特許第6161267号(P6161267)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6161267
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】コンデンサ、およびチャージポンプ回路
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/822 20060101AFI20170703BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20170703BHJP
   H02M 3/07 20060101ALI20170703BHJP
   H01G 4/38 20060101ALI20170703BHJP
   H01G 4/30 20060101ALI20170703BHJP
   H01G 4/33 20060101ALI20170703BHJP
   H01G 4/12 20060101ALI20170703BHJP
   H01G 4/40 20060101ALI20170703BHJP
【FI】
   H01L27/04 C
   H02M3/07
   H01L27/04 G
   H01G4/38 A
   H01G4/30 301C
   H01G4/06 102
   H01G4/12 394
   H01G4/40 A
【請求項の数】6
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2012-259431(P2012-259431)
(22)【出願日】2012年11月28日
(65)【公開番号】特開2014-107415(P2014-107415A)
(43)【公開日】2014年6月9日
【審査請求日】2015年8月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】302062931
【氏名又は名称】ルネサスエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤本 敏夫
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 孝
【審査官】 小堺 行彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−208101(JP,A)
【文献】 特開2010−118563(JP,A)
【文献】 特開平06−283667(JP,A)
【文献】 特開平08−306870(JP,A)
【文献】 特開2008−235498(JP,A)
【文献】 特表2009−537972(JP,A)
【文献】 特開2011−087385(JP,A)
【文献】 特開2002−026254(JP,A)
【文献】 特開2012−023177(JP,A)
【文献】 特開2007−142379(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/822
H01G 4/12
H01G 4/30
H01G 4/33
H01G 4/38
H01G 4/40
H01L 27/04
H02M 3/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の上方の第1のポリシリコン層を用いて形成された第1の電極と、
前記第1のポリシリコン層の上方の第2のポリシリコン層を用いて形成された第2の電極と、
前記第2のポリシリコン層の上方の金属配線層を用いて形成された第3および第4の電極とを備え、
前記半導体基板と前記第1の電極は、互いに対向して設けられて第1のコンデンサ素子を構成し、
前記第1および第2の電極は、互いに対向して設けられて第2のコンデンサ素子を構成し、
前記第3および第4の電極は、隣接して設けられて第3のコンデンサ素子を構成しており、
さらに、第1および第2の端子を備え、
前記第1および第2のコンデンサ素子は並列接続され、
前記第3のコンデンサ素子は前記第1および第2のコンデンサ素子とともに前記第1および第2の端子間に接続されており、
2組の前記第1および第2の電極が設けられ、
前記第3および第4の電極は、前記2組の前記第1および第2の電極の上方に設けられ、
前記2組のうちの第1の組の前記第1の電極は前記半導体基板のうちの第1のウェルに対向して設けられ、前記2組のうちの第2の組の前記第1の電極は前記半導体基板のうちの第2のウェルに対向して設けられ、
前記第1の端子は前記第1のウェルと前記第3の電極と前記第1の組の前記第2の電極とに接続され、
前記第1の組の前記第1の電極と第2のウェルと前記第2の組の第2の電極とは互いに接続され、
前記第2の端子は前記第4の電極と前記第2の組の前記第1の電極とに接続され、
前記第1および第2の組の前記第1のコンデンサ素子は前記第1および第2の端子間に直列接続され、
前記第1および第2の組の前記第2のコンデンサ素子は前記第1および第2の端子間に直列接続され、
前記第3のコンデンサ素子は前記第1および第2の端子間に接続されている、コンデンサ。
【請求項2】
前記金属配線層を用いて複数の前記第3および第4の電極が形成され、
各第3の電極は第1の方向に延在し、各第4の電極は前記第1の方向に延在し、
複数の前記第3および第4の電極は、前記第1の方向と直交する第2の方向に配列され、
さらに、前記金属配線層を用いて形成された第5および第6の電極を備え、
前記第5の電極は、前記第2の方向に延在し、複数の前記第3および第4の電極の一方端側に配置されて各第3の電極に接続され、
前記第6の電極は、前記第2の方向に延在し、複数の前記第3および第4の電極の他方端側に配置されて各第4の電極に接続されている、請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項3】
複数の前記金属配線層が設けられ、
前記第3〜第6の電極は各金属配線層を用いて形成され、
複数の前記第3〜第6の電極は前記半導体基板の表面に垂直な第3の方向に配列され、
複数の第5の電極は互いに接続され、複数の第6の電極は互いに接続されている、請求項2に記載のコンデンサ。
【請求項4】
前記第1の端子は前記半導体基板と前記第2および第3の電極に接続され、
前記第2の端子は前記第1および第4の電極に接続され、
前記第1〜第3のコンデンサ素子は前記第1および第2の端子間に並列接続されている、請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項5】
請求項1に記載の前記コンデンサがM個(ただし、Mは2以上の整数である)設けられ、
直列接続された第1〜第(M+1)のダイオードを備え、
M個の前記コンデンサの前記第1および第2の端子のうちの一方端子はそれぞれ前記第1〜第Mの前記ダイオードのカソードに接続され、
奇数番の前記ダイオードのカソードに接続された前記コンデンサの他方端子が第1のクロック信号を受け、
偶数番のダイオードのカソードに接続された前記コンデンサの他方端子が第2のクロック信号を受け、
前記第1および第2のクロック信号は互いに位相が180度ずれている、チャージポンプ回路。
【請求項6】
