特許第6160858号(P6160858)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6160858
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】照明装置および灯具
(51)【国際特許分類】
   F21V 23/00 20150101AFI20170703BHJP
   F21V 23/06 20060101ALI20170703BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20170703BHJP
   F21V 29/507 20150101ALI20170703BHJP
   F21V 29/508 20150101ALI20170703BHJP
   F21V 29/76 20150101ALI20170703BHJP
   F21K 9/238 20160101ALI20170703BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20170703BHJP
【FI】
   F21V23/00 160
   F21V23/06
   F21V29/503
   F21V29/507
   F21V29/508 100
   F21V29/76
   F21K9/238
   F21Y115:10 300
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-88682(P2013-88682)
(22)【出願日】2013年4月19日
(65)【公開番号】特開2014-212073(P2014-212073A)
(43)【公開日】2014年11月13日
【審査請求日】2016年3月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100180976
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 一郎
(72)【発明者】
【氏名】白石 寛光
【審査官】 松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−028286(JP,A)
【文献】 特開2011−253622(JP,A)
【文献】 特開2003−022702(JP,A)
【文献】 特開2012−243390(JP,A)
【文献】 特開2014−203574(JP,A)
【文献】 特開2010−153220(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0156566(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 23/00
F21V 23/06
F21V 29/503
F21V 29/507
F21V 29/508
F21V 29/76
F21Y 115/10
F21K 9/238
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体部と;
前記筐体部の内部に、前記筐体部と密着させて設けられた保持部と;
前記保持部と嵌め合わされ、前記筐体部の一方の端部に露出する金属を含む板状体と;
前記板状体の上に設けられた基板と;
前記基板の表面に設けられた配線パターンと;
前記配線パターンの上に設けられた発光素子と;
前記保持部を貫通し、一方の端部が前記配線パターンと電気的に接続された給電端子と;
を具備した照明装置。
【請求項2】
前記筐体部の熱伝導率は、前記保持部の熱伝導率よりも高い請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記筐体部は、前記給電端子が貫通し、前記板状体が嵌め合わされた前記保持部と、一体成形することで、形成されてなる請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記給電端子の他方の端部側に嵌め合わされるソケットをさらに具備した請求項1〜3のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項5】
前記筐体部は、高熱伝導性樹脂を含み、
前記保持部は、樹脂を含む請求項1〜4のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つに記載の照明装置を具備した灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
後述する実施形態は、概ね、照明装置および灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
