(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記遷移金属触媒が、マンガン、鉄、コバルト、ニッケルおよび銅からなる群より選択される少なくとも1種以上の遷移金属を含むものである、請求項1に記載の酸素吸収性樹脂組成物。
前記酸素吸収性樹脂組成物の形状が、ペレット状、粉末状およびフレーク状からなる群より選択される少なくとも1種以上である、請求項1または2に記載の酸素吸収性樹脂組成物。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」とも言う。)について説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はその実施の形態のみに限定されない。
【0019】
[酸素吸収性樹脂組成物]
本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物は、
ポリエステル化合物を含有する酸素吸収性樹脂組成物であって、
前記ポリエステル化合物が、下記一般式(1)〜(4)で表される構成単位;
【0021】
(式中、Rは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基およびイミド基からなる群より選択される少なくとも1種の一価の置換基を示し、これらはさらに置換基を有していてもよい。各式中、mは、それぞれ独立して、0〜3の整数を示し、各式中、nは、それぞれ独立して、0〜6の整数を示し、テトラリン環のベンジル位には少なくとも1つ以上の水素原子が結合している。各式中、Xは、それぞれ独立して、芳香族炭化水素基、飽和または不飽和の脂環式炭化水素基、直鎖状または分岐状の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基および複素環基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を含有する2価の基を示す。)
からなる群より選択される少なくとも1つのテトラリン環を有する構成単位を含有し、
前記酸素吸収性樹脂組成物は、遷移金属触媒を、前記ポリエステル化合物100質量部に対し、遷移金属量として0.001重量部以上0.015質量部以下含有する、樹脂組成物である。
【0022】
[テトラリン環含有ポリエステル化合物]
本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物に含まれるテトラリン環含有ポリエステル化合物は、上記一般式(1)〜(4)で表される構成単位のうち、少なくとも1種を含有するものである。また、上記一般式(1)で表される構成単位は、上記式(5)〜(7)で表される構成単位からなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。ここで、「構成単位を含有する」とは、化合物中に当該構成単位を1以上有することを意味する。上記構成単位は、テトラリン環含有ポリエステル化合物中に繰り返し単位として含まれていることが好ましい。テトラリン環含有ポリエステル化合物重合体は、上記構成単位のホモポリマー、上記構成単位と他の構成単位とのランダムコポリマー、上記構成単位と他の構成単位とのブロックコポリマーのいずれであっても構わない。
【0023】
上記一般式(1)〜(4)で表される構成単位において、Rで示される一価の置換基としては、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(好ましくは炭素数が1〜15、より好ましくは炭素数が1〜6の直鎖状、分岐状または環状アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数が2〜10、より好ましくは炭素数が2〜6の直鎖状、分岐状または環状アルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基)、アルキニル基(好ましくは炭素数が2〜10、より好ましくは炭素数が2〜6のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基)、アリール基(好ましくは炭素数が6〜16、より好ましくは炭素数が6〜10のアリール基、例えば、フェニル基、ナフチル基)、複素環基(好ましくは炭素数が1〜12、より好ましくは炭素数が2〜6の5員環或いは6員環の芳香族または非芳香族の複素環化合物から1個の水素原子を取り除くことによって得られる一価の基、例えば、1−ピラゾリル基、1−イミダゾリル基、2−フリル基)、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数が1〜10、より好ましくは炭素数が1〜6の直鎖状、分岐状または環状アルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数が6〜12、より好ましくは炭素数が6〜8のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基)、アシル基(ホルミル基を含む。好ましくは炭素数が2〜10、より好ましくは炭素数が2〜6のアルキルカルボニル基、好ましくは炭素数が7〜12、より好ましくは炭素数が7〜9のアリールカルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基)、アミノ基(好ましくは炭素数が1〜10、より好ましくは炭素数が1〜6のアルキルアミノ基、好ましくは炭素数が6〜12、より好ましくは炭素数が6〜8のアニリノ基、好ましくは炭素数が1〜12、より好ましくは炭素数が2〜6の複素環アミノ基、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、アニリノ基)、チオール基、アルキルチオ基(好ましくは炭素数が1〜10、より好ましくは炭素数が1〜6のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数が6〜12、より好ましくは炭素数が6〜8のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基)、複素環チオ基(好ましくは炭素数が2〜10、より好ましくは炭素数が1〜6の複素環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基)、イミド基(好ましくは炭素数が2〜10、より好ましくは炭素数が4〜8のイミド基、例えば、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基)等が例示されるが、これらに特に限定されない。
【0024】
