特許第6160991号(P6160991)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6160991
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20170703BHJP
【FI】
   A63F5/04 516F
   A63F5/04 512B
   A63F5/04 516E
【請求項の数】3
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2013-37573(P2013-37573)
(22)【出願日】2013年2月27日
(65)【公開番号】特開2014-161642(P2014-161642A)
(43)【公開日】2014年9月8日
【審査請求日】2015年11月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100118315
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 博道
(72)【発明者】
【氏名】菊地 孝幸
【審査官】 佐藤 史彬
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−263957(JP,A)
【文献】 特開2012−095813(JP,A)
【文献】 特開2008−067946(JP,A)
【文献】 特開2009−285216(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面に複数種類の図柄が記された複数の回転リールと、これらの回転リールに対応して複数設けられて、対応する回転リールの回転を停止させるストップスイッチと、特定役を含む複数種類の役の当否を決定する役抽選を行う抽選手段と、前記ストップスイッチの操作を契機として、前記抽選手段による役抽選の結果に応じた態様で、回転中の前記回転リールを停止させる停止制御手段とを備え、遊技媒体の投入数に対する払出数の割合である出玉率の設定値が複数段階に設定され、所定の設定変更操作により、前記複数段階の設定値のいずれかを選択することが可能となっている遊技機であって、
当該遊技機における遊技状態として、通常遊技状態と、この通常遊技状態で当選した特定役に対応する図柄の組み合わせが停止表示されたことに基づいて移行し、予め定められた条件の成立によって終了する特定遊技状態とが設けられ、
前記役抽選で選ばれる役として、前記特定遊技状態の役抽選で所定の確率で当選する特殊役が設けられ、
前記特定遊技状態における前記特殊役の当選確率は、前記通常遊技状態よりも高くされており、
前記特定遊技状態の開始から終了するまでの間に設定変更操作が行われると、この設定変更操作を契機に当該特定遊技状態が解除されるのと並行して、設定変更操作前の前記特殊役の当選確率を設定変更操作後にまで維持する遊技状態維持手段が設けられていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記特定遊技状態には、第1特定遊技状態、及び、この第1特定遊技状態よりも遊技者に有利な第2特定遊技状態が設けられ、前記第1特定遊技状態から開始され、当該第1特定遊技状態における役抽選で、当該第1特定遊技状態からの移行を行わせる契機となる移行役に当選すると、前記第2特定遊技状態に移行するものであり、
前記遊技状態維持手段は、前記第2特定遊技状態中に設定変更操作が行われると、この設定変更操作によって前記特定遊技状態が解除されるのと並行して、設定変更操作前の前記第2特定遊技状態における前記特殊役の当選確率を設定変更操作後にまで維持するものであることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
当該遊技機における遊技状態として、再遊技役の当選確率が前記通常遊技状態よりも高確率とされた特殊再遊技当選確率状態が設けられ、
前記特殊役は、前記特定遊技状態が解除された状態で当選した後に、対応する図柄の組み合わせが停止表示されると、前記特殊再遊技当選確率状態へ移行させる役であることを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技媒体の投入数に対する払出数の割合である出玉率に対応付けられた設定値が複数段階に設定され、所定の設定変更操作により、前記複数段階の設定値のいずれかを選択することが可能となっている遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、人々に娯楽を提供するために、スロットマシン等の様々な遊技機が利用されている。
例えば、スロットマシンは、外周面に複数種類の図柄が記されるとともに回転駆動可能に設けられた回転リールを備え、複数の回転リールを停止させた後、所定の図柄の組み合わせが表示されるように、これらの回転リールを停止させる遊技を通じて、遊技者に娯楽を提供するものとなっている。
【0003】
スロットマシンは、回転リールの回転開始時に、その内部で遊技の当否に係る役抽選を行い、その後、遊技者がストップスイッチを操作すると、ストップスイッチの操作を契機として、抽選手段による役抽選の結果に応じた態様で、回転中の回転リールが停止するようになっている。
【0004】
また、スロットマシンには、メダルの獲得の難易度が相違する通常遊技状態及び特定遊技状態が設定されているのが一般的である。
このようなスロットマシンでは、所定の条件が成立すると、通常遊技状態から特定遊技状態へ移行し、特定遊技状態に移行すると、通常遊技状態よりも遊技者に有利な遊技、換言すると、メダルの獲得がより容易に行えたり、遊技の進行に伴う遊技媒体の減少が抑制されたりするようになっている。
【0005】
例えば、小役の役抽選における当選確率が高いBB(ビッグ・ボーナス)遊技状態に移行すれば、頻繁に小役に入賞するようになり、多くのメダルを獲得することができる。
また、再遊技役の当選確率が高い再遊技状態に移行すれば、メダルを投入することなく次の遊技が行える機会が増えるので、メダルの減りが少なくなり、長く遊技を行えるようになる。
このような遊技機としては、役抽選でBB役等の特有役に当選し、いわゆるBBフラグが成立すると、再遊技役の当選確率が高い再遊技役状態に移行し、特有役に対応した図柄の組み合わせが停止表示される前に、設定変更操作が行われると、初期状態となるものが一般的であった。
【0006】
ところで、遊技機としては、いわゆるBBフラグが成立した状態で、設定変更操作が行われると、初期状態とはならず、設定変更操作前の遊技状態が設定変更操作後にまで継続されるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この遊技機は、役抽選でBB役等の特有役に当選すると、再遊技役の当選確率が高い再遊技役状態に移行し、この後、特有役に対応した図柄の組み合わせが停止表示される前に、設定変更操作が行われると、BBフラグのリセットとともに、設定変更操作前の再遊技役状態が設定変更操作後に継続されるようになっている。
このようなスロットマシンによれば、設定変更操作の後、設定変更操作前の再遊技状態を維持することで、設定変更操作前の遊技状態を反映するようにしても、BBフラグをリセットするので、BB役等の特有役に当選している状態を無効化することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−22605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように、従来の遊技機では、設定変更操作が行われた場合、設定変更操作後の遊技状態は、初期状態に戻る、または、再遊技役の当選確率を引き継いだ遊技状態に移行するぐらいしかなく、遊技性の幅が狭い、という問題がある。
【0009】
そこで、各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、新たな遊技状態を創り出せるようになり、遊技性の幅を広げることができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
各請求項にそれぞれ記載された各発明は、前述の目的を達成するためになされたものである。以下に、各発明の特徴点を、図面に示した発明の実施の形態を用いて説明する。
なお、符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0011】
(請求項1)
(特徴点)
請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項1に記載の発明は、外周面に複数種類の図柄が記された複数の回転リール(10)と、これらの回転リール(10)に対応して複数設けられて、対応する回転リール(10)の回転を停止させるストップスイッチ(13)と、特定役を含む複数種類の役の当否を決定する役抽選を行う抽選手段(61)と、前記ストップスイッチ(13)の操作を契機として、前記抽選手段(61)による役抽選の結果に応じた態様で、回転中の前記回転リール(10)を停止させる停止制御手段(62)とを備え、遊技媒体の投入数に対する払出数の割合である出玉率の設定値が複数段階に設定され、所定の設定変更操作により、複数段階に設定された設定値のいずれかを選択することが可能となっている遊技機(1)であって、当該遊技機(1)における遊技状態として、通常遊技状態と、この通常遊技状態で当選した特定役に対応する図柄の組み合わせが停止表示されたことに基づいて移行し、予め定められた条件の成立によって終了する特定遊技状態とが設けられ、前記役抽選で選ばれる役として、前記特定遊技状態の役抽選で所定の確率で当選する特殊役が設けられ、前記特定遊技状態における前記特殊役の当選確率は、前記通常遊技状態よりも高くされており、前記特定遊技状態の開始から終了するまでの間に設定変更操作が行われると、この設定変更操作を契機に当該特定遊技状態が解除されるのと並行して、設定変更操作前の前記特殊役の当選確率を設定変更操作後にまで維持する遊技状態維持手段(67)が設けられていることを特徴とする。
ここで、請求項1に記載されている「前記特定遊技状態における前記特殊役の当選確率は、前記通常遊技状態よりも高くされており」とは、文言通り、通常遊技状態において設定されている特殊役の当選確率よりも、特定遊技状態において設定されている特殊役の当選確率の方が高ければよく、通常遊技状態における役抽選の抽選候補として特殊役が存在せず、特殊役の当選確率が設定されていない場合でも、通常遊技状態における特殊役の当選確率を「0」とみなし、特定遊技状態における特殊役の当選確率の方が高いことを含むものである。
【0012】
(請求項2)
(特徴点)
請求項2記載の発明は、前述した請求項1に記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項2記載の発明は、第1特定遊技状態、及び、この第1特定遊技状態よりも遊技者に有利な第2特定遊技状態が前記特定遊技状態に設けられ、前記第1特定遊技状態から開始され、当該第1特定遊技状態における役抽選で、当該第1特定遊技状態からの移行を行わせる契機となる移行役に当選すると、前記第2特定遊技状態に移行するものであり、前記遊技状態維持手段(67)は、前記第2特定遊技状態中に設定変更操作が行われると、この設定変更操作によって前記特定遊技状態が解除されるのと並行して、設定変更操作前の前記第2特定遊技状態における前記特殊役の当選確率を設定変更操作後にまで維持するものであることを特徴とする。
【0013】
(請求項3)
(特徴点)
請求項3記載の発明は、前述した請求項1又は2に記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項3記載の発明は、当該遊技機における遊技状態として、再遊技役の当選確率が前記通常遊技状態よりも高確率とされた特殊再遊技当選確率状態が設けられ、前記特殊役は、前記特定遊技状態が解除された状態で当選した後に、対応する図柄の組み合わせが停止表示されると、前記特殊再遊技当選確率状態へ移行させる役であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
(請求項1及び2の効果)
以上のように構成されている本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