絶縁部材中に組み付けられた放熱部材および給電部材と、放熱部材の上端面に設けられた基板と、基板の上に設けられた複数の発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)と、を具備した照明装置がある。
この様な照明装置においては、絶縁部材中に放熱部材および給電部材を組み付けるため、製造コストが高くなる。
また、ブロック状の放熱部材を用いるため、小型化や軽量化が図れなくなるおそれがある。
そのため、製造コストの低減と、小型化と、軽量化を図ることができる照明装置の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−171276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、製造コストの低減と、小型化と、軽量化を図ることができる照明装置および灯具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る照明装置は、筐体部と;前記筐体部の内部に、前記筐体部と密着させて設けられた保持部と;前記保持部と嵌め合わされ、前記筐体部の一方の端部に露出する金属を含む板状体と;前記板状体の上に設けられた基板と;前記基板の表面に設けられた配線パターンと;前記配線パターンの上に設けられた発光素子と;前記保持部を貫通し、一方の端部が前記配線パターンと電気的に接続された給電端子と;を具備している。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、製造コストの低減と、小型化と、軽量化を図ることができる照明装置および灯具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施の形態に係る照明装置1を例示するための模式斜視図である。
図2】発光モジュール20の模式斜視図である。
図3】ソケット30の模式斜視図である。
図4】本体部10の模式斜視図である。
図5】本体部10の模式断面図である。
図6】(a)、(b)は、板状体14と保持部16との組み付け関係を例示するための模式斜視図である。
図7】(a)、(b)は、他の実施形態に係る位置決めを行う部分を例示するための模式斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
第1の発明は、筐体部と;前記筐体部の内部に、前記筐体部と密着させて設けられた保持部と;前記保持部と嵌め合わされ、前記筐体部の一方の端部に露出する金属を含む板状体と;前記板状体の上に設けられた基板と;前記基板の表面に設けられた配線パターンと;前記配線パターンの上に設けられた発光素子と;前記保持部を貫通し、一方の端部が前記配線パターンと電気的に接続された給電端子と;を具備した照明装置である。
この照明装置によれば、製造コストの低減と、小型化と、軽量化を図ることができる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、前記筐体部の熱伝導率は、前記保持部の熱伝導率よりも高い照明装置である。
この照明装置によれば、放熱性を向上させることができる。
【0010】
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記筐体部は、前記給電端子が貫通し、前記板状体が嵌め合わされた前記保持部と、一体成形することで、形成されてなる照明装置である。
この照明装置によれば、製造コストの低減と、小型化と、軽量化を図ることができる。
【0011】
第4の発明は、第1〜第3のいずれか1つの発明において、前記給電端子の他方の端部側に嵌め合わされるソケットをさらに具備した照明装置である。
【0012】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本実施の形態に係る照明装置1を例示するための模式斜視図である。
図2は、発光モジュール20の模式斜視図である。
図3は、ソケット30の模式斜視図である。
図1に示すように、照明装置1には、本体部10、発光モジュール20、およびソケット30が設けられている。
【0013】
まず、発光モジュール20について例示をする。
図2に示すように、発光モジュール20には、基板21、発光部22、制御素子23、および配線パターン24が設けられている。
【0014】
基板21は、筐体部17の収納部11の内部に、板状体14を介して設けられている。 基板21は、板状を呈し、表面に配線パターン24が設けられている。
基板21の材料や構造には特に限定はない。例えば、基板21は、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどの無機材料(セラミックス)、紙フェノールやガラスエポキシなどの有機材料などから形成することができる。また、基板21は、金属板の表面を絶縁材料で被覆したものであってもよい。なお、金属板の表面を絶縁材料で被覆する場合には、絶縁材料は、有機材料からなるものであってもよいし、無機材料からなるものであってもよい。
