特許第6161386号(P6161386)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日立システムズの特許一覧

特許6161386待ち行列推定システム、平均待ち時間算出方法、待ち行列長算出方法、平均待ち時間算出プログラムおよび待ち行列長算出プログラム
<>
  • 特許6161386-待ち行列推定システム、平均待ち時間算出方法、待ち行列長算出方法、平均待ち時間算出プログラムおよび待ち行列長算出プログラム 図000002
  • 特許6161386-待ち行列推定システム、平均待ち時間算出方法、待ち行列長算出方法、平均待ち時間算出プログラムおよび待ち行列長算出プログラム 図000003
  • 特許6161386-待ち行列推定システム、平均待ち時間算出方法、待ち行列長算出方法、平均待ち時間算出プログラムおよび待ち行列長算出プログラム 図000004
  • 特許6161386-待ち行列推定システム、平均待ち時間算出方法、待ち行列長算出方法、平均待ち時間算出プログラムおよび待ち行列長算出プログラム 図000005
  • 特許6161386-待ち行列推定システム、平均待ち時間算出方法、待ち行列長算出方法、平均待ち時間算出プログラムおよび待ち行列長算出プログラム 図000006
  • 特許6161386-待ち行列推定システム、平均待ち時間算出方法、待ち行列長算出方法、平均待ち時間算出プログラムおよび待ち行列長算出プログラム 図000007
  • 特許6161386-待ち行列推定システム、平均待ち時間算出方法、待ち行列長算出方法、平均待ち時間算出プログラムおよび待ち行列長算出プログラム 図000008
  • 特許6161386-待ち行列推定システム、平均待ち時間算出方法、待ち行列長算出方法、平均待ち時間算出プログラムおよび待ち行列長算出プログラム 図000009
  • 特許6161386-待ち行列推定システム、平均待ち時間算出方法、待ち行列長算出方法、平均待ち時間算出プログラムおよび待ち行列長算出プログラム 図000010
  • 特許6161386-待ち行列推定システム、平均待ち時間算出方法、待ち行列長算出方法、平均待ち時間算出プログラムおよび待ち行列長算出プログラム 図000011
  • 特許6161386-待ち行列推定システム、平均待ち時間算出方法、待ち行列長算出方法、平均待ち時間算出プログラムおよび待ち行列長算出プログラム 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6161386
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】待ち行列推定システム、平均待ち時間算出方法、待ち行列長算出方法、平均待ち時間算出プログラムおよび待ち行列長算出プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20120101AFI20170703BHJP
【FI】
   G06Q40/02
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-94632(P2013-94632)
(22)【出願日】2013年4月26日
(65)【公開番号】特開2014-215917(P2014-215917A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2016年3月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000233491
【氏名又は名称】株式会社日立システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】100080001
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 大和
(74)【代理人】
【識別番号】100113642
【弁理士】
【氏名又は名称】菅田 篤志
(74)【代理人】
【識別番号】100117008
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 章子
(74)【代理人】
【識別番号】100147430
【弁理士】
【氏名又は名称】坂次 哲也
(72)【発明者】
【氏名】森田 豊久
(72)【発明者】
【氏名】谷 繁幸
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 麻里