すなわち、請求項1及び2記載の発明によれば、特定遊技状態が開始されてから終了するまでの間に設定変更操作が行われ、当該特定遊技状態が解除されると、当該特定遊技状態の解除と並行して、遊技状態維持手段により、設定変更操作前の特殊役の当選確率が設定変更操作後にまで維持されるので、設定変更操作後の遊技状態では、特定遊技状態における特殊役の当選確率がそのまま引き継がれ、特殊役の当選確率が通常遊技状態よりも高い状態となる。従って、設定変更操作を行うことによって、通常遊技状態では当選しにくい特殊役が当選しやすくなる、あるいは、通常遊技状態では当選することのない特殊役が、設定変更操作を行うことで初めて当選可能となるという従来にない遊技状態を生み出すことができ、これにより、新たな遊技状態が創り出され、遊技性の幅を広げることができ、前記目的が達成される。
特に、他の遊技状態では特殊役が当選しないように設定されている場合には、設定変更操作を行うことでのみ、特殊役が当選可能となるという特殊な状況を生み出すことができ、遊技性の幅をさらに一層広げることができる。
【0015】
(請求項3の効果)
請求項3記載の発明によれば、上記した請求項1及び2記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項3記載の発明によれば、特定遊技状態では、特殊役に当選し、その後、特殊役に対応する図柄の組み合わせが停止表示されても、特殊再遊技当選確率状態に移行できないが、特定遊技状態において設定変更操作が行われると、特定遊技状態が解除されるとともに、遊技状態維持手段によって特殊役の当選確率がそのまま引き継がれるので、設定変更操作後の遊技では、特殊役に当選し、さらに、当該特殊役に対応する図柄の組み合わせが停止表示されることで、特殊再遊技当選確率状態に移行することができる。このため、特定遊技状態が解除されても、再遊技役の当選確率が高く、遊技者に有利な特殊再遊技当選確率状態に移行でき、この点からも、新たな遊技状態が創り出され、遊技性の幅を更に一層広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの正面図である。
図2】前記実施形態に係る設定変更操作部を正面図である。
図3】前記実施形態に係る制御装置を示すブロック図である。
図4】前記実施形態に係る役抽選テーブルを説明するための図である。
図5】前記実施形態に係る別の役抽選テーブルを説明するための図である。
図6】前記実施形態に係る各役抽選テーブルの役を説明するための図である。
図7】前記実施形態に係る遊技状態の移行を説明するための遊技遷移図である。
図8】前記実施形態に係るメイン制御処理を示すフローチャートである。
図9】前記実施形態に係る設定変更処理を示すフローチャートである。
図10】前記実施形態に係るサブ制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明を実施するための形態である実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(スロットマシン1の概略)
本実施形態に係る遊技機であるスロットマシン1は、図1に示すように、外周面に複数種類の図柄10A が記された複数の回転リール10を備え、これらの回転リール10を一斉に回転させた後、回転リール10の図柄10A が所定の組み合わせとなるように、回転リール10を停止させる遊技を遊技者に行わせるものである。
このようなスロットマシン1には、図1の如く、当該スロットマシン1の各種装置を収納するために、正面形状が長方形となった箱状の本体キャビネット2を備えている。
本体キャビネット2は、正面全体が開口された箱状の部材である。そして、本体キャビネット2には、その開口を塞ぐための前扉3が回動可能に設けられている。
【0018】
前扉3の上下方向における中央部分は、スロットマシン1の遊技操作を行うための操作部4となっている
この操作部4の図1中、右端近傍には、前扉3の施錠を行う鍵が差し込まれる鍵穴11と、遊技媒体としてのメダルが投入されるメダル投入口12とが設けられている。
操作部4の図1における中央部分には、複数の回転リール10の回転を停止させる際に操作される複数のストップスイッチ13が設けられている。
このストップスイッチ13は、複数の回転リール10に対応して複数設けられて、対応する回転リール10を停止させるために操作されるスイッチとなっている。
【0019】
ストップスイッチ13の図1中、左端上方には、ベットすべきメダルの枚数設定を行うベットスイッチ14が設けられている。
また、ストップスイッチ13の図1中、左側には、回転リール10の回転を開始させる際に操作されるスタートスイッチ15が設けられている。
スタートスイッチ15の図1中、左端上方には、貯留されているメダルを払い戻させるための精算スイッチ16が設けられている。
【0020】
このような操作部4の図1中、下方には、スロットマシン1の機種を示す文字やイラスト等が描かれた下パネル21が設けられている。なお、下パネル21の裏側には、下パネル21を後方から照らす図示しないバックライト装置が設けられている。
さらに、下パネル21の下方には、種々の音声を出力する楕円型の下部スピーカ22が設けられ、さらに、下部スピーカ22の下方には、払い出されたメダルを溜めておくためのメダル受け部23が設けられている。
【0021】
また、操作部4の図1中、上方には、スロットマシン1の内部に貯留されているメダルの数量であるクレジット数や、入賞により払い出されるメダルの数等のデジタル表示を行う数値表示部31と、スロットマシン1の内部で行われる役抽選に当選することで成立する各種フラグの状態等の内部状態を報知する報知ランプ32とが並説されている。
数値表示部31及び報知ランプ32の図1中、上方には、横方向に細長い長方形状に形成された図柄表示窓33が設けられている。本体キャビネット2の内部に収納された回転リール10の図柄10A は、図柄表示窓33を通じて視認可能となっている。
【0022】
なお、図柄表示窓33には、回転リール10の外周面に記された図柄10A が停止表示される際の基準位置である入賞ラインが設けられている。
入賞ラインとしては、例えば、図柄表示窓33に上下及び左右に3個ずつ配列された計9個の図柄10A のうち、上段、中段及び下段の各列に配列された3個の図柄10A をそれぞれ通る「上段入賞ライン」「中段入賞ライン」及び「下段入賞ライン」、並びに、左上・中央・右下に斜めに配列される3個の図柄10A を通る「右下り入賞ライン」、並びに、左下・中央・右上に斜めに配列される3個の図柄10A を通る「右上がり入賞ライン」等、適宜な3個の図柄10A を通過するラインが採用できる。
【0023】
図柄表示窓33の上方には、動画の表示までもが可能となった液晶パネル型の表示装置41が設けられている。これらの表示装置41及び図柄表示窓33の周囲には、表示装置41及び図柄表示窓33の図1、中左方、上方、右方を囲むように、逆U字形に配列された複数の演出用ランプ42 が設けられている。
また、前扉3の図1中、上方左右の角隅近傍には、種々の音声を出力するための上部スピーカ43が設けられている。
【0024】
ここで、下部スピーカ22、表示装置41、演出用ランプ42及び上部スピーカ43は、各遊技毎にスロットマシン1の内部で行われる当否抽選で、所定の当選役に対応した当選フラグが成立した際に行われる報知演出を行うための演出手段となっている。
このような演出手段は、役抽選で当選フラグが成立すると、例えば、BBフラグが成立すると、演出用ランプ42 を点灯又は点滅させる演出動作、スピーカ43, 22から当選音を発生させる演出動作、及び、表示装置41の画面に演出用の画像を表示する演出動作等のいずれか一つの演出動作を単独で作動させる、若しくは、これら二つ以上、又は、全部を同時に作動させることにより、遊技者に当選フラグの成立を報知する報知演出を行うものとなっている。
【0025】
本体キャビネット2の内部には、前述の三個の回転リール10を回転可能に支持するとともに、各回転リール10を回転駆動する図示しないモータを備えたリールユニット6が設けられている。このリールユニット6は、図柄表示窓33を通して図柄が視認できるように、図柄表示窓33の裏側に配置されている。
また、本体キャビネット2の内部におけるリールユニット6の下方には、メダル投入口12に投入されたメダルを貯留するとともに、必要に応じて、貯留されたメダルを遊技者へ払い出すホッパーユニット7が設けられている。
リールユニット6の図1中、上方には、スロットマシン1に設けられている装置、例えば、リールユニット6及びホッパーユニット7等の動作を制御する制御装置50が設けられている。
【0026】
ホッパーユニット7の図1中、左方には、スロットマシン1に設けられている各装置、例えば、リールユニット6及びホッパーユニット7等に電力を供給する電源ユニット8が、当該ホッパーユニット7に近接して配置されている。
また、前扉3の裏側には、メダル投入口12に投入されたメダルの適否を判定するメダルセレクタ9が設けられている。
このメダルセレクタ9には、内部を通過するメダルを検出するために、例えば、光学式近接センサであるフォトインターララプタ等のメダルセンサ9Aが設けられている。
【0027】
(設定変更操作部51)
ここで、電源ユニット8の前面分部には、図2に示すように、設定変更操作を行うための設定変更操作部51が設けられている。
すなわち、スロットマシン1は、メダルの投入数に対する払出数の割合である出玉率に対応付けられた設定値が複数段階(例えば、6段階)に設定されたものとなっている。そして、設定変更操作部51及びスタートスイッチ15に対して所定の設定変更操作を行うことにより、複数段階の設定値のいずれかを選択することが可能となっている。
【0028】
設定変更操作部51には、図2の如く、スロットマシン1の電源の入り切りを行う電源スイッチ52と、設定変更モード及び遊技モードの一方から他方への切り替えを行う設定キースイッチ53と、複数段階に設定されている設定値のうちの一つを選択する際に押圧操作される設定変更スイッチ54とが設けられている。
【0029】
電源スイッチ52は、スロットマシン1の電源を入り切りするためのON/OFFスイッチである。この電源スイッチ52は、後述するように、設定変更操作の際にも操作が必要なスイッチとなっている。
設定キースイッチ53は、所定のキーが差し込まれる鍵穴53A を有するシリンダー部53B が回転可能に設けられた錠式のスイッチである。
この設定キースイッチ53は、鍵穴53A にキーが差し込まれた状態で、シリンダー部53B がON位置及びOFF位置の一方から他方へ回転可能となっている。また、設定キースイッチ53の鍵穴53A は、OFF位置でのみキーの抜き差しが行えるようになっている。
スロットマシン1は、電源が遮断され状態で、設定キースイッチ53をON位置にした後、電源スイッチ52をONにすると、設定変更モードとなって起動する一方、設定キースイッチ53がOFF位置で、電源スイッチ52をONにすると、遊技モードとなって起動するように形成されている。
【0030】
設定変更スイッチ54は、押しボタン式のスイッチであり、設定変更モードでは、設定変更用のスイッチとなり、遊技モードでは、リセットスイッチとして機能するものとなっている。
スロットマシン1は、設定変更モードにおいて、設定値が最大値ではないときには、設定変更スイッチ54が一回押圧操作されると、設定値に「1」が加えられ、これにより、設定値の変更が行われる一方、設定値が最大値のときには、押圧操作で設定値が最小値に戻され、これにより、設定値の変更が行われるように形成されている。
なお、数値表示部31には、設定変更操作を実行している間、その時点の設定値等が表示されるようになっている。この数値表示部31については、後程詳述する。
【0031】
スロットマシン1は、設定変更スイッチ54による設定変更操作後、スタートスイッチ15が操作されることによって、設定変更スイッチ54により変更した設定値が確定されるようになっている。ここにおいて、スタートスイッチ15は、設定変更スイッチ54で変更した設定値を確定させる設定変更確定スイッチを兼用している。
スロットマシン1は、スタートスイッチ15の操作によって、設定値を確定させた後、設定キースイッチ53をOFF位置にすることにより、設定変更モードから遊技モードに切り替わり、遊技が行えるように形成されている。
【0032】
(制御装置50)
制御装置50は、例えば、信号の演算処理を行うCPUを含んで構成され、記憶媒体としてのROM及びRAM、並びに、外部との信号の入出力を行うI/O等を備えている。このうち、CPUは、一個に限定されず、二個以上のCPUで制御するようにしてもよい。また、CPU、ROM、RAM及びI/O等は、一体化されてワンチップから構成されるものでもよい。そして、CPUは、ROMに記憶されたプログラムを実行処理することで、各種制御を行うものである。