【0015】
この場合、発光部22の発熱量が多い場合には、放熱の観点から熱伝導率の高い材料を用いて基板21を形成することが好ましい。熱伝導率の高い材料としては、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、高熱伝導性樹脂、金属板の表面を絶縁材料で被覆したものなどを例示することができる。
また、基板21は、単層であってもよいし、多層であってもよい。
【0016】
発光部22は、基板21の表面に設けられた配線パターン24の上に複数実装されている。
発光部22には、発光素子22a、外囲器22b、リード22cおよび封止部22dが設けられている。
発光素子22aは、外囲器22bに設けられた凹部22b1の内部に設けられている。 発光素子22aは、凹部22b1の内部に露出するリード22cに電気的に接続されている。
発光素子22aは、例えば、発光ダイオード、有機発光ダイオード、レーザダイオードなどとすることができる。
発光素子22aの光の出射面である上面は、照明装置1の正面側に向けられており、主に、照明装置1の正面側に向けて光を出射する。
【0017】
外囲器22bは、例えば、PBT(polybutylene terephthalate)やPC(polycarbonate)などの樹脂や、セラミックスなどから形成することができる。
また、外囲器22bの材料を樹脂とする場合には、酸化チタンなどの粒子を混合して、発光素子22aから出射した光に対する反射率を向上させるようにすることができる。
なお、酸化チタンの粒子に限定されるわけではなく、発光素子22aから出射した光に対する反射率が高い材料からなる粒子を混合させるようにすればよい。
また、外囲器22bは、例えば、白色の樹脂から形成することもできる。
【0018】
外囲器22bの凹部22b1の側壁面は斜面となっている。発光素子22aから出射した光の一部は、外囲器22bの側壁面で反射されて、照明装置1の正面側に向けて出射される。
また、発光素子22aから照明装置1の正面側に向けて出射された光の一部であって封止部22dの上面(封止部22dと外気との界面)で全反射した光は、外囲器22bの凹部22b1の側壁面で反射して、再び照明装置1の正面側に向けて照射される。
【0019】
すなわち、外囲器22bは、リフレクタの機能を併せ持つものとすることができる。なお、外囲器22bの形態は、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
【0020】
リード22cの一方の端部側は、外囲器22bの凹部22b1の内部に露出している。 リード22cの他方の端部側は、外囲器22bの凹部22b1が開口する側とは反対の側の面(下面)に向けて折り曲げられている。リード22cは、例えば、Jベンド型のリードとすることができる。
リード22cの凹部22b1の内部に露出する部分は、発光素子22aと電気的に接続されている。
リード22cの外囲器22bの下面に向けて折り曲げられている部分は、配線パターン24と電気的に接続されている。
そのため、発光素子22aは、リード22cを介して配線パターン24と電気的に接続されている。
【0021】
封止部22dは、外囲器22bの凹部22b1に設けられている。封止部22dは、凹部22b1の内部を覆うように設けられている。すなわち、封止部22dは、凹部22b1の内部に設けられ、発光素子22aと、リード22cの一方の端部側を覆っている。
【0022】
封止部22dは、透光性を有する材料から形成されている。封止部22dは、例えば、シリコーン樹脂などから形成することができる。
封止部22dは、例えば、外囲器22bの凹部22b1に樹脂を充填することで形成することができる。樹脂の充填は、例えば、ディスペンサなどの液体定量吐出装置を用いて行うことができる。
【0023】
外囲器22bの凹部22b1に樹脂を充填すれば、発光素子22aなどに対する外部からの機械的な接触を抑制することができる。また、ガスや水分などが、発光素子22aなどに付着することを抑制することができる。そのため、照明装置1に対する信頼性を向上させることができる。
【0024】
また、封止部22dには、蛍光体を含めることができる。蛍光体は、例えば、YAG系蛍光体(イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体)とすることができる。
例えば、発光素子22aが青色発光ダイオード、蛍光体がYAG系蛍光体である場合には、発光素子22aから出射した青色の光によりYAG系蛍光体が励起され、YAG系蛍光体から黄色の蛍光が放射される。そして、青色の光と黄色の光が混ざり合うことで、白色の光が照明装置1から出射される。なお、蛍光体の種類や発光素子22aの種類は例示をしたものに限定されるわけではなく、照明装置1の用途などに応じて所望の発光色が得られるように適宜変更することができる。