請求項1に記載の前記コンデンサが(2M+1)個(ただし、Mは2以上の整数である)設けられ、(2M+1)個のコンデンサは、第1グループのM個のコンデンサと、第2グループの(M+1)個のコンデンサに分類され、
直列接続された第1〜第(M+1)のトランジスタを備え、
前記第1グループのM個の前記コンデンサの前記第1および第2の端子のうちの一方端子はそれぞれ前記第1〜第Mの前記トランジスタのソースに接続され、
前記第1グループのM個の前記コンデンサのうち前記第1〜第(M+1)のトランジスタの中の奇数番のトランジスタに対応する前記コンデンサの他方端子が第1のクロック信号を受け、
前記第1グループのM個の前記コンデンサのうち前記第1〜第(M+1)のトランジスタの中の偶数番のトランジスタに対応する前記コンデンサの他方端子が第2のクロック信号を受け、
前記第2グループの(M+1)個の前記コンデンサの前記第1および第2の端子のうちの一方端子はそれぞれ前記第1〜第(M+1)の前記トランジスタのゲートに接続され、
前記第2グループの(M+1)個の前記コンデンサのうち前記第1〜第(M+1)のトランジスタの中の奇数段のトランジスタに対応する前記コンデンサの他方端子が第3のクロック信号を受け、
前記第2グループの(M+1)個の前記コンデンサのうち前記第1〜第(M+1)のトランジスタの中の偶数段のトランジスタに対応する前記コンデンサの他方端子が第4のクロック信号を受け、
前記第1および第2のクロック信号は互いに位相が180度ずれており、
前記第3および第4のクロック信号は互いに位相が180度ずれており、
前記第1および第3のクロック信号は互いに位相が180度ずれている、チャージポンプ回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンデンサ、チャージポンプ回路、および半導体装置に関し、たとえばチャージポンプ回路を備えたフラッシュメモリに好適に利用できるものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、フラッシュメモリには、メモリセルのデータを書き換えるための高電圧を生成するチャージポンプ回路が設けられている。チャージポンプ回路は、複数のダイオードおよび複数のコンデンサを含む。複数のダイオードは、たとえば、電源電圧のラインと出力端子との間に直列接続されている。各コンデンサの一方電極は、2つのダイオードの間のノードに接続されている。奇数段のダイオードに対応するコンデンサの他方電極は第1のクロック信号を受ける。偶数段のダイオードに対応するコンデンサの他方電極は第2のクロック信号を受ける。第1および第2のクロック信号が交互に「L」レベルから「H」レベルに立ち上げられると、複数のダイオードのカソードの電圧が順次高くなり、高電圧が出力端子に出力される。
【0003】
なお、特許文献1には、トランジスタ構造のコンデンサや、2重ゲート型トランジスタ構造のコンデンサが開示されている。また、特許文献2には、櫛形電極構造のコンデンサが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-23177号公報
【特許文献2】特開2008-130683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなチャージポンプ回路では、複数のコンデンサの容量値を等しくする必要がある。また、出力端子に近いダイオードに対応するコンデンサには高電圧が印加されるので、そのようなコンデンサとして高耐圧コンデンサを使用する必要がある。たとえば、通常耐圧コンデンサを用いて、通常耐圧コンデンサと同じ容量値で耐圧が2倍の高耐圧コンデンサを得るためには、通常耐圧コンデンサを4つ使用する必要がある(図1参照)。したがって、チャージポンプ回路のレイアウト面積が大きくなるという問題があった。
【0006】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施の形態によれば、本願のコンデンサでは、ウェル領域上に絶縁膜を介して第1および第2のポリシリコン層が積層される2重ゲート型トランジスタに似た構造のコンデンサの上にMIM(Metal Insulator Metal)構造のコンデンサが配置される。
【発明の効果】
【0008】
一実施の形態によれば、レイアウト面積が小さなコンデンサおよびチャージポンプ回路を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本願の実施の形態1の比較例1となるチャージポンプ回路の構成を示す回路図である。
図2図1に示した2つのクロック信号の波形を示す図である。
図3図1に示した通常耐圧のコンデンサの構成を示す図である。
図4図1に示した高耐圧のコンデンサの構成を示す図である。
図5】本願の実施の形態1の比較例2となるチャージポンプ回路に含まれる通常耐圧のコンデンサの構成を示す図である。
図6図5で説明したチャージポンプ回路に含まれる高耐圧のコンデンサの構成を示す図である。
図7】本願の実施の形態1によるチャージポンプ回路の構成を示す回路図である。
図8図7に示した通常耐圧のコンデンサの構成を示す図である。
図9図8に示したコンデンサの構成を示す平面図である。
図10図8に示したコンデンサの構成を示す斜視図である。
図11図7に示した高耐圧のコンデンサの構成を示す図である。
図12図11に示したコンデンサの構成を示す平面図である。
図13図11に示したコンデンサの構成を示す斜視図である。
図14】実施の形態1の変更例を示す図である。
図15】本願の実施の形態2によるチャージポンプ回路の構成を示す回路図である。
図16図15に示した高耐圧のコンデンサの構成を示す断面図である。
図17】本願の実施の形態3によるチャージポンプ回路の構成を示す回路図である。
図18図17に示した4つのクロック信号の波形を示す図である。
図19】本願の実施の形態4によるマイクロコンピュータの構成を示すブロック図である。
図20図19に示したフラッシュメモリの構成を示すブロック図である。
図21図20に示した電源回路の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本願の理解を容易にするために、実施の形態を説明する前に、比較例について説明する。
【0011】
[比較例1]
図1は、本願の実施の形態1の比較例1となるチャージポンプ回路の構成を示す回路図である。図1において、このチャージポンプ回路は、複数(図では6個)のNチャネルMOSトランジスタQ1〜Q6、5個のコンデンサC1〜C5、5個のドライバDR1〜DR5、および出力端子TOを備える。
【0012】
NチャネルMOSトランジスタQ1〜Q6は、電源電圧VDDのラインと出力端子TOとの間に直列接続される。トランジスタQ1〜Q6のゲートは、それぞれトランジスタQ1〜Q6のソースに接続されている。トランジスタQ1〜Q6の各々はダイオードとして動作し、そのゲートおよびドレインがダイオードのアノードとなり、そのソースがカソードとなる。NチャネルMOSトランジスタQ1〜Q6の各々は、電荷を転送するために用いられる。
【0013】
