(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
<本実施形態の構成等>
本発明の実施形態を
図1ないし
図11を参照しつつ説明する。
図1ないし
図3に示すように集塵機1は、走行台2とタンク3と本体4とを備えている。走行台2は合成樹脂によって成形されて、走行台2の上面には円形状の凹溝5(
図1参照。)が設けられている。走行台2の前方(
図1の手前側)中央の底面には一つの前輪6が回転自在に設けられ、走行台2の後方(
図1の奥側)左右には一対の後輪7、7が回転自在に設けられている。集塵機1は、前輪6及び後輪7、7によって走行可能とされている。
【0015】
タンク3は、ステンレス製で上部を開口する有底円筒状に成形されている。タンク3は凹溝5に嵌め入れられた状態で走行台2の上面に載置されている。タンク3の前面(
図1の手前側)には吸込口8が形成されている。この吸込口8には集塵ホースが接続される。さらにタンク3の外側面にはフック9、9が取り付けられている。
図1に示すように本体4は、フック9、9の端部を後述する本体ケース11のフック係合部19、19(
図2参照。)と係合させることでタンク3の上部に固定可能とされている。
【0016】
図3に示すように本体4は、フィルタ固定部材10と、本体ケース11と、本体ケースカバー12とを有する。フィルタ固定部材10は、本体ケース11の下面にネジを締め付けて固定されるものである。
図3及び
図9に示すようにフィルタ固定部材10は、中央から後方へ向けて下向きに突設されて下面が閉塞して上面が開口する中空部14を備えている。さらにフィルタ固定部材10には、中空部14の左右の外側で前後方向に延びる長孔15、15が開設されている。加えて
図2及び
図3に示すようにフィルタ固定部材10の左右の側面には、支軸を介して揺動可能なラッチ部材16、16が取り付けられている。これに加えてフィルタ固定部材10の前方下面には、下方へ突出する電極保持板17がネジで固定されている。
【0017】
また
図2及び
図3、
図9に示すように、一次フィルタとなるプレフィルタ20、20が、長孔15、15と連通した状態でフィルタ固定部材10の下面に取り付けられている。本体4をタンク3の上部に固定することで、プレフィルタ20、20及び前記電極保持板17はフィルタ固定部材10の下面からタンク3内に突出する。この電極保持板17の裏面には、左右方向に所定間隔をおいて上下方向で同じ位置に一対の水位検知電極(図示せず。)が保持されている。本実施形態では、一対の水位検知電極に電圧を印加しておき、水を介して両水位検知電極間が導通したときに、タンク3内に浸入した水が一定量になったことを検知する。タンク3内に水が浸入したことを検知すると、集塵機1の運転を停止させる。プレフィルタ20は、平面視長円形状で上部が開口し下部を閉塞した織布製の筒状体で、タンク3内で吸込口8と本体4との間を仕切り可能としている。プレフィルタ20の上部の周縁部には、リング状の係止部材21(
図2及び
図3参照。)が取り付けられている。本実施形態では左右のラッチ部材16、16を各プレフィルタ20の係止部材21にそれぞれ係合させることで、各プレフィルタ20はフィルタ固定部材10の下面に密着状態で固定される。加えて各プレフィルタ20には、帯電防止剤を付加する周知の帯電防止加工が施されている。
【0018】
図3及び
図9に示すように各プレフィルタ20の内側には、三次フィルタとなる紙製のフィルタ22が長孔15と連通した状態でそれぞれ装着されている。このフィルタ22は、平面視長円形状で上部が開口し下部を閉塞した筒状体で、フィルタ面をプレフィルタ20内に突出させた状態になっている。さらに各プレフィルタ20内でフィルタ22のフィルタ面には、二次フィルタとなるポリウレタンスポンジ製のフィルタ23がそれぞれ装着されている。本体4をタンク3の上部に固定することで、各フィルタ22、23は各プレフィルタ20内で吸込口8と本体4との間を仕切り可能としている。なお、プレフィルタ20及び両フィルタ22、23は本発明のフィルタの一例である。
【0019】
図3及び
図4に示すように本体ケース11は、合成樹脂製で中央よりも前方(
図3及び
図4の手前側)から下向きに突設されて上面が開口する有底の筒状部25を備えている。この筒状部25の下面中央には吸気口26(
図4参照。)が形成されている。上記のフィルタ固定部材10を本体ケース11の下面に固定した状態では、筒状部25は、フィルタ固定部材10の中空部14に嵌合可能となっている。筒状部25には、ファンF(
図11参照。)を覆うファンカバー30(
図3参照。)を下向にした姿勢で電動送風機31(
図3及び
図11参照。)が嵌め入れられる。このファンFはモータの回転軸35(
図11参照。)の先端部に連結されており、ファンカバー30の上方側外周面には、複数の空気排出部32(
図3及び
図11参照。)が設けられている。ファンカバー30が上方側を残して筒状部25に嵌め入れられることで、各空気排出部32は筒状部25の外側に位置するように配置可能となっている。ファンカバー30を筒状部25に嵌め入れたときは、ファンカバー30の下面中央に設けた通気口H(
図11参照。)が、筒状部25の吸気口26と対向するように配置される。なお
図3及び
図11中の符号27は、ファンカバー30の下端周縁と吸気口26との間をシールするリング状のシール部材であり、符号28は吸音材である。
【0020】
さらに
図9に示すように、フィルタ固定部材10内には、中空部14に嵌合した筒状部25の左右の外側で前方から後方へ延びて筒状部25の後方へ回り込み、中空部14と連通するように吸気用通路33、34が形成されている。両吸気用通路33、34は各長孔15と連通する。
【0021】
また
図4、6、9に示すように本体ケース11の上面には、モータ収容部37が配置されている。このモータ収容部37は、筒状部25の後方でDCモータ36に取り付けた減速機カバー40(
図3及び
図11参照。)を取り囲むように立設されている。
図6及び
