(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
1次バスに接続された上位装置から送信される要求にかかる信号を2次バスに接続された下位装置に送信すると共に、当該要求に応じたデータ中継処理を行うデータ中継装置であって、
前記要求に対する確認応答を前記上位装置に返信する確認応答返信部と、
前記上位装置から受信した前記要求としての読込み要求に応じた読込み要求情報を取得すると共に、これに基づく信号を前記下位装置に送信する読込み要求送受信処理部と、を有し、
前記読込み要求送受信部は、前記読込み要求を受信した際に、これに対する確認応答を前記確認応答返信部が返信するのとは無関係に、前記取得及び送信を実行し、
前記要求は、前記上位装置から連続的に送信される信号であり、
前記読込み要求送受信処理部は、前記読込み要求に対する確認応答を前記確認応答返信部が返信し且つ後続する読込み要求を前記上位装置から受信している場合に、前記後続する読込み要求に応じた後続読込み要求情報を取得する後続情報取得手段を有し、
前記読込み要求情報に基づく信号に応じて前記下位装置から送信される読込みデータを前記上位装置に転送する読込みデータ転送部をさらに有し、
前記読込み要求送受信処理部は、前記読込みデータ転送部が前記読込みデータの受信を終えた際に、前記後続読込み要求情報に基づく信号を前記下位装置に送信し、
前記読込みデータ転送部は、後続する前記読込み要求にかかる前記読込みデータを記憶し、先行する前記読込み要求にかかる前記読込みデータの処理が終了した際に、当該記憶した前記読込みデータを前記上位装置に対して送信するデータ順序制御手段を有することを特徴としたデータ中継装置。
1次バスに接続された上位装置と、2次バスに接続された下位装置と、前記上位装置から送信される要求にかかる信号を前記下位装置に送信すると共に当該要求に応じたデータ中継処理を行うデータ中継装置と、を有するデータ中継システムであって、
前記データ中継装置として、前記請求項1乃至4の何れか1つに記載のデータ中継装置を設けたことを特徴とするデータ中継システム。
【発明を実施するための形態】
【0026】
〔第1実施形態〕
本発明にかかるデータ中継装置及びデータ中継システムの第1実施形態を、
図1乃至
図4に基づいて説明する。
【0027】
図1に示すように、データ中継システム61は、PCI(Peripheral Components Interconnect)等のバス規格に準拠した1次バス41及び2次バス42と、これら1次バス41と2次バス42とに接続されたデータ中継装置(ユーザ回路)11と、1次バス41に接続され且つ書込み要求(ライトコマンド)又は読込み要求(リードコマンド)を発行するバスマスタ機能を有する上位装置(マスタ)20と、2次バスに接続され且つデータの読み込み又は書き込みを行う機能を有するデバイスである下位装置(ターゲット)31と、を備えている。
【0028】
マスタ20は、パイプライン処理による要求(リクエスト)を発行する機能を有しているため、連続で要求を発行する(リクエストする)場合には、1次バス41上でデータ(ライトデータ又はリードデータ)を処理しているときに、次に処理するリクエスト情報が見えるものとする。
また、上記要求(書込み要求及び読込み要求)は、上位装置20からデータ中継装置11に対して連続的に送信される信号である。
ここで、1次バス41と2次バス42とは、同一のバス規格に準拠するように構成してもよいし、相互に異なるバス規格に準拠するように構成してもよい。
【0029】
データ中継装置11は、1次バス41に接続された上位装置20から連続的に送信される要求にかかる信号を2次バス42に接続された下位装置31に送信すると共に、当該要求に応じたデータ中継処理を行うように構成されている。
【0030】
より具体的にデータ中継装置11は、上位装置20からの要求に対する確認応答を返信する確認応答返信部50と、上位装置20から読込み要求を受信した際に、これに対する確認応答を確認応答返信部50が返信するのとは無関係に(返信するのを待たずに)、当該読込み要求に応じた読込み要求情報(リードリクエスト情報)を取得すると共にこれに基づく信号を下位装置31に送信する読込み要求送受信処理部51と、上記読込み要求情報に基づく信号に応じて下位装置31から送信される読込みデータを上位装置20に転送する読込みデータ転送部55と、を有している。
【0031】
読込み要求送受信処理部51は、上記読込み要求に対する確認応答を確認応答返信部50が返信し且つ後続する読込み要求を上位装置20から受信している場合に、読込みデータ転送部55が行う上記読込みデータにかかる処理の進行状況如何にかかわらず(読込みデータ転送部55による処理とは無関係に)、上記後続する読込み要求に応じた後続読込み要求情報を取得する後続情報取得手段51Aと、この後続情報取得手段51Aが取得した後続読込み要求情報を内部メモリ等(図示せず)に記憶処理する要求情報記憶処理手段51Bと、を有している。
【0032】
加えて、読込み要求送受信処理部51は、読込みデータ転送部55が上記読込みデータの受信を終えた際に、要求情報記憶処理手段51Bにて記憶させた後続読込み要求情報に基づく信号を下位装置31に送信するように構成されている。
また、上記読込みデータの受信が完了した際に読込みデータ転送部55は、上位装置20に対して当該読込みデータを送信するように構成されている。
【0033】
次に、
図2を参照して、上位装置20とデータ中継装置11とを接続する1次バス41及びデータ中継装置11と下位装置31とを接続する2次バス42にて送受信される信号等にかかる構成を説明する。
【0034】
まず、上位装置20とデータ中継装置11との間に介在する1次バス41では、上位装置20がデータ中継装置11に対して連続的に送信する信号である要求(リクエスト)71と、データ中継装置11が上位装置20に対して要求を有効に受信したことを伝える(アサートする)信号である確認応答73と、下位装置31から2次バスを介して取得した読込みデータ81を上位装置20に対して送信する際にデータ中継装置11がアサートするリードイネーブル(読み込みを可能にするための信号)74と、1次バスを介して送信される書込みデータ91を受信できる状態にある時に上位装置20に対して送信(アサート)するライトイネーブル(書き込みを可能にするための信号)75と、が送受信されるという構成を採っている。
【0035】
要求71には、リクエスト信号,アドレス,書込み・読込み選択信号,及びバースト数やデータ幅などのデータサイズ情報が含まれている。
また、本第1実施形態においてデータ中継装置11は、要求71としての書込み要求又は読込み要求に対する確認応答73の返信を、要求71に応じた要求情報(リクエスト情報)を受け付けた後に行うという構成を採っている。すなわち、データ中継装置11は、確認応答73を返信するのとは無関係に(確認応答73の返信を待たずに)、書込み要求情報又は読込み要求情報を取得すると共にこれを必要に応じて内部メモリ等(図示せず)に記憶処理するように構成されている。
【0036】