コンデンサC1〜C5の一方端子T1はそれぞれドライバDR1〜DR5の出力クロック信号を受け、それらの他方端子T2はそれぞれトランジスタQ1〜Q5のソースに接続される。コンデンサC1〜C3の各々は通常耐圧のコンデンサであり、コンデンサC4,C5の各々は高耐圧のコンデンサである。
【0014】
クロック信号CLK2は、奇数番のドライバDR1,DR3,DR5に与えられる。クロック信号CLK1は、偶数番のドライバDR2,DR4に与えられる。ドライバDR1〜DR5の各々は、直列接続された偶数段(たとえば2段)のインバータを含むバッファであり、クロック信号CLKを対応のトランジスタQのソースに伝達する。
【0015】
クロック信号CLK1とCLK2は、図2(a)(b)に示すように、互いに相補な信号である。すなわち、クロック信号CLK1,CLK2の位相は、互いに180度ずれている。クロック信号CLK1が「H」レベルになるとクロック信号CLK2が「L」レベルになり、クロック信号CLK1が「L」レベルになるとクロック信号CLK2が「H」レベルになる。
【0016】
次に、このチャージポンプ回路の動作について説明する。図1において、クロック信号CLK1,CLK2がそれぞれ「H」レベルおよび「L」レベルにされると、コンデンサC1〜C5の容量結合によってトランジスタQ1,Q3,Q5のソース電圧が低下し、トランジスタQ2,Q4のソース電圧が上昇する。これにより、電源電圧VDDのラインからトランジスタQ1を介してコンデンサC1に電流が流れ、コンデンサC1が充電される。また、トランジスタQ3,Q5に電流が流れ、コンデンサC2,C4の電荷がそれぞれコンデンサC3,C5に転送される。
【0017】
次に、クロック信号CLK1,CLK2がそれぞれ「L」レベルおよび「H」レベルにされると、コンデンサC1〜C5の容量結合によってトランジスタQ1,Q3,Q5のソース電圧が上昇し、トランジスタQ2,Q4のソース電圧が低下する。これにより、トランジスタQ2,Q4,Q6に電流が流れ、コンデンサC1,C3の電荷がそれぞれコンデンサC2,C4に転送され、コンデンサC5の電荷が出力端子TOに供給される。このような動作が繰り返され、出力端子TOの電圧が徐々に上昇する。
【0018】
出力端子TOの電圧と目標電圧とがコンパレータ(図示せず)によって比較され、出力端子TOの電圧が目標電圧以上になると、クロック信号CLK1,CLK2が遮断されてチャージポンプ回路の運転が停止される。出力端子TOの電圧が目標電圧よりも低下すると、クロック信号CLK1,CLK2が供給されてチャージポンプ回路の運転が再開される。これにより、出力端子TOの電圧は、目標電圧に維持される。
【0019】
図3(a)は通常耐圧のコンデンサC1の構成を示す断面図であり、図3(b)はコンデンサC1の構成を示す回路図である。図3(a)(b)において、コンデンサC1は、コンデンサ素子1と、2つの端子T1,T2とを含む。コンデンサ素子1は、P型シリコン基板SBの表面に形成されている。P型シリコン基板SBの表面にN型ウェルNWが形成され、N型ウェルNWの表面上に第1絶縁層(図示せず)を介して電極EL1が形成されている。電極EL1は、第1ポリシリコン層PS1を用いて形成されている。
【0020】
N型ウェルNWの表面のうちの電極EL1と対向する領域の周囲には環状の絶縁膜INSが形成され、環状の絶縁膜INSの周囲には環状のn型不純物拡散層NDが形成されている。n型不純物拡散層NDの周囲は絶縁膜INSで囲まれている。n型不純物拡散層NDは端子T1に接続され、電極EL1は端子T2に接続される。たとえば、端子T1は「L」レベル側に接続され、端子T2は「H」レベル側に接続される。
【0021】
コンデンサ素子1は、MOSトランジスタと似た構造を持つ。コンデンサC1は、電極EL1とN型ウェルNWが対向している面積と、電極EL1とN型ウェルNW間の距離と、絶縁層(図示せず)の誘電率とで決まる容量値を有する。コンデンサC2,C3の各々も、コンデンサC1と同じ構成である。コンデンサC1〜C3の容量値は同じである。
【0022】
図4(a)は高耐圧のコンデンサC4の構成を示す断面図であり、図4(b)はコンデンサC4の構成を示す回路図である。図4(a)(b)において、コンデンサC4は、4つのコンデンサ素子2〜5と、2つの端子T1,T2を含む。コンデンサ素子2,3は、端子T1,T2間に直列接続される。コンデンサ素子4,5は、端子T1,T2間に直列接続される。コンデンサ素子2〜5の各々は、コンデンサC1と同じ構成である。
【0023】
コンデンサ素子2,4のn型不純物拡散層NDは、ともに端子T1に接続される。コンデンサ素子2,4の電極EL1とコンデンサ素子3,5のn型不純物拡散層NDは互いに接続される。コンデンサ素子3,5の電極EL1は、ともに端子T2に接続される。たとえば、端子T1は「L」レベル側に接続され、端子T2は「H」レベル側に接続される。
【0024】
このコンデンサC4は、理論的にはコンデンサC1と同じ容量値を有し、コンデンサC1の2倍の耐圧を有する。ただし、コンデンサ素子3,5のN型ウェルNWと接地電圧VSSのラインとの間にそれぞれ寄生容量6,7が存在するので、コンデンサC4の実際の容量値は理論値よりも小さくなる。したがって、コンデンサC4の容量値とコンデンサC1の容量値とを実際に等しくするためには、コンデンサ素子2〜5の各々の面積をコンデンサC1よりも大きくする必要がある。つまり、コンデンサC4の面積は、コンデンサC1の面積の4倍よりも大きくなる。コンデンサC5もコンデンサC4と同じ構成である。
【0025】
[比較例2]
図5(a)は、実施の形態1の比較例2となるチャージポンプ回路に含まれる通常耐圧のコンデンサC7の構成を示す断面図であり、図5(b)はコンデンサC7の構成を示す回路図である。
【0026】
図5(a)(b)において、コンデンサC7は、コンデンサ素子10と、端子T1,T2とを含む。コンデンサ素子10は、P型シリコン基板SBの表面に形成されている。P型シリコン基板SBの表面にN型ウェルNWとP型ウェルPWが形成されている。N型ウェルNWの表面上に第1絶縁層(図示せず)を介して電極EL1が形成され、電極EL1上に第2絶縁層(図示せず)を介して電極EL2が形成されている。電極EL1は第1ポリシリコン層PS1を用いて形成され、電極EL2は第2ポリシリコン層PS2を用いて形成されている。すなわち、ウェル領域上方に絶縁膜を介して積層された第1および第2のポリシリコン層を用いて積層型容量が形成されている。
【0027】
N型ウェルNWの表面のうちの電極EL1と対向する領域の周囲には環状の絶縁膜INSが形成され、環状の絶縁膜INSの周囲には環状のn型不純物拡散層NDが形成されている。n型不純物拡散層NDの周囲は絶縁膜INSで囲まれている。また、P型ウェルPWの表面にp型不純物拡散層PDが形成され、p型不純物拡散層の周囲には絶縁膜INSが形成されている。p型不純物拡散層PDには、接地電圧VSSが与えられる。
【0028】
コンデンサ素子10は、2つのコンデンサ素子11,12を含む。コンデンサ素子11は、電極EL1とN型ウェルNWが対向している面積と、電極EL1とN型ウェルNW間の距離と、第1絶縁層(図示せず)の誘電率とで決まる第1容量値を有する。コンデンサ素子12は、電極EL1と電極EL2が対向している面積と、電極EL1,EL2間の距離と、第2絶縁層(図示せず)の誘電率とで決まる第2容量値を有する。第1容量値と第2容量値は等しい。コンデンサ素子10は、2重ゲートを有するフラッシュメモリトランジスタと似た構造を持つ。
