特許第6161381号(P6161381)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6161381シャトルコック用人工羽根およびバドミントン用シャトルコック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6161381
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】シャトルコック用人工羽根およびバドミントン用シャトルコック
(51)【国際特許分類】
   A63B 67/19 20160101AFI20170703BHJP
【FI】
   A63B67/19
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-89220(P2013-89220)
(22)【出願日】2013年4月22日
(65)【公開番号】特開2014-210132(P2014-210132A)
(43)【公開日】2014年11月13日
【審査請求日】2016年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005935
【氏名又は名称】美津濃株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 聡
【審査官】 大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−036591(JP,A)
【文献】 特開2012−024157(JP,A)
【文献】 特開平10−258144(JP,A)
【文献】 特開2011−218093(JP,A)
【文献】 特開2012−205842(JP,A)
【文献】 特開2005−278784(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 67/187
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
羽部と、
前記羽部に接続された軸とを備え、
前記軸は、内面と、前記内面に対向する外面と、前記内面の一端と前記外面の一端とを接続する第1の側面と、前記内面の他端と前記外面の他端とを接続する第2の側面とを含み、
前記第1および第2の側面の少なくともいずれかの一部は、前記軸の延在方向に延びる凹部を有しており、
前記軸には前記凹部によって空間が設けられている、シャトルコック用人工羽根。
【請求項2】
前記第1および第2の側面の少なくともいずれかは、前記軸の延在方向に延びる凹部を有している、請求項1に記載のシャトルコック用人工羽根。
【請求項3】
前記軸の延在方向に対して垂直な平面における断面形状は少なくとも一部においてI型形状である、請求項1または2に記載のシャトルコック用人工羽根。
【請求項4】
前記軸の延在方向に対して垂直な平面における断面形状は少なくとも一部においてコ字状である、請求項1または2に記載のシャトルコック用人工羽根。
【請求項5】
半球状のベース本体と、
前記ベース本体に接続された、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシャトルコック用人工羽根とを備える、バドミントン用シャトルコック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャトルコック用人工羽根およびバドミントン用シャトルコックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、バドミントン用シャトルコックとして、その羽根に水鳥の羽根を用いたもの(天然シャトルコック)と、ナイロン樹脂などにより人工的に製造された羽根を用いたもの(人工シャトルコック)とが知られている。そして、天然シャトルコックは、そのような天然の羽根について一定の品質のものを入手することに手間が掛かることから、人工の羽根を用いたシャトルコックより高価である。また、近年水鳥の羽根の供給国の食糧事情の変化や、鳥インフルエンザの流行に起因する水鳥の大量処分などにより、水鳥の羽根の供給量が激減しており、天然シャトルコックはますます高価なものとなってきている。そのため、安価で安定した品質の人工の羽根を用いたシャトルコックが提案されている。
【0003】
たとえば、特開2012−24157号公報(特許文献1)にはシャトルコック用人工羽根が開示されている。このシャトルコック用人工羽根は、天然羽毛を模して、羽部と羽軸部とを有している。羽軸部では、相対的に低比重で柔らかい素材からなる芯部の側面を、芯部に対して相対的に高比重で硬質の素材からなる外殻部が覆っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−24157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
