特許第6161315号(P6161315)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6161315加熱調理器、及び、加熱調理器の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6161315
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】加熱調理器、及び、加熱調理器の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 6/12 20060101AFI20170703BHJP
【FI】
   H05B6/12 324
   H05B6/12 334
【請求項の数】8
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2013-28807(P2013-28807)
(22)【出願日】2013年2月18日
(65)【公開番号】特開2014-157761(P2014-157761A)
(43)【公開日】2014年8月28日
【審査請求日】2015年12月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085198
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 久夫
(74)【代理人】
【識別番号】100098604
【弁理士】
【氏名又は名称】安島 清
(74)【代理人】
【識別番号】100087620
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 範夫
(74)【代理人】
【識別番号】100125494
【弁理士】
【氏名又は名称】山東 元希
(74)【代理人】
【識別番号】100141324
【弁理士】
【氏名又は名称】小河 卓
(74)【代理人】
【識別番号】100153936
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 健誠
(74)【代理人】
【識別番号】100160831
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 元
(74)【代理人】
【識別番号】100166084
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 堅太郎
(72)【発明者】
【氏名】文屋 潤
【審査官】 長浜 義憲
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−355129(JP,A)
【文献】 特開平06−331156(JP,A)
【文献】 特開平02−140512(JP,A)
【文献】 特開2005−173894(JP,A)
【文献】 特開2005−347217(JP,A)
【文献】 特開平01−260787(JP,A)
【文献】 特開2008−099343(JP,A)
【文献】 特開2009−259727(JP,A)
【文献】 特開平04−126923(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 6/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1調理物を誘導加熱して調理する加熱コイルである第1加熱部と、
第2調理物を調理する第2加熱部と、
前記第1加熱部の加熱動作と前記第2加熱部の加熱動作とを制御する制御部と、
前記第1加熱部の入力電流を計測する入力電流計測部と、
前記第1加熱部での前記第1調理物の調理の内容を設定する調理内容設定部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1加熱部での前記第1調理物の調理が完了するまでに要する時間である第1調理完了所要時間を、前記入力電流計測部で計測された入力電流の時間変化と前記調理内容設定部で設定された調理の内容とに基づいて推定し、推定した前記第1調理完了所要時間に応じて前記第2加熱部での前記第2調理物の調理を開始するタイミングである第2調理開始タイミングを制御して、前記第1加熱部における調理が完了するタイミングである第1調理完了タイミングと前記第2加熱部での前記第2調理物の調理が完了するタイミングである第2調理完了タイミングとの間に生じる差を小さくする
ことを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記第1加熱部での前記第1調理物の調理が完了するタイミングである第1調理完了タイミングと、前記第2調理開始タイミングと、の時間差を設定する時間差設定部を備え、
前記制御部は、前記第1調理完了所要時間と前記時間差設定部で設定された時間差とに応じて前記第2調理開始タイミングを制御する、
ことを特徴とする請求項に記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記第1加熱部によって加熱される被加熱物の温度を計測する温度計測部を備え、
前記制御部は、前記温度計測部で計測された温度に基づいて、前記第1調理完了所要時間を推定する、
ことを特徴とする請求項またはに記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記制御部は、前記第2加熱部での前記第2調理物の調理を開始する際に、前記第1加熱部の加熱量を低下させる、
ことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記制御部は、HEMSで算出されたエネルギ使用量が基準値と比較して大きい場合に、前記第2加熱部での前記第2調理物の調理の開始を中止する、
ことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記第2加熱部での前記第2調理物の調理の状況を報知する調理状況報知部を備え、
前記制御部は、前記第2加熱部での前記第2調理物の調理の開始が中止されたことを、前記調理状況報知部に報知させる、
ことを特徴とする請求項に記載の加熱調理器。
【請求項7】
第1調理物を誘導加熱して調理する加熱コイルである第1加熱部と、
第2調理物を調理する第2加熱部と、
前記第1加熱部の加熱動作と前記第2加熱部の加熱動作とを制御する制御部と、
前記第1加熱部の入力電流を計測する入力電流計測部と、
前記第1加熱部での前記第1調理物の調理の内容を設定する調理内容設定部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1加熱部での前記第1調理物の調理が完了するまでに要する時間である第1調理完了所要時間を、前記入力電流計測部で計測された入力電流の時間変化と前記調理内容設定部で設定された調理の内容とに基づいて推定し、推定した前記第1調理完了所要時間に応じて前記第2加熱部での前記第2調理物の調理中における加熱量を制御して、前記第1加熱部における調理が完了するタイミングである第1調理完了タイミングと前記第2加熱部での前記第2調理物の調理が完了するタイミングである第2調理完了タイミングとの間に生じる差を小さくする
ことを特徴とする加熱調理器。
【請求項8】
第1調理物を誘導加熱して調理する加熱コイルである第1加熱部と、第2調理物を調理する第2加熱部と、前記第1加熱部の入力電流を計測する入力電流計測部と、前記第1加熱部での前記第1調理物の調理の内容を設定する調理内容設定部と、を備えた加熱調理器の制御方法であって、
前記第1加熱部での前記第1調理物の調理が完了するまでに要する時間である第1調理完了所要時間を、前記入力電流計測部で計測された入力電流の時間変化と前記調理内容設定部で設定された調理の内容とに基づいて推定するステップと、
推定した前記第1調理完了所要時間に応じて前記第2加熱部での前記第2調理物の調理を開始するタイミングである第2調理開始タイミングを制御して、前記第1加熱部における調理が完了するタイミングである第1調理完了タイミングと前記第2加熱部での前記第2調理物の調理が完了するタイミングである第2調理完了タイミングとの間に生じる差を小さくするステップと、
