(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る発電装置の実施の形態を詳細に説明する。ただし、これらの実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0018】
〔実施の形態1〕
最初に、実施の形態1について説明する。この形態は、操作手段の把持部の一部を支持手段として形成した形態であって、当該支持手段を把持部又は伝達部とは別体である形態である。
【0019】
(構成)
実施の形態1に係る発電装置の適用対象は、電子機器を保護する保護ケースに適用した場合を例として説明を行う。ここで、この電子機器は、以下ではスマートフォンの如き携帯電話として説明するが、これに限られず、例えばタブレット型携帯端末、デジタルカメラ、あるいは、携帯型音楽プレーヤ等であってもよい。
【0020】
まず、実施の形態1に係る発電装置の構成について説明する。
図1は、支持面上に立設された状態の携帯電話に取り付けられた実施の形態1に係る発電装置を示す斜視図である。
図2は、支持面上に立設された発電装置を示す斜視図である。
図3は、発電装置を示す図であり、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は右側面図である。
図4は、発電装置を正面側から見た内部構造を示す図である(後述する保護ケース10の正面壁11を省略)。なお、以下の説明では、
図1のX方向を発電装置の横方向、
図1のY方向を発電装置の縦方向、
図1のZ方向を発電装置の高さ方向とする。また、
図3では、図の簡略化のために、後述する発電部20の図示を省略する(後述する
図5〜7、9、10、14、16、17についても同様とする)と共に、携帯電話を想像線で示す(後述する
図5〜7、9、10、14〜17についても同様とする)。これら各図に示すように、発電装置1は、保護ケース10と、発電部20と、操作レバー30a、30bとを備えている。
【0021】
(構成−保護ケース)
保護ケース10は、携帯電話Tを保護する保護手段である。具体的には、
図2、3に示すように、保護ケース10は、略箱状体であり、例えば可撓性を有するプラスチック等の樹脂材にて形成されている。また、この保護ケース10は、正面壁11と、背面壁12と、上面壁13と、下面壁14と、左面壁15と、右面壁16とを備えている。ここで、この保護ケース10の形成方法は任意であるが、例えば、
図3に示すように、背面壁12と、上面壁13と、下面壁14と、左面壁15と、右面壁16とは一体成型により形成されており、正面壁11は、これら一体成型されたものから着脱自在に形成される方法が該当する(後述する保護ケース310についても同様とする)。また、これら正面壁11、上面壁13、下面壁14、左面壁15、及び右面壁16の各々が、対応する保護ケース10の側面の一部を覆えるように、この正面壁11は、これら上面壁13、下面壁14、左面壁15、及び右面壁16に取り囲まれるように取り付けられている(後述する正面壁311についても同様とする)。
【0022】
また、保護ケース10には、切欠部10a、10b、10cが設けられている。切欠部10aは、保護ケース10からの操作レバー30aの出し入れを容易にするためのものであり、具体的には、
図3(a)、(c)に示すように、保護ケース10における操作レバー30aに対応する位置に配置されている(より具体的には、背面壁12、下面壁14、及び左面壁15にわたって配置されている)。切欠部10bは、保護ケース10からの操作レバー30bの出し入れを容易にするためのものであり、具体的には、
図3(a)〜(c)に示すように、保護ケース10における操作レバー30bに対応する位置に配置されている(より具体的には、背面壁12、下面壁14、及び右面壁16にわたって配置されている)。切欠部10cは、携帯電話Tが発電装置1に取り付けられた状態で、携帯電話Tのカメラの撮影を可能にするためのものであり、具体的には、
図3(a)、(c)に示すように、保護ケース10における携帯電話Tのカメラに対応する位置に配置されている(より具体的には、背面壁12、上面壁13、及び右面壁16にわたって配置されている)。
【0023】
このような構成により、携帯電話Tの正面が露出された状態で(すなわち、携帯電話Tの画面部分が露出された状態で)、保護ケース10を携帯電話Tに取り付けることができるので、発電装置1を携帯電話Tから取り外すことなく、携帯電話T及び発電装置1を使用することができる。また、保護ケース10を携帯電話Tに取り付ける場合には、携帯電話Tを保護ケース10に嵌め込むようにして取り付けることができると共に、保護ケース10を携帯電話Tから取り外す場合には、保護ケース10を撓ませることにより取り外すことができるので、携帯電話Tを発電装置1から容易に着脱することができる。
【0024】
(構成−発電部)
発電部20は、外力によって駆動されることにより発電を行う発電手段である。具体的には、
図4に示すように、発電部20は、保護ケース10の内部に収容されており、第1のギア系統21と、第2のギア系統22と、ダイナモ23と、発電基板24とを備えている。
【0025】
(構成−発電部−第1のギア系統)
第1のギア系統21は、操作レバー30aを介して伝達された外力をダイナモ23に伝達するための系統である。具体的には、
図4に示すように、第1のギア系統21は、保護ケース10の背面壁12に対して支持されており、第1のギア21a、第1のギア21bと、第1のラチェットギア21cと、第1のギア21dと、第1のギア21eとを備えて構成されている。そして、後述する操作レバー30aの伝達部32(具体的には、後述する伝達部32の歯部分)が第1のギア21aと当接しながら移動することに伴って、上述した各種ギアは回転される(第2のギア系統についても同様とする)。この場合において、ダイナモ23の回転子(図示省略)が発電可能な回転方向のみに回転されるように、第1のギア21d、及び第1のギア21eは、第1のラチェットギア21cによって、一方向の回転(例えば右回りの回転等)のみに制限される(後述する第2のギア22d、及び第2のギア22eについても同様とする)。