なお、上記の一価の置換基Rが水素原子を有する場合、その水素原子が置換基T(ここで、置換基Tは、上記の一価の置換基Rで説明したものと同義である。)でさらに置換されていてもよい。その具体例としては、ヒドロキシ基で置換されたアルキル基(例えば、ヒドロキシエチル基)、アルコキシ基で置換されたアルキル基(例えば、メトキシエチル基)、アリール基で置換されたアルキル基(例えば、ベンジル基)、第1級或いは第2級アミノ基で置換されたアルキル基(例えば、アミノエチル基)、アルキル基で置換されたアリール基(例えば、p−トリル基)、アルキル基で置換されたアリールオキシ基(例えば、2−メチルフェノキシ基)等が挙げられるが、これらに特に限定されない。なお、上記の一価の置換基Rが一価の置換基Tを有する場合、上述した炭素数には、置換基Tの炭素数は含まれないものとする。例えば、ベンジル基は、フェニル基で置換された炭素数1のアルキル基とみなし、フェニル基で置換された炭素数7のアルキル基とはみなさない。また、上記の一価の置換基Rが置換基Tを有する場合、その置換基Tは1種以上のものを複数有していてもよい。
【0025】
上記一般式(1)〜(4)で表される構成単位において、Xは、芳香族炭化水素基、飽和または不飽和の脂環式炭化水素基、直鎖状または分岐状の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基および複素環基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を含有する2価の基を示す。芳香族炭化水素基、飽和または不飽和の脂環式炭化水素基、直鎖状または分岐状の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基および複素環基は、置換されていても無置換でもよい。また、Xは、ヘテロ原子を含有していてもよく、或いは、エーテル基、スルフィド基、カルボニル基、ヒドロキシ基、アミノ基、スルホキシド基、スルホン基等を含有していてもよい。ここで、芳香族炭化水素基としては、例えば、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基、メチルフェニレン基、o−キシリレン基、m−キシリレン基、p−キシリレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基、フェナントリレン基、ビフェニレン基、フルオニレン基等が挙げられるが、これらに特に限定されない。脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基、メチルシクロへキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロオクチレン基等のシクロアルキレン基や、シクロヘキセニレン基等のシクロアルケニレン基が挙げられるが、これらに特に限定されない。脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、イソプロピリデン基、テトラメチレン基、イソブチレン基、tert‐ブチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等の直鎖状または分枝鎖状アルキレン基や、ビニレン基、プロペニレン基、1−ブテニレン基、2−ブテニレン基、1,3−ブタジエニレン基、1−ペンテニレン基、2−ペンテニレン基、1−ヘキセニレン基、2−ヘキセニレン基、3−ヘキセニレン基等のアルケニレン基等が挙げられるが、これらに特に限定されない。複素環基としては、フラニル基、チオフェニル基、ピロリル基等のヘテロ原子を一つ含む五員環、ピリジニル基等のヘテロ原子を一つ含む六員環、オキサゾリル基、チアゾリル基等のヘテロ原子を二つ含む五員環、ピリダジニル基、ピリミジニル基等のヘテロ原子を二つ含む六員環、その他、ヘテロ原子を少なくとも一つ含む五、六、七員環、インドリル基、キノリニル基等のヘテロ原子を一つ含む二環性縮合複素基、キノキサリニル基等のヘテロ原子を二つ含む二環性縮合複素基、アクリジニル基等のヘテロ原子を一つ含む三環性縮合複素基、インダゾリル基等のヘテロ原子を二つ含む二環性縮合複素基、その他、ヘテロ原子を少なくとも一つ含む多環性縮合複素基等が挙げられるが、これらに特に限定されない。これらは、さらに置換基を有していてもよく、その具体例としては、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、カルボアルコキシ基、アミノ基、アシル基、チオ基(例えば、アルキルチオ基、フェニルチオ基、トリルチオ基、ピリジルチオ基等)、アミノ基(例えば非置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、フェニルアミノ基等)、シアノ基、ニトロ基等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
【0026】
上記一般式(1)で表される構成単位を含有するテトラリン環含有ポリエステル化合物は、テトラリン環を有するジカルボン酸またはその誘導体(I)と、ジオールまたはその誘導体(II)とを、重縮合することによって得ることができる。
【0027】
テトラリン環を有するジカルボン酸またはその誘導体(I)としては、例えば、下記一般式(8)で表される化合物が挙げられる。テトラリン環を有するジカルボン酸またはその誘導体(I)は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0029】
(式中、Rは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基およびイミド基からなる群より選択される少なくとも1種の一価の置換基を示し、これらはさらに置換基を有していてもよい。mは0〜3の整数を示し、nは0〜6の整数を示し、テトラリン環のベンジル位には少なくとも1つ以上の水素原子が結合している。Yは、それぞれ独立して、水素原子またはアルキル基を示す。)
【0030】
なお、上記一般式(8)で表される化合物は、例えば、下記一般式(9)で表されるナフタレン環を有するジカルボン酸またはその誘導体を、水素と反応させることによって得ることができる。
【0032】
(式中、Rは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基およびイミド基からなる群より選択される少なくとも1種の一価の置換基を示し、これらはさらに置換基を有していてもよい。mは、それぞれ独立して、0〜3の整数を示す。Yは、それぞれ独立して、水素原子またはアルキル基を示す。)
【0033】
ジオールまたはその誘導体(II)としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−フェニルプロパンジオール、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアルコール、α,α−ジヒドロキシ−1,3−ジイソプロピルベンゼン、α,α−ジヒドロキシ−1,4−ジイソプロピルベンゼン、o-キシレングリコール、m-キシレングリコール、p-キシレングリコール、ヒドロキノン、4,4−ジヒドロキシフェニル、ナフタレンジオール、またはこれらの誘導体が挙げられる。ジオールまたはその誘導体(II)は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0034】
また、上記一般式(2)で表される構成単位を含有するテトラリン環含有ポリエステル化合物は、例えば、テトラリン環を有するジオールまたはその誘導体(III)と、ジカルボン酸またはその誘導体(IV)とを、重縮合することによって得ることができる。