を有することを特徴とする加熱調理器の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱調理器と、その加熱調理器の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の加熱調理器として、複数の加熱部を備え、制御部が複数の加熱部を連動動作させるものがある。例えば、制御部は、第1加熱部に加熱動作を開始させると同時に、又は、第1加熱部に加熱動作を開始させた後に、第2加熱部に予熱動作を開始させる。第1加熱部での第1調理物の調理の前工程が完了すると、第1調理物は第2加熱部に移され、第2加熱部での第1調理物の調理の後工程が開始される。第2加熱部は、第1調理物が移された際に、予め予熱動作が完了しているため、第1調理物の調理全体が完了するまでに要する時間が短縮される(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−96484号公報(段落[0188]〜段落[0204]、図14
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の加熱調理器では、調理物が複数であり、複数の調理物のそれぞれが別々の加熱部で並行して調理される場合には、複数の調理物のそれぞれの調理が完了するタイミングに差が生じてしまう。しかし、調理の内容によっては、そのような差を少なくすることが望ましい場合(例えば、第1加熱部でコーヒー用の湯沸かしが行われ、第2加熱部でトーストの焼き上げが行われるような場合、第1加熱部でパスタ麺の茹で上げが行われ、第2加熱部でパスタソースの温めが行われるような場合等)がある。
【0005】
そのような場合には、使用者に、例えば、複数の加熱部のそれぞれに対応する複数のタイマーを個別に設定させる等、複数の調理物のそれぞれの調理が完了するタイミングの差が少なくなるように、タイマー設定部を操作させる必要があるが、その操作が煩雑であり、使い勝手がよくないという問題点があった。また、複数の加熱部のそれぞれに対応する複数のタイマーが設けられる必要があり、高コスト化されるという問題点があった。また、複数の加熱部のそれぞれに対応する複数のタイマーを設定し忘れることがあり、確実性が低いという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記のような課題を背景としてなされたものであり、使い勝手が向上され、高コスト化されることが抑制され、確実性が向上された加熱調理器を得ることを目的とする。また、使い勝手が向上され、高コスト化されることが抑制され、確実性が向上された加熱調理器の制御方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る加熱調理器は、第1調理物を誘導加熱して調理する加熱コイルである第1加熱部と、第2調理物を調理する第2加熱部と、前記第1加熱部の加熱動作と前記第2加熱部の加熱動作とを制御する制御部と、前記第1加熱部の入力電流を計測する入力電流計測部と、前記第1加熱部での前記第1調理物の調理の内容を設定する調理内容設定部と、を備え、前記制御部は、前記第1加熱部での前記第1調理物の調理が完了するまでに要する時間である第1調理完了所要時間を、前記入力電流計測部で計測された入力電流の時間変化と前記調理内容設定部で設定された調理の内容とに基づいて推定し、推定した前記第1調理完了所要時間に応じて前記第2加熱部での前記第2調理物の調理を開始するタイミングである第2調理開始タイミングを制御して、前記第1加熱部における調理が完了するタイミングである第1調理完了タイミングと前記第2加熱部での前記第2調理物の調理が完了するタイミングである第2調理完了タイミングとの間に生じる差を小さくするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る加熱調理器は、第1加熱部での第1調理物の調理が完了するまでに要する時間である第1調理完了所要時間を取得し、第1調理完了所要時間に応じて第2加熱部の加熱動作を制御して、第2加熱部での第2調理物の調理が完了するタイミングである第2調理完了タイミングを変化させる制御部を備えることで、使用者に、複数のタイマーを個別に設定させることなく、複数の調理物のそれぞれの調理が完了するタイミングに生じる差を少なくすることができ、使い勝手が向上され、高コスト化されることが抑制され、確実性が向上される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の、構成を示す図である。
図2】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の、機能ブロック構成を示す図である。
図3】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の、上面左加熱部の駆動回路の構成を示す図である。
図4】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の、グリル加熱部の駆動回路の構成を示す図である。
図5】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の、設定部に第1加熱部における調理の開始指令が入力された際の各制御部の処理フローを示す図である。
図6】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の、連動調理モードにおける各加熱部の動作のタイムチャートと第1温度計測部の計測温度との関係を示す図である。
図7】本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の、設定部に第1加熱部における調理の開始指令が入力された際の各制御部の処理フローを示す図である。
図8】本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の、第1温度計測部の計測温度の時間変化と第1入力電流計測部の計測電流の時間変化との関係を示す図である。
図9】本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の、設定部に第1加熱部における調理の開始指令が入力された際の各制御部の処理フローを示す図である。
図10】本発明の実施の形態4に係る加熱調理器の、設定部に第1加熱部における調理の開始指令が入力された際の各制御部の処理フローを示す図である。
図11】本発明の実施の形態5に係る加熱調理器の、設定部に第1加熱部における調理の開始指令が入力された際の各制御部の処理フローを示す図である。
図12】本発明の実施の形態6に係る加熱調理器の、設定部に第1加熱部における調理の開始指令が入力された際の各制御部の処理フローを示す図である。
図13】本発明の実施の形態7に係る加熱調理器の、機能ブロック構成を示す図である。
図14】本発明の実施の形態7に係る加熱調理器の、設定部に第1加熱部における調理の開始指令が入力された際の各制御部の処理フローを示す図である。
図15】本発明の実施の形態8に係る加熱調理器の、設定部に第1加熱部における調理の開始指令が入力された際の各制御部の処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る加熱調理器について、図面を用いて説明する。
なお、以下で説明する構成、動作等は、一例であり、本発明に係る加熱調理器は、そのような構成、動作等に限定されない。また、各図において、同一又は類似する部材又は部分には、同一の符号を付している。また、細かい構造については、適宜図示を簡略化又は省略している。また、重複又は類似する説明については、適宜簡略化又は省略している。
【0011】
実施の形態1.
実施の形態1に係る加熱調理器について説明する。
なお、以下では、本発明に係る加熱調理器が、上面加熱部が3つであり、その全てがIH式であり、グリル加熱部が輻射式である場合を説明するが、そのような場合に限定されず、複数の加熱部を備えていればよい。例えば、上面加熱部が2つであってもよく、上面加熱部がIH式の加熱部と輻射式の加熱部とであってもよく、グリル加熱部がIH式であってもよい。また、オーブン、レンジ等が連動されてもよい。また、複数の上面加熱部又はグリル加熱部がガスを熱源とする加熱部であってもよい。
<加熱調理器の構成>
