特許第6161246号(P6161246)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6161246
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】半導体装置及び半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/808 20060101AFI20170703BHJP
   H01L 21/337 20060101ALI20170703BHJP
   H01L 21/338 20060101ALI20170703BHJP
   H01L 29/812 20060101ALI20170703BHJP
   H01L 29/778 20060101ALI20170703BHJP
【FI】
   H01L29/80 C
   H01L29/80 H
【請求項の数】4
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-218244(P2012-218244)
(22)【出願日】2012年9月28日
(65)【公開番号】特開2014-72424(P2014-72424A)
(43)【公開日】2014年4月21日
【審査請求日】2015年9月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】514107233
【氏名又は名称】トランスフォーム・ジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100144325
【弁理士】
【氏名又は名称】小澁 高弘
(72)【発明者】
【氏名】吉川 俊英
【審査官】 恩田 和彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−103425(JP,A)
【文献】 特開2009−231395(JP,A)
【文献】 特開2012−156321(JP,A)
【文献】 特表2011−529639(JP,A)
【文献】 特開2011−029648(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/337
H01L 21/338
H01L 29/778
H01L 29/808
H01L 29/812
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に、第1の半導体層及び第2の半導体層を順次積層して形成する工程と、
ゲート電極が形成される領域の直下における前記第2の半導体層及び前記第1の半導体層の一部を除去し開口部を形成する工程と、
前記開口部において露出している第1の半導体層の上に、第5の半導体層、第3の半導体層及び第4の半導体層を順次積層して形成した後、ドライエッチングによりゲート電極が形成される領域を除く領域における前記第4の半導体層、前記第3の半導体層及び前記第5の半導体層を除去する工程と、
前記第4の半導体層の上に、前記ゲート電極を形成する工程と、
前記第2の半導体層に接して、ソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、
を有し、
前記第4の半導体層は、p型の半導体材料により形成されており、
前記第1の半導体層と前記第5の半導体層は、同じ材料により形成されており、
前記第2の半導体層及び前記第3の半導体層は、AlGaNにより形成されており、前記第2の半導体層よりも前記第3の半導体層の方が、Alの組成比が低いことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記第5の半導体層と前記第3の半導体層との界面は、前記第1の半導体層と前記第2の半導体層との界面と、高さが略等しくなるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
基板上に、第1の半導体層及び第2の半導体層を順次積層して形成する工程と、
ゲート電極が形成される領域の直下における前記第2の半導体層を除去し開口部を形成する工程と、
前記開口部において露出している第1の半導体層の上に、第3の半導体層及び第4の半導体層を順次積層して形成した後、ドライエッチングによりゲート電極が形成される領域を除く領域における前記第4の半導体層及び前記第3の半導体層を除去する工程と、
前記第4の半導体層の上に、前記ゲート電極を形成する工程と、
前記第2の半導体層に接して、ソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、
を有し、
前記第4の半導体層は、p型の半導体材料により形成されており、
前記第2の半導体層及び前記第3の半導体層は、AlGaNにより形成されており、前記第2の半導体層よりも前記第3の半導体層の方が、Alの組成比が低いことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記開口部は、ドライエッチングにより形成されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
窒化物半導体であるGaN、AlN、InNまたは、これらの混晶からなる材料等は、広いバンドギャップを有しており、高出力電子デバイスまたは短波長発光デバイス等に用いられている。このうち、高出力電子デバイスとしては、電界効果型トランジスタ(FET:Field effect transistor)、特に、高電子移動度トランジスタ(HEMT:High Electron Mobility Transistor)に関する技術が開発されている。このような窒化物半導体を用いたHEMTは、大電流、高電圧、低オン抵抗動作が実現可能であることから、高出力・高効率増幅器、大電力スイッチングデバイス等に用いられる。
