特許第6161410号(P6161410)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6161410
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】箱詰め装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 5/06 20060101AFI20170703BHJP
   B65B 35/50 20060101ALI20170703BHJP
【FI】
   B65B5/06
   B65B35/50
【請求項の数】10
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-117704(P2013-117704)
(22)【出願日】2013年6月4日
(65)【公開番号】特開2014-234224(P2014-234224A)
(43)【公開日】2014年12月15日
【審査請求日】2016年6月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000206093
【氏名又は名称】大森機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112689
【弁理士】
【氏名又は名称】佐原 雅史
(74)【代理人】
【識別番号】100128934
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】米山 秀之
【審査官】 田口 傑
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−080006(JP,A)
【文献】 特開2008−150094(JP,A)
【文献】 特開平05−294304(JP,A)
【文献】 実開平04−091933(JP,U)
【文献】 特開昭48−093492(JP,A)
【文献】 特開平06−206630(JP,A)
【文献】 特開平02−127206(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 5/06
B65B 35/00−35/58
B31B 50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品を順次送り出す送出手段と、
前記送出手段によって送り出された前記複数の物品を順次受け入れて段積みの状態で収容する収容手段と、
前記収容手段の上方に、有底の箱を開口が下向きの状態で供給する供給手段と、
前記収容手段に収容された前記複数の物品を押し上げて、上方の前記箱の内側に該複数の物品を入れる押上手段と、を備え
前記収容手段は、傾斜させて配置される複数の収容部を有することを特徴とする、
箱詰め装置。
【請求項2】
複数の物品を順次送り出す送出手段と、
前記送出手段によって送り出された前記複数の物品を順次受け入れて段積みの状態で収容する収容手段と、
前記収容手段の上方に、有底の箱を開口が下向きの状態で供給する供給手段と、
前記収容手段に収容された前記複数の物品を押し上げて、上方の前記箱の内側に該複数の物品を入れる押上手段と、を備え、
前記収容手段は、
前記複数の物品を受け入れる第一の位置、前記供給手段により前記箱が供給される第二の位置、前記押上手段で前記複数の物品を前記箱の内側に入れる第三の位置、の順に移動する複数の第一の収容部、を有するコンベアであり、
前記第二の位置で供給された前記箱は、対応する前記複数の物品と一緒に前記第三の位置に移動することを特徴とする、
箱詰め装置。
【請求項3】
前記収容手段は、
前記複数の物品を受け入れる第四の位置から、前記供給手段により前記箱が供給されると共に前記押上手段で前記複数の物品を前記箱の内側に入れる第五の位置に移動する複数の第二の収容部、を有するコンベアであることを特徴とする、
請求項に記載の箱詰め装置。
【請求項4】
前記複数の収容部は、それぞれ、傾斜させて配置されていることを特徴とする、
請求項2又は3に記載の箱詰め装置。
【請求項5】
前記収容手段に収容された前記複数の物品を下方から支持する手段であって、前記収容手段が前記複数の物品を受け入れることに伴って順次下降する下方支持手段、を備えていることを特徴とする、
請求項1〜4のいずれかに記載の箱詰め装置。
【請求項6】
前記供給手段は、前記箱を、前記開口が上向きの状態から水平軸回りに旋回させて、前記開口が下向きの状態となるように供給することを特徴とする、
請求項1〜5のいずれかに記載の箱詰め装置。
【請求項7】
前記収容手段の上方において前記複数の物品が内側に入れられた前記箱を、前記開口が下向きの状態から水平軸回りに旋回させて、前記開口が上向きの状態となるように復帰させる復帰手段、を備えていることを特徴とする、
請求項1〜6のいずれかに記載の箱詰め装置。
【請求項8】
前記復帰手段は、
前記箱を挟んで持つ挟持機構と、
前記開口から前記複数の物品が落下することを防止する物品落下防止機構と、を備えていることを特徴とする、
請求項7に記載の箱詰め装置。
【請求項9】
前記復帰手段は、
前記挟持機構及び前記物品落下防止機構を、水平軸回りに一体に旋回させる旋回機構、を備えていることを特徴とする、
請求項8に記載の箱詰め装置。
【請求項10】
前記複数の物品は、それぞれ、フィルムで個包装された包装体であり、
前記開口が上向きの状態で且つ複数の前記包装体が内側に入れられた前記箱の内側に挿入し、前記包装体の耳を押し込む棒状部材を有する耳折り手段、を備えていることを特徴とする、