以下に、実施の形態1に係る加熱調理器の構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の、構成を示す図である。図1に示されるように、加熱調理器1は、トッププレート2と、上面左加熱部3−1と、上面右加熱部3−2と、上面中央加熱部3−3と、グリル加熱部3−4と、制御部4と、を有する。
【0012】
図2は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の、機能ブロック構成を示す図である。図2に示されるように、制御部4は、主制御部21と、上面左加熱部制御部22−1と、上面右加熱部制御部22−2と、上面中央加熱部制御部22−3と、グリル加熱部制御部22−4と、を有する。上面左加熱部制御部22−1と上面右加熱部制御部22−2と上面中央加熱部制御部22−3とグリル加熱部制御部22−4とは、各加熱部に設けられ、主制御部21と双方向通信する。上面左加熱部3−1と上面右加熱部3−2と上面中央加熱部3−3とグリル加熱部3−4とは、主制御部21によって、互いに独立して通電が制御される。
【0013】
主制御部21には、設定部5が接続される。設定部5は、例えば、トッププレート2の手前側の上面等に設けられ、使用者の操作によって入力された設定情報を、主制御部21に送信する。使用者は、設定部5のキースイッチ、エンコーダを内蔵するダイヤル等を操作することで、各加熱部の加熱動作を設定する。また、使用者は、調理物が複数であり、複数の調理物のそれぞれが別々の加熱部で並行して調理される場合には、設定部5を操作することで、連動調理モードを設定することができる。
【0014】
主制御部21には、報知部6が接続される。報知部6は、例えば、表示画面、点灯ランプ、音声スピーカ等である。報知部6は、使用者の操作によって設定部5に入力された設定情報を文字表示、光、音等を発して報知する。報知部6は、連動調理モードが設定されている場合には、連動調理モードが設定されていることを文字表示、光、音等を発して報知し、また、各加熱部の加熱を開始するタイミングを文字表示、光、音等を発して報知する。報知部6は、連動調理モードでの調理が完了した際に、連動調理が完了したことを文字表示、光、音等を発して報知する。また、連動調理モードでの調理が行われている際に、加熱動作が行われている加熱部を、文字表示、光、音等を発して報知する。
【0015】
図3は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の、上面左加熱部の駆動回路の構成を示す図である。なお、図3では、上面左加熱部3−1の駆動回路が、ハーフブリッジ型インバータ回路である場合を示しているが、上面左加熱部3−1の駆動回路が、フルブリッジ型インバータ回路、一石電圧共振型インバータ回路等であってもよい。また、以下では、上面右加熱部3−2の駆動回路及び上面中央加熱部3−3の駆動回路が、図3に示されるような、ハーフブリッジ型インバータ回路である場合を説明しているが、上面右加熱部3−2の駆動回路及び上面中央加熱部3−3の駆動回路が、フルブリッジ型インバータ回路、一石電圧共振型インバータ回路等であってもよい。また、上面左加熱部3−1の駆動回路と、上面右加熱部3−2の駆動回路と、上面中央加熱部3−3の駆動回路と、が同じ型式のインバータ回路であってもよく、異なる型式のインバータ回路であってもよい。例えば、上面左加熱部3−1の駆動回路が、フルブリッジ型インバータ回路で、上面右加熱部3−2の駆動回路が、ハーフブリッジ型インバータ回路であってもよい。
【0016】
図3に示されるように、上面左加熱部3−1は、上面左加熱部制御部22−1と、加熱コイル31−1と、直流変換部32−1と、インバータ部33−1と、を有する。上面右加熱部3−2は、上面右加熱部制御部22−2と、加熱コイル31−2と、直流変換部32−2と、インバータ部33−2と、を有する。上面中央加熱部3−3は、上面中央加熱部制御部22−3と、加熱コイル31−3と、直流変換部32−3と、インバータ部33−3と、を有する。
【0017】
電源から供給される交流は、直流変換部32−1、32−2、32−3によって直流に変換される。インバータ部33−1、33−2、33−3において、インバータ駆動素子33−11、33−21、33−31とインバータ駆動素子33−12、33−22、33−32とが交互にON/OFFされることで、加熱コイル31−1、31−2、31−3に、高周波の電流が流れる。加熱コイル31−1、31−2、31−3からの高周波磁束によって、調理物91−1、91−2、91−3が入れられた容器92−1、92−2、92−3に渦電流が発生し、調理物91−1、91−2、91−3が加熱される。
【0018】
上面左加熱部制御部22−1には、入力電流計測部7−1と、コイル電流計測部8−1と、温度計測部9−1と、が接続される。上面右加熱部制御部22−2には、入力電流計測部7−2と、コイル電流計測部8−2と、温度計測部9−2と、が接続される。上面中央加熱部制御部22−3には、入力電流計測部7−3と、コイル電流計測部8−3と、温度計測部9−3と、が接続される。
【0019】
入力電流計測部7−1、7−2、7−3によって、直流変換部32−1、32−2、32−3への入力電流が計測される。コイル電流計測部8−1、8−2、8−3によって、加熱コイル31−1、31−2、31−3への入力電流が計測される。温度計測部9−1、9−2、9−3によって、調理物91−1、91−2、91−3、又は、容器92−1、92−2、92−3の温度が計測される。温度計測部9−1、9−2、9−3が、トッププレート2の、容器92−1、92−2、92−3が載置される領域の温度を計測してもよい。温度計測部9−1、9−2、9−3は、例えば、赤外線センサ、白金測温抵抗体、サーミスタ、熱電対等である。
【0020】
図4は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の、グリル加熱部の駆動回路の構成を示す図である。図4に示されるように、グリル加熱部3−4は、グリル加熱部制御部22−4と、上側ヒータ41aと、下側ヒータ41bと、BCR(スイッチ素子)42a、42bと、を有する。BCR(スイッチ素子)42a、42bがグリル加熱部制御部22−4によって制御されることで、上側ヒータ41a及び下側ヒータ41bの加熱量が調節される。なお、上側ヒータ41aと下側ヒータ41bとが、1つのヒータであってもよい。
【0021】
グリル加熱部制御部22−4には、温度計測部9−4が接続される。温度計測部9−4によって、調理物91−4の温度が計測される。温度計測部9−4が、調理物91−4が入れられる矩形箱状の空間の空気の温度を計測してもよく、載置される網、プレート等の温度を計測してもよい。温度計測部9−4は、例えば、赤外線センサ、白金測温抵抗体、サーミスタ、熱電対等である。
【0022】
<加熱調理器の動作>
以下に、実施の形態1に係る加熱調理器の動作について説明する。
なお、以下では、上面左加熱部3−1と、上面右加熱部3−2と、上面中央加熱部3−3と、グリル加熱部3−4と、のうちの、任意の2つの加熱部が、使用者の操作によって選択されて、2つの加熱部のそれぞれで異なる調理物が調理される場合を説明する。選択された2つの加熱部は、先行して調理が開始される側が第1加熱部3−a、それに後続して調理が開始される側が第2加熱部3−b、と記載される。また、第1加熱部3−aで調理される調理物は、第1調理物91−aと記載され、第2加熱部3−bで調理される調理物は、第2調理物91−bと記載される。また、第1加熱部3−aに設けられた制御部は、第1制御部22−aと記載され、第2加熱部3−bに設けられた制御部は、第2制御部22−bと記載される。また、第1加熱部3−aに設けられた温度計測部は、第1温度計測部9−aと記載され、第2加熱部3−bに設けられた温度計測部は、第2温度計測部9−bと記載される。
【0023】
図5は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の、設定部に第1加熱部における調理の開始指令が入力された際の各制御部の処理フローを示す図である。図5に示されるように、使用者の操作によって、設定部5に第1加熱部3−aにおける調理の開始指令が入力されると、主制御部21は、S111において、設定部5に連動調理モードが設定されているか否かを判定する。
【0024】
