【実施例】
【0069】
本発明により得られる生成物の確認は下記の機器による測定により行った。
(1)融点:ゲレンキャンプ社製の融点測定装置、型式MFB−595(JIS K0064に準拠)
(2)赤外線(IR)分光光度計:日本分光社製、型式IR−810
(3)核磁気共鳴装置(NMR):日本電子社製、型式GSX FT NMR Spect orometer
【0070】
(合成例1)9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンの合成
温度計、攪拌機付きの50ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、9,10−ジヒドロキシアントラセン2.1g(10.0ミリモル)、無水酢酸10.2g(100ミリモル)、ピリジン2.3g(29.1ミリモル)を仕込み、50℃で1時間加熱した。次いで反応液を冷却し、析出した結晶を吸引ろ過・乾燥し2.9gの薄黄色の粉末を得た。アセトン80gを用いて得られた薄黄色の粉末から目的物を抽出し、抽出物を減圧・濃縮した。析出した結晶を吸引ろ過・乾燥し、9,10−ビス(アセトキシ)アントラセンの白い結晶2.33g(7.9ミリモル)を得た。9,10−ジヒドロキシアントラセンに対する収率は79モル%であった。
【0071】
(1)融点:260℃以上
(2)IR(KBr,cm
−1):2940,1754,1372,1211,1170,1052,757,686.
(3)
1H−NMR(CDCl
3,270MHz):δ=2.63(s,6H),7.48−7.57(m,4H),7.90−7.98(m,4H).
【0072】
(合成例2)9,10−ビス(プロピオニルオキシ)アントラセンの合成
温度計、攪拌機付きの300ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、9,10−ジヒドロキシアントラセン4.2g(20.0ミリモル)、無水プロピオン酸10.4g(80.0ミリモル)をトルエン50ml中に仕込んだ。黄緑色の該スラリーに室温下、ピリジン4.8g(60.8ミリモル)をトルエン8mlに溶解した溶液を加え2時間攪拌後、得られた薄黄色の溶液にメタノールを80ml加え静置し、結晶を析出させた。析出した結晶を吸引ろ過・乾燥し、9,10−ビス(プロピオニルオキシ)アントラセンの5.5g(17.1ミリモル)の薄黄色の微結晶を得た。9,10−ジヒドロキシアントラセンに対する収率は85モル%であった。
【0073】
(1)融点:181−183℃
(2)IR(KBr,cm
−1):2980,2950,1754,1680,1420,1352,1142,1130,1080,1040,762,692.
(3)
1H−NMR(CDCl
3,270MHz):δ=1.48(t,J=8Hz,6H),2.97(q,J=8Hz,4H),7.47−7.56(m,4H),7.88−7.96(m,4H).
【0074】
(合成例3)9,10−ビス(n−ブチリルオキシ)アントラセンの合成
温度計、攪拌機付きの200ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、9,10−ジヒドロキシアントラセン2.1g(10.0ミリモル)を脱気水20g中でスラリー化し、水酸化ナトリウム0.92g(23.0ミリモル)の水3g溶液を加え9,10−ジヒドロキシアントラセンのジナトリウム塩のエンジ色の水溶液とした。この水溶液にテトラブチルアンモニウムブロミドを20mg加え、氷水で冷やしつつ、塩化n−ブチリル2.56g(24.0ミリモル)のトルエン22g溶液を添加した。添加後、反応混合物を2時間撹拌し、水層を分離した。ついで、トルエン層を水10mlで2回洗浄した後、メタノール40ml加え、濃縮した。析出した結晶を吸引濾過・乾燥し、9,10−ビス(n−ブチリルオキシ)アントラセンの薄黄色の結晶1.93g(5.5ミリモル)を得た。原料9,10−ジヒドロキシアントラセンに対する収率は55モル%であった。
【0075】
(1)融点:151−152℃
(2)IR(KBr,cm
−1):3075,2976,2935,2880,1756,1580,1460,1320,1270,1172,1148,936,810,752,622.
(3)
1H−NMR(CDCl
3,270MHz):δ=1.18(t,J=8Hz,6H),1.96−2.04(m,4H),2.90(t,J=8Hz,4H),7.46−7.53(m,4H),7.89−7.95(m,4H).