【0025】
図2に例示をした発光部22は、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)型であるが、発光部22の形態はこれに限定されるわけではない。
例えば、発光部22は、配線パターンの上に実装された発光素子22aと、発光素子22aを囲む環状のリフレクタと、環状のリフレクタの内部に設けられた封止部22dと、を有するものであってもよい。
また、発光部22の数や配設形態なども例示をしたものに限定されるわけではなく、照明装置1の用途などに応じて適宜変更することができる。
【0026】
制御素子23は、配線パターン24の上に実装されている。
制御素子23は、発光素子22aに流れる電流を制御する。すなわち、制御素子23は、発光素子22aの発光を制御する。
制御素子23の数や大きさなどは、例示をしたものに限定されるわけではなく、発光部22の数や仕様などに応じて適宜変更することができる。
【0027】
配線パターン24は、基板21の少なくとも一方の表面に設けられている。
配線パターン24は、基板21の両方の面に設けることもできるが、製造コストを低減させるためには、基板21の一方の面に設けるようにすることが好ましい。
配線パターン24には、入力端子24aが設けられている。
入力端子24aは、複数設けられている。入力端子24aには、給電端子15が電気的に接続されている。そのため、発光素子22aは、配線パターン24を介して、給電端子15と電気的に接続されている。
その他、必要に応じて、図示しない回路部品などを適宜設けることができる。図示しない回路部品は、例えば、配線パターン24上に実装することができる。
【0028】
図3に示すように、ソケット30には、本体部30a、めす型端子30b、および配線30cが設けられている。
本体部30aは、樹脂などの絶縁材料から形成されている。本体部30aの側壁には、凸部30a1が設けられている。筐体部17に設けられた凹部に凸部30a1を嵌め合わせることで、ソケット30が筐体部17に保持される。
【0029】
めす型端子30bは、本体部30aの内部を延びている。
めす型端子30bの一方の端部は、本体部30aの一方の端面に露出している。本体部30aの一方の端面に露出しているめす型端子30bの端部には、給電端子15が嵌め合わされる。
めす型端子30bの他方に端部には、配線30cが電気的に接続されている。
配線30cには、図示しない電源などが電気的に接続される。
そのため、ソケット30を給電端子15に嵌め合わせることで、図示しない電源などと、発光素子22aとが電気的に接続される。
ソケット30は、例えば、接着剤などを用いて筐体部17側の要素に接合することができる。
【0030】
次に、本体部10について例示をする。
図4は、本体部10の模式斜視図である。
図5は、本体部10の模式断面図である。
なお、図5は、図4におけるA−A線を含む断面を表す図である。
図6(a)、(b)は、板状体14と保持部16との組み付け関係を例示するための模式斜視図である。
なお、図6(a)は、保持部16に板状体14が組み付けられた状態を表す図である。 図6(b)は、保持部16に板状体14が組み付けられる様子を表す図である。
【0031】
図1または図4に示すように、本体部10には、筐体部17、板状体14、給電端子15および保持部16が設けられている。
筐体部17には、収納部11、フランジ部12、およびフィン13が設けられている。
【0032】
収納部11は、円筒状を呈し、フランジ部12の一方の面から突出している。収納部11の内部には、凹部11aが設けられている。凹部11aの底面には、板状体14が露出している。
基板21は、凹部11aの内部に設けられている。基板21の発光部22が設けられる側とは反対の側の面は、板状体14と接触している。
また、複数の給電端子15が、凹部11aの底面から突出している。複数の給電端子15は、板状体14とは接触していない。
【0033】
収納部11の側壁には、複数の凸部11bが設けられている。複数の凸部11bは、例えば、照明装置1を図示しない灯具などに取り付ける際に灯具側の取付部材と協働して、図示しない灯具などに照明装置1を保持させる。
また、複数の凸部11bとフランジ部12との間には、ゴムやシリコーンなどの材料からなるシール部材を設けることもできる。
【0034】
フランジ部12は、円板状を呈し、一方の面には収納部11が設けられ、他方の面にはフィン13が設けられている。
フィン13は、フランジ部12の面から突出して複数設けられている。複数のフィン13は、板状を呈し、放熱フィンとして機能する。
【0035】
ここで、筐体部17は、発光モジュール20を収納する機能と、発光モジュール20において発生した熱を照明装置1の外部に放出する機能とを有する。