天然シャトルコックと同等の飛翔性能を備えた人工シャトルコックが求められている。そして、繰り返し加えられる打撃に対して飛翔性能の低下を抑制可能な高い耐久性を備えた人工シャトルコックが求められている。さらには天然シャトルコックと同等の打感を備えた人工シャトルコックが求められている。
【0006】
しかしながら、上記の公報に記載されたシャトルコック用人工羽根では、芯部および外殻部からなる羽軸部の断面は台形状である。したがって、羽軸部の断面の断面2次モーメントが小さいため、羽軸部の曲げ剛性が低くなる。羽軸部の曲げ剛性が低いと、シャトルコックに打撃が加えられたときのシャトルコックの変形が大きくなるため、シャトルコックの飛翔性能が低下する。このため、このシャトルコックの耐久性は不十分である。
【0007】
また、羽軸部の曲げ剛性を高めるために羽軸部の材料の弾性率を大きくすると材料が硬くなるため、羽軸部が折損するおそれがある。そして、羽軸部が折損するとシャトルコックの飛翔性能が低下する。したがって、羽軸部の曲げ剛性を高めるために羽軸部の材料の弾性率を単純に大きくしたとしても、このシャトルコックの耐久性は不十分である。
【0008】
さらに羽軸部の材料の弾性率を大きくすると材料が硬くなるため、シャトルコックを打った際の打感が悪いという問題もある。
【0009】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、高い耐久性と優れた打感を備えるシャトルコック用人工羽根およびバドミントン用シャトルコックを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のシャトルコック用人工羽根は、羽部と、羽部に接続された軸とを備えている。軸は、内面と、内面に対向する外面と、内面の一端と外面の一端とを接続する第1の側面と、内面の他端と外面の他端とを接続する第2の側面とを含んでいる。第1および第2の側面の少なくともいずれかの一部は、軸の延在方向に延びる凹部を有している。
【0011】
本発明のシャトルコック用人工羽根によれば、第1および第2の側面の少なくともいずれかの一部は、軸の延在方向に延びる凹部を有しているため、凹部を含む断面の断面2次モーメントを大きくすることができる。バドミントン用シャトルコックの飛翔性能および耐久性は、シャトルコック用人工羽根の軸の断面2次モーメントと弾性率とを乗じた曲げ剛性に大きく影響される。上述のように本発明のシャトルコック用人工羽根では、軸の断面2次モーメントを大きくすることができるため、軸の曲げ剛性を大きくすることができる。したがって、バドミントン用シャトルコックに打撃が加えられたときのシャトルコック用人工羽根の軸の変形を抑制できるため、バドミントン用シャトルコックの飛翔性能の低下を抑制することができる。つまり、天然シャトルコックに近い減速性能および飛翔軌道を維持することができる。よって、バドミントン用シャトルコックの耐久性を向上することができる。
【0012】
また、軸の曲げ剛性を大きくするにあたり、軸の断面2次モーメントを大きくすることができるため、軸の材料の弾性率を大きくする必要がない。つまり、弾性率の小さな材料で軸を形成することができる。弾性率の小さな軟らかい材料で形成された軸を備えたバドミントン用シャトルコックでは打撃の際にマイルドなフィーリングを得ることができる。そして、軟らかい材料で形成されながら高い曲げ剛性を有する軸を備えることでバドミントン用シャトルコックを打った際の打感を向上することができる。
【0013】
上記のシャトルコック用人工羽根では、第1および第2の側面の少なくともいずれかは、軸の延在方向に延びる凹部を有している。これにより、軸の延在方向において軸の断面の断面2次モーメントを大きくすることができる。
【0014】
上記のシャトルコック用人工羽根では、軸の延在方向に対して垂直な平面における断面形状は少なくとも一部においてI型形状である。I型形状の断面形状は断面2次モーメントが大きいため、軸の断面2次モーメントを大きくすることができる。これにより、軸の材料の弾性率を高くすることなく軸の曲げ剛性を大きくすることができる。また、断面形状がI型形状であるため、同じ断面積のH型形状に比べ断面係数が大きく、かつ曲げ強さが大きくなる。これにより、軸の折損を抑制することができる。
【0015】
上記のシャトルコック用人工羽根では、軸の延在方向に対して垂直な平面における断面形状はコ字状である。コ字状の断面形状は、矩形の断面形状に比べ断面2次モーメントが大きいため、軸の断面2次モーメントを大きくすることができる。これにより、軸の材料の弾性率を高くすることなく軸の曲げ剛性を大きくすることができる。また、断面形状がコ字状であるため、同じ断面積の矩形の断面形状に比べ断面係数が大きく、かつ曲げ強さが大きくなる。これにより、軸の折損を抑制できる。
