(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第一のイベント情報は、前記外部機器が利用しているネットサービスに係るイベントの発生を示すイベント発生通知であることを特徴とする請求項1に記載のイベント情報通信制御装置。
前記通知設定手段は、複数の前記外部機器が同一の前記イベント発生通知を送信可能な場合に、一の前記外部機器に当該イベント発生通知の送信を要求し、他の前記外部機器には、前記イベント発生通知の送信を行わないように要求することを特徴とする請求項2又は3に記載のイベント情報通信制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態のイベント報知システムの全体構成を示す図である。
【0012】
本実施形態のイベント報知システム1は、イベント報知装置としての電子腕時計400と、この一つの電子腕時計400に対して同時に通信接続が可能な複数の外部機器100とにより構成される。電子腕時計400は、時計本体と、バンドとを備え、腕への装着が可能となっている。外部機器100としては、特に限られないが、例えば、スマートフォン及びノートPCである。電子腕時計400及び複数の外部機器100は、何れも近距離無線通信機能を備えており、例えば、ブルートゥース通信による相互通信が可能となっている。外部機器100は、各々、インターネットなどのネットワークNを介してメールサーバなどのネットワークサービスW(ネットサービス)に接続される。
【0013】
[第1実施形態]
図2は、本発明の実施形態の電子腕時計400の内部構成を示すブロック図である。また、
図3は、本発明の実施形態の外部機器100の内部構成を示すブロック図である。
【0014】
電子腕時計400は、
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)41(イベント発生情報取得手段、通知設定手段、通知元選択手段、通知設定送信制御手段、通知可能情報取得手段、リスト更新手段)と、ROM(Read Only Memory)42と、RAM(Random Access Memory)43と、操作部44と、計時回路45と、表示部46及び表示部46を駆動制御するドライバ47と、無線通信手段としてのBluetoothモジュール48及びUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)49と、振動モータ50及びそのドライバ51と、LED(発光ダイオード)52及びそのドライバ53と、ピエゾ素子54及びそのドライバ55と、CPU41と各部との間で信号のやり取りをするバス56などを備えている。
【0015】
CPU41は、電子腕時計400の全体動作の統轄制御及び各種演算処理を行う。CPU41は、計時回路45の計数する現在時刻に基づいて表示部46に時刻表示を行わせる。また、CPU41は、Bluetoothモジュール48を介して外部機器100から取得されたイベント発生通知に基づき、表示部46に当該イベントの発生を表示させたり、振動モータ50、ピエゾ素子54、及び/又は、LED52を動作させたりすることで、イベント発生に係る報知動作を行わせる。このイベント発生に係る報知動作については、後に詳述する。
【0016】
ROM42は、CPU41が実行する種々のプログラムや初期設定データを格納する。ROM42が格納するデータには、イベント報知プログラム42aが含まれる。CPU41が実行するこのイベント報知プログラム42aにより、複数の外部機器100から通知可能なイベント発生情報の通知のオンオフに係る設定が行われる。
【0017】
RAM43は、CPU41に作業用のメモリ空間を提供する。またRAM43は、報知設定記憶部43a(通知イベント記憶手段)を含み、電子腕時計400が現在外部機器100から受信可能なイベント発生情報のリストと、電子腕時計400が実際にイベント発生情報を受信する外部機器の設定とを記憶する。
【0018】
操作部44は、一又は複数の操作キーやスイッチを備え、ユーザがこれらの操作キーやスイッチに対して行った操作に基づいて電気信号を発生させ、入力信号としてCPU11に出力する。或いは、この操作部44は、タッチパネルなどの他の操作方法を用いるものであっても良い。
【0019】
計時回路45は、現在時刻を計数して保持するカウンタである。電子腕時計400では、計時回路45からこの現在時刻が読み出されて、表示部46に表示される。
【0020】
表示部46は、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)である。CPU41から送られた制御信号により動作するドライバ47(液晶ドライバ)は、LCDを駆動して現在時刻、各種機能の設定状態や設定メニューといった指定された内容に関する表示を行わせる。この表示部46は、或いは、他の表示手段、例えば、有機ELD(Electro-Luminescent Display)であっても良く、ドライバ47は、表示部46の種類によって適宜選択される。
【0021】
この表示部46では、ドットマトリックス表示による日付、時刻などの数字、文字の表示が可能であるのに加え、イベント発生報知に係る標識、例えば、メール着信マークといった予め設定されたイベントを表す記号や図形を表示させることができるものであっても良い。
【0022】
Bluetoothモジュール48は、アンテナAN4を介して外部機器100との間でブルートゥース通信を行うための制御モジュールである。CPU41から送られた送信データは、UART49でシリアル/パラレル変換などの処理が行われて、Bluetoothモジュール48から外部機器100に送信される。また、外部機器100からBluetoothモジュール48を用いて受信された受信データは、UART49でシリアル/パラレル変換などの処理が行われて、CPU41へ出力される。
【0023】
振動モータ50、LED(発光ダイオード)52、及び、ピエゾ素子(PZT)54は、振動、光、及び、ブザー音を発することでユーザに対する報知動作を行うためのものである。CPU41からドライバ51、53、55にそれぞれ制御信号が送られると、ドライバ51、53、55は、それぞれ、振動モータ50、LED52、ピエゾ素子54を動作させるのに必要な電圧信号に変換して出力する。これらの振動モータ50、LED52、ピエゾ素子54、及び、表示部46により、イベント発生報知手段が構成される。
【0024】
外部機器100としては、ここでは、スマートフォンを例に挙げて説明する。
図3に示すように、この外部機器100は、CPU11(イベント発生検出手段、イベント発生通知手段、通知制御手段、通知可能情報送信制御手段)と、ROM12と、RAM13と、記憶部14と、入力手段としての操作部15と、内蔵時計16と、表示部17及びそのドライバ18と、スピーカ19と、マイク20と、コーデック21と、RF送受信回路22と、RF通信の送受信用アンテナAN11と、通信回路23と、Bluetoothモジュール24と、UART25と、ブルートゥース通信の送受信用アンテナAN12と、振動モータ26及びそのドライバ27と、CPU11と各部とを接続するバス28などを備えている。
【0025】
CPU11は、外部機器100の全体動作の統轄制御及び各種演算処理を行う。また、CPU11は、後述する通知サービス設定データ14aに基づいてBluetoothモジュール24に制御信号を送り、電子腕時計400に対して所定のイベント発生に係る通知を送信させることが可能に構成されている。