【0029】
通常耐圧のコンデンサC7では、電極EL2とn型不純物拡散層NDは端子T1に接続され、電極EL1は端子T2に接続される。たとえば、端子T1は「L」レベル側に接続され、端子T2は「H」レベル側に接続される。コンデンサC7は、端子T1,T2間に並列接続された2つのコンデンサ素子11,12を含む。
【0030】
コンデンサC7の電極EL1の面積と、図3(a)(b)で示したコンデンサC1の電極EL1の面積とを同じにすれば、コンデンサC7の容量値はコンデンサC1の容量値の2倍になる。また、コンデンサC7の電極EL1の面積をコンデンサC1の電極EL1の面積の1/2倍にすれば、コンデンサC7の容量値はコンデンサC1の容量値と同じになる。電極EL1の面積を1/2倍にしたコンデンサC7は、たとえば、図1で示したチャージポンプ回路においてコンデンサC1〜C3の各々の代わりに使用される。
【0031】
図6(a)は、実施の形態1の比較例2となるチャージポンプ回路に含まれる高耐圧のコンデンサC8の構成を示す断面図であり、図6(b)はコンデンサC8の構成を示す回路図である。このコンデンサC8は、コンデンサ素子10と、2つの端子T1,T2とを含む。
【0032】
このコンデンサC8では、n型不純物拡散層NDは端子T1に接続され、電極EL2は端子T2に接続される。電極EL1は、フローティング状態にされる。たとえば、端子T1は「L」レベル側に接続され、端子T2は「H」レベル側に接続される。このコンデンサC8は、端子T1,T2間に直列接続された2つのコンデンサ素子11,12を含む。このコンデンサC8では、2つのコンデンサ素子11,12が縦積みされて直列接続されているので、図4(b)で示したような寄生容量6,7は無視することができる。
【0033】
コンデンサC8の電極EL1の面積を、図3(a)(b)で示したコンデンサC1の電極EL1の面積とを同じにすれば、コンデンサC8の容量値はコンデンサC1の容量値の1/2倍になる。また、コンデンサC8の電極EL1の面積をコンデンサC1の電極EL1の面積の2倍にすれば、コンデンサC8の容量値はコンデンサC1の容量値と同じになる。電極EL1の面積を2倍にしたコンデンサC8は、たとえば、図1で示したチャージポンプ回路においてコンデンサC4,C5の各々の代わりに使用される。
【0034】
電極EL1の面積を2倍にしたコンデンサC8の面積は、コンデンサC4の面積の1/2倍である。したがって、この比較例1,2において同じ電流供給能力のチャージポンプ回路を作成すると、比較例2のチャージポンプ回路のコンデンサ部の面積は、比較例1のチャージポンプ回路のコンデンサ部の面積の1/2で済む。
【0035】
[実施の形態1]
図7は、本願の実施の形態1によるチャージポンプ回路の構成を示す回路図であって、図1と対比される図である。図7を参照して、このチャージポンプ回路が図1のチャージポンプ回路と異なる点は、コンデンサC1〜C5がそれぞれコンデンサC11〜C15と置換されている点である。
【0036】
図8(a)は、通常耐圧のコンデンサC11の構成を示す断面図であって、図5(a)と対比される図である。また図8(b)は、コンデンサC11の構成を示す回路図であって、図5(b)と対比される図である。また、図9は、コンデンサC11を上方から見た図である。図8(a)は、図9のVIIIA−VIIIA線断面図である。また、図10は、コンデンサC11の構成を示す斜視図である。
【0037】
図8(a)(b)〜図10を参照して、コンデンサC11は、コンデンサ素子15と、2つの端子T1,T2とを含む。コンデンサ素子15は、図5(a)で示したコンデンサ素子10の上方に、コンデンサ素子13を形成したものである。
【0038】
シリコン基板SBの表面の上方に第1ポリシリコン層PS1、第2ポリシリコン層PS2、第1金属配線層M1、第2金属配線層M2、第3金属配線層M3、第4金属配線層M4、第5金属配線層M5が順次形成されており、これらは互いに絶縁されている。上述の通り、第1ポリシリコン層PS1を用いて電極EL1が形成され、第2ポリシリコン層PS2を用いて電極EL2が形成されている。第1金属配線層M1を用いて端子T1および電極EL2間などを接続する配線SL1,SL2が形成されている。
【0039】
また、第2〜第5金属配線層M2〜M5の各々を用いて、複数の電極EL3,EL4と電極EL5,EL6とが形成されている。電極EL3,EL4の各々は、Y方向に延在している。電極EL3とEL4は、Y方向と直交するX方向に交互に配列されている。電極EL3とEL4は、所定の間隔d1を開けて配置されている。電極EL5,EL6の各々は、X方向に延在している。電極EL5は、複数の電極EL3,EL4の一方端に隣接して配置され、各電極EL3の一方端に接続されている。電極EL6は、複数の電極EL3,EL4の他方端に隣接して配置され、各電極EL4の他方端に接続されている。すなわち、複数の電極EL3,EL4と電極EL5,EL6とは、櫛形電極を構成している。
【0040】
上下に重なっている各2つの電極EL5は、複数のスルーホールTHによって互いに接続されている。また、上下に重なっている各2つの電極EL6は、複数のスルーホールTHによって互いに接続されている。第2〜第5金属配線層M2〜M5を用いて形成された電極EL3〜EL6は、通常耐圧のコンデンサ素子13を構成する。コンデンサ素子13は、電極EL3,EL4が対向している面積と、電極EL3,EL4間の距離d1と、電極EL3,EL4間の第3絶縁層(図示せず)の誘電率と、対向する電極EL3,EL4の数で決まる第3容量値を有する。コンデンサ素子13は、MIM(Metal-Insulator-Metal)型コンデンサ素子と呼ばれる。また、電極EL3,EL4間の第3絶縁層が酸化膜である場合は、MOM(Metal-Oxide-Metal)型コンデンサ素子と呼ばれる。
【0041】
通常耐圧のコンデンサC11では、電極EL2とn型不純物拡散層NDと各電極EL5(すなわち各電極EL3)とは端子T1に接続され、電極EL1と各電極EL6(すなわち各電極EL4)とは端子T2に接続される。図10では、第2金属配線層M2で形成された電極EL5が複数のスルーホールTHを介して第1金属配線層M1で形成された配線SL1に接続されている。配線SL1は、複数のコンタクトホールCHを介してn型不純物拡散層NDに接続されるとともに、複数のスルーホールTHを介して電極EL2に接続されている。また、第2金属配線層M2で形成された電極EL6が複数のスルーホールTHを介して第1金属配線層M1で形成された配線SL2に接続されている。配線SL2は、複数のスルーホールTHを介して電極EL1に接続されている。
【0042】
たとえば、端子T1は「L」レベル側に接続され、端子T2は「H」レベル側に接続される。コンデンサC11は、端子T1,T2間に並列接続された3つのコンデンサ素子11〜13を含む。
【0043】