【審査官】 川▲崎▼ 博章
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−172043(JP,A)
【文献】 特開平09−035125(JP,A)
【文献】 特開2002−297848(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 50/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
提供されたサービスのログに含まれるサービス開始時刻からサービス終了時刻までの時間を平均サービス時間として算出する平均サービス時間算出部と、
前記ログに含まれる前記サービス開始時刻および前記サービス終了時刻に基づき算出されるサービス時間を、前記サービス時間の間に処理した前記サービスの総数で除算することで、平均到着時間を算出する到着時間算出部と、
算出された前記平均サービス時間と前記平均到着時間とに基づいて平均待ち時間を算出する待ち行列推定部と、を有する、待ち行列推定システム。
【請求項2】
請求項1に記載の待ち行列推定システムにおいて、
前記サービスの前記サービス終了時刻から次の前記サービスの前記サービス開始時刻までの空き時間が所定時間以上である場合、前記空き時間にて前記サービスがとぎれていると判定する行列とぎれ検出部をさらに有し、
前記到着時間算出部は、前記行列とぎれ検出部が途切れていると判定した前記空き時間の直後に存在する前記サービスの前記サービス開始時刻から次に行列が途切れていると判定された前記空き時間の直後に存在する前記サービスの前記サービス開始時刻までの時間を前記サービス時間として算出する、待ち行列推定システム。
【請求項3】
請求項2に記載の待ち行列推定システムにおいて、
前記平均サービス時間算出部は、前記サービス開始時刻から前記サービス終了時刻までの中間時刻である代表時刻とこの代表時刻における前記サービス時間とを対応付けて出力情報記憶テーブルに記憶する、待ち行列推定システム。
【請求項4】
請求項3に記載の待ち行列推定システムにおいて、
前記待ち行列推定システムから取得した前記代表時刻と前記平均待ち時間とに基づいて、横軸を前記代表時刻、縦軸を前記平均待ち時間とするグラフを表示する出力部をさらに有する、待ち行列推定システム。
【請求項5】
提供されたサービスのログに含まれるサービス開始時刻からサービス終了時刻までの時間を平均サービス時間として算出する平均サービス時間算出部と、
前記ログに含まれる前記サービス開始時刻および前記サービス終了時刻に基づき算出されるサービス時間を、前記サービス時間の間に処理した前記サービスの総数で除算することで、平均到着時間を算出する到着時間算出部と、
算出された前記平均サービス時間と前記平均到着時間とに基づいて待ち行列の長さを算出する待ち行列推定部と、を有する、待ち行列推定システム。
【請求項6】
平均サービス時間算出部により、提供されたサービスのログに含まれるサービス開始時刻からサービス終了時刻までの時間を平均サービス時間として算出する平均サービス時間算出ステップと、
到着時間算出部により、前記ログに含まれる前記サービス開始時刻および前記サービス終了時刻に基づき算出されるサービス時間を、前記サービス時間の間に処理した前記サービスの総数で除算することで、平均到着時間を算出する到着時間算出ステップと、
待ち行列推定部により、算出された前記平均サービス時間と前記平均到着時間とに基づいて平均待ち時間を算出する平均待ち時間算出ステップと、を有する、平均待ち時間算出方法。
【請求項7】
平均サービス時間算出部により、提供されたサービスのログに含まれるサービス開始時刻からサービス終了時刻までの時間を平均サービス時間として算出する平均サービス時間算出ステップと、
到着時間算出部により、前記ログに含まれる前記サービス開始時刻および前記サービス終了時刻に基づき算出されるサービス時間を、前記サービス時間の間に処理した前記サービスの総数で除算することで、平均到着時間を算出する到着時間算出ステップと、
待ち行列推定部により、算出された前記平均サービス時間と前記平均到着時間とに基づいて待ち行列の長さを算出する待ち行列長算出ステップと、を有する、待ち行列長算出方法。
【請求項8】
平均サービス時間算出部により、提供されたサービスのログに含まれるサービス開始時刻からサービス終了時刻までの時間を平均サービス時間として算出する平均サービス時間算出ステップと、