さらに、1次バス41の仕様として、確認応答とライトイネーブル又はリードイネーブルとの間には、上述した第1の制約(先行リクエストがある場合に、後続する読込み要求に対する確認応答を返信できるタイミングが、該先行リクエストの最終データのライトイネーブル又はリードイネーブル以降でなければならないこと)及び第2の制約(リクエストに対するライトイネーブル又はリードイネーブルのアサートが、そのリクエストに対する確認応答の返信以降でなければならないこと)が存する。
【0037】
次に、データ中継装置11と下位装置31との間に介在する2次バス42では、上位装置20から受信した要求(読込み要求又は書込み要求)71に応じた要求情報に基づく信号である読込み要求72又は書込み要求76と、下位装置31から読込み要求72に応じて送信される読込みデータ81と、書込み要求76の後にデータ中継装置11が下位装置31に送信する書込みデータ91と、が送受信されるように構成されている。
【0038】
次に、
図3を参照して、2次バス42側の下位装置31のアウトスタンディング数が1(一度に処理できるリクエスト数が1つ)の場合におけるデータ中継装置11の連続した読込み処理(リード処理)を説明する。この
図3には、横軸に時刻(t)をとると共に、1次バス41及び2次バス42において送受信される信号及びデータの推移を示す。
【0039】
1次バス41側から読込み要求71(1)が有効に送信される(アサートされる)と、読込み要求送受信処理部51は、確認応答返信部50による確認応答73(1)の返信(アサート)を待たずに読込み要求情報を取得するように構成されている。
また、確認応答73(1)の返信の状況如何にかかわらず、読込み要求送受信処理部51は、2次バス42側に読込み要求72(1)を発行するという構成を採っている。
【0040】
確認応答返信部50が確認応答73(1)を返信した後、1次バス41側から後続読込み要求71(2)が発行されていれば、読込み要求送受信処理部51は、後続情報取得手段51Aにて当該後続読込み要求71(2)にかかる後続要求情報を取得すると共に、これを要求情報記憶処理手段51Bにて内部メモリ等(図示せず)に記憶処理するという構成を採っている。
【0041】
この読込み要求送受信処理部51が後続要求情報を取得した時点において、読込みデータ転送部55は、読込みデータ81(1)を上位装置20に返送できていない。このため、確認応答返信部50は、上記第2の制約により、この時点では確認応答73(2)を返信しないという構成となる。
【0042】
また、2次バス42側で読込みデータ81(1)を下位装置31から受信すると、データ中継装置11は、読込み要求送受信処理部51にて2次バス42側に後続読込み要求72(2)を発行すると共に、読込みデータ転送部55にて1次バス41側の上位装置20に対して読込みデータ81(1)を返送するように構成されている。
【0043】
すなわち、2次バス42側で読込みデータ81(1)を受信した読込みデータ転送部55は、1次バス41側にリードイネーブルを送信(アサート)すると共に、上位装置20に対して読込みデータ81(1)を返送するように構成されている。
【0044】
読込みデータ転送部55による読込みデータ81(1)の返送が完了すると、確認応答返信部50は、上位装置20に対して確認応答73(2)を返信するように構成されている(第2の制約)。
【0045】
後続読込み要求71(2)にかかるデータ中継処理は、上述した読込み要求71(1)にかかる処理内容と同様である。すなわち、2次バス42側で後続読込み要求72(2)に応じた読込みデータ81(2)を受信した読込みデータ転送部55が、これを1次バス41側に転送するという構成を採っている。
【0046】
また、この
図3では、上記
図16に示した関連技術において送受信される信号等の一部を破線で記載することにより、本第1実施形態にかかるデータ中継システム61と関連技術にかかるデータ中継システム600とが、同様の処理を同時に開始した場合における情報送受信処理の顕著な相違を示す。
【0047】
すなわち、
図3における「処理完了時間の差分」により、後続読込み要求71(2)にかかる読込みデータ81(2)を返送するまでの時刻(処理完了時刻)が、関連技術において読込みデータ810(2)を返送するまでの時刻(処理完了時刻)に比べ、極めて早くなっていることを明示する。
【0048】
加えて、本第1実施形態におけるデータ中継装置11は、さらに連続的に後続する読込み要求(図示せず)にかかるデータ中継処理についても、上記後続読込み要求71(2)と同様の処理を実行するように構成されている。したがって、上位装置20から連続的に送信される要求に応じた有意なデータ中継処理を実現するデータ中継装置11によれば、当該要求に基づくデータ処理の迅速化を図ることができる。
【0049】
(動作説明)
次に、
図1に示すデータ中継装置11及びデータ中継システム61の動作を、
図4に示すシーケンス図に基づいて説明する。
【0050】
前記上位装置20から読込み要求を受信した読込み要求送受信処理部51は、当該読込み要求に応じた読込み要求情報を取得すると共に(
図4:S101)、この読込み要求情報に基づく信号を前記下位装置31に送信する(
図4:S102)。
次いで、上記要求に対する確認応答を、確認応答返信部50が上位装置20に返信する(
図4:S103)。
【0051】
次に、後続する読込み要求を上位装置20から受信した読込み要求送受信処理部51が、これに応じた後続読込み要求情報を後続情報取得手段51Aにて取得すると共に、これを適宜要求情報記憶処理手段51Bにて内部メモリ等(図示せず)に記憶処理する(
図4:S104)。
【0052】
続いて、読込み要求情報に基づく信号に応じて下位装置31から送信される読込みデータを読込みデータ転送部55が受信する(
図4:S105)。
この受信が完了すると、上記後続読込み要求情報に基づく信号を読込み要求送受信処理部51が下位装置31に送信し(
図4:S106)、併せて上位装置20に対して読込みデータ転送部55が、リードイネーブルを送信すると共に(
図4:S107)、上記により受信した読込みデータを送信する(
図4:S108)。
次いで、後続読込み要求に対する確認応答(後続確認応答)を確認応答返信部50が上位装置20に対して返信する(
図4:S109)。
【0053】
次に、後続読込み要求情報に基づく信号に応じて下位装置31から送信される後続読込みデータを受信した読込みデータ転送部55が(
図4:S110)、上位装置20に対して、リードイネーブルを送信すると共に(
図4:S111)当該後続読込みデータを返送する(
図4:S112)。
【0054】
上記各ステップS101〜S112(
図4)における各工程の実行内容をプログラム化すると共に、この一連の各制御プログラムをコンピュータによって実現するように構成してもよい。また、上記動作内容は、便宜上、
図4にて付した番号の順(S101〜S112)に説明したが、本第1実施形態にかかる動作順序は、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0055】
(第1実施形態の効果等)