【0016】
本発明のバドミントン用シャトルコックは、半球状のベース本体と、ベース本体に接続された、上記のシャトルコック用人工羽根とを備える。このようにすれば、高い耐久性と優れた打感を備える人工シャトルコックを実現できる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明のシャトルコック用人工羽根およびバドミントン用シャトルコックによれば、高い耐久性と優れた打感を備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施の形態におけるバドミントン用シャトルコックの概略側面図である。
図2】本発明の一実施の形態におけるバドミントン用シャトルコックの概略上面図である。
図3】本発明の一実施の形態におけるバドミントン用シャトルコックを構成するシャトルコック用人工羽根の概略側面図である。
図4図3のIV−IV線に沿う断面図である。
図5図3のV−V線に沿う断面図である。
図6図3のVI−VI線に沿う断面図である。
図7】本発明の一実施の形態におけるバドミントン用シャトルコックの中糸が配置された部分の構成を概略的に示す部分断面図である。
図8】本発明の一実施の形態におけるシャトルコック用人工羽根の製造方法を概略的に示すフローチャートである。
図9図8に示す構成材準備工程に含まれる軸の製造工程を概略的に示すフローチャートである。
図10】本発明の一実施の形態におけるバドミントン用シャトルコックの製造方法を概略的に示すフローチャートである。
図11】比較例1におけるバドミントン用シャトルコックを構成するシャトルコック用人工羽根の概略断面図である。
図12】比較例2におけるバドミントン用シャトルコックを構成するシャトルコック用人工羽根の概略断面図である。
図13】比較例3におけるバドミントン用シャトルコックを構成するシャトルコック用人工羽根の概略断面図である。
図14】本発明の一実施の形態におけるバドミントン用シャトルコックを構成するシャトルコック用人工羽根の概略断面図である。
図15】本発明の一実施の形態の変形例におけるバドミントン用シャトルコックを構成するシャトルコック用人工羽根の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
【0020】
最初に本発明の一実施の形態におけるバドミントン用シャトルコックの構成について説明する。
【0021】
図1および図2を参照して、バドミントン用のシャトルコック(バドミントン用シャトルコック)1は、半球状のベース本体2と、ベース本体2において表面がほぼ平坦に成形された固定用表面部2aに接続された複数のシャトルコック用の人工羽根(シャトルコック用人工羽根)3と、複数の人工羽根3を互いに固定するための固定用紐状部材4と、複数の人工羽根3の積層状態を維持するための中糸15とを有している。複数(たとえば15枚)の人工羽根3は、ベース本体2の固定用表面部2aにおいて、当該固定用表面部2aの外周部に沿って円環状に配置されている。また、複数の人工羽根3は、固定用紐状部材4によって互いに固定されている。複数の人工羽根3は、ベース本体2から離れるに従って、互いの間の距離が大きくなる(複数の人工羽根3によって形成される筒状体の内径がベース本体2から離れるに従って大きくなる)ように配置されている。
【0022】
中糸15は、複数の人工羽根3の積層状態を維持するための固定部材として作用している。すなわち、中糸15は、後述するように複数の人工羽根3の位置関係を規定するように配置されている。
【0023】
次に、本発明の一実施の形態におけるバドミントン用シャトルコックを構成するシャトルコック用人工羽根の構成について詳しく説明する。
【0024】
図3を参照して、図1および図2に示したシャトルコック1を構成する人工羽根3は、羽部5と、当該羽部5に接続された軸7とを有している。軸7は、羽部5から突出するように配置された羽軸部8と、羽部5のほぼ中央部において羽部5に接続された固着軸部10とからなる。羽軸部8と固着軸部10とは同一線状に延びるように配置され、1つの連続した軸7を構成している。
【0025】
軸7の材料にはナイロンを用いることができ、ナイロン12、ナイロン11、ナイロン10、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン1010が好ましい。繊維強化のために、ナイロンにチタン酸カリウムウィスカー、ガラスなどを添加することもできる。また、軸7の材料として、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレンも用いることができる。