【0026】
(構成−発電部−第2のギア系統)
第2のギア系統22は、操作レバー30bを介して伝達された外力をダイナモ23に伝達するための系統である。具体的には、
図4に示すように、第2のギア系統22は、保護ケース10の背面壁12に対して支持されており、第2のギア22aと、第2のギア22bと、第2のラチェットギア22cと、第2のギア22dと、第2のギア22eとを備えて構成されている。ここで、第2のギア22eの配置については、具体的には、
図4に示すように、第2のギア系統22に伝達された外力が第1のギア系統21を介してダイナモ23に伝達されるように、第1のギア21dを回転させられる位置に配置されている。
【0027】
(構成−発電部−ダイナモ)
ダイナモ23は、第1のギア21eから伝達された外力によって駆動されることにより発電を行うものである。具体的には、
図4に示すように、ダイナモ23は、例えば公知のダイナモ等で構成されており、第1のギア21eの近傍に配置され、保護ケース10の背面壁12に対して固定具等にて接続されている。
【0028】
(構成−発電部−発電基板)
発電基板24は、発電装置1の各種機能を実現するための電気回路(図示省略)が実装された基板である。具体的には、
図4に示すように、発電基板24は、ダイナモ23の近傍に配置されており、保護ケース10の背面壁12に対して固定具等にて接続されている。また、この発電基板24には、電力変換部(図示省略)や電力出力部(図示省略)も実装されている。ここで、電力変換部は、ダイナモ23にて発電された電力を所定の電力に変換する電力変換手段であり、具体的にはダイナモ23と図示しない配線を介して電気的に接続されている。また、電力出力部は、電力変換部にて変換された電力を携帯電話Tに出力するための電力出力手段であり、具体的には携帯電話Tと図示しない配線を介して電気的に接続されている。
【0029】
(構成−操作レバー)
操作レバー30a、30bは、発電部20に対して外力を伝達するための操作手段である。具体的には、
図1〜
図4に示すように、操作レバー30a、30bは、例えばプラスチック等の樹脂材にて形成されており、保護ケース10のX方向の両端部近傍に配置されている。また、これら操作レバー30a、30bの各々は、把持部31と、伝達部32と、支持部33とを備えている。
【0030】
(構成−操作レバー−把持部)
把持部31は、ユーザが操作レバー30a(又は操作レバー30b)を把持するためのものである。具体的には、
図3(a)〜(c)、
図4に示すように、把持部31は、保護ケース10におけるX方向の内側から外側に向けて膨らんだ略弓状に形成されており、保護ケース10の背面壁12においてY方向に略沿うように設けられた第1の旋回軸41(例えば回転ピン等。なお、後述する第2の旋回軸42、後述する第3の旋回軸244、後述する第4の旋回軸346についても同様とする。)を中心に旋回自在に軸支されている。
【0031】
(構成−操作レバー−伝達部)
伝達部32は、発電部20に対して外力を伝達するためのものである。具体的には、
図3(a)〜(c)、
図4に示すように、伝達部32は、略円弧状に形成されており、当該伝達部32の発電部20側の側面が発電部20の一部と当接するように配置されている(より具体的には、操作レバー30aの伝達部32の場合には第1のギア21aと当接するように配置され、操作レバー30bの伝達部32の場合には第2のギア22aと当接するように配置される)。そして、この伝達部32は、把持部31に対して一体成型されている。
【0032】
また、この伝達部32の構成については、具体的には、
図4に示すように、第1のギア21aの歯(又は第2のギア22aの歯)と噛み合うように、当該伝達部32の第1のギア21a(又は第2のギア22a)側の側面の一部が略歯状に形成されている(以下、この部分を、「伝達部の歯部分」と称する)。また、伝達部32には、切欠部32aが設けられている。切欠部32aは、操作レバー30a、30bの伝達部32同士の接触を回避するための接触回避手段であり、具体的には、
図4に示すように、伝達部32の把持部31側の端部とは反対側の端部に配置されている。
【0033】
(構成−操作レバー−支持部)
支持部33は、携帯電話Tを保護ケース10を介して支持面W上に支持するための支持手段である。ここで、「携帯電話を保護ケースを介して支持面上に支持する」とは、携帯電話Tを所定の姿勢に保持可能な状態で、保護ケース10を介して支持面W上に固定することを意味し、例えば、携帯電話Tが支持部33によって保護ケース10を介して水平な支持面W上(例えば、机面上やテーブル面上等)に立設されること、及び携帯電話Tが支持部33によって保護ケース10を介して垂直な支持面W上(例えば、建物の壁面上等)に取り付けられること等を含む概念である(なお、実施の形態1では、前者についての説明を行う)。具体的には、
図2、
図3(a)〜(c)に示すように、支持部33は、略細長状に形成されており、把持部31の携帯電話T側とは反対側の側面上に配置されている。また、この支持部33の接続については、例えば、操作レバー30a、30bにおける発電時の操作と、操作レバー30a、30bにおける設置時の操作とを択一的に行えるように接続されている。具体的には、
図3(a)〜(c)、
図4に示すように、支持部33が、把持部31における支持部33以外の部分においてX方向に略沿うように設けられた第2の旋回軸42を中心に旋回自在となるように、当該支持部33は当該第2の旋回軸42によって軸支されている。なお、この第2の旋回軸42は、特許請求の範囲における「所定の旋回軸」に対応する。
【0034】
(発電装置の機能)
このように構成された発電装置1の機能について説明する。
図5は、発電装置1の発電機能の概要を示す背面図であり、(a)は操作レバー30a、30bの操作前の状態を示す図であり、(b)は操作レバー30a、30bの操作後の状態を示す図である。