ここで、制御装置50には、図3に示すように、遊技に係る装置、例えば、リールユニット6の動作を制御する遊技制御装置60、及び、演出に係る装置、例えば、表示装置41の動作を制御する演出制御装置70が設けられている。
【0033】
また、制御装置50のI/Oの入力部には、図3に示すように、前述したメダルセンサ9A、ベットスイッチ14、スタートスイッチ15、ストップスイッチ13、精算スイッチ16、及び、設定変更操作部51が接続されている。
一方、制御装置50のI/Oの出力部には、リールユニット6、ホッパーユニット7、数値表示部31、報知ランプ32、表示装置41、演出用ランプ42及びスピーカ43, 22が接続されている。
【0034】
(遊技制御装置60)
遊技制御装置60は、図3の如く、複数種類の役の当否を決定する役抽選を行う抽選手段61と、リールユニット6の動作を制御する回転リール制御手段62と、停止した回転リール10が表示する図柄についての判定を行う停止図柄判定手段63と、ホッパーユニット7の動作を制御する払出制御手段64と、設定変更操作部51の操作により設定値の変更処理を行う設定変更制御手段65と、所定の役の当選及びその図柄の停止表示に応じて、所定の遊技状態を制御する状態移行制御手段66と、後述する特定遊技状態において設定変更操作がなされると、設定変更操作前における所定の役の当選確率を設定変更操作後にまで維持する遊技状態維持手段67とを備えたものとなっている。
【0035】
抽選手段61は、役抽選を行うために、各役毎に当選確率に応じた広さの当選領域が形成された役抽選テーブルを記憶している役抽選テーブル記憶手段61A と、所定数値範囲(例えば、0〜65535)の計数処理を繰り返し行うループカウンターから抽出した数値を、前述の役抽選テーブルに参照することで当否を判定する当否判定手段61B と、当否判定手段61B が参照すべき役抽選テーブルの選択・変更を行う役抽選テーブル変更手段61C の手段を備えている。
【0036】
役抽選テーブル記憶手段61A には、設定値や遊技状態に応じた複数種類の役抽選テーブルが記憶されている。
役抽選テーブル記憶手段61A に記憶されている役抽選テーブルの各々は、前述のループカウンターがカウントする所定数値範囲を全領域として、各役及びハズレの領域を規定したものである。
【0037】
ここで、役抽選の抽選対象となる役としては、対応する図柄の組み合わせが停止表示されると、役に応じた枚数のメダルが払い出されるし小役と、対応する図柄の組み合わせが停止表示されると、遊技状態が遊技者にとってより有利な遊技状態であるボーナス状態への移行契機となるボーナス役と、次遊技において遊技メダルを新たに投入することなく再度の遊技を行うことができる再遊技役とが設定されている。
また、ボーナス状態に滞在している間に当選可能な役としては、対応する図柄の組み合わせが停止表示されると、後述するレギュラー・ボーナス中状態へ移行させるシフト役が設けられている。
さらに、再遊技役の範疇に含まれる役として、役抽選で当選し、対応する図柄の組み合わせが停止表示されると、次遊技において遊技メダルを新たに投入することなく再度の遊技を行うことができるとともに、異なる遊技状態へ移行させる特殊リプレイA,Bが設けられている。
【0038】
さらに具体的に説明すると、小役としては、対応する図柄の組み合わせが「ベル・ベル・ベル」の図柄の組み合わせからなる「ベル」役と、三つの回転リール10の各々に記された三種類の図柄、すなわち、スイカA、スイカB及びスイカCが適宜組み合わされた27種類の「スイカ1〜27」役とが設けられている。
「スイカ1〜27」の代表例を挙げて、その図柄の組み合わせを具体的に説明すると、スイカ1は、「スイカA・スイカA・スイカA」の図柄の組み合わせからなる小役であり、スイカ2は、「スイカA・スイカA・スイカB」の図柄の組み合わせからなる小役であり、スイカ3は、「スイカA・スイカA・スイカC」の図柄の組み合わせからなる小役であり、スイカ26は、「スイカC・スイカC・スイカB」の図柄の組み合わせからなる小役であり、スイカ27は、「スイカC・スイカC・スイカC」の図柄の組み合わせからなる小役である。
【0039】
ボーナス役としては、「7・7・7」等のボーナス図柄の組み合わせからなる「BB(ビッグ・ボーナス)」役が設けられている。なお、本発明に係る役は、以上の役に限定されず、他の役の追加や、他の役との代替を適宜行うことができる。
BB役は、遊技状態が複数回繰り返しRB中状態へ移行するボーナス状態への移行契機となる特定役である。
具体的に説明すると、ボーナス状態は、当該ボーナス状態に移行すると、まず、後述する第1特定遊技状態が開始され、この第1特定遊技状態における役抽選の抽選対象となる役として、「Bar・Bar・Bar」や「リプレイ・ベル・リプレイ」等の図柄の組み合わせからなる「シフト」役が設けられている。
RB中状態は、第1特定遊技状態における役抽選でシフト役に当選し、シフト役に対応する図柄の組み合わせが停止表示されることを契機に、第1特定遊技状態から移行する遊技状態である。
ここにおいて、抽選手段61は、特定役であるBB役を含む複数種類の役の当否を決定する役抽選を行うものとなっている。
【0040】
再遊技役としては、対応する図柄の組み合わせが「リプレイ・リプレイ・リプレイ」の図柄配列からなる「リプレイ」に加えて、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」の図柄配列とは異なる図柄配列からなる複数種類の「特殊リプレイA」及び「特殊リプレイB」が設けられている。
「特殊リプレイA」は、ボーナス状態等の役抽選で所定の確率で当選する特殊役となっている。
【0041】
また、スロットマシン1における遊技状態としては、役抽選で再遊技役に当選する当選確率の値が互いに異なる第1〜3リプレイタイム(以下、「RT」と略す。)状態及び非RT状態が設けられている。
さらに、第1〜3RT状態、及び、非RT状態に比べて小役の当選確率が高いRB中状態に複数回繰り返し移行するボーナス状態が設けられている。なお、RB中状態における小役の当選確率は、第1〜3RT状態、及び、非RT状態に比べて、著しく高くする必要はなく、僅かでも高ければよい。
このうち、第1RT状態は、他の遊技状態へ移行した後、移行先の遊技状態から戻るべき遊技状態である通常遊技状態として設定されている。
【0042】
第2RT状態は、再遊技役への当選確率が通常遊技状態である第1RT状態よりも高確率とされた特殊再遊技当選確率状態として設定されている。
ここにおいて、「特殊リプレイA」及び「特殊リプレイB」は、第1RT状態、又は、ボーナス状態が解除された状態である第3RT状態の役抽選で当選した後、対応する図柄の組み合わせが停止表示されると、特殊再遊技当選確率状態である第2RT状態への移行を行わせる役となっている。なお、第3RT状態が、ボーナス状態の解除された状態であることは、後で詳述する。
【0043】
ボーナス状態は、通常遊技状態である第1RT状態等で、特定役であるBB役に当選し、当選したBB役に対応する図柄の組み合わせが停止表示されたことに基づいて移行し、予め定められた条件の成立によって終了する特定遊技状態である。
更に具体的に説明すると、ボーナス状態は、非RT状態及び第1〜3RT状態の役抽選で、BB役に当選し、BBフラグが成立した後、BB役に対応する図柄の組み合わせが停止表示されると開始され、予め定められた一定枚数以上のメダルが払い出しされると終了するものとなっている。
このボーナス状態は、当該ボーナス状態に移行すると、最初に開始される第1特定遊技状態と、この第1特定遊技状態でシフト役に当選すると、当該第1特定遊技状態から移行する第2特定遊技状態と、シフト役に当選した後、シフト役に対応した図柄の組み合わせが停止表示されると移行するRB中状態とを備えている。
なお、第1特定遊技状態における一の遊技でシフト役に当選すると、シフト役の当選フラグ(以下、「シフト当選フラグ」という。)が成立するようになっている。このシフト当選フラグは、当該遊技で、シフト役に対応した図柄の組み合わせが停止表示しなくとも、以降の遊技に持ち越すことが可能となっている。
これにより、第2特定遊技状態は、第1特定遊技状態から移行してきてから、シフト役に対応した図柄の組み合わせが停止表示されるまで、あるいは、ボーナス状態が終了するまで、継続することが可能となっている。
また、ボーナス状態に移行する前の遊技状態として、BB役に当選したが、BB役に対応する図柄の組み合わせが停止表示されず、BBフラグが成立したままの遊技状態である内部中状態が設けられている。
【0044】
第1特定遊技状態は、いわゆる「一般中」と呼ばれる遊技状態であり、小役や再遊技役の当選確率が第1RT状態と同様に設定されている。
第2特定遊技状態は、第1特定遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である。すなわち、第2特定遊技状態は、リプレイC等の再遊技役の当選確率が第1特定遊技状態よりも高い遊技状態となっている。
RB中状態は、シフト役に対応した図柄の組み合わせが停止表示すると開始され、所定の終了契機で終了するまでの間、小役の当選確率が第1RT状態及び第1特定遊技状態よりも高く定されている遊技が繰り返される遊技状態である。
RB中状態の終了契機としては、8回以内で予め定められた回数の入賞があった場合、及び、12回以内で予め定められた回数の遊技が終了した場合のいずれかが採用できる。
【0045】
役抽選の結果、いずれかの役が当選すると、遊技制御装置60の内部で、当選した役に対応する当選フラグが成立するようになっている。すなわち、当選役が小役の場合には小役当選フラグが、特定役であるBB役の場合にはBBフラグが、移行役であるシフト役の場合にはシフト当選フラグが、リプレイの場合にはリプレイ当選フラグがそれぞれ成立する。小役当選フラグ及びリプレイ当選フラグは当該遊技限りのフラグであり、遊技終了に伴いリセットされ、次の回の遊技に持ち越し不可能となっている。
一方、BBフラグ及びシフト当選フラグは、当該特定役が入賞するまでリセットされない、すなわち、BB役又はシフト役に当選した場合には、当選の権利が次遊技以降に持ち越されるようになっている。
【0046】
このようなスロットマシン1において、役抽選テーブル変更手段61C は、遊技状態及びスロットマシン1の設定値に応じて、複数設けられている役抽選テーブルの中から使用する役抽選テーブルを選択決定するためのものである。
ここで、スロットマシン1には、各設定値において、役抽選で再遊技役(リプレイ)に当選する当選確率の値が互いに異なる複数種類の遊技状態が設けられている。具体的に説明すると、スロットマシン1には、遊技状態として、前述の非RT状態、第1〜3RT状態、内部中状態、第1、2特定遊技状態、及び、RB中状態が設けられている。
そして、役抽選テーブル記憶手段61A に記憶されている役抽選テーブルは、設定1〜6の各々における前述の遊技状態のそれぞれに対応して、複数種類のものが設けられ、各設定値における複数種類の遊技状態毎に異なるものが使用されるようになっている。以下に役抽選テーブルについて、具体的な例を挙げて説明する。
【0047】
すなわち、本実施形態に係るスロットマシン1には、各設定値における遊技状態として、前述した非RT状態、第1〜3RT状態、内部中状態、第1、2特定遊技状態、及び、RB中状態が設けられている。
そして、役抽選テーブルは、複数段階に設けられた各設定値における各遊技状態に対応するもの、具体的には、各設定値における非RT状態、第1〜3RT状態、内部中状態、第1,2特定遊技状態、及び、RB中状態のそれぞれに対応する複数種類のものが設けられている。
図4及び図5には、ある設定値における非RT状態、第1〜3RT状態、内部中状態、第1,2特定遊技状態、及び、RB中状態のそれぞれに対応する非RT役抽選テーブル、第1〜3RT役抽選テーブル、内部中役抽選テーブル、第1,2特定遊技状態役抽選テーブル、及び、RB中役抽選テーブルが示されている。
なお、図4及び図5に示す各役抽選テーブルは、その各領域の広さが実際の当選確率を正確な示すものではなく、各役の当選確率の相違を視覚的に容易に判るようにしたものである。
【0048】
非RT役抽選テーブルは、図4の如く、BB役の当選領域と、後述する小役グループ1〜27の当選領域と、リプレイCの当選領域と、ハズレの領域とで形成されたものとなっている。
第1RT役抽選テーブルは、BB役の当選領域と、小役グループ1〜27の当選領域と、特殊リプレイAの当選領域と、特殊リプレイBの当選領域と、リプレイCの当選領域と、ハズレの領域とで形成されたものとなっている。