請求項7〜9のいずれかに記載の箱詰め装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の物品をセットにして箱詰めする箱詰め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
セロハンテープを出荷する場合、フィルムで個包装された複数のセロハンテープを集積装置で集積してから、箱詰め装置で箱詰めする。箱詰め装置では、起立させた状態で横に連なるように束ねられた複数のセロハンテープを、両端から挟み込むように支持しながら、蓋と底の双方を開放した紙箱に挿入することで箱詰めする(図10(A)→図10(B)参照)。これにより、セロハンテープを転倒させずに安定的に箱詰めすることができる。なお、図10(A)及び図10(B)では、セロハンテープを個包装しているフィルムの図示を省略して、図面を簡略化している。
【0003】
従来の箱詰め装置の場合、蓋と底の双方が開放した状態であり形状を維持し難い紙箱を、複数の方向からしっかりと支持する必要があるため、そして、挿入された複数のセロハンテープを支持しながら紙箱の蓋と底の双方を閉鎖する必要があるため、箱詰め装置が複雑化・大型化すると共に箱詰めのサイクルタイムの短縮に限界があるという問題があった。
【0004】
これらの問題を解決するに、発明者は、少なくとも、底が閉鎖された紙箱に箱詰めする必要があると考えた。このような箱詰めを実現するために、特許文献1に記載されている缶蓋の袋詰め装置を応用することを想定した。この袋詰め装置は、開口が斜め下を向くように上り傾斜の搬送面に配置された袋に対し、搬送面に起立させた状態で束ねられた缶蓋を斜め下から押し込むように挿入する。このような袋詰め装置を応用した場合には、底が閉鎖された紙箱に箱詰めすることが可能となる。
【0005】
あるいは、特許文献2に記載されている菓子袋の集積装置を応用することを想定した。この集積装置は、トレーの中に菓子袋を順次落下させて当該菓子袋を横倒しの状態で段積みすることで集積する。トレーの中に集積された菓子袋は、トレーごと箱詰め装置に搬送される。このような集積装置を応用した場合には、セロハンテープを横倒しの状態で取り扱うこととなり、セロハンテープを起立させる必要がなく、箱詰めが不安定になる要素を減らすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3419494号公報(段落[0038]〜[0040]及び図5参照)
【特許文献2】実開昭53−033574号公報(第2図参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載されている袋詰め装置を応用した場合、複数のセロハンテープを搬送経路上で搬送方向に並べるように予め集積しておく一方で、セロハンテープの搬送経路上に紙箱をセットすることになる。このため、セロハンテープの搬送経路上に紙箱がセットされるまでの間、集積された複数のセロハンテープを待機させる必要があり、相変わらず、箱詰めのサイクルタイムの短縮に限界がある。
【0008】
そして、特許文献2に記載されている集積装置を応用した場合であっても、箱詰めのサイクルタイムの短縮に寄与する工夫はなされていない。また、複数のセロハンテープを段積みした状態で搬送する必要があり、その段積み品の整列状態を崩してしまう恐れがある。さらに、段積みした状態の複数のセロハンテープを、トレーから箱詰め装置に移し替えるためにプッシャー装置などを別途必要とするので、設備全体として複雑化・大型化するという問題がある。
【0009】
このような問題は、セロハンテープを箱詰めする場合に限られず、その他の文房具、あるいは食品や日用品などの各種物品を同様に箱詰めする場合に共通して存在し得る。
【0010】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、複雑化・大型化することなく、安定的な箱詰め及び箱詰めのサイクルタイムの短縮を実現する箱詰め装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)本発明は、複数の物品を順次送り出す送出手段と、前記送出手段によって送り出された前記複数の物品を順次受け入れて段積みの状態で収容する収容手段と、前記収容手段の上方に、有底の箱を開口が下向きの状態で供給する供給手段と、前記収容手段に収容された前記複数の物品を押し上げて、上方の前記箱の内側に該複数の物品を入れる押上手段と、を備え、前記収容手段は、傾斜させて配置される複数の収容部を有することを特徴とする、箱詰め装置である。
【0012】
本発明によれば、複数の物品を収容手段に集積することができる。このため、箱詰め装置とは別に集積装置を備えている必要がなく、集積装置を省略することができる。結果として、箱詰め装置を含む設備全体としての複雑化・大型化を防止することができる。
【0013】
そして、収容手段の上方に箱を供給する間に、当該収容手段に複数の物品を集積することができる。このため、予め複数の物品を集積して待機しておく必要がなく、時間の無駄を無くすことができる。結果として、箱詰めのサイクルタイムを短縮することができる。
【0014】
また、開口が下向きの状態の有底の箱に向けて段積み状態の複数の物品を押し上げて、当該箱の内側に当該複数の物品を入れるので、物品が倒れることもなく、安定的な箱詰めを実現することができる。