コンデンサC11の面積と、図3(a)(b)で示したコンデンサC1の面積とを同じにし、コンデンサ素子11,12,13の容量値を同じにすれば、コンデンサC11の容量値はコンデンサC1の容量値の3倍になる。また、コンデンサC11の面積をコンデンサC7の面積の1/3倍にすれば、コンデンサC11の容量値はコンデンサC1の容量値と同じになる。コンデンサC12,C13の各々もコンデンサC11と同じ構成である。
【0044】
図11(a)は、高耐圧のコンデンサC14の構成を示す断面図であって、図8(a)と対比される図である。図11(b)は、コンデンサC14の構成を示す回路図であって、図8(b)と対比される図である。また図12は、コンデンサC14を上方から見た図である。図11(a)は、図12のXIA−XIA線断面図である。また、図13は、コンデンサC14の構成を示す斜視図である。
【0045】
図11(a)(b)〜図13を参照して、コンデンサC14は、コンデンサ素子16と、2つの端子T1,T2とを含む。コンデンサ素子16は、コンデンサ素子15の通常耐圧のMIM型のコンデンサ素子13を高耐圧のMIM型のコンデンサ素子14で置換したものである。
【0046】
第2〜第5金属配線層M2〜M5の各々を用いて、複数の電極EL3A,EL4Aと電極EL5A,EL6Aとが形成されている。電極EL3A,EL4Aの各々は、Y方向に延在している。電極EL3AとEL4Aは、X方向に交互に配列されている。電極EL3AとEL4Aは、所定の間隔d2を開けて配置されている。d2>d1である。電極EL5A,EL6Aの各々は、X方向に延在している。電極ELA5は、複数の電極EL3A,EL4Aの一方端に隣接して配置され、各電極EL3Aの一方端に接続されている。電極EL6Aは、複数の電極EL3A,EL4Aの他方端に隣接して配置され、各電極EL4Aの他方端に接続されている。すなわち、複数の電極EL3A,EL4Aと電極EL5A,EL6Aは、櫛形電極を構成している。
【0047】
上下に重なっている各2つの電極EL5Aは、複数のスルーホールTHによって互いに接続されている。また、上下に重なっている各2つの電極EL6Aは、複数のスルーホールTHによって互いに接続されている。第2〜第5金属配線層M2〜M5を用いて形成された電極EL3A〜EL6Aは、高耐圧のコンデンサ素子14を構成する。コンデンサ素子14は、電極EL3A,EL4Aが対向している面積と、電極EL3A,EL4A間の距離d2と、電極EL3A,EL4A間の第3絶縁層(図示せず)の誘電率と、対向する電極EL3A,EL4Aの数で決まる第4容量値を有する。
【0048】
このコンデンサC14では、n型不純物拡散層NDと各電極EL5A(すなわち各電極EL3A)とは端子T1に接続され、電極EL2Aと各電極EL6A(すなわち各電極EL4A)とは端子T2に接続される。電極EL1は、フローティング状態にされる。図13では、第2金属配線層M2で形成された電極EL5Aが複数のスルーホールTHを介して第1金属配線層M1で形成された配線SL1に接続されている。配線SL1は、複数のコンタクトホールCHを介してn型不純物拡散層NDに接続されている。また、第2金属配線層M2で形成された電極EL6Aが複数のスルーホールTHを介して第1金属配線層M1で形成された配線SL2に接続されている。配線SL2は、複数のスルーホールTHを介して電極EL2に接続されている。
【0049】
たとえば、端子T1は「L」レベル側に接続され、端子T2は「H」レベル側に接続される。このコンデンサC14は、端子T1,T2間に直列接続された2つのコンデンサ素子11,12と、端子T1,T2間に接続されたコンデンサ素子14とを含む。
【0050】
コンデンサC14の面積と、図3(a)(b)で示したコンデンサC1の面積とを同じにし、コンデンサ素子14の容量値をコンデンサ素子11,12の各々の容量値の0.4倍にすれば、コンデンサC14の容量値はコンデンサC1の容量値の0.9倍になる。また、コンデンサC14の面積をコンデンサC1の面積の1.11倍にすれば、コンデンサC14の容量値はコンデンサC1の容量値と同じになる。コンデンサC15もコンデンサC14と同じ構成である。
【0051】
ここで、比較例1の通常耐圧のコンデンサC1と高耐圧のコンデンサC4を用いたチャージポンプ回路のコンデンサ部の面積をS1とする。また、比較例2の通常耐圧コンデンサC7と高耐圧のコンデンサC8を用いたチャージポンプ回路のコンデンサ部の面積をS2とする。また、実施の形態1の通常耐圧コンデンサC11と高耐圧のコンデンサC14を用いたチャージポンプ回路のコンデンサ部の面積をS3とする。
【0052】
比較例1における通常耐圧コンデンサC1の面積を1とし、高耐圧コンデンサC4の面積を4とする。比較例2の通常耐圧コンデンサC7の面積は0.5となり、高耐圧コンデンサC8の面積は2となる。実施の形態1の通常耐圧コンデンサC11の面積は0.33となり、高耐圧コンデンサC14の面積は1.11となる。
【0053】
チャージポンプ回路は、5個の通常耐圧コンデンサと4個と高耐圧コンデンサを備えるものとする。S1=1×5+4×4=21である。S2=0.5×5+2×4=10.5である。S3=0.33×5+1.11×4=6.1である。したがって、本実施の形態1によれば、比較例1,2に比べ、チャージポンプ回路のコンデンサ部の面積を極めて小さくすることができる。
【0054】
なお、本実施の形態1では、N型ウェルNWの上方に電極EL1,EL2を設けたが、P型ウェルPWの上方に電極EL1,EL2を設けてもよい。この場合は、たとえば図8(a)および図11(a)において、N型とP型が逆になり、n型とp型が逆になり、接地電圧VSSの代わりに電源電圧VDDが印加される。
【0055】
また、本実施の形態1では、コンデンサC11〜C15が正電圧発生用のチャージポンプ回路に適用された場合について説明したが、コンデンサC11〜C15は負電圧発生用のチャージポンプ回路にも適用可能である。この場合は、たとえば図7において、トランジスタQ1〜Q6は、出力端子TOと接地電圧VSSのラインとの間に直列接続される。
【0056】
また、本実施の形態1では、電極EL1,EL2の真上に電極EL3,EL4を設けたが、電極EL1,EL2の真上から外れた位置に電極EL3,EL4を設けてもよい。
【0057】
また、本実施の形態1では、コンデンサ素子13,14の各々を4つの金属配線層M2〜M5を用いて形成したが、これに限るものではなく、コンデンサ素子13,14の各々を任意の1または2以上の金属配線層を用いて形成してもよい。
【0058】
また、本実施の形態1では、コンデンサ素子13,14の各々を櫛形に形成したが、櫛形以外の形状に形成してもよいことは言うまでもない。
【0059】
また、フラッシュメモリセルは、ウェルの上方に形成されたフローティングゲートおよびコントロールゲートを含む。フローティングゲートおよびコントロールゲートは、それぞれ第1ポリシリコン層PS1および第2ポリシリコン層PS2を用いて形成される。フラッシュメモリセルと本実施の形態1のチャージポンプ回路とを1枚のシリコン基板の表面に形成する場合は、コンデンサ素子15,16の電極EL1,EL2は、それぞれフラッシュメモリセルのフローティングゲートおよびコントロールゲートと同一プロセスで形成される。また、コンデンサ素子13,14の電極EL3〜EL6,EL3A〜EL6Aは、通常の金属配線と同一プロセスで形成される。