【0035】
テトラリン環を有するジオールまたはその誘導体(III)としては、例えば、下記一般式(10)で表される化合物が挙げられる。テトラリン環を有するジオールまたはその誘導体(III)は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0037】
(式中、Rは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基およびイミド基からなる群より選択される少なくとも1種の一価の置換基を示し、これらはさらに置換基を有していてもよい。mは0〜3の整数を示し、nは0〜6の整数を示し、テトラリン環のベンジル位には少なくとも1つ以上の水素原子が結合している。)
【0038】
なお、上記一般式(10)で表される化合物は、例えば、下記一般式(11)で表されるナフタレン環を有するジオールまたはその誘導体を、水素と反応させることによって得ることができる。
【0040】
(式中、Rは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基およびイミド基からなる群より選択される少なくとも1種の一価の置換基を示し、これらはさらに置換基を有していてもよい。mは、それぞれ独立して、0〜3の整数を示す。)
【0041】
ジカルボン酸またはその誘導体(IV)としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、3,3−ジメチルペンタン二酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のベンゼンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等のナフタレンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、フェニルマロン酸、フェニレンジ酢酸、フェニレンジ酪酸、4,4−ジフェニルエーテルジカルボン酸、p-フェニレンジカルボン酸、またはこれらの誘導体等が挙げられる。ジカルボン酸またはその誘導体(IV)は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0042】
上記一般式(3)または(4)で表される構成単位を含有するテトラリン環含有ポリエステル化合物は、例えば、テトラリン環を有するヒドロキシカルボン酸またはその誘導体(V)を、重縮合することによって得ることができる。
【0043】
テトラリン環を有するヒドロキシカルボン酸またはその誘導体(V)としては、例えば下記一般式(12)または(13)で表される化合物が挙げられる。テトラリン環を有するヒドロキシカルボン酸またはその誘導体(V)は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0045】
(式中、Rは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基およびイミド基からなる群より選択される少なくとも1種の一価の置換基を示し、これらはさらに置換基を有していてもよい。mは0〜3の整数を示し、nは0〜6の整数を示し、テトラリン環のベンジル位には少なくとも1つ以上の水素原子が結合している。Yは、水素原子またはアルキル基を示す。)
【0046】
また、上記一般式(1)または(2)で表される構成単位を含有するテトラリン環含有ポリエステル化合物は、例えば、下記一般式(14)または(15)で表される構成単位を含有するポリエステル化合物の水添反応によって得ることもできる。
【0048】
(式中、Rは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基およびイミド基からなる群より選択される少なくとも1種の一価の置換基を示し、これらはさらに置換基を有していてもよい。mは、それぞれ独立して、0〜3の整数を示す。Xは、芳香族炭化水素基、飽和または不飽和の脂環式炭化水素基、直鎖状または分岐状の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基および複素環基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を含有する2価の基を示す。)
【0050】
(式中、Rは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基およびイミド基からなる群より選択される少なくとも1種の一価の置換基を示し、これらはさらに置換基を有していてもよい。mは、それぞれ独立して、0〜3の整数を示す。Xは、芳香族炭化水素基、飽和または不飽和の脂環式炭化水素基、直鎖状または分岐状の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基および複素環基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を含有する2価の基を示す。)
【0051】
上記一般式(8)〜(15)で表される構成単位においてRで示した一価の置換基およびXで示した2価の基の具体例は、上記一般式(1)〜(4)で表される構成単位において説明したものと同一である。そのため、ここでの重複した説明は省略する。
【0052】
本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物に含まれるテトラリン環含有ポリエステル化合物は、上記一般式(1)〜(4)で表される構成単位以外の、他のテトラリン環を有する構成単位、および/または、テトラリン環を有さない構成単位を共重合成分として含んでいてもよい。具体的には、上述したジオールまたはその誘導体(II)や、ジカルボン酸またはその誘導体(IV)において列示した化合物を共重合成分として用いることができる。
【0053】
また、その他の共重合成分としては、3価以上の多価アルコール、3価以上の多価カルボン酸およびその誘導体、3価以上のヒドロキシカルボン酸およびその誘導体のうち、少なくとも1種の多官能化合物が挙げられる。これら多官能化合物は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0054】
3価以上の多価アルコールとしては、具体的には、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ソルビトール等が挙げられる。
【0055】
3価以上の多価カルボン酸およびその誘導体としては、具体的には、プロパントリカルボン酸、トリメリット酸、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、シクロペンタテトラカルボン酸無水物、トリメリット酸トリメチルエステル等が挙げられる。3価以上の多価カルボン酸またはその誘導体は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0056】
3価以上のヒドロキシカルボン酸およびその誘導体としては、具体的には、リンゴ酸、ヒドロキシグルタル酸、ヒドロキシメチルグルタル酸、酒石酸、クエン酸、ヒドロキシイソフタル酸、ヒドロキシテレフタル酸等が挙げられる。3価以上のヒドロキシカルボン酸は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0057】