【0026】
軸7の材料の比重は1.3以下であることが好ましく、1.2以下であることがさらに好ましい。また軸7の材料の曲げ弾性率は2000MPa以上6000MPa以下が好ましく、3000MPa以上5000MPa以下がさらに好ましい。
【0027】
図3および図4を参照して、軸7は、内部材12と、外部材13と、中間部材14とを有している。内部材12と外部材13とは、図4の内外方向に、中間部材14を挟んで配置されている。内部材12および外部材13は中間部材14と略直交するように配置されている。断面形状において、内部材12および外部材13はそれぞれ、図4の左右方向に中間部材14よりも突出するように延在している。内部材12および外部材13は、ほぼ等しい幅を有している。図4の左右方向において、中間部材14は内部材12および外部材13のほぼ中央に配置されている。内部材12と、外部材13と、中間部材14とは、ほぼ等しい厚みを有している。内部材12および外部材13のそれぞれは、断面形状において各々の両端から中央に向かって厚みが厚くなるように形成されたテーパを有している。また、内部材12および外部材13のそれぞれと中間部材14との接続部分にラウンド形状が設けられている。
【0028】
軸7は、内部材12の上端に内面7aを有しており、外部材13の下端に外面7bを有している。外面7bは内面7aに対向している。内面7aおよび外面7bはそれぞれ、図4の左右方向に一端と他端とを有している。つまり、図4の左右方向において、内面7aの一端と外面7bの一端とは同じ側に配置されており、内面7aの他端と外面7bの他端とは当該一端と反対側に配置されている。
【0029】
また、軸7は、内面7aの一端と外面7bの一端とを接続する第1の側面7cと、内面7aの他端と外面7bの他端とを接続する第2の側面7dとを有している。第1の側面7cおよび第2の側面7dの両方は、軸7の延在方向に延びる凹部11を有している。凹部11は、内部材12の外面、中間部材14の側面、外部材13の内面で形成されている。凹部11は内面7aと外面7bとが対向する方向の中央に配置されている。凹部11は軸7の延在方向において軸7の少なくとも一部において形成されている。本実施の形態では凹部11は軸7の延在方向において軸7の先端付近または近傍から後端付近または近傍まで連続的に形成されている。
【0030】
図4に示すように、本発明の一実施の形態では、軸7の延在方向にほぼ垂直な方向における断面形状がI型形状となっている。つまり、軸7の延在方向に対して垂直な平面における断面形状はI型形状である。
【0031】
なお、上記の本発明の一実施の形態の人工羽根3では、第1の側面7cおよび第2の側面7dの両方が凹部11を有しているが、第1の側面7cおよび第2の側面7dの少なくともいずれかが軸7の延在方向に延びる凹部11を有していればよい。つまり、第1の側面7cおよび第2の側面7dの両方が凹部11を有していてもよく、第1の側面7cまたは第2の側面7dの一方が凹部11を有していてもよい。第1の側面7cまたは第2の側面7dの一方が凹部11を有している場合、中間部材14は、軸7の内面7aおよび外面7bの一端または他端に配置されている。つまり、軸7の延在方向に対して垂直な平面における断面形状はコ字状である。この断面形状では、第1の側面7cまたは第2の側面7dの一方に内部材12の外面、中間部材14の側面、外部材13の内面で凹部11が形成されており、第1の側面7cまたは第2の側面7dの他方は内部材12の側面、中間部材14の側面、外部材13の側面で形成されている。
【0032】
また、上記の本発明の一実施の形態の人工羽根3では、内部材12と外部材13とは、図4の左右方向において、ほぼ等しい幅を有しているが、内部材12の幅と外部材13の幅とは互いに異なっていてもよい。この場合、ベース本体2の固定用表面部2aの外周側に配置される外部材13の方が内周側に配置される内部材12よりも幅が大きいことが好ましい。
【0033】
図5および図6を参照して、羽部5は、固着軸部10を挟むように配置された発泡体層92と軸固定層91、およびこれらの発泡体層92および軸固定層91を互いに固定するための接着層93、94とを有している。すなわち、羽部5では、発泡体層92と軸固定層91とが固着軸部10において軸7の内面7aと外面7bとが対向する方向に内面7aおよび外面7bを挟むように積層されている。そして、羽部5は内面7aおよび外面7bに沿う方向に延在している。さらに、羽部5では、発泡体層92と軸固定層91とを互いに接続するとともに固着軸部10とこれらの発泡体層92および軸固定層91とを接続固定するため、接着層93、94が配置されている。また、異なる観点でいえば、羽部5においては、シャトルコック1を構成した場合において外周側に位置する発泡体層92上に接着層93が積層されている。この接着層93上には、当該接着層93および発泡体層92のほぼ中央部に位置するように固着軸部10が配置されている。そして、この固着軸部10上から接着層93上にまで延在するように、もう一方の接着層94が配置されている。そして、この接着層94上に軸固定層91が配置されている。