【0003】
窒化物半導体を用いたHEMTとしては、サファイア、SiC、GaN又はSi等の基板の上に、GaN層及びAlGaN層を順次形成し、GaN層を電子走行層とするHEMTが開示されている。このHEMTを形成しているGaNのバンドギャップは3.4eVであり、GaAsの1.4eVに比べて広い。従って、GaN層を電子走行層とするHEMTは、高耐圧における動作が可能であることから、高耐圧電源等の用途への検討がなされている。しかしながら、GaN等により形成されたHEMTは、通常はノーマリーオンとなるため、電源等の用途には不向きである。よって、ノーマリオフにするため、例えば、ゲート電極直下にp−GaN層等が形成されているもの等が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−359256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図1に基づき、ゲート電極直下にp−GaN層を形成した構造のHEMTについて説明する。この構造のHEMTは、基板910の上に、バッファ層921、GaN電子走行層922、AlGaN電子供給層923が積層されており、AlGaN電子供給層923の上には、ソース電極932及びドレイン電極933が形成されている。形成されたGaN電子走行層922とAlGaN電子供給層923により、GaN電子走行層922とAlGaN電子供給層923との界面近傍には、GaN電子走行層922に、2次元電子ガス(2DEG:2 dimensional electron gas)922aが形成される。また、AlGaN電子供給層923の上のゲート電極931の直下の領域には、p−GaN層924が形成されており、ゲート電極931は、p−GaN層924の上に形成されている。従って、ゲート電極931の直下には、p−GaN924が形成されているため、p−GaN924の直下、即ち、ゲート電極931の直下においては、2DEG922aが消失することから、ノーマリオフにすることができる。
【0006】
このように、図1に示される構造のHEMTを実際に作製し、ゲート電圧とドレイン電流との関係を測定した結果を図2に示す。図2に示されるように、図1に示される構造のHEMTは、ゲート電圧を印加した場合に、流れるドレイン電流にバラツキが生じ、また、ハンプが発生し、ゲート電圧が印加されていなくとも、約1×10−6〜1×10−7A/mmのドレイン電流が流れる場合がある。このように、素子ごとにドレイン電流にバラツキが生じてしまうと、オン抵抗にもバラツキが生じるため、この構造のHEMTを電源等に用いた場合、電源等の特性が不均一になってしまう。また、ハンプが発生すると、上述したように、ゲート電圧が印加されていなくとも、ドレイン電流が流れる場合があるため、完全なノーマリオフとはならず、発熱によりHEMTが破壊されてしまう場合がある。尚、図2は、同様の工程において作製された3つのHEMTの特性を示すものであり、印加されているドレイン電圧Vdは1Vである。
【0007】
よって、窒化物半導体により形成される半導体装置において、ノーマリオフとなるものであって、ゲート電圧が印加されていない状態において流れるドレイン電流が低く、オン状態において流れるドレイン電流が高く、均一となる半導体装置及び半導体装置の製造方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施の形態の一観点によれば、基板の上に形成された第1の半導体層と、前記第1の半導体層の上に形成された第2の半導体層及び第3の半導体層と、前記第3の半導体層の上に形成された第4の半導体層と、前記第4の半導体層の上に形成されたゲート電極と、前記第2の半導体層に接して形成されたソース電極及びドレイン電極と、を有し、第3の半導体層及び第4の半導体層は、前記ゲート電極の直下の領域に形成されており、前記第4の半導体層はp型の半導体材料により形成されており、前記第2の半導体層及び前記第3の半導体層は、AlGaNにより形成されており、前記第2の半導体層よりも前記第3の半導体層の方が、Alの組成比が低いことを特徴とする。
【0009】
また、本実施の形態の他の一観点によれば、基板上に、第1の半導体層及び第2の半導体層を順次積層して形成する工程と、ゲート電極が形成される領域の直下における前記第2の半導体層及び前記第1の半導体層の一部を除去し開口部を形成する工程と、前記開口部において露出している第1の半導体層の上に、第5の半導体層、第3の半導体層及び第4の半導体層を順次積層して形成する工程と、前記第4の半導体層の上に、ゲート電極を形成する工程と、前記第2の半導体層に接して、ソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、を有し、前記第4の半導体層は、p型の半導体材料により形成されており、前記第1の半導体層と前記第5の半導体層は、同じ材料により形成されており、前記第2の半導体層及び前記第3の半導体層は、AlGaNにより形成されており、前記第2の半導体層よりも前記第3の半導体層の方が、Alの組成比が低いことを特徴とする。
【0010】
また、本実施の形態の他の一観点によれば、基板上に、第1の半導体層及び第2の半導体層を順次積層して形成する工程と、ゲート電極が形成される領域の直下における前記第2の半導体層を除去し開口部を形成する工程と、前記開口部において露出している第1の半導体層の上に、第3の半導体層及び第4の半導体層を順次積層して形成する工程と、前記第4の半導体層の上に、ゲート電極を形成する工程と、前記第2の半導体層に接して、ソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、を有し、前記第4の半導体層は、p型の半導体材料により形成されており、前記第2の半導体層及び前記第3の半導体層は、AlGaNにより形成されており、前記第2の半導体層よりも前記第3の半導体層の方が、Alの組成比が低いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