【0076】
(合成例4)9,10−ビス(i−ブチリルオキシ)アントラセンの合成
温度計、攪拌機付きの200ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、9,10−ジヒドロキシアントラセン2.10g(10.0ミリモル)を脱気水20gでスラリー化し、水酸化ナトリウム0.92g(23.0ミリモル)の水3g溶液を加え9,10−ジヒドロキシアントラセンのジナトリウム塩のエンジ色の水溶液とした。この水溶液にテトラブチルアンモニウムブロミドを20mg加え氷水で冷やしつつ、塩化i−ブチリル2.45g(23.0ミリモル)のトルエン22g溶液を添加した。添加後、2時間撹拌し、水層を分離した。ついで、トルエン層を水10mlで2回洗浄した後、メタノール40ml加え、濃縮した。析出した結晶を吸引濾過・乾燥し、9,10−ビス(i−ブチリルオキシ)アントラセンの薄黄色の結晶2.17g(6.2ミリモル)を得た。原料9,10−ジヒドロキシアントラセンに対する収率は62モル%であった。
【0077】
(1)融点:181−182℃
(2)IR(KBr,cm
−1):3080,2980,2945,2890,1756,1472,1370,1320,1232,1130,1060,1018,932,760,720,612.
(3)
1H−NMR(CDCl
3,270MHz):δ=1.57(d,J=8Hz,12H),3.14−3.24(m,2H),7.46−7.52(m,4H),7.87−7.94(m,4H).
【0078】
(合成例5)9,10−ビス(n−バレリルオキシ)アントラセンの合成
温度計、攪拌機付きの200ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、9,10−ジヒドロキシアントラセン2.10g(10.0ミリモル)を脱気水20gでスラリー化し、水酸化ナトリウム0.92g(23.0ミリモル)の水3g溶液を加え9,10−ジヒドロキシアントラセンのジナトリウム塩のエンジ色の水溶液とした。この水溶液にテトラブチルアンモニウムブロミドを20mg加え氷水で冷やしつつ、塩化n−バレリル2.89g(24.0ミリモル)のトルエン15g溶液を添加した。添加後、2時間撹拌し、水層を分離した。ついで、トルエン層を水10mlで2回洗浄した後、メタノール40ml加え、濃縮した。析出した結晶を吸引濾過・乾燥し、9,10−ビス(n−バレリルオキシ)アントラセンの薄黄色の結晶2.19(5.8ミリモル)を得た。原料9,10−ジヒドロキシアントラセンに対する収率は58モル%であった。
【0079】
(1)融点:126−127℃
(2)IR(KBr,cm
−1):2960,2930,2875,1760,1416,1356,1138,1090,1058,1040,931,918,763,745.
(3)
1H―NMR(400MHz、CDCl
3):δ=1.05(t,J=8Hz,6H),1.54−1.63(m,4H),1.90-2.00(m、4H),2.92(t,J=8Hz,4H),7.45−7.52(m,4H),7.86−7.94(m,4H).
【0080】
(合成例6)9,10−ビス(i−バレリルオキシ)アントラセンの合成
温度計、攪拌機付きの200ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、9,10−ジヒドロキシアントラセン2.10g(10.0ミリモル)を脱気水20gでスラリー化し、水酸化ナトリウム0.92g(23.0ミリモル)の水3g溶液を加え9,10−ジヒドロキシアントラセンのジナトリウム塩のエンジ色の水溶液とした。この水溶液にテトラブチルアンモニウムブロミドを20mg加え氷水で冷やしつつ、塩化i−バレリル2.65g(22.0ミリモル)のトルエン22g溶液を添加した。添加後、2時間撹拌し、水層を分離した。ついで、トルエン層を水10mlで2回洗浄した後、メタノール40ml加え、濃縮した。析出した結晶を吸引濾過・乾燥し、9,10−ビス(i−バレリルオキシ)アントラセンの薄黄色の結晶2.26(6.0ミリモル)を得た。原料9,10−ジヒドロキシアントラセンに対する収率は60モル%であった。
【0081】
(1)融点:161−162℃
(2)IR(KBr,cm
−1):3060,2960,2875,1760,1628,1470,1410,1360,1150,1098,1042,760,726.
(3)
1H―NMR(400MHz、CDCl
3):δ=1.18(d,J=8Hz,12H),2.40−2.50(m,2H),2.80(d,J=8Hz,4H),7.45−7.53(m,4H),7.88−7.95(m,4H).