【0034】
図6に示すように、人工羽根3においては、発泡体層92側(すなわちシャトルコック1における外周側)に向けて、軸7が反った状態になっている。異なる観点からいえば、軸7は、軸固定層91側に凸となるように反った状態となっている。また、図6では人工羽根3が軸7の延在方向において発泡体層92側に反った状態を示しているが、軸7の延在方向に対して交差する方向(たとえば軸7の延在方向に対して垂直であって羽部5の表面に沿った方向である幅方向)において、羽部5が発泡体層92側に反った状態(つまり羽部5が軸固定層91側に凸となるように反った状態)となっていてもよい。この場合、軸7の延在方向において人工羽根3が反った状態と、上記のように羽部5が軸7の延在方向に対して交差する方向において反った状態とが同時に発生していてもよいし、いずれか一方の反りのみが発生していてもよい。このような反りは、軸7や羽部5の構成材料に対して熱処理を施す、あるいは軸7や羽部5の構成材料を最初から反った状態で形成するなど、従来周知の方法で実現することができる。
【0035】
ここで、発泡体層92を構成する材料としては、たとえば樹脂の発泡体、より具体的にはたとえばポリエチレンフォーム(ポリエチレンの発泡体)を用いることができる。また、軸固定層91についても、同様に樹脂発泡体を用いることができる。また、軸固定層91については、たとえばポリエチレンフォーム以外に、樹脂などからなるフィルム、あるいは不織布など任意の材料を用いることができる。
【0036】
また、接着層93、94については、たとえば両面テープを用いることができる。人工羽根3においては、発泡体層92および軸固定層91としてポリエチレンフォームを用いている。このポリエチレンフォームの押出方向は図3および図5の矢印95に示す方向となっていることが好ましい。この場合、矢印95に示すポリエチレンフォームの押出方向に対して交差するように軸7が羽部5と接続固定されているため、羽部5が軸7の延在方向に沿った方向に裂けるといった不具合の発生確率を低減できる。
【0037】
次に、図7を参照して、中糸15の配置を具体的に説明する。
図7に示すように、中糸15は、人工羽根3の軸7の周囲を周回するとともに、隣接する人工羽根3において積層した状態になっている羽部5の部分で、隣接する人工羽根3の羽部5が互いに対向する領域を通るように(すなわち積層した羽部5の間を通るように)配置されている。このように羽部5が積層した部分で、積層した羽部5の間を中糸15が通っているため、羽部5の積層順がシャトルコック1の使用中に入替わる(たとえばラケットによる打撃の衝撃によって羽部5の積層順番が入替わる)といった問題の発生を抑制することができる。
【0038】
上述した中糸15は、図1および図2に示すように、円環状に並んだ複数の人工羽根3のすべてを互いに固定するように、円周上に配置されている。そして、中糸15は、たとえば作業者が針などを用いて縫製することにより、図1および図2に示すような配置とすることができる。このようにすれば、羽部5の積層順がシャトルコック1の使用中に入替わるという問題の発生を抑制することにより、優れた耐久性を示すシャトルコック1を得ることができる。
【0039】
なお、円周上に配置された中糸15は、その縫い始めの一方端部と縫い終わりの他方端部とが結ばれて、余った糸の部分は結び目近傍でカットされて除去される。当該結び目には、接着剤などを塗布することにより表面に保護層を形成することが好ましい。このような保護層を形成することにより、シャトルコック1がラケットにより打撃されたときに、当該結び目が解けることを防止できる。
【0040】
また、中糸15は、綿や樹脂など任意の材料を用いることができるが、ポリエステル製の糸を用いることが好ましい。また、中糸15は、シャトルコック1の重心などに影響を極力与えないようにするため、できるだけ軽量なものを用いることが好ましい。たとえば、用いる糸としては、30番のポリエステル製の糸を用いてもよい。この場合、中糸15として使用した糸の質量は約0.02gとなる。この程度の質量であれば、シャトルコック1の重心位置に若干の影響はあるものの、飛翔特性にはほとんど影響がないと考えられる。また、中糸15の配置については、ベース本体2からの距離を任意に設定することができる。
【0041】
次に、図8図10を参照して、図1および図2に示したシャトルコック1、シャトルコック用の人工羽根3の製造方法を説明する。
【0042】
