(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
処理装置本体での処理を指示する指示情報並びに当該処理装置本体の処理に関わる処理情報を表示する表示機能と前記指示情報の表示領域内を触れることで当該指示情報を指定する入力機能とを備えたタッチパネル部と、タッチパネル部の背面側から点灯することで表示内容を明瞭化するバックライト部と、を具備するユーザーインターフェイス部と、
前記タッチパネル部の表示機能と入力機能を含み、前記処理装置本体の処理を制御する制御部と、
前記処理装置本体の周辺において移動中の移動体を検出可能であり、少なくとも検出可能距離が相対的に長短の関係を持つ少なくとも2種類の移動体検出手段と、
前記移動体検出手段の内、検出距離が長い一方の移動体検出手段で移動体を検出した時点で、検出距離が短い他方の移動検出手段による検出を開始し、かつ前記他方の移動体検出手段で移動体を検出した時点で、前記制御部に電力を供給すると共に、前記バックライト部を通常の明るさで点灯させる電力供給手段と、
前記制御部に電力が供給されている状態で、前記他方の移動体検出手段が移動体を検出しなくなると、最先に前記バックライト部を通常の明るさよりも暗い予め定めた明るさになるように、明るさを調整する調整手段と、
前記調整手段で前記バックライト部を予め定めた明るさに低減している状態で、前記一方の移動体検出手段が移動体を検出しなくなってから、予め設定された限界時間まで時間を計時する計時手段と、
前記計時手段の計時時間の長さに応じて、前記予め定めた明るさから暗くしていき、前記限界時間に到達した時点でバックライト部を消灯するように、電力供給を遮断する電力低減手段とを有し、
前記電力低減手段が、
前記計時手段による計時において、限界時間に到達する前に、再度、前記一方の移動体検出手段で移動体を検出した場合に、前記調整手段による明るさ調整による明るさへ戻す電力供給制御装置。
処理装置本体での処理を指示する指示情報並びに当該処理装置本体の処理に関わる処理情報を表示する表示機能と前記指示情報の表示領域内を触れることで当該指示情報を指定する入力機能とを備えたタッチパネル部と、タッチパネル部の背面側から点灯することで表示内容を明瞭化するバックライト部と、を具備するユーザーインターフェイス部を対象とした電力供給制御プログラムであって、
コンピュータに、
前記処理装置本体の周辺において移動中の移動体を検出可能であり、少なくとも検出可能距離が相対的に長短の関係を持つ少なくとも2種類の移動体検出手段の内、検出距離が長い一方の移動体検出手段で移動体を検出した時点で、検出距離が短い他方の移動検出手段による検出を開始し、
かつ、前記他方の移動体検出手段で移動体を検出した時点で、前記タッチパネル部の表示機能と入力機能を含み、前記処理装置本体の処理を制御する制御部に電力を供給すると共に、前記バックライト部を通常の明るさで点灯させ、
前記制御部に電力が供給されている状態で、前記他方の移動体検出手段が移動体を検出しなくなると、最先に前記バックライト部を通常の明るさよりも暗い予め定めた明るさになるように、明るさを調整し、
前記バックライト部を予め定めた明るさに低減している状態で、前記一方の移動体検出手段が移動体を検出しなくなってから、予め設定された限界時間まで時間を計時し、
計時時間の長さに応じて、前記予め定めた明るさから暗くしていき、前記限界時間に到達した時点でバックライト部を消灯するように、電力供給を遮断すると共に、
前記計時において、限界時間に到達する前に、再度、前記一方の移動体検出手段で移動体を検出した場合に、前記バックライト部を通常の明るさよりも暗い予め定めた明るさになるように、明るさ調整の初期状態へ戻す、
ことを実行させる電力供給制御プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1に示される如く、本実施の形態に係る画像処理装置10は、インターネット等のネットワーク通信回線網20に接続されている。
図1では、2台の画像処理装置10が接続されているが、この数は限定されるものではなく、1台でもよいし、3台以上であってもよい。
【0027】
また、このネットワーク通信回線網20には、情報端末機器としての複数のPC(パーソナルコンピュータ)21が接続されている。
図1では、2台のPC21が接続されているが、この数は限定されるものではなく、1台でもよいし、3台以上であってもよい。また、情報端末機器としては、PC21に限定されるものではなく、さらには有線接続である必要もない。すなわち、無線によって情報を送受信する通信回線網であってもよい。
【0028】
図1に示される如く、画像処理装置10では、PC21から当該画像処理装置10に対して、遠隔で、例えばデータを転送して画像形成(プリント)指示操作を行なう場合、或いは使用者(ユーザー)が画像処理装置10の前に立ち、各種操作によって、例えば、複写(コピー)、スキャン(画像読取)、ファクシミリ送受信等の処理を指示する場合がある。
【0029】
図2には、本実施の形態に係る画像処理装置10が示されている。
【0030】
画像処理装置10は、記録用紙に画像を形成する画像形成部240と、原稿画像を読み取る画像読取部238と、ファクシミリ通信制御回路236を備えている。画像処理装置10は、メインコントローラ200を備えており、画像形成部240、画像読取部238、ファクシミリ通信制御回路236を制御して、画像読取部238で読み取った原稿画像の画像データを一次的に記憶したり、読み取った画像データを画像形成部240又はファクシミリ通信制御回路236へ送出したりする。
【0031】
メインコントローラ200にはインターネット等のネットワーク通信回線網20が接続され、ファクシミリ通信制御回路236には電話回線網22が接続されている。メインコントローラ200は、例えば、ネットワーク通信回線網20を介してホストコンピュータと接続され、画像データを受信したり、ファクシミリ通信制御回路236を介して電話回線網22を用いてファクシミリ受信及びファクシミリ送信を実行する役目を有している。
【0032】