【0082】
(合成例7)9,10−ビス(n−ヘキサノイルオキシ)アントラセンの合成
温度計、攪拌機付きの200ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、9,10−ジヒドロキシアントラセン2.10g(10.0ミリモル)を脱気水20gでスラリー化し、水酸化ナトリウム0.92g(23.0ミリモル)の水3g溶液を加え9,10−ジヒドロキシアントラセンのジナトリウム塩のエンジ色の水溶液とした。この水溶液にテトラブチルアンモニウムブロミドを20mg加え氷水で冷やしつつ、得られた9,10−ジヒドロキシアントラセンのジナトリウム水溶液に、塩化n−ヘキサノイル2.96g(22.0ミリモル)のトルエン20g溶液を添加した。添加後、2時間撹拌し、水層を分離した。ついで、トルエン層を水10mlで2回洗浄した後、メタノール40ml加え、濃縮した。析出した結晶を吸引濾過・乾燥し、9,10−ビス(n−ヘキサノイルオキシ)アントラセンの白色の結晶3.45g(8.5ミリモル)を得た。原料9,10−ジヒドロキシアントラセンに対する収率は85モル%であった。
【0083】
(1)融点:115−117℃
(2)IR(KBr,cm
−1):2960,2946,2860,1760,1594,1462,1358,1140,1096,758.
(3)
1H―NMR(400MHz、CDCl
3):δ=0.98(t,J=8Hz,6H),1.42−1.62(m,8H),1.92−2.02(m,4H),2.92(t,J=8Hz,4H),7.45−7.56(m,4H),7.89−7.96(m,4H)
【0084】
(合成例8)9,10−ビス(n−ヘプタノイルオキシ)アントラセンの合成
温度計、攪拌機付きの200ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、9,10−ジヒドロキシアントラセン2.10g(10.0ミリモル)を脱気水20gでスラリー化し、水酸化ナトリウム0.92g(23.0ミリモル)の水3g溶液を加え9,10−ジヒドロキシアントラセンのジナトリウム塩のエンジ色の水溶液とした。この水溶液にテトラブチルアンモニウムブロミドを20mg加え氷水で冷やしつつ、塩化n−ヘプタノイル3.27g(22.0ミリモル)のトルエン20g溶液を添加した。添加後、2時間撹拌し、水層を分離した。ついで、トルエン層を水10mlで2回洗浄した後、メタノール40ml加え、濃縮した。析出した結晶を吸引濾過・乾燥し、9,10−ビス(n−ヘキサノイルオキシ)アントラセンの白色の結晶3.39g(7.8ミリモル)を得た。原料9,10−ジヒドロキシアントラセンに対する収率は78モル%であった。
【0085】
(1)融点:124−125℃
(2)IR(KBr、cm
−1):2930,2860,1758,1472,1418,1367,1135,1042,762,720.
(3)
1H−NMR(400MHz、CDCl
3):δ=0.96(t、J=8Hz,6H),1.35−1.49(m,8H),1.49−1.61(m,4H),1.91−2.01(m,4H),2.91(t,J=8Hz,4H),7.48−7.57(m,4H),7.87−7.94(m,4H).
【0086】
(合成例9)9,10−ビス(n−オクタノイルオキシ)アントラセンの合成
温度計、攪拌機付きの200ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、9,10−ジヒドロキシアントラセン2.10g(10.0ミリモル)を脱気水20gでスラリー化し、水酸化ナトリウム0.92g(23.0ミリモル)の水3g溶液を加え9,10−ジヒドロキシアントラセンのジナトリウム塩のエンジ色の水溶液とした。この水溶液にテトラブチルアンモニウムブロミドを20mg加え氷水で冷やしつつ、塩化n−オクタノイル3.58g(22.0ミリモル)のトルエン22g溶液を添加した。添加後、2時間撹拌し、水層を分離した。ついでトルエン層を水10mlで2回洗浄した後、メタノール40ml加え、濃縮した。析出した結晶を吸引濾過・乾燥し、9,10−ビス(n−オクタノイルオキシ)アントラセンの白色の結晶3.42g(7.4ミリモル)を得た。原料9,10−ジヒドロキシアントラセンに対する収率は74モル%であった。
【0087】
(1)融点:98−99℃
(2)IR(KBr,cm
−1):2970,2925,2860,1756,1420,1370,1358,1138,1026,762.