この第1RT役抽選テーブルでは、リプレイCの領域が縮小され、これにより、特殊リプレイAの当選領域及び特殊リプレイBの当選領域が確保されている。
ここで、図4では、特殊リプレイAの当選領域及び特殊リプレイBの当選領域は、図4で視認容易となるように大きく記載されているが、実際には、特殊リプレイA及び特殊リプレイBの当選確率は、それぞれ1/65536となっている。
なお、第1RT状態は、非RT状態、第2RT状態及び第3RT状態から、所定の契機で戻ってくるように設定された通常遊技状態となっており、この点については、後で具体的に説明する。
【0049】
第2RT役抽選テーブルは、特殊再遊技当選確率状態である第2RT状態の役抽選で参照される役抽選テーブルであり、BB役の当選領域と、小役グループ1〜27の当選領域と、リプレイCの当選領域と、ハズレの領域とで形成されたものとなっている。
この第2RT役抽選テーブルでは、通常遊技状態である第1RT状態よりもリプレイCの当選確率が高くなるように、リプレイCの当選領域が拡張され、その分、ハズレの領域が縮小されている。
【0050】
第3RT役抽選テーブルは、第3RT状態の役抽選で参照される役抽選テーブルであり、図4の如く、BB役の当選領域と、小役グループ1〜27の当選領域と、特殊リプレイAの当選領域と、特殊リプレイBの当選領域と、リプレイCの当選領域と、ハズレの領域とで形成されたものとなっている。
ここで、第3RT状態は、ボーナス状態における第2特定遊技状態に滞在しているとき、すなわち、シフト当選フラグが成立しているときに、設定変更操作が行われることによって、第2特定遊技状態から移行する際の移行先となる遊技状態である。
【0051】
このような第3RT状態の役抽選で参照される第3RT役抽選テーブルは、第2特定遊技状態の役抽選で参照される第2特定遊技状態役抽選テーブルを、所定の制約に基づいて、引き継いだものである。
第3RT役抽選テーブルは、ボーナス状態が解除されている第3RT状態で参照される役抽選テーブルであるので、BB役の当選領域を備えていなければならないという制約が課されたものである。
そして、第3RT役抽選テーブルは、BB役の当選領域を備えているという点で、BB役の当選領域がない第2特定遊技応対役抽選テーブルと相違しているが、それ以外の点で相違が見られない第2特定遊技状態役抽選テーブルと近似した役抽選テーブルとなっている。
【0052】
ここで、「ボーナス状態が解除」されるとは、BB役が役抽選の抽選候補として存在しないボーナス状態からBB役が役抽選の抽選候補として存在する遊技状態へ移行することであり、さらに別の言い方をすると、役抽選でBB役の当選領域がない役抽選テーブルを参照するボーナス状態から、役抽選でBB役の当選領域がある役抽選テーブルを参照する遊技状態へ移行することをいう。
従って、「ボーナス状態が解除された状態」とは、BB役が役抽選の抽選候補として存在する遊技状態であって、所定の図柄の組み合わせが停止表示されたことを契機に、再遊技役の当選確率が異なる別の遊技状態へ移行可能な遊技状態をいう。
そして、第3RT役抽選テーブルは、BB役が役抽選の抽選候補として存在する遊技状態であって、特殊リプレイAに対応する図柄の組み合わせが停止表示されたことを契機に、別の遊技状態である第2RT状態へ移行可能な遊技状態となっている。
【0053】
また、第3RT役抽選テーブルにおける特殊リプレイAの当選領域は、第2特定遊技状態役抽選テーブルの特殊リプレイAの当選領域と同じ大きさとなっている。
すなわち、第3RT状態における特殊リプレイAの当選確率は、第2特定遊技状態において設定変更操作が行われた際に、第2特定遊技状態における特殊リプレイAの当選確率が設定変更操作後にまで維持されたものであり、これにより、第2特定遊技状態における特殊リプレイAの当選確率と同じ値となっている。
【0054】
このような第3RT役抽選テーブルは、通常遊技状態である第1RT状態の第1RT役抽選テーブルと比較して、特殊リプレイAやリプレイCを含む再遊技役の当選領域が広くなっている。換言すると、第3RT状態は、再遊技役の当選確率が第1RT状態よりも高確率となっている。
特に、第3RT役抽選テーブルでは、特殊リプレイA当選確率が1/10程度に設定されており、第1RT役抽選テーブルにおける1/65536に比べて著しく高く設定されている。
なお、第3RT役抽選テーブルにおける特殊リプレイBの当選確率は、第1RT役抽選テーブルと同様に、1/65536に設定されている。
【0055】
内部中役抽選テーブルは、役抽選でBB役に当選し、BBフラグが成立している状態、すなわち、いわゆる内部中状態の役抽選で参照される役抽選テーブルである。
このような内部中役抽選テーブルは、BBフラグが成立しているので、BB役の当選領域がなく、図5に示すように、小役グループ1〜27の当選領域と、リプレイCの当選領域と、ハズレの領域とで形成されたものとなっている。
【0056】
第1特定遊技状態役抽選テーブルは、ボーナス状態に移行してから最初に開始される第1特定遊技状態の役抽選で参照される役抽選テーブルであり、ボーナス状態となっているので、図5の如く、BB役の当選領域がない。そして、第1特定遊技状態役抽選テーブルは、小役グループ1〜27の当選領域と、特殊リプレイAの当選領域と、特殊リプレイBの当選領域と、リプレイCの当選領域と、シフト役の当選領域と、ハズレの領域とで形成されたものとなっている。
なお、第2特定遊技状態役抽選テーブルにおける小役グループ1〜27の当選領域は、図5では視認できないが、非RT状態及び第1RT状態よりも僅かに広くなっている。後述する第2特定遊技状態役抽選テーブル及びRB中役抽選テーブルにおける小役グループ1〜27の当選領域も、第1特定遊技状態役抽選テーブルと同様に、非RT状態及び第1RT状態よりも僅かに広くなっている。
【0057】
第2特定遊技状態役抽選テーブルは、第2特定遊技状態における役抽選で参照される役抽選テーブルである。
すなわち、第2特定遊技状態は、第1特定遊技状態の役抽選でシフト役に当選したことを契機に、第1特定遊技状態から移行する移行先の遊技状態である。
この第2特定遊技状態における役抽選で参照される第2特定遊技状態役抽選テーブルは、小役グループ1〜27の当選領域と、特殊リプレイAの当選領域と、特殊リプレイBの当選領域と、リプレイCの当選領域と、ハズレの領域とで形成されたものとなっている。
第2特定遊技状態役抽選テーブルにおける特殊リプレイA及びリプレイCの当選領域は、第1特定遊技状態役抽選テーブルよりも広くなっている。
特に、第2特定遊技状態役抽選テーブルにおける特殊リプレイAの当選領域は、第1特定遊技状態役抽選テーブルよりも大幅に拡大されている。
換言すると、第2特定遊技状態における特殊リプレイAの当選確率は、1/10程度とされ、第1特定遊技状態における抽選テーブルにおける1/65536と比べると、著しく高確率となっている。
ここで、第2特定遊技状における特殊リプレイAの当選確率は、第3RT状態以外の遊技状態のいずれよりも高く設定され、第3RT状態とは同じ値に設定されている。
【0058】
RB中状態役抽選テーブルは、RB中状態における役抽選で参照される役抽選テーブルであって、小役グループ1〜27の当選領域と、特殊リプレイAの当選領域と、特殊リプレイBの当選領域と、リプレイCの当選領域と、ハズレの領域とで形成されたものとなっている。
なお、RB中状態役抽選テーブルは、図5の如く、第1特定遊技状態役抽選テーブルにおけるシフト役の当選領域を、ハズレの領域に置き換えたものと同等のものである。
【0059】
次に、小役グループ1〜27について説明する。
小役グループ1〜27の各々は、「スイカ1〜27」のうちの3つのスイカ役及びベル役の4つの小役が組み合わされたグループである。同じグループに含まれる小役は、役抽選で重複して当選するものとなっている。
ここで、小役グループ1〜27の各々は、ベル役を必ず含むとともに、3種類のスイカ図柄の互いに異なる組み合わせを有するものとなっている。
【0060】
続いて、前述した複数種類の役抽選テーブルのそれぞれにおいて、どのような役の領域が形成されているかについて簡単に説明する。
すなわち、非RT役抽選テーブルは、図6に示すように、BB役の当選領域と、小役グループ1〜27の当選領域と、リプレイCの当選領域と、図示しないハズレの領域とを備えている。
【0061】
第1RT役抽選テーブルは、BB役の当選領域と、小役グループ1〜27の当選領域と、特殊リプレイAの当選領域と、特殊リプレイBの当選領域と、リプレイCの当選領域と、図示しないハズレの領域とが形成されている。この第1RT役抽選テーブルは、特殊リプレイAの当選領域、及び、特殊リプレイBの当選領域を有している点で、非RT役抽選テーブルと相違している。
なお、第1RT役抽選テーブルとしては、特殊リプレイAの当選領域、及び、特殊リプレイBの当選領域を有していないものも採用でき、これにより、第1RT状態における特殊リプレイA及び特殊リプレイBの当選確率を「0」にしても良い。
【0062】
第2RT役抽選テーブルは、BB役の当選領域と、小役グループ1〜27の当選領域と、リプレイCの当選領域と、図示しないハズレの領域とが形成されたものとなっている。
なお、第2RT状態は、前述したように、再遊技役の当選確率が第1RT状態より高い特殊再遊技当選確率状態であり、また、後で詳述する演出状態がAT状態となった、ART状態である。このような第2RT状態は、遊技者とって、役抽選で当選した役を遊技者に報知する演出が行われ、これにより、第1RT状態よりも有利に遊技が進行する有利遊技状態であるといえる。
【0063】
第3RT役抽選テーブルは、BB役の当選領域と、小役グループ1〜27の当選領域と、特殊リプレイAの当選領域と、特殊リプレイBの当選領域と、リプレイCの当選領域と、図示しないハズレの領域とが形成されたものとなっている。
この第3RT役抽選テーブルは、前述したように、第2特定遊技状態役抽選テーブルから引き継ぐことで形成されたもの、換言すると、第2特定遊技状態役抽選テーブルにおけるハズレの領域を縮小し、縮小して空きとなった部分をBB役の当選領域としたものにほぼ等しくなっている。このため、第3RT状態における特殊リプレイAの当選確率は、第2特定遊技状態と同様に、1/10程度となっている。
【0064】
内部中役抽選テーブルは、小役グループ1〜27の当選領域と、リプレイCの当選領域と、図示しないハズレの領域とが形成されたものとなっている。内部中役抽選テーブルは、BB役の当選領域がないが、これ以外の点では、図5にも示すように、非RT役抽選テーブルに近似している。
【0065】
第1特定遊技状態役抽選テーブルは、図6の如く、シフト役の当選領域と、小役グループ1〜27の当選領域と、特殊リプレイAの当選領域と、特殊リプレイBの当選領域と、リプレイCの当選領域と、図示しないハズレの領域とが形成されたものとなっている。
ここで、第1特定遊技状態役抽選テーブルにおけるシフト役の当選領域と、他の役抽選テーブルには存在しない領域となっている。
【0066】
第2特定遊技状態役抽選テーブルは、小役グループ1〜27の当選領域と、特殊リプレイAの当選領域と、特殊リプレイBの当選領域と、リプレイCの当選領域と、図示しないハズレの領域とが形成されたものとなっている。
ここで、第2特定遊技状態役抽選テーブルに当選領域のある役のうち、特殊リプレイAは、当選確率が1/10と比較的大きな値が設定されている。一方、特殊リプレイBは、当選確率が1/65536と極めて小さな値が設定されている。
【0067】
RB中役抽選テーブルは、小役グループ1〜27の当選領域と、特殊リプレイAの当選領域と、特殊リプレイBの当選領域と、リプレイCの当選領域と、図示しないハズレの領域とが形成されたものとなっている。
ここで、RB中役抽選テーブルは、第1特定遊技状態役抽選テーブルにおけるシフト役の当選領域を削除し、削除によって空きとなった部分をハズレの領域としたものに近似している(図5参照)。
【0068】
ここで、当否判定手段61B は、役抽選テーブル記憶手段61A に記憶されている役抽選テーブルのうち、その時点の設定値及び遊技状態に応じた役抽選テーブルを参照して役抽選を行うようになっている。
換言すると、当否判定手段61B は、設定1から設定6までいずれかの設定値が設定されると、その時点の設定値及び遊技状態に応じた役抽選テーブルを利用して役抽選を行うようになっている。
そして、同一の遊技状態に対応する役抽選テーブルは、原則として、設定1から設定6へ向かって順に、BB役の当選確率が高くなるように形成されている。
例えば、役抽選テーブルは、設定1よりも設定6のものの方が、BB役に当選する確率が高くなるように形成されている。