図7に示すようにモータ収容部37の底面に当たる本体ケース11の上面には、モータ収容部37と本体ケース11内とを連通させる連通孔38が形成されている。DCモータ36に取り付けた減速機カバー40のネジ孔及びモータ収容部37のネジ孔39、39(
図4及び
図6参照。)にネジを締め付けることで、DCモータ36はモータ収容部37内に固定される。DCモータ36の出力軸42(
図11参照。)には、減速機カバー40に収容された減速機41(
図3及び
図11参照。)を介し、連通孔38を通じて、側面視略逆L字状のカム部材43(
図9及び
図11参照。)が連結されている。本実施形態ではDCモータ36を左右方向へ往復回転させることで、カム部材43も左右方向へ往復回転可能となっている。
【0022】
図4及び
図6に示すように本体ケース11の上面には、排気通路44が設けられている。この排気通路44は、筒状部25の上面開口と繋がった壁面45(
図4参照。)及びリブ46(同図参照。)で取り囲まれた空間47からなる。後述するように、電動送風機31の下流側に位置する各空気排出部32(
図3参照。)から吐き出された空気は、排気通路44を通って排気口48、排気窓49(
図5参照。)から本体4の外部に排出可能とされている。
【0023】
一方
図4、6、9に示すように、本体ケース11の上面でモータ収容部37の左右の外側に、排気通路44の下流側と連続する連通路50、51が形成されている。
図4及び
図6に示すように、連通路50、51の下流側に当たる本体ケース11の上面には、連通路50、51と吸気用通路33、34(
図9参照。)とを連通させる吸気口52、53がそれぞれ形成されている。したがって、排気通路44と吸気用通路33とを連通路50及び吸気口52を介し、排気通路44と吸気用通路34とを連通路51及び吸気口53を介してそれぞれ連通させることが可能になる。加えて本体ケース11の上面には、フック係合部19、19が設けられている。さらに
図3及び
図9に示すように本体ケース11の下面には、リング状のシール部材13が取り付けられている。これにより、本体ケース11をタンク3に密着状態で固定できる。
【0024】
そして
図6及び
図7、
図9に示すように、吸気用通路33における吸気口52よりも下流側で中空部14との連通部には、当該連通部と中空部14とを仕切り通気口58を備えた傾斜壁57が設けられている。この傾斜壁57は、前記連通部に取り付けられる傾斜壁形成用部材56(
図3及び
図7参照。)と一体に形成されている。本体ケース11の下面で傾斜壁57の近傍には、支軸60(
図9参照。)を介して通気口58を開閉可能な板状の第1開閉部材55(本発明における弁。
図3及び
図9参照。)が回転可能に支持されている。
図7中の符号54は、支軸60が回転可能に嵌合される嵌合孔である。常態では
図9に示すように、第1開閉部材55は前記通気口58を開放する位置で垂直方向へ延びる姿勢に付勢されている。
図6及び
図7、
図9に示すように傾斜壁57は、上側が下側に対して常態の第1開閉部材55側に傾斜しており、通気間隔を保った通気空間59(
図9参照。)を挟んで常態の第1開閉部材55と対向する。なお、傾斜壁57は本発明の傾斜部の一例である。
【0025】
一方
図8及び
図9に示すように連通路50の吸気口52に、吸気口52を開閉可能な板状の第2開閉部材61が設けられている。この第2開閉部材61は、上下方向に延びて先端が第1開閉部材55と対向する棒状の腕部62を備えている。さらに第2開閉部材61は、連通路50の底面に支持される支軸63(
図9参照。)を中心として連通路50内に回転可能に支持されている。常態では第2開閉部材61は、自重により吸気口52を閉塞する位置で横向き姿勢に付勢されている。
【0026】
上述した吸気用通路33における中空部14との連通部と同様に、
図9に示す吸気用通路34における吸気口53よりも下流側で中空部14との連通部には、通気口58を備えた傾斜壁57が設けられている。加えて当該傾斜壁57の近傍にも、当該通気口58を開閉可能な第1開閉部材55が設けられている。また、連通路50の吸気口52と同様に、
図6及び
図9に示す連通路51の吸気口53にも、吸気口53を開閉可能な第2開閉部材61が設けられている。
【0027】
なお、集塵機1の縦寸法が増加することを抑制するため、
図9に示すようにタンク3内で、一対のプレフィルタ20、20をDCモータ36の外側で横方向に間隔をおいて対向状に配置した。さらに各第1開閉部材55を、集塵機1の横方向でプレフィルタ20とDCモータ36との間に位置するように配置した。
【0028】
また、
図1ないし
図3、
図5に示す本体ケースカバー12は、合成樹脂製で本体ケース11の上面開口を閉塞するもので、中央よりも前方から上向きに突設されて上面が開口する胴体カバー収容部67を有する。本体ケースカバー12と本体ケース11とにネジを締め付けることで本体ケースカバー12を本体ケース11の上部に固定した状態では、胴体カバー収容部67は、電動送風機31のモータを収容した胴体カバー72(
図3参照。)等を縦向きで収容する。また
図5に示すように本体ケースカバー12の上面には、該上面と本体ケース11の上面開口とを連通させる排気口48が形成されている。加えて、本体ケースカバー12上で後方に位置する壁面75には、排気窓49が複数形成されている。さらに本体ケースカバー12の前面には、運転スイッチS等の各種のスイッチや外部機器への電源供給用のコンセントを配置した操作部76が設けられている。なお
図3中の符号77、78はいずれも本体ケースカバー12に収納されるもので、符号77は制御手段としてのコントローラ、符号78は吸音材である。
コントローラ77は、DCモータ36を始めとする各種の電気作動部材(またはその任意の一部)と電気的に接続されており、当該各種の電気作動部材ないしこれら(またはその別の任意の一部)により駆動される各種の部材(カム部材43等)を制御する。
また、コントローラ77は、内部に図示しない記憶手段を有しており、また任意の時間の経過を把握可能なカウント手段と、後述する左右移動時間を計測可能な左右移動時間カウンタを有している。