(3)
1H―NMR(400MHz、CDCl
3):δ=0.92(t,J=8Hz,6H),1.32−1.39(m,8H),1.39−1.48(m,4H),1.48−1.58(m,4H),1.91−2.00(m,4H),2.91(t,J=8Hz,4H),7.47−7.53(m,4H),7.88−7.96(m,4H).
【0088】
(合成例10)9,10−ビス(2−エチルヘキサノイルオキシ)アントラセンの合成
温度計、攪拌機付きの200ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、9,10−ジヒドロキシアントラセン2.10g(10.0ミリモル)を脱気水20gでスラリー化し、水酸化ナトリウム0.92g(23.0ミリモル)の水3g溶液を加え9,10−ジヒドロキシアントラセンのジナトリウム塩のエンジ色の水溶液とした。この水溶液にテトラブチルアンモニウムブロミドを20mg加え氷水で冷やしつつ、塩化−2−エチルヘキサノイル3.58g(22.0ミリモル)のトルエン22g溶液を添加した。添加後、2時間撹拌し、水層を分離した。ついで、トルエン層を水10mlで2回洗浄した後、メタノール40ml加え、濃縮した。析出した結晶を吸引濾過・乾燥し、9,10−ビス(2−エチルヘキサノイルオキシ)アントラセンの白色の結晶3.60g(7.8ミリモル)を得た。原料9,10−ジヒドロキシアントラセンに対する収率は78モル%であった。
【0089】
(1)融点:134−135℃
(2)IR(KBr,cm
−1):3065,2960,2940,2870,1760,1628,1462,1290,1280,1270,1152,1093,955,752,684.
(3)
1H―NMR(400MHz、CDCl
3):δ=1.01(t,J=8Hz,6H),1.21(t,J=8Hz,6H),1.43−1.63(m,8H),1.79−1.96(m,4H),1.96−2.11(m,4H),2.88−2.97(m,4H),7.47−7.53(m,4H),7.91−7.98(m,4H).
【0090】
(合成例11)9,10−ビス(n−ノナノイルオキシ)アントラセンの合成
温度計、攪拌機付きの200ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、9,10−ジヒドロキシアントラセン2.10g(10.0ミリモル)を脱気水20gでスラリー化し、水酸化ナトリウム0.92g(23.0ミリモル)の水3g溶液を加え9,10−ジヒドロキシアントラセンのジナトリウム塩のエンジ色の水溶液とした。この水溶液にテトラブチルアンモニウムブロミドを20mg加え氷水で冷やしつつ、塩化n−ノナノイル3.88g(22.0ミリモル)のトルエン22g溶液を添加した。添加後2時間撹拌し、水層を分離した。ついで、トルエン層を水10mlで2回洗浄した後、メタノール40ml加え、濃縮した。析出した結晶を吸引濾過・乾燥し、9,10−ビス(n−ノナノイルオキシ)アントラセンの白色の結晶3.53g(7.2ミリモル)を得た。原料9,10−ジヒドロキシアントラセンに対する収率は72モル%であった。
【0091】
(1)融点:96−97℃
(2)IR(KBr,cm
−1):3070,2930,2855,1755,1626,1468,1424,1362,1340,1304,1260,1216,1152,1108,760,725.
(3)
1H―NMR(400MHz、CDCl
3):δ=0.91(t,J=8Hz,6H),1.27−1.48(m,12H),1.51−1.60(m,4H),1.91−2.00(m,4H),2.92(t,J=8Hz,4H),7.47−7.53(m,4H),7.88−7.96(m,4H).