画像読取部238は、原稿を位置決めする原稿台と、原稿台に置かれた原稿の画像を走査して光を照射する走査駆動系と、走査駆動系の走査により反射又は透過する光を受光して電気信号に変換するCCD等の光電変換素子と、が設けられている。
【0033】
画像形成部240は、感光体を備え、感光体の周囲には、感光体を一様に帯電する帯電装置と、画像データに基づいて光ビームを走査する走査露光部と、前記走査露光部によって走査露光されることで形成された静電潜像を現像する画像現像部と、現像化された感光体上の画像を記録用紙へ転写する転写部と、転写後の感光体の表面をクリーニングするクリーニング部と、が設けられている。また、記録用紙の搬送経路上には、転写後の記録用紙上の画像を定着する定着部を備えている。
【0034】
画像処理装置10には、入力電源線244の先端にコンセント245が取り付けられており、壁面Wまで配線された商用電源242の配線プレート243に、当該コンセント245を差し込むことで、画像処理装置10は、商用電源242から、電力の供給を受けるようになっている。
【0035】
(画像処理装置の制御系ハード構成)
図3は、画像処理装置10の制御系のハード構成の概略図である。
【0036】
ネットワーク回線網20は、メインコントローラ200に接続されている。メインコントローラ200には、それぞれ、データバスやコントロールバス等のバス33A〜33Dを介して、ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240、UIタッチパネル216が接続されている。すなわち、このメインコントローラ200が主体となって、画像処理装置10の各処理部が制御されるようになっている。なお、UIタッチパネル216には、UIタッチパネル用バックライト部216BLが取り付けられている。
【0037】
また、画像処理装置10は、電源装置202を備えており、メインコントローラ200とは信号ハーネス201で接続されている。
【0038】
電源装置202は、商用電源242から入力電源線244を介して電力の供給を受けている。
【0039】
電源装置202では、メインコントローラ200、ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240、UIタッチパネル216のそれぞれに対して独立して電力を供給する電力供給線35A〜35Dが設けられている。このため、メインコントローラ200では、各処理部(デバイス)に対して個別に電力供給(電力供給モード)、或いは電力供給遮断(スリープモード)し、所謂部分節電制御を可能としている。
【0040】
また、メインコントローラ200には、2個の第1の人感センサ28、第2の人感センサ30が接続されており、画像処理装置10の周囲の人の有無を監視している。この第1の人感センサ28、第2の人感センサ30については後述する。
【0041】
(部分節電構成を主体とした機能ブロック図)
図4は、前記メインコントローラ200によって制御される被動作部(「処理部」、「デバイス」、「モジュール」等と称する場合もある)、並びにメインコントローラ200、並びに各デバイスへ電源を供給するための電源装置202の電源ラインを主体とした概略構成図である。本実施の形態では、画像処理装置10が処理部単位で電力供給又は非供給が可能でとなっている(部分節電制御)。なお、処理部単位の部分節電は一例であり、処理部をいくつかのグループに分類しグループ単位で節電の制御を行ってもよい。
【0042】
また、部分節電の対象としてメインコントローラ200も含まれており、全ての処理部が節電される場合、監視制御部24(後述)が必要最小限の電力を受け、その他の制御機器への電力供給を遮断するようになっている(「節電モード」又は「スリープモード」という場合がある)。
【0043】
[メインコントローラ200]
図4に示される如く、メインコントローラ200は、CPU204、RAM206、ROM208、I/O(入出力部)210、及びこれらを接続するデータバスやコントロールバス等のバス212を有している。I/O210には、UIタッチパネル216(バックライト部216BLを含む)が接続されている。また、I/O210には、ハードディスク(HDD)218が接続されている。ROM208やハードディスク218等に記録されているプログラムに基づいて、CPU204が動作することによって、メインコントローラ200の機能を実現する。なお、該プログラムを格納した記録媒体(CD、DVD、BD(ブルーレイディスク)、USBメモリ、SDメモリ等)から該プログラムをインストールし、これに基づいてCPU204が動作することにより画像処理機能を実現してもよい。
【0044】
I/O210には、タイマ回路220、通信回線I/F222が接続されている。さらに、I/O210には、ファクシミリ通信制御回路(モデム)236、画像読取部238、画像形成部240の各デバイスに接続されている。
【0045】
なお、前記タイマ回路220は、前記ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240を節電状態(電力供給遮断状態)とするための契機として、計時を行うものである(以下、「システムタイマ」という場合がある)。
【0046】
メインコントローラ200及び各デバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)は、電源装置202から電源が供給される(
図4の点線参照)。なお、
図4では、電源線を1本の線(点線)で示しているが、実際には2本〜3本の配線である。
【0047】
[電源装置202]
図4に示される如く、商用電源242から引き込まれた入力電源線244は、メインスイッチ246に接続されている。メインスイッチ246がオンされることで、第1の電源部248及び、第1のサブ電源スイッチ256を介して第2の電源部250へ電力供給が可能となる。
【0048】