パイプライン処理が行われる1次バス41側から2次バス42側に対して読込み要求が送信された場合に、当該読込み要求にかかる情報をデータ中継装置11が有効に中継処理することから、読込み処理に要する処理時間を短縮することができる。
【0056】
すなわち、1次バス41からの読込み要求が連続する場合において、データ中継装置11は、確認応答の返信に依拠せずに、リクエスト情報を取得し且つ2次バス42に対してリードリクエストを実施することができるため、これにより、連続する各要求にかかるデータ処理の迅速化を図ることが可能となる。
【0057】
また、上述した通り、データ中継装置11によれば、確認応答の返信タイミングに制約がある1次バスから読み込み要求が連続するような場合においても、読込み処理が完了するまでの処理速度を速めることができ、同一のバスにて実行されるリードリクエストに対するスループットの改善を図ることが可能となる。
さらに、過去に扱われていたプロトコルが、本第1実施形態に適合するようなケースであれば、既存のシステム等の性能の改善を図ることができる。
【0058】
〔第2実施形態〕
本発明にかかるデータ中継装置及びデータ中継システムの第2実施形態を、
図5乃至
図7に基づいて説明する。ここで、前述した第1実施形態と同一の構成部材については同一の符号を用いるものとする。
【0059】
(全体的構成)
本第2実施形態では、データ中継システム62が有する2次バス42側の下位装置(ターゲット)として、アウトスタンディング数が2以上(一度に処理できるリクエスト数が2以上)である下位装置32を採用すると共に、これを有効に活用するための機能構成をデータ中継装置12に設けたことを特徴とする。
【0060】
すなわち、
図5に示すように、一度に2以上の信号を処理する機能を有する下位装置32を有するデータ中継システム62において、読込み要求送受信処理部52は、前述した後続情報取得手段51Aと、下位装置32から読込みデータ55が読込みデータを受信しているか否かにかかわらず、後続情報取得手段51Aが前述した後続読込み要求情報を取得した際に、当該後続読込み要求情報に基づく信号を下位装置32に送信する独立送信処理手段52Aと、を有している。
他の構成内容については、前述した第1実施形態と同様であるため省略する。
【0061】
次に、
図6を参照して、一度に2つ以上のリクエストを処理できる下位装置32を採用した場合におけるデータ中継装置12の連続した読込み処理を説明する。
【0062】
1次バス41側から読込み要求71(1)がアサートされると、読込み要求送受信処理部52は、確認応答返信部50による確認応答73(1)の返信状況如何にかかわらず、読込み要求71(1)に応じた読込み要求情報を取得すると共に、これに基づく信号である読込み要求72(1)を2次バス42側に送信するという構成を採っている。
【0063】
確認応答返信部50が確認応答73(1)を返信した後、1次バス41側から後続読込み要求71(2)が発行されていれば、読込み要求送受信処理部52は、後続情報取得手段51Aにて後続読込み要求71(2)にかかる後続読込み要求情報を取得し、その際、読込みデータ転送部55にて下位装置32から読込みデータ81(1)を受信しているか否かにかかわらず、独立送信処理手段52Aにて当該後続読込み要求情報に基づく信号である後続読込み要求72(2)を下位装置32に送信するように構成されている。
これにより、一度に2つ以上のリクエストを処理できる下位装置32を有効に機能させることが可能となる。
【0064】
読込みデータ転送部55による読込みデータ81(1)の返送が完了すると、上位装置20に対して確認応答返信部50が確認応答を返信するように構成されている。
【0065】
ここで、この
図6を上記
図3に照らすと、本第2実施形態では、読込み要求送受信処理部52が後続読込み要求72(2)を送信し、これに応じて受信した読込みデータ81(2)を読込みデータ転送部55が要求元である上位装置20に返送するという一連の処理を、前述した第1実施形態の場合よりも早いタイミングで実現できることが把握でき、すなわち、データ中継装置12によれば、下位装置の処理能力を最大限に活かすことができることから、1次バス41側から連続的に送信される要求に基づくデータ処理をさらに迅速化することが可能となる。
【0066】
また、この
図6においても、上記
図16で示した関連技術にて送受信される信号等の一部を破線で記載し、ここで示す「処理完了時間の差分」により、読込みデータ81(2)を返送するまでの時刻(処理完了時刻)が、関連技術において読込みデータ810(2)を返送するまでの時刻(処理完了時刻)に比べ、極めて早くなっていることを明示する。
【0067】
加えて、さらに後続する読込み要求(図示せず)にかかるデータ中継処理についても、後続読込み要求71(2)と同様に実行するという構成を採ったデータ中継装置12によれば、順次送信される要求にかかる情報処理の迅速化を図ることができる。
【0068】
(動作説明)
次に、
図5に示すデータ中継装置12の動作を、
図7に示すシーケンス図に基づいて説明する。
【0069】
上位装置20から読込み要求を受信した読込み要求送受信処理部52が、当該読込み要求に応じた読込み要求情報を取得すると共に(
図7:S201)これに基づく信号(読込み要求)を下位装置32に送信し(
図7:S202)、確認応答返信部50が当該読込み要求に対する確認応答を返信する(
図7:S203)。
【0070】
次いで、後続する読込み要求を上位装置20から受信した読込み要求送受信処理部52が、これに応じた後続読込み要求情報を後続情報取得手段51Aにて取得すると共に(
図7:S204)、この後続読込み要求情報に基づく信号(後続読込み要求)を独立送信処理手段52Aにて下位装置32に送信する(
図7:S205)。
【0071】
続いて、読込み要求情報に基づく信号に応じて下位装置32から送信される読込みデータを受信した読込みデータ転送部55が(
図7:S206)、上位装置20に対して、リードイネーブルを送信すると共に(
図7:S207)当該読込みデータを返送する(
図7:S208)。
【0072】
次に、後続読込み要求に対する確認応答(後続確認応答)を確認応答返信部50が上位装置20に返信し(
図7:S209)、上記後続読込み要求に応じて下位装置32から送信される後続読込みデータを受信した読込みデータ転送部55が(
図7:S210)、上位装置20に対して、リードイネーブルを送信すると共に(
図7:S211)当該後続読込みデータを返送する(
図7:S212)。
【0073】
上記各ステップS201〜S212(
図7)における各工程の実行内容をプログラム化すると共に、この一連の各制御プログラムをコンピュータによって実現するように構成してもよい。また、上記動作内容は、便宜上、
図7にて付した番号の順(S201〜S212)に説明したが、本第2実施形態にかかる動作順序は、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0074】
(第2実施形態の効果等)
本第2実施形態におけるデータ中継装置12によれば、下位装置(ターゲット)のアウトスタンディング数が2以上である場合に、当該下位装置の処理能力を有効に活用したデータ中継処理を実現できるため、読込み処理に要する時間をより短縮することができ、連続する各要求にかかるデータ処理の更なる迅速化を図ることが可能となる。