そのため、熱を外部に放出することを考慮して、収納部11、フランジ部12、およびフィン13を熱伝導率の高い材料から形成することができる。例えば、収納部11、フランジ部12、およびフィン13は、アルミニウム、アルミニウム合金、高熱伝導性樹脂などから形成することができる。高熱伝導性樹脂は、例えば、PETやナイロン等の樹脂に、熱伝導率の高い炭素や酸化アルミニウム等の繊維や粒子を混合させたものである。
【0036】
この場合、フィン13などの熱を外部に放出する部分を熱伝導率の高い材料から形成し、その他の部分を樹脂などから形成することもできる。
また、収納部11、フランジ部12、およびフィン13を一体成形することもできる。この場合、収納部11、フランジ部12、およびフィン13の材料は、保持部16の材料と同じであってもよいし、保持部16の材料と異なるものであってもよい。
【0037】
例えば、収納部11、フランジ部12、およびフィン13を高熱伝導性樹脂を用いて形成することができる。この場合、収納部11、フランジ部12、およびフィン13を形成する樹脂は、金属の輻射率よりも高い輻射率を有する樹脂とする。
そして、絶縁性が高く、且つ、収納部11、フランジ部12、およびフィン13を形成する樹脂の線膨張係数になるべく近い線膨張係数を有する樹脂を用いて保持部16を形成することができる。
この場合、筐体部17(収納部11、フランジ部12、およびフィン13)の熱伝導率は、保持部16の熱伝導率よりも高くなるようにすることが好ましい。
そのようにすれば、放熱性を向上させることができる。
【0038】
図5または図6(a)、(b)に示すように、板状体14は、板状を呈し、一方の端部に凸部14aが設けられている。凸部14aは、板状体14の一方の端部から突出している。凸部14aの幅寸法Wは、給電端子15同士の間の寸法Lよりも短くなっている。凸部14a、および板状体14の凸部14aが突出する側の端部は、複数の給電端子15と接触していない。
【0039】
凸部14aには、断面形状が四角形の孔部14a1が設けられている。孔部14a1には、保持部16の一方の端部から突出した断面形状が四角形の突起部16aが嵌め合わされる。
孔部14a1に突起部16aを嵌め合わせることで、板状体14と保持部16との位置決めを行うことができる。
【0040】
ただし、板状体14と保持部16との位置決めを行う部分の形態は、例示をしたものに限定されるわけではない。
図7(a)、(b)は、他の実施形態に係る位置決めを行う部分を例示するための模式斜視図である。
図7(a)に示すように、凸部14bは、板状体14の一方の端部から突出している。保持部16の一方の端部には凹部16bが設けられている。そして、凸部14bが凹部16bに嵌め合わされるようになっている。凹部16bに凸部14bを嵌め合わせることで、板状体14と保持部16との位置決めを行うことができる。
また、凹部16bに凸部14bを嵌め合わせるようにすれば、板状体14と保持部16との間の接触面積を増加させることができる。そのため、板状体14と保持部16との間の熱の伝達を高めることができる。
【0041】
図7(b)に示すように、凸部14cは、板状体14の一方の端部から突出している。凸部14cには、孔部14c1が2つ設けられている。2つの突起部16cが、保持部16の一方の端部から突出している。2つの孔部14c1に2つの突起部16cをそれぞれ嵌め合わせることで、板状体14と保持部16との位置決めを行うことができる。
【0042】
なお、図示は省略したが、保持部16の側壁に突起部を設け、板状体14の端部に孔部を設けて位置決めを行うようにしてもよい。
すなわち、板状体14と保持部16とに互いに嵌め合わされる部分を設け、板状体14と保持部16との位置決めを行うようにすればよい。
【0043】
板状体14は、金属を含むものとすることができる。板状体14は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金などの金属を用いて形成することができる。金属を用いて板状体14を形成する場合には、板金加工法(例えば、打ち抜き加工法)などの機械加工法を用いて板状体14を形成することができる。
【0044】
金属を含む板状体14とすれば、樹脂などと比べて、熱伝導率を高くすることができる。そのため、発光モジュール20において発生した熱を効率よくフィン13に伝えることができる。
また、金属を含む板状体14とすれば、樹脂などと比べて、輻射率を低くすることができる。そのため、環境温度などが変化した際に、基板21における温度勾配を緩和させることができる。
【0045】
例えば、照明装置1が、車載用の照明装置である場合には、環境温度が−40℃〜+85℃の範囲で、一定時間毎に繰り返し変化する場合がある。この様な環境温度の変化があると、外囲器22bの膨張と収縮や、封止部22dの膨張と収縮が繰り返される。そのため、発光素子22aや、発光素子22aとリード22cとの接続部分などが破損して、不灯となるおそれがある。
【0046】