第1の電源部248は、制御用電源生成部248Aを備え、メインコントローラ200の電源制御回路252に接続されている。電源制御回路252は、メインコントローラ200に電力を供給すると共に、I/O210に接続され、メインコントローラ200の制御プログラムに従って、前記各デバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)への電源線を導通/非導通させるためのスイッチング制御を行う。
【0049】
一方、第2の電源部250へ接続される電源線254(接地側)には、第1のサブ電源スイッチ256(以下、「SW−1」という場合がある。)が介在されている。このSW−1は、前記電源制御回路252で、オン・オフが制御されるようになっている。すなわち、このSW−1がオフのときは第2の電源部250は機能しない(「SW−1」以降は消費電力0状態)。
【0050】
第2の電源部250は、24V電源部250H(LVPS2)と5V電源部250L(LVPS1)を備えている。24V電源部250H(LVPS2)は主としてモータ等で使用される電源である。
【0051】
第2の電源部250の24V電源部250H(LVPS2)及び5V電源部250L(LVPS1)は、選択的に、画像読取部電力供給部258、画像形成部電力供給部260、ファクシミリ通信制御回路電力供給部264、UIタッチパネル電力供給部266に接続されている。
【0052】
画像読取部電力供給部258は、24V電源部250H(LVPS2)を入力源として、第2のサブ電源スイッチ268(以下、「SW−2」という場合がある。)を介して、画像読取部238に接続されている。
【0053】
画像形成部電力供給部260は、24V電源部250H(LVPS2)と5V電源部250L(LVPS1)を入力源として、第3のサブ電源スイッチ270(以下、「SW−3」という場合がある。)を介して、画像形成部240に接続されている。
【0054】
ファクシミリ通信制御回路電力供給部264は、24V電源部250H(LVPS2)と5V電源部250L(LVPS1)を入力源として、第4のサブ電源スイッチ274(以下、「SW−4」という場合がある。)を介して、ファクシミリ通信制御回路236及び画像形成部240に接続されている。
【0055】
UIタッチパネル電力供給部266は、5V電源部250L(LVPS1)と24V電源部250H(LVPS2)を入力源として、第5のサブ電源スイッチ276(以下、「SW−5」という場合がある。)を介して、UIタッチパネル216(バックライト部216BLを含む)に接続されている。
【0056】
前記第2のサブ電源スイッチ268、第3のサブ電源スイッチ270、第4のサブ電源スイッチ274、第5のサブ電源スイッチ276は、それぞれ前記第1のサブ電源スイッチ256と同様に、メインコントローラ200の電源制御回路252からの電源選択信号に基づいて、オン・オフ制御される。図示していないが、24V電源部250Hと5V電源部250Lが供給されるスイッチや配線は、2系統で構成されている。また電源スイッチ268〜276は電源装置202でなく、電力供給先の各デバイス内に配置されても良い。また、図示していない画像形成部の定着部(
図3に示す「Fuser」に相当)は、商用電源242が、第1のサブ電源スイッチ256(「SW−1」)以降から供給され、画像形成部240で必要なときのみ通電される。
【0057】
上記構成では、機能別に各デバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)を選択した電力を供給し、指示された機能に不要なデバイスへの電源を供給しないため、必要最小限の電力で済む。
【0058】
(画像処理装置の状態遷移のための監視制御)
ここで、本実施の形態のメインコントローラ200は、必要最小限の電力消費となるように、部分的にその機能を停止させる場合がある(部分節電)。或いは、メインコントローラ200の大部分を含め、電力の供給を停止させる場合がある(「スリープモード(節電モード))。
【0059】
スリープモードは、例えば、画像処理が終了した時点でシステムタイマを起動させることで移行可能である。すなわち、前記システムタイマが起動してから所定時間経過することで電力供給を停止させている。なお、所定時間が経過するまでに、何らかの操作(ハードキーの操作等)があれば、当然、スリープモードへのタイマカウントは中止され、次の画像処理終了時からシステムタイマが起動される。
【0060】
一方、上記スリープモード中において、常に電力の供給を受ける素子として、節電中監視制御部24(
図4参照)がI/O210に接続されている。この節電中監視制御部24は、例えば、ASICと称される、自身で動作プログラムが格納され、当該動作プログラムで処理されるCPU,RAM,ROM等を備えたICチップ等を備えるようにしてもよい。
【0061】
ところで、前記節電中の監視において、例えば、通信回線検出部からプリント要求などが来たり、FAX回線検出部からFAX受信要求が来ることで、節電中であったデバイスに対して、節電中監視制御部24では、電源制御回路252を介して、第1のサブ電源スイッチ256、第2のサブ電源スイッチ268、第3のサブ電源スイッチ270、第4のサブ電源スイッチ274、第5のサブ電源スイッチ276を制御することで、電力の供給を行なうことが前提である。
【0062】
(メインコントローラの電力供給/遮断制御)
また、
図4に示される如く、メインコントローラ200のI/O210には、節電制御ボタン26(単に、「節電ボタン26」という場合がある。)が接続されており、節電中に使用者がこの節電制御ボタン26を操作することで、節電モードが解除可能となっている。なお、この節電制御ボタン26には、処理部に電力が供給されているときに操作されることで、当該処理部の電力供給を強制的に遮断し、節電状態にする機能を併せ持つ。また、メインコントローラ200のI/O210には、ICカードリーダー217が接続されている。
【0063】
ここで、スリープモードで監視するためには、節電中監視制御部24以外に、節電制御ボタン26や各検出部には節電中に必要最小限の電力を供給しておくことが好ましい。すなわち、電力非供給状態であるスリープモードであっても、予め定めた電力以下(例えば、0.5W以下)であり電力供給を行うか否かの判別制御に必要な電力の供給を受ける場合がある。