上記一般式(1)で表される構成単位を含有するテトラリン環含有ポリエステル化合物の中でも、より好ましいものとしては、上記式(5)〜(7)で表される構成単位を含有するテトラリン環含有ポリエステル化合物、および、下記式(16)〜(18)で表される構成単位を含有するテトラリン環含有ポリエステル化合物が挙げられる。テトラリン環含有ポリエステル化合物が、上記式(5)〜(7)で表される構成単位や、下記式(16)〜(18)で表される構成単位を含有する場合、原料コストの削減が可能となる傾向にある。
【0059】
本実施形態におけるテトラリン環含有ポリエステル化合物の分子量は、所望の性能や取扱性などを考慮して適宜設定することができ、特に限定されない。一般的には、重量平均分子量(Mw)が1.0×10
3〜8.0×10
6であることが好ましく、より好ましくは5.0×10
3〜5.0×10
6である。また同様に、数平均分子量(Mn)が1.0×10
3〜1.0×10
6であることが好ましく、より好ましくは5.0×10
3〜5.0×10
5である。なお、ここでいう分子量は、いずれもゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定したポリスチレン換算の値を意味する。なお、上記のテトラリン環含有ポリエステル化合物は、1種を単独で或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0060】
また、本実施形態におけるテトラリン環含有ポリエステル化合物のガラス転移温度(Tg)は、特に限定されないが、0〜90℃であることが好ましく、より好ましくは10〜80℃である。ガラス転移温度が上記好ましい範囲内にあると、そうでない場合に比べて、製造時のペレット化や乾燥が容易になると共に、酸素吸収性能をより高めることができる傾向にある。なお、ここでいうガラス転移温度は、示差走査熱量測定により測定される値を意味する。
【0061】
本実施形態におけるテトラリン環含有ポリエステル化合物の製造方法は、特に制限されず、従来公知のポリエステルの製造方法をいずれも適用することができる。ポリエステルの製造方法としては、例えば、エステル交換法、直接エステル化法等の溶融重合法、または溶液重合法等が挙げられる。これらの中でも、原料入手の容易さの点から、エステル交換法、または直接エステル化法が好適である。
【0062】
テトラリン環含有ポリエステル化合物の製造時には、エステル交換触媒、エステル化触媒、重縮合触媒等の各種触媒、エーテル化防止剤、熱安定剤、光安定剤等の各種安定剤、重合調整剤等の従来公知のものをいずれも用いることができる。これらの種類や使用量は、反応速度、テトラリン環含有ポリエステル化合物の分子量、ガラス転移温度、粘度、色調、安全性、熱安定性、耐候性、自身の溶出性などに応じて適宜選択すればよく、特に限定されない。例えば上記各種触媒としては、亜鉛、鉛、セリウム、カドミウム、マンガン、コバルト、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、ニッケル、マグネシウム、バナジウム、アルミニウム、チタン、アンチモン、スズ等の金属の化合物(例えば、脂肪酸塩、炭酸塩、リン酸塩、水酸化物、塩化物、酸化物、アルコキシド)や金属マグネシウムなどが挙げられる。これらは、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0063】
なお、テトラリン環含有ポリエステル化合物の極限粘度(フェノールと1,1,2,2−テトラクロロエタンとの質量比6:4の混合溶媒を用いた25℃での測定値)は、特に限定されないが、テトラリン環含有ポリエステル化合物の成形性の観点から、0.1〜2.0dL/gであることが好ましく、より好ましくは0.5〜1.5dL/gである。
【0064】
上述したテトラリン環含有ポリエステル化合物は、いずれも、テトラリン環のベンジル位に水素を有するものであり、上述した遷移金属触媒と併用することでベンジル位の水素が引き抜かれ、これにより酸素吸収能を発現する。
【0065】
また、本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物は、酸素吸収後の臭気発生が著しく抑制されたものである。その理由は明らかではないが、例えば以下の酸化反応機構が推測される。すなわち、上記のテトラリン環含有ポリエステル化合物においては、まずテトラリン環のベンジル位にある水素が引き抜かれてラジカルが生成し、その後、ラジカルと酸素との反応によりベンジル位の炭素が酸化され、ヒドロキシ基またはケトン基が生成すると考えられる。そのため、本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物においては、上記従来技術のような酸化反応による酸素吸収主剤の分子鎖の切断がなく、テトラリン環含有ポリエステル化合物の構造が維持され、臭気の原因となる低分子量の有機化合物が酸素吸収後に生成され難く、その結果、酸素吸収後の臭気発生が外部から検知できない程に抑制されていると推測される。
【0066】
[遷移金属触媒]
本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物に含まれる遷移金属触媒としては、上記のテトラリン環含有ポリエステル化合物の酸化反応の触媒として機能し得るものであれば、公知のものから適宜選択して用いることができ、特に限定されない。
【0067】
遷移金属触媒の具体例としては、遷移金属の有機酸塩、ハロゲン化物、燐酸塩、亜燐酸塩、次亜燐酸塩、硝酸塩、硫酸塩、酸化物、水酸化物等が挙げられる。ここで、遷移金属触媒に含まれる遷移金属としては、例えば、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルテニウム、ロジウム等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの中でも、酸素吸収反応に対する触媒作用の観点から、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅が好ましく、コバルトがより好ましい。また、有機酸塩の有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、オクタノイック酸、ラウリン酸、ステアリン酸、アセチルアセトン、ジメチルジチオカルバミン酸、パルミチン酸、2−エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、リノール酸、トール酸、オレイン酸、カプリン酸、ナフテン酸が挙げられるが、これらに限定されない。遷移金属触媒は、上述した遷移金属と有機酸とを組み合わせた有機酸塩が好ましく、遷移金属としてマンガン、鉄、コバルト、ニッケルまたは銅と、有機酸として酢酸、ステアリン酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸またはナフテン酸を組み合わせた有機酸塩がより好ましい。なお、遷移金属触媒は、1種を単独で或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0068】