主制御部21は、連動調理モードの設定が有る場合には、S112に進み、第1加熱部3−aにおける調理の開始指令を第1制御部22−aに送信すると共に、連動調理モードの設定が有ることを第1制御部22−aに送信して、S113に進む。連動調理モードの設定が無い場合には、S117に進み、第1加熱部3−aにおける調理の開始指令を第1制御部22−aに送信すると共に、連動調理モードの設定が無いことを第1制御部22−aに送信して、S118に進む。
【0025】
第1制御部22−aは、主制御部21から第1加熱部3−aにおける調理の開始指令を受信すると、S131において、第1加熱部3−aに第1調理物91−aの調理を開始させ、S132に進む。S132において、連動調理モードの設定の有無を判定し、連動調理モードの設定が有る場合には、S133に進む。S133において、第1温度計測部9−aの計測温度を、予め設定された時間間隔で繰り返し主制御部21に送信しつつ、S134に進む。連動調理モードの設定が無い場合には、S134に進む。
【0026】
主制御部21は、S113において、第1温度計測部9−aの計測温度を、推定開始温度と繰り返し比較する。第1温度計測部9−aの計測温度が、推定開始温度と比較して大きくなると、S114に進む。なお、推定開始温度については、後に説明する。
【0027】
主制御部21は、S114において、第1加熱部3−aにおける第1調理物91−aの調理が完了するまでに要する時間である第1調理完了所要時間を推定によって取得して、報知部6に送信し、S115に進む。なお、第1調理完了所要時間の取得方法については、後に説明する。
【0028】
主制御部21は、S115において、第2加熱部3−bにおける第2調理物91−bの調理を開始するタイミングである第2調理開始タイミングを決定して、報知部6に送信し、S116に進む。なお、第2調理開始タイミングの決定方法については、後に説明する。
【0029】
主制御部21は、S116において、S115で決定された第2調理開始タイミングで、第2加熱部3−bにおける調理の開始指令を第2制御部22−bに送信して、S118に進む。
【0030】
第2制御部22−bは、主制御部21から第2加熱部3−bにおける調理の開始指令を受信すると、S141において、第2加熱部3−bに第2調理物91−bの調理を開始させ、S142に進む。
【0031】
主制御部21は、S118において、開始指令を送信した制御部がどれかを判定し、第1制御部22−aである場合には、S119に進み、第1制御部22−a及び第2制御部22−bである場合にはS119及びS121に進む。
【0032】
主制御部21は、S119において、第1加熱部3−aにおける第1調理物91−aの調理が完了したか否かを、第1調理完了基準を用いて判定し、完了した場合は、S120に進み、第1加熱部3−aにおける調理の終了指令を第1制御部22−aに送信する。なお、第1調理完了基準については、後に説明する。
【0033】
第1制御部22−aは、主制御部21から第1加熱部3−aにおける調理の終了指令を受信すると、S134において、第1加熱部3−aに第1調理物91−aの調理を終了させる。なお、第1制御部22−aは、使用者の操作によって、設定部5に第1加熱部3−aにおける調理の終了指令が入力されることで、第1加熱部3−aに第1調理物91−aの調理を終了させてもよい。
【0034】
主制御部21は、S121において、第2加熱部3−bにおける第2調理物91−bの調理が完了したか否かを、第2調理完了基準を用いて判定し、完了した場合は、S122に進み、第2加熱部3−bにおける調理の終了指令を第2制御部22−bに送信する。なお、第2調理完了基準については、後に説明する。
【0035】
第2制御部22−bは、主制御部21から第2加熱部3−bにおける調理の終了指令を受信すると、S142において、第2加熱部3−bに第2調理物91−bの調理を終了させる。なお、第2制御部22−bは、使用者の操作によって、設定部5に第2加熱部3−bにおける調理の終了指令が入力されることで、第2加熱部3−bに第2調理物91−bの調理を終了させてもよい。
【0036】
(推定開始温度)
推定開始温度は、使用者の操作によって、設定部5に第1加熱部3−aにおける調理内容が設定されている場合には、主制御部21が設定部5からその調理内容の情報を取得することで、決定される。例えば、設定部5に第1加熱部3−aにおける調理が湯沸かしであることが設定されている場合には、推定開始温度は、80℃に決定される。
【0037】
主制御部21が、設定部5から調理内容の情報を取得せず、例えば、使用者の使用態様の傾向(例えば、毎朝同じ時間に湯沸かしを行う等の傾向)、第1調理物91−aの種類或いは量の自動認識等によって、第1加熱部3−aにおける調理内容を推定してもよい。第1調理物91−aの種類は、例えば、使用されている容器92−aの仕様が既知である場合に、第1温度計測部9−aの計測温度の時間変化と、第1調理物91−aと容器92−aの総重量の時間変化と、から自動認識することが可能である。また、第1調理物91−aの重量は、例えば、使用されている容器92−aの仕様が既知である場合に、第1調理物91−aと容器92−aの総重量から自動認識することが可能である。
【0038】
(第1調理完了所要時間の取得方法)
第1調理完了所要時間は、使用者の操作によって、設定部5に第1加熱部3−aにおける調理内容が設定されている場合には、主制御部21が設定部5からその調理内容の情報を取得することで、推定される。主制御部21は、第1温度計測部9−aの計測温度の時間変化とその調理内容の情報とに基づいて、第1調理完了所要時間を推定する。
【0039】
図6は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の、連動調理モードにおける各加熱部の動作のタイムチャートと第1温度計測部の計測温度との関係を示す図である。図6に示されるように、例えば、設定部5に第1加熱部3−aにおける調理が湯沸かしであることが設定されている場合には、第1温度計測部9−aの計測温度が100℃に至るまでに要する時間が、第1調理完了所要時間として推定される。主制御部21は、推定開始温度に至るまでの第1温度計測部9−aの計測温度の時間変化から、第1温度計測部9−aの計測温度が100℃に至るまでに要する時間を推定する。例えば、設定部5に第1加熱部3−aにおける調理がパスタ麺の茹で上げであることが設定されている場合には、第1調理完了所要時間は、第1温度計測部9−aの計測温度が100℃に至るまでに要する時間に、茹で上げに要する時間(例えば10分)が足された時間として推定される。
【0040】
主制御部21が、設定部5から調理内容の情報を取得せず、例えば、使用者の使用態様の傾向(例えば、毎朝同じ時間に湯沸かしを行う等の傾向)、第1調理物91−aの種類或いは量の自動認識等によって、第1加熱部3−aにおける調理内容を推定してもよい。
【0041】
(第2調理開始タイミングの決定方法)
第2調理開始タイミングは、使用者の操作によって、設定部5に第2加熱部3−bにおける調理内容が設定されている場合には、主制御部21が設定部5からその調理内容の情報を取得することで、推定される。主制御部21は、S114で取得された第1調理完了所要時間とその調理内容の情報とに基づいて、第2調理開始タイミングを決定する。
【0042】
例えば、設定部5に第2加熱部3−bにおける調理がトーストの焼き上げであることが設定されている場合には、トーストの焼き上げに要する時間(例えば3分)が、第2加熱部3−bにおける第2調理物91−bの調理が完了するまでに要する時間である第2調理完了所要時間として推定され、第1調理完了所要時間と第2調理完了所要時間との差を現在の時間に足した時間が、第2調理開始タイミングとして決定される。
【0043】
主制御部21が、設定部5から調理内容の情報を取得せず、例えば、使用者の使用態様の傾向(例えば、毎朝同じ時間にトーストの焼き上げを行う等の傾向)、第2調理物91−bの種類或いは量の自動認識等によって、第2加熱部3−bにおける調理内容を推定してもよい。
【0044】
また、主制御部21が、設定部5から調理内容の情報を取得せず、S114で取得された第1調理完了所要時間を長さに応じてランク付けし(例えば、0〜3分ならAランク、3〜10分ならBランク、10分以上ならCランク等)、そのランクに基づいて、第1調理完了所要時間の長さが長いランクに属する程、第2調理開始タイミングが遅くなるように、第2調理開始タイミングを決定してもよい。