図6は、発電装置1の設置機能の概要を示す図であり、(a)は操作レバー30a、30bの操作後の状態を示す背面図であり、(b)は操作レバー30a、30bの操作後の状態を示す右側面図である。この発電装置1の機能としては、
図5(a)、(b)に示すように、操作レバー30a、30bの把持部31の旋回移動により、発電装置1の発電を行う発電機能と、
図6(a)、(b)に示すように、操作レバー30a、30bの支持部33の旋回移動により、携帯電話Tを支持面W上に立設させる設置機能との2つの機能に区分けされる。
【0035】
(発電装置の機能−発電機能)
最初に、発電装置1の発電機能について説明する。なお、この説明では、発電装置1は、ユーザによって保護ケース10の正面壁11(又は背面壁12)の長手方向がZ方向に略沿うように所持された状態で、操作されるものとする。
【0036】
図5(a)、(b)に示すように、ユーザによって操作レバー30aが保護ケース10のX方向の内側から当該X方向の外側に向けて操作されると(具体的には、ユーザによって操作レバー30aの把持部31に外力が加えられると)、操作レバー30aの伝達部32が第1のギア21aと当接しながら第1の旋回軸41を中心に旋回移動することにより、その外力は第1のギア21aに伝達される。これと同様に、ユーザによって操作レバー30bが保護ケース10のX方向の内側から当該X方向の外側に向けて操作されると、操作レバー30bの伝達部32が第2のギア22aと当接しながら第1の旋回軸41を中心に旋回移動することにより、その外力は第2のギア22aに伝達される。
【0037】
次に、第1のギア21aに伝達された外力は、当該第1のギア21aの回転に伴って、第1のギア系統21における第1のギア21a以外の各種ギアを回転させることにより、当該各種ギアに順次伝達される。同様に、この第2のギア22aに伝達された外力も、当該第2のギア22aの回転に伴って、第2のギア系統22における第2のギア22a以外の各種ギアを回転させることにより、当該各種ギアに順次伝達される。
【0038】
続いて、第1のギア21eに伝達された外力は、当該第1のギア21eの回転によって、ダイナモ23に伝達される。これにより、ダイナモ23に伝達された外力によってダイナモ23を駆動することにより、発電を行うことが可能となる。また、携帯電話Tが発電装置1に取り付けられた状態においては、このダイナモ23によって発電された電力を、発電基板24を介して携帯電話Tに供給することができる。
【0039】
(発電装置の機能−設置機能)
次に、発電装置1の設置機能について説明する。まず、操作レバー30a、30bの支持部33が対応する把持部31に当接された状態で、携帯電話Tが倒れないように保護ケース10をユーザの手で支持しながら、保護ケース10の下面壁14を支持面Wに当接させる。次に、操作レバー30a、30bの支持部33を対応する第2の旋回軸42を中心に旋回させることにより、操作レバー30a、30bの支持部33における支持面Wとの当接部分(具体的には、支持部33における第2の旋回軸42側の端部とは反対側の端部)を、支持面Wと当接する方向に向けて移動させる。そして、これら操作レバー30a、30bの支持部33の旋回移動により、当該支持部33における支持面Wとの当接部分を支持面Wに当接させる。これにより、
図6(a)、(b)に示すように、携帯電話Tを保護ケース10を介して支持面Wに対して立設することが可能となる(より具体的には、携帯電話Tは、支持面Wに対して斜めに立設されることになる)。また、携帯電話Tの立設状態においては、操作レバー30a、30bの支持部33のみが保護ケース10の外側に張り出されるので、この立設用のスペースをコンパクトにすることができる。
【0040】
(効果)
このように実施の形態1によれば、携帯電話Tの一部の側面を覆うことにより、当該携帯電話Tを保護する保護ケース10を備えているので、例えば、携帯電話Tの正面が露出された状態で、保護ケース10が携帯電話Tに取り付けられている場合には、発電装置1を携帯電話Tから取り外すことなく、携帯電話T及び発電装置1を使用することができ、携帯電話Tから発電装置1を取り外す手間を省くことが可能となる。また、発電部20を保護ケース10の内部に収容し、操作レバー30a、30bを保護ケース10に取り付けたので、発電を行うための部品の全部又は一部を携帯電話Tに組み込む必要がなくなり、携帯電話T自体の仕様を維持することができる。
【0041】
また、操作レバー30a、30bの一部を、携帯電話Tを保護ケース10を介して支持面W上に支持するための支持部33として形成したので、保護ケース10を支持するための特殊な部品を新たに追加することなく、携帯電話Tを支持面W上に立設させることができる。
【0042】
また、支持部33における支持面Wとの当接部分が、操作レバー30a、30bにおける外力を伝達するための移動方向とは異なる方向であって、支持面Wと当接する方向に向けて移動可能となるように、当該支持部33を第2の旋回軸42を中心に旋回自在としたので、操作レバー30a、30bの発電時の操作と、操作レバー30a、30bの設置時の操作とを択一的に行うことができ、操作性を向上させることができる。
【0043】
操作レバー30a、30bの各々は、ユーザが当該操作レバー30a、30bを把持するための把持部31と、ユーザによって外力が把持部31に対して加えられた場合に、把持部31の移動に伴って第1のギア21a(又は第2のギア22a)と当接しながら旋回移動することにより、発電部20に対して外力を伝達する伝達部32と、を備えているので、操作レバー30a、30bを簡易に構成することができ、製造性を向上させることができる。
【0044】
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2について説明する。この形態は、操作手段の把持部全体を支持手段として形成した形態である。なお、特に説明なき構造については、実施の形態1の構造と同様であり、実施の形態1と略同様の構成要素、及び取り付け方法については、必要に応じて、実施の形態1で用いたのと同一の符号又は名称を付してその説明を省略する。