さらに、コントローラ77は、DCモータ36がロック状態である(ロックしている)か否かを判別するロック判別手段を有している。DCモータ36のロック状態は、電気の供給を受けているにもかかわらず回転軸42が抵抗力等を受けて回転できない状態である。コントローラ77は、ここではDCモータ36の電流値が所定値以上となっている時間が所定時間(例えば200ms(ミリ秒))以上続いた場合に、ロック状態と判定する。
くわえて、コントローラ77は、左右移動時間カウンタで把握された左右移動時間を用いて初期位置復帰所要時間を演算する初期位置復帰所要時間算出手段を有している。初期位置復帰所要時間算出手段は、ここでは左右移動時間を2で除することによって初期位置復帰所要時間を算出する。
【0029】
<本実施形態の全体動作等>
次に集塵機1の動作を説明する。集塵機1の本体4(
図1参照。)に設けた運転スイッチS(同図参照。)をオンさせると、
図3に示す電動送風機31のモータが駆動することでファンカバー30内のファンF(
図11参照。)が回転する。すると、集塵ホースを介して吸込口8(
図1参照。)から粉塵を含んだ外気がタンク3内に吸い込まれて、この外気は、
図9に示す両プレフィルタ20、20、両フィルタ23、23及び両フィルタ22、22を通過して両長孔15から両吸気用通路33、34にそれぞれ進入する。このとき、両プレフィルタ20、20で粉塵を捕捉すると共に、両プレフィルタ20、20を通過した粉塵を両フィルタ23、23及び両フィルタ22、22で順次捕捉する。
このようなタンク3からプレフィルタ20、フィルタ23,22を経て長孔15から吸気用通路33(34)に至る通気の方向が、本発明における順流方向である。
【0030】
続いて両吸気用通路33、34に進入した外気は、傾斜壁57の通気口58、通気空間59を通過してフィルタ固定部材10の中空部14にそれぞれ進入した後に、本体ケース11の吸気口26(
図11参照。)からファンカバー30の通気口H(同図参照。)を通過してファンカバー30内に導かれる。本集塵機1では、以上のようにして各プレフィルタ20及び各フィルタ23、22を備えて吸込口8から電動送風機1の上流側に当たるファンカバー30の通気口Hに至る吸気通路を一対形成し、一対の吸気通路がファンカバー30の通気口H付近で合流するようにした。さらにファンカバー30内に導かれた空気は、各空気排出部32(
図3及び
図11参照。)から
図4に示す排気通路44に吐き出された後に、排気通路44から排気口48(
図5参照。)を通って各排気窓49(
図5参照。)から本体4の外部に排出される。
【0031】
プレフィルタ20やフィルタ23、22に捕捉された粉塵はフィルタの目詰まりの原因となる。これを防止するために本実施形態では、集塵機1の運転中に以下に説明する動作(塵落とし動作)を行うことでプレフィルタ20やフィルタ23、22の清掃を可能にした。
図9に示すような両プレフィルタ20、20、両フィルタ23、23及び両フィルタ22、22で粉塵を捕捉する集塵運転中に、DCモータ36の出力軸42の回転に伴って、
図10に示すようにカム部材43は右側へ回転して吸気用通路34の第1開閉部材55に当接する。すると第1開閉部材55は、カム部材43で吸気用通路34の傾斜壁57側へ押されることにより通気口58を閉塞し且つ通気間隔をなくした状態で傾斜壁57に当接する結果、吸気用通路34の閉動作を行う。これにより第1開閉部材55は、吸込口8から吸気用通路34を介してファンカバー30に至る一方の吸気通路を閉動作することになる。このとき第1開閉部材55によって腕部62が傾斜壁57から離れる方向へ押されることで、第2開閉部材61は、第1開閉部材55による吸気用通路34の閉動作に連動して回転する。その結果
図10に示すように第2開閉部材61は、連通路51の吸気口53を開放する。
【0032】
図10に示すように吸気用通路34の閉動作がなされ且つ吸気口53が開放された状態ではタンク3内や本体ケース11内が負圧になっているため、排気通路44を通過した排気は、
図4中の二点鎖線矢印で示す如く吸気口53から吸気用通路34内に導かれる。吸気用通路34内の排気は、吸気用通路34の下流側から上流側へ逆流することで長孔15から右側のフィルタ22内に進入した後に、当該フィルタ22、右側のフィルタ23及び右側のプレフィルタ20を順次通過してタンク3内に戻される。このとき、逆流する排気によって当該フィルタ20、22、23に捕捉された粉塵を吹き飛ばすことができる。したがって本集塵機1では、左側のプレフィルタ20と左側のフィルタ23、22とで粉塵を捕捉しながら右側のプレフィルタ20及び右側のフィルタ23、22の清掃が可能になる。加えて左右のプレフィルタ20には帯電防止加工がそれぞれ施されているため、粉塵が静電気でプレフィルタ20に吸着することが抑えられる。その結果、粉塵の剥離性が向上する。
【0033】
また、右側のフィルタ22、23、20を通過してタンク3内に戻された排気は、左側のプレフィルタ20及び左側のフィルタ23、22を通過した後に長孔15から吸気用通路33に進入することで、吸込口8から吸気用通路33を介してファンカバー30に至る他方の吸気通路に合流する。
このような、吸気用通路34(33)から、長孔15を介して右側のフィルタ22内に進入し、右側のフィルタ22,23及び右側のプレフィルタ20を順次通過してタンク3内に至る通気の方向が、本発明における、順流方向と逆方向となる逆流方向である。
【0034】
一方集塵運転中に、カム部材43が左側へ回転して吸気用通路33の第1開閉部材55に当接すると、上述したカム部材43が右側へ回転した場合と同様に当該第1開閉部材55と第2開閉部材61とが動作することで、排気通路44を通過した排気は吸気口52(
図4参照。)から吸気用通路33内に導かれる。このとき、吸気用通路34の傾斜壁57に当接していた第1開閉部材55は、