【0045】
(第1調理完了基準)
第1調理完了基準を満たすか否かは、S113において、第1温度計測部9−aの計測温度が、推定開始温度と比較して大きくなった後に、S114で取得された第1調理完了所要時間が経過したか否かが判定されることによって、判定される。また、例えば、第1加熱部3−aにおける調理が湯沸かしである場合には、容器(例えば、やかん等)92−aから音が発するか否かが検出されることで、判定されてもよい。
【0046】
(第2調理完了基準)
第2調理完了基準を満たすか否かは、S115において、第2調理完了所要時間が推定されている場合には、S113において、第1温度計測部9−aの計測温度が、推定開始温度と比較して大きくなった後に、S115で推定された第2調理完了所要時間が経過したか否かが判定されることによって、判定される。また、例えば、第2加熱部3−bにおける調理がトーストの焼き上げである場合には、第2調理物91−bから臭い(例えば、焦げに伴う臭い等)が発するか否かが検出されることで、判定されてもよい。
【0047】
<加熱調理器の作用>
以下に、実施の形態1に係る加熱調理器の作用について説明する。
加熱調理器1では、主制御部21が、第1調理完了所要時間を推定によって取得し、その第1調理完了所要時間に基づいて、第2調理開始タイミングを変化させる。そのため、使用者に、複数のタイマーを個別に設定させることなく、第1調理物91−a及び第2調理物91−bのそれぞれの調理が完了するタイミングに生じる差を少なくすることができ、使い勝手が向上され、高コスト化されることが抑制され、確実性が向上される。
【0048】
加熱調理器1では、主制御部21が、第1調理完了所要時間を、第1温度計測部9−aの計測温度の時間変化を検出することで推定している。そのため、第1調理完了所要時間の推定が正確化され、第1調理物91−a及び第2調理物91−bのそれぞれの調理が完了するタイミングに生じる差を更に少なくすることができる。
【0049】
加熱調理器1では、主制御部21が、第1調理完了所要時間を、設定部5から調理内容の情報を取得することで推定している。そのため、第1調理完了所要時間の推定が正確化され、第1調理物91−a及び第2調理物91−bのそれぞれの調理が完了するタイミングに生じる差を更に少なくすることができる。
【0050】
<変形例>
加熱調理器1では、第1加熱部3−a及び第2加熱部3−bが選択され、それぞれで異なる調理物が調理されているが、3つ以上の加熱部、例えば、第1加熱部3−a、第2加熱部3−b及び第3加熱部3−cが選択され、それぞれで異なる調理物が調理されてもよい。そのような場合には、例えば、主制御部21が、第1調理完了所要時間を推定によって取得し、その第1調理完了所要時間に基づいて、第2加熱部3−bにおける第2調理物91−bの調理を開始するタイミングである第2調理開始タイミングと、第3加熱部3−cにおける第3調理物91−cの調理を開始するタイミングである第3調理開始タイミングと、を変化させる。
【0051】
加熱調理器1では、主制御部21が、第1調理完了所要時間を、第1温度計測部9−aの計測温度の時間変化を検出することで推定しているが、使用者の操作によって、設定部5に第1加熱部3−aにおける調理内容が設定され、且つ、その調理の内容から第1調理完了所要時間が、第1温度計測部9−aの計測温度の時間変化が検出されることなく、推定できる場合には、第1温度計測部9−aの計測温度の時間変化が検出されなくてもよい。例えば、第1加熱部3−aにおける調理がトーストの焼き上げであり、そのことが設定部5に設定されている場合等においては、第1温度計測部9−aの計測温度の時間変化が検出されなくても、第1調理完了所要時間をほぼ推定することが可能である。
【0052】
実施の形態2.
実施の形態2に係る加熱調理器について説明する。
なお、以下では、実施の形態1に係る加熱調理器と重複又は類似する説明については、適宜簡略化又は省略している。
【0053】
<加熱調理器の動作>
以下に、実施の形態2に係る加熱調理器の動作について説明する。
なお、第1加熱部3−aは、上面左加熱部3−1と、上面右加熱部3−2と、上面中央加熱部3−3と、のうちのいずれか、つまり、IH式加熱部である。また、第1加熱部3−aに設けられた入力電流計測部は、第1入力電流計測部7−aと記載される。
【0054】
図7は、本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の、設定部に第1加熱部における調理の開始指令が入力された際の各制御部の処理フローを示す図である。図7に示される処理フローのS213、S214、S233以外は、図5に示される処理フローのS113、S114、S133以外と同様であるため、S213、S214、S233のみを説明する。
【0055】
図7に示されるように、第1制御部22−aは、S233において、第1入力電流計測部7−aの計測電流を、予め設定された時間間隔で繰り返し主制御部21に送信しつつ、S234に進む。
【0056】
主制御部21は、S213において、第1入力電流計測部7−aの計測電流を、推定開始電流と繰り返し比較する。第1入力電流計測部7−aの計測電流が、推定開始電流と比較して大きくなると、S214に進む。
【0057】
主制御部21は、S214において、第1調理完了所要時間を推定によって取得し、報知部6に送信して、S215に進む。なお、第1調理完了所要時間の取得方法については、後に説明する。
【0058】
(第1調理完了所要時間の取得方法)
第1調理完了所要時間は、使用者の操作によって、設定部5に第1加熱部3−aにおける調理内容が設定されている場合には、主制御部21が設定部5からその調理内容の情報を取得することで、推定される。主制御部21は、第1入力電流計測部7−aの計測電流の時間変化とその調理内容の情報とに基づいて、第1調理完了所要時間を推定する。
【0059】
図8は、本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の、第1温度計測部の計測温度の時間変化と第1入力電流計測部の計測電流の時間変化との関係を示す図である。図8に示されるように、例えば、第1加熱部3−aにおける調理が湯沸かしである場合等において、第1加熱部3−aにおける第1調理物91−aの調理が進行すると、第1温度計測部9−aの計測温度は上昇して飽和し、第1入力電流計測部7−aの計測電流は低下して飽和する。つまり、主制御部21は、第1調理完了所要時間を、第1入力電流計測部7−aの計測電流の時間変化を検出することによっても推定することができる。
【0060】
<加熱調理器の作用>
以下に、実施の形態2に係る加熱調理器の作用について説明する。
主制御部21が、第1加熱部3−aにおける第1調理物91−aの調理が完了するまでに要する時間である第1調理完了所要時間を、第1入力電流計測部7−aの計測電流の時間変化を検出することで推定している。そのため、第1調理完了所要時間の推定が正確化され、第1調理物91−a及び第2調理物91−bのそれぞれの調理が完了するタイミングに生じる差を更に少なくすることができる。
【0061】
また、主制御部21が、第1調理完了所要時間を、第1入力電流計測部7−aの計測電流の時間変化を検出することで推定する場合には、第1温度計測部9−aの計測温度の時間変化を検出することで推定する場合と比較して、第1温度計測部9−aに熱が伝搬するまでに要する時間が加味される必要がなく、応答速度が速いため、第1調理完了所要時間の推定が更に正確化される。また、既存の第1入力電流計測部7−aを流用することができ、高コスト化されることが更に抑制される。
【0062】
<変形例>
加熱調理器1では、主制御部21が、第1調理完了所要時間を、第1入力電流計測部7−aの計測電流の時間変化を検出することで推定しているが、第1温度計測部9−aの計測温度の時間変化と第1入力電流計測部7−aの計測電流の時間変化とを検出することで、推定してもよい。例えば、主制御部21は、第1温度計測部9−aの計測温度の時間変化を検出することで推定した第1調理完了所要時間と、第1入力電流計測部7−aの計測電流の時間変化を検出することで推定した第1調理完了所要時間と、の平均値を、第1調理完了所要時間とする。
【0063】
実施の形態3.