【0092】
(実施例1)9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア1173)を使用した例)
トリメチロールプロパントリアクリレート100重量部、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン0.7重量部に対し、合成例1と同様の方法で得た9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンを0.1重量部添加したラジカル重合性組成物を調製した。次に、ポリエステルフィルム(東レ製ルミラー膜厚100ミクロン、ルミラーは東レ株式会社の登録商標)上に調製した組成物を膜厚が30ミクロンとなるようにバーコーターを使用して塗布した。塗布後、この塗布膜をタックフィルムで覆い、ついで空気雰囲気下、紫外LED(PhoseonTechnology社製RX-Firefly、中心波長395nm、照射強度1.0W/cm
2)を用いて光照射したところ、硬化していることを確認した。タックフリータイムは2.0秒であった。
【0093】
(実施例2)9,10−ビス(プロピオニルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア1173)を使用した例)
9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンを合成例2と同様の方法で得た9,10−ビス(プロピオニルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例1と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは1.6秒であった。
【0094】
(実施例3)9,10−ビス(n−ブチリルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア1173)を使用した例)
9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンを合成例3と同様の方法で得た9,10−ビス(ブチリルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例1と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは1.5秒であった。
【0095】
(実施例4)9,10−ビス(i−ブチリルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア1173)を使用した例)
9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンを合成例4と同様の方法で得た9,10−ビス(ブチリルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例1と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは1.8秒であった。
【0096】
(実施例5)9,10−ビス(n−バレリルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア1173)を使用した例)
9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンを合成例5と同様の方法で得た9,10−ビス(n−バレリルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例1と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは1.5秒であった。
【0097】
(実施例6)9,10−ビス(i−バレリルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア1173)を使用した例)
9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンを合成例6と同様の方法で得た9,10−ビス(バレリルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例1と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは1.5秒であった。
【0098】
(実施例7)9,10−ビス(n−ヘキサノイルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア1173)を使用した例)
9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンを合成例7と同様の方法で得た9,10−ビス(n−ヘキサノイルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例1と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは3.0秒であった。
【0099】
(実施例8)9,10−ビス(n−ヘプタノイルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア1173)を使用した例)
9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンを合成例8と同様の方法で得た9,10−ビス(n−ヘプタノイルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例1と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは6.0秒であった。
【0100】
(実施例9)9,10−ビス(n−オクタノイルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア1173)を使用した例)
9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンを合成例9と同様の方法で得た9,10−ビス(n−オクタノイルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例1と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは3.0秒であった。
【0101】
(実施例10)9,10−ビス(2−エチルヘキサノイルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア1173)を使用した例)
9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンを合成例10と同様の方法で得た9,10−ビス(2−エチルヘキサノイルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例1と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは4.0秒であった。
【0102】
(実施例11)9,10−ビス(n−ノナノイルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア1173)を使用した例)
9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンを合成例11と同様の方法で得た9,10−ビス(n−ノナノイルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例1と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは2.0秒であった。
【0103】
(実施例12)9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184)を使用した例)
トリメチロールプロパントリアクリレート100重量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン1.0重量部に対し、合成例1と同様の方法で得た9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンを0.1重量部添加したラジカル重合性組成物を調製した。次に、ポリエステルフィルム(東レ製ルミラー膜厚100ミクロン、ルミラーは東レ株式会社の登録商標)上に調製した組成物を膜厚が30ミクロンとなるようにバーコーターを使用して塗布した。塗布後、この塗布膜をタックフィルムで覆い、ついで空気雰囲気下、紫外LED(PhoseonTechnology社製RX−Firefly、中心波長395nm、照射強度1.0W/cm
2)を用いて光照射したところ、硬化していることを確認した。タックフリータイムは0.8秒であった。
【0104】
(実施例13)9,10−ビス(プロピオニルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験((ラジカル重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184)を使用した例)
9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンを合成例2と同様の方法で得た9,10−ビス(プロピオニルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例12と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは0.9秒であった。
【0105】
(実施例14)9,10−ビス(n−ブチリルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184)を使用した例)
9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンを合成例3と同様の方法で得た9,10−ビス(ブチリルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例12と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは1.3秒であった。
【0106】
(実施例15)9,10−ビス(i−ブチリルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184)を使用した例)