図9に示すように通気口58を開放する位置に復帰する。よって、右側のプレフィルタ20と右側のフィルタ23、22とで粉塵を捕捉できる。そして吸気用通路33内の排気は、吸気用通路33の下流側から上流側へ逆流する結果、左側のフィルタ22、23及び左側のプレフィルタ20を順次通過してタンク3内に戻される。このとき、逆流する排気によって当該フィルタ20、22、23に捕捉された粉塵を吹き飛ばすことができる。したがって、右側のプレフィルタ20と右側のフィルタ23、22とで粉塵を捕捉しながら左側のプレフィルタ20及び左側のフィルタ23、22の清掃が可能になる。本集塵機1ではカム部材43が、左右方向に往復回転することで吸気用通路33の通気口58を開閉可能な第1開閉部材55と、吸気用通路34の通気口58を開閉可能な第1開閉部材55とに対して交互に当接する結果、吸気用通路33の閉動作と吸気用通路34の閉動作とを交互に行うことが可能になる。なお、DCモータ36及びカム部材43は本発明の動作手段の一例である。
左側のフィルタ群における清掃時の通気方向に関しても、上述した右側のフィルタ群に係る通気方向と同様に、順流方向や逆流方向をいうことができる。
【0035】
<本実施形態の自動塵落とし制御の第1の例(第1制御例)等>
コントローラ77は、塵落とし動作において、DCモータ36(ないしこれを介したカム部材43の位置・姿勢)等を制御するところ、その制御(自動塵落とし制御)の第1例(第1制御例、以下同様)をまず説明する。
【0036】
DCモータ36の回転軸42は、電圧の印加に応じ、所定の回転速度となるように、予め設定されている。
コントローラ77は、所定スイッチの入力等に基づき、DCモータ36に対して所定電圧の印加をし、DCモータ36の回転軸42につき、当該所定電圧の印加に対応する所定の回転速度で回転し、カム部材43につき、当該所定の回転速度と相違する(減速機41の減速比による、所定の回転速度と同一でも良い)特定の回転速度で回転する。
【0037】
カム部材43の先端部(カム部材43が第1開閉部材55に当接する部位)を含む仮想的な水平面Kの模式的な端面図(上から見たもの)を
図12に示す。
図12における点Mは、DCモータ36の回転軸42の延長線が水平面Kと交わる部位であり、円弧Rはカム部材43の回転移動可能範囲を示す。
コントローラ77は、上記常態(塵落とし動作をせず集塵動作のみを行う状態)では、DCモータ36の回転軸42を介して、カム部材43を、所定のカム初期位置PC0に位置させる。当該カム初期位置PC0は、ここでは上述の通り、各第1開閉部材55が、対応する通気口58を開放し、垂直方向へ延びる姿勢をとる位置である。カム初期位置PC0におけるカム部材43(の先端部右側即ち右の第1開閉部材55に当接可能な部位)から、右の通気口58(右の吸気用通路34の傾斜壁57に当接した姿勢での右の第1開閉部材55)までの距離は、第1カム回転移動距離LC1となっている。また同様に、カム初期位置PC0におけるカム部材43から、開いた状態の左の第1開閉部材55(の内側の壁に対する当接部位)までの距離は、第2カム回転移動距離LC2となっている。ここでは、第1カム回転移動距離LC1と、第2カム回転移動距離LC2とは、等しく設定されている。即ち、カム初期位置PC0におけるカム部材43は、最大まで開いたと仮定した状態の右の第1開閉部材55から、最大まで開いたと仮定した状態の左の第1開閉部材55までの距離における、中点に位置する。換言すれば、カム初期位置PC0は、円弧Rの中点に位置する。
なお、カム部材43についての、右の第1開閉部材55を傾斜壁57に丁度当接させた姿勢(右の通気口58を通気不能に閉塞し始める姿勢)をとる位置を、カム右最回転位置PC1とする。同様に、左の第1開閉部材55との関係において、カム左最回転位置PC2を考える。
また、DCモータ36の回転軸42の回転位置について、カム部材43がカム初期位置PC0となる場合における回転位置を初期位置P0とし、カム部材43がカム右最回転位置PC1となる場合における回転位置を右最回転位置P1とし、カム部材43がカム左最回転位置PC2となる場合における回転位置を左最回転位置P2とする。
図12では理解を容易にするために各カムの回転位置と対応するように初期位置P0,右最回転位置P1,左最回転位置P2を示したが、実際には減速機41が存在するため、減速比により右最回転位置P1,左最回転位置P2は
図12と異なっている。
【0038】
従って、コントローラ77は、カム初期位置PC0にあるカム部材43について、第1カム回転距離LC1を上記特定の回転速度で除した第1特定時間に亘り、DCモータ36の回転軸42を駆動すれば、右の第1開閉部材55を、通気孔58における通気間隔のない閉塞姿勢をとる位置(閉塞位置)に配置することができる。
また、コントローラ77は、カム初期位置PC0にあるカム部材43について、第2カム回転距離LC2を上記特定の回転速度で除した第2特定時間に亘り、DCモータ36の回転軸42を駆動すれば、左の第1開閉部材55に対し閉塞位置に配置することができる。
ここでは第1カム回転距離LC1と第2カム回転距離LC2とが等距離であるため、第1特定時間と第2特定時間は同一時間となる。
コントローラ77は、右最回転位置P1から左最回転位置P2までカム部材34を移動させたい場合には、第1特定時間と第2特定時間を足した時間だけ回転軸42を回転し、左最回転位置P2から右最回転位置P1までの移動についても同様とする。
なお、DCモータ36の初期位置P0にある回転軸42について、初期位置P0に対応する回転位置から、右最回転位置P1に対応する回転位置までの第1回転距離を、上記所定の回転速度で除した値(第1所定時間)は、第1特定時間と同一となる。また、初期位置P0の回転位置から、左最回転位置P2に対応する回転位置までの第2回転距離を、上記所定の回転速度で除した値(第2所定時間)は、第2特定時間と同一となる。
【0039】
コントローラ77は、塵落とし動作として、例えば次の順序でDCモータ36を駆動する。