開示の半導体装置及び半導体装置の製造方法によれば、窒化物半導体により形成される半導体装置において、ノーマリオフとなるものであって、ゲート電圧が印加されていない状態において流れるドレイン電流を低くすることができる。また、オン状態において流れるドレイン電流高く、均一にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】p−GaNが形成されている従来の半導体装置の構造図
図2】従来の半導体装置のドレイン電流の特性図
図3】従来の半導体装置の製造方法の説明図
図4】実際に作製される従来の半導体装置の構造図
図5】従来の半導体装置におけるエネルギバンド図
図6】従来の半導体装置における説明図
図7】第1の実施の形態における半導体装置の構造図
図8】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程図(1)
図9】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程図(2)
図10】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程図(3)
図11】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程図(4)
図12】第1の実施の形態における半導体装置のドレイン電流の特性図
図13】第1の実施の形態における他の半導体装置の構造図
図14】第2の実施の形態における半導体装置の構造図
図15】第3の実施の形態におけるディスクリートパッケージされた半導体デバイスの説明図
図16】第3の実施の形態における電源装置の回路図
図17】第3の実施の形態における高出力増幅器の構造図
【発明を実施するための形態】
【0013】
発明を実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0014】
〔第1の実施の形態〕
図1に示される構造のHEMTにおいて、図2に示されるように、ドレイン電流のバラツキが増える理由及びハンプが発生する理由について説明する。
【0015】
最初に、ドレイン電流のバラツキが増える理由について説明する。図1に示される構造のHEMTの製造工程は、まず、図3に示されるように、基板910の上に、バッファ層921、GaN電子走行層922、AlGaN電子供給層923、p−GaN膜924tを積層形成する。この後、ゲート電極931が形成される領域を除き、p−GaN膜924tを除去し、p−GaN層924を形成する。この際、ゲート電極931が形成されていない領域のp−GaN膜924tのみを除去することは極めて困難である。従って、形成されるHEMTでは、図4(a)に示されるように、ゲート電極931が形成される領域以外にもp−GaN膜924pが残ってしまう場合や、図4(b)に示されるように、AlGaN電子供給層923の一部が除去されてしまう場合がある。
【0016】
図4(a)に示されるように、ゲート電極931とソース電極932及びドレイン電極933との間に、p−GaN膜924pが残ってしまうと、残ったp−GaN膜924pにより、2DEG922aの密度が減少してしまう。これにより、ドレイン電流が少なくなり、オン抵抗が高くなってしまう。また、図4(b)に示されるように、ゲート電極931が形成される領域を除く領域において、AlGaN電子供給層923が、オーバーエッチングにより一部除去されてしまうと、この領域におけるAlGaN電子供給層923pの厚さが薄くなる。このようにAlGaN電子供給層923pの厚さが薄いと、2DEG922aの密度が減少してしまい、同様に、ドレイン電流が少なくなり、オン抵抗が高くなってしまう。
【0017】
以上のように、ドレイン電流は、残ったp−GaN膜924pの厚さや、AlGaN電子供給層923におけるオーバーエッチング量に依存するため、ドレイン電流のバラツキは、エッチングが均一ではないことに起因して生じるものと考えられる。しかしながら、前述したように、現在の技術では、ゲート電極931が形成されていない領域のp−GaN膜924tのみを除去することは極めて困難である。
【0018】
次に、ハンプが発生する理由について説明する。図5は、図1に示される構造のHEMTのエネルギバンド図である。図1に示される構造のHEMTにおいては、p−GaN層924の厚さが厚いと、ゲート電極931に電圧の印加を繰り返すうちに、ゲート電圧が印加されていなくとも、p−GaN層924内でAlGaN電子供給層923との界面付近にホールが溜まる場合がある。オン抵抗低減のために、AlGaN電子供給層923の厚みを20nm以上とし、かつAl組成を15%以上とすると、ノーマリオフにするためには、P−GaN層924の厚みを60nm以上にする必要がある。その場合は、ホールがたまりやすくなる。このように、p−GaN層924内でAlGaN電子供給層923との界面近傍にホールが溜まると、GaN電子走行層922とAlGaN電子供給層923との界面近傍のGaN電子走行層922において電子が誘起される。このようにGaN電子走行層922において電子が誘起されてしまうと、ゲート電圧が0Vにおいてもドレイン電流が流れてしまう。これはノーマリオフ動作とはいえず、好ましくない。図6には、p−GaN層924に溜まったホールと、これによりGaN電子走行層922とAlGaN電子供給層923との界面近傍のGaN電子走行層922において電子が誘起された状態を示す。尚、p−GaN層924にホールが溜まることを防ぐためには、p−GaN層924を薄くすればよいが、その場合、閾値電圧がマイナスとなってしまい、ノーマリオフとはならなくなる。よってp−GaN層924の厚さを薄くすることはノーマリオフの観点からは好ましくない。よってオン抵抗の低いAlGaN電子供給層923の状態でハンプを発生しない薄い厚みにp−GaN層924の厚みを制御することは極めて困難である。
