特許第6161176号(P6161176)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6161176-電磁波遮蔽収納ケース 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6161176
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】電磁波遮蔽収納ケース
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/30 20060101AFI20170703BHJP
   A61J 1/00 20060101ALI20170703BHJP
   A45C 11/00 20060101ALI20170703BHJP
【FI】
   B65D81/30 Z
   A61J1/00 Z
   A45C11/00 Q
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-30524(P2016-30524)
(22)【出願日】2016年2月21日
【審査請求日】2016年2月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】516053501
【氏名又は名称】木村 香織
(74)【代理人】
【識別番号】100154210
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 宏
(72)【発明者】
【氏名】木村 香織
【審査官】 矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−168575(JP,A)
【文献】 特開2014−057816(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 11/00
A61J 1/00
B65D 81/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁波を遮蔽して収納物を収納する電磁波遮蔽収納ケースであって、
電磁波遮蔽材を含んで、底部と該底部の周縁に立設する周縁部とが形成された本体と、
前記周縁部の上端に係合する電磁波遮蔽シートを有する蓋体と、
を備え、
前記電磁波遮蔽シートは、前記周縁部の上端に係合する凹溝を形成することを特徴とする、電磁波遮蔽収納ケース。
【請求項2】
前記電磁波遮蔽シートは、可撓性を有することを特徴とする、請求項に記載の電磁波遮蔽収納ケース。
【請求項3】
前記電磁波遮蔽シートは、前記蓋体の内面から前記本体の内側に向けて突出して、前記本体に収納される収納物を被覆する被覆部を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の電磁波遮蔽収納ケース。
【請求項4】
前記収納物は、薬剤であることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の電磁波遮蔽収納ケース。
【請求項5】
前記薬剤は、ホメオパシー用のレメディ又は花療法用のレメディであることを特徴とする、請求項に記載の電磁波遮蔽収納ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁波を遮蔽して収納物を収納する電磁波遮蔽収納ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
ホメオパシーは,健康な人に与えると特定の症状を引き起こす物質を高度に希釈震盪して作られるレメディを,特定の症状 を持つ患者に与えることで,自己治癒力を刺激し治癒を促すという同種または類似の法則に基づく自然療法である。
ホメオパシー療法で用いられるレメディは,植物,鉱物等を原料とした特定の症状を引き起こす物質をアルコールで抽出し,それら原液を高度に希釈震盪を繰り返すことによって,当該物質に本来含有されている毒性等悪影響となり得る物質的要素を消失させ, 丸玉,顆粒,粉状またはタブレット状のしょ糖,乳糖等の糖分に含ませたものを指し示す ほか,液体,クリームさらにジェル状等のものまで多様に存在するものである。
欧州においてホメオパシーのレメディは,家庭の薬箱に常備されるような身近なものであり, 複数のレメディを保管・携帯するのが一般的である。レメディは,その希釈震盪度合いにより効能及び使用方法が異なる繊細なものである。そのため, 近年の住環境,ライフスタイル等の変化から生じる電磁波の増大によって,これまで以上に電磁波によるレメディへの影響を懸念する声も多く,電磁波から遮蔽してレメディを収納することを希望する者が多い。 また,日本に於いてもホメオパシーのレメディを携帯する者が増加している。