また、複数の物品を傾斜した段積みの状態で集積することができる。このため、物品がリング状等の転がる形状を呈する場合であっても、従来のように複数の物品を起立した状態で集積する場合とは異なり、物品が転がる可能性は低い。結果として、安定的な箱詰めを実現することができる。また、仮に、鉛直に段積み状態で集積した場合を想定すると、水平面内において包装体の位置が一定しない。一方、上記発明によれば、傾斜させた側の収容部の側壁に包装体が位置決めされるため、包装体を箱にスムーズに入れることができる。
【0015】
(2)本発明はまた、複数の物品を順次送り出す送出手段と、前記送出手段によって送り出された前記複数の物品を順次受け入れて段積みの状態で収容する収容手段と、前記収容手段の上方に、有底の箱を開口が下向きの状態で供給する供給手段と、前記収容手段に収容された前記複数の物品を押し上げて、上方の前記箱の内側に該複数の物品を入れる押上手段と、を備え、前記収容手段は、前記複数の物品を受け入れる第一の位置、前記供給手段により前記箱が供給される第二の位置、前記押上手段で前記複数の物品を前記箱の内側に入れる第三の位置、の順に移動する複数の第一の収容部、を有するコンベアであり、前記第二の位置で供給された前記箱は、対応する前記複数の物品と一緒に前記第三の位置に移動することを特徴とする、箱詰め装置である。
【0016】
上記発明によれば、複数の物品を集積する工程と、箱を供給する工程と、複数の物品を箱の内側に入れる工程と、を別々の位置で並行して同時に行うことができる。これにより、従来のように各工程を一つずつ順番に行う場合と比較して、箱詰めのサイクルタイムを短縮することができる。
【0017】
(3)本発明はまた、前記収容手段は、前記複数の物品を受け入れる第四の位置から、前記供給手段により前記箱が供給されると共に前記押上手段で前記複数の物品を前記箱の内側に入れる第五の位置に移動する複数の第二の収容部、を有するコンベアであることを特徴とする、上記(2)に記載の箱詰め装置である。

【0018】
上記発明によれば、複数の物品を集積する工程と、箱を供給すると共に複数の物品を箱の内側に入れる工程と、を別々の位置で並行して同時に行うことができる。これにより、従来のように各工程を一つずつ順番に行う場合と比較して、箱詰めのサイクルタイムを短縮することができる。
【0019】
(4)本発明はまた、前記複数の収容部は、それぞれ、傾斜させて配置されていることを特徴とする、上記(2)又は(3)に記載の箱詰め装置である。
【0020】
上記発明によれば、複数の物品を傾斜した段積みの状態で集積することができる。このため、物品がリング状等の転がる形状を呈する場合であっても、従来のように複数の物品を起立した状態で集積する場合とは異なり、物品が転がる可能性は低い。結果として、安定的な箱詰めを実現することができる。また、仮に、鉛直に段積み状態で集積した場合を想定すると、水平面内において包装体の位置が一定しない。一方、上記発明によれば、傾斜させた側の収容部の側壁に包装体が位置決めされるため、包装体を箱にスムーズに入れることができる。
【0021】
(5)本発明はまた、前記収容手段に収容された前記複数の物品を下方から支持する手段であって、前記収容手段が前記複数の物品を受け入れることに伴って順次下降する下方支持手段、を備えていることを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の箱詰め装置である。
【0022】
上記発明によれば、下方支持手段の高さを順次調節することで、送出手段によって送り出された複数の物品を順次滑らかに、段積みの方向に落下させることなく、又は段積みの方向に落下させる場合であってもその落差を小さくして収容手段に受け入れることができる。これにより、整った状態で複数の物品を集積することができる。結果として、安定的な箱詰めを実現することができる。
【0023】
(6)本発明はまた、前記供給手段は、前記箱を、前記開口が上向きの状態から水平軸回りに旋回させて、前記開口が下向きの状態となるように供給することを特徴とする、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の箱詰め装置である。
【0024】
上記発明によれば、箱の上下を反転させることができる。このため、載置面にフラップや蓋等が干渉する逆さまの状態で箱を前工程から受け入れる必要がなく、開口が上向きの状態で箱を前工程から受け入れればよい。結果として、箱の受入れが容易となり、箱詰め装置を含む設備全体としての複雑化・大型化を防止することができる。
【0025】
ところで、複数の物品が鉛直に段積みされた状態で集積される場合には、箱を、開口が上向きの状態から180度反転させて供給する必要がある。一方、複数の収容部が、それぞれ、傾斜させて配置されている場合には、複数の物品が傾斜した段積みの状態で集積されるので、箱を、開口が上向きの状態から180度よりも小さい角度だけ反転させて供給すればよい。このため、複数の収容部が、それぞれ、傾斜させて配置されている場合には、箱を反転させる角度が小さくなるので、箱の供給に要する時間を短くすることができる。結果として、箱詰めのサイクルタイムを短縮することができる。
【0026】
(7)本発明はまた、前記収容手段の上方において前記複数の物品が内側に入れられた前記箱を、前記開口が下向きの状態から水平軸回りに旋回させて、前記開口が上向きの状態となるように復帰させる復帰手段、を備えていることを特徴とする、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の箱詰め装置である。
【0027】