遷移金属触媒の含有量は、テトラリン環含有ポリエステル化合物100質量部に対し、遷移金属量として0.015質量部以下であり、好ましくは0.013質量部以下である。遷移金属触媒の含有量の下限としては、テトラリン環含有ポリエステル化合物100質量部に対し、遷移金属量として0.001質量部以上であり、好ましくは0.0025質量部以上である。本発明者らは、テトラリン環含有ポリエステル化合物を含む酸素吸収性樹脂組成物中に、上記特定量の遷移金属触媒を配合することにより、驚くべきことに、樹脂組成物の使用前の保管時において酸素吸収性能が低下することなく、長期にわたって維持可能であることを見出した。
【0069】
また、本発明者らは、上記特定量の遷移金属触媒を含む場合、高湿度下(例えば、相対湿度80〜100%)で酸素吸収性能が高くなる傾向にあるため、樹脂組成物の保管条件を低湿度に保つことにより、長期保管後も酸素吸収性能が低下することなく使用可能であることを見出した。従って、本実施形態においては、樹脂組成物を低湿度下(例えば、相対湿度0〜50%)で保存することにより、より長期にわたって樹脂組成物の酸素吸収性能が維持されるという効果を奏する。
【0070】
テトラリン環含有ポリエステル化合物と遷移金属触媒は、公知の方法により混合することができる。また、押出機を用いてこれらを混練することにより、より高い分散性を有する酸素吸収性樹脂組成物を得ることができる。
【0071】
[各種添加剤]
ここで、本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物は、上述した各成分以外に、本実施形態の効果を過度に損なわない範囲で、当業界で公知の各種添加剤を任意成分として含有していてもよい。かかる任意成分としては、例えば、乾燥剤、酸化チタン等の顔料、染料、酸化防止剤、スリップ剤、帯電防止剤、可塑剤、安定剤等の添加剤、炭酸カルシウム、クレー、マイカ、シリカ等の充填剤、消臭剤等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
【0072】
さらに、本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物は、酸素吸収反応を促進させるために、必要に応じて、さらにラジカル発生剤や光開始剤を含有していてもよい。ラジカル発生剤の具体例としては、各種のN−ヒドロキシイミド化合物が挙げられる。具体的には、例えば、N−ヒドロキシコハクイミド、N−ヒドロキシマレイミド、N,N’−ジヒドロキシシクロヘキサンテトラカルボン酸ジイミド、N−ヒドロキシフタルイミド、N−ヒドロキシテトラクロロフタルイミド、N−ヒドロキシテトラブロモフタルイミド、N−ヒドロキシヘキサヒドロフタルイミド、3−スルホニル−N−ヒドロキシフタルイミド、3−メトキシカルボニル−N−ヒドロキシフタルイミド、3−メチル−N−ヒドロキシフタルイミド、3−ヒドロキシ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−ニトロ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−クロロ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−メトキシ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−ジメチルアミノ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−カルボキシ−N−ヒドロキシヘキサヒドロフタルイミド、4−メチル−N−ヒドロキシヘキサヒドロフタルイミド、N−ヒドロキシヘット酸イミド、N−ヒドロキシハイミック酸イミド、N−ヒドロキシトリメリット酸イミド、N,N−ジヒドロキシピロメリット酸ジイミド等が挙げられるが、これらに特に限定されない。また、光開始剤の具体例としては、ベンゾフェノンとその誘導体、チアジン染料、金属ポルフィリン誘導体、アントラキノン誘導体等が挙げられるが、これらに特に限定されない。なお、これらのラジカル発生剤および光開始剤は、1種を単独で或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0073】
[他の熱可塑性樹脂]
また、本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物は、本実施形態の効果を過度に損なわない範囲で、必要に応じて、上記テトラリン環含有ポリエステル化合物以外の、他の熱可塑性樹脂をさらに含有していてもよい。他の熱可塑性樹脂を併用することで、押出機で混練する際の成形性や取扱性を高めることができる。
他の熱可塑性樹脂としては、公知のものを適宜用いることができる。具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、或いはエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同士のランダムまたはブロック共重合体等のポリオレフィン;無水マレイン酸グラフトポリエチレンや無水マレイン酸グラフトポリプロピレン等の酸変性ポリオレフィン;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体やそのイオン架橋物(アイオノマー)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等のエチレン−ビニル化合物共重合体;ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、α−メチルスチレン−スチレン共重合体等のスチレン系樹脂;ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のポリビニル化合物;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン12、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)等のポリアミド;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETG)、ポリエチレンサクシネート(PES)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエート等のポリエステル;ポリカーボネート;ポリエチレンオキサイド等のポリエーテル等或いはこれらの混合物等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの熱可塑性樹脂は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0074】
[使用態様]