また、ホメオパシーに限らず、太陽光の下で煮出す等の方法で植物,鉱物等の成分を抽出した「フラワーエッセンス」をレメディとして用いて、経絡など微細なエネルギーの流れを変化させてマイナスな気持ちを和らげると信じられている「花療法」と言われるものもあり(花の文字が使われているがレメディの成分は植物に限定されない)、そのためのレメディについても電磁波による影響を懸念する声がある。
【0003】
多くの場合、丸玉状、顆粒状、タブレット状等のレメディは筒状の容器(レメディ容器)に収納され、レメディ容器を例えば非特許文献1に開示されるレメディケースに収納する。しかし、非特許文献に開示された形状のケースは、電磁波を遮断する設計がなされたものではない。そこで、例えば非特許文献2に開示される袋によって、電磁波を遮断していた。
【0004】
ホメオパシー等のレメディに限らず電磁波を遮断するケースとしては、例えば特許文献2及び3に開示される磁気カード収納体がある。しかし、磁気カードのカード面への(又はからの)電磁波を遮断するものであり、ケースの周縁にわずかな間隙が存在する。この間隙から電磁波が内部に入り込み得るため、レメディを収納するケースとしては適当でない。少なくとも、レメディは電磁波に当てたくない者の安心を得ることはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014−062106号公報
【特許文献2】特開2003−300579号公報
【特許文献3】実用新案登録第3110224号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】レメディーケース・袋(http://www.homoeopathy-shop.jp/SHOP/69153/list.html)
【非特許文献2】Radiation Protection for Homeopathic Remedies(http://www.narayana-verlag.com/Radiation-Protection-for-Homeopathic-Remedies-large/b15673)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、電磁波を遮蔽して収納物を収納する電磁波遮蔽収納ケースを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電磁波遮蔽収納ケースは、
電磁波を遮蔽して収納物を収納する電磁波遮蔽収納ケースであって、
電磁波遮蔽材を含んで、底部と該底部の周縁に立設する周縁部とが形成された本体と、
前記周縁部の上端に係合する電磁波遮蔽シートを有する蓋体と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
この特徴によれば、本体は、電磁波遮蔽材を含んで、底部とこの底部の周縁に立設する周縁部とが形成され、蓋体は、本体の周縁部の上端に係合する電磁波遮蔽シートを有することで、蓋体により、電磁波遮蔽シートを本体の周縁部の上端に係合することで間隙なく本体を閉じて、電磁波を確実に遮蔽することができる。
【0010】
本発明の電磁波遮蔽収納ケースは、
前記電磁波遮蔽シートは、前記周縁部の上端に係合する凹溝を形成することを特徴とする。
【0011】
この特徴によれば、電磁波遮蔽シートに周縁部の上端に係合する凹溝が形成されることで、蓋体により、電磁波遮蔽シートの凹溝を本体の周縁部の上端に間隙なく係合して本体を閉じて電磁波を遮断することができる。
【0012】
本発明の電磁波遮蔽収納ケースは、
前記電磁波遮蔽シートは、可撓性を有することを特徴とする。
【0013】
この特徴によれば、電磁波遮蔽シートが可撓性を有することで、電磁波遮蔽シートを本体の周縁部の上端に係合した際に電磁波遮蔽シートを上端に確実に密着させることができ、蓋体により間隙なく本体を閉じることができる。
【0014】
本発明の電磁波遮蔽収納ケースは、
前記電磁波遮蔽シートは、前記蓋体の内面から前記本体の内側に向けて突出して、前記本体に収納される収納物を被覆する被覆部を有することを特徴とする。
【0015】
この特徴によれば、電磁波遮蔽シートが蓋体の内面から本体の内側に向けて突出して、本体に収納される収納物を被覆する被覆部を有することで、蓋体により本体を閉じた際に、蓋体の内面から本体の内側に向けて突出する電磁波遮蔽シートの被覆部が本体に収納される収納物を被覆し、収納物を電磁波からさらに確実に遮蔽することができる。
【0016】
本発明の電磁波遮蔽収納ケースは、
前記収納物は、薬剤を収容する容器であることを特徴とする。
【0017】