上記発明によれば、箱の上下を反転させることができる。このため、複数の物品を入れた後の箱を反転させて、開口が上向きの状態となるように載置面に置くことができる。結果として、複数の物品を入れた後の箱の取扱いが容易となり、箱詰め装置を含む設備全体としての複雑化・大型化を防止することができる。
【0028】
ところで、鉛直に段積みされた状態で集積された複数の物品を箱の内側に入れた後に、当該箱を開口が上向きの状態となるように載置面に置くためには、当該箱を180度反転させて復帰させる必要がある。一方、傾斜した段積みの状態で集積された複数の物品を箱の内側に入れた後に、当該箱を開口が上向きの状態となるように載置面に置くためには、当該箱を180度よりも小さい角度だけ反転させればよい。このため、複数の収容部が、それぞれ、傾斜させて配置されている場合には、箱を反転させる角度が小さくなるので、箱の復帰に要する時間を短くすることができる。結果として、箱詰めのサイクルタイムを短縮することができる。
【0029】
(8)本発明はまた、前記復帰手段は、前記箱を挟んで持つ挟持機構と、前記開口から前記複数の物品が落下することを防止する物品落下防止機構と、を備えていることを特徴とする、上記(7)に記載の箱詰め装置である。
【0030】
上記発明によれば、物品落下防止機構を備えているので、箱の内側に入れた複数の物品を落下させることなく、当該箱を確実に復帰させて、開口が上向きの状態となるように載置面に置くことができる。結果として、安定的な箱詰めを実現することができる。
【0031】
(9)本発明はまた、前記復帰手段は、前記挟持機構及び前記物品落下防止機構を、水平軸回りに一体に旋回させる旋回機構、を備えていることを特徴とする、上記(8)に記載の箱詰め装置である。
【0032】
上記発明によれば、簡単な構造で復帰手段を構成することができる。結果として、箱詰め装置の複雑化・大型化を防止することができる。
【0033】
(10)本発明はまた、前記複数の物品は、それぞれ、フィルムで個包装された包装体であり、前記開口が上向きの状態で且つ複数の前記包装体が内側に入れられた前記箱の内側に挿入し、前記包装体の耳を押し込む棒状部材を有する耳折り手段、を備えていることを特徴とする、上記(7)〜(9)のいずれかに記載の箱詰め装置である。
【0034】
上記発明によれば、包装体の耳を箱の内側に押し込むことができるので、包装体の耳が箱の開口からはみ出すことを防止することができる。結果として、安定的な箱詰めを実現することができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明の上記(1)〜(10)に記載の箱詰め装置によれば、複雑化・大型化することなく、安定的な箱詰め及び箱詰めのサイクルタイムの短縮を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の実施形態に係る箱詰め装置を示す上面図である。
図2】送出手段、収容手段及び支持手段の側面図である。
図3】収容手段及び供給手段の側面図である。
図4】供給手段を斜め下方から視た斜視図である。
図5】収容手段及び搬送支持機構などの側面図であり、第二の位置を示す。
図6】収容手段及び搬送支持機構などの側面図であり、第三の位置を示す。
図7】収容手段、押上手段及び復帰手段の側面図である。
図8】挟持機構及び物品落下防止機構を斜め下方から視た斜視図である。
図9】実箱搬送手段及び耳折り手段を斜め上方から視た斜視図である。
図10】(A)及び(B)は、従来の箱詰め装置を斜め上方から視た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る箱詰め装置1について詳細に説明する。
【0038】
まず、図1図9を用いて、箱詰め装置1の構成について説明する。図1は、箱詰め装置1を示す上面図である。図2は、送出手段10、収容手段20及び支持手段30の側面図である。図3は、収容手段20及び供給手段40の側面図である。図4は、供給手段40を斜め下方から視た斜視図である。図5は、収容手段20及び搬送支持機構47などの側面図であり、第二の位置PO2を示す。図6は、収容手段20及び搬送支持機構47などの側面図であり、第三の位置PO3を示す。図7は、収容手段20、押上手段50及び復帰手段60の側面図である。図8は、挟持機構61及び物品落下防止機構62を斜め下方から視た斜視図である。図9は、実箱搬送手段80及び耳折り装置90を斜め上方から視た斜視図である。なお、各図において、一部の構成を適宜省略して、図面を簡略化する。そして、各図において、部材の大きさ、形状、厚みなどを適宜誇張して表現する。
【0039】
図1に示される箱詰め装置1は、フィルムで個包装された複数の包装体XA1をセットにして箱詰めするラインで使用される。この箱詰め装置1は、複数の包装体XA1を所定個数(例えば、8個)毎に集積し、有底の紙箱YA1に対して箱詰めする。なお、箱詰め装置1は、2つの紙箱YA1に対して並行して同時に箱詰めを行う。
【0040】
本実施形態における複数の包装体XA1は、それぞれ、出荷前のセロハンテープをフィルムでピロー包装したピロー包装体であり、エンドシールした部分に耳部(図示省略)を有している。
【0041】
具体的に、箱詰め装置1は、送出手段10と、収容手段20と、支持手段30と、供給手段40と、包装体抑え機構45(図3及び図5参照)と、搬送支持機構47(図3図5図6及び図7参照)と、押上手段50と、第一箱抑え機構55(図6及び図7参照)と、第二箱抑え機構56(図6及び図7参照)と、復帰手段60と、空箱搬送手段70と、昇降装置78と、実箱搬送手段80と、耳折り手段90(図9参照)と、制御ユニット(図示省略)と、複数のセンサ(図示省略)と、などを備えている。