本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物は、公知の造粒方法或いは押出成形などの公知の成形方法等を適用することができ、例えば、粉体状、顆粒状、ペレット状、フィルム状或いはシート状またはその他の小片状に成形加工することができる。したがって、このようにして得られた酸素吸収性樹脂成形体をそのまま酸素吸収剤として用いることができ、或いは、得られた酸素吸収性樹脂成形体を通気性包装材料に充填することで、小袋状の酸素吸収剤包装体として使用することもできる。また、フィルム状或いはシート状に成形された本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物は、ラベル、カード、パッキング等の形態で使用することもできる。なお、ここでは、厚みが0.1〜500μmのものをフィルム、厚みが500μmを超えるものシートと区分する。
【0075】
ここで、ペレット状の酸素吸収性樹脂成形体は、酸素との接触面積を高めて酸素吸収性能をより効果的に発現させる観点から、その使用時には、さらに粉砕して粉末状とすることが好ましい。
【0076】
なお、上記の通気性包装材料としては、通気性を有する公知の包装材料を適用することができ、特に限定されない。酸素吸収効果を十分に発現させる観点から、通気性包装材料は通気性の高いものが好ましい。通気性包装材料の具体例としては、各種用途で用いられている通気性の高い包装材料、例えば、和紙、洋紙、レーヨン紙等の紙類;パルプ、セルロース、合成樹脂から得られる各種繊維類を用いた不織布;プラスチックフィルムまたはその穿孔物等;或いは炭酸カルシウム等を添加した後に延伸したマイクロポーラスフィルム等;さらにはこれらから選ばれる2種以上を積層したもの等が挙げられるが、これらに特に限定されない。また、プラスチックフィルムとして、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリカーボネート等のフィルムと、シール層として、ポリエチレン、アイオノマー、ポリブタジエン、エチレンアクリル酸コポリマー、エチレンメタクリル酸コポリマーまたはエチレン酢酸ビニルコポリマー等のフィルムとを積層接着した積層フィルム等も使用することができる。
【0077】
なお、本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物をフィルム状或いはシート状に成形して用いる場合には、成形後に延伸する等して、フィルム或いはシート中に微小な空隙を設けることが好ましい。このようにすると、フィルム或いはシートの酸素透過性がさらに高まり、テトラリン環含有ポリエステル化合物の酸素吸収性能が殊に効果的に発現される傾向にある。
【0078】
さらに、フィルム状或いはシート状に成形された本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物は、単層の形で包装材料または包装容器として使用できるのは勿論のこと、これを他の基材と重ね合わせた積層体の態様で使用することもできる。かかる積層体の典型例としては、本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物からなる少なくとも一層と、他の樹脂層、紙基材層或いは金属箔層等から選択される少なくとも一層とを重ね合わせたものであり、この積層体は、酸素吸収性多層包装材料および酸素吸収性多層包装容器として使用することができる。なお、一般に、フィルム状或いはシート状に成形された本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物(の層)は、容器等の外表面に露出しないように容器等の外表面よりも内側に設けることが好ましい。また、内容物との直接的な接触を避ける観点から、フィルム状或いはシート状に成形された本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物(の層)は、容器等の内表面より外側に設けることが好ましい。このように多層の積層体において使用する場合には、少なくとも1つの中間層として、フィルム状或いはシート状に成形された本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物(の層)を配置することが好ましい。
【0079】
上記の積層体の好適な一態様としては、熱可塑性樹脂を含有するシーラント層、本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物を含有する酸素吸収層、およびガスバリア性物質を含有するガスバリア層の少なくとも3層をこの順に有する酸素吸収性多層体が挙げられる。ここで、少なくとも3層をこの順に有するとは、シーラント層、酸素吸収層およびガスバリア層がこの順に配列していることを意味し、シーラント層と酸素吸収層とガスバリア層とが直接重ね合わせられた態様(以下、「シーラント層/酸素吸収層/ガスバリア層」と表記する。)のみならず、シーラント層と酸素吸収層との間に、または、酸素吸収層とガスバリア層との間に、樹脂層、金属箔層或いは接着剤層等の少なくとも1以上の他の層(以下、「中間層」ともいう。)が介在した態様(例えば、「シーラント層/樹脂層/酸素吸収層/接着剤層/ガスバリア層」、「シーラント層/樹脂層/接着剤層/酸素吸収層/接着剤層/樹脂層/接着剤層/ガスバリア層/接着剤層/支持体」等)を包含する概念である(以降においてもすべて同様である。)。
【0080】
また、上記の積層体の他の好適な一態様としては、ポリオレフィン樹脂を含有するシーラント層、本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物を含有する酸素吸収層、およびガスバリア性物質を含有するガスバリア層の少なくとも3層をこの順に有する酸素吸収性多層体が挙げられる。
【0081】
シーラント層で用いる熱可塑性樹脂およびポリオレフィン樹脂としては、これに隣接する他の層(酸素吸収層、ガスバリア層、樹脂層、接着剤層、支持体等)との相溶性を考慮して、適宜選択することが好ましい。
【0082】
また、ガスバリア層に用いるガスバリア性物質としては、ガスバリア性熱可塑性樹脂や、ガスバリア性熱硬化性樹脂、シリカ、アルミナ、アルミ等の各種蒸着フィルム、アルミ箔等の金属箔等を用いることができる。ガスバリア性熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体、MXD6、ポリ塩化ビニリデン等が例示できる。また、ガスバリア性熱硬化性樹脂としては、ガスバリア性エポキシ樹脂、例えば、三菱ガス化学株式会社製、商品名「マクシーブ」等が例示できる。
【0083】
上記の酸素吸収性多層体の製造方法としては、各種材料の性状、加工目的、加工工程等に応じて、共押出法、各種ラミネート法、各種コーティング法などの公知の方法を適用することができ、特に限定されない。例えば、フィルムやシートは、Tダイ、サーキュラーダイ等を通して溶融させた樹脂組成物を付属した押出機から押し出して製造する方法や、酸素吸収フィルムまたはシートに接着剤を塗布し、他のフィルムやシートと貼り合わせる方法により成形することができる。また、射出機を用い、溶融した樹脂を多層多重ダイスを通して射出金型中に共射出または逐次射出することによって、所定の形状の多層容器または容器製造用のプリフォームを成形することができる。このプリフォームを、延伸温度に加熱し、軸方向に延伸するとともに、流体圧によって周方向にブロー延伸することにより、延伸ブローボトルを得ることができる。