この特徴によれば、ホメオパシー用のレメディ、花療法用のレメディを含む、薬剤収納容器を電磁波から遮蔽して収納することができる。
【0018】
本発明の電磁波遮蔽収納ケースは、
前記薬剤は、ホメオパシー用のレメディ又は花療法用のレメディであることを特徴とする。
【0019】
この特徴によれば、電磁波による影響を懸念する声があるホメオパシー用のレメディ及び花療法用のレメディについて、その容器を電磁波から遮蔽して収納することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の電磁波遮蔽収納ケースによれば、蓋体により間隙なく本体を閉じることで電磁波を遮蔽することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、電磁波遮蔽収納ケースの構成を示す図である。
図2図2は、蓋体の周縁部に設けられる凹溝の構成を示す図である。
図3図3は、電磁波遮蔽収納ケースの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0023】
図1に、電磁波遮蔽収納ケース1の構成を示す。図1(A)は電磁波遮蔽収納ケース1を開いた状態で上面から示す上面図であり、図1(B)は図1(A)の基準線BBについての断面図であり、及び図1(C)は電磁波遮蔽収納ケース1を閉じた状態において示す断面図である。電磁波遮蔽収納ケース1は、電磁波を遮蔽して収納物であるホメオパシー用のレメディ容器30を収納するケースであり、本体10及び蓋体20を含んで構成される。なお、本実施例では、レメディ容器30は単心円状の断面を有する筒部材とする。
【0024】
本体10は、レメディ容器30を収納する上面が開いた箱体であり、電磁波遮蔽材、例えばアルミニウム、ニッケル−リン合金、銅等を無電解めっきにより複数積層したプラスチック、ポリスチレン等から成形されている。これにより、内部に収納されるレメディ容器30が、下方からの電磁波から遮蔽される。
【0025】
本体10は、底部11、周縁部12、及び接続体12aを有する。底部11は、肉厚の板状を有し、表面には図面横方向を長手とする単心円形状の凹部11aが複数、一例として図面横方向に3及び図面縦方向に5の計15、形成されている。凹部11aのそれぞれにレメディ容器30が収納される。周縁部12は、底部11の上面の周縁に立設して、複数の凹部11aを囲む壁材である。接続体12aは、周縁部12の上側長辺に設けられ、後述する蓋体20の周縁部22を傾動可能に接続する。
【0026】
蓋体20は、本体10をその上方を覆って閉じる蓋部材であり、例えば本体10と同様の電磁波遮蔽材から成形されている。これにより、蓋体20により本体10を閉じた際に、本体10に収納されるレメディ容器30が上方からの電磁波から遮蔽される。
【0027】
蓋体20は、天板21及び周縁部22を有する。天板21は、天板21の底部11と同形状の肉薄の板状部材である。周縁部12は、天板21の裏面の周縁に立設する壁材である。周縁部12の上端には、凹溝23が設けられている。
【0028】
図2に、周縁部22の凹溝23の構成を示す。凹溝23は、例えば金属細線を用いてメッシュ状に編まれた可撓性を有する電磁波遮蔽シート(単にシートとも呼ぶ)を用いて構成される。図2(A)に示すように、周縁部22の端部に、周縁部22の下面の中心に沿って、図面下向きに開く凹部22aが形成されている。シートは、その両端を凹部22aの両側の上面に掛けられ、中央を凹部22a内に撓むことで、凹溝23をなす。
【0029】
蓋体20により本体10を閉じると、図2(B)に示すように、凹溝23が本体10の周縁部12の上端に係合する。このとき、シートが可撓性を有することで、シートが周縁部12の上端に密着して、蓋体20により間隙なく本体10を閉じることができる。
【0030】
以上詳細に説明したように、本実施例の電磁波遮蔽収納ケース1は、電磁波遮蔽材を含んで、底部11とこの底部11の周縁に立設する周縁部12とが形成された本体10、及び周縁部12の上端に係合する電磁波遮蔽シート(凹溝23)を有する蓋体20を備える。蓋体20により、電磁波遮蔽シートを本体10の周縁部12の上端に係合することで間隙なく本体10を閉じることができる。従って、電磁波遮蔽収納ケース1は、ホメオパシー用のレメディ容器を電磁波から遮蔽して収納することができる。
【0031】
なお、本実施例の電磁波遮蔽収納ケース1では、蓋体20の周縁部22に凹溝23を形成するために電磁波遮蔽シートを用いたが、これをさらに蓋体20の内側に設けて本体10に収納されるレメディ容器30を被覆してもよい。
【0032】