【0060】
また、FMONOS(Flash Metal Oxide Nitride Oxide Semiconductor)メモリセルは、ウェルの上方に形成された第1のゲート電極と第2のゲート電極を含む。第1のゲート電極は、第1ポリシリコン層PS1を用いた配線層で形成される。第2のゲート電極は、第2ポリシリコン層PS2を用いた配線層で形成される。FMONOSメモリセルと本実施の形態1のチャージポンプ回路とを1枚のシリコン基板の表面に形成する場合は、コンデンサ素子15,16の電極EL1,EL2は、それぞれFMONOSメモリセルの第1および第2の電極と同一プロセスで形成される。また、コンデンサ素子13,14の電極EL3〜EL6,EL3A〜EL6Aは、通常の金属配線と同一プロセスで形成される。
【0061】
また、本実施の形態1では、チャージポンプ回路は、6個の電荷転送用トランジスタQ1〜Q6と5個のコンデンサC11〜C15を備えたが、これに限るものではない。チャージポンプ回路は、N個(ただし、Nは2以上の整数である)の電荷転送用トランジスタと、(N−1)個のコンデンサとを備えていてもよい。この場合、(N−1)個のコンデンサのうちの電源電圧VDDのライン側から1〜K番目(ただし、Kは1以上で(N−1)よりも小さな整数である)の直列接続ノードに接続されるコンデンサはコンデンサC11と同じ構成である。また、(K+1)〜(N−1)番目の直列接続ノードに接続されるコンデンサはコンデンサC14と同じ構成である。
【0062】
また、図14(a)は、実施の形態1の変更例となる高耐圧のコンデンサC16の構成を示す断面図であって、図8(a)と対比される図である。図14(b)は、コンデンサC16の構成を示す回路図であって、図8(b)と対比される。図14(a)(b)を参照して、コンデンサC16は、コンデンサ素子15と、2つの端子T1,T2とを含む。
【0063】
コンデンサC16では、電極EL2とn型不純物拡散層NDとは端子T1に接続され、電極EL1と各電極EL6(すなわち各電極EL4)とは互いに接続され、各電極EL5A(すなわち各電極EL3)が端子T2に接続される。たとえば、端子T1は「L」レベル側に接続され、端子T2は「H」レベル側に接続される。コンデンサC16は、端子T1,T2間に直列接続されたコンデンサ素子11,13と、コンデンサ素子11に並列接続されたコンデンサ素子12を含む。このコンデンサC16では、コンデンサ素子11,13が端子T1,T2間に直列接続されているので、高耐圧となる。このコンデンサC16は、図7のチャージポンプ回路においてコンデンサC14,C15の各々の代わりに使用される。この変更例でも、実施の形態1と同じ効果が得られる。
【0064】
[実施の形態2]
図15は、本願の実施の形態2によるチャージポンプ回路の構成を示す回路図であって、図7と対比される図である。図15を参照して、このチャージポンプ回路が図7のチャージポンプ回路と異なる点は、高耐圧のコンデンサC14,C15がそれぞれ高耐圧のコンデンサC17,C18と置換されている点である。
【0065】
図16(a)は、高耐圧のコンデンサC17の構成を示す断面図であって、図8(a)と対比される図である。図16(b)は、コンデンサC17の構成を示す回路図であって、図8(b)と対比される図である。図16(a)(b)において、コンデンサC17は、3つのコンデンサ素子20,25,28と、2つの端子T1,T2を備える。
【0066】
コンデンサ素子20,25の各々は、図5で示したコンデンサ素子10と同様、2重ゲート型トランジスタに似た構造である。コンデンサ素子20は、2つのコンデンサ素子21,22を含む。コンデンサ素子25は、2つのコンデンサ素子26,27を含む。コンデンサ素子21,26の各々は、電極EL1とN型ウェルNWが対向している面積と、電極EL1とN型ウェルNW間の距離と、第1絶縁層(図示せず)の誘電率とで決まる第5容量値を有する。コンデンサ素子22,27の各々は、電極EL1と電極EL2が対向している面積と、電極EL1,EL2間の距離と、第2絶縁層(図示せず)の誘電率とで決まる第5容量値を有する。第5容量値と第6容量値は等しい。
【0067】
コンデンサ素子28は、図13で示した高耐圧のMIM型コンデンサ素子14と同様の構成である。コンデンサ素子28は、コンデンサ素子20,25の上方に形成された複数組の電極EL3A,EL4Aを含む。コンデンサ素子28は、電極EL3A,EL4Aが対向している面積と、電極EL3A,EL4A間の距離と、電極EL3A,EL4A間の第3絶縁層(図示せず)の誘電率と、対向する電極EL3A,EL4Aの数で決まる第7容量値を有する。
【0068】
このコンデンサC17では、コンデンサ素子20のn型不純物拡散層NDおよび電極EL2と各電極EL5A(すなわち各電極EL3A)とは端子T1に接続される。また、コンデンサ素子20の電極EL1とコンデンサ素子25のn型不純物拡散層NDおよび電極EL2とは互いに接続される。また、コンデンサ素子25の電極EL2と各電極EL6A(すなわち各電極EL4A)とは端子T2に接続される。たとえば、端子T1は「L」レベル側に接続され、端子T2は「H」レベル側に接続される。このコンデンサC17は、端子T1,T2間に直列接続された2つのコンデンサ素子21,26と、端子T1,T2間に直列接続された2つのコンデンサ素子22,27と、端子T1,T2間に接続されたコンデンサ素子28とを含む。
【0069】
他の構成および動作は、実施の形態1と同じであるので、その説明は繰り返さない。この実施の形態2でも、実施の形態1と同じ効果が得られる。
【0070】
[実施の形態3]
図17は、本願の実施の形態3によるチャージポンプ回路の構成を示す回路図であって、図7と対比される図である。図17を参照して、このチャージポンプ回路が図7のチャージポンプ回路と異なる点は、NチャネルMOSトランジスタQ11〜Q16,Q21〜Q26、コンデンサC21〜C26、およびドライバDR11〜DR16が追加されている点である。また、クロック信号CLK1,CLK2がそれぞれクロック信号CLKP1,CLKP2で置換され、クロック信号CLKG1,CLKG2が新たに導入される。
【0071】
トランジスタQ11〜Q16の各々のゲートおよびドレインは互いに接続されている。トランジスタQ11〜Q16のドレインはそれぞれトランジスタQ1〜Q6のドレインに接続され、トランジスタQ11〜Q16のソースはそれぞれトランジスタQ1〜Q6のゲートに接続されている。トランジスタQ11〜Q16の各々はダイオードとして動作し、そのゲートおよびドレインがダイオードのアノードとなり、そのソースがカソードとなる。
【0072】
トランジスタQ21〜Q26の各々のゲートおよびドレインは互いに接続されている。トランジスタQ21〜Q26のソースはそれぞれトランジスタQ1〜Q6のドレインに接続され、トランジスタQ21〜Q26のドレインはそれぞれトランジスタQ1〜Q6のゲートに接続されている。トランジスタQ21〜Q26の各々はダイオードとして動作し、そのゲートおよびドレインがダイオードのアノードとなり、そのソースがカソードとなる。
【0073】