実施の形態3に係る加熱調理器について説明する。
なお、以下では、実施の形態1及び実施の形態2に係る加熱調理器と重複又は類似する説明については、適宜簡略化又は省略している。
【0064】
<加熱調理器の動作>
以下に、実施の形態3に係る加熱調理器の動作について説明する。
図9は、本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の、設定部に第1加熱部における調理の開始指令が入力された際の各制御部の処理フローを示す図である。図9に示される処理フローのS312、S313、S316、S331以外は、図5に示される処理フローのS112〜S114、S117、S131〜S133以外と同様であるため、S312、S313、S316、S331のみを説明する。
【0065】
図9に示されるように、主制御部21は、S312において、第1加熱部3−aにおける調理の開始指令を第1制御部22−aに送信して、S313に進む。また、主制御部21は、S316において、第1加熱部3−aにおける調理の開始指令を第1制御部22−aに送信して、S317に進む。
【0066】
第1制御部22−aは、主制御部21から第1加熱部3−aにおける調理の開始指令を受信すると、S331において、第1加熱部3−aに第1調理物91−aの調理を開始させ、S332に進む。
【0067】
主制御部21は、S313において、第1調理完了所要時間を推定せずに取得し、報知部6に送信して、S314に進む。なお、第1調理完了所要時間の取得方法については、後に説明する。
【0068】
(第1調理完了所要時間の取得方法)
使用者の操作によって、設定部5に第1加熱部3−aにおける調理の継続時間、つまりタイマーが設定されている。主制御部21は、設定部5からそのタイマーの設定情報を取得することで、第1調理完了所要時間を取得する。例えば、使用者は、第1加熱部3−aにおける調理がパスタ麺の茹で上げ等である場合に、湯が沸騰した後にパスタ麺を容器92−aに入れ、設定部5に、連動調理モードとタイマー(例えば10分)を設定し、第1加熱部3−aにおける調理の開始指令を入力する。主制御部21は、設定部5からタイマーの設定時間を取得することで、第1調理完了所要時間を取得する。
【0069】
<加熱調理器の作用>
以下に、実施の形態3に係る加熱調理器の作用について説明する。
加熱調理器1では、主制御部21が、第1調理完了所要時間を取得し、その第1調理完了所要時間に基づいて、第2調理開始タイミングを変化させる。そのため、使用者に、複数のタイマーを個別に設定させることなく、第1調理物91−a及び第2調理物91−bのそれぞれの調理が完了するタイミングに生じる差を少なくすることができ、使い勝手が向上され、高コスト化されることが抑制され、確実性が向上される。
【0070】
実施の形態4.
実施の形態4に係る加熱調理器について説明する。
なお、以下では、実施の形態1、実施の形態2及び実施の形態3に係る加熱調理器と重複又は類似する説明については、適宜簡略化又は省略している。また、以下では、加熱調理器1が、実施の形態1と同様に動作する場合を説明するが、他の実施の形態と同様に動作してもよいことは、言うまでもない。
【0071】
<加熱調理器の動作>
以下に、実施の形態4に係る加熱調理器の動作について説明する。
図10は、本発明の実施の形態4に係る加熱調理器の、設定部に第1加熱部における調理の開始指令が入力された際の各制御部の処理フローを示す図である。図10に示される処理フローのS415〜S419以外は、図5に示される処理フローのS115、S116以外と同様であるため、S415〜S419のみを説明する。
【0072】
図10に示されるように、主制御部21は、S415において、設定部5に、第1加熱部3−aにおける調理が完了するタイミングである第1調理完了タイミングと、第2調理開始タイミングと、の時間差が設定されているか否かを判定する。
【0073】
主制御部21は、時間差の設定が無い場合には、S416に進み、第2調理開始タイミングを決定して、報知部6に送信し、S417に進む。S417において、S416で決定された第2調理開始タイミングで、第2加熱部3−bにおける調理の開始指令を第2制御部22−bに送信して、S421に進む。
【0074】
主制御部21は、時間差の設定が有る場合には、S418に進み、S414で取得された第1調理完了所要時間と設定された時間差とから、第2調理開始タイミングを算出して、報知部6に送信し、S419に進む。S419において、S418で算出された第2調理開始タイミングで、第2加熱部3−bにおける調理の開始指令を第2制御部22−bに送信して、S421に進む。
【0075】
<加熱調理器の作用>
以下に、実施の形態4に係る加熱調理器の作用について説明する。
加熱調理器1では、使用者が、第2加熱部3−bにおける第2調理物91−bの調理を開始するタイミングである第2調理開始タイミングを、任意に設定することが可能である。そのため、第1調理物91−a及び第2調理物91−bのそれぞれの調理が完了するタイミングに生じる差を、使用者の趣向等に応じて変化させることができ、使い勝手が更に向上される。
【0076】
<変形例>
加熱調理器1では、主制御部21が、設定部5に、時間差が設定されているか否かを判定しているが、使用者に連動調理モードを設定させる際に、使用者に常に時間差を設定させ、主制御部21が、設定部5に、時間差が設定されているか否かを判定することなく、常にS414で推定された第1調理完了所要時間と設定された時間差とから、第2調理開始タイミングを算出し、その第2調理開始タイミングで、第2加熱部3−bにおける調理の開始指令を第2制御部22−bに送信してもよい。
【0077】
実施の形態5.