まず、図8を参照して、本発明の一実施の形態のシャトルコック用の人工羽根3の製造方法を説明する。図8に示すように、人工羽根3の製造方法では、まず構成材準備工程(S10)を実施する。この工程(S10)では、人工羽根3を構成する軸7、図5および図6に示した発泡体層92および軸固定層91を構成するシート状材料、接着層93、94となるべき両面テープを準備する。なお、これらのシート状部材および両面テープの平面形状は、図3に示した羽部5のサイズよりも大きければ任意の形状とすることができる。発泡体層92となるべきシート状部材としては、たとえばポリエチレンフォーム(ポリエチレンの発泡体であってシート状に成形されたもの)であって厚みが1.0mm、目付けが24g/m2といった材料を用いることができる。また、軸固定層91となるべきシート状部材としては、ポリエチレンフォームであって厚みが0.5mm、目付けが20g/m2といった材料を用いることができる。また、接着層93、94となる両面テープの目付けは10g/m2とすることができる。
【0043】
また、上述した軸7の製造工程としては、図9に示すように、まず金型準備工程(S11)を実施する。この工程(S11)では、たとえば射出成形あるいは射出圧縮成形により軸7を形成するための金型を準備する。ここで準備する金型としては、たとえば上型と下型とに分割された金型であって、互いに対向する金型表面には、軸7の形状に対応した凹部が形成されている。
【0044】
次に、成形工程(S12)を実施する。この工程(S12)では、まず上記のように準備した金型を、射出成形機など金型の内部(凹部)に樹脂を注入するための装置にセットする(金型セット工程)。次に、樹脂注入工程を実施する。すなわち、金型に設けられた樹脂の注入口から、金型内部の凹部に樹脂を注入する。樹脂としては、たとえばナイロンなどの熱可塑性樹脂を用いることができる。この結果、金型内部において軸が形成される。このようにして、成形工程(S12)を実施する。その後、金型内部から軸7を取出す。この結果、人工羽根3を構成する軸7を得ることができる。
【0045】
次に、図8に示すように貼り合わせ工程(S20)を実施する。この工程(S20)においては、発泡体層92となるべきシート状部材の主表面上に接着層93となるべき両面テープを貼付する。そして、当該両面テープの上に軸7の固着軸部10を配置する。さらに、その上から、固着軸部10に対向する面に接着層94となるべき両面テープが貼付された軸固定層91となるべきシート状部材を積層配置して貼り合わせる。この結果、軸7の固着軸部10を、発泡体層92となるべきシート状部材と軸固定層91となるべきシート状部材とで挟んで固定した構造を得ることができる。
【0046】
次に、後処理工程(S30)を実施する。具体的には、羽部5となるべき積層配置されたシート状部材の不要部(つまり羽部5となるべき部分以外の領域)を切断除去する。この結果、図3図6に示したような人工羽根3を得ることができる。そして、当該人工羽
根3に対して、たとえば発泡体層92側から熱を加えるなどの熱処理を行なうことにより、発泡体層92などを収縮させる。この結果、図6に示したように軸7および羽部5が反った状態を実現できる。なお、図6に示したような軸7および羽部5の反った状態を実現するため、他の方法を用いてもよい。たとえば、最初から反った形状の軸7を用いるといった方法を採用してもよい。
【0047】
次に、図10を参照して図1および図2に示したシャトルコック1の製造方法を説明する。図10に示すように、まず準備工程(S100)を実施する。この準備工程(S100)では、シャトルコック1のベース本体2(先端部材)および上述した人工羽根3など、シャトルコック1の構成部材を準備する。
【0048】
ベース本体2の製造方法は、従来公知の任意の方法を用いることができるが、たとえばベース本体2となるべき材料としてコルクなどの天然の素材を用いることができる。また、ベース本体2の材料として人工の樹脂などを用いてもよい。ベース本体2の材料として人工の樹脂を用いる場合、従来周知の任意の加工方法を用いてベース本体2を形成することができる。たとえば、まずベース本体2となる素材のブロックを準備し、切削加工により概略形状とする。このとき、先端部の半球状部分の高さを加味して加工を行なう。そして、さらに切削加工により、人工羽根3を挿入するための挿入穴を形成するといった方法を用いてもよい。また、上述した人工樹脂を用いる場合には、たとえば、アイオノマー樹脂発泡体、あるいはEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)、ポリウレタン、PVC(ポリ塩化ビニル)、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを用いることができる。また、人工羽根3の製造方法としては、上述した図8に示した製造方法を用いることができる。