【0045】
(構成)
まず、発電装置の構成について説明する。
図7は、実施の形態2に係る発電装置を示す図であり、(a)は背面図、(b)は右側面図である。
図8は、正面側から見た操作レバー30aの操作状態を示す図であり、(a)は発電時の状態を示す図であり、(b)は設置時の状態を示す図である。
図7(a)、(b)に示すように、実施の形態2に係る発電装置101は、実施の形態1に係る発電装置1とほぼ同様に構成されている。ただし、操作レバー30a、30bの把持部31全体が支持部133として形成されており、下記に示す工夫が施されている。
【0046】
(構成−操作レバー−支持部)
支持部133は、具体的には、
図7(a)、(b)に示すように、保護ケース10の正面壁11に設けられたボールジョイント機構143の球受け部143aを中心に旋回自在に軸支されている。
【0047】
ここで、この球受け部143aは、具体的には、
図8(a)、(b)に示すように、保護ケース10の背面壁12に対してXZ平面内で回転自在に固定されていると共に、支持部133の球受け部143a側の端部に設けられたボールジョイント機構143の球部143bと接続されている(より具体的には、球受け部143aの背面壁12側とは反対側の端部の内径が球部143bの外径よりも小さく形成されており、この球受け部143aは、当該端部が球部143bの一部を覆うように、球部143bを収容している)。なお、後述する球部245bについても同様とする)。また、この球受け部143aの側部には、切欠部143cが設けられている。切欠部143cは、支持部133を球受け部143aを中心にYZ平面内で旋回可能にするためのものである。この切欠部143cの形状については、具体的には、
図8(a)、(b)に示すように、この球部143bを貫通させないものの、支持部133における球部143bよりも幅が小さい球部近傍部分143dを貫通させる大きさにて形成されている。なお、この球受け部143aは、特許請求の範囲における「所定の旋回軸」に対応する。
【0048】
このような構成により、
図8(a)に示すように、操作レバー30a、30bの発電時の操作において、支持部133の球部近傍部分143dを球受け部143aに当接させながら、支持部133を球受け部143aを中心にXZ平面内で旋回させることができる。また、
図8(b)に示すように、操作レバー30a、30bの設置時の操作において、支持部133における支持面Wとの当接部分(具体的には、支持部133における球受け部143a側とは反対側の端部)が、支持面Wと当接する方向に向けて移動可能となるように、支持部133を球受け部143aを中心にYZ平面内で旋回させることができる。そしてさらに、支持部133をXZ平面内及びYZ平面内で旋回させる機能を、球受け部143aに集約することができる。
【0049】
(発電装置の機能)
このように構成された発電装置101の機能について説明する。ここで、発電装置101の発電機能については、上述した実施の形態1と同様であるため、その処理の説明を省略する。また、発電装置101の設置機能についても、上述した実施の形態1と異なる部分についてのみ、その処理を説明する。
【0050】
(発電装置の機能−発電装置の設置機能)
図9は、発電装置101の設置機能の概要を示す図であり、(a)は操作レバー30a、30bの操作後の状態を示す背面図であり、(b)は操作レバー30a、30bの操作後の状態を示す右側面図である。
図9(a)、(b)に示すように、操作レバー30a、30bの支持部133が保護ケース10の背面壁12に当接された状態で、携帯電話Tが倒れないように保護ケース10をユーザの手で支持しながら、保護ケース10の下面壁14を支持面Wに当接させる。次に、操作レバー30a、30bの支持部133を対応する球受け部143aを中心にYZ平面内で旋回させることにより、操作レバー30a、30bの支持部133における支持面Wとの当接部分を、支持面Wと当接する方向に向けて移動させる。そして、これら操作レバー30a、30bの支持部133の旋回移動により、当該支持部133における支持面Wとの当接部分を支持面Wに当接させる。これにより、球受け部143aの位置が実施の形態1の第2の旋回軸42に比べて支持面W上から離れているので、携帯電話Tを安定して支持することができる。
【0051】
(効果)
このように実施の形態2によれば、操作レバー30a、30bの把持部31全体を支持部133として形成したので、保護ケース10を支持するための特殊な部品を新たに追加することなく、携帯電話Tを支持面W上に立設させることができる。また、支持部133をXZ平面内及びYZ平面内で旋回させる機能を、球受け部143aに集約することができ、操作レバー30a、30bの構造を簡易にすることができる。
【0052】
〔実施の形態3〕
次に、実施の形態3について説明する。この形態は、操作手段の把持部の一部を支持手段として形成した形態である。なお、特に説明なき構造については、実施の形態1の構造と同様であり、実施の形態1と略同様の構成要素、及び取り付け方法については、必要に応じて、実施の形態1で用いたのと同一の符号又は名称を付してその説明を省略する。
【0053】
(構成)
まず、発電装置の構成について説明する。
図10は、実施の形態3に係る発電装置を示す図であり、(a)は背面図、(b)は右側面図である。
図11は、正面側から見た操作レバー30aの操作状態を示す図であり、(a)は発電時の状態を示す図であり、(b)は設置時の状態を示す図である。
図10(a)、(b)に示すように、実施の形態3に係る発電装置201は、実施の形態1に係る発電装置1とほぼ同様に構成されている。ただし、操作レバー30a、30bの把持部231の構成内容について、下記に示す工夫が施されている。
【0054】
(構成−操作レバー−把持部)
把持部231は、具体的には、