【0019】
(半導体装置)
次に、本実施の形態における半導体装置について説明する。本実施の形態における半導体装置は、図7に示されるように、基板110の上に、バッファ層121、電子走行層122、電子供給層123、キャップ層124がエピタキシャル成長により積層形成されている。また、ゲート電極131の直下の領域においては、キャップ層124、電子供給層123、電子走行層122の一部が除去されており、この除去された領域には、再成長電子走行層125、再成長電子供給層126、p−GaN層127が形成されている。p−GaN層127の上には、ゲート電極131が形成されており、電子供給層123の上には、ソース電極132及びドレイン電極133が形成されている。電子走行層122には、Ar等を注入することにより素子分離領域141が形成されており、キャップ層124及び素子分離領域141の上には、SiN等により保護膜150が形成されている。本実施の形態においては、電子走行層122を第1の半導体層と記載し、電子供給層123を第2の半導体層と記載し、再成長電子供給層126を第3の半導体層と記載し、p−GaN層127を第4の半導体層と記載する場合がある。また、再成長電子走行層125を第5の半導体層と記載する場合がある。
【0020】
本実施の形態においては、基板110はシリコン、SiC等の半導体材料により形成されており、バッファ層121はi−AlGaNにより形成されている。電子走行層122はi−GaNにより形成されており、電子供給層123は厚さが約20nmのAl0.2Ga0.8Nにより形成されている。これにより、電子走行層122において、電子走行層122と電子供給層123との界面近傍には、2DEG122aが形成される。尚、電子供給層123は、AlGa1−xNと記載した場合に、0.15≦x≦0.3となるように形成されていることが好ましい。
【0021】
また、再成長電子走行層125はGaNにより形成されており、再成長電子供給層126は厚さが10nmのAl0.15Ga0.85Nにより形成されている。再成長電子供給層126は、電子供給層123よりもAlの組成比が低い材料により形成されており、AlGa1−yNと記載した場合に、0≦y≦0.2となるように、更には、0.1≦y≦0.2となるように形成されていることが好ましい。このように、再成長電子供給層126を電子供給層123よりもAlの組成比の低い材料により形成することにより、再成長電子供給層126が形成された領域の2DEG122aの密度を少なくすることができ、ノーマリオフとなりやすくなる。即ち、電子供給層123よりもAlの組成比の低い材料により再成長電子供給層126を形成することにより、p−GaN層127を薄くしてもノーマリオフを実現することができる。その場合、p−GaN層127の厚みが60nmよりも薄いためにホールがp−GaN層127とAlGaNにより形成される再成長電子供給層126との間に溜まることがなくなる。これにより、ハンプの発生を防ぐことができ、ノーマリオフになりやすくなる。
【0022】
また、再成長電子供給層126の膜厚は、電子供給層123の膜厚以下、更には、再成長電子供給層126の膜厚は、電子供給層123の膜厚よりも薄く形成されていることが好ましい。また、再成長電子供給層126は、厚さが8nm以上、12nm以下であることが好ましい。また、再成長電子走行層125と再成長電子供給層126との界面は、電子走行層122と電子供給層123との界面と、略同じ高さとなるように形成されていることが好ましいが、若干ずれてもよい。
【0023】
また、p−GaN層127は厚さが50nmのp−GaNにより形成されており、p型の不純物元素としてMgがドープされている。キャップ層124は厚さが5nmのn−GaNにより形成されている。ゲート電極131は、p−GaN層127にショットキー接触しており、ソース電極132及びドレイン電極133は、電子供給層123にオーミック接触している。
【0024】
本実施の形態においては、ゲート電極131の直下において、電子供給層123よりもAlの組成比の少ない再成長電子供給層126が、電子供給層123の膜厚以下で形成されている。また、再成長電子供給層126とゲート電極131との間には、p−GaN層127が形成されている。これにより、ゲート電極131の直下における2DEG122aを消失させることができる。よって、ゲート電極131において、ゲート電圧が印加されていない状態において流れるドレイン電流を抑制することができ、より確実にノーマリオフにすることができる。更に、再成長電子供給層126及びp−GaN層127は、ゲート電極131の直下において、略均一な厚さで形成されているため、ゲート電極131にゲート電圧を印加した場合において流れるドレイン電流のバラツキも少なくすることができる。
【0025】
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施の形態における半導体装置の製造方法について説明する。
【0026】