【0042】
箱詰め装置1の各部は、所々に設けられた複数のセンサによる包装体XA1又は紙箱YA1の検出結果に基づき、制御ユニットによって統括的に制御される。すなわち、箱詰め装置1の各部は、制御ユニットの制御下において動作して、その動作状況が制御ユニットによって管理される。
【0043】
制御ユニットは、CPU、RAM及びROMなどから構成され、各種制御を実行する。CPUは、いわゆる中央演算処理装置であり、各種プログラムが実行されて各種機能を実現する。RAMは、CPUの作業領域として使用される。ROMは、CPUで実行される基本OSやプログラムを記憶する。
【0044】
図1及び図2に示される送出手段10は、ベルトコンベアなどの搬送機構からなる。この送出手段10は、横倒し状態の包装体XA1を一つずつ、前工程の設備(図示省略)から自身の上流で引き継いで、収容手段20の第一の位置PO1に順次送り出す。
【0045】
収容手段20は、搬送面21と、複数の収容部22と、などを有するバケットコンベアである。この収容手段20は、送出手段10による搬送方向(図1における上から下の方向)と直交する方向(図1における左から右の方向)を搬送方向とする。
【0046】
搬送面21は、幅方向の一方から他方(図2における右から左)に向けて傾斜するように配置されている。搬送面21の水平面を基準とした傾斜角度αは、30度以上90度以下に設定されていることが好ましく、本実施形態では45度に設定されている。そして、搬送面21は、搬送方向(図1における左から右の方向)に向けて間欠的に走行する。
【0047】
複数の収容部22は、搬送面21上に等間隔に配置され、複数の包装体XA1を受け入れる第一の位置PO1、上方に紙箱YA1が供給される第二の位置PO2、複数の包装体XA1を紙箱YA1の内側に入れる第三の位置PO3、の順に移動するように間欠的に走行する。すなわち、複数の収容部22は、第一の位置PO1で受け入れた複数の包装体XA1、及び第二の位置PO2で供給された紙箱YA1を、第三の位置PO3に搬送する。
【0048】
これら複数の収容部22は、それぞれ、搬送面21上に配置されている結果、傾斜させて配置されている。これら複数の収容部22の水平面を基準とした傾斜角度αは、30度以上90度以下に設定されていることが好ましく、本実施形態では45度に設定されている。また、複数の収容部22は、それぞれ、第一の位置PO1において、送出手段10によって送り出された複数の包装体XA1を順次受け入れて段積みの状態で収容する。
【0049】
支持手段30は、第一の位置PO1に配置されている。具体的に、支持手段30は、下方支持手段31と、上方支持手段32と、を二組備えている。
【0050】
下方支持手段31は、収容部22に収容された複数の包装体XA1を下方から支持する。この下方支持手段31は、リニアスライダーなどの動力源31aを備えている。そして、下方支持手段31は、収容部22が複数の包装体XA1を受け入れることに伴い、搬送面21の傾斜に沿って順次下降する。
【0051】
上方支持手段32は、エアシリンダーなどの動力源32aを備えている。この上方支持手段32は、収容部22に包装体XA1が収容される度に、当該包装体XA1を上方から押えると共に、その後すぐに当該包装体XA1から上方に退避する。これにより、複数の包装体XA1の段積みの状態を整え、送出手段10から次に送り出される包装体XA1の収容に備える。
【0052】
図1図3及び図4に示される供給手段40は、第二の位置PO2に配置されている。この供給手段40は、収容部22の上方に、開口が下向きの状態となるように紙箱YA1を供給する。すなわち、供給手段40は、開口が上向きの状態の紙箱YA1を、水平軸回りに(本実施形態では135度)旋回させて収容部22の上方に開口が下向きの状態となるように供給する。結果、紙箱YA1は、収容手段20の収容部22の先端に被せられる。すなわち、収容手段20の収容部22の先端は、紙箱YA1の内側に挿入される。紙箱YA1の蓋は、収容部22の外側に位置する。
【0053】
具体的に、供給手段40は、挟持機構41と、旋回機構42と、エア噴射機構43と、を二組備えている。また、供給手段40は、箱抑え機構44を備えている。
【0054】
挟持機構41は、一対のアーム41aと、一対のエアシリンダーなどの動力源41bと、を備えている。この挟持機構41は、紙箱YA1の両脇を一対のアーム41aで挟んで持つ。
【0055】
旋回機構42は、サーボモーターなどの動力源(図示省略)を備えている。この旋回機構42は、挟持機構41及びエア噴射機構43を、水平軸回りに一体に旋回させる。本実施形態において、旋回機構42は、挟持機構41及びエア噴射機構43を135度旋回させる。
【0056】
エア噴射機構43は、挟持機構41で挟んで持った紙箱YA1の開いている蓋に向けてエアを噴射して、当該蓋が閉じないように、開いている状態を維持する。
【0057】
箱抑え機構44は、エアシリンダーなどの動力源44aを備えている。この箱抑え機構44は、収容部22の上方に配置された2つの紙箱YA1を挟持機構41で挟持した状態で、まとめて、それらの上方から押えて位置を整える。また、箱抑え機構44は、紙箱YA1の位置を整えた後に、適宜退避する。なお、箱抑え機構44による紙箱YA1の押えは、ハンドル調整により、紙箱YA1の高さ(製品高さ)に対応する。
【0058】
包装体抑え機構45は、第二の位置PO2に配置されている。包装体抑え機構45は、動力源(図示省略)を備えている。この包装体抑え機構45は、段積み状態の複数の包装体XA1の一番上の包装体XA1を、その上方から押えて段積みの状態を整える。また、包装体抑え機構45は、包装体XA1を押えた後に、収容部22から適宜退避する。