【0075】
また、データ中継装置12に、前述した第1実施形態における構成部材である要求情報記憶処理手段51Bを設けるという構成を採ってもよい。このようにすれば、下位装置のアウトスタンディング数に応じた適切なデータ中継処理が可能となる。
他の効果等については、前述した第1実施形態の場合と同様である。
【0076】
〔第3実施形態〕
本発明にかかるデータ中継装置及びデータ中継システムの第3実施形態を、
図8乃至
図11に基づいて説明する。ここでは、2次側のバスが複数のバスにより構成されたデータ中継システムにかかる構成及び動作内容を説明する。前述した第1及び第2実施形態と同一の構成部材については同一の符号を用いるものとする。
【0077】
(全体的構成)
本第3実施形態におけるデータ中継システム63は、
図8に示すように、複数(ここではn本:nは任意の自然数)の2次バス42(1)〜(n)と、これら各々に対応づけられた下位装置33(1)〜(n)と、を有している。
また、1次バス41に接続された上位装置20からの要求に応じたデータ中継処理を行うデータ中継装置13は、複数の2次バス42(1)〜(n)に接続され、且つ当該要求に基づく信号を当該複数の2次バス42(1)〜(n)の何れかを介して下位装置33(1)〜(n)の何れかに送信するように構成されている。
【0078】
したがって、読込み要求送受信処理部53は、複数の2次バス42(1)〜(n)の内から、予め設定された基準に従って、信号又はデータの送受信が行われていない2次バス42(1〜nの何れか)を選定すると共に、この選定した2次バスに対応づけられた下位装置33(1〜nの何れか)に対して上位装置20からの要求にかかる信号(要求に応じた要求情報に基づく信号)を送信するバス選定送信手段53Aを有している。
【0079】
すなわち、読込み要求送受信処理部53はバス選定送信手段53Aにて、複数の下位装置33(1)〜(n)の内から、待機中の状態にあり且つ優先順位の高い下位装置33(1〜nの何れか)を、予め設定された基準をもとに選定するという構成を採っている。
【0080】
本第3実施形態では、待機中の状態にある下位装置(信号等の送受信が行われていない2次バス)が複数存在する場合に、バス選定送信手段53Aは、上記優先順位として各2次バス42(1)〜(n)に付された番号を参照して上記選定を実行するように構成されている。ここでは、
図8における2次バス42(1)〜(n)及び下位装置33(1)〜(n)に示す括弧内の数字が当該付された番号であるものとし、バス選定送信手段53Aは、この番号の昇順に従って上記選定を実行するという構成を想定する。
【0081】
また、読込みデータ転送部56は、複数の2次バス42(1)〜(n)の何れかを介して下位装置33(1)〜(n)の何れかから適宜送信される読込みデータを、1次バス41を介して上位装置20に転送する機能を有している。すなわち、読込みデータ転送部56は、バス選定送信手段53Aにて選定した下位装置33(1〜nの何れか)から読込みデータを取得すると共にこれを上位装置20に返送するように構成されている。
【0082】
さらに、読込みデータ転送部56は、先行する読込み要求にかかる読込みデータの処理よりも、これに後続する読込み要求にかかる読込みデータの処理の方が早く終了してしまうという状況下において、データ中継装置13内で1次バス41側に返送する読込みデータの順番が逆転してしまわないように制御するデータ順序制御手段56Aを有している。
【0083】
すなわち、かかる状況下においてデータ順序制御手段56Aは、後続読込み要求にかかる後続読込みデータを内部メモリ等(図示せず)に記憶処理し、先行する読込み要求にかかる読込みデータの処理が終了した際に、当該記憶させた後続読込みデータを上位装置20に対して送信するように構成されている。
他の構成内容については、前述した第1又は第2実施形態と同様である。
【0084】
次に、
図9を参照して、上位装置20とデータ中継装置13とを接続する1次バス41及びデータ中継装置13と下位装置33(1)〜(n)とを接続する2次バス42(1)〜(n)にて送受信される信号等にかかる構成を説明する。
【0085】
1次バス41側で送受信される信号及びデータは、前述した第1実施形態において
図2を参照して説明した内容と同様であるため、ここでは省略する。
【0086】
また、
図9に示すように、上位装置20から受信した要求(読込み要求又は書込み要求)71に応じた要求情報を取得したデータ中継装置13は、当該要求情報に基づく信号である読込み要求72又は書込み要求76を、バス選定送信手段53Aが選定した2次バス42(1〜nの何れか)に対して送信するという構成を採っている。
すなわち、各2次バス42(1)〜(n)では、前述した第1実施形態における2次バス42と同様の信号及びデータが適宜送受信されるように構成されている。
【0087】
次に、
図10を参照して、本第3実施形態におけるデータ中継装置13の連続的な読込み処理を説明する。ここでは、2次バス42(1)と2次バス42(2)とが双方共に待機中の状態にある状況下において、上位装置20から読込み要求が連続的に送信される場面を想定する。
【0088】
1次バス41側から読込み要求71(1)がアサートされると、読込み要求送受信処理部53は、確認応答返信部50による確認応答73(1)の返信状況如何にかかわらず、読込み要求71(1)にかかる読込み要求情報を取得すると共に、2次バス42(1)側に読込み要求72(1)を送信するという構成を採っている。
【0089】
本第3実施形態では、後続情報取得手段51Aが上記後続読込み要求情報を取得すると、読込みデータ転送部56が下位装置33(1)から読込みデータ81(1)を受信しているか否かにかかわらず、バス選定送信手段53Aは、待機中の状態にあり且つ付された番号の昇順に則した下位装置33(2)に、2次バス42(2)を介して当該後続読込み要求情報に基づく信号である後続読込み要求72(2)を送信するように構成されている。
【0090】
複数の2次バス42(1)〜(n)を採用した本第3実施形態において、2次バス42(1)と2次バス42(2)とはバスが異なることから、データ中継装置13は、2次バス側の下位装置のアウトスタンディング数に依拠することなく、選定した2次バス42(1〜nの何れか)に対してリクエストを発行することができる。
【0091】
確認応答返信部50が確認応答73(1)を返信した後、1次バス41側から後続読込み要求71(2)が発行されていれば、読込み要求送受信処理部53は、後続情報取得手段51Aにて後続読込み要求71(2)にかかる後続読込み要求情報を取得し、その際、読込みデータ転送部56にて下位装置33(1)から読込みデータ81(1)を受信しているか否かにかかわらず、バス選定送信手段53Aにて当該後続読込み要求情報に基づく信号である後続読込み要求72(2)を下位装置33(2)に送信するように構成されている。
【0092】
読込みデータ転送部56による読込みデータ81(1)の返送が完了すると確認応答返信部50は、上位装置20に対して確認応答73(2)を返信するように構成されている。