最初に、図8(a)に示すように、基板110の上に、バッファ層121、電子走行層122、電子供給層123、キャップ層124をMOVPE(Metal-Organic Vapor Phase Epitaxy:有機金属化学気相エピタキシー)により形成する。基板110は、例えば、SiCにより形成されており、バッファ層121はi−AlGaNにより形成されている。電子走行層122はi−GaNにより形成されている。電子供給層123は厚さが約20nmのAl0.2Ga0.8Nにより形成されており、n型となる不純物元素としてSiが1×1018cm−3の濃度でドープされている。キャップ層124は厚さが約5nmのGaNにより形成されており、n型となる不純物元素としてSiが1×1018cm−3の濃度でドープされている。これにより、電子走行層122において、電子走行層122と電子供給層123との界面近傍には、2DEG122aが形成される。
【0027】
上述した窒化物半導体層をMOVPEにより形成する際には、アルミニウム(Al)の原料としてトリメチルアルミニウム(TMAl)、ガリウム(Ga)の原料としてトリメチルガリウム(TMGa)、窒素(N)の原料としてアンモニア(NH)等が用いられる。n型の不純物元素であるSiの原料としてシラン、p型の不純物元素であるMgの原料としてCp2Mgが用いられる。
【0028】
次に、図8(b)に示すように、後述するゲート電極131が形成される領域の直下において、キャップ層124、電子供給層123、電子走行層122の一部を除去することにより開口部161を形成する。具体的には、キャップ層124の表面にフォトレジストを塗布し露光装置による露光、現像を行うことにより、開口部161が形成される領域に開口を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、RIE(Reactive Ion Etching)等によるドライエッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域のキャップ層124、電子供給層123、電子走行層122の一部を除去することにより開口部161を形成する。この際行われるドライエッチングにおいては、エッチングガスとして塩素(Cl)が用いられる。尚、不図示のレジストパターンは、この後、有機溶剤等により除去される。
【0029】
次に、図9(a)に示すように、開口部161が形成されている面に、MOVPEにより再成長電子走行層125、再成長電子供給層126、p−GaN層127を形成する。再成長電子走行層125はGaNにより形成されており、再成長電子走行層125の高さは、電子走行層122と電子供給層123との界面の高さと略一致するように形成する。再成長電子供給層126は厚さが約10nmのAl0.15Ga0.85Nにより形成されており、n型となる不純物元素としてSiが1×1018cm−3の濃度でドープされている。p−GaN層127は厚さが約50nmのp−GaNにより形成されており、p型となる不純物元素としてMgが4×1019cm−3の濃度でドープされている。
【0030】
次に、図9(b)に示すように、素子分離のための素子分離領域141を形成する。具体的には、p−GaN層127の上にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、素子分離領域141が形成される領域に開口を有するレジストパターンを形成する。この後、ドライエッチング等により、レジストパターンが形成されていない領域のp−GaN層127、再成長電子供給層126、再成長電子走行層125、キャップ層124、電子供給層123、電子走行層122の一部を除去し、素子分離用リセスを形成する。この後、10keVの加速電圧、1×1014cm−2のドーズ量でArを注入することにより、素子分離領域141を形成する。尚、不図示のレジストパターンは、この後、有機溶剤等により除去される。
【0031】
次に、図10(a)に示すように、ゲート電極131が形成される領域を除く領域におけるp−GaN層127を除去する。具体的には、p−GaN層127の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像により、ゲート電極131が形成される領域に不図示のレジストパターンを形成する。この後、RIE等のドライエッチングにより、レジストパターンが形成されていない領域のp−GaN層127、再成長電子供給層126、再成長電子走行層125を除去する。これにより、キャップ層124の表面が露出する。この際行われるドライエッチングでは、エッチングガスとして塩素が用いられる。この工程においては、ゲート電極131が形成される領域を除く領域において、再成長電子走行層125等が残ってしまう場合がある。しかしながら、p−GaN層127が除去されていれば、再成長電子走行層125等が残ったとしても、作製されるHEMTの特性に影響を与えることはない。これにより、ゲート電極131が形成される領域にp−GaN層127を形成することができる。尚、不図示のレジストパターンは、この後、有機溶剤等により除去される。
【0032】
次に、図10(b)に示すように、ゲート電極131が形成される領域に開口部151を有する保護膜150を形成する。具体的には、キャップ層124及びp−GaN層127の上に、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)により、厚さが約100nmのSiNからなる保護膜150を成膜する。この後、形成された保護膜150の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、ゲート電極131が形成される領域に開口を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、SFをエッチングガスとして用いたRIE等のドライエッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域のSiNからなる保護膜150を除去する。これにより、ゲート電極131が形成される領域において、保護膜150に開口部151を形成することができ、p−GaN層127の表面を露出させることができる。この後、不図示のレジストパターンは有機溶剤等により除去される。