【0064】
なお、スリープモードの特定の期間として、メインコントローラ200、UIタッチパネル216やICカードリーダー217等の入力系を主体とした必要最小限の電力供給を供給する期間を設けてもよい。これは、使用者への利便性を考慮したものである。また、前記スリープモードの特定の期間を、依然としてスリープモードと定義するか、或いは別のモードとして定義するかは特に重要ではない。例えば、スリープモードの定義が、「予め定めた省エネレベル等の消費電力以下」であるならば、前記スリープモードの特定の期間の消費電力が、前記予め定めた省エネレベル以下を維持するか否かによって判断すればよい。
【0065】
例えば、スリープモード中に、使用者が節電制御ボタン26を操作し、処理機能として、複写しようとする場合、特定の期間として、まず、メインコントローラ200を立ち上げて、UIタッチパネル216の操作や、ICカードリーダー217によるカード認証を可能とした後、使用者の操作状況に応じて、デバイスを選択して電力を供給するようにすれば、利便性と省エネ性を両立可能である。なお、この特定の期間は、後述する人感センサによる人検出時であってもよい。
【0066】
(人感センサの機能)
ところで、スリープモード時に使用者が画像処理装置10の前に立ち、その後に節電制御ボタン26を操作して、電力供給を再開した場合、画像処理装置10が立ち上がるまでに時間を要する場合があった。
【0067】
そこで、前記節電中監視制御部24に、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30を設置すると共に、スリープモードでは、使用者が節電解除ボタンを押す前に人感センサで検知して早期に電力供給を再開して、使用者が早く使えるようにした。なお、節電制御ボタン26と第1の人感センサ28、第2の人感センサ30とを併用しているが、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30のみで全ての監視を行うことも可能である。
【0068】
図4に示される如く、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30は、検出部28A、30Aと回路基板部28B、30Bとを備えており、回路基板部28B,30Bは、検出部28A、30Aで検出した信号の感度を調整したり、出力信号を生成する。
【0069】
なお、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30は、「人感」としているが、これは、本実施の形態に則した固有名詞であり、少なくとも人が感知(検出)できればよく、言い換えれば、人以外の移動体の感知(検出)も含むものである。従って、以下において、人感センサの検出対象を「人」に言及する場合があるが、将来的には、人に代わって実行するロボット等も感知対象範囲である。なお、逆に、人と特定して感知できる特殊センサが存在する場合は、当該特殊センサを適用可能である。以下では、移動体、人、使用者等は、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30が検出する対象として同義として扱い、必要に応じて区別することとする。
【0070】
「第1の人感センサ28」
本実施の形態に係る第1の人感センサ28の仕様は、画像処理装置10の周囲(例えば、1m〜5mの範囲)において、移動体の動きを検出するものである。この場合、焦電素子の焦電効果を用いた赤外線センサ等が代表的である(焦電型センサ)。本実施の形態では、第1の人感センサ28として焦電型センサを適用している。
【0071】
この第1の人感センサ28に適用された焦電素子の焦電効果を用いたセンサの最大の特徴は、検出領域が広いことである。また、移動体の動きを感知するため、検出領域内であって、人が静止していると、人の存在を検出しない。例えば、人の移動時にハイレベル信号が出力されている場合、検出範囲内の人が静止すると、当該信号がローレベル信号になるものである。
【0072】
なお、本実施の形態における「静止」とは、スチルカメラ等で撮影した静止画のように完全静止も当然含まれるが、例えば、人が画像処理装置10の前に操作を目的として立ち止まることを含むものとする。従って、予め定めた範囲の微動(呼吸に伴う動き等)や、手足、首等を動かすといった場合を静止の範疇とする。
【0073】
但し、人が画像処理装置10の前で、例えば画像形成や画像読取等の処理を待つ間、その場でストレッチ運動等を行うと、人感センサ28では、人の存在を検出する場合もある。
【0074】
従って、当該「静止」を定義して第1の人感センサ28による動き検出のためのしきい値を設定するのではなく、しきい値は比較的おおまか、かつ標準的に設定し、環境(温度、湿度等)に基づく、当該第1の人感センサ28の検出状態に依存するようにしてもよい。すなわち、装置設置場所において、実験的に又は統計的に、第1の人感センサ28が二値信号の内の1つ(例えば、ハイレベル信号)を出力しているときは人が動いていることを示し、第2の第1の人感センサ28の検出領域内に人が存在し、かつ二値信号の内の他の1つ(例えば、ローレベル信号)が出力された場合を静止とするようなしきい値を設定すればよい。
【0075】
本実施の形態に係る第1の人感センサ28の仕様は、画像処理装置10の周囲(例えば、0m〜5mの範囲)において、移動体の動きを検出するものである。
【0076】
「第2の人感センサ30」
一方、本実施の形態に係る第2の人感センサ30の仕様は、移動体の有無(存在・不存在)を検出するものが適用されている。この第2の人感センサ30に適用されるセンサは、投光部と受光部とを備えた反射型センサ等が代表的である(反射型センサ)。なお、投光部と受光部とが分離された形態であってもよい。
【0077】
この第2の人感センサ30に適用された反射型センサ等の最大の特徴は、受光部に入る光を遮断する/しないによって移動体の有無を確実に検出することである。また、投光部から投光される光量等により、受光部へ入射する光量に制限があるため、比較的近距離が検出領域である。