コンデンサC21〜C26の一方端子T1はそれぞれドライバDR11〜DR16の出力クロック信号を受け、それらの他方端子T2はそれぞれトランジスタQ1〜Q5のゲートに接続される。クロック信号CLKG1は、奇数番のドライバDR11,DR13,DR15に与えられる。クロック信号CLKG2は、偶数番のドライバDR12,DR14,DR16に与えられる。
【0074】
コンデンサC21〜C24の各々は、通常耐圧のコンデンサであり、コンデンサC11と同じ構成である。コンデンサC25,C26の各々は、高耐圧のコンデンサであり、コンデンサC14と同じ構成である。ただし、コンデンサC21〜C26の各々の容量値は、コンデンサC11〜C15の各々の容量値の1/10倍程度である。
【0075】
図18(a)〜(d)は、クロック信号CLKP1,CLKP2,CLKG1,CLKG2の波形を示す図である。図18(a)〜(d)において、クロック信号CLKP1とCLKP2は交互に「H」レベルになる。クロック信号CLKP1,CLKP2の各々は、「H」レベルになる期間よりも「L」レベルになる期間の方が長い。クロック信号CLKP1,CLKP2がともに「L」レベルになる期間がある。
【0076】
クロック信号CLKP1,CLKP2が「H」レベルになる期間は、それぞれクロック信号CLKG1,CLKG2が「H」レベルになる期間よりも短い。クロック信号CLKP1,CLKP2が「H」レベルになる期間内にそれぞれクロック信号CLKG1,CLKG2が「H」レベルになる。クロック信号CLKP1,CLKP2の位相は、互いに180度ずれている。クロック信号CLKG1,CLKG2の位相は、互いに180度ずれている。
【0077】
次に、このチャージポンプ回路の動作について説明する。まず、クロック信号CLKP1,CLKP2,CLKG1,CLKG2がともに「L」レベルにされている状態においてクロック信号CLKP1が「H」レベルに立ち上げられる(時刻t2)。これにより、コンデンサC12,C14の容量結合によってトランジスタQ2,Q4のソース電圧が上昇する。
【0078】
次いで、クロック信号CLKG1が「H」レベルに立ち上げられ(時刻t3)、コンデンサC21,C23,C25の容量結合によってトランジスタQ1,Q3,Q5のゲート電圧が上昇し、トランジスタQ1,Q3,Q5がオンする。これにより、トランジスタQ1に電流が流れ、コンデンサC11が充電される。また、トランジスタQ3,Q5に電流が流れ、コンデンサC12,C14の電荷がそれぞれコンデンサC13,C15に転送される。
【0079】
次に、クロック信号CLKG1が「L」レベルに立ち下げられ(時刻t4)、コンデンサC21,C23,C25の容量結合によってトランジスタQ1,Q3,Q5のゲート電圧が低下し、トランジスタQ1,Q3,Q5がオフする。次いで、クロック信号CLKP1が「L」レベルに立ち下げられ(時刻t5)、コンデンサC12,C14の容量結合によってトランジスタQ2,Q4のソース電圧が低下する。
【0080】
次に、クロック信号CLKP1,CLKP2,CLKG1,CLKG2がともに「L」レベルにされている状態においてクロック信号CLKP2が「H」レベルに立ち上げられる(時刻t6)。これにより、コンデンサC11,C13,C15の容量結合によってトランジスタQ1,Q3,Q5のソース電圧が上昇する。
【0081】
次いで、クロック信号CLKG2が「H」レベルに立ち上げられ(時刻t7)、コンデンサC22,C24,C26の容量結合によってトランジスタQ2,Q4,Q6のゲート電圧が上昇し、トランジスタQ2,Q4,Q6がオンする。これにより、トランジスタQ2,Q4,Q6に電流が流れ、コンデンサC11,C13の電荷がそれぞれコンデンサC12,C14に転送され、コンデンサC15の電荷が出力端子TOに供給される。
【0082】
次に、クロック信号CLKG2が「L」レベルに立ち下げられ(時刻t8)、コンデンサC22,C24,C26の容量結合によってトランジスタQ2,Q4,Q6のゲート電圧が低下し、トランジスタQ2,Q4,Q6がオフする。次いで、クロック信号CLKP2が「L」レベルに立ち下げられ(時刻t9)、コンデンサC11,C13,C15の容量結合によってトランジスタQ1,Q3,Q5のソース電圧が低下する。このような動作が繰り返され、出力端子TOの電圧が徐々に上昇する。
【0083】
出力端子TOの電圧と目標電圧とがコンパレータ(図示せず)によって比較され、出力端子TOの電圧が目標電圧以上になると、クロック信号CLKP1,CLKP2,CLKG1,CLKG2が遮断されてチャージポンプ回路の運転が停止される。出力端子TOの電圧が目標電圧よりも低下すると、クロック信号CLKP1,CLKP2,CLKG1,CLKG2が供給されてチャージポンプ回路の運転が再開される。これにより、出力端子TOの電圧は、目標電圧に維持される。
【0084】
このようなチャージポンプ回路は、ゲートブースト型チャージポンプ回路と呼ばれる。図7のチャージポンプ回路では、トランジスタQ1〜Q6の各々においてトランジスタQのしきい値電圧分だけ電圧が降下する。しかし、本実施の形態3のチャージポンプ回路では、そのような電圧降下は発生しないので、図7のチャージポンプ回路よりも高い電荷転送効率が得られる。
【0085】
[実施の形態4]
図19は、本願の実施の形態4によるマイクロコンピュータ30の構成を示すブロック図である。図19において、マイクロコンピュータ30は、ポート31,34、タイマ32、フラッシュメモリ33、バスインタフェース(バスIF)35、およびDMAC(Direct Memory Access Controller)36を備える。また、マイクロコンピュータ30は、CPU(Central Processing Unit)37、クロック生成部38、RAM(Random Access Memory)39、およびシーケンサ40を含む。マイクロコンピュータ30は、特に制限されないが、公知の半導体集積回路製造技術により、単結晶シリコン基板のような半導体基板の表面に形成される。マイクロコンピュータ30と半導体基板は、半導体装置を構成する。
【0086】
ポート31,34、タイマ32、シーケンサ40、フラッシュメモリ33、バスインタフェース35、およびクロック生成部38は、周辺バス42によって互いに結合されている。また、RAM39、フラッシュメモリ33、バスインタフェース35、DMAC36、およびCPU37は高速バス41によって互いに結合されている。
【0087】
ポート31,34の各々は、外部からデータ信号DIを取り込むとともに、外部にデータ信号DOを出力する。タイマ32は、クロック信号のパルス数をカウントすることにより、時間を計測する。DMAC36は、CPU37を介さずに各種デバイス間でデータ転送を直接行なうための制御を行なう。クロック生成部38は、所定周波数のクロック信号を形成する発振器と、発振器で形成されたクロック信号を逓倍するためのPLL(Phase Locked Loop)回路とを含む。
【0088】
マイクロコンピュータ30は、スタンバイ信号STBYに応答してスタンバイ状態に遷移し、リセット信号RESに応答して初期化される。また、マイクロコンピュータ30の動作用電源電圧として、電源電圧VCCおよび接地電圧VSSが外部から供給される。シーケンサ40は、CPU37からの命令に従ってフラッシュメモリ33の動作をシーケンシャルに制御する。