これにより、スロットマシン1は、設定値を低設定から高設定、換言すると、設定の段階を示す数字の若いものから年寄りのものに設定値を変更すると、当選確率が高くなり、当選確率が高ければ、当然入賞の可能性も増えるので、設定値を変更することにより、出玉率を調節できるようになっている。
なお、第2特定遊技状態における特殊リプレイAの当選確率は、設定値の変更では、変動しない、すなわち、他の値に変更されないようになっている。
【0069】
図3に戻って、当否判定手段61B は、当否判定を行うにあたり、予め、役抽選テーブル記憶手段61A に記憶されている役抽選テーブルの中から適切な役抽選テーブルを役抽選テーブル変更手段61C に選択させ、役抽選テーブル変更手段61C が選択した役抽選テーブルを保持しておくように形成されている。
そして、当否判定手段61B は、前述したループカウンターに所定数値範囲の計数処理を繰り返し行わせ、スタートスイッチ15が操作されたタイミングで、ループカウンターの計数値を読み取り、読み取った数値を、保持している役抽選テーブルに参照することで、当否を判定するように形成されている。
【0070】
役抽選テーブル変更手段61C は、設定変更操作が行われると、その度に、変更された設定値を保持するように形成されている。そして、役抽選テーブル変更手段61C は、変更後の設定値を保持すると、役抽選テーブル記憶手段61A に記憶されている役抽選テーブルの中から、その時点における遊技状態、及び、保持している設定値の両方に対応した役抽選テーブルを選択し、選択した役抽選テーブルを当否判定手段61B に保持させるように形成されている。
【0071】
回転リール制御手段62は、スタートスイッチ15の操作を契機として、3個すべての回転リール10を一斉に起動させる起動制御、及び、ストップスイッチ13の操作を契機に、対応する回転リール10の停止制御を行うものである。
更に詳しく説明すると、回転リール制御手段62は、3個の回転リール10の回転動作を開始させると、その回転速度が所定の定常速度に達するまで加速処理を行い、回転リール10の回転速度が所定の定常速度に達すると、回転リール10が所定の定常速度で回転するように、回転速度制御処理を行うようになっている。
【0072】
一方、回転リール制御手段62は、前述したように、回転リール10の起動制御に加えて、回転リール10の停止制御を行うものとなっている。
すなわち、回転リール制御手段62は、ストップスイッチ13の操作を契機として、抽選手段61による役抽選の結果に応じた態様で、回転中の回転リール10を停止させる停止制御手段を兼ねているものでもある。
この回転リール制御手段62は、回転リール10に設けられたインデックスを近接センサで検出することで、回転リール10の回転角度位置における原点位置を特定するとともに、回転リール10を、回転駆動するステッピングモータに与えた駆動電圧パルスの数量であるステップ数を計数し、計数したステップ数に基づいて回転リール10の回転角度位置を特定するようになっている。
【0073】
そして、回転リール制御手段62は、ストップスイッチ13の操作時に、有効入賞ライン上に停止できる図柄を基準として、この図柄から回転方向へ移動した図柄の数が予め定められた数を越えないように、回転リール10を停止させるようになっている。
ここで、ストップスイッチ13の操作時に、基準となる図柄から回転方向へN個(N:自然数)の図柄が移動して停止することを「Nコマすべる」といい、また、移動した図柄の数を「コマ数」といい、さらに、コマ数の最大値を「最大スベリコマ数」という。ここで、「最大スベリコマ数」としては、例えば、4コマを採用することができる。
【0074】
以上において、回転リール制御手段62は、ストップスイッチ13が操作されると、図柄をすべらさずに回転リール10を停止させる、あるいは、最大スベリコマ数を越えない範囲内で、回転リール10をすべらせて停止させるように形成されている。
具体的に説明すると、回転リール制御手段62は、役抽選でいずれかの役が当選すると、当選した役に対応した図柄の組み合わせが停止表示されるように、回転リール10を停止させる引き込み制御と、当選した役以外の役については、対応する図柄の組み合わせが停止表示されないように、回転リール10を停止させる蹴飛ばし制御とを行うように形成されている。
一方、回転リール制御手段62は、役抽選の結果がハズレの場合には、各回転リール10の回転を停止させるに際し、いずれの有効入賞ライン上にも、いずれの役を構成する図柄の組み合わせも揃わないように、蹴飛ばし制御を行う。
【0075】
ここで、抽選手段61は、役抽選で、複数の小役に重複当選する場合、あるいは、BBフラグが成立した状態で、リプレイ役に当選する場合等、複数の当選フラグを成立させることが可能となっている。この場合に、回転リール制御手段62は、引き込み制御において、当選フラグが成立している複数の役について、予め設定された優先順位に基づいて、引き込む制御を行うようになっている。
回転リール制御手段62が引き込む制御を行う際の優先順位としては、例えば、「再遊技役」>「小役」>「ボーナス役」に設定することができる。なお、引き込む制御における優先順位は、「再遊技役」>「小役」>「ボーナス役」に限られるものではない。
【0076】
この際、回転リール制御手段62は、抽選手段61による役抽選で、小役グループ1〜27のいずれかに当選し、その後、予め設定されている正解打順で3個のストップスイッチ13が押下された場合、ストップスイッチ13の操作タイミングにかかわらず、ベル役に対応する図柄の組み合わせを停止表示させるようになっている。
また、回転リール制御手段62は、正解打順とは異なる打順で3個のストップスイッチ13が押下された場合、ベル役に対応する図柄の組み合わせの停止表示が回避されるようになっている。そして、この場合、回転リール制御手段62は、ストップスイッチ13が適切なタイミングで押下されると、ストップスイッチ13の押下タイミングに応じて三種類のスイカ役のいずれか一つに対応する図柄の組み合わせを停止表示させるようになっている。
さらに、正解打順とは異なる打順で3個のストップスイッチ13が押下された場合、回転リール制御手段62は、ストップスイッチ13が適切なタイミングで押下されなかったときには、いずれの役にも対応しない図柄の組み合わせであるブランク図柄を停止表示させるようになっている。
【0077】
停止図柄判定手段63は、回転リール10が全て停止したときに、有効ライン上に配列された図柄が役に応じた組み合わせになっているか否かを判定するものである。
すなわち、停止図柄判定手段63は、すべての回転リール10の停止時に、有効ライン上に配列された図柄が、小役に応じた図柄の組み合わせとなっているときには、入賞と判定し、当該小役に応じた枚数のメダルを払い出させる指令を払出制御手段64に送るようになっている。
さらに、停止図柄判定手段63は、全回転リール10が停止したときに、有効ライン上に配列された図柄が、BB役に応じた図柄の組み合わせとなっているときには、遊技状態をボーナス状態へ移行させるようになっている。
また、停止図柄判定手段63は、全回転リール10が停止したときに、有効ライン上に配列された図柄が再遊技役に応じた図柄の組み合わせとなっているときには、次遊技のためのメダルが投入されたものとし、実際にメダルが投入されなくとも、次の遊技が開始できるようにするものとなっている。
さらに、停止図柄判定手段63は、全回転リール10が停止したときに、有効ライン上に配列された図柄が所定の役に応じた図柄の組み合わせとなっているときには、遊技状態を別の遊技状態へ移行させるようになっている。
【0078】
例えば、停止図柄判定手段63は、全回転リール10が停止したときに、有効ライン上に配列された図柄が、特定役であるBB役に応じた図柄の組み合わせとなっているときには、遊技状態を第1特定遊技状態へ移行させるようになっている。
また、停止図柄判定手段63は、全回転リール10が停止したときに、有効ライン上に配列された図柄が、移行役であるシフト役に応じた図柄の組み合わせとなっているときには、遊技状態をRB中状態へ移行させるようになっている。
さらに、停止図柄判定手段63は、全回転リール10が停止したときに、有効ライン上に配列された図柄が、特殊役である特殊リプレイAに応じた図柄の組み合わせとなっているときには、遊技状態を第2RT遊技状態へ移行させるようになっている。
また、停止図柄判定手段63は、全回転リール10が停止したときに、有効ライン上に配列された図柄が特殊リプレイBに応じた図柄の組み合わせとなっているときには、遊技状態を第3RT遊技状態へ移行させるようになっている。
【0079】
払出制御手段64は、精算スイッチ16が操作されたこと、又は、停止図柄判定手段63によって入賞したと判定されたことを契機に、ホッパーユニット7を起動し、その払出動作を制御するものとなっている。
具体的に説明すると、払出制御手段64は、精算スイッチ16が操作された場合、クレジット数に応じた枚数のメダルを払い戻す払出動作をホッパーユニット7に行わせ、停止図柄判定手段63から所定枚数の払い出し指令を受けた場合には、当該枚数のメダルを払い出す払出動作をホッパーユニット7に行わせるようになっている。
【0080】
設定変更制御手段65は、設定変更操作部51からの操作信号に基づき、遊技の設定を変更する処理を行うためのものである。
更に詳しく説明すると、設定変更制御手段65は、設定キースイッチ53からの信号に基づき、スロットマシン1の動作モードを遊技モード及び設定変更モードの一方から他方へ切り替える機能を備えている。
具体的には、設定変更制御手段65は、設定キースイッチ53のシリンダー部53B がON位置となった状態で、電源スイッチ52がONにされると、スロットマシン1を設定変更モードにして起動させるようになっている。
一方、設定変更制御手段65は、スロットマシン1が設定変更モードとなっている状態で、設定キースイッチ53のシリンダー部53B がOFF位置に移動されると、スロットマシン1を設定変更モードから遊技モードに移行させるようになっている。
っている。
【0081】
また、設定変更制御手段65は、スロットマシン1が設定変更モードとなっている状態で、設定変更スイッチ54が操作されると、設定変更スイッチ54からの信号に基づき、設定値を変更する機能を備えている。
更に詳しく説明すると、設定変更制御手段65は、内部に最新の設定値を保持しており、設定変更モードに移行した後、設定変更スイッチ54が操作されると、設定変更スイッチ54の操作毎に、保持している設定値に対してインクリメント処理を行うことで、設定値を変更するものとなっている。
具体的には、設定変更制御手段65は、設定3の状態で、設定変更モードに移行したとすると、設定変更スイッチ54が押圧される毎に、保持している設定値である「3」に「1」を加えるインクリメント処理を行って、設定値を更新して行くものとなっている。
そして、設定変更制御手段65は、設定変更スイッチ54の押圧が何度も繰り返されると、「4」「5」「6」と設定値を更新して行き、設定値が最大値の「6」に達すると、設定値を初期値の「1」に戻して更新するリターン処理を行い、リターン処理の後、インクリメント処理を再開するようになっている。
【0082】
さらに、設定変更制御手段65は、設定変更スイッチ54の操作によって変更した設定値を確定する機能を備えている。
具体的には、設定変更制御手段65は、設定変更スイッチ54の操作によって設定値が変更された後、スタートスイッチ15が操作されると、更新した設定値を示す設定値データ信号を、役抽選テーブル変更手段61C へ送出し、設定値に対応する役抽選テーブル群を役抽選テーブル記憶手段61A から取得する役抽選テーブル取得処理を役抽選テーブル変更手段61C に行わせ、これにより、設定値を確定させるようになっている。
【0083】
設定変更スイッチ54の操作で変更された後の設定値は、数値表示部31に表示されるようになっている。
すなわち、数値表示部31は、複数の7セグメント表示器を備えており、設定変更操作を実行している間、1桁目の7セグメント表示器に、その時点の設定値が、及び、1桁目の7セグメント表示器に、その時点の遊技状態が、表示されるものとなっている。
例えば、数値表示部31の第1桁目には、設定1〜6の各々に対して、「1」〜「6」のアラビア数字が表示されるようになっている。
【0084】
状態移行制御手段66は、特定役であるBB役の当選によりBBフラグが成立すると、再遊技役の当選確率が通常遊技状態とは異なる内部中状態への移行を行うものである。
また、状態移行制御手段66は、非RT状態、第1RT状態及び第2RT状態における役抽選でBB役に当選して内部中状態に移行した後、BB役に対応する図柄の組み合わせが停止表示されると、内部中状態を終了させるように形成されている。