【0033】
次に、図11(a)に示すように、ゲート電極131を形成する。具体的には、p−GaN層127及び保護膜150の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、ゲート電極131が形成される領域に開口を有するレジストパターンを形成する。この後、真空蒸着により、厚さが約30nmのNi(ニッケル)膜と厚さが約400nmのAu(金)膜からなる金属多層膜を成膜する。この後、有機溶剤等に浸漬させることにより、レジストパターンの上に成膜された金属多層膜をレジストパターンとともにリフトオフにより除去することにより、残存する金属多層膜によりゲート電極131を形成する。ゲート電極131は、p−GaN層127に接して形成されており、p−GaN層127にショットキー接触している。ゲート電極131は、例えば、ソース電極132からドレイン電極133へ向かう方向における長さ、即ち、ゲート長は約0.5μmとなり、ゲート長に直交する方向の長さ、即ち、ユニットゲート幅は約400μmとなるように形成される。
【0034】
次に、図11(b)に示すように、ソース電極132及びドレイン電極133を形成する。具体的には、保護膜150の上にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、ソース電極132及びドレイン電極133が形成される領域に開口を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターンの形成されていない領域の保護膜150、キャップ層124、電子供給層123の一部をRIE等のドライエッチングにより除去することにより、開口部を形成する。これにより、ソース電極132及びドレイン電極133が形成される領域において、電子供給層123を露出させることができる。尚、保護膜150であるSiNをドライエッチングにより除去する際には、エッチングガスとしてSF等が用いられる。この後、レジストパターンを有機溶剤等により除去した後、再び、保護膜150の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、ソース電極132及びドレイン電極133が形成される領域に開口を有するレジストパターンを形成する。この後、真空蒸着により、厚さが約30nmのTa(タンタル)膜と厚さが約200nmのAl(アルミニウム)膜からなる金属多層膜を成膜する。この後、有機溶剤等に浸漬させることにより、レジストパターンの上に成膜された金属多層膜をレジストパターンとともにリフトオフにより除去することにより、残存する金属多層膜によりソース電極132及びドレイン電極133を形成する。このようにして電子供給層123の上にソース電極132及びドレイン電極133を形成した後、600℃で熱処理を行うことにより、ソース電極132及びドレイン電極133をAlGaNからなる電子走行層123にオーミック接触させる。
【0035】
以上により、本実施の形態における半導体装置を製造することができる。
【0036】
図12には、本実施の形態における半導体装置であるHEMTのゲート電圧とドレイン電流との関係を示す。図12に示されるように、本実施の形態におけるHEMTでは、ハンプが発生しないため、ゲート電圧が印加されていない状態において流れるドレイン電流は、図2に示される場合よりも低くなる。また、ドレイン電流も高く、更に、均一である。よって、本実施の形態における半導体装置は、オン抵抗が低く、また、均一なものとなる。尚、図12は、同様の工程において作製された本実施の形態における2つの半導体装置の特性を示すものであり、印加されているドレイン電圧は1Vである。
【0037】
上記においては、再成長電子供給層126がAlGaNにより形成されている場合について説明したが、再成長電子供給層126はGaNにより形成されるものであってもよい。この場合、再成長電子走行層125と再成長電子供給層126との間には、2DEG122aは発生しないため、オン抵抗は高くなるものの、より確実にノーマリオフにすることができる。
【0038】
また、再成長電子供給層126は、電子供給層123よりもアルミニウムの組成比が低ければ、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。よって、図13に示されるように、再成長電子供給層126は電子供給層123と略同じ膜厚となるように形成してもよい。
【0039】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態における半導体装置について説明する。本実施の形態における半導体装置は、第1の実施の形態における再成長電子走行層125を形成することなく、電子走行層122の上に、再成長電子供給層126を形成した構造のものである。第1の実施の形態は、RIE等によるエッチングによりエッチング面がダメージを受けた場合を考慮して、電子走行層122の一部まで、エッチングにより除去した後、再成長電子走行層125及び再成長電子供給層126を形成したものである。しかしながら、電子走行層122等におけるエッチングによるダメージが少ない場合には、図14に示されるように、電子走行層122をエッチングにより除去することなく、電子走行層122の上に、再成長電子供給層126を形成してもよい。
【0040】