【0078】
なお、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30として、以下に示す機能をそれぞれ達成することが可能であれば、第1の人感センサ28として焦電型センサや、第2の人感センサ30として反射型センサに限定されるものではない。
【0079】
ここで、本実施の形態では、第1の人感センサ28と第2の人感センサ30により、最大検出範囲(例えば、
図6及び
図7の第1の領域Fと第2の領域N)を設定した。
【0080】
相対的に遠い検出領域である
図6の第1の領域F(単に、「領域F」という場合がある)は、第1の人感センサ28による検出領域であり、相対的に遠隔の移動体検出手段としての機能を有する。また、相対的に近い検出領域である
図6の第2の領域N(単に、「領域N」という場合がある)は、第2の人感センサ30による検出領域であり、相対的に近接の移動体検出手段としての機能を有する。
【0081】
第1の人感センサ28の検出領域(
図6の第1の領域F参照)は、画像処理装置10が設置されている場所の環境にもよるが、目安として臨界点(最も遠い位置)が0.8〜3m程度が好ましい。一方、第2の人感センサ30の検出領域(
図6の第2の領域N)参照)は、画像処理装置10のUIタッチパネル216やハードキーの操作が可能な範囲であり、目安として臨界点(最も遠い位置)が0.2〜1.0m程度が好ましい。また、当然ではあるが、双方の設定後、第1の人感センサ28の臨界点の方が、第2の人感センサ30の臨界点よりも遠くなる。
【0082】
(第1の人感センサ28、第2の人感センサ30及びその周辺の構成)
図7に示される如く、画像処理装置10は、画像読取装置238と、画像形成装置240等が筐体300に覆われており、第1の人感センサ28(第2の人感センサ30を含む)は、当該筐体300における、縦長矩形状のピラー部302に取り付けられている。ピラー部302は、前記画像読取装置238を覆う上筐体300Aと画像形成装置240を覆う下筐体300Bとを連結する部分であり、その内部は記録用紙搬送系等が組み付けられている。
【0083】
ピラー部302の前面は、前記ピラー部302を意匠的な要素を持って被覆する縦長の矩形状のカバー部材304が取り付けられている。
【0084】
カバー部材304の下面と、前記下筐体300Bの上面との間には、隙間部が設けられている。また、
図8に示される如く、カバー部材304の下端部は所謂面取り加工(面取り部304A)形状とされ、前記隙間部312の開口面積が、奥側の隙間寸法よりも大きくなっている。
【0085】
前記面取り部304Aには矩形状の貫通孔304Bが設けられ、第1の人感センサ28が取り付けられている。このため、貫通孔304Bは、前記第1の人感センサ28により移動体を検出するための監視窓としての役目を有する。以下、貫通孔304Bを監視窓304Bという場合がある。
【0086】
ここで、監視窓304Bは、面取り部304Aに形成されているため、前面に形成されているよりも、装置前方からは見えにくく、カバー部材304の意匠的な要素を損なわない構造となっている。
【0087】
また、
図8に示される如く、カバー部材304の
図8の上端部には、縦長のスリット孔310が設けられており、当該スリット孔310の裏面側には、第2の人感センサ30が配置されている。第2の人感センサ30は、検出部30Aとして受光部30INと投光部30OUTとを備え、当該検出部30Aが回路基板部30Bに取り付けられている。回路基板部30Bは、ベース部材306に取り付けられている。
【0088】
(センサ電力供給制御)
本実施の形態では、第2の人感センサ30は、常時、電力供給を受けていない。第2の人感センサ30は、第1の人感センサ28が管轄する
図6の第1の領域Fに移動体(使用者)が進入した時点で電力が供給されて動作を開始し、その後、この第2の人感センサ30が管轄する
図6の第2の領域Nに移動体(使用者)が進入した時点でスリープモードからスタンバイモードへの立ち上げを指示する。
【0089】
すなわち、検出領域の異なる2つの人感センサ(第1の人感センサ28と第2の人感センサ30)が互いに連携しあって、必要最小限の電力供給を受けるようになっている。
【0090】
一方、第2の人感センサ30の電力供給の遮断に関しては、前記第1の人感センサ28の移動体検出状況に加え、前記節電中監視制御部24に設けられたタイマ機能が併用されるようになっている。このタイマ機能は、前述したシステムタイマと区別するため、「センサタイマ」という場合がある。
【0091】
センサタイマは、節電中監視制御部24の機能の1つである。すなわち、制御系は当然動作クロックを備えており、このクロック信号からタイマを生成してもよいし、一定時間毎処理毎にカウントするカウンタプログラムを生成してもよい。
【0092】
図6に示される如く、移動体(使用者)と画像処理装置10との関係は、大きく分けて3形態あり、第1の形態は、人が画像処理装置10に対して、使用目的で操作可能位置まで近づいてくる形態(
図6のA線矢視の動向(Aパターン)参照)、第2の形態は、人が処理装置を使用目的ではないが、操作可能位置まで近づいてくる形態(
図6のB線矢視の動向(Bパターン)参照)、第3の形態は、人が処理装置の操作可能位置まで近づかないが、第1の形態、第2の形態に移行する可能性のある距離まできている形態(
図6のC線矢視の動向(Cパターン)参照)である。
【0093】
本実施の形態では、第1の人感センサ28による検出情報、並びに第1の人感センサ28による検出情報とセンサタイマの計時情報に基づいて、前記動向(
図6に示すAパターン〜Cパターンを基本とする人の移動形態)に即した第2の人感センサ30の電力供給時期及び電力供給遮断時期を制御している。
【0094】
ところで、移動体(使用者)の接近状態、離間状態で電力供給体制が異なると、例えば、画像処理装置10を使用する目的で接近するとき、どの時点で画像処理装置10に電力が供給されるのかが不明確な場合がある。この場合、第1の人感センサ28や第2の人感センサ30が取り付けられるピラー部304(