まず、コントローラ77は、回転軸42を初期位置P0から第1所定時間だけ正転して右最回転位置P1とし、カム部材43をカム右最回転位置PC1として、右の各フィルタ20、23、22の塵落とし動作のために右の第1開閉部材55を傾斜壁57に丁度当接させて右の通気口58を通気不能に閉塞する。そして、コントローラ77は、この閉塞を、所定塵落とし時間だけ継続する。
次に、コントローラ77は、右最回転位置P1から第1所定時間と第2所定時間の和の時間だけ回転軸42を逆転して左最回転位置P2とし、カム部材43をカム左最回転位置PC2として、左の各フィルタ20、23、22の塵落とし動作のために左の第1開閉部材55を傾斜壁57に丁度当接させて左の通気口58を通気不能に閉塞する。そして、コントローラ77は、この閉塞を、特定塵落とし時間(所定塵落とし時間と同一でも良い)だけ継続する。
続いて、コントローラ77は、左最回転位置P2から第2所定時間だけ回転軸42を正転して初期位置P0とし、カム部材43をカム初期位置PC0に戻す。
【0040】
この第1制御例では、コントローラ77は、予め定められた第1所定時間や第2所定時間によってDCモータ36の回転軸42を駆動することで、カム部材43につき、何れかの通気口58を第1開閉部材55を介して閉塞可能な位置に制御することができ、シンプルな制御において塵落とし動作を実現することができる。
ただし、回転軸42の所定の回転速度が変動してこれより遅くなった場合、所定の回転速度を前提とした第1所定時間や第2所定時間を用いて制御すると、カム部材43が右最回転位置PC1あるいは左最回転位置PC2に達しないまま回転軸42の回転を停止してしまうこととなり、通気口58を通気不能に閉塞できずに塵落とし動作が不十分なものとなる可能性を生じる。
また、回転軸42の所定の回転速度が速くまたは遅く変動した場合には、初期位置P0へ戻す際の動作にも影響を及ぼし、適切な初期位置P0に戻らずに、次の塵落とし動作の正確さを減少させる可能性を生じる。
なお、回転軸42に係る所定の回転速度の変動要因として、例えば電力供給事情や、DCモータ36や減速機41の各種部品の摩耗の進行(に基づく摺動摩擦の変化)が挙げられる。
さらに、回転軸42や減速機41等の停止直後においては、直前までの回転力による運動の慣性が働くので、これを考慮した第1所定時間や第2所定時間の決定が必要となる。
【0041】
<第2制御例等>
次に第2制御例について説明する。
図13は本発明の第2制御例に係る塵落とし動作のフローチャートであり、
図14は当該塵落とし動作におけるDCモータ36に対する電圧の印加状況を表す模式的なタイムチャートである。
第2制御例においては、対応するスイッチの操作等により塵落とし動作の開始が指令されると、別の操作等(塵落とし動作開始スイッチの次なる押下等)により塵落とし動作の終了が指令されるまで、塵落とし動作を継続する。
第2制御例の塵落とし動作は、概略、
図12の初期位置P0から右最回転位置P1及び左最回転位置P2を経て初期位置P0に戻り、次いで初期位置P0から左最回転位置P2及び右最回転位置P1を経て初期位置P0に戻り、さらに以上を繰り返す動作である。
【0042】
第2制御例の塵落とし動作につき、より詳細に説明する。
塵落とし動作開始時、回転軸42は初期位置P0にあり、カム部材43はカム初期位置PC0にある。
コントローラ77は、塵落とし動作が開始されると、DCモータ36にプラスの所定電圧(+V)を印加して、DCモータ36の回転軸42の正転(順方向の回転)をする(
図13のステップS1,
図14の水平部T1の前部)。そして、コントローラ77は、DCモータ36がロック状態となったか否かを判別し(ステップS2)、ロック状態になっていない場合には(No)、DCモータ36の正転を続ける。ステップS2におけるロック状態の判別は、上述の通りDCモータ36の電流値が所定値以上となっている時間が所定時間以上続いた場合であり、外部要因等による瞬時の電流変動はロック状態の判別に影響を与えない。
一方、コントローラ77は、DCモータ36がロック状態となると(ステップS2でYes)、カウンタ手段により閉動作開始後所定時間(ここでは200ms)の経過が把握されるまで、そのままDCモータ36の正転を続ける(ステップS3,水平部T1の後部)。カム部材43が右最回転位置PC1に達し、右の第1開閉部材55を介して右の通気口58周縁に当たって、右の第1開閉部材55が通気不能な閉塞状態(閉状態)となると、DCモータ36は電圧の印加を受けていても回転軸42を回転できないため、ロック状態となる。カム部材43が右最回転位置PC1にあれば、第1開閉部材55が閉状態となり、通気口58は第1開閉部材55により通気不能に閉塞されるため、右側のフィルタ群が清掃される。なお、第1開閉部材55を閉状態とする動作を、第1開閉部材55(弁)の閉動作とする。
【0043】
コントローラ77は、200msの経過を把握すると、DCモータ36を所定停止時間(例えば50ms)だけ一旦停止し(ステップS4,水平部T2)、次いでDCモータ36にマイナスの所定電圧(−V)を印加して、DCモータ36の回転軸42の逆転(逆方向の回転)をする(ステップS5,水平部T3の前部)。
コントローラ77は、回転軸42の逆転開始時において、左右移動時間カウンタによる時間の計測を開始し(ステップS6)、逆転中において、左右移動時間カウンタによる時間の計測を続け、またロックしたか否かを監視する(ステップS7)。
コントローラ77は、DCモータ36がロック状態となると(ステップS7でYes)、左右移動時間カウンタの駆動を停止する(ステップS8)。これにより、コントローラ77は、左右移動時間カウンタにおいて、カム部材43がカム右最回転位置PC1からカム左最回転位置PC2までの移動に実際要した時間を把握することができ、回転軸42が右最回転位置P1から左最回転位置P2までの回転に実際要した時間を把握することができる。
また、コントローラ77は、200ms経過するまで、ロック中におけるDCモータ36の逆転指令を続け、左フィルタ群の清掃を行う(ステップS9,水平部T3の後部)。即ち、コントローラ77は、ロック状態(DCモータ36の電流値が所定値以上である状態)の継続時間が200ms以内であることを所定条件として、当該所定条件の間、第1開閉部材55の閉状態を継続する。換言すれば、ロック状態の継続時間が200msを超えると、第1開閉部材55は閉状態から開状態になる。