図10(a)、(b)に示すように、上側部分231aと下側部分231bとの2つに区分けされる。
【0055】
上側部分231aは、具体的には、保護ケース10の背面壁12においてY方向に略沿うように設けられた第3の旋回軸244を中心に旋回自在に軸支されている。また、この上側部分231aの旋回移動に伴って伝達部32が移動可能となるように、この上側部分231aは伝達部32と接続されている。
【0056】
下側部分231b全体は、具体的には、支持部233として形成されている。この支持部233は、上側部分231aの下側部分231b側の端部に設けられたボールジョイント機構245の球受け部245aを中心に旋回自在に軸支されている。ここで、この球受け部245aは、具体的には、
図11(a)、(b)に示すように、支持部233の球受け部245a側の端部に設けられたボールジョイント機構245の球部245bと接続されている。また、この球受け部245aの下端部には、切欠部245cが設けられている。切欠部245cは、支持部233を球受け部245aを中心にYZ平面内で旋回可能にするためのものである。この切欠部245cの形状については、具体的には、
図11(a)、(b)に示すように、球部245bを貫通させないものの、支持部233における球部245bよりも幅が小さい球部近傍部分245dを貫通させる大きさにて形成されている。なお、この球受け部245aは、特許請求の範囲における「所定の旋回軸」に対応する。
【0057】
このような構成により、
図11(a)に示すように、操作レバー30a、30bの発電時の操作において、支持部233の球部近傍部分245dを球受け部245aに当接させながら、把持部231を第3の旋回軸244を中心にXZ平面内で旋回させることができる。また、
図11(b)に示すように、操作レバー30a、30bの設置時の操作において、支持部233における支持面Wとの当接部分(具体的には、支持部233における球部近傍部分245d側とは反対側の端部)が、支持面Wと当接する方向に向けて移動可能となるように、支持部233を球部近傍部分245dを中心にYZ平面内で旋回させることができる。
【0058】
(発電装置の機能)
このように構成された発電装置201の機能について説明する。ここで、発電装置201の発電機能については、上述した実施の形態1と同様であるため、その処理の説明を省略する。また、発電装置201の設置機能についても、上述した実施の形態1と異なる部分についてのみ、その処理を説明する。
【0059】
(発電装置の機能−発電装置の設置機能)
図12は、発電装置201の設置機能の概要を示す図であり、(a)は操作レバー30a、30bの操作後の状態を示す背面図であり、(b)は操作レバー30a、30bの操作後の状態を示す右側面図であり、(c)は操作レバー30a、30bの操作後の状態であって、(b)とは支持部233の向きが異なる状態を示す右側面図である。
図12(a)〜(c)に示すように、操作レバー30a、30bの支持部233が保護ケース10の背面壁12に当接された状態で、携帯電話Tが倒れないように保護ケース10をユーザの手で支持しながら、保護ケース10の下面壁14を支持面Wに当接させる。次に、操作レバー30a、30bの支持部233を対応する球部近傍部分245dを中心にYZ平面内で旋回させることにより、操作レバー30a、30bの支持部233における支持面Wとの当接部分を、支持面Wと当接する方向に向けて移動させる。そして、これら操作レバー30a、30bの支持部233の旋回移動により、当該支持部233における支持面Wとの当接部分を支持面Wに当接させる。これにより、球部近傍部分245dの位置が実施の形態1の第2の旋回軸42に比べて支持面W上から離れているので、携帯電話Tを安定して支持することができる。また、操作レバー30a、30bの支持部233を球部近傍部分245dを中心にYZ平面内で旋回させることにより、操作レバー30a、30bの支持部233の向きを変えることができる。これにより、例えば、操作レバー30a、30bの支持部233の向きが変わると、当該支持部233の支持面W上に対する角度が異なる場合には、
図12(b)、(c)に示すように、携帯電話Tを支持面W上に対して異なる傾きで立設させることができる。
【0060】
(効果)
このように実施の形態3によれば、操作レバー30a、30bの把持部231の下側部分231b全体を、支持部233として形成したので、保護ケース10を支持するための特殊な部品を新たに追加することなく、携帯電話Tを支持面W上に立設させることができる。また、例えば、操作レバー30a、30bの支持部233の向きが変わると、当該支持部233の支持面W上に対する角度が異なる場合には、携帯電話Tを支持面W上に対して異なる傾きで立設させることができ、状況に応じた発電装置201の設置を行うことができる。
【0061】
〔実施の形態4〕
次に、実施の形態4について説明する。この形態は、操作手段の把持部全体を支持手段として形成した形態であって、当該支持手段を、操作手段の伝達部に設けられた所定の旋回軸を中心に旋回自在とした形態である。なお、特に説明なき構造については、実施の形態1の構造と同様であり、実施の形態1と略同様の構成要素、及び取り付け方法については、必要に応じて、実施の形態1で用いたのと同一の符号又は名称を付してその説明を省略する。
【0062】
(構成)
まず、発電装置の構成について説明する。
図13は、支持面W上に立設された状態の携帯電話Tに取り付けられた実施の形態4に係る発電装置を示す斜視図である。
図14は、発電装置を示す図であり、(a)は背面図、(b)は底面図である。
図15は、
図14(a)のA−A矢視図(一部破断)である。
図13〜15に示すように、実施の形態4に係る発電装置301は、保護ケース310と、発電部320と、操作レバー330とを備えている。
【0063】
(構成−保護ケース)
保護ケース310は、具体的には、
図14に示すように、略箱状体であり、正面壁311と、背面壁312と、上面壁313と、下面壁314と、左面壁315と、右面壁316とを備えている。