【0093】
ここで、
図10を上記
図3に照らすと、本第3実施形態では、読込み要求送受信処理部53がバス選定送信手段53Aにて後続読込み要求72(2)を送信し、これに応じて受信した読込みデータ81(2)を読込みデータ転送部56が要求元である上位装置20に返送するという一連の処理が、前述した第1実施形態の場合よりも早いタイミングで終了することを把握できる。
すなわち、データ中継装置13によれば、複数の2次バス42(1)〜(n)及び下位装置33(1)〜(n)を有するデータ中継システム63の特徴的構成を有意に活用することができるため、1次バス41側から連続的に送信される要求に基づくデータ処理を、下位装置のアウトスタンディング数如何にかかわらず、前述した第2実施形態と同様に迅速化することが可能となる。
【0094】
また、この
図10においても、上記
図16で示した関連技術にて送受信される信号等の一部を破線で記載し、ここで示す「処理完了時間の差分」により、読込みデータ81(2)を返送するまでの時刻(処理完了時刻)が、関連技術において読込みデータ810(2)を返送するまでの時刻(処理完了時刻)に比べ、極めて早くなっていることを明示する。
【0095】
加えて、さらに後続する読込み要求(図示せず)にかかるデータ中継処理についても、データ中継装置13が後続読込み要求71(2)と同様に実行するという構成を採ったため、連続的に送信される要求に基づくデータ処理の迅速化を図ることができる。
【0096】
(動作説明)
次に、
図8に示すデータ中継装置13の動作を、
図11に示すシーケンス図に基づいて説明する。
【0097】
上位装置20から読込み要求を受信した読込み要求送受信処理部53が、当該読込み要求に応じた読込み要求情報を取得すると共に(
図11:S301)これに基づく信号(読込み要求)を下位装置33(1)に送信し(
図11:S302)、確認応答返信部50が当該読込み要求に対する確認応答を返信する(
図11:S303)。
【0098】
次いで、後続する読込み要求を上位装置20から受信した読込み要求送受信処理部53が、これに応じた後続読込み要求情報を後続情報取得手段51Aにて取得すると共に(
図11:S304)、バス選定送信手段53Aにて選定した下位装置33(2)に後続読込み要求情報に基づく信号(後続読込み要求)を送信する(
図11:S305)。
【0099】
続いて、読込み要求情報に基づく信号に応じて下位装置33(1)から送信される読込みデータを受信した読込みデータ転送部56が(
図11:S306)、上位装置20に対して、リードイネーブルを送信すると共に(
図11:S307)当該読込みデータを返送する(
図11:S308)。
【0100】
次に、確認応答返信部50が後続確認応答を上位装置20に返信し(
図11:S309)、上記後続読込み要求情報に基づく信号に応じて下位装置33(2)から送信される後続読込みデータを受信した読込みデータ転送部56が(
図11:S310)、上位装置20に対して、リードイネーブルを送信すると共に(
図11:S311)当該後続読込みデータを返送する(
図11:S312)。
【0101】
上記各ステップS301〜S312(
図11)における各工程の実行内容をプログラム化すると共に、この一連の各制御プログラムをコンピュータによって実現するように構成してもよい。また、上記動作内容は、便宜上、
図11にて付した番号の順(S301〜S312)に説明したが、本第3実施形態にかかる動作順序は、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0102】
(第3実施形態の効果等)
上述した通り、本第3実施形態におけるデータ中継装置13によれば、複数のバスとこれに対応づけられた複数の下位装置とを有効に活用したデータ中継処理を実現できるため、読込み処理に要する時間をより短縮することができ、連続する各要求に基づくデータ処理の更なる迅速化を図ることが可能となる。
【0103】
すなわち、異なるバスを有効に活用することによりデータ中継装置13は、2次バス側の下位装置のアウトスタンディング数に依拠することなく要求(リクエスト)を発行することができるため、リード処理が完了するまでの時刻を大幅に早めることが可能となる。
【0104】
また、複数のバスを含むデータ中継システムにおいて、連続的に送信される読込み要求(リードリクエスト)が異なるバスに振り分けられて処理されるような場合でも、データ中継装置13によれば、上述した通り有意なデータ中継処理を行うことができるため、連続した読込み要求に対するスループットの改善を図ることが可能となる。
他の効果等については、前述した第1及び第2実施形態の場合と同様である。
【0105】
〔第4実施形態〕
本発明にかかるデータ中継装置及びデータ中継システムの第4実施形態を、
図12乃至
図14に基づいて説明する。ここでのデータ中継システムは、前述した第3実施形態と同様に複数の2次バスを含むという構成を採っている。また、前述した第1乃至第3実施形態と同一の構成部材については同一の符号を用いるものとする。
【0106】
(全体的構成)
本第4実施形態におけるデータ中継システム64は、
図12に示すように、複数の2次バス42(1)〜(n)のそれぞれに対応づけられた下位装置33(1)〜(n)と、1次バス41に接続された上位装置20と、この上位装置20からの要求に応じたデータ中継処理を行うデータ中継装置14と、を有する。ここでは特に、前述した第3実施形態とは異なる構成部材を有するデータ中継装置14について説明する。
【0107】
データ中継装置14は、上位装置20から書込み要求を受信した際に、これに対する確認応答を確認応答返信部50が返信するのとは無関係に(返信するのを待たずに)、当該書込み要求に応じた書込み要求情報を取得して記憶処理する書込み要求情報取得処理部57と、上記書込み要求に対する確認応答を確認応答返信部50が返信した後、当該書込み要求に応じた書込みデータを前記上位装置20から取得すると共にこれを待機中の状態にある下位装置に転送する書込みデータ転送部58と、この書込みデータ転送部58が上記書込みデータを取得した際に、書込み要求情報取得処理部57が記憶させた書込み要求情報に基づく信号を上記待機中の状態にある下位装置に送信する書込み要求送信処理部59と、をさらに備えている。
【0108】
書込み要求送信処理部59は、上記待機中の状態にある下位装置を予め設定された基準に従って選定するバス選定手段59Aを有する。すなわち、前述したバス選定送信手段53Aと同様にバス選定手段59Aが選定した下位装置33(1〜nの何れか)に対して、書込み要求送信処理部59が上記書込み要求情報に基づく信号を送信すると共に、書込みデータ転送部58が上記書込みデータを送信するように構成されている。
【0109】
また、読込み要求送受信処理部54は、前記書込み要求に対する確認応答を前記確認応答返信部50が返信し且つ後続する読込み要求を前記上位装置20から受信している場合に、前記書込みデータ転送部58によるデータ転送処理の進行状況如何にかかわらず(データ転送処理とは無関係に)、前記後続情報取得手段51Aが取得した上記後続読込み要求情報に基づく信号を、書込みデータ転送部58が上記書込みデータを転送した下位装置とは異なり且つ待機中の状態にある下位装置(他の待機中の状態にある下位装置)に送信するように構成されている。