実施の形態5に係る加熱調理器について説明する。
なお、以下では、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3及び実施の形態4に係る加熱調理器と重複又は類似する説明については、適宜簡略化又は省略している。また、以下では、加熱調理器1が、実施の形態1と同様に動作する場合を説明するが、他の実施の形態と同様に動作してもよいことは、言うまでもない。
【0078】
<加熱調理器の動作>
以下に、実施の形態5に係る加熱調理器の動作について説明する。
図11は、本発明の実施の形態5に係る加熱調理器の、設定部に第1加熱部における調理の開始指令が入力された際の各制御部の処理フローを示す図である。図11に示される処理フローのS512、S515〜S517、S541、S542以外は、図5に示される処理フローのS112、S115〜S117、S141以外と同様であるため、S512、S515〜S517、S541、S542のみを説明する。
【0079】
図11に示されるように、主制御部21は、S512において、第1加熱部3−aにおける調理の開始指令及び第2加熱部3−bにおける調理の開始指令を第1制御部22−a及び第2制御部22−bに送信すると共に、連動調理モードの設定が有ることを第1制御部22−aに送信して、S513に進む。また、主制御部21は、S517において、第1加熱部3−aにおける調理の開始指令及び第2加熱部3−bにおける調理の開始指令を第1制御部22−a及び第2制御部22−bに送信すると共に、連動調理モードの設定が無いことを第1制御部22−aに送信して、S518に進む。
【0080】
第2制御部22−bは、主制御部21から第2加熱部3−bにおける調理の開始指令を受信すると、S541において、第2加熱部3−bに第2調理物91−bの調理を開始させ、S542に進む。
【0081】
主制御部21は、S515において、S514で取得された第1調理完了所要時間に基づいて、第2加熱部3−bにおける第2調理物91−bの調理の加熱量を決定して、報知部6に送信し、S516に進む。例えば、第2加熱部3−bにおける調理がトーストの焼き上げである場合等において、第1調理完了所要時間が長い程、第2加熱部3−bにおける第2調理物91−bの調理が完了するタイミングである第2調理完了タイミングが遅くなるように、加熱量が決定される。決定される加熱量は、例えば、調理完了の直前に加熱量が増加するような、時間変化するものであってもよい。
【0082】
主制御部21は、S516において、S515で決定された加熱量を第2制御部22−bに送信して、S518に進む。
【0083】
第2制御部22−bは、主制御部21から加熱量を受信すると、S542において、第2加熱部3−bに受信した加熱量を反映させ、S543に進む。
【0084】
<加熱調理器の作用>
以下に、実施の形態5に係る加熱調理器の作用について説明する。
加熱調理器1では、主制御部21が、第1調理完了所要時間を取得し、その第1調理完了所要時間に基づいて、第2加熱部3−bにおける第2調理物91−bの加熱量を変化させる。そのため、使用者に、複数のタイマーを個別に設定させることなく、第1調理物91−a及び第2調理物91−bのそれぞれの調理が完了するタイミングに生じる差を少なくすることができ、使い勝手が向上され、高コスト化されることが抑制され、確実性が向上される。
【0085】
<変形例>
加熱調理器1では、主制御部21が、第1加熱部3−aにおける調理の開始指令及び第2加熱部3−bにおける調理の開始指令を第1制御部22−a及び第2制御部22−bに同時に送信しているが、第1加熱部3−aにおける調理の開始指令及び第2加熱部3−bにおける調理の開始指令を異なるタイミングで送信してもよい。
【0086】
加熱調理器1では、主制御部21が、S514で取得された第1調理完了所要時間に基づいて、第2加熱部3−bにおける第2調理物91−bの調理の加熱量を決定しているが、第2温度計測部9−bの計測温度が、予め設定された時間間隔で繰り返し主制御部21に送信され、主制御部21が、S514で取得された第1調理完了所要時間と第2温度計測部9−bの計測温度の時間変化とに基づいて、第2加熱部3−bにおける第2調理物91−bの調理の加熱量を決定してもよい。そのような場合には、加熱量が予め設定された時間間隔で繰り返し決定され、第2加熱部3−bにおける第2調理物91−bの調理の加熱量が繰り返し変更されてもよい。
【0087】
実施の形態6.
実施の形態6に係る加熱調理器について説明する。
なお、以下では、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4及び実施の形態5に係る加熱調理器と重複又は類似する説明については、適宜簡略化又は省略している。また、以下では、加熱調理器1が、実施の形態1と同様に動作する場合を説明するが、他の実施の形態と同様に動作してもよいことは、言うまでもない。
【0088】
<加熱調理器の動作>
以下に、実施の形態6に係る加熱調理器の動作について説明する。
図12は、本発明の実施の形態6に係る加熱調理器の、設定部に第1加熱部における調理の開始指令が入力された際の各制御部の処理フローを示す図である。図12に示される処理フローのS616、S634以外は、図5に示される処理フローと同様であるため、S616、S634のみを説明する。
【0089】
図12に示されるように、主制御部21は、S616において、S615で決定された第2調理開始タイミングで、第1加熱部3−aにおける調理の加熱量の低下指令を第1制御部22−aに送信して、S617に進む。
【0090】
第1制御部22−aは、主制御部21から加熱量の低下指令を受信すると、S634において、第1加熱部3−aに第1調理物91−aの調理を現状の加熱量と比較して低い加熱量で続行させ、S635に進む。なお、S615で決定される第2調理開始タイミングは、加熱量が低下されることを加味して決定される必要がある。
【0091】
<加熱調理器の作用>
以下に、実施の形態6に係る加熱調理器の作用について説明する。
加熱調理器1では、主制御部21が、第2調理開始タイミングで、第1加熱部3−aにおける調理の加熱量の低下指令を第1制御部22−aに送信した後に、第2加熱部3−bにおける調理の開始指令を送信する。そのため、第1加熱部3−a及び第2加熱部3−bが同時に加熱動作を行うことに伴う消費電力の増加を抑制することができ、省エネ性が向上される。
【0092】
<変形例>
加熱調理器1では、主制御部21が、第2調理開始タイミングで、常に第1加熱部3−aにおける調理の加熱量の低下指令を第1制御部22−aに送信しているが、第1加熱部3−aにおける調理が加熱量の多い調理である場合のみ、第1加熱部3−aにおける調理の加熱量の低下指令を第1制御部22−aに送信してもよい。第1加熱部3−aにおける調理が加熱量の多い調理であるか否かは、例えば、設定部5に第1加熱部3−aにおける調理内容が設定されている場合には、主制御部21が設定部5からその調理内容の情報を取得することで、判定することが可能である。
【0093】
実施の形態7.