なお、本実施例に係る電磁波遮蔽収納ケース1では、接続体12aにより蓋体20を本体10に傾動可能に接続し、蓋体20を傾動して本体10の上方を被せることで本体10を閉じる構成を採用したが、蓋体20及び本体10を別体として構成し、蓋体20の全体を本体10の上方から被せることで本体10を閉じる構成を採用してもよい。
【0033】
なお、本実施例に係る電磁波遮蔽収納ケースでは、本体10にのみレメディ容器30を電磁波から遮蔽して収納したが、蓋体20にもレメディ容器30を電磁波から遮蔽して収納してもよい。この場合、蓋体20の上下方向の幅を本体10と同程度にすることで、レメディ容器30を収納するスペースが構成される。
【実施例2】
【0034】
図3に、電磁波遮蔽収納ケース2の構成を示す。図3(A)は電磁波遮蔽収納ケース1を開いた状態において示す断面図であり、及び図3(B)は電磁波遮蔽収納ケース1を閉じた状態において示す断面図である。電磁波遮蔽収納ケース2は、先述の電磁波遮蔽収納ケース1とほぼ同じ構成を有するため、同じ又は対応する構成要素については同じ符号を付し、その詳細説明を省略する。電磁波遮蔽収納ケース2は、電磁波遮蔽収納ケース1に対して蓋体20の構成を異にする。
【0035】
蓋体20は、さらに被覆部24を有する。被覆部24は、先と同様の電磁波遮蔽シートを用いて形成された蓋体20の内面を覆う部材であり、本体10の底部11に設けられた凹部11aに対応して同じ位置に同じ形状の複数の凹部24aが形成されている。蓋体20を用いて本体10を閉じた際に、被覆部24は、蓋体20の内面から本体10の内側に向けて突出して、本体10に収納されるレメディ容器30を上方から被覆し、これを電磁波から遮蔽する。なお、電磁波遮蔽収納ケース2においては、被覆部24が上方からの電磁波を遮蔽するので、蓋体20は、必ずしも、電磁波遮蔽材から構成する必要はない。
【0036】
以上詳細に説明したように、本実施例の電磁波遮蔽収納ケース2は、実施例1の電磁波遮蔽収納ケース1に、さらに、被覆部24を備える。被覆部24により、レメディ容器30を電磁波から遮蔽して収納することができる。
【0037】
なお、被覆部24を、可撓性を有する電磁波遮蔽シートを用いて形成し、可撓性を利用してレメディ容器30の上側に形状を合わせることもできる。そうすると、本体10に収納されるレメディ容器30を被覆し、電磁波からさらに確実に遮蔽することができる。また、天板21と被覆部24との間にスポンジを配し、レメディ容器30の形状、大きさに合わせて被覆部24が変形するようにしてもよい。
【0038】
なお、本体10の底部11の上面を先と同様の電磁波遮蔽シートを用いてカバーしてもよい。これにより、本体10に収納されるレメディ容器30を下方から被覆し、これを電磁波から遮蔽する。係る場合、本体10は、必ずしも、電磁波遮蔽材から構成する必要はない。
【0039】
なお、本実施例に係る電磁波遮蔽収納ケースでは、接続体12aにより蓋体20を本体10に傾動可能に接続し、蓋体20を傾動して本体10の上方を被せることで本体10を閉じる構成を採用したが、蓋体20及び本体10を別体として構成し、蓋体20の全体を本体10の上方から被せることで本体10を閉じる構成を採用してもよい。
【0040】
なお、本実施例に係る電磁波遮蔽収納ケースでは、本体10にのみレメディ容器30を電磁波から遮蔽して収納したが、蓋体20にもレメディ容器30を電磁波から遮蔽して収納してもよい。この場合、蓋体20の上下方向の幅を本体10と同程度にすることで、レメディ容器30を収納するスペースが構成される。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明の電磁波遮蔽収納ケースは、蓋体により間隙なく本体を閉じることで電磁波を遮蔽するのに好適である。多くのホメオパシー実施者、花療法実施者等による利用が考えられる。
【符号の説明】
【0042】
1 電磁波遮蔽収納ケース
2 電磁波遮蔽収納ケース
10 本体
11 底部
11a 凹部
12 周縁部
12a 接続体
20 蓋体
21 天板
22 周縁部
22a 凹部
23 凹溝(電磁波遮蔽シート)
24 被覆部(電磁波遮蔽シート)
24a 凹部
30 レメディ容器
【要約】
【課題】電磁波を遮蔽して収納物を収納する電磁波遮蔽収納ケースを提供すること。
【解決手段】電磁波遮蔽収納ケース1は、電磁波遮蔽材を含んで、底部11とこの底部11の周縁に立設する周縁部12とが形成された本体10、及び周縁部の上端に係合する電磁波遮蔽シート(凹溝23)を有する蓋体20を備える。蓋体20により、電磁波遮蔽シートを本体10の周縁部12の上端に係合することで間隙なく本体10を閉じることができる。従って、電磁波遮蔽収納ケース1は、ホメオパシー用のレメディを電磁波から遮蔽して収納することができる。
【選択図】図1
図1
図2
図3