【0059】
図3図5図6及び図7に示される搬送支持機構47は、第二の位置PO2から第三の位置PO3にわたって配置されている。搬送支持機構47は、サーボ駆動によってレール47aに沿って第二の位置PO2と第三の位置PO3とを往復する吸着手段47bを備えている。吸着手段47bは、紙箱YA1の側面に向けて進退可能に設けられている。この吸着手段47bは、紙箱YA1の側面に吸着することで、当該紙箱YA1が収容部22の移動によって第二の位置PO2から第三の位置PO3に搬送される際に、当該紙箱YA1の姿勢が乱れるのを防止する。
【0060】
ここで、搬送支持機構47に係る機構の動作を説明する。
【0061】
第二の位置PO2において、搬送支持機構47で紙箱YA1を吸着した後、箱抑え機構44を退避させるとともに、135度旋回している旋回機構42を元に戻す。収容部22の上部に配置した紙箱YA1と、挟持機構41とが干渉しない位置まで旋回機構42が旋回されたら、搬送支持機構47で側面を吸着した紙箱YA1を、収容部22に受け入れられた複数の包装体XA1とともに、第三の位置PO3に移動する。
【0062】
図1及び図7に示される押上手段50は、第三の位置PO3に配置されている。この押上手段50は、リニアスライダーなどの動力源50aを備えている。そして、押上手段50は、収容部22に収容された複数の包装体XA1を一気に押し上げて、収容部22の上方に配置されている紙箱YA1の内側に当該複数の包装体XA1を入れる。また、押上手段50は、紙箱YA1の内側に複数の包装体XA1を入れた後に、適宜退避する。なお、押上手段50による押上量は、紙箱YA1の高さ(製品高さ)に応じて予め設定しておくことが可能となっている。
【0063】
第一箱抑え機構55は、第三の位置PO3に配置されている。第一箱抑え機構55は、エアシリンダーなどの動力源55aを備えている。この第一箱抑え機構55は、収容部33の上方に配置された2つの紙箱YA1を、まとめて、それらの上方から押えて、押上手段50によって押し上げて包装体XA1を当該紙箱YA1に入れる際の位置ずれを防止する。また、第一箱抑え機構55は、紙箱YA1の位置ずれを防止した後に、適宜退避する。なお、第一箱抑え機構55による紙箱YA1の押えは、ハンドル調整により、紙箱YA1の高さ(製品高さ)に対応する。
【0064】
第二箱抑え機構56は、第三の位置PO3に配置されている。第二箱抑え機構56は、エアシリンダーなどの動力源56aを備え、吸着手段56bを進退可能にしている。第二箱抑え機構56は、吸着手段56bが紙箱YA1の側面に吸着することで、第一箱抑え機構55と共に、押上手段50によって押し上げて包装体XA1を当該紙箱YA1に入れる際の位置ずれを防止する。また、第二箱抑え機構56は、紙箱YA1の位置ずれを防止した後に、適宜退避する。
【0065】
ここで、第一箱抑え機構55及び第二箱抑え機構56に係る機構の動作を説明する。
【0066】
第三の位置PO3において、第二箱抑え機構56の吸着手段56bで紙箱YA1の側面を吸着して保持した後、搬送支持機構47は退避して第二の位置PO2に戻る。そして、第一箱抑え機構55で紙箱YA1の底部を押える。このとき、挟持機構61は挟持位置に待機している。また、第一箱抑え機構55で紙箱YA1の底部を押えた状態で押上手段50で複数の包装体XA1を紙箱YA1に入れるとともに紙箱YA1を押し上げて収容部22の先端を当該紙箱YA1から抜く。紙箱YA1を押し上げるときは、第二抑え機構56の吸着手段56bを解除して退避させている。
【0067】
図1図6図7及び図8に示される復帰手段60は、第三の位置PO3に配置されている。この復帰手段60は、収容部22の上方において開口が下向きの状態で且つ複数の包装体XA1が内側に入れられた紙箱YA1を、水平軸回りに(本実施形態では135度)旋回させて開口が上向きの状態となるように復帰させる。具体的に、復帰手段60は、挟持機構61と、物品落下防止機構62と、旋回機構63と、を二組備えている。
【0068】
挟持機構61は、一対のアーム61aと、一対のエアシリンダーなどの動力源61bと、を備えている。この挟持機構61は、紙箱YA1の両脇を一対のアーム61aで挟んで持つ。
【0069】
物品落下防止機構62は、水平軸回りに回動可能なU字形のアーム62aと、エアシリンダーなどの動力源(図示省略)と、アームリンク(図示省略)と、などを備えている。アーム62aは、動力源の動力が、アームリンクを介して伝達されることで動作する。この物品落下防止機構62は、紙箱YA1の内側に入れられた複数の包装体XA1をアーム62aで押え、当該紙箱YA1の開口から落下することを防止する。また、物品落下防止機構62は、紙箱YA1の開口から適宜退避する。
【0070】
旋回機構63は、サーボモーターなどの動力源(図示省略)を備えている。この旋回機構63は、挟持機構61及び物品落下防止機構62を、水平軸回りに一体に旋回させる。本実施形態において、旋回機構63は、挟持機構61及び物品落下防止機構62を135度旋回させる。
【0071】
図1に戻って説明する。空箱搬送手段70は、空の紙箱YA1を順次搬送すると共に、一列で搬送していた空の紙箱YA1を二列に増列する増列型の搬送手段である。具体的に、空箱搬送手段70は、第一コンベア71と、第二コンベア72と、第一ストッパー73と、振分ガイドアーム74と、一対の第二ストッパー75と、一対の第三ストッパー76と、を備えている。
【0072】