本実施の形態における半導体装置は、第1の実施の形態における半導体装置の製造方法において、電子走行層122をエッチングにより除去することなく、電子走行層122の上に、再成長電子供給層126等を形成することにより製造することができる。即ち、図8(b)に示される工程において、電子走行層122を除去することなく、キャップ層124及び電子供給層123を除去することにより開口部161を形成する。この後、図9(a)に示される工程において、開口部161における電子走行層122の上に、再成長電子供給層126、p−GaN層127を形成することにより、本実施の形態における半導体装置を作製することができる。
【0041】
尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
【0042】
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、半導体デバイス、電源装置及び高周波増幅器である。
【0043】
本実施の形態における半導体デバイスは、第1または第2の実施の形態における半導体装置をディスクリートパッケージしたものであり、このようにディスクリートパッケージされた半導体デバイスについて、図15に基づき説明する。尚、図15は、ディスクリートパッケージされた半導体装置の内部を模式的に示すものであり、電極の配置等については、第1または第2の実施の形態に示されているものとは、異なっている。
【0044】
最初に、第1または第2の実施の形態において製造された半導体装置をダイシング等により切断することにより、GaN系の半導体材料のHEMTの半導体チップ410を形成する。この半導体チップ410をリードフレーム420上に、ハンダ等のダイアタッチ剤430により固定する。
【0045】
次に、ゲート電極441をゲートリード421にボンディングワイヤ431により接続し、ソース電極442をソースリード422にボンディングワイヤ432により接続し、ドレイン電極443をドレインリード423にボンディングワイヤ433により接続する。尚、ボンディングワイヤ431、432、433はAl等の金属材料により形成されている。また、本実施の形態におけるゲート電極441はゲート電極パッドであり、第1または第2の実施の形態におけるゲート電極131と接続されている。同様に、ソース電極442はソース電極パッドでありソース電極132と接続されており、ドレイン電極443はドレイン電極パッドでありドレイン電極133と接続されている。
【0046】
次に、トランスファーモールド法によりモールド樹脂440による樹脂封止を行なう。このようにして、GaN系の半導体材料を用いたHEMTのディスクリートパッケージされている半導体デバイスを作製することができる。
【0047】
また、本実施の形態における電源装置及び高周波増幅器は、第1または第2の実施の形態における半導体装置のいずれかを用いた電源装置及び高周波増幅器である。
【0048】
図16に基づき、本実施の形態における電源装置について説明する。本実施の形態における電源装置460は、高圧の一次側回路461、低圧の二次側回路462及び一次側回路461と二次側回路462との間に配設されるトランス463を備えている。一次側回路461は、交流電源464、いわゆるブリッジ整流回路465、複数のスイッチング素子(図16に示す例では4つ)466及び一つのスイッチング素子467等を備えている。二次側回路462は、複数のスイッチング素子(図16に示す例では3つ)468を備えている。図16に示す例では、第1または第2の実施の形態における半導体装置を一次側回路461のスイッチング素子466及び467として用いている。尚、一次側回路461のスイッチング素子466及び467は、ノーマリオフの半導体装置であることが好ましい。また、二次側回路462において用いられているスイッチング素子468はシリコンにより形成される通常のMISFET(metal insulator semiconductor field effect transistor)を用いている。
【0049】
また、図17に基づき、本実施の形態における高周波増幅器について説明する。本実施の形態における高周波増幅器470は、例えば、携帯電話の基地局用パワーアンプに適用してもよい。この高周波増幅器470は、ディジタル・プレディストーション回路471、ミキサー472、パワーアンプ473及び方向性結合器474を備えている。ディジタル・プレディストーション回路471は、入力信号の非線形歪みを補償する。ミキサー472は、非線形歪みが補償された入力信号と交流信号とをミキシングする。パワーアンプ473は、交流信号とミキシングされた入力信号を増幅する。図17に示す例では、パワーアンプ473は、第1または第2の実施の形態における半導体装置を有している。方向性結合器474は、入力信号や出力信号のモニタリング等を行なう。図17に示す回路では、例えば、スイッチの切り替えにより、ミキサー472により出力信号を交流信号とミキシングしてディジタル・プレディストーション回路471に送出することが可能である。
【0050】
以上、実施の形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
【0051】
上記の説明に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
基板の上に形成された第1の半導体層と、
前記第1の半導体層の上に形成された第2の半導体層及び第3の半導体層と、
前記第3の半導体層の上に形成された第4の半導体層と、
前記第4の半導体層の上に形成されたゲート電極と、
前記第2の半導体層に接して形成されたソース電極及びドレイン電極と、
を有し、第3の半導体層及び第4の半導体層は、前記ゲート電極の直下の領域に形成されており、
前記第4の半導体層はp型の半導体材料により形成されており、