【0064】
また、この保護ケース310には、切欠部310a、310bが設けられている。切欠部310aは、保護ケース310からの操作レバー330の出し入れを容易にするためのものであり、具体的には、
図13、14(a)、(b)に示すように、保護ケース310における操作レバー330に対応する位置に配置されている(より具体的には、背面壁312、下面壁314、及び左面壁315にわたって配置されている)。切欠部310bは、携帯電話Tが発電装置301に取り付けられた状態で、携帯電話Tのカメラの撮影を可能にするためのものであり、具体的には、
図13、14(a)、(b)に示すように、保護ケース310における携帯電話Tのカメラに対応する位置に配置されている(より具体的には、背面壁312、下面壁314、及び右面壁316にわたって配置されている)。
【0065】
(構成−発電部)
発電部320は、具体的には、
図15に示すように、発電部320は、保護ケース310の内部に収容されており、ギア系統321と、ダイナモ322と、発電基板(図示省略)とを備えている。
【0066】
(構成−発電部−ギア系統)
ギア系統321は、操作レバー330を介して伝達された外力をダイナモ322に伝達するための系統である。具体的には、
図15に示すように、ギア系統321は、ギア321aと、ギア321bとを備えて構成されている。そして、後述する操作レバー330の伝達部332がギア321aと当接しながら移動することに伴って、これらギア321a、及びギア321bは回転される。
【0067】
(構成−発電部−ダイナモ)
ダイナモ322は、ギア321bから伝達された外力によって駆動されることにより発電を行うものであり、
図15に示すように、ギア321bの近傍に配置され、保護ケース310の背面壁312に対して固定具等にて接続されている。
【0068】
(構成−操作レバー)
操作レバー330は、具体的には、
図14(a)、(b)、
図15に示すように、保護ケース310の右端部近傍に配置されており、把持部331と、伝達部332とを備えている。
【0069】
(構成−操作レバー−把持部)
把持部331は、具体的には、略方形状体(あるいは、略円柱状体、略球状体等)であり、保護ケース310の右下端部に配置されている。また、この把持部331全体は、支持部333として形成されている。
【0070】
(構成−操作レバー−伝達部)
伝達部332は、具体的には、略棒状態にて形成されており、当接部分332aと旋回部分332bとの2つに区分けされる。
【0071】
当接部分332aは、具体的には、当該伝達部332のギア321a側の側面がギア321aと当接するように配置されており、当該伝達部332が保護ケース310のX方向の内側から当該X方向の外側に向けて(及びその反対側に向けて)直線移動可能となるように、保護ケース310の背面壁312に対して接続されている。ここで、当接部分332aの構成については、具体的には、ギア321aの歯と噛み合うように、当該当接部分332aのギア321a側の側面の一部が略歯状に形成されている(すなわち、伝達部332の歯部分が形成されている)。また、この当接部分332aと背面壁312との接続については、具体的には、保護ケース310のX方向の内側から当該X方向の外側に向けて当接部分332aが摺動可能となるように、当接部分332aの少なくとも一部が、背面壁312に設けられたガイドレール(図示省略)に保持されている。あるいは、当接部分332aが、保護ケース310のX方向の内側から当該X方向の外側に向けて移動された後に、ユーザが伝達部332を操作することなく、その反対側に向けて移動可能となるように、当接部分332aが、X方向に沿って伸縮可能な弾性バネ材(図示省略)等を介して背面壁312と接続されてもよい。
【0072】
旋回部分332bは、具体的には、当接部分332aにおいてZ方向に略沿うように設けられた第4の旋回軸346を中心に旋回自在に軸支されていると共に、把持部331と接続されている。なお、この第4の旋回軸346は、特許請求の範囲における「所定の旋回軸」に対応する。
【0073】
このような構成により、操作レバー330の伝達部332が保護ケース310のX方向の内側から当該X方向の外側に向けて直線移動し、且つ、伝達部332の旋回部分332bが保護ケース310から露出された状態で第4の旋回軸346を中心に旋回することができるので、保護ケース310における操作レバー330に関する切欠部の占める割合を実施の形態1〜3に比べて小さくすることができ、操作レバー330の収容性を向上させることができる。
【0074】
(発電装置の機能)
このように構成された発電装置301の機能について説明する。
図16は、発電装置301の発電機能の概要を示す底面図であり、(a)は操作レバー330の操作前の状態を示す図であり、(b)は操作レバー330の操作後の状態を示す図である。
図17は、発電装置301の設置機能の概要を示す図であり、(a)は操作レバー330の操作後の状態を示す背面図であり、(b)は操作レバー330の操作後の状態を示す平面図である。ここで、実施の形態4に係る発電装置301の発電機能は、操作レバー330の伝達部332の直線移動により、発電装置301の発電を行う機能であり、実施の形態4に係る発電装置301の設置機能は、操作レバー330の伝達部332の旋回部分332b及び支持部333の旋回移動により、携帯電話Tを支持面W上に立設させる機能である。また、これら発電装置301の発電機能及び設置機能については、上述した実施の形態1と異なる部分についてのみ、その処理を説明する。
【0075】
(発電装置の機能−発電機能)
最初に、発電装置301の発電機能について説明する。なお、この説明では、発電装置301は、ユーザによって保護ケース310の正面壁311(又は背面壁312)の短手方向がZ方向に略沿うように所持された状態で、操作されるものとする。
【0076】