第一コンベア71は、例えば、プレートコンベアからなる。この第一コンベア71は、連続的に走行することで、複数の紙箱YA1を一列で順次搬送する。第二コンベア72は、例えば、ベルトコンベアからなる。この第二コンベア72は、連続的に走行することで、第一コンベア71から複数の紙箱YA1を引き継ぎ、複数の紙箱YA1を二列に増列して順次搬送する。第一ストッパー73は、エアシリンダーなどの動力源(符号省略)を備えている。この第一ストッパー73は、第一コンベア71及び第二コンベア72の接続箇所に配置されている。そして、第一ストッパー73は、振分ガイド74などの下流の状況に応じて、紙箱YA1の流れを止める。
【0073】
振分ガイドアーム74は、エアシリンダーなどの動力源(図示省略)を備えている。この振分ガイドアーム74は、第二コンベア72における上流箇所に配置されている。そして、振分ガイドアーム74は、揺動して搬送方向を切り替えることで、第一コンベア71から一列で引き継いだ紙箱YA1を二列に振り分ける。第二ストッパー75は、エアシリンダーなどの動力源(符号省略)を備えている。この第二ストッパー75は、振分ガイドアーム74の下流箇所に配置されている。そして、第二ストッパー75は、供給手段40などの下流の状況に応じて、紙箱YA1の流れを止める。第三ストッパー76は、エアシリンダーなどの動力源(符号省略)を備えている。この第三ストッパー76は、第二ストッパーの下流箇所に配置されている。そして、第三ストッパー76は、供給手段40などの下流の状況に応じて、紙箱YA1の流れを止めると共に当該紙箱YA1を一つずつ供給手段に向けて供給する。
【0074】
昇降装置78は、空箱搬送手段70の下流に二つ設けられている。昇降装置78は、サーボモーターなどの動力源(図示省略)を備え、昇降する。この昇降装置78は、空箱搬送手段70から紙箱YA1を引き継ぐ。そして、昇降装置78は、紙箱YA1の高さに応じて予め設定されている量だけ昇降し、その紙箱YA1の高さ方向の位置を、供給手段40の一対のアーム41aが当該紙箱YA1の開口側を挟んで持つように調整する。これは、紙箱YA1への包装体XA1の充填時に、開口(天面)側が基準になるからである。このように、昇降装置78によって、供給手段40の一対のアーム41aで挟んで持つ紙箱YA1の高さ方向の位置を調整するので、高さの異なる種々の紙箱YA1に対応することができる。
【0075】
図1及び図9に示される実箱搬送手段80は、内側に複数の包装体XA1が入れられた紙箱YA1を順次搬送する。具体的に、実箱搬送手段80は、昇降面81aと、搬送面81bと、複数のフィンガー82と、などを備えている。
【0076】
昇降面81aは、サーボモーターなどの動力源(図示省略)を備え、昇降する。この昇降面81aは、紙箱YA1の高さに応じて予め設定されている量だけ昇降し、紙箱YA1が置かれることに備える。これは、復帰手段60の一対のアーム61aが、紙箱YAの高さとは無関係に、当該紙箱YA1の開口(天面)側を挟んで持つからである。昇降面81aには、復帰手段60の動作により、内側に複数の包装体XA1が入れられた紙箱YA1が、開口が上向きの状態となるように順次置かれる。その後、昇降面81aは、自動的に必要寸法分、上昇位置決めする。これにより、昇降面81aと搬送面81bとが面一になる。複数のフィンガー82は、昇降面81a及び搬送面81bの上方に進退すると共に、搬送方向(図1における左から右の方向)に沿って走行することで、昇降面81a及び搬送面81b上の紙箱YA1を搬送する。
【0077】
耳折り手段90は、実箱搬送手段80の途中に配置されている。この耳折り装置90は、開口が上向きの状態で搬送面81上に置かれた紙箱YA1の内側に入れられた複数の包装体XA1の耳を、当該紙箱YA1の内側に押し込む。具体的に、耳折り手段90は、上下方向に進退する一対の棒状部材91などを備えている。一対の棒状部材91は、それぞれ、紙箱YA1の上方から紙箱YA1の内側に挿入される。これにより、紙箱YA1の内側に入れられた複数の包装体XA1の耳を、当該紙箱YA1の内側に押し込む。一対の棒状部材91は、それぞれ、バネ91aを備えており、上下の進退とは別に、所定以上の力が加わった場合に収縮する。結果、一対の棒状部材91は、紙箱YA1の内側に挿入される際に、何かに引っ掛かり挿入不能となる場合に収縮して退避する。
【0078】
次に、図1を用いて、包装体XA1の流れについて説明する。
【0079】
複数の包装体XA1は、前工程の設備から横倒し状態で一つずつ順次供給される。横倒し状態の複数の包装体XA1は、送出手段10によって収容部22に一つずつ送り出される。収容部22に一つずつ送り出された複数の包装体XA1は、当該収容部22に段積みの状態で集積される。収容部22に段積みの状態で集積された複数の包装体XA1は、収容手段20によって第一の位置PO1から第三の位置PO3に搬送される。第三の位置PO3に搬送された複数の包装体XA1は、押上手段50によって押し上げられて、紙箱YA1の内側に入れられる。
【0080】
次に、図1を用いて、空の紙箱YA1の流れについて説明する。
【0081】
複数の紙箱YA1は、前工程の設備から開口が上向きの状態で一列となるように一つずつ順次供給される。一列で供給された複数の紙箱YA1は、空箱搬送手段70によって搬送される過程で、二列に増列される。これにより、2つの紙箱YA1に対して並行して同時に箱詰めを行うことが可能となる。増列されて搬送された2つの紙箱YA1は、供給手段40によって、水平軸回りに旋回させられて収容部22の上方に開口が下向きの状態となるように配置される。収容部22の上方に配置された2つの紙箱YA1は、収容手段20によって第二の位置PO2から第三の位置PO3に搬送される。第三の位置PO3に搬送された2つの紙箱YA1の内側には、押上手段50によって押し上げられた複数の包装体XA1が入れられる。