RAM13は、CPU11に作業用のメモリ空間を提供し、作業用の一時データを記憶する。
【0026】
ROM12は、CPU11が実行する種々のプログラムや初期設定データを格納する。プログラムの中には、種々のネットサービスアプリ12aと、通知サービスプログラム12bとが含まれる。ネットサービスアプリ12aは、インターネット等のネットワークを介した種々のアプリケーションプログラムであり、例えば、所定のメールサーバへのメール着信検出プログラムや、所定のウェブサーバを用いた種々のデータ入力、更新を検出するプログラムが含まれる。また、通知サービスプログラム12bは、上記のネットサービスアプリ12aでそれぞれ所定のイベントが発生した場合にBluetoothモジュール24に制御信号を送って外部機器(ここでは、電子腕時計400)にイベント発生に係る通知を行わせる動作の制御、実行プログラムである。
【0027】
図4は、外部機器100に備えられたプログラムについて説明する図である。
この通知サービスプログラム12bは、外部機器100の起動と共に呼び出されて起動され、外部機器100の動作中に亘り常駐するプログラムである。或いは、この通知サービスプログラム12bは、外部機器100が他の電子機器(ここでは、電子腕時計400)とブルートゥース通信の接続が確立されている間に亘って常駐するプログラムであっても良い。また、この通知サービスプログラム12bは、複数の外部機器100の各々に備えられている。
この通知サービスプログラム12bは、ネットサービスアプリ12aの各々に対して接続されて、各ネットサービスアプリ12aにおけるイベント発生情報を検出し、当該イベント発生情報の外部機器(電子腕時計400)への通知が可に設定されている場合には、通知を行う。
【0028】
記憶部14は、不揮発性の読み書き可能なメモリであり、例えば、フラッシュメモリやEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)である。この記憶部14には、通知サービス設定データ14a(通知可能情報)が含まれる。この通知サービス設定データ14aには、ネットサービスアプリ12aにおけるイベントの発生時に、通知サービスプログラム12bが外部機器(電子腕時計400)に通知を行うか否かを示す設定データが記憶される。
【0029】
操作部15は、複数の操作キーやスイッチを備え、ユーザが当該操作キーやスイッチに対して行った操作に基づいて電気信号を発生させ、入力信号としてCPU11に出力する。或いは、この操作部15には、タッチパネル及びタッチパネルの操作入力検出部を含むこととしても良い。
【0030】
内蔵時計16は、現在時刻を計数して保持するカウンタである。外部機器100では、この現在時刻が読み出されて、表示部17に表示される。また、当該現在時刻データと各種機能に係る設定時刻データとが比較されて種々の動作が行われたりする。この内蔵時計16の現在時刻データは、RF送受信回路22による携帯基地局との通信時に、随時携帯基地局から取得される時刻データにより修正される。
【0031】
表示部17は、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)である。CPU11から送られた制御信号により動作するドライバ18(液晶ドライバ)は、LCDを駆動して外部機器100の各種機能に係る表示を行わせる。この表示部17は、他の表示手段、例えば、有機ELD(Electro-Luminescent Display)であっても良く、ドライバ18は、表示手段の種類により適宜選択される。
【0032】
スピーカ19は、コーデック21からの信号に基づいて電気信号を音声信号に変換して音声を出力する。また、マイク20は、音波を検知して電気信号に変換し、コーデック21に出力する。コーデック21は、符号化圧縮されたデジタル音声信号をデコードしてアナログ信号としてスピーカ19へ送るとともに、マイク20から取得された音声信号をエンコードしてCPU11や通信回路23へ出力する。なお、通話用のスピーカと音声を外部に出力するためのスピーカとを別個に備えることとしてもよい。
【0033】
RF送受信回路22は、RF通信の送受信用アンテナAN11を用いて携帯基地局との間で行われる電話通信データやメール通信データの送受信処理を行う。また、通信回路23は、RF送受信回路22により送受信される送受信データの各種処理を行い、CPU11やコーデック21との間でデータの受け渡しを行う。
【0034】
Bluetoothモジュール24は、アンテナAN12を介して電子腕時計400などの外部機器との間でブルートゥース通信を行うための制御モジュールである。CPU11から送られた送信データは、UART25でシリアル/パラレル変換などの処理が行われて、Bluetoothモジュール24から外部機器に送信される。また、外部機器からBluetoothモジュール24を用いて受信された受信データは、UART25でパラレル/シリアル変換などの処理が行われて、CPU11へ出力される。
【0035】
振動モータ26は、振動を発することでユーザに報知を行うためのものである。CPU41からドライバ27に制御信号が送られると、ドライバ27は、振動モータ26を動作させるのに必要な電圧信号に変換して出力する。
【0036】
図5は、電子腕時計400における報知設定記憶部43aの記憶内容を示す図表である。
この報知設定記憶部43aには、電子腕時計400が外部機器100から受信したイベントの種別に係るサービスID(イベント特定情報)が当該外部機器100を個々に特定するデバイスID(機器特定情報)と関連付けられてテーブル記憶されている。このテーブルの各レコード(イベント通知情報)は、デバイスIDに対応する外部機器100とのブルートゥース通信接続がなされたときにこの外部機器100で実行中のサービス機能や、ブルートゥース通信接続がなされている状態の外部機器100で起動されたサービス機能が順次登録される。一方、登録された各レコードは、ブルートゥース通信接続が切断されたり、ブルートゥース通信接続がなされている状態の外部機器100でサービス機能が停止されたりするたびに削除される。
ここで、サービスIDは、通知サービスプログラム12bにより同一サービスに対しては同一のサービスIDが与えられるように所定のパターンで設定される。即ち、異なる外部機器100で利用される同一のサービスに対し、同一のサービスIDが設定される。また、同一のサービスプログラムであってもユーザが異なるような場合、例えば、一のメールサーバで複数のアカウントによりメールの受信が行われる場合には、各々別個にサービスIDが設定される。
【0037】
また、これらの各レコードには、それぞれ対応する外部機器にイベント発生時の通知を送信させるか否かを示す通知設定(通知設定情報)が登録されている。この通知設定は、新たに設定されたり、設定が変更されたりする毎に対応する外部機器100に送信されて、当該外部機器100にイベント発生通知の有無の設定を行わせる。
【0038】
次に、本実施形態のイベント報知システムにおける電子腕時計400及び外部機器100の動作について説明する。
【0039】
図6は、外部機器100が電子腕時計400とブルートゥース通信の接続を確立するときに行う通信接続処理のCPU11による制御手順を示すフローチャートである。
【0040】