図16(a)、(b)に示すように、ユーザによって操作レバー330が保護ケース310のX方向の内側から当該X方向の外側に向けて操作されると(具体的には、ユーザによって操作レバー330の支持部333に外力が加えられると)、操作レバー330の伝達部332の当接部分332aがギア321aと当接しながら直線移動することにより、その外力はギア321aに伝達される。次に、ギア321aに伝達された外力は、当該ギア321aの回転に伴って、ギア321bに伝達される。そして、このギア321bに伝達された外力は、当該ギア321bの回転によって、ダイナモ322に伝達される。これにより、ダイナモ322に伝達された外力によってダイナモ322を駆動することにより、発電を行うことが可能となる。
【0077】
(発電装置の機能−設置機能)
次に、発電装置301の設置機能について説明する。まず、携帯電話Tが倒れないように保護ケース310をユーザの手で支持しながら、保護ケース310の下面壁314を支持面Wに当接させる。次に、操作レバー330における伝達部332の第4の旋回軸346が外部から露出するように、操作レバー330を保護ケース310のX方向の内側から当該X方向の外側に向けて直線移動させる。次いで、操作レバー330の伝達部332の旋回部分332b及び支持部333を第4の旋回軸346を中心に旋回させることにより、操作レバー330の支持部333における支持面Wとの当接部分を、支持面Wと当接する方向に向けて移動させる。そして、これら操作レバー330の伝達部332の旋回部分332b及び支持部333の旋回移動により、当該支持部333における支持面Wとの当接部分を支持面Wに当接させる。これにより、
図17(a)、(b)に示すように、携帯電話Tを保護ケース310を介して支持面Wに対して立設させることが可能となる。
【0078】
(効果)
このように実施の形態4によれば、操作レバー330は、把持部331と、ユーザによって外力が把持部331に対して加えられた場合に、当接部分332aが把持部331の移動に伴ってギア321aと当接しながら直線移動し、且つ、旋回部分332bが保護ケース310から露出された状態で第4の旋回軸346を中心に旋回する伝達部332と、を備えているので、例えば保護ケース310における操作レバー330に関する切欠部の占める割合を実施の形態1〜3に比べて小さくすることができる。これにより、操作レバー330の収容性を向上させることができ、操作レバー330の誤操作等を防止することができる。
【0079】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0080】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。例えば、操作手段が外力を発電手段に対して伝達しづらい場合であっても、操作手段における外力の伝達構造を、従来とは異なる技術により従来と同様に達成できている場合には、本願発明の課題が解決されている。
【0081】
(保護ケースについて)
上記実施の形態1〜4では、保護ケースは、携帯電話Tの一部を覆うものとして説明したが、例えば、携帯電話Tのすべてを覆うものであってもよい。この場合において、保護ケースにおける携帯電話Tの画面部分を覆うカバー部の構成については、例えば、携帯電話Tの画面部分が外部から視認可能であり、且つタッチパネル操作可能な樹脂材等にて形成されることが望ましい。
【0082】
上記実施の形態1〜4では、携帯電話Tを保護ケースに嵌め込むようにして、保護ケースを携帯電話Tに取り付けると説明したが、例えば、磁石、ビス、又は保護ケースに設けられた係止爪等の係止手段によって、保護ケースを携帯電話Tに取り付けるようにしてもよい。
【0083】
(発電部について)
上記実施の形態1〜4では、発電部全体が保護ケースの内部に収容されていると説明したが、例えば、発電部の一部が保護ケースの内部に収容されて、発電部の他の一部が外部に露出されるように保護ケースに取り付けられてもよい。
【0084】
また、上記実施の形態1〜4では、
図4、
図14、
図15に示すように、発電部は保護ケースの正面略中央位置に配置されていると説明したが、保護ケースの正面略中央位置以外の他の位置に配置されてもよい。例えば、上記実施の形態1において、携帯電話Tのディスプレイや保護ケース10が透過性樹脂等によって透明又は半透明に形成されている場合には、発電部20はユーザの視線の妨げにならない位置(具体的には、保護ケース10の正面上端部、正面下端部、正面左端部、又は正面右端部の近傍位置等)に配置されることが望ましい。
【0085】
また、上記実施の形態1〜4では、発電部はダイナモを用いた発電機構(いわゆる電磁誘導方式の機構)で構成されていると説明したが、これ以外の発電機構で構成されてもよく、例えば圧電素子を用いた発電機構で構成されてもよい。具体的には、発電部は、圧電素子と、可撓性を有する振動板とを備えており、この圧電素子は、振動板の側面に固定されている。また、この振動板の一方の端部は、保護ケースに対して固定されており、この振動板のもう一方の端部は、自由端とするものであり、且つ操作レバーの伝達部と当接されている。このような発電機構の構成により、ユーザによって操作レバーが操作されると、操作レバーの伝達部にて伝達された外力によって振動板が変形され、この振動板の変形に伴って圧電素子が変形されるので、発電を行うことが可能になる。
【0086】
(発電基板について)
上記実施の形態1〜4では、発電基板には、電力変換部や電力出力部が実装されていると説明したが、例えば、これに加えて、ダイナモによって発電された電力を蓄電する蓄電部(例えば充電式電池等)を備えてもよい。これにより、状況に応じて携帯電話Tに電力を供給することができる。
【0087】
(操作レバーの数について)
上記実施の形態1〜3では、発電装置は、操作レバー30a、30bを備えていると説明したが、1本の操作レバーのみを備えてもよい。この場合において、発電部20は、1本のギア系統を備えて構成される。