【0049】
次に、組立工程(S200)を実施する。当該組立工程(S200)では、ベース本体2の固定用表面部2aにおける挿入穴に上述した複数の人工羽根3の軸7の根元を挿入固定する。固定用表面部2aにおける挿入穴周辺に接着剤を塗布し軸7とベース本体2を強固に固定する。接着剤は、ベース本体の材質に合わせ、硝化綿、エポキシ樹脂、EVA系エマルジョンなどを用いることができる。さらに、当該複数の人工羽根3を互いに固定用紐状部材4により固定する。また、羽部5の重なり状態を維持するための中糸15が図7に示すような配置となるよう縫製を行なう。このようにして、図1および図2に示すシャトルコック1を製造することができる。なお、複数の人工羽根3を互いに固定する固定部材としては、上述のような紐状部材に限らず、たとえばリング状部材など任意の部材を用いてもよい。
【0050】
また、上記固定部材の材料としては、たとえば樹脂や繊維など任意の材料を用いることができる。たとえば、紐状部材としてアラミド繊維またはガラス繊維を用い、当該アラミド繊維またはガラス繊維に樹脂(たとえば熱硬化性樹脂)を含浸し、当該樹脂を硬化することでFRP化した固定部材を用いてもよい。このようにFRP化することによって、固定部材の強度や剛性を向上させることができる。また、熱硬化性樹脂としてはたとえばエポキシ樹脂やフェノール樹脂を用いることができる。このようにFRP化のために熱硬化性樹脂を用いれば、固定部材を軸7と固定するための加工において加熱工程を行なう場合などに、同時に熱硬化性樹脂により固定部材のFRP化を容易に行なうことができる。
【0051】
次に、図11図15を参照して、本実施の形態の作用効果について、比較例と対比して説明する。なお、図11図15はそれぞれ図4に対応する。図11図13では比較例1〜3におけるシャトルコック用人工羽根3の軸7の断面が示されている。図14および図15では本発明の一実施の形態におけるシャトルコック用人工羽根3の軸7の断面が示されている。なお、図14では軸7の断面の形状が簡略化されて示されている。図11図15に示す軸7の断面積は全て等しい。この断面積は、たとえば2.25mm2である。
【0052】
図11に示す比較例1の人工羽根3の軸7は、正方形状の断面を有している。この断面の全幅bは1.5mmであり、全高dは1.5mmである。この断面の断面二次モーメントは0.42mm4であり、断面係数は0.56mm3である。
【0053】
図12に示す比較例2の人工羽根3の軸7は、十字形状の断面を有している。この断面の全幅bは2.5mmであり、全高dは2.5mmである。図中、上下方向に延在する部分の幅tは0.5mmであり、左右方向に延在する部分の高さsは0.5mmである。この断面の断面二次モーメントは0.67mm4であり、断面係数は0.54mm3である。
【0054】
図13に示す比較例3の人工羽根3の軸7は、H型形状の断面を有している。この断面の全幅bは2.5mmであり、全高dは2.5mmである。図中、上下方向に延在する部分の合計幅tは0.5mmであり、左右方向に延在する部分の高さsは0.5mmである。したがって、図中、上下方向に延在する部分の各々の幅t/2は0.25mmである。この断面の断面二次モーメントは0.67mm4であり、断面係数は0.54mm3である。
【0055】
図14に示す本発明の一実施の形態の人工羽根3の軸7は、I型形状の断面を有している。この断面の全幅bは2.5mmであり、全高dは2.5mmである。中間部材14の幅tは0.5mmであり、内部材12および外部材13の合計高さsは0.5mmである。したがって、内部材12および外部材13の各々の高さs/2は0.25mmである。また内部材12と外部材13との上下方向の間隔hは2mmである。また内部材12および外部材13の一端と中間部材14の一端側との距離cおよび内部材12および外部材13の他端と中間部材14の他端側との距離cはともに1mmである。この断面の断面二次モーメントは1.92mm4であり、断面係数は1.54mm3である。
【0056】
図15に示す本発明の一実施の形態の変形例の人工羽根3の軸7は、コ字状の断面を有している。この断面の全幅bは2.5mmであり、全高dは2.5mmである。中間部材14の幅tは0.5mmであり、内部材12および外部材13の合計高さsは0.5mmである。したがって、内部材12および外部材13の各々の高さs/2は0.25mmである。また内部材12と外部材13との上下方向の間隔hは2mmである。この断面の断面二次モーメントは1.92mm4であり、断面係数は1.54mm3である。
【0057】
図11図13に示す比較例1〜3の人工羽根3の軸7と比較して、図14および図15に示す本発明の一実施の形態および変形例の人工羽根3の軸7では、比較例1〜3と同じ断面積でありながら軸7の断面の断面二次モーメントが大きくなる。