この通信接続処理が開始されると、CPU11は、通信接続を確立し、各種初期設定を行うための接続コマンドを実行する(ステップS151)。電子腕時計400との通信接続が確立されると、CPU11は、通知サービスプログラム12bに基づく動作を行う。CPU11は、先ず、この外部機器100が現在ネットサービスアプリ12aにより実行しているネットサービスのサービスIDを通知サービス設定データ14aから取得し、このサービスIDを順番に電子腕時計400に送信する(ステップS152)。それから、CPU11は、当該サービスIDについてのイベント発生通知を電子腕時計400に対して行うか否かの設定要求を電子腕時計400から受信するまで待機する(ステップS153)。
【0041】
電子腕時計400から設定要求が受信されると、CPU11は、この設定要求が“ON”、即ち、イベント発生通知を行うことを要求する通知であるか否かを判別する(ステップS154)。“ON”通知であると判別された場合には、CPU11は、通知サービス設定データ14aに“ON”設定を書込み(ステップS155a)、その後に、CPU11の処理は、ステップS156に移行する。一方、ステップS154の判別処理で“OFF”通知、即ち、イベント発生通知を行うことを要求しない通知であると判別された場合には、CPU11は、通知サービス設定データ14aにこの“OFF”設定を書込み(ステップS155b)、その後に、CPU11の処理は、ステップS156に移行する。
【0042】
ステップS156の処理に移行すると、CPU11は、外部機器100が実行中であって通知サービス設定データ14aに設定されているサービスに係るサービスIDが全て電子腕時計400に送信されたか否かを判別する。全てのサービスIDが送信されていないと判別された場合には、CPU11の処理は、ステップS152に戻り、Bluetoothモジュール24を介して未送信の他のサービスIDを電子腕時計400に送信させる。全てのサービスIDが電子腕時計400に送信されたと判別された場合には、CPU11は、通信接続処理を終了する。
【0043】
一方、
図7は、電子腕時計400が外部機器100とブルートゥース通信の接続を確立するときに行う通信接続処理のCPU41による制御手順を示すフローチャートである。
【0044】
CPU41は、先ず、外部機器100との通信接続を確立させ、初期設定を行うための種々の接続コマンドを実行する(ステップS451)。このとき、CPU41は、外部機器100のデバイスIDを取得する。
【0045】
外部機器100との通信接続が確立されると、CPU41は、外部機器100から通信サービスを実行中のサービスに係るサービスIDを順番に受信する(ステップS452)。CPU41は、外部機器100からサービスIDを受信すると、このサービスIDを外部機器100のデバイスIDとセットで取得する(ステップS453)。それから、CPU41は、報知設定記憶部43aに現在登録されているサービス数iを確認し(ステップS454)、取得されたデバイスID及びサービスIDをこの報知設定記憶部43aのテーブルデータにおける配列i番目のレコード[i]の要素、デバイスID[i]及びサービスID[i]として関連付けて登録する(ステップS455)。また、このとき、CPU41は、初期値として通知設定[i]に“OFF”を設定する。
【0046】
次に、CPU41は、新たに登録されたデバイスID[i]と異なるデバイスIDであって、サービスID[i]と等しいサービスIDで登録されているレコード[j]を先に報知設定記憶部43aに登録されていたレコード[0]〜[i−1]の中から検索する(ステップS456)。条件を満たすレコードが検出されたと判別された場合には(ステップS457で“有”)、CPU41は、報知設定記憶部43aの通知設定[i]に“OFF”設定を登録する(ステップS458a)。また、CPU41は、Bluetoothモジュール48に指令を送って外部機器100にサービスID[i]に係るイベント発生通知を“OFF”する要求を送信させる(ステップS459a)。そして、CPU41の処理は、ステップS460に移行する。
第1実施形態の通信接続処理において、CPU41は、ステップS456、S457の処理で一つ条件を満たすレコードが検出された時点で残りのレコードの検索を行うことなくステップS458aの処理に移行させることができる。また、ステップS456の処理では、同一のサービスID[i]のものが報知設定記憶部43aに登録されていれば、検出されたレコードでは通知設定が“OFF”であったとしても、他に必ず一つ通知設定が“ON”のものが含まれるものと判断したが、この検索処理の条件として通知設定が“ON”であることも加えて検索を行っても良い。
【0047】
ステップS456の検索処理で条件を満たすレコードが検出されなかったと判別された場合には(ステップS457で“無”)、CPU41は、報知設定記憶部43aの通知設定[i]に“ON”設定を登録する(ステップS458b)。また、CPU41は、Bluetoothモジュール48に指令を送って外部機器100にサービスID[i]に係るイベント発生通知を“ON”する要求を送信させる(ステップS459b)。そして、CPU41の処理は、ステップS460に移行する。
【0048】
ステップS460の処理に移行すると、CPU41は、外部機器100から通信接続設定に係るデータの受信が終了したか否かを判別する。全てのデータが受信されていないと判別された場合には、CPU41は、未だ外部機器100から受信していないサービスIDがあると判断して処理をステップS452の処理に戻す。一方、全てのデータが受信されたと判別された場合には、CPU41は、通信接続処理を終了する。
【0049】
図8は、外部機器100が電子腕時計400との通信接続を解除する際の外部機器における処理の制御手順を示すフローチャートである。
【0050】
図8(a)に示すように、外部機器100のCPU11は、電子腕時計400との通信接続を切断する際に、Bluetoothモジュール24に通信切断に係るコマンドを電子腕時計400へと送信させる(ステップS161)。また、CPU11は、通知サービス設定データ14aに設定された各サービスの通知設定を全て“OFF”に変更する(ステップS162)。そして、CPU11は、電子腕時計400との通信を切断して、切断処理を終了する。
なお、通知サービスプログラム12bがブルートゥース通信の接続が維持されている期間にのみ起動される設定の場合には、ステップS162の処理において、CPU11は、通知サービス設定データ14aの内容を全て消去、または、通知サービス設定データ14a自体を削除した後に、通知サービスプログラム12bを終了するように構成することが出来る。
【0051】
図9は、電子腕時計400が外部機器100により通信接続が解除された際に、電子腕時計400で実行される通知設定変更処理のCPU41による制御手順を示すフローチャートである。
【0052】
この通知設定変更処理は、外部機器100から通信切断コマンドが受信されることで開始される。CPU41は、通信接続が切断された外部機器のデバイスIDを取得し、変数DAとして設定する(ステップS461)。次に、CPU41は、報知設定記憶部43aに記憶されたレコードから、このデバイスIDで登録されたものを、例えば、テーブルの先頭から順番に検索していく(ステップS462)。
【0053】
デバイスIDが変数DAと等しいレコード[j]が検出されたと判別された場合には(ステップS463で“YES”)、CPU41は、このレコード[j]における通信設定[j]が“ON”であるか否かを判別する(ステップS464)。通信設定[j]が“ON”ではないと判別された場合には、CPU41の処理は、そのままステップS469に進む。通信設定[j]が“ON”であると判別された場合には、更に、CPU41は、デバイスIDがデバイスID[j]と異なり、且つ、サービスIDがサービスID[j]と等しいレコード[k]を報知設定記憶部43aから検索する(ステップS465)。