ここでの送信先となる下位装置は、バス選定送信手段53Aが上記同様に選定するという構成を採っている。
他の構成内容については、前述した第1乃至第3実施形態と同様である。
【0110】
次に、
図13を参照して、本第4実施形態におけるデータ中継装置14の連続した読込み処理を説明する。ここでも、2次バス42(1)と2次バス42(2)とが双方共に待機中の状態にある状況下において、上位装置20から読込み要求が連続的に送信される場面を想定する。
【0111】
1次バス41側から書込み要求71W(1)がアサートされると、書込み要求情報取得処理部57は、確認応答返信部50による確認応答73W(1)の返信を待たずに読込み要求情報を取得しておくように構成されている。
また、確認応答返信部50が確認応答73W(1)を返信した後に、書込みデータ転送部58が、上位装置20に対してライトイネーブルを要求データ分アサートすることにより書込みデータ(ライトデータ)91(1)を取得し、書込み要求送信処理部59が、2次バス42(1)に書込み要求76(1)を送信するように構成されている。
【0112】
確認応答返信部50が確認応答73W(1)を返信した後に、1次バス41側から後続読込み要求71(2)が発行されていれば、読込み要求送受信処理部54は、後続情報取得手段51Aにてこれに応じた後続読込み要求情報を取得すると共に、2次バス42側での書込み(ライト)が完了したか否かにかかわらず、バス選定送信手段53Aにて選定した2次バス42(2)に後続書込み要求72(2)を送信するという構成を採っている。
【0113】
確認応答返信部50は、1次バス41側での書込みデータ91(1)の処理が完了した後に確認応答73(2)を返信し、読込みデータ転送部56は、2次バス42側で受信した読込みデータ81(2)を1次バス側に転送する、という構成を採っている。
【0114】
本第4実施形態においてもデータ中継装置14は、2次バス側の下位装置のアウトスタンディング数に依拠せずに、バス選定送信手段53Aにて選定した2次バス42(1〜nの何れか)に対してリクエストを送信することができる。
【0115】
上述した通り、データ中継装置14によれば、複数の2次バス42(1)〜(n)及び下位装置33(1)〜(n)を有するデータ中継システム64の特徴的構成を有意に活用することができるため、下位装置の処理能力如何にかかわらず、1次バス41側から順次送信される要求にかかるデータ処理の迅速化を図ることが可能となる。
【0116】
加えて、この
図13では、書込み要求(ライトリクエスト)が発行された後に読込み要求(リードリクエスト)が発行された場合に、既存の関連技術にて送受信される信号等の一部を破線で記載し、ここで示す「処理完了時間の差分」により、読込みデータ81(2)を返送するまでの時刻(処理完了時刻)が、関連技術にて読込みデータ810(2)を返送するまでの時刻(処理完了時刻)に比べ、極めて早くなっていることを明示する。
【0117】
既存の関連技術では、確認応答(図示せず:確認応答73(2)と同じタイミングで返信される)を返信した後に2次バス側に後続読込み要求720(2)を送信するという構成を採っているため、これに伴って、2次バス側から受信した読込みデータ810(2)を1次バス側に返送する時刻が遅くなることから、上記差分が生じることとなる。
【0118】
加えて、データ中継装置14は、後続読込み要求71(2)と同様に、さらに後続する読込み要求(図示せず)にかかるデータ中継処理を実行するように構成されているため、連続的に送信される要求に基づくデータ処理の迅速化を図ることができる。
【0119】
(動作説明)
次に、
図12に示すデータ中継装置14の動作を、
図14に示すシーケンス図に基づいて説明する。
【0120】
上位装置20から書込み要求を受信したデータ中継装置14が、書込み要求情報取得処理部57にて当該書込み要求に応じた書込み要求情報を取得する(
図14:S401)。
次に、確認応答返信部50が、当該書込み要求に対する確認応答を上位装置20に返信する(
図14:S402)。
【0121】
次いで、後続する読込み要求を上位装置20から受信した読込み要求送受信処理部54が、これに応じた後続読込み要求情報を後続情報取得手段51Aにて取得すると共に内部メモリ等(図示せず)に記憶処理する(
図14:S403)。
【0122】
また、確認応答返信部50が上記書込み要求に対する確認応答を返信した後、書込みデータ転送部58は、上位装置20に対してライトイネーブルを要求データ分アサートし(
図14:S404)、これにより上記書込み要求にかかる書込みデータを取得する(
図14:S405)。
【0123】
次いで、2次バス42(1)を介し下位装置33(1)に対して、書込み要求送信処理部59が上記書込み要求情報に基づく信号である書込み要求を発行し(
図14:S406)、書込みデータ転送部58が上記により取得した書込みデータを送信する(
図14:S407)。
【0124】
一方で、後続読込み要求に応じた後続読込み要求情報を取得した読込み要求送受信処理部54は(
図14:S403)、書込みデータ転送部58によるデータ転送処理とは無関係に、バス選定送信手段53Aにて選定した下位装置33(2)に上記後続読込み要求情報に基づく信号を送信する(
図14:S408)。
【0125】
次に、後続確認応答を確認応答返信部50が上位装置20に返信し(
図14:S409)、上記後続読込み要求情報に基づく信号に応じて下位装置33(2)から送信される後続読込みデータを受信した読込みデータ転送部56が(
図14:S410)、上位装置20に対してリードイネーブルを送信すると共に(
図14:S411)当該後続読込みデータを返送する(
図14:S412)。
【0126】
上記各ステップS401〜S412(
図14)における各工程の実行内容をプログラム化すると共に、この一連の各制御プログラムをコンピュータによって実現するように構成してもよい。また、上記動作内容は、便宜上、
図14にて付した番号の順(S401〜S412)に説明したが、本第4実施形態にかかる動作順序は、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0127】
(第4実施形態の効果等)
上位装置20から書込み要求(ライトリクエスト)と読込み要求(リードリクエスト)とが連続して送信された場合においても、データ中継装置14によれば、上述した通り、各要求にかかる情報を有効に中継処理することができ、データ処理の迅速化を図ることが可能となる。
【0128】
また、複数のバスを含むデータ中継システムにおいて、書込み要求が発行された後に読込み要求が発行されたような場合でも、データ中継装置13によれば、上述した通り、異なるバスを有効に活用することができるため、書込み要求後の読込み要求に対するスループットの改善を図ることが可能となる。
【0129】