【0044】
コントローラ77は、200ms経過すると、DCモータ36を一旦停止し(ステップS10,水平部T4)、次いで回転軸42を正転する(ステップS11,水平部T5)。この正転により、カム部材43は、左最回転位置PC2からカム初期位置PC0へ復帰していく。
コントローラ77は、回転軸42の正転中、正転開始時を起点とした初期位置復帰所要時間の経過をカウンタ手段により監視し(ステップS12)、当該時間が経過したら、DCモータ36を瞬間的に(例えば5ms)一旦停止する(ステップS13,水平部T6)。コントローラ77は、初期位置復帰所要時間算出手段により、直前に得た実際の左右移動時間から、初期位置復帰所要時間を、ステップS8〜S10の何れかのタイミングで割り出しておく。
なお、左右移動時間をXとし、初期位置復帰所要時間をYとすると、ここではこれらは次の関係を有する。
Y=X/2
【0045】
そして、コントローラ77は、(初期位置復帰所要時間に比して)僅かな時間(例えば10ms)だけ、DCモータ36の回転軸42を逆回転する(ステップS14,水平部T7)。
コントローラ77は、この逆回転(カム部材43がカム初期位置PC0に復帰する際における回転軸42の回転方向と逆方向の回転)により、DCモータ36の停止指令(ステップS13)後において慣性でさらに動く回転軸42のブレーキを行う。
コントローラ77が指令する逆回転の継続時間は、DCモータ36等の慣性の度合や、直前の一旦停止時間等により決定可能である。
なお、ステップS13の一旦停止とステップS14を合わせてブレーキと捉えることも可能である。
【0046】
コントローラ77は、ブレーキにより正確にカム部材43をカム初期位置PC0に戻し回転軸42を初期位置P0に戻した後、比較的に長時間が経過するまで(例えば10s(秒))そのまま待機する(ステップS15)。
なお、ステップS1〜S15の一連の処理を、塵落とし動作Aと呼ぶ。塵落とし動作Aでは、
図14のタイムチャートの水平部T1〜T8で表される電圧が、コントローラ77によって、DCモータ36に対し印加される。
【0047】
コントローラ77は、待機終了後、塵落とし動作Aと同様である塵落とし動作B(ステップS21〜S35,水平部T11〜T18)を行う。
塵落とし動作Bは、DCモータ36に対する電圧の極性が逆になっており、塵落とし動作Aに対し、DCモータ36の回転方向やカム部材43の移動方向が逆になっている。
特に、塵落とし動作Bでは、コントローラ77は、左右移動時間として、カム部材43が左から右へ(カム左最回転位置PC2からカム右最回転位置PC1まで)移動する際の時間を把握する(ステップS26〜S28)。
また、塵落とし動作Bでは、コントローラ77は、DCモータ36の逆転(ステップS31)により左から初期位置P0に復帰する回転軸42において、その逆転とは逆回転の関係となる正転(ステップS34)によりブレーキをかける。
【0048】
コントローラ77は、塵落とし動作Bを終えると、塵落とし動作Aの最初に戻り、以後同じ処理を繰り返す。
なお、コントローラ77は、初期位置P0以外で塵落とし動作停止の操作がなされた場合、回転軸42を初期位置P0に戻しておく。このとき、DCモータ36回転中であれば、ロックするまでそのまま回転した後、直前に取得した左右移動時間から得た初期位置復帰所要時間だけ逆回転する等して初期位置P0に戻すことができる。
【0049】
<本実施形態の効果等>
本実施形態の集塵機1ではDCモータ36とカム部材43とを用い、吸気用通路33の通気口58を開閉可能な第1開閉部材55と、吸気用通路34の通気口58を開閉可能な第1開閉部材55とで、吸気用通路33の閉動作と吸気用通路34の閉動作とを交互に行って、左側の各フィルタ20、23、22の塵落としと右側の各フィルタ20、23、22の塵落としとを交互に行うことができる。よって、集塵機1の運転中も左側の各フィルタ20、23、22の清掃と右側の各フィルタ20、23、22の清掃とが可能になる。さらにDCモータ36とカム部材43を用いて各第1開閉部材55と各第2開閉部材61とを作動させるため、両開閉部材55、61の作動には電磁バルブが不要となり、集塵機1の構造が簡単になる。
【0050】
また、1つのDCモータ36と、このDCモータ36の出力軸42に減速機41を介して連結された1つのカム部材43とによって、吸気用通路33の閉動作と吸気用通路34の閉動作とを交互に行うことができるため、DCモータ36及びカム部材43の設置数を最小限に抑えることができる。これに伴って集塵機1の製造コストを抑えることができる。
【0051】
さらに一対のフィルタ20、20を、DCモータ36及び各第1開閉部材55と干渉させることなく集塵機1の縦寸法が増加することを抑制した状態で配置できる。
【0052】
加えてプレフィルタ20には帯電防止加工が施されているため、プレフィルタ20に静電気が帯電することを抑制できる。これにより、粉塵が静電気でプレフィルタ20に吸着することが抑えられるため、プレフィルタ20の塵離れが良好になる。
【0053】
さらに加えて、常態の各第1開閉部材55が、吸気用通路33における吸気口52よりも下流側で中空部14との連通部や吸気用通路34における吸気口53よりも下流側で中空部14との連通部との間に、通気口58を設けた上で通気間隔を保つことで、常態では各吸気用通路33、34を開放できる。一方各第1開閉部材55が吸気用通路33の閉動作や吸気用通路34の閉動作を行ったときは、通気口58を閉塞し且つ通気間隔がなくなることで、各吸気用通路33、34を閉塞できる。
【0054】
また、上述した第1制御例によれば、DCモータ36の所定の回転時間のみで制御可能であるため、シンプルな制御において塵落とし動作を実現することができる。
【0055】