【0054】
条件を満たすレコード[k]が報知設定記憶部43aから検出されたと判別された場合には(ステップS466で“YES”)、CPU41は、このレコード[k]の通知設定[k]を“ON”に設定変更して登録する(ステップS467)。また、CPU41は、Bluetoothモジュール48に指令を送り、デバイスID[k]の外部機器100にサービスID[k]の通知設定を“ON”とする要求を送信させる(ステップS468)。それから、CPU41の処理は、ステップS469に移行する。また、ステップS465の検索処理で条件を満たすレコードが検出されなかったと判別された場合にも(ステップS466で“NO”)、CPU41の処理は、ステップS469に移行する。
【0055】
ステップS469の処理に移行すると、CPU41は、ステップS462の検索処理で検出されたレコードを報知設定記憶部43aのテーブルから削除する。それから、CPU41の処理は、ステップS462に戻り、他のレコードの検索を繰り返す。
【0056】
ステップS462の検索処理で、通信が切断された外部機器100のデバイスIDと等しいデバイスIDで登録されたレコードが検出されなかったと判別された場合には(ステップS463で“NO”)、そのまま通知設定変更処理を終了する。
【0057】
ここで、ステップS468の処理が行われることで、通信接続が維持されている他の外部機器100におけるサービスIDのサービスについての通知設定が変更される。
図8(b)に示すように、この他の外部機器100では、電子腕時計400から通知設定が受信されることで、設定処理が開始される。CPU11は、先ず、この設定データを受信し(ステップS261)、通知設定を“ON”とする要求であるか否かを判別する(ステップS262)。そして、“ON”とする要求であると判別された場合には、CPU11は、通知サービス設定データ14aに、サービスIDに対応する通知設定を“ON”とする更新書込みを行う(ステップS263a)。一方、“OFF”とする要求であると判別された場合には、CPU11は、通知サービス設定データ14aに、サービスIDに対応する通知設定を“OFF”とする更新書込みを行う(ステップS263b)。ステップS263a又はステップS263bで更新書込みが終了すると、CPU11は、設定処理を終了する。
この他の外部機器100は、このような処理により通知設定が“ON”と設定された後にイベント発生が検出された場合には、電子腕時計400に対してイベント発生通知を行う。
【0058】
ここで、電子腕時計400は、外部機器100から明示的に通信接続を解除するコマンドが受信された場合だけではなく、外部機器100と距離が離れるなどにより通信データの送受信が不可能になって通信接続が切れた場合にも同様の処理を行うことが出来る。また、外部機器100は、電子腕時計400との通信接続が切れたことを感知した場合に、同様に、イベント発生通知を“OFF”に切り替えることが出来る。
【0059】
次に、外部機器100と電子腕時計400との間で通信接続が維持された状態で、外部機器100でネットサービスアプリが個別に起動、又は、終了された場合の動作について説明する。
【0060】
図10は、外部機器100において、電子腕時計400との通信接続が維持された状態でネットサービスが起動、又は終了された場合のCPU11による処理の制御手順を示すフローチャートである。
図10(a)に示すように、外部機器100で電子腕時計400との通信接続が維持された状態でネットサービスアプリ12aが起動されると、CPU11は、先ず、このネットサービスの初期設定を実行する(ステップS171)。具体的には、CPU11は、このネットサービスに係るサービスIDを通知サービス設定データ14aに登録する。このとき、初期設定として、CPU11は、サービスIDに対応する通知設定を“OFF”とする。それから、CPU11は、Bluetoothモジュール24に制御信号を送って、開始したネットサービスのサービスIDを電子腕時計400に送信させる(ステップS172)。それから、CPU11は、電子腕時計400から返信があるまで待機し、電子腕時計400からの返信を受信する(ステップS173)。
【0061】
CPU11は、電子腕時計400からの受信データ中に含まれるこのサービスIDについての通知設定を取得する(ステップS174)。そして、受信された通知設定が“ON”を要求するものであると判別された場合には、CPU11は、通知サービス設定データ14aにおけるサービスIDの登録に対応させて通知設定“ON”を書き込む(ステップS175a)。一方、受信された通知設定が“OFF”を要求するものであると判別された場合には、CPU11は、通知サービス設定データ14aにおけるサービスIDの登録に対応させて通知設定“OFF”を書き込む(ステップS175b)。ステップS175a又はステップS175bで通知設定の書込みが終了すると、CPU11は、アプリ起動処理を終了する。
【0062】
一方、
図10(b)に示すように、外部機器100と電子腕時計400との通信接続が維持されたままでネットサービスアプリ12aを終了する際には、CPU11は、Bluetoothモジュール24に制御信号を送って終了するネットサービスのサービスIDを電子腕時計400に送信させる(ステップS181)。また、CPU11は、通知サービス設定データ14aに登録されている設定を削除する(ステップS182)。そして、CPU11は、ネットサービスアプリ12aの終了とともにアプリ終了処理を終了する。
【0063】
図11は、通信接続が維持されている外部機器100でネットサービスアプリ12aが起動された際に、電子腕時計400で実行される通知設定追加処理のCPU41による制御手順を示すフローチャートである。
【0064】
この通知設定追加処理は、外部機器100で
図10(a)に示したアプリ起動処理が行われ、ステップS172の処理で外部機器100から送信されたサービスIDが電子腕時計400により受信された場合に開始される。先ず、CPU41は、この受信データからサービスID(WSID)を取得し(ステップS471)、この外部機器100のデバイスID(DA)と対応付ける(ステップS472)。それから、CPU41は、報知設定記憶部43aに登録済みのレコード数iを取得し(ステップS473)、取得されたサービスID(変数WSID)及びデバイスID(変数DA)をレコード[i]のサービスID[i]及びデバイスID[i]としてそれぞれ報知設定記憶部43aに追加登録する(ステップS474)。また、CPU41は、初期値として、通知設定[i]を“OFF”とする。
【0065】
次に、CPU41は、報知設定記憶部43aのテーブルから、デバイスID[j]が変数DAと異なり、且つ、サービスID[j]が変数WSIDと同一のレコードを検索する(ステップS475)。CPU41は、この条件を満たすレコードが検出されたと判別された場合には(ステップS476で“YES”)、レコード[i]の通知設定[i]に“OFF”を書込み登録する(ステップS477a)。また、CPU41は、Bluetoothモジュール48に制御信号を送り、レコード[i]に係るデバイスID(変数DA)の外部機器100に対し、サービスIDが変数WSIDのネットサービスについて、イベント発生通知を“OFF”する要求を送信させる(ステップS478a)。そして、CPU41は、通知設定追加処理を終了する。
【0066】