この場合、金属を含む板状体14を介して基板21を設けるようにすれば、環境温度などが変化した際に、基板21における温度勾配を緩和させることができる。そのため、発光素子22aや、発光素子22aとリード22cとの接続部分などが破損するのを抑制することができる。また、金属を含む板状体14を介して基板21を設けるようにすれば、発光モジュール20において発生した熱を効率よくフィン13に伝えることができる。
また、板状体14は、板状を呈しているので、照明装置1の小型化を図ることができる。
【0047】
図5に示すように、複数の給電端子15は、保持部16を貫通して延びている。給電端子15の一方の端部は、凹部11aの底面から突出している。凹部11aの底面から突出した給電端子15の端部は、入力端子24aと電気的に接続される。
給電端子15の他方の端部は、筐体部17の凹部11aが設けられる側とは反対の側に露出している。筐体部17の凹部11aが設けられる側とは反対の側に露出する給電端子15の端部は、めす型端子30bと嵌め合わされる。
なお、2つの給電端子15を例示したが、給電端子15の数や形状などは、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
【0048】
保持部16は、板状を呈している。保持部16の複数の給電端子15が突出する側の面には、突起部16aが設けられている。
保持部16は、複数の給電端子15を保持する。複数の給電端子15は、保持部16に圧入するか、保持部16と一体成形(インサート成形)することで、保持部16に保持させることができる。
また、前述したように、保持部16は、板状体14を保持する。
また、保持部16は、複数の給電端子15を絶縁する。前述したように、保持部16は、樹脂などの絶縁材料を用いて形成することができる。
【0049】
ここで、収納部11、フランジ部12、フィン13、板状体14、給電端子15および保持部16をそれぞれ形成し、これらの要素を順次組み付けることで本体部10を形成することができる。
しかしながら、これらの要素を順次組み付けるようにすれば、製造コストの増加を招くことになる。
また、これらの要素を組み付ける際に要素同士の間に隙間が生じると、熱伝達が悪くなり、放熱性が悪くなるおそれがある。
【0050】
そのため、本体部10は、以下のようにして製造することが好ましい。
まず、板状体14と給電端子15をそれぞれ形成する。
例えば、板金加工法などの機械加工法を用いて板状体14を形成する。
次に、インサート成形法を用いて、樹脂からなる保持部16を形成するとともに、複数の給電端子15を保持部16に保持させる。
なお、樹脂からなる保持部16を形成し、保持部16に複数の給電端子15を圧入することもできる。
この際、絶縁性が高く、且つ、収納部11、フランジ部12、およびフィン13を形成する樹脂の線膨張係数になるべく近い線膨張係数を有する樹脂を用いて保持部16を形成する。
【0051】
続いて、図6(a)、(b)に示すように、板状体14と保持部16とを嵌め合わせることで、板状体14と保持部16との位置決めを行うとともに、保持部16に板状体14を保持させる。
次に、インサート成形法を用いて、樹脂からなる収納部11、フランジ部12、およびフィン13を形成するとともに、収納部11、フランジ部12、フィン13、板状体14、保持部16、および複数の給電端子15を一体化する。
すなわち、筐体部17は、給電端子15が貫通し、板状体14が嵌め合わされた保持部16と、一体成形することで、形成されてなる。
この際、収納部11、フランジ部12、およびフィン13を高熱伝導性樹脂を用いて形成することができる。この場合、収納部11、フランジ部12、およびフィン13を形成する樹脂は、金属の輻射率よりも高い輻射率を有する樹脂とする。
【0052】
以上のようにして本体部10を製造するようにすれば、製造コストの低減を図ることができる。
また、収納部11、フランジ部12、フィン13、板状体14、給電端子15および保持部16同士の間に隙間が生じることを抑制することができる。そのため、放熱性を向上させることができる。
また、照明装置1の小型化と、軽量化を図ることができる。
【0053】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0054】
1 照明装置、10 本体部、11 収納部、12 フランジ部、13 フィン、14 板状体、14a 凸部、14a1 孔部、14b 凸部、14c 凸部、14c1 孔部、15 給電端子、16 保持部、16a 突起部、16b 凹部、16c 突起部、17 筐体部、20 発光モジュール、21 基板、22 発光部、22a 発光素子、23 制御素子、24 配線パターン、24a 入力端子、30 ソケット、30b めす型端子
図1
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図7