さらに、状態移行制御手段66は、第1特定遊技状態において、移行役であるシフト役の当選によりシフト当選フラグが成立すると、第1特定遊技状態から第2特定遊技状態への移行を行うものである。ここで、第2特定遊技状態は、再遊技役の当選確率が第1特定遊技状態よりも高く、第1特定遊技状態よりも遊技者に有利な第2特定遊技状態となっている。
また、状態移行制御手段66は、シフト役の当選により、第1特定遊技状態から第2特定遊技状態に移行した後、シフト役に対応する図柄の組み合わせが停止表示されると、第2特定遊技状態を終了させるように形成されている。
【0085】
遊技状態継続手段67は、ボーナス状態の開始から終了するまでの間に行われた設定変更操作によって、更に詳しく説明すると、ボーナス状態に移行後、最初に開始される第1特定遊技状態において、移行役であるシフト役の当選によりシフト当選フラグが成立し、第1特定遊技状態から第2特定遊技状態へ移行し、第2特定遊技状態に滞在しているときに、設定変更操作が行われると、この設定変更操作を契機にボーナス状態が解除されるのと並行して、設定変更操作前の特殊リプレイAの当選確率を設定変更操作後にまで維持する制御手段である。
具体的に説明すると、遊技状態継続手段67は、ボーナス状態の第1特定遊技状態において、役抽選でシフト役に当選し、且つ、当該シフト当選フラグの成立後、シフト役に対応する図柄の組み合わせが停止表示される前に、設定変更操作がなされると、設定変更操作を契機にボーナス状態が解除されるのと並行して、設定変更操作前の特殊リプレイAの当選確率を設定変更操作後にまで維持するものである。
【0086】
更に詳しく説明すると、役抽選テーブルは、ボーナス状態への移行によって第1特定遊技状態になると、第1特定遊技状態役抽選テーブルが参照され、第1特定遊技状態における役抽選でシフト役に当選し、当該シフト当選フラグが成立すると、第2特定遊技状態への移行が行われ、これにより、第2特定遊技状態役抽選テーブルが参照されるようになっている。
そして、第2特定遊技状態に移行した後、シフト役に対応する図柄の組み合わせが停止表示される前に、設定変更操作がなされ、設定変更操作によって、ボーナス状態が解除されると、第3RT状態へ移行するようになっている。
遊技状態継続手段67は、第2特定遊技状態で設定変更操作がなされ、ボーナス状態の解除に並行して第3RT状態へ移行すると、参照すべき第3RT状態役抽選テーブルとして、
BB役の当選領域を備えているという点で、BB役の当選領域がない第2特定遊技応対役抽選テーブルと相違しているが、それ以外の点で相違が見られない役抽選テーブルを採用させることにより、設定変更操作前の特殊リプレイAの当選確率を設定変更操作後にまで維持するものとなっている。
【0087】
(演出制御装置70)
演出制御装置70は、役抽選の結果、及び、遊技の進行状況に応じて、表示装置41、演出用ランプ42及びスピーカ43, 22の動作を制御し、遊技を演出する演出動作を実行するものである。具体的には、演出制御装置70は、特定の画像を表示装置41に表示させたり、演出用ランプ42を点灯又は点滅させたり、スピーカから所定の音を出力させたりすることで、遊技を盛り上げる演出を実行するものである。
【0088】
ここで、スロットマシン1には、遊技の進行状況のそれぞれに応じて設定された複数種類の演出状態が設けられ、演出制御装置70によって、一の演出状態から他の演出状態への移行が行われるようになっている。
スロットマシン1には、演出状態としては、遊技を盛り上げる通常演出を行うのみで、役抽選で当選したことを遊技者に報知する報知演出を行うことがない通常演出状態と、役抽選で当選したことを遊技者に報知する報知演出を行うことで、通常演出状態よりも遊技者に有利となるAT状態とが設けられている。
【0089】
ここで、スロットマシン1は、AT状態の開始後、ストップスイッチ13の操作順序を報知する報知演出が行われ、報知した操作順序で三つのストップスイッチ13が遊技者に操作されると、役抽選で当選した小役に対応する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されるようになっている。
これにより、AT状態は、報知演出が行われない通常演出状態よりも多くの小役を入賞させることができる演出状態、すなわち、遊技者により多くの枚数のメダルを獲得させる演出状態である。換言すると、AT状態は、演出状態が通常演出状態となっている第1RT状態よりも遊技者にとって有利な有利遊技状態となっている。
【0090】
演出制御装置70は、演出状態が通常演出状態である場合に、所定の契機により、演出状態をAT状態に切り替えることを決定するものとなっている。
具体的に説明すると、演出制御装置70は、遊技状態が第1RT状態又は第3RT状態とされているとともに、演出状態が通常演出状態とされ、且つ、後述するペナルティ期間中となっていないときに、役抽選により特殊リプレイAに当選し、さらに、特殊リプレイAに対応する図柄の組み合わせが停止表示されると、演出状態をAT状態に切り替えるようになっている。
【0091】
前述の「ペナルティ期間」とは、演出状態をAT状態に切り替えることを禁止する期間、具体的には、後述するAT抽選の実行を禁止する期間をいう。
演出制御装置70は、演出状態が通常演出状態であり、且つ、遊技状態が通常遊技状態であるときに、ストップスイッチ13が操作される際に、図1中の中央又は右側のストップスイッチ13が最初に操作されると、その後、所定の遊技回数(例えば、8回)をペナルティ期間にするように形成されている。
【0092】
ここで、演出制御装置70は、AT状態を継続させるか否かを決定する継続抽選を行い、継続抽選の結果に応じてAT状態を終了させるものとなっている。
すなわち、演出制御装置70は、AT状態で行われた所定の遊技回数(例えば、30〜80回程度)を1セットとし、演出状態がAT状態に移行してから、1セット分の遊技が行われると、AT状態を終了させるようになっている。
また、演出制御装置70は、AT状態が開始されたタイミング、1セット中の適宜なタイミング、及び、AT状態における1セット分の遊技が終了したタイミングの少なくとも一のタイミングで、当該AT状態を継続するか否かの継続抽選を行うようになっている。
そして、演出制御装置70は、継続抽選で当選した場合、1セット分の遊技が終了した後、AT状態をもう1セットだけ継続する一方、継続抽選で当選しなかった場合、すなわち、ハズレの場合には、1セット分の遊技が終了した時点で、実行中のAT遊技を終了し、通常演出状態に移行するように形成されている。
【0093】
演出制御装置70による継続抽選における当選確率は、一つの値(例えば、95%)に設定してもよいし、複数の値(例えば、「50%」、「60%」及び「70%」の三つの値)から一つを抽選等で選択するようにしてもよい。なお、継続抽選における当選確率を複数の値から選択するようにした場合、演出制御装置70は、一旦、一の値の当選確率を選択すると、AT状態が終了するまで、同じ値の当選確率で継続抽選を行うようにするものを採用するのが好ましい。
【0094】
以上のような演出制御装置70には、図3の如く、AT状態における遊技回数をカウントする遊技回数カウント手段71と、複数種類の演出状態のうち、一の演出状態から他の演出状態への切り替えを行う演出状態切替制御手段72と、複数種類の演出動作に関する演出データを記憶する演出データ記憶手段73と、複数種類の演出それぞれを実行する演出実行手段74とが設けられている。
【0095】
また、遊技回数カウント手段71は、演出状態切替制御手段72により演出状態がAT状態に切り替えられ、且つ、遊技者によって遊技回数モードが選択されると、遊技回数カウンタのカウント値を、所定の遊技回数(例えば、「50」)にセットし、AT状態における1セット分の遊技を開始させるようになっている。
そして、遊技回数カウント手段71は、遊技回数モードのAT状態において、遊技が行われる毎に、所定の遊技回数(例えば、「50」)からカウントダウンを行うものとなっている。
ここで、遊技回数カウント手段71は、AT状態において行われた継続抽選で当選していると、その遊技回数カウンタのカウント値が「0」になった際に、遊技回数カウンタのカウント値が、再度、所定の遊技回数(例えば、「50」)に設定されるように形成されている。
換言すると、スロットマシン1は、継続抽選で当選すると、AT状態の1セット分が終了した時点で、AT状態の1セット分が追加され、継続抽選でハズレがでると、AT状態の1セット分が終了した時点で、AT状態から通常演出状態へ移行するように形成されている。
【0096】
一方、遊技回数カウント手段71は、演出状態切替制御手段72により演出状態がAT状態に切り替えられ、且つ、遊技者によって遊技回数モードが選択されると、遊技回数カウンタのカウント値を、所定の遊技回数(例えば、300〜1000回程度)にセットし、AT状態における遊技を開始させるようになっている。これにより、スロットマシン1は、AT状態の開始後、遊技回数が所定の遊技回数(例えば、「500」)に達するまで、AT状態が継続されるようになっている。
【0097】
ところで、演出制御装置70には、各演出状態を管理するための管理フラグとして、AT状態を管理するためのAT状態フラグが設けられている。
すなわち、演出制御装置70は、AT状態フラグが成立している場合に、AT状態の演出制御を行い、AT状態フラグが成立していない場合に、通常演出状態の演出制御を行うようになっている。
【0098】
演出状態切替制御手段72は、管理フラグであるAT状態フラグを成立させたり、解除させたりすることにより、演出状態の切り替え制御を行うものとなっている。
演出状態切替制御手段72は、演出状態が通常演出状態であり、且つ、遊技状態が第1RT状態又は第3RT状態であるときに、役抽選で特殊リプレイAに当選し、特殊リプレイAに対応する図柄の組み合わせが停止表示されと、AT状態フラグを成立させ、演出状態をAT状態に切り替えるようになっている。
これにより、スロットマシン1は、演出状態が通常演出状態からAT状態に移行するとともに、第1RT状態が第2RT状態に移行し、結果として、ART状態が開始されるようになっている。
【0099】
一方、演出状態切替制御手段72は、演出状態が継続率モードのAT状態に移行した場合、継続抽選でハズレが選ばれると、遊技回数カウント手段71のカウント値が「0」になった時点で、AT状態フラグを解除し、AT状態から通常演出状態に切り替えるようになっている。すなわち、演出状態切替制御手段72は、継続率モードのAT状態に移行した後、継続抽選でハズレが選ばれなければ、換言すると、継続抽選で当選し続ければ、AT状態フラグを解除しないようになっている。
さらに、演出状態切替制御手段72は、演出状態が遊技回数モードのAT状態に移行した場合、遊技回数カウント手段71のカウント値が「0」になると、AT状態フラグを解除し、AT状態から通常演出状態に切り替えるようになっている。
【0100】
演出データ記憶手段73は、演出動作に係る演出データを記憶するものである。
この演出データ記憶手段73には、演出データとして、演出動作の実行タイミングや連動パターンに関する演出動作制御データ、表示装置41に表示される画像に係る画像データ、スピーカ43, 22から発せられる音声に係るサウンドデータ、及び、演出用ランプ42の点灯パターンや点灯順に係る点灯データ等が記憶されている。
【0101】
ここで、演出動作制御データは、演出動作を実行するタイミング(例えば、ボーナス状態の開始時、ART状態へ移行した時、及び、継続抽選で当選した時等)、演出動作を連動させるべきスイッチ操作(例えば、スタートスイッチ15の操作や、ストップスイッチ13の操作等)、前述のタイミングやスイッチ操作に対応する演出動作の内容(例えば、演出用ランプ42の点灯パターンや、スピーカから出力する音声、並びに、表示装置41に表示する画像等)に関するデータとなっている。
【0102】
演出実行手段74は、演出データ記憶手段73により記憶されている演出データに基づいて演出動作を実行するものである。
また、演出実行手段74は、演出状態がAT状態となっているときに、役抽選で当選した役を遊技者に報知する報知演出を実行する機能を備えている。
すなわち、演出実行手段74は、遊技者に対して、役抽選で当選した役の報知を具体的に行うのではなく、3個のストップスイッチ13の操作順序を報知する報知演出を行うようになっている。
このような演出実行手段74は、小役グループ1〜27(図6参照)の複数種類の小役に重複当選した場合、正解の操作順序として、ベル役に対応した図柄の組み合わせが停止表示されるストップスイッチ13の操作順序を遊技者に報知するベル報知演出を行うようになっている。