一方、ステップS475の検索処理で条件を満たすレコードが検出されなかったと判別された場合には(ステップS476で“NO”)、レコード[i]の通知設定[i]に“ON”を書き込み登録する(ステップS477b)。また、CPU41は、Bluetoothモジュール48に制御信号を送り、このレコード[i]に係るデバイスID(変数DA)の外部機器100に対し、サービスIDが変数WSIDのサービスについて、イベント発生通知を“ON”する要求を送信させる(ステップS478b)。そして、CPU41は、通知設定追加処理を終了する。
【0067】
図12は、通信接続が維持されている外部機器100でネットサービスアプリ12aが終了された際に電子腕時計400で実行される通知設定削除処理のCPU41による制御手順を示すフローチャートである。
【0068】
この通信設定削除処理は、外部機器100で
図10(b)に示したアプリ終了処理が行われて、ステップS181の処理で送信されたサービスIDが電子腕時計400により受信された場合に開始される。先ず、CPU41は、この受信データからサービスIDを取得して変数WSIDとして設定し(ステップS481)、この外部機器100のデバイスID(変数DA)と対応付ける(ステップS482)。それから、CPU41は、報知設定記憶部43aからデバイスID[i]が変数DAと等しく、且つ、サービスID[i]が変数WSIDと等しいレコード[i]を検索する(ステップS483)。
【0069】
このようなレコード[i]が検出されると、CPU41は、このレコード[i]の通知設定[i]が“ON”に設定されているか否かを判別する(ステップS484)。通知設定[i]が“ON”である場合には、続いて、CPU41は、例えば、先頭から、デバイスID[j]が変数DAと異なり、且つ、サービスID[j]が変数WSIDと等しいレコード[j]を検索していく(ステップS485)。この条件を満たすレコード[j]が検出されたと判別された場合には(ステップS486で“有”)、CPU41は、このレコード[j]の通知設定[j]を“ON”に更新登録する書込みを行い(ステップS487)、また、Bluetoothモジュール48に制御信号を送って、このレコード[j]のデバイスID[j]に対応する他の外部機器100に対し、サービスID[j]に係るイベント発生通知を“ON”にする要求を送信させる(ステップS488)。その後、CPU41は、レコード[i]を報知設定記憶部43aから削除する(ステップS489)。
【0070】
また、ステップS484の判別処理で通知処理[i]が“OFF”であると判別された場合、及び、ステップS486の判別処理で、ステップS485の検索処理で条件を満たすレコード[j]が検索されなかったと判別された場合には、CPU41の処理は、そのままステップS489に移行し、レコード[i]を報知設定記憶部43aから削除する。
【0071】
レコード[i]が報知設定記憶部43aから削除されると、CPU41は、通知設定削除処理を終了する。
【0072】
以上のように、第1実施形態の電子腕時計400及びイベント報知システム1は、複数の外部機器100と無線通信が可能なBluetoothモジュール48を介して外部機器100から取得されるネットサービスWに係る所定のイベント発生通知を取得するCPU41が、当該イベント発生通知に基づいて、表示部46に所定の表示を行わせたり、振動モータ50、LED52、ピエゾ素子54などを動作させたりすることによりイベントの発生をユーザに報知する。このとき、複数の外部機器100から同一のイベント発生通知が電子腕時計400に対して重複して送信可能な状態にある場合には、CPU41が一の外部機器100に対してのみイベント発生通知の送信を要求し、他の外部機器100にはイベント発生通知の送信を行わせないように設定することで、イベント発生通知の重複受信や、イベント発生に係る報知動作の繰り返しを防止することが出来る。
【0073】
また、外部機器100において電子腕時計400に対して通知可能なイベント発生通知が通信接続、解除やネットサービスアプリ12aの開始、終了に伴い増えたり減ったりする毎に、自動的に外部機器100から電子腕時計400に情報が伝えられ、この情報に基づいて一のイベント発生通知を行わせる外部機器100が決定されるので、自動で常に重複及び欠落無くイベント発生に係る通知を受信し、ユーザに報知することが出来る。
【0074】
また、通知可能情報の登録順などにより容易に再設定を行うことが出来るので、電子腕時計400に不要な負荷をかけない。
【0075】
また、報知設定記憶部43aに外部機器100から取得されたイベント発生通知の可能なリストがテーブル記憶されるので、このテーブルデータに基づいて容易にイベント発生通知の送信元を選択決定することが出来る。
【0076】
一方で、電子腕時計400に対して一のイベント発生通知が既に送信されている状態で新たに同じイベント発生通知が可能な外部機器100が接続されたりした場合には、送信元の切り替えを行わないことで、必要以上の処理の手間で電力消費を増大させずとも確実に一の外部機器100からイベント発生通知を受信することが出来る。
【0077】
また、報知設定記憶部43aに記憶されるテーブルデータは、電子腕時計400に対して通知可能なイベント発生通知が増加、又は、減少するごとに更新される。そして、この最新の報知設定記憶部43aのデータに基づき、デバイスIDやサービスIDに基づいて必要なデータを容易に抽出して受信設定を行うことが出来る。従って、設定のたびに毎回外部機器100から種々のデータを取得する必要がない。
【0078】
また、外部機器100と通信接続がなされた場合には、当該外部機器100から送信可能なイベント発生通知に係る通知設定についてまとめて再設定が行われ、通信接続がなされている外部機器100において新たにイベント発生通知に係るネットサービスアプリ12aが起動された場合には、当該イベント発生通知に係る通知設定について随時再設定が行われる。
【0079】
また、反対に、外部機器100との通信接続が切断された場合や、通信接続がなされている外部機器100においてイベント発生通知に係るネットサービスアプリ12aが終了した場合には、送信が不可能になったイベント発生通知に係る通知設定が“ON”の場合にのみ再設定が行われる。即ち、イベント発生通知が当該切断や終了と関係なければ不要な処理を行わず、一方で、イベント発生通知が途切れないように的確に設定することが出来る。
【0080】
また、上記実施形態の電子腕時計400及び外部機器100により構成されるイベント報知システム1では、外部機器100がネットサービスに接続可能であり、このネットサービスに係るイベントが発生した場合には、通知サービスプログラム12bによって逐次電子腕時計400に対してイベント発生通知を行うことが可能であり、このイベント発生通知を実際に行うか否かを電子腕時計400からの要求に基づき設定可能であるので、同一のネットサービスWが他の外部機器100で利用されている場合におけるイベント発生通知のオンオフ制御を容易に行うことが出来る。
【0081】
また、電子腕時計400と外部機器100との間で通信接続が意図せず切断された場合でも、速やかに外部機器100及び電子腕時計400の双方で対応が行われるので、外部機器100では無用な動作が行われない一方、電子腕時計400では、必要なイベント発生通知を欠落なく他の機器から受信可能に設定することができる。
【0082】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態のイベント報知システム1について説明する。