実施の形態7に係る加熱調理器について説明する。
なお、以下では、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4、実施の形態5及び実施の形態6に係る加熱調理器と重複又は類似する説明については、適宜簡略化又は省略している。また、以下では、加熱調理器1が、実施の形態1と同様に動作する場合を説明するが、他の実施の形態と同様に動作してもよいことは、言うまでもない。
【0094】
<加熱調理器の構成>
以下に、実施の形態7に係る加熱調理器の構成について説明する。
図13は、本発明の実施の形態7に係る加熱調理器の、機能ブロック構成を示す図である。図13に示されるように、主制御部21は、HEMS(Home Energy Management System)を司るHEMS制御部10と接続され、双方向通信する。主制御部21は、加熱調理器1のエネルギ使用量をHEMS制御部10に送信する。HEMS制御部10は、HEMS制御部10で算出されたエネルギ使用量が基準値と比較して大きい場合に、主制御部21に消費抑制指令を送信する。
【0095】
<加熱調理器の動作>
以下に、実施の形態7に係る加熱調理器の動作について説明する。
図14は、本発明の実施の形態7に係る加熱調理器の、設定部に第1加熱部における調理の開始指令が入力された際の各制御部の処理フローを示す図である。図14に示される処理フローのS716、S718以外は、図5に示される処理フローと同様であるため、S716、S718のみを説明する。
【0096】
図14に示されるように、主制御部21は、S716において、HEMS制御部10から消費抑制指令を受信しているか否かを判定し、消費抑制指令を受信していない場合には、S717に進む。消費抑制指令を受信している場合には、S718に進む。
【0097】
主制御部21は、S718において、連動調理を中止し、報知部6に連動調理が中止されたことを送信して、S720に進む。
【0098】
<加熱調理器の作用>
以下に、実施の形態7に係る加熱調理器の作用について説明する。
加熱調理器1では、主制御部21が、HEMS制御部10から消費抑制指令を受信していない場合のみ、第2加熱部3−bにおける調理の開始指令を送信する。そのため、第1加熱部3−a及び第2加熱部3−bが同時に加熱動作を行うことに伴う消費電力の増加によって、HEMS制御部10で算出されるエネルギ使用量が基準値から更に増加することを抑制することができ、省エネ性が向上される。
【0099】
<変形例>
加熱調理器1では、主制御部21が、HEMS制御部10から消費抑制指令を受信すると、第1加熱部3−a及び第2加熱部3−bの連動調理を中止しているが、第1加熱部3−aにおける調理を、加熱量を低くして続行させ、且つ、第2加熱部3−bにおける調理を、加熱量を低くして開始させてもよい。そのような場合には、S715で決定される第2調理開始タイミングは、加熱量が低下されることを加味して決定し直される必要がある。
【0100】
実施の形態8.
実施の形態8に係る加熱調理器について説明する。
なお、以下では、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4、実施の形態5、実施の形態6及び実施の形態7に係る加熱調理器と重複又は類似する説明については、適宜簡略化又は省略している。また、以下では、加熱調理器1が、実施の形態1と同様に動作する場合を説明するが、他の実施の形態と同様に動作してもよいことは、言うまでもない。
【0101】
<加熱調理器の動作>
以下に、実施の形態8に係る加熱調理器の動作について説明する。
図15は、本発明の実施の形態8に係る加熱調理器の、設定部に第1加熱部における調理の開始指令が入力された際の各制御部の処理フローを示す図である。図15に示されるように、使用者の操作によって、設定部5に第1加熱部3−aにおける調理の開始指令が入力されると、主制御部21は、S811において、第1加熱部3−aにおける調理の開始指令を第1制御部22−aに送信して、S812に進む。
【0102】
第1制御部22−aは、主制御部21から第1加熱部3−aにおける調理の開始指令を受信すると、S831において、第1加熱部3−aに第1調理物91−aの調理を開始させ、S832に進む。S832において、第1温度計測部9−aの計測温度を、予め設定された時間間隔で繰り返し主制御部21に送信しつつ、S833に進む。
【0103】
主制御部21は、S812において、第1温度計測部9−aの計測温度を、推定開始温度と比較する。第1温度計測部9−aの計測温度が、推定開始温度と比較して大きくなると、S813に進む。
【0104】
主制御部21は、S813において、第1温度計測部9−aの計測温度の時間変化と設定部5に設定された第1加熱部3−aにおける調理内容とに基づいて、第1調理完了所要時間を推定によって取得して、報知部6に送信し、S814に進む。
【0105】
主制御部21は、S814において、第1加熱部3−aにおける第1調理物91−aの調理が完了したか否かを、第1調理完了基準を用いて判定し、完了した場合は、S815に進み、第1加熱部3−aにおける調理の終了指令を第1制御部22−aに送信する。
【0106】
第1制御部22−aは、主制御部21から第1加熱部3−aにおける調理の終了指令を受信すると、S833において、第1加熱部3−aに第1調理物91−aの調理を終了させる。なお、第1制御部22−aは、使用者の操作によって、設定部5に第1加熱部3−aにおける調理の終了指令が入力されることで、第1加熱部3−aに第1調理物91−aの調理を終了させてもよい。
【0107】
<加熱調理器の作用>
以下に、実施の形態8に係る加熱調理器の作用について説明する。
加熱調理器1では、主制御部21が、第1調理完了所要時間を、第1温度計測部9−aの計測温度の時間変化と設定部5に設定された第1加熱部3−aにおける調理内容とに基づいて推定し、報知部6に送信している。そのため、正確に推定された第1調理完了所要時間が使用者に報知され、機能性が向上される。
【0108】
以上、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4、実施の形態5、実施の形態6、実施の形態7及び実施の形態8について説明したが、本発明は各実施の形態の説明に限定されない。例えば、各実施の形態、各変形例等を組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0109】
1 加熱調理器、2 トッププレート、3−1 上面左加熱部、3−2 上面右加熱部、3−3 上面中央加熱部、3−4 グリル加熱部、3−a 第1加熱部、3−b 第2加熱部、3−c 第3加熱部、4 制御部、5 設定部、6 報知部、7−1、7−2、7−3 入力電流計測部、7−a 第1入力電流計測部、8−1、8−2、8−3 コイル電流計測部、9−1、9−2、9−3、9−4 温度計測部 9−a 第1温度計測部、9−b 第2温度計測部、10 HEMS制御部、21 主制御部、22−1 上面左加熱部制御部、22−2 上面右加熱部制御部、22−3 上面中央加熱部制御部、22−4 グリル加熱部制御部、22−a 第1制御部、22−b 第2制御部、31−1、31−2、31−3 加熱コイル、32−1、32−2、32−3 直流変換部、33−1、33−2、33−3 インバータ部、33−11、33−12、33−21、33−22、33−31、33−32 インバータ駆動素子、41a 上側ヒータ、41b 下側ヒータ、42a、42b BCR、91−1、91−2、91−3、91−4 調理物、91−a 第1調理物、91−b 第2調理物、92−1、92−2、92−3 容器。
図1
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図15