【0084】
さらに、例えばフィルム状の酸素吸収性多層体は、袋状或いは蓋材に加工することができる。また、例えばシート状の酸素吸収性多層体は、真空成形、圧空成形、プラグアシスト成形等の成形方法によりトレー、カップ、ボトル、チューブ等の所定の形状の酸素吸収性多層容器に熱成形することができる。そして、このようにして得られた袋状容器やカップ状容器は、80〜100℃のボイル処理、100〜135℃のセミレトルト、レトルトまたはハイレトルト処理を行うことができる。また、袋状容器は、食品等の内容物を充填した後、開封口を設けることで、電子レンジ加熱調理時にその開封口から蒸気を放出する、電子レンジ調理対応の易通蒸口付パウチとして好ましく用いることができる。
【0085】
本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物を使用するにあたり、エネルギー線を照射して、酸素吸収反応の開始を促進したり、酸素吸収速度を高めたりすることができる。エネルギー線としては、例えば、可視光線、紫外線、X線、電子線、γ線等を利用可能である。照射エネルギー量は、用いるエネルギー線の種類に応じて、適宜選択することができる。
【0086】
本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物は、高湿度条件下(相対湿度80%〜100%)での酸素吸収性能に特に優れ、とりわけ、酸素吸収後の臭気の発生がないので、例えば、食品、調理食品、飲料、健康食品、医薬品等において特に好適に用いることができる。すなわち、本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物およびこれを用いた積層体等の各種成形品は、高湿度条件下(相対湿度80%〜100%)での酸素吸収性能に特に優れ、かつ内容物の風味保持性に優れるため、水分活性の高い物品の包装に適している。しかも、本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物は、従来の鉄粉を使用した酸素吸収性樹脂組成物とは異なり、鉄の存在のため保存できない被保存物(例えばアルコール飲料や炭酸飲料等)に好適に用いることができる。なお、上記「水分活性」とは、物品中の自由水含有量を示す尺度であって、0〜1の数字で示されるものであり、水分のない物品は0、純水は1となる。すなわち、ある物品の水分活性Awは、その物品を密封し平衡状態に到達した後の空間内の水蒸気圧をP、純水の水蒸気圧をP
0、同空間内の相対湿度をRH(%)、とした場合、
Aw=P/P
0=RH/100
と定義される。
【0087】
被保存物の具体例としては、牛乳、ジュース、コーヒー、茶類、アルコール飲料等の飲料;ソース、醤油、めんつゆ、ドレッシング等の液体調味料;スープ、シチュー、カレー等の調理食品;ジャム、マヨネーズ等のペースト状食品;ツナ、魚貝等の水産製品;チーズ、バター、卵等の乳加工品或いは卵加工品;肉、サラミ、ソーセージ、ハム等の畜肉加工品;にんじん、じゃがいも、アスパラ、しいたけ等の野菜類;フルーツ類;卵;麺類;米飯、赤飯、もち、米粥等の米加工食品或いは穀物加工食品;羊羹、プリン、ケーキ、饅頭等の菓子類;接着剤、粘着剤、農薬、殺虫剤等の化学品;医薬品;ビタミン剤等の健康食品;ペットフード;化粧品、シャンプー、リンス、洗剤等の雑貨品;その他の種々の物品を挙げることができるが、これらに特に限定されない。特に、酸素存在下で劣化を起こしやすい被保存物、例えば、飲料ではビール、ワイン、果汁飲料、フルーツジュース、野菜ジュース、炭酸ソフトドリンク、茶類等、食品では果物、野菜、肉製品、幼児食品、コーヒー、ジャム、マヨネーズ、ケチャップ、食用油、ドレッシング、ソース類、佃煮類、乳製品類等、その他では医薬品、化粧品等の包装材に好適である。
【0088】
なお、これらの被保存物の充填(包装)前後に、被保存物に適した形で、容器や被保存物の殺菌を施すことができる。殺菌方法としては、例えば、100℃以下での熱水処理、100℃以上の加圧熱水処理、130℃以上の超高温加熱処理等の加熱殺菌、紫外線、マイクロ波、ガンマ線等の電磁波殺菌、エチレンオキサイド等のガス処理、過酸化水素や次亜塩素酸等の薬剤殺菌等が挙げられる。
【実施例】
【0089】
以下に実施例と比較例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、特に記載が無い限り、NMR測定は室温で行った。また、本実施例および比較例において、各種物性値の測定は以下の測定方法および測定装置により実施した。
【0090】
(ガラス転移温度の測定方法)
ガラス転移温度はJIS K7122に準拠して測定した。測定装置は株式会社島津製作所製「DSC−60」を使用した。
【0091】
(融点の測定方法)
融点は、ISO11357に準拠して、DSC融点ピーク温度を測定した。測定装置は株式会社島津製作所製「DSC−60」を使用した。
【0092】
(重量平均分子量および数平均分子量の測定方法)
重量平均分子量および数平均分子量は、GPC−LALLSにて測定した。測定装置は昭和電工株式会社製「Shodex GPC−2001」を使用した。
【0093】
[モノマー合成例]
内容積18Lのオートクレーブに、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジメチル2.20kg、2−プロパノール11.0kg、5%パラジウムを活性炭に担持させた触媒350g(50wt%含水品)を仕込んだ。次いで、オートクレーブ内の空気を窒素と置換し、さらに窒素を水素と置換した後、オートクレーブ内の圧力が0.8MPaとなるまで水素を供給した。次に、撹拌機を起動し、回転速度を500rpmに調整し、30分かけて内温を100℃まで上げた後、さらに水素を供給し圧力を1MPaとした。その後、反応の進行による圧力低下に応じ、1MPaを維持するように水素の供給を続けた。7時間後に圧力低下が無くなったので、オートクレーブを冷却し、未反応の残存水素を放出した後、オートクレーブから反応液を取り出した。反応液を濾過し、触媒を除去した後、分離濾液から2−プロパノールをエバポレーターで蒸発させた。得られた粗生成物に、2−プロパノールを4.40kg加え、再結晶により精製し、テトラリン−2,6−ジカルボン酸ジメチルを80%の収率で得た。得られたテトラリン−2,6−ジカルボン酸ジメチルのNMRの分析結果は下記のとおりである。
1H−NMR(400MHz CDCl
3)δ7.76-7.96(2H m)、7.15(1H d)、3.89(3H s)、3.70(3H s)、2.70-3.09(5H m)、2.20-2.25(1H m)、1.80-1.95(1H m)
【0094】
[ポリマー製造例]
(製造例1)
充填塔式精留等、分縮器、全縮器、コールドトラップ、撹拌機、加熱装置および窒素導入管を備えたポリエステル樹脂製造装置に、モノマー合成例で得たテトラリン−2,6−ジカルボン酸ジメチル543g、1,4−ブタンジオール315g、テトラブチルチタネート0.171gを仕込み、窒素雰囲気下で230℃まで昇温してエステル交換反応を行った。ジカルボン酸成分の反応転化率が85%以上となった後、テトラブチルチタネート0.171gをさらに添加し、昇温と減圧を徐々に行い、245℃、133Pa以下で重縮合を行い、ポリエステル化合物Aを得た。