9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンを合成例4と同様の方法で得た9,10−ビス(ブチリルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例12と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは1.0秒であった。
【0107】
(実施例16)9,10−ビス(n−バレリルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184)を使用した例)
9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンを合成例5と同様の方法で得た9,10−ビス(n−バレリルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例12と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは0.6秒であった。
【0108】
(実施例17)9,10−ビス(i−バレリルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184)を使用した例)
9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンを合成例6と同様の方法で得た9,10−ビス(バレリルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例12と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは1.0秒であった。
【0109】
(実施例18)9,10−ビス(n−ヘキサノイルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184)を使用した例)
9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンを合成例7と同様の方法で得た9,10−ビス(n−ヘキサノイルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例12と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは1.0秒であった。
【0110】
(実施例19)9,10−ビス(n−ヘプタノイルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184)を使用した例)
9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンを合成例8と同様の方法で得た9,10−ビス(n−ヘプタノイルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例12と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは1.0秒であった。
【0111】
(実施例20)9,10−ビス(n−オクタノイルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184)を使用した例)
9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンを合成例9と同様の方法で得た9,10−ビス(n−オクタノイルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例12と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは0.8秒であった。
【0112】
(実施例21)9,10−ビス(2−エチルヘキサノイルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184)を使用した例)
9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンを合成例10と同様の方法で得た9,10−ビス(2−エチルヘキサノイルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例12と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは1.0秒であった。
【0113】
(実施例22)9,10−ビス(n−ノナノイルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184)を使用した例)
9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンを合成例11と同様の方法で得た9,10−ビス(n−ノナノイルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例12と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは1.0秒であった。
【0114】
(実施例23)9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア651)を使用した例)
トリメチロールプロパントリアクリレート100重量部、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン0.15重量部に対し、合成例1と同様の方法で得た9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンを0.1重量部添加したラジカル重合性組成物を調製した。次に、ポリエステルフィルム(東レ製ルミラー膜厚100ミクロン、ルミラーは東レ株式会社の登録商標)上に調製した組成物を膜厚が30ミクロンとなるようにバーコーターを使用して塗布した。塗布後、この塗布膜をタックフィルムで覆い、ついで空気雰囲気下、紫外LED(PhoseonTechnology社製RX−Firefly、中心波長395nm、照射強度1.0W/cm
2)を照射したところ、硬化していることを確認した。タックフリータイムは1.2秒であった。
【0115】
(実施例24)9,10−ビス(プロピオニルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア1173)を使用した例)
9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンを合成例2と同様の方法で得た9,10−ビス(プロピオニルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例23と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは1.0秒であった。
【0116】
(実施例25)9,10−ビス(n−ブチリルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア651)を使用した例)
9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンを合成例3と同様の方法で得た9,10−ビス(ブチリルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例23と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは2.2秒であった。
【0117】
(実施例26)9,10−ビス(i−ブチリルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア651)を使用した例)
9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンを合成例4と同様の方法で得た9,10−ビス(ブチリルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例23と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは1.5秒であった。
【0118】
(実施例27)9,10−ビス(n−バレリルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア651)を使用した例)
9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンを合成例5と同様の方法で得た9,10−ビス(n−バレリルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例23と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは0.8秒であった。
【0119】
(実施例28)9,10−ビス(i−バレリルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア651)を使用した例)
9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンを合成例6と同様の方法で得た9,10−ビス(バレリルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例23と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは1.5秒であった。
【0120】
(実施例29)9,10−ビス(n−ヘキサノイルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア651)を使用した例)
9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンを合成例7と同様の方法で得た9,10−ビス(n−ヘキサノイルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例23と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは1.6秒であった。
【0121】
(実施例30)9,10−ビス(n−ヘプタノイルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア651)を使用した例)
9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンを合成例8と同様の方法で得た9,10−ビス(n−ヘプタノイルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例23と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは1.4秒であった。
【0122】