本第4実施形態では、前述した第3実施形態と同様に、複数の2次バス及びこれに対応づけられた複数の下位装置を含むという構成を採用したが、これらに代えて、前述した第2実施形態で採用した「1本の2次バス42及びアウトスタンディング数が2以上である下位装置32」と同様の構成部材を採用するようにしてもよい。かかる場合において、特に、バス選定送信手段53Aに代えて、独立送信処理手段52A(
図5)と同等の構成部材をデータ中継装置14に装備すれば、書込み要求後に連続して読込み要求が発行された場合においても、上記同様にデータ処理の迅速化を図ることができる。
他の効果等については、前述した第1及び第2実施形態の場合と同様である。
【0130】
なお、上述した各実施形態は、データ中継装置、データ中継システム、データ中継方法、及びそのプログラムにおける好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もある。しかし、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。
【0131】
以下は、上述した実施形態についての新規な技術的内容の要点をまとめたものであるが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。
【0132】
(付記1)
1次バスに接続された上位装置から送信される要求にかかる信号を2次バスに接続された下位装置に送信すると共に、当該要求に応じたデータ中継処理を行うデータ中継装置であって、
前記要求に対する確認応答を前記上位装置に返信する確認応答返信部と、
前記上位装置から受信した前記要求としての読込み要求に応じた読込み要求情報を取得すると共に、これに基づく信号を前記下位装置に送信する読込み要求送受信処理部と、を有し、
前記読込み要求送受信部は、前記読込み要求を受信した際に、これに対する確認応答を前記確認応答返信部が返信するのとは無関係に、前記取得及び送信を実行することを特徴としたデータ中継装置。
【0133】
(付記2)
前記付記1に記載のデータ中継装置において、
前記要求は、前記上位装置から連続的に送信される信号であり、
前記読込み要求送受信処理部は、前記読込み要求に対する確認応答を前記確認応答返信部が返信し且つ後続する読込み要求を前記上位装置から受信している場合に、前記後続する読込み要求に応じた後続読込み要求情報を取得する後続情報取得手段を有することを特徴としたデータ中継装置。
【0134】
(付記3)
前記付記2に記載のデータ中継装置において、
前記読込み要求送受信処理部は、前記後続情報取得手段が取得した前記後続読込み要求情報を記憶処理する要求情報記憶処理手段を有することを特徴としたデータ中継装置。
【0135】
(付記4)
前記付記2又は3に記載のデータ中継装置において、
前記読込み要求情報に基づく信号に応じて前記下位装置から送信される読込みデータを前記上位装置に転送する読込みデータ転送部をさらに有し、
前記読込み要求送受信処理部は、前記読込みデータ転送部が前記読込みデータの受信を終えた際に、前記後続読込み要求情報に基づく信号を前記下位装置に送信することを特徴としたデータ中継装置。
【0136】
(付記5)
前記付記2又は3に記載のデータ中継装置において、
前記下位装置が一度に2以上の信号を処理する機能を有する場合に、
前記読込み要求送受信処理部は、前記後続情報取得手段が前記後続読込み要求情報を取得した際に、これに基づく信号を前記下位装置に送信する独立送信処理手段をさらに有することを特徴としたデータ中継装置。
【0137】
(付記6)
前記付記2又は3に記載のデータ中継装置において、
前記2次バスが複数の2次バスにより構成され且つ前記下位装置が当該複数の2次バスの各々に対応づけられた複数の下位装置によりなる場合に、
前記読込み要求送受信処理部は、前記後続情報取得手段が前記後続読込み要求情報を取得した際に、これに基づく信号を待機中の状態にある下位装置に送信することを特徴としたデータ中継装置。
【0138】
(付記7)
前記付記6に記載のデータ中継装置において、
前記読込み要求送受信処理部は、前記待機中の状態にある下位装置を予め設定された基準に従って選定するバス選定手段を有することを特徴としたデータ中継装置。
【0139】
(付記8)
前記付記2又は3に記載のデータ中継装置において、
前記2次バスが複数の2次バスにより構成され且つ前記下位装置が当該複数の2次バスの各々に対応づけられた複数の下位装置によりなる場合に、
前記上位装置から受信した前記要求としての書込み要求に対する確認応答を前記確認応答返信部が返信した後、当該書込み要求に応じた書込みデータを前記上位装置から取得すると共に、これを待機中の状態にある下位装置に転送する書込みデータ転送部をさらに有し、
前記読込み要求送受信処理部は、前記書込み要求に対する確認応答を前記確認応答返信部が返信し且つ後続する読込み要求を前記上位装置から受信している場合に、前記書込みデータ転送部によるデータ転送処理とは無関係に、前記後続情報取得手段が取得した前記後続読込み要求情報に基づく信号を、他の待機中の状態にある下位装置に送信することを特徴としたデータ中継装置。
【0140】
(付記9)
前記付記8に記載のデータ中継装置において、
前記書込み要求を受信した際に、これに対する確認応答を前記確認応答返信部が返信するのとは無関係に、当該書込み要求に応じた書込み要求情報を取得して記憶処理する書込み要求情報取得処理部と、
前記書込みデータ転送部が前記書込みデータを取得した際に、前記書込み要求情報取得処理部が記憶させた書込み要求情報に基づく信号を前記待機中の状態にある下位装置に送信する書込み要求送信処理部と、をさらに備え、
この書込み要求送信処理部は、前記待機中の状態にある下位装置を予め設定された基準に従って選定するバス選定手段を有することを特徴としたデータ中継装置。
【0141】
(付記10)
前記付記2又は3に記載のデータ中継装置において、
前記下位装置が一度に2以上の信号を処理する機能を有する場合に、
前記上位装置から受信した前記要求としての書込み要求に対する確認応答を前記確認応答返信部が返信した後、当該書込み要求に応じた書込みデータを前記上位装置から取得すると共に、これを待機中の状態にある下位装置に転送する書込みデータ転送部をさらに有し、
前記読込み要求送受信処理部は、前記書込み要求に対する確認応答を前記確認応答返信部が返信し且つ前記読込み要求に後続する読込み要求を前記上位装置から受信している場合に、前記書込みデータ転送部によるデータ転送処理とは無関係に、前記後続読込み要求情報に基づく信号を前記下位装置に送信することを特徴としたデータ中継装置。
【0142】
(付記11)
1次バスに接続された上位装置と、2次バスに接続された下位装置と、前記上位装置から送信される要求にかかる信号を前記下位装置に送信すると共に当該要求に応じたデータ中継処理を行うデータ中継装置と、を有するデータ中継システムであって、
前記データ中継装置として、前記付記1乃至10の何れか1つに記載のデータ中継装置を設けたことを特徴とするデータ中継システム。
【0143】
(付記12)
1次バスに接続された上位装置と、2次バスに接続され且つ一度に2以上の信号を処理する機能を有する下位装置と、前記上位装置から送信される要求にかかる信号を前記下位装置に送信すると共に当該要求に応じたデータ中継処理を行うデータ中継装置と、を有するデータ中継システムであって、