【0095】
得られたポリエステル化合物Aの重量平均分子量と数平均分子量をGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定した結果、ポリスチレン換算の重量平均分子量は8.7×10
4、数平均分子量は3.1×10
4であった。また、ポリエステル化合物Aのガラス転移温度と融点をDSCにより測定した結果、ガラス転移温度は36℃、融点は145℃であった。
【0096】
(製造例2)
製造例1の1,4−ブタンジオールをエチレングリコールとし、その重量を217gとしたこと以外は、製造例1と同様にしてポリエステル化合物Bを合成した。このポリエステル化合物Bは、ポリスチレン換算の重量平均分子量は8.5×10
4、数平均分子量は3.0×10
4、ガラス転移温度は67℃、融点は非晶性のため認められなかった。
【0097】
(製造例3)
製造例1の1,4−ブタンジオールを1,6−ヘキサンジオールとし、その重量を413gとしたこと以外は、製造例1と同様にしてポリエステル化合物Cを合成した。このポリエステル化合物Cは、重量平均分子量は8.9×10
4、数平均分子量は3.3×10
4、ガラス転移温度は16℃、融点は137℃であった。
【0098】
(実施例1)
ポリエステル化合物A100質量部に対し、ステアリン酸コバルト(II)をコバルト量が0.012質量部となるようドライブレンドして得られた酸素吸収性樹脂組成物を、直径37mmのスクリューを2本有する2軸押出機に15kg/hの速度で供給し、シリンダー温度220℃の条件下にて溶融混練を行い、押出機ヘッドからストランドを押し出し、冷却後、ペレタイジングすることにより、酸素吸収性樹脂組成物ペレットを得た。
【0099】
得られた酸素吸収性樹脂組成物ペレット1000gを、直径20mmのスクリューを2本有する2軸押出機を用いて、押出温度220℃、スクリュー回転数60rpm、フィードスクリュー回転数12rpm、引き取り速度1.3m/minの条件下で製膜することにより、幅130mm、厚み95〜105μmの酸素吸収性フィルムを作製した。
【0100】
得られた酸素吸収性フィルムを、アルミ箔を積層した四方シール袋に入れ、袋内の空気量が500mLとなるように充填し、相対湿度100%に調湿した後、ヒートシールにより密封し、30℃の恒温槽内に1ヶ月保存した。その後、シリンジを用いて袋内のガスをサンプリングし、ジルコニア式酸素濃度計(東レエンジニアリング株式会社製「LC−750F」)を用いて袋内の酸素濃度を測定し、フィルム1g当たりの酸素吸収能力を算出した。
【0101】
一方、得られた酸素吸収性樹脂組成物ペレット1000gを、縦40cm×横30cmのアルミ箔を積層した四方シール袋に入れ、ヘッドスペースをほぼ0mLとした後、ヒートシールにより密封した。この時の容器内初期酸素量は約850mLであった。これを室温で6ヶ月保管した後、袋を開封してペレットを取り出し、上記と同様の条件で酸素吸収性フィルムを作製し、酸素吸収能力を算出した。
【0102】
次いで、6ヶ月保管前に対する6ヶ月保管後の酸素吸収性能保持率を算出し評価を行った。酸素吸収性能保持率は下記計算式にて算出した。
保持率(%)=(6ヶ月保管後の酸素吸収量/6ヶ月保管前の酸素吸収量)×100
【0103】
(実施例2)
ステアリン酸コバルト(II)をコバルト量が0.01質量部となるようドライブレンドしたこと以外は、実施例1と同様の方法によりフィルムを作製し、保存試験を実施して、酸素吸収能力および保持率を評価した。評価結果を表1に示す。
【0104】
(実施例3)
ステアリン酸コバルト(II)をコバルト量が0.005質量部となるようドライブレンドしたこと以外は、実施例1と同様の方法によりフィルムを作製し、保存試験を実施して、酸素吸収能力および保持率を評価した。評価結果を表1に示す。
【0105】
(実施例4)
ポリエステル化合物Aに代えてポリエステル化合物Bを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法によりフィルムを作製し、保存試験を実施して、酸素吸収能力および保持率を評価した。評価結果を表1に示す。
【0106】
(実施例5)
ステアリン酸コバルト(II)をコバルト量が0.01質量部となるようドライブレンドしたこと以外は、実施例4と同様の方法によりフィルムを作製し、保存試験を実施して、酸素吸収能力および保持率を評価した。評価結果を表1に示す。
【0107】
(実施例6)
ステアリン酸コバルト(II)をコバルト量が0.005質量部となるようドライブレンドしたこと以外は、実施例4と同様の方法によりフィルムを作製し、保存試験を実施して、酸素吸収能力および保持率を評価した。評価結果を表1に示す。
【0108】
(実施例7)
ポリエステル化合物Aに代えてポリエステル化合物Cを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法によりフィルムを作製し、保存試験を実施して、酸素吸収能力および保持率を評価した。評価結果を表1に示す。
【0109】
(実施例8)
ステアリン酸コバルト(II)をコバルト量が0.01質量部となるようドライブレンドしたこと以外は、実施例7と同様の方法によりフィルムを作製し、保存試験を実施して、酸素吸収能力および保持率を評価した。評価結果を表1に示す。
【0110】
(実施例9)
ステアリン酸コバルト(II)をコバルト量が0.005質量部となるようドライブレンドしたこと以外は、実施例7と同様の方法によりフィルムを作製し、保存試験を実施して、酸素吸収能力および保持率を評価した。評価結果を表1に示す。
【0111】
(比較例1)
ステアリン酸コバルト(II)をコバルト量が0.05質量部となるようドライブレンドしたこと以外は、実施例1と同様の方法によりフィルムを作製し、保存試験を実施して、酸素吸収能力および保持率を評価した。評価結果を表1に示す。
【0112】
(比較例2)
ステアリン酸コバルト(II)をコバルト量が0.05質量部となるようドライブレンドしたこと以外は、実施例4と同様の方法によりフィルムを作製し、保存試験を実施して、酸素吸収能力および保持率を評価した。評価結果を表1に示す。
【0113】
(比較例3)
ステアリン酸コバルト(II)をコバルト量が0.05質量部となるようドライブレンドしたこと以外は、実施例7と同様の方法によりフィルムを作製し、保存試験を実施して、酸素吸収能力および保持率を評価した。評価結果を表1に示す。
【0114】
【表1】
【0115】
表1に示す結果から明らかなように、コバルトの含有量が、ポリエステル化合物100質量部に対して0.001重量部以上0.015質量部以下である酸素吸収性樹脂組成物(実施例1〜9)は、6ヶ月保存後も酸素吸性能の保持率が90%以上であり、酸素吸収能力を低下させることなく、長期間にわたり、樹脂組成物を保存することが可能であった。
【0116】
これに対し、コバルトの含有量が、ポリエステル化合物100質量部に対して0.015質量部を超える酸素吸収性樹脂組成物(比較例1〜3)は、6ヶ月保存後の酸素吸収能力が顕著に低下した。