到着時間算出部により、前記ログに含まれる前記サービス開始時刻および前記サービス終了時刻に基づき算出されるサービス時間を、前記サービス時間の間に処理した前記サービスの総数で除算することで、平均到着時間を算出する到着時間算出ステップと、
待ち行列推定部により、算出された前記平均サービス時間と前記平均到着時間とに基づいて平均待ち時間を算出する平均待ち時間算出ステップと、を待ち行列推定システムのコンピュータに実行させる、平均待ち時間算出プログラム。
【請求項9】
平均サービス時間算出部により、提供されたサービスのログに含まれるサービス開始時刻からサービス終了時刻までの時間を平均サービス時間として算出する平均サービス時間算出ステップと、
到着時間算出部により、前記ログに含まれる前記サービス開始時刻および前記サービス終了時刻に基づき算出されるサービス時間を、前記サービス時間の間に処理した前記サービスの総数で除算することで、平均到着時間を算出する到着時間算出ステップと、
待ち行列推定部により、算出された前記平均サービス時間と前記平均到着時間とに基づいて待ち行列の長さを算出する待ち行列長算出ステップと、を待ち行列推定システムのコンピュータに実行させる、待ち行列長算出プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は待ち行列推定システム、平均待ち時間算出方法、待ち行列長算出方法、平均待ち時間算出プログラムおよび待ち行列長算出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景技術である特開2007−128386号公報(特許文献1)には、「入店時刻から利用開始時刻までの時間差を把握することで、利用者の待ち時間を算出し、利用者にATM店舗の待ち時間を提供する」と記載されている。
【0003】
また、特開平07−044424号公報(特許文献2)には、「呼の到着数、退去数をカウントし(ステップ401)、退去が起こる毎にx時間前の到着数と現在の退去数を比較し(ステップ402)、x時間前の到着数の方が大きい場合をカウントする(ステップ403,404)。そして測定期間終了後に(ステップ405)、測定時間内に退去した呼数で、ステップ404でカウントした呼数を割り、待ち時間の確率分布の推定値を求める(ステップ406)」と記載されている。
【0004】
また、特開平09−035125号公報(特許文献3)には、「来店時刻情報と利用券受け入れの時刻の差からその利用客の待ち時間を算出する」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−128386号公報
【特許文献2】特開平07−044424号公報
【特許文献3】特開平09−035125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の方法では、待ち行列の長さ(人数)や待ち時間を算出するには、外部端末が提供したサービスのログ以外に、顧客が待ち行列の最後尾に並んだ時刻を別途取得しなければならなかった。
【0007】
本発明の目的は、顧客が待ち行列の最後尾に並んだ時刻を別途取得することなく、外部端末が提供したサービスのログに基づいて、外部端末を利用するのに必要な平均待ち時間および待ち行列の長さを、時刻ごとに提供可能にする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次の通りである。
【0009】
本発明の一実施の形態は、提供されたサービスのログに含まれるサービス開始時刻からサービス終了時刻までの時間を平均サービス時間として算出する平均サービス時間算出部を有する。さらに、前記ログに前記サービス開始時刻および前記サービス終了時刻に基づき算出されるサービス時間を、前記サービス時間の間に処理した前記サービスの総数で除算することで、平均到着時間を算出する到着時間算出部を有する。さらに、算出された前記平均サービス時間と前記平均到着時間とに基づいて平均待ち時間を算出する待ち行列推定部を有する。
【0010】
また、他の実施の形態では、提供されたサービスのログに含まれるサービス開始時刻からサービス終了時刻までの時間を平均サービス時間として算出する平均サービス時間算出部を有する。さらに、前記ログに前記サービス開始時刻および前記サービス終了時刻に基づき算出されるサービス時間を、前記サービス時間の間に処理した前記サービスの総数で除算することで、平均到着時間を算出する到着時間算出部を有する。さらに、算出された前記平均サービス時間と前記平均到着時間とに基づいて待ち行列の長さを算出する待ち行列推定部を有する。