【0058】
すなわち、本発明の一実施の形態および変形例のシャトルコック用人工羽根3によれば、第1の側面7cおよび第2の側面7dの少なくともいずれかの一部は、軸7の延在方向に延びる凹部11を有しているため、凹部11を含む断面の断面2次モーメントを大きくすることができる。バドミントン用シャトルコック1の飛翔性能および耐久性は、シャトルコック用人工羽根3の軸7の断面2次モーメントと弾性率とを乗じた曲げ剛性に大きく影響されるが、軸7の断面2次モーメントを大きくすることができるため、軸7の曲げ剛性を大きくすることができる。したがって、バドミントン用シャトルコック1に打撃が加えられたときのシャトルコック用人工羽根3の軸7の変形を抑制することができるため、バドミントン用シャトルコック1の飛翔性能の低下を抑制することができる。つまり、天然シャトルコックに近い減速性能および飛翔軌道を維持することができる。よって、バドミントン用シャトルコック1の耐久性を向上することができる。
【0059】
また、軸7の曲げ剛性を大きくするにあたり、軸7の断面2次モーメントを大きくすることができるため、軸7の材料の弾性率を大きくする必要がないので、弾性率の小さな材料で軸7を形成することができる。弾性率の小さな軟らかい材料で形成された軸7を備えたバドミントン用シャトルコック1では打撃の際にマイルドなフィーリングを得ることができる。そして、軟らかい材料で形成されながら高い曲げ剛性を有する軸7を備えることでバドミントン用シャトルコック1を打った際の打感を向上することができる。
【0060】
また、軸7は凹部11を有しているため、軸7には凹部11によって空間が設けられている。水鳥の羽根の軸は中空(発泡層)に形成されており、上記のシャトルコック用人工羽根3は、水鳥の羽根に構造的に近いことからも打感を向上することができる。
【0061】
本発明の一実施の形態のシャトルコック用人工羽根3では、第1の側面7cおよび第2の側面7dの少なくともいずれかは、軸7の延在方向に延びる凹部11を有しているため、軸7の延在方向において軸7の断面の断面2次モーメントを大きくすることができる。
【0062】
本発明の一実施の形態のシャトルコック用人工羽根3では、軸7の延在方向に対して垂直な平面における断面形状は少なくとも一部においてI型形状である。I型形状の断面形状は断面2次モーメントが大きいため、軸7の断面2次モーメントを大きくすることができる。これにより、軸7の材料の弾性率を高くすることなく軸7の曲げ剛性を大きくすることができる。また、断面形状がI型形状であるため、H型形状に比べ断面係数が大きく、かつ曲げ強さが大きくなる。これにより、軸7の折損を抑制することができる。
【0063】
本発明の一実施の形態の変形例のシャトルコック用人工羽根3では、軸7の延在方向に対して垂直な平面における断面形状はコ字状である。コ字状の断面形状は断面2次モーメントが大きいため、軸7の断面2次モーメントを大きくすることができる。これにより、軸7の材料の弾性率を高くすることなく軸7の曲げ剛性を大きくすることができる。また、断面形状がコ字状であるため、矩形の断面形状に比べ断面係数が大きく、かつ曲げ強さが大きくなる。これにより、軸7の折損を抑制することができる。
【0064】
本発明の一実施の形態のバドミントン用シャトルコック1は、半球状のベース本体2と、ベース本体2に接続された、上記のシャトルコック用人工羽根3とを備える。このようにすれば、高い耐久性と優れた打感を備える人工シャトルコックを実現できる。また、ベース本体2の固定用表面部2aにおける挿入穴に複数の人工羽根3の軸7の根元が挿入され固定される。そして挿入穴に軸7を強固に固定するためベース本体2の固定用表面部2aにおける挿入穴周辺に接着剤が塗布される。第1の側面7cおよび第2の側面7dの少なくともいずれかの一部は軸7の延在方向に延びる凹部11を有しているため、凹部に接着剤が流れ込むことでアンカー効果が得られる。これにより、さらに挿入穴に軸7を強固に固定することができる。
【0065】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
【符号の説明】
【0066】
1 バドミントン用シャトルコック、2 ベース本体、2a 固定用表面部、3 シャトルコック用人工羽根、4 固定用紐状部材、5 羽部、7 軸、7a 内面、7b 外面、7c 第1の側面、7d 第2の側面、8 羽軸部、10 固着軸部、11 凹部、12 内部材、13 外部材、14 中間部材、15 中糸、91 軸固定層、92 発泡体層、93,94 接着層、95 矢印。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15