【0103】
この際、遊技状態が非RT状態及び第1,3RT状態、及び、第1特定遊技状態のいずれかの状態となっている場合、役抽選で小役グループ1〜27のいずれかに当選し、その後、ストップスイッチ13が押下される際に、ストップスイッチ13の押下タイミングが不適切であると、図柄表示窓33には、ブランク図柄が停止表示されるようになっている。
このブランク図柄の停止表示は、非RT状態及び第3RT状態のいずれかの状態で停止表示されると、それまでの遊技状態から第1RT状態(通常遊技状態)へ移行させる契機となっている。
【0104】
一方、遊技状態が第2RT状態であり、且つ、演出状態がAT状態となっている場合、役抽選で小役グループ1〜27のいずれかに当選すると、演出実行手段74が報知演出を行い、正解の操作順序を遊技者に報知する報知演出(ベル報知演出)を行うようになっている。この報知演出は、ブランク図柄の停止表示を回避し、ひいては、第1RT状態(通常状態)への移行を回避する回避報知演出となっている。
【0105】
また、演出実行手段74は、演出状態がAT状態である場合、役抽選により再遊技役に当選したときに、ストップスイッチ13の正解操作順序を遊技者に報知するリプレイ報知演出を実行するようになっている。
そして、このリプレイ報知演出に示されるストップスイッチ13の正解操作順序に従ってストップスイッチ13を操作すると、再遊技役に対応する図柄の組み合わせが停止表示されるようになっている。
【0106】
なお、ベル報知演出及びリプレイ報知演出としては、各ストップスイッチ13の操作順序を示す数字(例えば、「2,1,3」や「1,2,3」等)を表示装置41の画面に表示する報知演出、及び、ストップスイッチ13の操作順序を示す音声(例えば、「中、左、右」や「左、中、右」等)をスピーカから出力させる報知演出等が採用可能となっている。
【0107】
以上のようなスロットマシン1は、ボーナス状態に移行し、ボーナス状態への移行によって第1特定遊技状態が開始された後、第1特定遊技状態における役抽選でシフト役が当選し、シフト当選フラグが成立している状態、換言すると、シフト役に対応する図柄の組み合わせが停止表示される前に、設定変更操作がなされると、第3RT状態へ移行するようになっている。以下に、これら複数種類の遊技状態の遷移について説明する。
【0108】
すなわち、スロットマシン1は、図7に示すように、非RT状態、第2RT状態及び第3RT状態においてブランク図柄が停止表示されると、遊技状態が第1RT状態に戻るようになっている。換言すると、第1RT状態は、ブランク図柄の停止表示を契機に、非RT状態、第2RT状態及び第3RT状態から戻るべき通常遊技状態に設定されている。
【0109】
また、非RT状態及び第1,2RT状態において、BB役に当選し、且つ、その後、BB役に対応する図柄の組み合わせが停止表示された場合(図8では、「ボーナス表示」と表記されている。)、遊技状態は、ボーナス状態へ移行するようになっている。
一方、非RT状態及び第1,2RT状態において、BB役に当選した後、BB役に対応する図柄の組み合わせが停止表示される前(図8では、「ボーナス未表示」と表記されている。)の遊技状態は、BBフラグが成立した遊技状態である内部中状態へ移行するようになっている。
【0110】
内部中状態となっているときに、BB役に対応する図柄の組み合わせが停止表示されると、図8の如く、遊技状態は、ボーナス状態へ移行するようになっている。
そして、ボーナス状態に移行してから所定枚数(例えば、「297枚」)のメダルを払い出し終えると、非RT状態へ移行するようになっている。
この非RT状態となっているときに、ブランク図柄が停止表示されると、前述したように、第1RT状態に移行するようになっている。
【0111】
また、ボーナス状態であり、且つ、第2特定遊技状態となっているときに、設定変更操作がなされると、ボーナス状態が解除されるが、第3RT状態へ移行するが、遊技状態継続手段67によって、役抽選における特殊リプレイAの当選確率は継続される。
【0112】
第3RT状態において、特殊役である特殊リプレイAに当選し、且つ、その後、特殊リプレイAに対応する図柄の組み合わせが停止表示された場合、遊技状態は、第2RT状態へ移行するようになっている。
ここで、第3RT状態において、特殊リプレイAに当選する確率は、1/10程度に設定されている。
そして、スロットマシン1は、第2RT状態に移行すると同時に、演出状態がAT状態に移行し、これにより、遊技者に有利なART状態となるように形成されている。
なお、ボーナス状態である第1特定遊技状態、第1特定遊技状態及びRB中状態の各遊技状態においては、第2RT状態への移行役である特殊リプレイAに当選し、且つ、その後、特殊リプレイAに対応する図柄の組み合わせが停止表示されても、遊技状態は、ボーナス状態からの図柄表示契機の移行は禁止され、第2RT状態へ移行できないようになっている。
【0113】
一方、第1RT状態となっているときに、特殊リプレイBに当選し、且つ、その後、特殊リプレイBに対応する図柄の組み合わせが停止表示された場合、遊技状態は、第3RT状態へ移行するようになっている。
ここで、第1RT状態において、特殊リプレイBに当選する確率は、ベル役等の小役と比べると、著しく小さな値、例えば、1/65536程度に設定されている。
また、第1RT状態となっているときに、特殊リプレイAに当選し、且つ、その後、特殊リプレイAに対応する図柄の組み合わせが停止表示された場合、遊技状態は、第2RT状態へ移行するようになっている。
ここで、第1RT状態において、特殊リプレイAに当選する確率は、ベル役等の小役と比べると、著しく小さな値、例えば、1/65536程度に設定されている。
【0114】
ART状態に移行してから、継続抽選で当選することなく、所定の遊技回数(例えば、50回)の遊技が終了すると、AT状態が終了し、回避報知演出が行われなくなり、これにより、ブランク図柄が回避できなくなり、ブランク図柄の停止表示によって、第2RT状態が終了し、第1RT状態に移行するようになっている。
【0115】
(スロットマシン1の動作)
以下、図8図10を参照しながら、本実施の形態に係るスロットマシン1の動作の概略を説明する。まず、スロットマシン1の遊技制御装置60における処理であるメイン制御処理について説明する。
【0116】
スロットマシン1に電源が投入されると、遊技制御装置60は、設定変更操作が行われるか否かにかかわらず、まず、図8に示すように、ステップS1000において、設定変更処理を行う。この設定変更処理については、後で詳しく説明する。ステップS1000の設定変更処理が完了したら、次のステップS2000へ進む。
【0117】
ステップS2000では、ベットスイッチ14の操作等によって、メダルがベットされたか否かが判定される。このステップS2000でメダルがベットされたと判定された場合、次のステップS2100へ進む。一方、ステップS2000でメダルがベットされたと判定されなかった場合、メダルがベットされるまでステップS2000を繰り返し行う待機処理が行われる。
ステップS2100では、スタートスイッチ15が操作されたか否かが判定される。このステップS2100でスタートスイッチ15が操作されたと判定された場合、次のステップS2200へ進む。一方、ステップS2100でスタートスイッチ15が操作されたと判定されなかった場合には、スタートスイッチ15が操作されるまでステップS2100を繰り返し行う待機処理が行われる。
【0118】
ステップS2200では、抽選手段61により、役抽選が行われる。なお、役抽選の結果を示す抽選結果データは、演出制御装置70に送信されるようになっている。役抽選が完了したら、次のステップS2300へ進む。
ステップS2300では、3個すべての回転リール10に回転動作を一斉に開始させる処理が行われる。このステップS2300で、3個すべての回転リール10が回転を開始したら、次のステップS2400へ進む。
【0119】
ステップS2400では、ストップスイッチ13が操作されたか否かが判定される。このステップS2400で、ストップスイッチ13が操作されたと判定された場合、次のステップS2500へ進む。一方、ステップS2400で、ストップスイッチ13が操作されたと判定されなかった場合、ストップスイッチ13が操作されるまで、ステップS2400を繰り返し行う待機処理が行われる。
【0120】
ステップS2500では、操作されたストップスイッチ13に対応する回転リール10の停止処理が行われ、当該回転リール10が停止したら、次のステップS2600へ進む。
ステップS2600では、すべての回転リール10の回転が停止したか否かが判定される。このステップS2600で、すべての回転リール10の回転が停止したと判定された場合、次のステップS2700へ進む一方、すべての回転リール10の回転が停止したと判定されなかった場合、ステップS2400へ戻る。
ステップS2700では、有効入賞ライン上に停止表示された図柄の組み合わせを判定する停止表示図柄判定処理が行われ、判定の結果を示すデータが演出制御装置70に送信されるようになっている。このステップS2700で停止表示図柄判定処理が完了したら、次のステップS2800へ進む。
【0121】
ステップS2800では、停止表示された図柄の組み合わせに応じた処理が行われる。
例えば、ベル役やスイカ役等の小役に対応した図柄の組み合わせが停止表示された場合、ステップS2800では、当該役に応じた枚数のメダルの払い出しが行われる。
また、再遊技役に対応する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示された場合、ステップS2800では、再遊技を実行するための処理、具体的には前回の遊技でベットした枚数と同数のメダルを自動的にベットする処理が行われる。
【0122】
ここで、移行役に対応する図柄の組み合わせが停止表示された場合、当該移行役に対応する遊技状態へ移行する処理が行われる。
例えば、ボーナス役に対応する図柄の組み合わせが停止表示された場合、ステップS2800では、ボーナス役に応じた遊技状態であるボーナス状態へ移行する処理が行われる。
この際、BB役に当選して、BBフラグが成立すると、状態移行制御手段66によって、再遊技役の当選確率が通常遊技状態とは異なる内部中状態への移行が行われ、さらに、BB役に対応する図柄の組み合わせが停止表示されると、状態移行制御手段66によって、内部中状態を終了させる処理が行われる。
また、第1RT状態となっているときに、特殊リプレイAに対応する図柄の組み合わせが停止表示された場合、ステップS2800では、遊技状態が第2RT状態へ移行する処理が行われる。
一方、第2RT状態へ移行した後、ブランク図柄が有効入賞ライン上に停止表示された場合、ステップS2800では、遊技状態が第1RT状態へ戻る処理が行われる。
以上により、ステップS2800の処理が終了すると、メイン制御処理は完了する。
【0123】
次いで、前述のようなメイン制御処理のステップS1000で行われる設定変更処理について説明する。
設定変更処理が開始されると、図9に示すように、まず、ステップS1100において、設定キースイッチ53がONになっているか否かが判定される。
このステップS1100で、設定キースイッチ53がONになっていると判定された場合、スロットマシン1の動作モードを遊技モードから設定変更モードへ移行させた後、次のステップS1200へ進む。
一方、このステップS1100で、設定キースイッチ53がONになっていると判定されなかった場合、当該設定変更処理を終了させ、メイン制御処理へ戻る。
【0124】
ステップS1200では、その時点における設定値を数値表示部31に表示させる処理と、その時点における遊技状態を記憶する処理とが行われる。そして、その時点における設定値が数値表示部31に表示されたら、次のステップS1300へ進む。
ステップS1300では、設定変更スイッチ54が操作されたか否かが判定される。ステップS1300で、設定変更スイッチ54が操作されたと判定された場合、次のステップS1400へ進む一方、ステップS1300で、設定変更スイッチ54が操作されたと判定されなかった場合、ステップS1500へジャンプする。
【0125】
ステップS1400では、設定後の設定値を数値表示部31に表示させる処理と、成立している当選フラグ、例えば、ボーナスフラグ等のリセット処理とが行われる。そして、設定後の設定値が数値表示部31に表示されたら、次のステップS1500へ進む。
ステップS1500では、設定変更確定スイッチであるスタートスイッチ15が操作されたか否かが判定される。このステップS1500で、設定変更確定スイッチが操作されたと判定されなかった場合、ステップS1300へ戻る一方、設定変更確定スイッチが操作されたと判定された場合、次のステップS1600へ進む。