この第2実施形態のイベント報知システム1の構成は、第1実施形態のイベント報知システムの構成と同一であり、説明を省略する。また、第2実施形態の外部機器100の内部構成は、第1実施形態の外部機器100の内部構成と同一であり、説明を省略する。
【0083】
図13は、第2実施形態のイベント報知システム1を構成する電子腕時計400aの内部構成を示すブロック図である。この第2実施形態の電子腕時計400aは、第1実施形態の電子腕時計400の構成に加え、RAM43に更に優先度設定テーブル43b(優先順記憶手段)が備えられている点を除き同一であり、同一の構成については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0084】
図14は、優先度設定テーブル43bの内容例を示す図表である。
この電子腕時計400aが備える優先度設定テーブル43bは、複数の外部機器100から同一のサービスIDに係るイベント通知が可能な場合に、通知設定を“ON”する優先順を定めるデータを含む。この優先順の設定は、
図14(a)に示すように、全てのサービスに対し一様に外部機器順での設定でも良いし、
図14(b)に示すように、サービスID毎に個別に設定されてもよい。この優先順の設定は、ユーザ操作に基づいて予め行われてRAM43に記憶されているものである。
【0085】
図15は、第2実施形態の電子腕時計400aで実行される通信接続処理のCPU41による制御手順を示すフローチャートである。
【0086】
この第2実施形態の電子腕時計400aにおける通信接続処理は、第1実施形態の電子腕時計400における通信接続処理と比較して、ステップS456の処理がステップS456aに変更され、ステップS457とステップS458aの処理の間にステップS457b、S457cの処理が追加され、また、ステップS457cとステップS458bの処理の間に、ステップS458c、S459cの処理が追加されている。その他の処理については同一であり、同一の符号を付して説明を省略する。
【0087】
ステップS456aの処理では、CPU41は、デバイスIDが変数DAと異なり、且つ、サービスIDが変数WSIDと等しいレコードを報知設定記憶部43aから全て検索する。そして、一以上のレコードが検出されたと判別された場合(ステップS457で“YES”)には、CPU41は、更に、検出されたレコードの中で、通知設定が“ON”となっているもののレコード番号j1を同定する(ステップS457b)。CPU41は、優先度設定テーブル43bを参照してデバイスID[j1]と変数DAとに係る外部機器の優先度を取得し、変数DAが設定された外部機器100の優先度の方が高いか否かを判別する(ステップS457c)。変数DAが設定された外部機器100の優先度の方が低いと判別された場合には、CPU41の処理は、ステップS458aに移行し、通知設定[i]を“OFF”とする。
【0088】
一方、変数DAが設定された外部機器100の優先度の方がデバイスID[j1]の優先度よりも高いと判別された場合には、CPU41は、報知設定記憶部43aにおける通知設定[j1]を“OFF”に変更する書込み登録を行う(ステップS458c)。また、CPU41は、Bluetoothモジュール48に制御信号を送り、デバイスID[j1]の外部機器100に対してサービスID[j1]の通知を“OFF”する要求を送信させる(ステップS459c)。その後、CPU41の処理は、ステップS458bに移行して、CPU41は、通知設定[i]を“ON”する書込み登録を行う。
【0089】
従って、外部機器100と通信接続が確立された場合に、この外部機器100が通知可能なイベント発生通知のうち、今まで同一のイベント発生通知を実行していた他の外部機器の優先度よりもこの外部機器100の優先度が高い場合には、通知先が他の外部機器からこの新たに通信接続された外部機器100に変更されることになる。
【0090】
図16は、第2実施形態の電子腕時計400aで実行される通知設定変更処理のCPU41による制御手順を示すフローチャートである。
【0091】
この第2実施形態の電子腕時計400aにおける通知設定変更処理は、第1実施形態の電子腕時計400における通知設定変更処理と比較して、ステップS465、S467の処理が、それぞれステップS465a、S467aの処理に変更されている。これ以外の処理については同一であり、同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0092】
CPU41は、ステップS464の判別処理において通信設定[j]が“ON”であると判別された場合には、報知設定記憶部43aを検索してデバイスIDがデバイスID[j]と異なり、且つ、サービスIDがサービスID[j]と同一という条件を満たすレコード[k]を全て検出する(ステップS465a)。そして、この条件を満たすレコード[k]が一つ以上検出されたと判別された場合には(ステップS466で“YES”)、CPU41は、優先度設定テーブル43bを参照してこれらのレコード[k]におけるデバイスID[k]に対応する外部機器の中で最も優先度が高いk=k1を同定し、通知設定[k1]を“ON”に変更する更新登録を行う(ステップS467a)。また、CPU41は、Bluetoothモジュール48に制御信号を出力し、デバイスID[k1]の外部機器100に対してサービスID[k1]に係るイベント発生通知を“ON”する要求を送信させる(ステップS468)。
【0093】
従って、通知設定が“ON”であったネットサービスアプリ12aに係る外部機器100の通信が切断されてイベント発生通知の受信が不可能になった場合には、同一のイベント発生通知を送信可能な他の外部機器100の中で最も優先度が高い外部機器の当該ネットサービスアプリ12aに係る通知設定が“ON”に変更されることになる。
【0094】
図17は、第2実施形態の電子腕時計400aにおいて実行される通知設定追加処理のCPU41による制御手順を示すフローチャートである。
【0095】
この第2実施形態の電子腕時計400aによる通知設定追加処理は、第1実施形態の電子腕時計400による通知設定追加処理と比較して、ステップS475の処理がステップS475aに変更されると共に、ステップS476b、S476c、S477c、S478cの処理が追加されている。その他の処理は同一であり、同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0096】
ステップS475aの処理では、CPU41は、報知設定記憶部43aからデバイスIDが変数DAと異なり、且つ、サービスIDが変数WSIDと等しいレコードを全て検索する。そして、一以上のレコードが検出されたと判別された場合(ステップS476で“YES”)には、CPU41は、更に、一又は複数の検出されたレコードの中で、通知設定が“ON”となっているもののレコード番号j1を同定する(ステップS476b)。CPU41は、優先度設定テーブル43bを参照してデバイスID[j1]と変数DAとに係る外部機器の優先度を取得し、変数DAに対応する外部機器の優先度の方が高いか否かを判別する(ステップS476c)。変数DAに対応する外部機器の優先度の方が低いと判別された場合には、CPU41の処理は、ステップS477aに移行し、通知設定[i]を“OFF”とする。
【0097】