また、上記実施の形態4では、発電装置301は、操作レバー330を備えていると説明したが、さらに、1本の操作レバーを備えてもよい。
【0088】
(把持部の形状について)
上記実施の形態1〜3では、操作レバー30a、30bの把持部は、略弓状に形成されていると説明したが、例えば略直線状に形成されてもよい。
【0089】
(伝達部について)
上記実施の形態1〜4では、発電装置の発電機能において、操作レバーの伝達部全体が、保護ケースの内側から外側に向けて移動されると説明したが、例えば、この伝達部の一部が、保護ケースの内側から外側に向けて移動されてもよい。具体的には、実施の形態4において、伝達部332が略紐状体に形成されており、この伝達部332が保護ケース310に収容された巻き出し部に巻き付けられている場合には、この伝達部332の一部のみを保護ケース310の内側から外側に向けて巻き出すことができるように、発電装置301が構成されてもよい。
【0090】
(発電装置の設置機能について)
上記実施の形態1〜3では、保護ケース10の正面壁11(又は背面壁12)の長手方向がZ方向に略沿うように、携帯電話Tが保護ケース10を介して支持面Wに対して立設されていると説明したが、例えば保護ケース10の正面壁11(又は背面壁12)の短手方向がZ方向に略沿うように、携帯電話Tが保護ケース10を介して支持面Wに対して立設されてもよい。
また、上記実施の形態4では、保護ケース310の正面壁311(又は背面壁312)の短手方向がZ方向に略沿うように、携帯電話Tが保護ケース310を介して支持面Wに対して立設されていると説明したが、例えば保護ケース310の正面壁311(又は背面壁312)の長手方向がZ方向に略沿うように、携帯電話Tが保護ケース310を介して支持面Wに対して立設されてもよい。
【0091】
また、上記実施の形態1〜4では、携帯電話Tは、操作レバーの支持部によって保護ケースを介して支持面Wに対して立設されていると説明したが、これに限られない。例えば、携帯電話Tは、この支持部によって保護ケースを介して垂直な支持面W上に取り付けられてもよい。この場合において、保護ケースがこの支持部によってこの支持面Wに固定可能なように、例えばこの支持部がフック状に形成されてもよい。
(付記)
付記1の発電装置は、電子機器に対して着脱自在に取り付けられる保護手段であって、前記電子機器の少なくとも一部の側面を覆うことにより、当該電子機器を保護する保護手段と、前記保護手段の内部に少なくとも一部が収容された発電手段であって、当該発電手段が外力によって駆動されることにより発電を行う発電手段と、前記保護手段の内側から外側に向けて少なくとも一部が移動可能となるように、前記保護手段に取り付けられた操作手段であって、当該操作手段に外力が加えられた場合に、当該操作手段の移動に伴って、前記発電手段に対して外力を伝達するための操作手段と、を備えている。
付記2の発電装置は、付記1に記載の発電装置において、前記操作手段の少なくとも一部を、前記電子機器を前記保護手段を介して支持面上に支持するための支持手段として形成している。
付記3の発電装置は、付記2に記載の発電装置において、前記電子機器が、前記支持手段によって前記保護手段を介して前記支持面上に立設される場合において、前記支持手段における前記支持面との当接部分が、前記操作手段における外力を伝達するための移動方向とは異なる方向であって、前記支持面と当接する方向に向けて移動可能となるように、当該支持手段を所定の旋回軸を中心に旋回自在としている。
付記4の発電装置は、付記1から3のいずれか一項に記載の発電装置において、前記操作手段は、ユーザが当該操作手段を把持するための把持部と、ユーザによって外力が前記把持部に対して加えられた場合に、前記把持部の移動に伴って前記発電手段と当接しながら移動することにより、当該発電手段に対して外力を伝達する伝達部と、を備えている。
付記5の発電装置は、付記1から4のいずれか一項に記載の発電装置において、前記電子機器は、携帯電話である。
(付記の効果)
付記1に記載の発電装置によれば、電子機器の少なくとも一部の側面を覆うことにより、当該電子機器を保護する保護手段を備えているので、例えば、電子機器の正面が露出された状態で、保護手段が電子機器に取り付けられている場合には、電子機器から発電装置を取り外すことなく、電子機器及び発電装置を使用することができ、電子機器から発電装置を取り外す手間を省くことが可能となる。また、発電手段を保護手段の内部に収容し、操作手段を保護手段に取り付けているので、発電を行うための部品の全部又は一部を電子機器に組み込む必要がなくなり、電子機器自体の仕様を維持することができる。
付記2に記載の発電装置によれば、操作手段の少なくとも一部を、電子機器を保護手段を介して支持面上に支持するための支持手段として形成しているので、保護手段を支持するための特殊な部品を新たに追加することなく、電子機器を支持面上に立設させることができる。
付記3に記載の発電装置によれば、電子機器が、支持手段によって保護手段を介して支持面上に立設される場合において、支持手段における支持面との当接部分が、操作手段における外力を伝達するための移動方向とは異なる方向であって、支持面と当接する方向に向けて移動可能となるように、当該支持手段を所定の旋回軸を中心に旋回自在としたので、操作手段の発電時の操作と、操作手段の設置時の操作とを択一的に行うことができ、操作性を向上させることができる。
付記4に記載の発電装置によれば、操作手段は、ユーザが当該操作手段を把持するための把持部と、ユーザによって外力が把持部に対して加えられた場合に、把持部の移動に伴って発電手段と当接しながら移動することにより、当該発電手段に対して外力を伝達する伝達部と、を備えているので、操作手段を簡易に構成することができ、製造性を向上させることができる。
付記5に記載の発電装置によれば、電子機器は、携帯電話であるので、携帯電話から発電装置を取り外す手間を省くことが可能となる。また、発電を行うための部品の全部又は一部を携帯電話に組み込む必要がないので、携帯電話自体の仕様を維持することができる。