【0126】
ステップS1600では、確定した設定値を数値表示部31に表示させる確定設定値表示処理と、遊技制御装置60に設けられている内部レジスタ等の記憶手段に確定した設定値を登録する確定設定値登録処理と、遊技制御装置60の内部レジスタ等に、ステップS1200で記憶しておいた遊技状態を登録することで、設定変更前の遊技状態を継続させる遊技状態継続処理とが行われる。これらの処理が完了したら、次のステップS1700へ進む。
ここで、確定設定値登録処理及び遊技状態継続処理が行われると、役抽選テーブル変更手段61C によって、登録された設定値及び遊技状態に対応する抽選テーブルへの変更が行われる。
【0127】
ステップS1700では、設定キースイッチ53がOFFとなったか否かが判定される。このステップS1700で、設定キースイッチ53がOFFとなったと判定された場合、次のステップS1800へ進む。一方、ステップS1700で、設定キースイッチ53がOFFとなったと判定されなかった場合、設定キースイッチ53がOFFにされるまで、ステップS1700を繰り返し行う待機処理が行われる。
ステップS1800では、設定変更モードから遊技モードへ移行させる遊技モード移行処理が行われ、遊技モードへの移行が完了すると、一連の設定変更制御も完了し、メイン制御処理へ戻る。
【0128】
続いて、演出制御装置70によるサブ制御処理について説明する。
スロットマシン1の電源が投入されて、遊技制御装置60が起動すると、演出制御装置70も起動し、遊技制御装置60の遊技制御に同期して、演出制御装置70の演出制御が進行するようになっている。
演出制御装置70がサブ制御処理を開始すると、図10に示すように、まず、ステップS3500において、演出状態がAT状態であるか否かが判定される。このステップS3500で、演出状態がAT状態であると判定されると、ステップS3600へ進む一方、演出状態がAT状態であると判定されなかった場合、ステップS3510へ進む。
【0129】
ステップS3510では、遊技の進行状況に応じた通常の演出、換言すると、遊技者に役抽選の結果を報知する報知演出を行うことがない通常の演出を行う通常演出状態に応じた演出処理がなされる。この通常演出状態に応じた演出処理が完了すると、当該サブ制御処理も完了する。
【0130】
ステップS3600では、遊技回数nが「0」であるか否かが判定される。
このステップS3600で、遊技回数nが「0」であると判定された場合、次のステップS3610へ進み、このステップS3610で、AT状態における1セット当たりの遊技回数nを設定するセット回数設定処理が行われる。ここでは、理解を容易にするために、遊技回数nを50回に設定することとしたが、AT状態における1セット当たりの遊技回数nは、50回に限定されず、30回や80回等、他の数値を採用することもできる。このようなセット回数設定処理が完了したら、次のステップS3620へ進む。
一方、ステップS3600で、遊技回数nが「0」であると判定されなかった場合、ステップS3610をスキップして、セット回数設定処理を行わずに、ステップS3620へ進む。
【0131】
ステップS3620では、当該ステップS3620への到達時が継続抽選の実行時機であるか否かが判定される。
このステップS3620で、継続抽選の実行時機であると判定された場合、ステップS3630へ進み、ステップS3630で、AT状態を継続させるか否かを決定するための継続抽選を行う継続抽選処理が行われる。この継続抽選処理が完了したら、次のステップS4000へ進む。
一方、ステップS3620で、継続抽選の実行時機であると判定されなかった場合、ステップS3630をスキップして、継続抽選処理を行わずに、ステップS4000へ進む。
【0132】
ステップS4000では、役抽選を行った際に、報知演出で遊技者に当選した旨を報知すべき役に当選したか否かが判定される。このステップS4000で、報知すべき役に当選したと判定されると、ステップS4100へ進む。一方、報知すべき役に当選したと判定されなかった場合、ステップS4100をスキップして、ステップS6000へ進む。
【0133】
ステップS4100では、役抽選で当選した役を遊技者に報知する報知演出処理を行う。この報知演出処理が完了したら次のステップS6000へ進む。
ステップS6000では、遊技回数nから「1」を減算するデクリメント処理が行われ、このデクリメント処理が完了したら、次のステップS6100へ進む。
【0134】
ステップS6100では、遊技回数nが「0」であるか否かが判定される。このステップS6100で、遊技回数nが「0」であると判定された場合、ステップS6200へ進む一方、遊技回数nが「0」であると判定されなかった場合、AT状態に応じた演出処理は完了となり、且つ、サブ制御処理も完了する。
ステップS6200では、継続抽選で当選したか否か、換言すると、継続抽選の結果が継続であるか否かが判定される。このステップS6200で、継続抽選の結果が継続であると判定された場合、ステップS6300へ進む一方、継続抽選の結果が継続であると判定されなかった場合、ステップS6400へ進む。
【0135】
ステップS6300では、再度、AT状態における1セット当たりの遊技回数nを設定するセット回数再設定処理が行われる。ここでは、前述したように、理解を容易にするために、遊技回数nを50回に再設定することとしたが、AT状態における1セット当たりの再設定遊技回数nは、50回に限定されず、30回や80回等、他の数値を採用することもできる。このようなセット回数再設定処理が完了したら、AT状態に応じた演出処理は完了となり、且つ、サブ制御処理も完了することとなる。
【0136】
ステップS6400では、AT状態を終了するために、AT状態を初期化する終了時初期化処理が行われる。この終了時初期化処理が完了したら、AT状態に応じた演出処理は完了となり、且つ、サブ制御処理も完了する。
【0137】
(本実施形態の効果)
前述のような本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、第2特定遊技状態が開始されてから終了するまでの間に設定変更操作が行われ、当該ボーナス状態が解除されると、当該ボーナス状態の解除と並行して、遊技状態維持手段67により、設定変更操作前の特殊リプレイAの当選確率が設定変更操作後にまで維持されるので、設定変更操作後の遊技状態では、第2特定遊技状態における特殊リプレイAの当選確率がそのまま引き継がれ、特殊リプレイAの当選確率が、第2特定遊技状態以外の遊技状態のいずれよりも高い状態となる。従って、設定変更操作を行うことによって、他の通常遊技状態では当選しにくい特殊役が当選しやすくなるという従来にない遊技状態を生み出すことができ、これにより、新たな遊技状態が創り出され、遊技性の幅を広げることができる。
【0138】
また、第2特定遊技状態では、特殊リプレイAに当選し、その後、特殊リプレイAに対応する図柄の組み合わせが停止表示されても、第2RT状態に移行できないが、第2特定遊技状態において設定変更操作が行われると、遊技状態が第3RT状態に移行するとともに、ボーナス状態が解除され、遊技状態維持手段67によって特殊リプレイAの当選確率がそのまま第3RT状態に引き継がれるので、設定変更操作後の遊技で、特殊リプレイAに当選する確率が高くなり、さらに、当該特殊リプレイAに対応する図柄の組み合わせが停止表示されることで、第2RT状態に移行することができる。このため、ボーナス状態が解除されても、演出状態がAT状態で、且つ、再遊技役の当選確率が高く、これにより、遊技者に有利な第2RT状態に移行できるようになり、しかも、新たに創り出された第3RT状態を経由することで、第2RT状態への移行が容易となり、この点で、遊技における興趣性の幅を更に一層広げることができる。
【0139】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形及び改良などをも含むものである。
例えば、前記実施形態では、特定役である特殊リプレイAに対応する図柄の組み合わせが停止表示されることで、特殊再遊技当選確率状態である第2RT状態へ移行させるようにしたが、これに限らず、役抽選で当選した後、役に対応する図柄の組み合わせとは異なる図柄の組み合わせ、すなわち、ブランク図柄が停止表示されることで、特殊再遊技当選確率状態へ移行させるようにしてもよい。
また、前記実施形態では、ボーナス状態以外の遊技状態、例えば、第1RT状態でも、特定役としての特殊リプレイAに役抽選で当選可能としたが、これに限らず、ボーナス状態以外の遊技状態では、特定役としての特殊リプレイAに当選不可能としてもよい。
すなわち、ボーナス状態、及び、ボーナス状態における設定変更操作によって移行する第3RT状態でのみ特殊リプレイAに当選可能とし、ボーナス状態及び第3RT状態以外の遊技状態では、特殊リプレイAの当選確率を「0」にしてもよい。このようにしても、設定変更操作後の遊技状態は、第2特定遊技状態における特殊役の当選確率がそのまま引き継がれ、特殊役の当選確率が、第2特定遊技状態以外の遊技状態のいずれよりも高い状態となる。
【0140】
さらに、前記実施形態では、RB中状態における役抽選で参照されるRB中役抽選テーブルには、小役の当選領域、再遊技役の当選領域及びハズレの領域を有していたが、これに限らず、RB中役抽選テーブルとしては、小役の当選領域のみからなる役抽選テーブルを採用してもよい。
また、前記実施形態では、シフト当選フラグが成立している第2特定遊技状態における特殊リプレイのAの当選確率を、他の遊技状態よりも高確率としたが、これに限らず、特殊リプレイのAの当選確率が高確率となった遊技状態としては、シフト役に対応する図柄の組み合わせが停止表示されたために、シフト当選フラグが解除されているRB中状態を採用してもよい。
さらに、前記実施形態では、RB中状態における役抽選で参照されるRB中役抽選テーブルには、小役の当選領域、再遊技役の当選領域及びハズレの領域を有していたが、これに限らず、RB中役抽選テーブルとしては、小役の当選領域のみからなる役抽選テーブルを採用してもよい。
【0141】
また、前記実施形態では、シフト当選フラグが成立しても、ストップスイッチ13の操作タイミングによっては、シフト役に対応する図柄の組み合わせが停止表示されないRB役を採用したが、これに限らず、シフト当選フラグが成立すると、ストップスイッチ13の操作タイミングによらず、シフト役に対応する図柄の組み合わせが必ず停止表示されるRB役を採用してもよい。
さらに、前記実施形態では、BBフラグが成立しても、ストップスイッチ13の操作タイミングによっては、BB役に対応する図柄の組み合わせが停止表示されないRB役を採用したが、これに限らず、BBフラグが成立すると、ストップスイッチ13の操作タイミングによらず、BB役に対応する図柄の組み合わせが必ず停止表示されるBB役を採用してもよい。
【0142】
また、前記実施形態では、特定遊技状態として、当該特定遊技状態に移行した後、一般中遊技状態(第1特定遊技状態)に滞在中に、シフト役に当選して、シフト役に対応する図柄の組み合わせが停止表示されることを契機に、RB中状態に移行するボーナス状態を採用したが、これに限らず、特定遊技状態中は、常にRB中状態になっているボーナス状態を採用してもよい。
さらに、前記実施形態では、特定役として、特殊リプレイAを採用したが、これに限らず、例えば、ベルやスイカ等、3つの図柄の組み合わせからなる小役、あるいは、チェリー等の1枚の図柄からなる小役でもよい。
【0143】
また、前記実施形態では、特定遊技状態として、第1特定遊技状態及びこの第1特定遊技状態よりも遊技者に有利なRB中状態の2種類の遊技状態が行われるボーナス状態を採用したが、これに限らず、特定遊技状態としては、常にRB中状態、すなわち、小役の当選確率が高い状態の遊技が連続して複数回行われるボーナス状態でもよく、要するに、ボーナス状態において、何らかの役に当選すると、当選フラグが成立し、当該役に対応する図柄の組み合わせが停止表示される前に、第2特定遊技状態が形成可能なボーナス状態であればよい。
なお、本発明に係る役は、以上の役に限定されず、他の役の追加や、他の役との代替を適宜行うことができる。
【符号の説明】
【0144】
1 遊技機としてのスロットマシン
10A 図柄
10 回転リール
13 ストップスイッチ
61 抽選手段
62 停止制御手段を兼ねる回転リール制御手段
67 遊技状態継続手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10