そして、上述した第2制御例によれば、フィルタ(プレフィルタ20及びフィルタ23,22)と、当該フィルタを覆うタンク3と、タンク3に外気を導入するためのファンFと、を有し、当該フィルタに順流方向に通気することによって集塵する、集塵機1において、当該フィルタに逆流方向に通気するための第1開閉部材55を設けるとともに、第1開閉部材55を駆動するためのDCモータ36を設け、DCモータ36は、初期位置P0から回転可能に形成されており、DCモータ36を初期位置P0に戻す際にブレーキを用いる。従って、DCモータ36による第1開閉部材55作動用のカム部材43の位置制御を正確なものとすることができるし、カム部材43を確実に初期位置P0に戻すことでカム部材43を確実にカム初期位置PC0に復帰させ、通常の集塵動作時であるにもかかわらずカム部材43が第1開閉部材55に当たって順流方向の通気を妨げる事態を防止することができる。
また、フィルタ(プレフィルタ20及びフィルタ23,22)と、当該フィルタを覆うタンク3と、タンク3に外気を導入するためのファンFと、を有し、当該フィルタに順流方向に通気することによって集塵する、集塵機1において、当該フィルタに逆流方向に通気するための第1開閉部材55を設けるとともに、第1開閉部材55を駆動するためのDCモータ36を設け、DCモータ36は、初期位置P0から回転可能に形成されており、DCモータ36を初期位置P0に戻すように、DCモータ36を制御する。よって、常に初期位置P0を基準として第1開閉部材55作動用のカム部材43の位置を制御することができ、カム部材43を介した第1開閉部材55による適切な閉塞を実現することができる。また、初期位置P0は、カム部材43がカム初期位置PC0となって第1開閉部材55に接触しない位置であり、そのような初期位置P0に戻すように制御することで、通常の集塵動作時に第1開閉部材55が閉塞作用を及ぼして集塵を妨げる事態の発生を防止することができる。
さらに、フィルタ(双方のプレフィルタ20及びフィルタ23,22)と、当該フィルタを覆うタンク3と、タンク3に外気を導入するためのファンFと、を有し、当該フィルタに順流方向に通気することによって集塵する、集塵機1において、当該フィルタに逆流方向に通気するための第1開閉部材55を設けるとともに、第1開閉部材55を駆動するためのDCモータ36を設け、DCモータ36は、初期位置P0から回転可能に形成されており、DCモータ36を最回転位置(右最回転位置P1または左最回転位置P2)より回転した後に、DCモータ36を逆回転させるように構成した。よって、逆回転というシンプルな制御により、DCモータ36やカム部材43の停止時において慣性により動こうとしたあるいは動いたDCモータ36等のブレーキを実現することができ、DCモータ36等の位置の制御を正確なものとして、塵落とし動作や集塵動作が適切に行われるようにすることができる。
【0056】
また、フィルタ(プレフィルタ20及びフィルタ23,22)と、当該フィルタを覆うタンク3と、タンク3に外気を導入するためのファンFと、を有し、当該フィルタに順流方向に通気することによって集塵する、集塵機1において、当該フィルタに逆流方向に通気するための第1開閉部材55を設けるとともに、第1開閉部材55を駆動するためのDCモータ36を設けている。よって、第1開閉部材55の作動に電磁バルブが不要となり、シンプルな構成で確実に第1開閉部材55の閉塞及び開放を行うことができ、順流方向の通気による集塵動作と、逆流方向の通気によるフィルタの塵落とし動作を、確実に実行することができる。
さらに、フィルタ(プレフィルタ20及びフィルタ23,22)と、当該フィルタを覆うタンク3と、タンク3に外気を導入するためのファンFと、を有し、当該フィルタに順流方向に通気することによって集塵する、集塵機1において、当該フィルタに逆流方向に通気するための第1開閉部材55を設けるとともに、第1開閉部材55を所定条件の間、閉状態とするように制御するコントローラ77を設けたので、当該所定条件に対応する所定時間の間に亘り確実に第1開閉部材55を閉状態とすることができ、第1制御例で回転速度変動を生じた場合等において発生し得る事態である、第1開閉部材55が閉状態となる時間が相違して当該フィルタの清掃状態がばらつく事態を防止して、常に当該フィルタを充分に清掃することが可能となる。
またさらに、フィルタ(プレフィルタ20及びフィルタ23,22)と、当該フィルタを覆うタンク3と、タンク3に外気を導入するためのファンFと、を有し、当該フィルタに順流方向に通気することによって集塵する、集塵機1において、当該フィルタに逆流方向に通気するための第1開閉部材55を設けるとともに、第1開閉部材55を開閉するためのDCモータ36を設け、DCモータ36の電流を検知することによって、DCモータ36を制御するようにしている。従って、電流の検知というシンプルな方式により、第1開閉部材55の通気不能な閉状態を判別することができ、シンプルな構成で確実に当該フィルタの塵落とし動作と集塵動作を行うことができる。
くわえて、フィルタ(プレフィルタ20及びフィルタ23,22)と、当該フィルタを覆うタンク3と、タンク3に外気を導入するためのファンFと、を有し、当該フィルタに順流方向に通気することによって集塵する、集塵機1において、当該フィルタに逆流方向に通気するための第1開閉部材55を設けるとともに、第1開閉部材55を開閉するためのDCモータ36を設け、第1開閉部材55が開状態になり、DCモータ36の電流値が所定値以上の時間が所定時間以上続いた場合に、第1開閉部材55を閉状態へとなるように制御するコントローラ77を設けている。よって、DCモータ36が、第1開閉部材55を開閉するカム部材43の移動不能によりロック状態となったことを、瞬間的な外部電流の変動等の他の要因と区別して確実に判別することができ、第1開閉部材55の閉状態における動作(閉状態の所定時間に亘る維持等)を確実に実行することができる。