前記データ中継装置として、前記付記5又は10に記載のデータ中継装置を設けたことを特徴とするデータ中継システム。
【0144】
(付記13)
1次バスに接続された上位装置と、複数の2次バスの各々に対応づけられた複数の下位装置と、前記上位装置から送信される要求にかかる信号を前記複数の下位装置の何れかに送信すると共に当該要求に応じたデータ中継処理を行うデータ中継装置と、を有するデータ中継システムであって、
前記データ中継装置として、前記付記6乃至9の何れか一つに記載のデータ中継装置を設けたことを特徴とするデータ中継システム。
【0145】
(付記14)
1次バスに接続された上位装置から送信される要求にかかる信号を2次バスに接続された下位装置に送信すると共に、当該要求に応じたデータ中継処理を行うデータ中継装置にあって、
前記上位装置から前記要求としての読込み要求を受信し、
当該読込み要求に応じた読込み要求情報を取得すると共にこれに基づく信号を前記下位装置に送信し、
前記要求に対する確認応答を前記上位装置に返信することを特徴としたデータ中継方法。
【0146】
(付記15)
前記付記14に記載のデータ中継方法において、
前記要求は、前記上位装置から連続的に送信される信号であり、
前記確認応答の返信後、
後続する読込み要求を前記上位装置から受信すると共にこれに応じた後続読込み要求情報を取得し、
前記読込み要求情報に基づく信号に応じて前記下位装置から送信される読込みデータを受信し、
前記後続読込み要求情報に基づく信号を前記下位装置に送信することを特徴としたデータ中継方法。
【0147】
(付記16)
前記付記14に記載のデータ中継方法において、
前記要求は、前記上位装置から連続的に送信される信号であり、
前記下位装置が一度に2以上の信号を処理する機能を有する場合に、
前記確認応答の返信後、
後続する読込み要求を前記上位装置から受信すると共にこれに応じた後続読込み要求情報を取得し、
この後続読込み要求情報に基づく信号を前記下位装置に送信し、
前記読込み要求情報に基づく信号に応じて前記下位装置から送信される読込みデータを受信すると共に、これを前記上位装置に転送することを特徴としたデータ中継方法。
【0148】
(付記17)
前記付記14に記載のデータ中継方法において、
前記2次バスが複数の2次バスにより構成され且つ前記下位装置が当該複数の2次バスの各々に対応づけられた複数の下位装置によりなる場合に、
前記確認応答の返信後、
後続する読込み要求を前記上位装置から受信すると共にこれに応じた後続読込み要求情報を取得し、
この後続読込み要求情報に基づく信号を待機中の状態にある下位装置に送信し、
前記読込み要求情報に基づく信号に応じて前記下位装置から送信される読込みデータを受信すると共に、これを前記上位装置に送信することを特徴としたデータ中継方法。
【0149】
(付記18)
1次バスに接続された上位装置から送信される要求にかかる信号を2次バスに接続された下位装置に送信すると共に、当該要求に応じたデータ中継処理を行うデータ中継装置にあって、
前記要求は、前記上位装置から連続的に送信される信号であり、
前記2次バスが複数の2次バスにより構成され且つ前記下位装置が当該複数の2次バスの各々に対応づけられた複数の下位装置によりなる場合に、
前記上位装置から前記要求としての書込み要求を受信すると共に、当該書込み要求に応じた書込み要求情報を取得し、
前記書込み要求に対する確認応答を前記上位装置に返信し、
前記書込み要求に後続する読込み要求を前記上位装置から受信している場合に、これに応じた後続読込み要求情報を取得すると共に、予め設定された基準に従って待機中の状態にある下位装置を選定し、
この選定した下位装置に前記後続読込み要求情報に基づく信号を送信することを特徴としたデータ中継方法。
【0150】
(付記19)
1次バスに接続された上位装置から送信される要求にかかる信号を2次バスに接続された下位装置に送信すると共に、当該要求に応じたデータ中継処理を行うデータ中継装置にあって、
前記要求に対する確認応答を前記上位装置に返信する確認応答返信手段、
前記上位装置から前記要求としての読込み要求を受信した際に、これに対する確認応答を前記確認応答返信手段にて返信するのとは無関係に、当該読込み要求に応じた読込み要求情報を取得すると共にこれに基づく信号を前記下位装置に送信する読込み要求送受信処理手段、として前記データ中継装置に予め設けられたコンピュータを機能させるためのデータ中継プログラム。
【0151】
(付記20)
前記付記19に記載のデータ中継プログラムにおいて、
前記要求は、前記上位装置から連続的に送信される信号であり、
前記読込み要求に対する確認応答を前記確認応答返信手段にて返信し且つ後続する読込み要求が前記上位装置から発行されている場合に、前記後続する読込み要求に応じた後続読込み要求情報を取得する後続情報取得手段、として前記コンピュータを機能させるためのデータ中継プログラム。
【0152】
(付記21)
前記付記20に記載のデータ中継プログラムにおいて、
前記後続情報取得手段にて取得した前記後続読込み要求情報を記憶処理する要求情報記憶処理手段、として前記コンピュータを機能させるためのデータ中継プログラム。
【0153】
(付記22)
前記付記20に記載のデータ中継プログラムにおいて、
前記下位装置が一度に2以上の信号を処理する機能を有する場合に、
前記後続情報取得手段にて前記後続読込み要求情報を取得した際に、これに基づく信号を前記下位装置に送信する独立送信処理手段、として前記コンピュータを機能させるためのデータ中継プログラム。
【0154】
(付記23)
前記付記20に記載のデータ中継プログラムにおいて、
前記2次バスが複数の2次バスにより構成され且つ前記下位装置が当該複数の2次バスの各々に対応づけられた複数の下位装置によりなる場合に、
予め設定された基準に従って待機中の状態にある下位装置を選定すると共に、この選定した下位装置に対して前記後続情報取得手段にて取得した後続読込み要求情報に基づく信号を送信するバス選定送信手段、として前記コンピュータを機能させるためのデータ中継プログラム。
【0155】
(付記24)
前記付記20に記載のデータ中継プログラムにおいて、
前記2次バスが複数の2次バスにより構成され且つ前記下位装置が当該複数の2次バスの各々に対応づけられた複数の下位装置によりなる場合に、
前記上位装置から受信した前記要求としての書込み要求に対する確認応答を前記確認応答返信部が返信した後に、当該書込み要求に応じた書込みデータを前記上位装置から取得すると共にこれを待機中の状態にある下位装置に転送する書込みデータ転送手段、
前記書込み要求に対する確認応答を前記確認応答返信部が返信し且つ後続する読込み要求を前記上位装置から受信している場合に、前記書込みデータ転送手段によるデータ転送処理とは無関係に、予め設定された基準に従って他の待機中の状態にある下位装置を選定すると共に、前記後続情報取得手段にて取得した前記後続読込み要求情報に基づく信号を、この選定した下位装置に送信する独立送信手段、として前記コンピュータを機能させるためのデータ中継プログラム。