【0011】
また、他の実施の形態では、平均サービス時間算出部により、提供されたサービスのログに含まれるサービス開始時刻からサービス終了時刻までの時間を平均サービス時間として算出する平均サービス時間算出ステップを有する。また、到着時間算出部により、前記ログに前記サービス開始時刻および前記サービス終了時刻に基づき算出されるサービス時間を、前記サービス時間の間に処理した前記サービスの総数で除算することで、平均到着時間を算出する到着時間算出ステップを有する。さらに、待ち行列推定部により、算出された前記平均サービス時間と前記平均到着時間とに基づいて平均待ち時間を算出する平均待ち時間算出ステップを有する。
【0012】
また、他の実施の形態では、平均サービス時間算出部により、提供されたサービスのログに含まれるサービス開始時刻からサービス終了時刻までの時間を平均サービス時間として算出する平均サービス時間算出ステップを有する。また、到着時間算出部により、前記ログに前記サービス開始時刻および前記サービス終了時刻に基づき算出されるサービス時間を、前記サービス時間の間に処理した前記サービスの総数で除算することで、平均到着時間を算出する到着時間算出ステップを有する。さらに、待ち行列推定部により、算出された前記平均サービス時間と前記平均到着時間とに基づいて待ち行列の長さを算出する待ち行列長算出ステップを有する。
【0013】
また、他の実施の形態では、平均サービス時間算出部により、提供されたサービスのログに含まれるサービス開始時刻からサービス終了時刻までの時間を平均サービス時間として算出する平均サービス時間算出ステップを待ち行列推定システムのコンピュータに実行させる。また、到着時間算出部により、前記ログに前記サービス開始時刻および前記サービス終了時刻に基づき算出されるサービス時間を、前記サービス時間の間に処理した前記サービスの総数で除算することで、平均到着時間を算出する到着時間算出ステップを待ち行列推定システムのコンピュータに実行させる。さらに、待ち行列推定部により、算出された前記平均サービス時間と前記平均到着時間とに基づいて平均待ち時間を算出する平均待ち時間算出ステップを待ち行列推定システムのコンピュータに実行させる。
【0014】
また、他の実施の形態では、平均サービス時間算出部により、提供されたサービスのログに含まれるサービス開始時刻からサービス終了時刻までの時間を平均サービス時間として算出する平均サービス時間算出ステップを待ち行列推定システムのコンピュータに実行させる。また、到着時間算出部により、前記ログに前記サービス開始時刻および前記サービス終了時刻に基づき算出されるサービス時間を、前記サービス時間の間に処理した前記サービスの総数で除算することで、平均到着時間を算出する到着時間算出ステップを待ち行列推定システムのコンピュータに実行させる。さらに、待ち行列推定部により、算出された前記平均サービス時間と前記平均到着時間とに基づいて待ち行列の長さを算出する待ち行列長算出ステップと、を待ち行列推定システムのコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0015】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0016】
本発明の一実施の形態によれば、顧客が待ち行列の最後尾に並んだ時刻を別途取得することなく、外部端末が提供したサービスのログに基づいて、外部端末を利用するのに必要な平均待ち時間および待ち行列の長さを時刻ごとに提供できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施の形態における、待ち行列推定システムの構成例の概要を示す図である。
図2】本発明の一実施の形態における、ログの構成例の概要を示す図である。
図3】本発明の一実施の形態における、平均サービス時間テーブルの構成例の概要を示す図である。
図4】本発明の一実施の形態における、出力情報記憶テーブルの構成例の概要を示す図である。
図5】本発明の一実施の形態における、推定結果表示画面の例を示す図である。
図6】本発明の一実施の形態における、待ち行列推定処理の概要を示す図である。
図7】本発明の一実施の形態における、平均サービス時間算出処理を説明するための図である。
図8】本発明の一実施の形態における、平均サービス時間算処理における補完処理を説明するための図である。