図7参照)に、移動体に反応して点灯するインジケータ(LED等)を設け、このインジケータの点灯状態で、人の接近、離間に対して反応していることを報知することが可能である。
【0095】
しかしながら、画像処理装置10を使用する目的のユーザーの視線は、主としてUIタイッチパネル部216であることが多い。このため、ピラー部304でのインジケータの点灯状態が視野に入り難く、電力供給状態(遷移状態)を把握することが困難であった。
【0096】
そこで、本実施の形態では、第1の人感センサ28と第2の人感センサ30による移動体(使用者)の検出に連携するように、UIタッチパネル部216のバックライト部216BLの点灯状態を制御するようにした。
【0097】
本実施の形態では、このバックライト部216Bの点灯状態の制御としては、光量制御を適用しており、この光量制御は、スリープモード中の特定の期間に実行される。
【0098】
ここでいうスリープモード中の特定の期間とは、スリープモード中に、第2の人感センサ30により人を検出し、まず、メインコントローラ200を立ち上げて、UIタッチパネル216の操作を可能とする期間である。
【0099】
このとき、UIタッチパネル216の画面を照明するためのバックライト部216の明るさ(輝度)を複数段階に調整(以下、「明るさ調整」「輝度調整」等という場合がある)可能とし、人の接近、離間に連携して、明るさを制御する。
【0100】
図9は、メインコントローラ200を中心とした、バックライト部216の明るさ調整に特化した機能ブロック図である。なお、この機能ブロック図は、メインコントローラ200のハード構成を限定するものではない。
【0101】
監視制御部24は、スリープモード中でも電源供給制御回路252から電力の供給を受けており、かつ、監視制御部24では、第1の人感センサ28には常時電力を供給している。一方、監視制御部24では、第1の人感センサ28により移動体を検出した時点で、第2の人感センサ30へ電力を供給する。
【0102】
なお、電源供給制御回路252は、メインコントローラ200の一部であるが、監視制御部24を介して第2の人感センサ30により使用者の検出情報が入力されることで、CPU204等、他の構成部品に電力を供給する(メインコントローラ200の立ち上げ)。
【0103】
また、UIタッチパネル216は、タッチパネル部216TPとバックライト部216BLを備え、前記電源供給制御回路252の制御により、SW−5276がオンとなったとき、電力が供給されるようになっている。なお、ここでは、前記メインコントローラ200の立ち上げに同期して、UIタッチパネル216に電源が供給される。
【0104】
図9に示される如く、メインコントローラ200の監視制御部24は、移動形態判定部280に接続されている。この移動形態判定部280には、前記監視制御部24に接続された第1の人感センサ28及び第2の人感センサ30による移動体検出に基づく情報が入力されるようになっている。
【0105】
移動形態判定部280では、移動体検出に基づく情報(
図6に示す領域Fと領域Nとにおいて、双方の領域外、領域F内であるが領域N外、領域N内の3種類)に基づいて、これらの3種類の位置を相互に移動する形態を判定する。
【0106】
移動形態判定部280は、バックライト輝度調整部282に接続されている。バックライト輝度調整部282は、前記移動形態判定部280からの移動形態情報を受けて、バックライト部216BLの輝度を通常の明るさよりも暗くなるように調整する。
【0107】
スリープモード中におけるバックライト部216BLの輝度調整を含む電力供給形態は、大きく分類して4段階としている。
【0108】
(段階1) 第1の人感センサ28で移動体を検出したとき、第2の人感センサ30への電力を供給する(
図10参照)。
【0109】
すなわち、
図10(A)に示される如く、移動体(
図10において符号Hを付す)が第1の人感センサ28の領域F外にいるときは、第2の人感センサ30には電力が供給されていない。この状態から、
図10(B)に示される如く、移動体が第1の人感センサ28の領域F内に入ると、第2の人感センサ30に電力が供給され、第2の人感センサ30の検出領域が発生する。
【0110】
(段階2) 第2の人感センサ30で使用者を検出したとき、バックライト部216BLを通常の輝度(明るさ)で点灯する(
図11参照)。
【0111】
すなわち、
図11(A)に示される如く、移動体(
図11において符号Hを付す)が第1の人感センサ28の領域F内、かつ第2の人感センサ30の領域N外にいるときは、バックラライト部216BLは消灯が維持される。この状態から、
図11(B)に示される如く、移動体が第2の人感センサ30の領域N内に入ると、バックライト部216BLが通常の輝度(明るさ)で点灯する。
【0112】
(段階3) 使用者がタッチパネル部216TP等の入力系を操作せず、第2の人感センサ30の検出外(領域N外)に離れた時点で、バックライト部216BLの輝度を1段階下げる(
図12参照)。
【0113】
すなわち、
図12(A)に示される如く、移動体(
図12において符号Hを付す)が第2の人感センサ30の領域N内にいるときは、バックライト部216BLは、通常の輝度(明るさ)で点灯している。この状態から、
図12(B)に示される如く、移動体が第2の人感センサ30の領域N外、かつ第1の人感センサ28の領域F内まで離れると、バックライト部216の輝度(明るさ)を通常時よりも暗くする。
【0114】
(段階4) 領域N外に離れた使用者が、第1の人感センサ28以外(領域F外)にさらに離れた時点で、バックライト部216BLをタイマ計時に基づき、段階的に暗くしていき、最終的に消灯する(
図13参照)。なお、直接消灯でもよい。
【0115】
すなわち、
図13(A)に示される如く、移動体(
図13において符号Hを付す)が第1の人感センサ28の領域F内にいるときは、バックライト部216BLが通常よりも暗い状態で点灯している。この状態から、