前記第2の半導体層及び前記第3の半導体層は、AlGaNにより形成されており、前記第2の半導体層よりも前記第3の半導体層の方が、Alの組成比が低いことを特徴とする半導体装置。
(付記2)
前記第3の半導体層の膜厚は、前記第2の半導体層の膜厚以下であることを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記3)
前記第1の半導体層は、GaNを含む材料により形成されていることを特徴とする付記1または2に記載の半導体装置。
(付記4)
前記第2の半導体層の下には、前記第1の半導体層の一部を除去した後、前記除去された領域にGaNを含む材料を再成長させることにより形成された第5の半導体層を有することを特徴とする付記1から3のいずれかに記載の半導体装置。
(付記5)
前記第3の半導体層は、AlGa1−yNと記載した場合に、yの値が0≦y≦0.2となる材料により形成されていることを特徴とする付記1から4のいずれかに記載の半導体装置。
(付記6)
前記第3の半導体層は、厚さが8nm以上、12nm以下となるように形成されていることを特徴とする付記1から5のいずれかに記載の半導体装置。
(付記7)
前記第2の半導体層の上には、n型のGaNを含む材料によりキャップ層が形成されていることを特徴とする付記1から6のいずれかに記載の半導体装置。
(付記8)
前記第4の半導体層は、GaNを含む材料により形成されていることを特徴とする付記1から7のいずれかに記載の半導体装置。
(付記9)
前記第4の半導体層には、Mgがドープされていることを特徴とする付記8に記載の半導体装置。
(付記10)
前記第2の半導体層及び前記第3の半導体層には、Siがドープされていることを特徴とする付記1から9のいずれかに記載の半導体装置。
(付記11)
付記1から10のいずれかに記載の半導体装置を有することを特徴とする電源装置。
(付記12)
付記1から10のいずれかに記載の半導体装置を有することを特徴とする増幅器。
(付記13)
基板上に、第1の半導体層及び第2の半導体層を順次積層して形成する工程と、
ゲート電極が形成される領域の直下における前記第2の半導体層及び前記第1の半導体層の一部を除去し開口部を形成する工程と、
前記開口部において露出している第1の半導体層の上に、第5の半導体層、第3の半導体層及び第4の半導体層を順次積層して形成する工程と、
前記第4の半導体層の上に、ゲート電極を形成する工程と、
前記第2の半導体層に接して、ソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、
を有し、
前記第4の半導体層は、p型の半導体材料により形成されており、
前記第1の半導体層と前記第5の半導体層は、同じ材料により形成されており、
前記第2の半導体層及び前記第3の半導体層は、AlGaNにより形成されており、前記第2の半導体層よりも前記第3の半導体層の方が、Alの組成比が低いことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記14)
前記第5の半導体層、前記第3の半導体層及び第4の半導体層は、MOVPEにより形成されることを特徴とする付記13に記載の半導体装置の製造方法。
(付記15)
前記第5の半導体層と前記第3の半導体層との界面は、前記第1の半導体層と前記第2の半導体層との界面と、高さが略等しくなるように形成されていることを特徴とする付記13または14に記載の半導体装置の製造方法。
(付記16)
基板上に、第1の半導体層及び第2の半導体層を順次積層して形成する工程と、
ゲート電極が形成される領域の直下における前記第2の半導体層を除去し開口部を形成する工程と、
前記開口部において露出している第1の半導体層の上に、第3の半導体層及び第4の半導体層を順次積層して形成する工程と、
前記第4の半導体層の上に、ゲート電極を形成する工程と、
前記第2の半導体層に接して、ソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、
を有し、
前記第4の半導体層は、p型の半導体材料により形成されており、
前記第2の半導体層及び前記第3の半導体層は、AlGaNにより形成されており、前記第2の半導体層よりも前記第3の半導体層の方が、Alの組成比が低いことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記17)
前記第3の半導体層及び第4の半導体層は、MOVPEにより形成されることを特徴とする付記16に記載の半導体装置の製造方法。
(付記18)
前記第3の半導体層の膜厚は、前記第2の半導体層の膜厚以下であることを特徴とする付記13から17のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記19)
前記第2の半導体層の上に、n型のGaNを含む材料によりキャップ層を形成する工程を含むことを特徴とする付記13から18のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記20)
前記開口部は、ドライエッチングにより形成されることを特徴とする付記13から19のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0052】
110 基板
121 バッファ層
122 電子走行層(第1の半導体層)
122a 2DEG
123 電子供給層(第2の半導体層)
124 キャップ層
125 再成長電子走行層(第5の半導体層)
126 再成長電子供給層(第3の半導体層)
127 p−GaN層(第4の半導体層)
131 ゲート電極
132 ソース電極
133 ドレイン電極
141 素子分離領域
150 保護膜
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17