図9】本発明の一実施の形態における、平均到着時間算出処理の概要を示す図である。
図10】本発明の一実施の形態における、サービスの平均到着時間を算出する処理を説明するための図である。
図11】本発明の一実施の形態における、平均到着時間算出処理における補完処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0019】
<システム構成>
図1は、本発明の一実施の形態における待ち行列推定システムの構成例の概要を示す図である。
【0020】
図1において、待ち行列推定システムは、ログ取得部101と、平均サービス時間算出部102と、平均到着時間算出部103と、記憶部105と、待ち行列推定部106と、出力部107と、入力部108とを有する。
【0021】
平均到着時間算出部103は、行列とぎれ検出部109と、到着時間算出部110とを有する。
【0022】
また、待ち行列推定システムは、所定のハードウェアおよびソフトウェアが実装される。例えば、待ち行列推定システムは、プロセッサやメモリなどを有し、プロセッサによるメモリ上のプログラムの実行により、待ち行列推定システムとして、コンピュータを機能させる。
【0023】
ログ取得部101は、ネットワーク104を介して図示しない外部端末(例えば、ATM(Automated Teller Machine))からログ(後述、図2)を取得する。
【0024】
平均サービス時間算出部102は、取得したログに基づき平均サービス時間を平均サービス時間テーブル(後述、図3)に記憶する。また、平均サービス時間算出部102は、取得したログに基づき代表時刻ごとの平均サービス時間を算出し、算出した平均サービス時間を代表時刻と対応付けて出力情報記憶テーブル(後述、図4)に記憶する。
【0025】
平均到着時間算出部103は、平均到着時間算出部103は、平均到着時間算出処理(後述、図9)を行い、算出した代表時刻ごとの平均到着時間を出力情報記憶テーブルに記憶する。
【0026】
待ち行列推定部106は、出力情報記憶テーブルから平均サービス時間と平均到着時間とに基づき、待ち行列の長さおよび待ち時間の平均を算出し、算出した待ち行列の長さおよび待ち時間の平均である平均待ち時間を出力情報記憶テーブルに記憶する。
【0027】
記憶部105は、ログと平均サービス時間テーブルと出力情報記憶テーブルとを記憶する。
【0028】
出力部107は、出力情報記憶テーブルから取得した情報に基づいて推定結果表示画面(後述、図5)を表示する。
【0029】
入力部108は、待ち行列推定システムへの入力を受け付けるマウスなどの入力装置が該当する。
【0030】
<ログの構成>
図2は、本発明の一実施の形態における、ログ201の構成例の概要を示す図である。ログ201は、外部装置が受け付けた操作に対するサービスの内容や、外部端末がサービスを提供した日付や時刻などを記録したデータを含む。
【0031】
ログ201は、[ログID]、[日付]、[時刻]、[サービスID]、[処理内容]、[端末ID]、[備考]などのデータ項目を有する。
【0032】
[ログID]はログ201を識別するための記号を示す。[日付]は、外部端末がサービスを提供した日付を示す。[時刻]は、外部端末がサービスを提供した時刻を示す。[サービスID]は、顧客ごとに割り振られる記号であり、同一の顧客に対しては同一の記号が割り振られる。[処理内容]は、外部端末が提供したサービスの内容(例えば、ATMにおける現金の払い出しや、残高照会)を示す。[端末ID]は、処理を行った外部端末を識別するための記号を示す。[備考]は、対応する[時刻]がサービス開始時刻かサービス終了時刻かを区別するための情報などを記憶する。
【0033】
<平均サービス時間テーブル>
図3は、本発明の一実施の形態における、平均サービス時間テーブル301の構成例の概要を示す図である。
【0034】
平均サービス時間テーブル301は、[サービスID]、[代表日付]、[代表時刻]、[平均サービス時間]、[端末ID]などのデータ項目を有する。
【0035】
[代表日付]は、代表時刻を算出した日付を示す。[代表時刻]は、外部端末がサービスを提供したと推定される時刻を示す。 [平均サービス時間]は、顧客一人あたりに対して行うサービスの平均時間を示す。
【0036】
<出力情報記憶テーブル>
図4は、本発明の一実施の形態における、出力情報記憶テーブル401の構成例の概要を示す図である。
【0037】