図13(B)に示される如く、移動体が第1の人感センサ28の領域F外に離れると、バックライト部216BLを、段階的に暗くして消灯、或いは直接消灯する。
【0116】
以下、本実施の形態の作用を説明する。
【0117】
(画像処理装置10(デバイス)の電力供給制御のモード遷移)
まず、
図5に基づき、画像処理装置10における、各モード状態と、当該モード状態の移行の契機となる事象を示したタイミングチャートを示す。
【0118】
画像処理装置10は、処理がなされていないと動作状態は、スリープモードとなり、本実施の形態では、節電中監視制御部24にのみ電力が供給されている。
【0119】
ここで、立ち上げ契機(第2の人感センサ30による使用者検出等の立ち上げトリガの検出、或いは節電制御ボタン26等の操作)があると、動作状態はウォームアップモードへ遷移する。
【0120】
なお、この立ち上げトリガ契機後は、依然としてスリープモードと定義する場合もあるが、メインコントローラ200及びUIタッチパネル216の起動によって、節電中監視制御部24のみの電力供給よりも電力供給量が増加する。また、例えば、節電制御ボタン26の操作によって復帰すると、ジョブを選択するモードまで復帰し、選択されたジョブによってどのデバイスが起動するかが決まり、画像形成部240が起動しない場合はウォームアップしない場合もある。
【0121】
前記立ち上げのトリガとしては、第1の人感センサ28と第2の人感センサ30による連携による使用者検出、使用者の節電制御ボタン26の操作による節電解除操作の他、例えば、人感センサによる検出結果に基づく信号やICカードリーダ217の操作認証であってもよい。
【0122】
ウォームアップモードは画像処理装置10(主として、画像形成部240の定着部の温度)を迅速に処理可能状態にもっていくため、各モードの内最大の電力消費量となるが、例えば、定着部におけるヒータとしてIHヒータを利用することによって、ハロゲンランプを用いたヒータよりもウォームアップモード時間は、比較的短い時間とされている。なお、IHヒータとハロゲンランプの併用も可能である。
【0123】
ウォームアップモードによる暖機運転が終了すると、画像処理装置10はスタンバイモードに遷移するようになっている。なお、暖気運転は、最も電力を消費するモードである(例えば、1200W)。
【0124】
スタンバイモードは、文字通り「事に備えて準備が完了している」モードであり、画像処理装置10においては、画像処理の動作が即実行できる状態となっている。
【0125】
このため、キー入力としてジョブ実行操作があると、画像処理装置10の動作状態は、ランニングモードに遷移し、指示されたジョブに基づく画像処理が実行されるようになっている。
【0126】
画像処理が終了すると(連続した複数のジョブが待機している場合は、その連続したジョブの全てが終了したとき)、待機トリガによって画像処理装置10の動作状態はスタンバイモードへ遷移する。なお、画像処理後、システムタイマによる計時を開始し、予め定めた時間経過した後に待機トリガを出力し、スタンバイモードへ遷移するようにしてもよい。
【0127】
このスタンバイモード中にジョブ実行指示があれば、再度ランニングモードへ遷移し、立ち下げのトリガ検出、或いは予め定めた時間が経過したとき、スリープモードへ遷移するようになっている。なお、立ち下げのためのトリガは、例えば、人感センサによる検出結果に基づく信号やシステムタイマ、並びにこれらの併用が可能である。
【0128】
また、画像処理装置10における実際の動作におけるモード状態の遷移が、全てこのタイミングチャートのとおり時系列で進行するものではない。例えば、ウォームアップモード後のスタンバイモードで処理が中止され、スリープモードへ移行する場合もある。
【0129】
このように、本実施の形態の画像処理装置10は、モードの間を相互に遷移しており、各モード毎に消費される電力が異なっている。
【0130】
また、本実施の形態では、各デバイス毎に電力供給制御が行われることで、例えば、スリープモードから画像読取処理が指示された場合には、画像形成部240を起動することなく、画像読取部238を通電するといった、所謂部分節電が可能である。
【0131】
(スリープモード中における第1の人感センサ28、第2の人感センサ30での監視)
ここで、本実施の形態では、スリープモード中は、基本的には、第1の人感センサ28のみが電力供給を受けて、移動体の接近状態を監視している。この監視する領域(検出領域)は、
図6の領域Fに相当し、第1の人感センサ28の検出部28A(複数の検出素子314)に入力される赤外線に基づく電気信号の解析(変化量)によって、移動体の有無を検出している。
【0132】
この第1の人感センサ28によって移動体を検出すると(
図6の領域F内での移動体検出)、第2の人感センサ30への電力供給を開始する。
【0133】
第2の人感センサ30は、
図6の領域Nで示すように、第1の人感センサ28の検出領域よりも画像処理装置10に近く、かつ狭い領域であるため、確実に画像処理装置10を使用する使用者であることを認識し、画像処理装置10の一部(例えば、メインコントローラ200とUIタッチパネル216等)又は全部に電力を供給する。
【0134】
このように、第1の人感センサ28と第2の人感センサ30とを併用し、段階的に検出形態をとることで、単に通りすがりの移動体と、画像処理装置10を使用する意志のある使用者とを区別することが可能である。
【0135】
(バックライト部216BLの輝度調整)
移動体(使用者)の接近状態、離間状態で電力供給体制が異なると、例えば、画像処理装置10を使用する目的で接近するとき、どの時点で画像処理装置10に電力が供給されるのかが不明確な場合がある。そこで、スリープモード中(節電中)において、第1の人感センサ28と第2の人感センサ30による移動体(使用者)の検出に連携するように、UIタッチパネル部216のバックライト部216BLの点灯状態を制御するようにした。
【0136】
図14は、本実施の形態に係り、バックライト部216BLの輝度調整を含む、節電中電力供給時期監視制御ルーチンを示すフローチャートである。
【0137】