一方、変数DAに対応する外部機器の優先度の方がデバイスID[j1]が設定された外部機器の優先度よりも高いと判別された場合には、CPU41は、報知設定記憶部43aにおける通知設定[j1]を“OFF”に変更する書込み登録を行う(ステップS477c)。また、CPU41は、Bluetoothモジュール48に制御信号を送り、デバイスID[j1]の外部機器100に対してサービスID[j1]の通知を“OFF”する要求を送信させる(ステップS478c)。その後、CPU41の処理は、ステップS477bに移行して、CPU41は、通知設定[i]を“ON”する書込み登録を行う。
【0098】
従って、外部機器100においてネットサービスアプリ12aが起動されたことで追加されたイベント発生通知の優先度が、現在他の外部機器によって行われている同一のネットサービスアプリ12aに係るイベント発生通知の優先度よりも高い場合には、このイベント発生通知の送信元がこのネットサービスアプリ12aが起動された外部機器100に切り替えられることになる。
【0099】
図18は、第2実施形態の電子腕時計400aにおいて実行される通知設定削除処理のCPU41による制御手順を示すフローチャートである。
【0100】
この第2実施形態の電子腕時計400aにおける通知設定削除処理は、第1実施形態の電子腕時計400における通知設定削除処理と比較して、ステップS485の処理がステップS485aの処理に変更され、また、ステップS487の処理がステップS487a、S487bの処理に分割、変更されている。その他の処理は同一であり、同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0101】
CPU41は、ステップS484の判別処理において通知設定[i]が“ON”であると判別された場合には、報知設定記憶部43aを検索してデバイスIDがデバイスID[i]と異なり、且つ、サービスIDがサービスID[i]と同一という条件を満たすレコード[j]を全て検出する(ステップS485a)。そして、この条件を満たすレコード[k]が一つ以上検出されたと判別された場合には(ステップS486で“YES”)、CPU41は、優先度設定テーブル43bを参照してこれらのレコード[j]において最も優先度が高いj=j1を同定する(ステップS487a)。また、CPU41は、通知設定[j1]を“ON”に変更する更新登録を行う(ステップS487b)。CPU41は、Bluetoothモジュール48に制御信号を出力し、デバイスID[j1]の外部機器100に対してサービスID[j1]の通知を“ON”する要求を送信させる(ステップS488)。それから、CPU41の処理は、ステップS489に移行する。
【0102】
従って、外部機器100において、通知設定が“ON”であったイベント発生通知に係るネットサービスアプリ12aが終了した場合には、同一のイベント発生通知を送信可能な他の外部機器100の中で最も優先度が高い外部機器の通知設定が“ON”に変更されることになる。
【0103】
以上のように、第2実施形態の電子腕時計400a及びイベント報知システム1によれば、電子腕時計400に対して一のイベント発生通知を送信可能な外部機器100が増えるたびに、予め設定された優先順に基づいて当該イベント発生通知の送信元が再設定されるので、複数の外部機器100との無線通信の接続状態により最適な送信元を適宜選択することが出来る。
【0104】
また、所定の優先度に基づいてイベント発生通知の送信を許可する外部機器100を定める際に、デバイスID、サービスID、及び通知設定を保持しておくことで、速やかに現在の通知設定が“ON”の外部機器が検出でき、再設定の際に、この外部機器及びサービスIDに係る優先度と、新たに追加されたデバイスID及びサービスIDに係る優先度のみを比較すればよいので、更に設定が容易になる。
【0105】
また、予め優先度設定テーブル43bを用意しておくことで、ユーザの使用状況にあった適切な外部機器100から優先的にイベント発生通知を受信することが出来る。従って、外部機器100間でネットサービスへのアクセス頻度が異なるような場合に、ユーザの所望するアクセス頻度で優先的にイベント発生通知に係るデータを取得することが出来る。
【0106】
[変形例]
次に、第2実施形態のイベント報知システム1の変形例について説明する。
上記の第2実施形態のイベント報知システム1では、予め電子腕時計400aのRAM43に優先度設定テーブル43bが記憶されていることとしたが、このような相対的な優先度を予め定めるのではなく、報知設定記憶部43aにレコードが登録される毎に当該レコードの優先度の絶対値(パラメータ)を合わせて登録させることとしても良い。
【0107】
この場合の電子腕時計400aにおける各制御手順は、第2実施形態の電子腕時計400aにおける各制御手順とすべて同一である。但し、優先度に基づく外部機器100の判別には、優先度設定テーブル43bではなく、各レコードに登録された優先度の大小関係が用いられる。なお、優先度の絶対値が等しい場合には、第1実施形態の電子腕時計400と同様に、先に登録された外部機器100にイベント発生通知を行わせることが出来る。
【0108】
以上のように、変形例の電子腕時計400aによれば、報知設定記憶部43aにレコードの登録をする際に合わせて優先度が記憶させられるので、別途優先度設定テーブル43bを常備させておく必要がない。また、このように絶対値に基づく優先度を自動的に設定することが出来るので、ユーザが相対的に優先順を定める手間をかけなくてもよい。
【0109】
また、報知設定記憶部43aへの登録ごとに行われるので、時刻や日付などにより適切な異なる条件で設定することが出来る。例えば、昼間は職場のPC、夜間は自宅のPCとの接続利用を考慮して優先度の設定を行うなど、自在に優先度を変化させて設定を行うことが出来る。
【0110】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、イベント報知装置として電子腕時計を例に挙げて説明したが、これに限られない。電子歩数計といった他の腕装着型端末に本発明を適用することでも、複数の外部機器を手などに保持して移動しづらい状況などに効果的に用いることが出来る。或いは、腕装着型の端末に限らず、逆に携帯電話をイベント報知装置として用いることもできる。また、腕時計に限らず、懐中時計や机に置かれるような小型の置時計などに本発明を適用することも可能である。
【0111】
また、上記実施の形態では、ブルートゥース通信を無線通信の例に挙げて説明したが、継続的な接続、又は、所望のタイミングでの随時接続が可能な無線方式であれば、例えば、UWB(Ultra Wide Band)などの他の近距離無線通信であってもよい。
【0112】
また、上記実施の形態では、イベントの発生を報知する手段として、表示部46への表示、LED発光、振動モータによる振動、ピエゾ素子によるブザー音などを例に挙げたが、他の方法でもよく、また、同じ発光でも有機ELDを用いるといった他の手段を用いることとしても良い。
【0113】
また、上記実施の形態では、何れかの外部機器100により通知可能なイベント発生通知が必ず行われることとしたが、ユーザの希望などにより、一部又は全部のイベント発生通知を何れの外部機器100からは受け取らないこととしてもよい。
【0114】
また、上記実施の形態では、通信接続が切れた場合には、意図的な切断ではなくても即座にイベント発生通知の送信元の切り替え処理が行われたが、一時的なノイズなどを考慮して若干の猶予時間を設けることとしても良い。
その他、上記実施の形態で示した具体的な構成、数値、手順などの細部は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0115】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