出力情報記憶テーブル401は、[日付]、[代表時刻]、[平均サービス時間]、[平均到着時間]、[待ち行列の長さ]、[平均待ち時間]などのデータ項目を有する。
【0038】
[日付]は、外部端末がサービスを提供した日付を示す。[代表時刻] は、外部端末がサービスを提供したと推定される時刻を示す。
【0039】
[平均到着時間]は、外部装置を利用する顧客が訪れる間隔の平均時間を示す。
【0040】
[待ち行列の長さ]は、外部装置に並ぶ顧客の平均人数を示す。
【0041】
[平均待ち時間]は、外部装置を利用するために、顧客が待たなければならない平均時間を示す。
【0042】
<推定結果表示画面例>
図5は、本発明の一実施の形態における、推定結果表示画面の例を示す図である。
【0043】
図5において、出力部107(例えば、ディスプレイ)は、外部装置が設置される支店ごとに横軸を代表時刻、縦軸を平均待ち時間および待ち行列とするグラフを表示する。図5の例では、A支店に設置された外部装置の平均待ち時間および平均待ち行列が時系列で表示される。図5にて、実線は代表時刻ごとの平均待ち時間を示す。また破線は代表時刻ごとの待ち行列の長さを示す。
【0044】
支店選択ボタン901が選択を受け付けることで、出力部107は、別の支店の状態を表すグラフへと表示を切り替える。
【0045】
<待ち行列推定処理>
図6は、本発明の一実施の形態における、待ち行列推定処理の概要を示す図である。
【0046】
まず、S201にて、ログ取得部101は、ネットワーク104を介して、ログ201を取得し、記憶部105に記憶する。
【0047】
次に、S202にて、平均サービス時間算出部102は、平均サービス時間算出処理(後述、図7図8)を行い、算出した代表時刻ごとの平均サービス時間を出力情報記憶テーブル401に記憶する。
【0048】
次に、S203にて、平均到着時間算出部103は、平均到着時間算出処理(後述、図9)を行い、算出した代表時刻ごとの平均到着時間を出力情報記憶テーブル401に記憶する。
【0049】
次に、S204にて、待ち行列推定部106は、出力情報記憶テーブル401から取得した平均サービス時間(Ts)と平均到着時間(Ta)とに基づき、待ち行列の長さ(Lw)および平均待ち時間(Tw)を以下の式に基づき算出することで待ち行列を算出し、算出した待ち行列の長さ(Lw)および平均待ち時間(Tw)を出力情報記憶テーブル401に記憶する。
Lw=ρ/(1−ρ)=Ts/(Ta−Ts)
ρ:サービス利用率 (ρ = Ts/ Ta)
Tw=Lw×Ts=Ts×Ts/(Ta−Ts)
次に、S205にて、結果を出力する。より詳細には、出力部107は、出力情報記憶テーブル401から日付、代表時刻、待ち行列の長さ、平均待ち時間を取得し、取得した情報に基づき推定結果表示画面(上述、図5)を表示し、待ち行列推定処理を終了する。
【0050】
<平均サービス時間算出処理>
図7図8は、本発明の一実施の形態における、平均サービス時間算出処理の内容を説明するための図である。
【0051】
図7に示すように、各サービス(図中、サービスn〜n+2)は外部装置によってサービス開始時刻からサービス終了時刻まで連続して行われる。
【0052】
平均サービス時間算出処理では、平均サービス時間算出部102は、記憶部105からログ201を取得する。そして、平均サービス時間算出部102は、サービスIDごとにサービス開始時刻からサービス終了時刻までの経過時間を平均サービス時間として算出する。さらに、平均サービス時間算出部102は、サービスIDごとにサービス開始時刻からサービス終了時刻までの中間時刻を代表時刻として算出する。そして、平均サービス時間算出部102は、算出した平均サービス時間と代表時刻とサービスIDと端末IDと対応付けて平均サービス時間テーブル301に記憶する。
【0053】
ここで、平均サービス時間算出部102によって算出された代表時刻は、等間隔には存在しない。よって、平均サービス時間算出部102は、対応する平均サービス時間が存在しない代表時刻については、1分ごとに内挿処理やスプライン曲線などを利用して補完する処理をする。この補完する処理をした結果、図8に示すように、横軸を代表時刻、縦軸を平均サービス時間としたデータを得ることができるようになる。そして、平均サービス時間算出部102は、補完する処理をした後の代表時刻と平均サービス時間とを対応付けて、出力情報記憶テーブル401に記憶する。
【0054】
<平均到着時間算出処理>
図9は、本発明の一実施の形態における、平均到着時間算出処理の概要を示す図である。
【0055】