(実施例31)9,10−ビス(n−オクタノイルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア651)を使用した例)
9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンを合成例9と同様の方法で得た9,10−ビス(n−オクタノイルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例23と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは1.5秒であった。
【0123】
(実施例32)9,10−ビス(2−エチルヘキサノイルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア651)を使用した例)
9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンを合成例10と同様の方法で得た9,10−ビス(2−エチルヘキサノイルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例23と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは1.5秒であった。
【0124】
(実施例33)9,10−ビス(n−ノナノイルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア651)を使用した例)
9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンを合成例11と同様の方法で得た9,10−ビス(n−ノナノイルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例23と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは1.8秒であった。
【0125】
(比較例1)ラジカル重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア1173)を用い、ラジカル重合増感剤を使用しない場合の光硬化実験
9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンを添加しないこと以外は、実施例1と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは52秒であった。
【0126】
(比較例2)ラジカル重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184)を用い、ラジカル重合増感剤を使用しない場合の光硬化実験
9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンを添加しないこと以外は、実施例12と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは25秒であった。
【0127】
(比較例3)ラジカル重合開始剤として2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア651)を用い、ラジカル重合増感剤を使用しない場合の光硬化実験
9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセンを添加しないこと以外は、実施例23と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは17秒であった。
【0128】
(比較例4)ラジカル重合開始剤を用いず、ラジカル重合増感剤である9,10−ビス(アセチルオキシ)アントラセン単独使用の場合の光硬化実験
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを添加しないこと以外は、実施例1と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは14.0秒であった。
【0129】
(比較例5)ラジカル重合開始剤を用いず、ラジカル重合増感剤である9,10−ビス(n−ブチリルオキシ)アントラセン単独使用の場合の光硬化実験
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを添加しないこと以外は、実施例3と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは8.0秒であった。
【0130】
(比較例6)ラジカル重合開始剤を用いず、ラジカル重合増感剤である9,10−ビス(i−ブチリルオキシ)アントラセン単独使用の場合の光硬化実験
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを添加しないこと以外は、実施例4と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは11.0秒であった。
【0131】
(比較例7)ラジカル重合開始剤を用いず、ラジカル重合増感剤である9,10−ビス(n−バレリルオキシ)アントラセン単独使用の場合の光硬化実験
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを添加しないこと以外は、実施例5と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは9.0秒であった。
【0132】
(比較例8)ラジカル重合開始剤を用いず、ラジカル重合増感剤である9,10−ビス(i−バレリルオキシ)アントラセン単独使用の場合の光硬化実験
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを添加しないこと以外は、実施例6と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは14.0秒であった。
【0133】
(比較例9)ラジカル重合開始剤を用いず、ラジカル重合増感剤である9,10−ビス(n−ヘキサノイルオキシ)アントラセン単独使用の場合の光硬化実験
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを添加しないこと以外は、実施例7と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは26.0秒であった。
【0134】
(比較例10)ラジカル重合開始剤を用いず、ラジカル重合増感剤である9,10−ビス(n−ヘプタノイルオキシ)アントラセン単独使用の場合の光硬化実験
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを添加しないこと以外は、実施例8と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは52秒であった。
【0135】
(比較例11)ラジカル重合開始剤を用いず、ラジカル重合増感剤である9,10−ビス(n−オクタノイルオキシ)アントラセン単独使用の場合の光硬化実験
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを添加しないこと以外は、実施例9と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは28秒であった。
【0136】
(比較例12)ラジカル重合開始剤を用いず、ラジカル重合増感剤である9,10−ビス(2−エチルヘキサノイルオキシ)アントラセン単独使用の場合の光硬化実験
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを添加しないこと以外は、実施例10と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは50秒であった。
【0137】
(比較例13)ラジカル重合開始剤を用いず、ラジカル重合増感剤である9,10−ビス(n−ノナノイルオキシ)アントラセン単独使用の場合の光硬化実験
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを添加しないこと以外は、実施例11と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは41秒であった。
【0138】
(比較例14)ラジカル重合開始剤として2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(イルガキュア907)を用い、ラジカル重合増感剤を使用しない場合の光硬化実験
ダロキュア1173をイルガキュア907に変えたこと以外は、比較例1と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後同様の条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは4.0秒であった。
【0139】
(比較例15)ラジカル重合開始剤としてビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(イルガキュア819)を用い、ラジカル重合増感剤を使用しない場合の光硬化実験
イルガキュア651をイルガキュア819に変えたこと以外は、比較例3と全く同様にして光硬化組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは0.3秒であった。
【0140】
実施例1から実施例33、比較例1から比較例15の結果を下表にまとめた。
【0141】
実施例1〜11と比較例1、実施例12〜22と比較例2、実施例23〜33と比較例3を比べることにより明らかなように、本発明の9,10−ビス(アシルオキシ)アントラセン化合物は、α−ヒドロキシアルキルフェノン系ラジカル重合開始剤であるダロキュア1173、イルガキュア184、ベンジルメチルケタール系ラジカル重合開始剤であるイルガキュア651に対して、395nmのLED光を照射した際に増感効果があり、その速度はアミノアルキルフェノン系のイルガキュア907と同等あるいはそれを超えるものであり、アシルホスフィンオキサイド系のイルガキュア819にも匹敵するものであることがわかる。したがって、本発明のラジカル重合増感剤は、炭素原子、酸素原子、水素原子のみからなるラジカル重合開始剤に対してラジカル重合増感剤として有用である。
【0142】
また、比較例4〜13のラジカル重合開始剤を用いない例からわかるように、本発明の化合物は、ラジカル重合開始剤としての効果もあるが、硬化速度は十分ではないことが分かる。
【0143】
【表1】
【0144】
【表2】
【0145】
【表3】
【0146】
【表4】
【0147】
【表5】