【0089】
図20は、フラッシュメモリ33の構成を示すブロック図である。図20において、フラッシュメモリ33は、I/Oコントロール回路51、発振器(OSC)54、およびサブシーケンサ55、電源回路56、および分配器57を含む。また、フラッシュメモリ33は、メモリアレイ58、行デコーダ59、列デコーダ60、およびセンスアンプ61を含む。
【0090】
I/Oコントロール回路51は、フラッシュメモリ33における信号入出力を制御する機能を有し、I/Oバッファ52およびアドレスバッファ53を含む。発振器54は、クロック信号CLKを生成する。このクロック信号CLKは、サブシーケンサ55や電源回路56に伝達される。サブシーケンサ55は、分配器57や電源回路56の動作をシーケンシャルに制御する。
【0091】
電源回路56は、それぞれ互いに異なる電圧を形成するための複数のチャージポンプ回路を含む。複数のチャージポンプ回路は、サブシーケンサ55からのオン/オフ制御信号に応答して、動作状態または非動作状態になる。複数のチャージポンプ回路によって形成された複数の電圧は、分配器57を介して、行デコーダ59や列デコーダ60に伝達される。
【0092】
行デコーダ59は、アドレスバッファ53からの行アドレス信号をデコードして、メモリアレイ58におけるワード線を選択レベルに駆動する。列デコーダ60は、アドレスバッファ53からの列アドレス信号をデコードして、列系の選択信号を形成する。センスアンプ61は、列デコーダ60の出力に基づいてメモリアレイ58から選択的に出力された信号をリファレンスレベルと比較して読出データ信号DOを得る。
【0093】
メモリアレイ58は、複数行複数列に配列された複数のフラッシュメモリセルを含む。このフラッシュメモリセルは、コントロールゲート、フローティングゲート、ドレイン、ソースの各電極を有する。フローティングゲートは第1ポリシリコン層PS1を用いて形成され、コントロールゲートは第2ポリシリコン層PS2を用いて形成される。
【0094】
列方向に配置された複数のフラッシュメモリセルのドレインは共通接続されて、副ビット線セレクタを介してビット線に結合される。複数のフラッシュメモリセルのソースは、共通ソース線に接続される。共通ソース線に接続されるフラッシュメモリセルが1ブロックを構成し、それらは半導体基板の共通のウエル領域内に形成されて消去の単位とされる。一方、行方向に並んだ複数のフラッシュメモリセルのコントロールゲートは行単位でワード線に接続される。
【0095】
図21は、電源回路56の構成を示すブロック図である。図21において、電源回路56は、演算増幅器71,82〜84、コンパレータ78〜81、定電圧発生回路72、発振回路(OSC)73、およびチャージポンプ回路74〜77を含む。演算増幅器71は、参照電圧VR1と定電圧発生回路72の出力電圧VCとを比較し、比較結果に基づいて定電圧発生回路72を制御する。参照電圧VRは、たとえば1.2Vである。定電圧発生回路72は、演算増幅器71によって制御され、参照電圧VRと同レベルの定電圧VCを出力する。
【0096】
発振回路73は、定電圧発生回路72からの定電圧VCに基づいて、所定周波数のクロック信号を生成する。このクロック信号は、チャージポンプ回路74〜77に伝達される。温度特性付加回路85は、定電圧発生回路72からの定電圧VCに所定の温度依存特性を付加して定電圧VCTを生成する。この定電圧VCTは、コンパレータ78〜81に与えられる。
【0097】
コンパレータ78は、チャージポンプ回路74の出力電圧V1と温度特性付加回路85の出力電圧VCTとを比較し、比較結果に基づいてチャージポンプ回路74を制御する。チャージポンプ回路74は、コンパレータ78によって制御され、メモリ書換電圧V1を生成する。このメモリ書換電圧V1は、たとえば+10Vとされる。また、演算増幅器82は、チャージポンプ回路74の出力電圧V1に定電圧VCTを加算してベリファイ電圧VV1を生成する。
【0098】
コンパレータ79は、チャージポンプ回路75の出力電圧V2と温度特性付加回路85の出力電圧VCTとを比較し、比較結果に基づいてチャージポンプ回路75を制御する。チャージポンプ回路75は、コンパレータ79によって制御され、メモリ書換電圧V2を生成する。このメモリ書換電圧V2は、たとえば+7Vとされる。
【0099】
コンパレータ80は、チャージポンプ回路76の出力電圧V3と温度特性付加回路85の出力電圧VCTとを比較し、比較結果に基づいてチャージポンプ回路76を制御する。チャージポンプ回路76は、コンパレータ80によって制御され、メモリ書換電圧V3を生成する。このメモリ書換電圧V3は、たとえば+4Vとされる。
【0100】
コンパレータ81は、チャージポンプ回路77の出力電圧V4と温度特性付加回路85の出力電圧VCTとを比較し、比較結果に基づいてチャージポンプ回路77を制御する。チャージポンプ回路77は、コンパレータ81によって制御され、メモリ書換電圧V4を生成する。このメモリ書換電圧V4は、たとえば−10Vとされる。
【0101】
演算増幅器83は、チャージポンプ回路77の出力電圧V4に温度特性付加回路85の出力電圧VCTを加算してベリファイ電圧VV2を生成する。演算増幅器84は、チャージポンプ回路77の出力電圧V4に温度特性付加回路85の出力電圧VCTを加算してメモリアレイ制御電圧VMAを生成する。チャージポンプ回路74〜77の各々には、実施の形態1〜3で示したコンデンサが使用される。
【0102】
この実施の形態4でも、実施の形態1〜3と同じ効果が得られる。なお、以上の実施の形態1〜4および変更例を適宜組み合わせて良いことは言うまでもない。
【0103】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0104】
Q1〜Q6,Q11〜Q16,Q21〜Q26 NチャネルMOSトランジスタ、C1〜C5,C7,C8,C11〜C18,C21〜C26 コンデンサ、1〜5,10〜16,20〜22,25〜28 コンデンサ素子、T1,T2 端子、TO 出力端子、DR1〜DR5,DR11〜DR16 ドライバ、SB P型シリコン基板、NW N型ウェル、INS 絶縁膜、ND n型不純物拡散層、EL1〜EL6,EL1A〜EL6A 電極、6,7 寄生容量、PS1,PS2 ポリシリコン層、M1〜M5 金属配線層、PW P型ウェル、PD p型不純物拡散層、TH スルーホール、CH コンタクトホール、SL1,SL2 信号線、30 マイクロコンピュータ、31,34 ポート、32 タイマ、33 フラッシュメモリ、35 バスインタフェース、36 DMAC、37 CPU、38 クロック生成部、39 RAM、40 シーケンサ、51 I/Oコントロール回路、52 I/Oバッファ、53 アドレスバッファ、54 発振器、55 サブシーケンサ、56 電源回路、57 分配器、58 メモリアレイ、59 行デコーダ、60 列デコーダ、61 センスアンプ、61,82〜84 演算増幅器、85 温特付加回路、72 定電圧発生回路、73 発振回路、74〜77 チャージポンプ回路、78〜81 コンパレータ。
図1
図2
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図21