まず、S701にて、平均到着時間算出部103の行列とぎれ検出部109は、ログ201を取得し、取得したログ201の各サービス間の空き時間を算出する。より詳細には、行列とぎれ検出部109は、記憶部105からログ201を取得し、各サービスのサービス終了時刻から次のサービスのサービス開始時刻までの時間に基づき、各空き時間を算出する。
【0056】
次に、S702にて、行列とぎれ検出部109は、とぎれ検出をする。より詳細には、行列とぎれ検出部109は、S701にて算出した各空き時間が所定時間以上である場合、この空き時間にてサービスがとぎれていると判定する。
【0057】
次に、S703にて、到着時間算出部110は、サービスが途切れていると判定された直後に存在するサービスのすべてのサービスIDのサービス開始時刻(つまり、待ち時間がないと推定されるすべてのサービスのサービス開始時刻)を取得する。
【0058】
次に、S704にて、到着時間算出部110は、サービスの平均到着時間(Ta)を算出する。S704については、図10に基づいて説明する。この平均到着時間(Ta)は、S703にて取得したサービスのサービス開始時刻1101(Tk(a))から次にサービスが途切れていると判定された直後に存在するサービスのサービス開始時刻1102(Tk(b))までの時間を、その時間の間に処理したサービスの総数N(a、b)で除算することで算出される。また、到着時間算出部110は、サービス開始時刻1101(Tk(a))から次にサービスが途切れていると判定された直後に存在するサービスのサービス開始時刻1102(Tk(b))までの中間の時刻を代表時刻1103として算出する。
Ta=(Tk(b)−Tk(a))/N(a、b)
ここで、到着時間算出部110によって算出された代表時刻は、等間隔には存在しない。よって、S705にて、到着時間算出部110は、対応する平均到着時間が存在しない代表時刻については、内挿処理やスプライン曲線などを利用することで1分ごとに補完する処理をする。この補完する処理をした結果、図11に示すように、横軸を代表時刻、縦軸を平均到着時間としたデータを得ることができるようになる。そして、到着時間算出部110は、補完する処理をした後の代表時刻と平均到着時間とを対応付けて、出力情報記憶テーブル401に記憶する。
【0059】
ここで、S202が平均サービス時間算出ステップに相当し、S203が到着時間算出ステップに相当し、S204が平均待ち時間算出ステップおよび待ち行列長算出ステップに相当する。
【0060】
<本実施の形態の効果>
以上説明した本実施の形態によれば、ログ201に含まれるサービス開始時刻およびサービス終了時刻に基づき平均サービス時間と平均到着時間とが算出されることで、顧客が待ち行列の最後尾に並んだ時刻を別途取得することなく、外部端末を利用するのに必要な平均待ち時間および待ち行列の長さを時刻ごとに提供できるようになる。
【0061】
さらに、途切れていると判定された空き時間の直後に存在するサービスのサービス開始時刻から次に行列が途切れていると判定された空き時間の直後に存在するサービスのサービス開始時刻までの時間をサービス時間として算出できるようになる。
【0062】
さらに、代表時刻とこの代表時刻におけるサービス時間と対応付けて出力情報記憶テーブル401に記憶することで、横軸を代表時刻、縦軸を前記平均待ち時間とするグラフを表示できるようになる。
【0063】
以上、本発明によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、顧客が待ち行列の最後尾に並んだ時刻を別途取得することなく、外部端末が提供したサービスのログに基づいて、外部端末を利用するのに必要な平均待ち時間および待ち行列の長さを時刻ごとに提供できるようになるという優れた効果を有し、待ち行列推定システム、平均待ち時間算出方法、待ち行列長算出方法、平均待ち時間算出プログラムおよび待ち行列長算出プログラムにも適用することができる。
【符号の説明】
【0065】
101 ログ取得部
102 平均サービス時間算出部
103 平均到着時間算出部
104 ネットワーク
105 記憶部
106 待ち行列推定部
107 出力部
108 入力部
109 行列とぎれ検出部
110 到着時間算出部
201 ログ
301 平均サービス時間テーブル
401 出力情報記憶テーブル
901 支店選択ボタン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11