【0116】
[付記]
<請求項1>
通信ネットワークを用いたネットサービスと接続して当該ネットサービスを利用することが可能な複数の外部機器との通信接続を維持している期間に亘り、当該ネットサービスに係る所定の情報が無線を介して送受信可能な無線通信手段と、
前記通信接続がなされている前記外部機器の各々から、当該外部機器が利用している前記ネットサービスに係る所定のイベントの発生を示すイベント発生通知を前記無線通信手段により取得するイベント発生情報取得手段と、
前記通信接続がなされている前記複数の外部機器から各々送信可能なイベント発生通知に係る通知可能情報を前記無線通信手段により取得する通知可能情報取得手段と、
前記通知可能情報に基づき、複数の前記外部機器が独立に同一の前記イベント発生通知を送信可能な場合に、一の前記外部機器に当該イベント発生通知の送信を要求し、他の前記外部機器には、前記イベント発生通知の送信を行わないように要求する通知設定手段と、
前記通知設定手段により前記イベント発生通知の送信を要求した前記外部機器から前記イベント発生情報取得手段により取得された前記イベント発生通知に基づき、所定の動作によりユーザに前記所定のイベントの発生を報知するイベント発生報知手段と、
を備えることを特徴とするイベント報知装置。
<請求項2>
取得された前記通知可能情報に基づき、複数の前記外部機器をそれぞれ特定する機器特定情報と、当該外部機器が送信可能な前記イベント発生通知の種別を示すイベント特定情報とを各々対応付けてイベント通知情報として記憶する通知イベント記憶手段を備え、
前記通知設定手段は、一の前記イベント特定情報に対応付けられた一又は複数の前記機器特定情報により特定される一又は複数の前記外部機器の中から、前記イベント発生通知の送信を許可する前記外部機器を設定する
ことを特徴とする請求項1記載のイベント報知装置。
<請求項3>
前記通知設定手段は、
所定の優先順で前記複数の外部機器の各々に対して前記イベント発生通知の送信の可否を示す通知設定情報を設定する通知元選択手段と、
前記無線通信手段により、前記複数の外部機器に対して前記通知設定情報を送信させる通知設定送信制御手段と
を備え、
前記通知元選択手段は、
同一の前記イベント発生通知を送信可能な前記外部機器の数が増加した場合には、前記所定の優先順で当該イベント発生通知の送信を許可する一の前記外部機器を再設定し、
前記通知設定送信制御手段は、
当該イベント発生通知の送信の可否に係る設定が新たになされた、及び/又は、変更された前記外部機器に対し、前記再設定にされた前記通知設定情報を前記無線通信手段により送信させる
ことを特徴とする請求項2記載のイベント報知装置。
<請求項4>
前記通知元選択手段は、
既に一の外部機器に対して送信許可がなされている前記イベント発生通知を送信可能な前記外部機器が追加された場合には、当該追加された外部機器が前記イベント発生通知の送信を行わないように設定する
ことを特徴とする請求項3記載のイベント報知装置。
<請求項5>
前記通知設定手段は、
前記イベント発生通知を送信可能な前記外部機器の数が増加した場合には、当該増加した前記イベント発生通知に係る前記イベント通知情報を前記通知イベント記憶手段に追加記憶させるリスト更新手段を備え、
前記通知元選択手段は、
当該リスト更新手段により前記イベント記憶手段の更新がなされた後に、前記増加したイベント発生通知に係る前記イベント特定情報に対応付けられた一又は複数の前記機器特定情報により特定される一又は複数の前記外部機器を抽出し、前記イベント発生通知の送信を許可する前記外部機器を再設定する
ことを特徴とする請求項3記載のイベント報知装置。
<請求項6>
前記イベント通知情報には、対応する前記通知設定情報が含まれ、
前記通知元選択手段は、一の前記イベント発生通知を送信可能な前記外部機器が追加された場合には、当該通知イベント記憶手段に記憶された前記一のイベント発生通知に係る前記通知設定情報により前記イベント発生通知の送信が許可されている一の前記外部機器を同定し、当該一の外部機器と前記追加された外部機器との間での前記所定の優先順に基づいて前記通知設定情報の再設定を行う
ことを特徴とする請求項3記載のイベント報知装置。
<請求項7>
前記通知元選択手段は、一又は複数の前記イベント発生通知の送信が可能な外部機器との通信接続がなされた場合には、当該イベント発生通知に係る前記通知設定情報を全て再設定する
ことを特徴とする請求項3〜6の何れか一項に記載のイベント報知装置。
<請求項8>
前記通知元選択手段は、既に通信接続がなされている前記外部機器において、前記イベント発生通知に係る前記ネットサービスの利用が開始された場合には、当該イベント発生通知に係る前記通知設定情報を再設定する
ことを特徴とする請求項3〜6の何れか一項に記載のイベント報知装置。
<請求項9>
前記通知元選択手段は、
前記イベント発生通知の送信が許可された前記外部機器の前記通信接続が解除された場合には、前記所定の優先順で当該イベント発生通知の送信を許可する一の前記外部機器を再設定し、
前記通知設定送信制御手段は、
当該イベント発生通知の送信許可が新たに設定された前記外部機器に対して前記無線通信手段により前記再設定に係る前記通知設定情報を送信させる
ことを特徴とする請求項3記載のイベント報知装置。
<請求項10>
前記通知元選択手段は、前記イベント発生通知の送信が許可された前記外部機器において当該イベント発生通知に係る前記ネットサービスの利用が停止された場合には、前記所定の優先順で当該イベント発生通知の送信を許可する一の前記外部機器を再設定し、
前記通知設定送信制御手段は、
当該イベント発生通知の送信許可が設定された前記外部機器に対して前記無線通信手段により前記再設定に係る前記通知設定情報を送信させる
ことを特徴とする請求項3記載のイベント報知装置。
<請求項11>
前記リスト更新手段は、
前記外部機器が前記イベント発生通知を送信可能な状態から送信不可能な状態になった場合には、当該送信不可能になった前記イベント発生通知に係る前記イベント通知情報を前記通知イベント記憶手段から削除する
ことを特徴とする請求項5記載のイベント報知装置。
<請求項12>
前記所定の優先順を記憶する優先順記憶手段を備え、
前記通知設定手段は、前記優先順記憶手段に記憶された前記所定の優先順を参照して前記イベント発生通知の送信を許可する一の前記外部機器を設定する
ことを特徴とする請求項3〜11の何れか一項に記載のイベント報知装置。
<請求項13>
請求項1〜12の何れか一項に記載のイベント報知装置と、
複数の前記外部機器とからなるイベント報知システムであって、
前記外部機器の各々は、
前記ネットサービスにおいて発生した所定のイベントを検出して出力するイベント発生検出手段と、
前記イベント発生検出手段の出力に基づき前記イベント発生通知を前記イベント報知装置に無線を介して送信するイベント発生通知手段と、
前記通信接続がなされている前記イベント報知装置に対し、無線を介して前記通知可能情報を送信する通知可能情報送信制御手段と、
前記イベント報知装置から要求された前記イベント発生通知の送信可否に基づき、前記イベント発生通知手段による前記イベント発生通知の送信有無を制御する通知制御手段と
を備えることを特徴とするイベント報知システム。
<請求項14>
前記通知制御手段は、前記イベント報知装置と前記外部機器との間の通信接続が切断された場合には、送信許可の設定がなされていた前記イベント発生通知の送信を全て行わない設定に変更する
ことを特徴とする請求項13に記載のイベント報知システム。