート17の凹部17aが円柱状の位置合せ用第1支持部19に係合するようにしてもよい。この場合、位置合せ用第1支持部19は、係合プレート17の凹部17aが係合する位置合せ用棒状部材となる。
【0034】
図5,6に示した第2実施形態に関し、受け板6を省略してもよい。ただし、受け板6が存在すれば、フロントストラット3の上にリヤストラット4を倒していったときに、リヤストラット4の先端部を受け板6で受けることができるので、これによりフロントストラット3が傷つくことを防止でき好ましい。
【0035】
連結対象のストラット(アタッチメント)は、ラチス構造でなく箱構造(断面が4枚の板で構成されたもの)であってもよい。なお、箱構造よりもラチス構造の方が軽量で高剛性、高強度を得られる。
【0036】
(作用・効果)
本発明によれば、長尺のアタッチメント(例えばストラット)の側面に連結器具を設けたので、連結器具の高さは、作業機械(例えばクレーン)を構成する複数の長尺のアタッチメントを上下に積み重ねて相互に固定したときの高さ寸法にほとんど影響を与えない。すなわち、アタッチメントを上下に積み重ねて相互に固定したときの高さ寸法を従来よりも低減することができる。これにより、アタッチメントを上下に積み重ねて輸送する際の輸送高さを従来よりも低く抑えることができる。これにより、大型のクレーンにおいては、より多くのアタッチメントをまとめて輸送(または、まとめて一体輸送)できるので、トレーラーの台数を減ずることができ、輸送コストが低減する。また、別の観点からは、輸送高さを従来よりも低く抑えることができるので、輸送制限高さを超えない範囲で、アタッチメント(例えばストラット)の枠寸を大きく確保することができ、従来よりも高剛性、高強度のアタッチメントとすることができる。
【0037】
また、本発明においては、連結用第1支持部11から上方へ向かって突設された連結用第1プレート13と、連結用第2支持部12から下方へ向かって突設された連結用第2プレート14と、連結用第1プレート13と連結用第2プレート14とを側方から連結する連結用棒状部材(例えば連結ピン15)とで、連結用第1支持部11と連結用第2支持部12とを連結する連結部材を構成することが好ましい。この構成によると、上下に積み重ねられたアタッチメントの高さを低減できるとともに、アタッチメント同士の接触をより確実に防止することができる。
【0038】
また、第1実施形態で示したように、アタッチメントの側面に設けられ、連結用第1プレート13に形成された連結ピン15(連結用棒状部材)が入れられるピン孔13a(孔)と、連結用第2プレート14に形成された連結ピン15(連結用棒状部材)が入れられるピン孔14a(孔)との位置を合わせるための位置合せ具7を設けることが好ましい。この構成によると、ピン孔(孔)の位置合わせが容易となる。
【0039】
また、上記した位置合せ具7は、積み重ねるアタッチメントのうちの一方の側方に配置された位置合せ用棒状部材(例えば、位置決めガイド18)と、他方の側方に配置された、位置合せ用棒状部材に係合する凹部を有する位置合せ用係合部材(例えば、係合プレート17)とを含んで構成されることが好ましい。この構成によると、簡易な構成で位置合せ具7を構成することができる。
【0040】
また、上記した実施形態では、連結器具1の連結用支持部11,12と、位置合せ具7の位置合せ用支持部19,20とは、形状・寸法が同じである。且つ、連結器具1の連結用プレート13,14と、位置合せ具7の位置合せ用プレート16・係合プレート17とは形状が類似する。このように部品の共通化が図られているので、コストを低減することができる。
【0041】
また、第1実施形態で示したように、アタッチメントの長手方向において所定の間隔をあけて複数の連結器具1を配置することが好ましい。アタッチメントの長手方向における複数箇所でアタッチメントを連結することで、輸送時のアタッチメントの固定がより安定する。
【0042】
また、第2実施形態で示したように、上側のアタッチメントである第2アタッチメントの長手方向端部が上方から当接する受け板6を、アタッチメントの長手方向において連結器具1との間に所定の間隔をあけて下側のアタッチメントである第1アタッチメントの上面に固定することが好ましい。この構成によると、アタッチメント同士の接触によりアタッチメントが傷つくことを防止することができる。
【0043】
以上、本発明の実施形態およびその変形例について説明したが、その他に、当業者が想定できる範囲で種々の変更を行えることは勿論である。
【符号の説明】
【0044】
1:連結器具
2:下部ジブ
3:フロントストラット(第1アタッチメント)
4:リヤストラット(第2アタッチメント)
6:受け板
7:位置合せ具
11:連結用第1支持部
12:連結用第2支持部
13:連結用第1プレート
13a:ピン孔(孔)
14:連結用第2プレート
14a:ピン孔(孔)
15:連結ピン(連結用棒状部材)
17:係合プレート(位置合せ用係合部材)
17a:凹部
18:位置決めガイド(位置合せ用棒状部材)
50:トレーラー
図1
図2
図3
図4
図5
図6