また、フィルタ(プレフィルタ20及びフィルタ23,22)と、当該フィルタを覆うタンク3と、タンク3に外気を導入するためのファンFと、を有し、当該フィルタに順流方向に通気することによって集塵する、集塵機1において、当該フィルタに逆流方向に通気するための第1開閉部材55を設けるとともに、第1開閉部材55を開閉するためのDCモータ36を設け、DCモータ36による第1開閉部材55の閉動作開始後所定時間(200ms)で、DCモータ36による第1開閉部材55の閉方向動作を停止する。よって、当該所定時間の間に亘り確実に第1開閉部材55を閉状態とすることができ、第1制御例の回転速度変動時等の要因により第1開閉部材55が閉状態となる時間が相違することで当該フィルタの清掃状態がばらつく事態を防止して、常に当該フィルタを充分に清掃することが可能となる。
【0057】
なお、コントローラ77は、DCモータ36の右最回転位置P1から左最回転位置P2まで(あるいは左最回転位置P2から右最回転位置P1まで)の回転に要した時間(左右移動時間)を取得し、初期位置P0への復帰に際し当該時間から算出した所要時間を用いるので、実際の左右移動時間に基づいて初期位置P0への復帰を制御することができ、初期位置P0への復帰を現状に即して確実に行うことができる。特に、予めモータ駆動時間が決定されている第1制御例に対し、より正確に初期位置P0への復帰を行える。
また、コントローラ77は、まず右の弁を閉状態とし次いで左の弁を閉状態とする塵落とし動作Aと、まず左の弁を閉状態とし次いで右の弁を閉状態とする塵落とし動作Bを、交互に行う。即ち、コントローラ77は、複数の弁の順次(右左)の閉動作を行う第1塵落とし動作(塵落とし動作A)の直後に、第1塵落とし動作とは順序の異なる(左右)弁の閉動作を行う第2塵落とし動作(塵落とし動作B)を行い、適宜これらを続ける。従って、DCモータ36が初期位置P0からずれている状態で塵落とし動作を開始する事態や、初期位置P0からの何れかの弁の閉動作を経た総数により位置の制御が変わる事態が発生したとしても、各フィルタにおける清掃時間のばらつきを抑制することができ、各フィルタの塵落とし状況を充分な状態で均一にすることができる。
【0058】
<本実施形態の変更例等>
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において構成の一部を適宜変更して実施できる。例えば、吸気用通路33の第1開閉部材55を作動させるDCモータ及びカム部材と、吸気用通路34の第1開閉部材55を作動させるDCモータ及びカム部材とを別個に配置して、一方のDCモータ及びカム部材で吸気用通路33の閉動作を行うときに、他方のDCモータ及びカム部材で吸気用通路34の第1開閉部材55が、通気口58を開放する位置に付勢されるようにしてもよい。また、プレフィルタ20に加えて紙製のフィルタ22に対しても帯電防止加工を施してもよい。フィルタを、層構造にせず一重のものとしたり、さらに層数の増加したものとしたりして良い。また、DCモータ36をACモータ等の他のモータに変更して良い。さらに上述した実施形態とは異なり、第2開閉部材と第1開閉部材とを連設させて、第2開閉部材が、第1開閉部材の閉動作に連動して連通路の吸気口を開放するようにしてもよい。加えて上述した実施形態とは異なり、
図12に示す如くカム部材43を、高トルクの特性を有するDCモータ36の出力軸42に直結してもよい。これにより、例えばDCモータ36の出力軸42を回転させることで、カム部材43を左側へ回転させて、第1開閉部材55を吸気用通路33の傾斜壁57に当接させた後にDCモータ36への通電を停止すると、吸気用通路33内の排気の圧力によって、第1開閉部材55がカム部材43を傾斜壁57から離れる方向へ押し戻すことができる。したがって、上述した実施形態と異なり、吸気用通路33の通気口58を開放するために、左側へ回転させたカム部材43を、DCモータ36によってあらためて右側へ回転させる制御が不要になる。
【0059】
また、第1制御例や第2制御例において、処理の順序や内容等を適宜変更することができる。
特に、第1制御例や第2制御例において、左のフィルタ群から先に清掃するようにして良い。また、初期位置P0を、左右の中点ではなく、左あるいは右に偏った位置として良い。さらに、塵落とし時間(第1開閉部材55により通気口58を通気不能に塞ぐ時間)や各種の処理時間を適宜長くしたり短くしたりできる。くわえて、DCモータ36のロック状態の把握を、電圧変動(電圧値が特定閾値以下となるとロック状態とする等)や、回転数(0であるとロック状態とする等)や、カム部材43がカム右最回動位置PC1あるいはカム左最回動位置PC2となった際にカム部材43や第1開閉部材55を検知するセンサにより行って良い。
また、第1制御例において、DCモータ36のロック状態を把握しないようにすることができる。
一方、第2制御例において、初期位置復帰所要時間を、別の式で算出して良い。コントローラ77の記憶手段に過去の初期位置復帰所要時間や左右移動時間を蓄積し、その平均等を初期位置復帰所要時間の算出に用いるようにすることができる。また、塵落とし動作終了時に、塵落とし動作A中であったかあるいは塵落とし動作B中であったかを判別して記憶手段に記憶しておき、次回の塵落とし動作開始時において当該記憶を参照し、塵落とし動作B中の終了であったら塵落とし動作Bから始める等、当該記憶に応じて動作を変更するようにして良い。さらに、スイッチにより、塵落とし動作Aか塵落とし動作Bの何れかを指定可能に構成して良いし、スイッチにより、右のフィルタ群のみを清掃するか左のフィルタ群のみを清掃するかを指定するようにしても良い。
また、第1開閉部材55や通気口58が1個しかないタイプであっても、ブレーキにより、第1開閉部材55等の正確な動作をもたらすことが可能である。
ブレーキとしては、停止直後の回転軸42の逆回転の他、初期位置P0の回転軸42やカム初期位置PC0のカム部材43に係止する係止部材の設置、あるいはこれらの組合せ等を採用することができる。
弁(第1開閉部材55)を閉状態とする所定条件として、複数回に亘るDCモータ36がロック状態となった時間の合計が所定時間以内である場合等とする。