ステップ100では、第1の人感センサ28で移動体を検出したか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ102へ移行して第2の人感センサ30へ電力供給を開始する。これにより、第2の人感センサ30による検出が開示される。
【0138】
次のステップ104では、第2の人感センサ30で移動体(使用者)を検出したか否かが判断され、否定判定された場合はステップ106へ移行して、第1の人感センサ28で移動体を検出したか否かが判断される。このステップ106で肯定判定されると、移動体(使用者)は
図6の領域F内、かつ領域N外にいると判断し、ステップ104へ戻り、位置に変化がない場合は、ステップ104、106を繰り返す。
【0139】
ここで、ステップ106で否定判定されると、移動体(使用者)は、画像処理装置10から離れた(
図6の領域F外になった)と判断し、ステップ108へ移行して第2の人感センサ30への電力供給を終了し(第2の人感センサ30による検出終了)、ステップ100へ戻る。
【0140】
一方、ステップ104で肯定判定されると、移動体(使用者)が
図6の領域N内に入ったと判断し、ステップ110へ移行してメインコントローラ200、UIタッチパネル216へ電力供給を開始し、次いでステップ112へ移行してバックライト部216BLを通常点灯させ、ステップ114へ移行する。
【0141】
次のステップ114では、タッチパネル部216TP等の入力系の操作があったか否かが判断され、肯定判定されると、画像処理装置10を稼働させる意志があると判断し、ステップ116へ移行して、画像処理装置10への電力供給状態を通常モードに移動する処理を行い、このルーチンは終了する。なお、通常モードとは、使用者の操作に基づく、必要最小限のデバイスへの電力供給であってもよいし(部分節電)、全てのデバイスに電力を供給するようにしてもよい。
【0142】
ここで、前記ステップ114で否定判定、タッチパネル部216TP等の入力系の操作がない場合ハ、ステップ118へ移行する。ステップ118では、第2の人感センサ30で移動体(使用者)を検出したか否かが判断される。このステップ118で肯定判定、すなわち、移動体(使用者)を検出している期間は、タッチパネル部216TP等の入力系を操作する可能性があると判断し、ステップ114へ戻る。
【0143】
また、ステップ118で否定判定された場合は、タッチパネル部216TP等の入力系の操作がされることなく、移動体が
図6の領域N外に離れたと判断し、ステップ120へ移行してバックライト部216の輝度(明るさ)を1段階減光する(減光段階(a))。
【0144】
ここで、減光段階とは、
図15に示される如く、予めバックライト部216BLの輝度(明るさ)を段階的に調整可能にしておくことをいう。減光段階(a)は、その内の通常点灯よりも1段階暗い状態である。
【0145】
次のステップ122では、第1の人感センサ28で移動体(使用者)を検出したか否かが判断され、肯定判定、すなわち、
図6の領域F内であると判定された場合は、ステップ124へ移行して第2の人感センサ30で移動体(使用者)を検出したか否かが判断される。このステップ124で否定判定、すなわち、
図6の領域N外と判定された場合は、ステップ122へ戻り、移動体(使用者)が
図6の領域F内、かつ領域N外に留まっている間は、ステップ122、124を繰り返す。
【0146】
ここで、ステップ124で肯定判定、すなわち移動体(使用者)が再び
図6の領域N内に入ったと判断された場合は、ステップ112へ戻りバックライト部216BLを通常点灯させ、上記肯定を繰り返す。
【0147】
また、ステップ122で否定判定、すなわち、移動体(使用者)が
図6の領域F外に離れたと判断された場合は、ステップ126へ移行してタイマにより計時を開始し、ステップ128へ移行する。ステップ128では、バックライ部216の輝度(明るさ)を1段階減光する。上記タイマは、
図15のタイマ設定時間を計時するデバイスであり、タイマスタート時には、減光段階を(a)〜(b)へ遷移させる。
【0148】
次のステップ130では、第1の人感センサ28で移動体を検出したか否かが判断される。このステップ130で否定判定されると、ステップ132へ移行して、予め定めた時間が経過したか否かが判断され、否定判定された場合は、ステップ130へ戻る。また、ステップ132で肯定判定されると、次の減光時期であると判断し、ステップ134へ移行する。ステップ134ではタイムアップ(
図15参照)か否かが判断される。このステップ134で否定判定された場合は、ステップ128へ戻り、バックライト部216BLを1段階減光する。すなわち、
図15に示される如く、タイマスタート時に減光段階(b)とされた後、予め定められた時間毎に、バックライト部26BLは、段階的に減光段階(c)〜(e)へ減光されていく。なお、この段階数は限定されるものでなく、極端に言えば、予め定めた変化率に基づいて連続的の徐々に減光していくようにしてもよい。
【0149】
ここで、ステップ134において、肯定判定、タイムアップすると、ステップ136へ移行してバックライト部216BLを完全に消灯させる。すなわち、スリープモードに戻ったことになり、ステップ100へ戻る。
【0150】
一方、前記ステップ130で、肯定判定されると、再び移動体(使用者)が
図6の領域F内に入ったと判断し、ステップ138へ移行して、タイマ計時による減光を解除して(バックライト部216BLの輝度(明るさ)を減光段階(a)として)、ステップ140へ移行する。ステップ140では、第2の人感センサ30で移動体(使用者)を検出したか否かが判断され、否定判定された場合は、ステップ122へ戻り、肯定判定された場合は、ステップ112へ戻る。
【0151】
図16に示す点線矢印は、
図14のフローチャートにおける、主たる移動体(使用者)の変遷を示したものであり、それぞれにおいて、バックライト部216BLの輝度(明るさ)が変化していることで、使用者がUIタッチパネル216に向けた視線をそらすことなく、画像処理装置10の電力供給状態を認識することが可能となる。