【0082】
次に、図1を用いて、複数の包装体XA1が内側に入れられた後の紙箱YA1の流れについて説明する。
【0083】
複数の包装体XA1が内側に入れられた2つの紙箱YA1は、復帰手段60によって、水平軸回りに旋回させられて搬送面81の上に開口が上向きの状態となるように配置される。搬送面81の上に配置された2つの紙箱YA1は、フィンガー82によって搬送されて耳折り手段90に一つずつ順次供給される。耳折り手段90に供給された紙箱YA1の内側に入れられた複数の包装体XA1は、耳折り手段90によって耳が紙箱YA1の内側に押し込まれる。その後、後工程において、紙箱YA1の蓋が閉じられる。
【0084】
このように、箱詰め装置1によれば、複数の包装体XA1を収容手段20に集積することができる。このため、箱詰め装置1とは別に集積装置を備えている必要がなく、集積装置を省略することができる。結果として、箱詰め装置1を含む設備全体としての複雑化・大型化を防止することができる。
【0085】
そして、収容手段20の上方に紙箱YA1を供給する間に、当該収容手段20に複数の包装体XA1を集積することができる。このため、予め複数の包装体XA1を集積して待機しておく必要がなく、時間の無駄を無くすことができる。結果として、箱詰めのサイクルタイムを短縮することができる。
【0086】
また、開口が下向きの状態の有底の紙箱YA1に向けて段積み状態の複数の包装体XA1を押し上げて、当該紙箱YA1の内側に当該複数の包装体XA1を入れるので、包装体XA1が倒れることもなく、安定的な箱詰めを実現することができる。
【0087】
さらに、複数の包装体XA1を集積する工程と、紙箱YA1を供給する工程と、複数の包装体XA1を紙箱YA1の内側に入れる工程と、を別々の位置PO1,PO2,PO3で並行して同時に行うことができる。これにより、従来のように各工程を一つずつ順番に行う場合と比較して、箱詰めのサイクルタイムを短縮することができる。
【0088】
そして、複数の収容部22が、それぞれ、傾斜させて配置されているので、複数の包装体XA1を傾斜した段積みの状態で集積することができる。このため、包装体XA1がリング状等の転がる形状を呈する場合であっても、従来のように複数の包装体XA1を起立した状態で集積する場合(図10(A)及び図10(B)参照)とは異なり、包装体XA1が転がる可能性は低い。結果として、安定的な箱詰めを実現することができる。また、仮に、鉛直に段積み状態で集積した場合を想定すると、水平面内において包装体XA1の位置が一定しない。一方、箱詰め装置1によれば、傾斜させた側の収容部22の側壁に包装体XA1が位置決めされるため、包装体XA1を紙箱YA1にスムーズに入れることができる。
【0089】
また、下方支持手段31の高さを順次調節するので、送出手段10によって送り出された複数の包装体XA1を順次滑らかに、段積みの方向に落下させることなく、又は段積みの方向に落下させる場合であってもその落差を小さくして収容手段20に受け入れることができる。これにより、整った状態で複数の包装体XA1を集積することができる。結果として、安定的な箱詰めを実現することができる。
【0090】
さらに、供給手段40を備えているので、紙箱YA1の上下を反転させることができる。このため、載置面にフラップや蓋等が干渉する逆さまの状態で紙箱を前工程から受け入れる必要がなく、開口が上向きの状態で紙箱YA1を前工程である空箱搬送手段70から受け入れればよい。結果として、紙箱YA1の受入れが容易となり、箱詰め装置1を含む装置全体としての複雑化・大型化を防止することができる。
【0091】
ところで、複数の包装体XA1が鉛直に段積みされた状態で集積される場合を想定すると、紙箱YA1を、開口が上向きの状態から180度反転させて供給する必要がある。一方、本実施形態の場合、複数の収容部22が、それぞれ、傾斜させて配置されており、複数の包装体XA1が傾斜した段積みの状態で集積されるので、紙箱YA1を、開口が上向きの状態から180度よりも小さい角度だけ反転させて供給すればよい。このように、紙箱YA1を反転させる角度が小さくなるので、紙箱YA1の供給に要する時間を短くすることができる。結果として、箱詰めのサイクルタイムを短縮することができる。
【0092】
そして、復帰手段60を備えているので、紙箱YA1の上下を反転させることができる。このため、複数の包装体XA1を入れた後の紙箱YA1を反転させて、開口が上向きの状態となるように載置面に置くことができる。結果として、複数の包装体XA1を入れた後の取扱いが容易となり、箱詰め装置1を含む設備全体としての複雑化・大型化を防止することができる。
【0093】
ところで、鉛直に段積みされた状態で集積された複数の包装体XA1を紙箱YA1の内側に入れた後に、当該紙箱YA1を開口が上向きの状態となるように載置面に置くことを想定すると、当該紙箱YA1を180度反転させて復帰させる必要がある。一方、本実施形態の場合、傾斜した段積みの状態で集積された複数の包装体XA1を紙箱YA1の内側に入れた後に、当該紙箱YA1を開口が上向きの状態となるように載置面に置くことになるので、当該紙箱YA1を180度よりも小さい角度だけ反転させればよい。このように、紙箱YA1を反転させる角度が小さくなるので、紙箱YA1の復帰に要する時間を短くすることができる。結果として、箱詰めのサイクルタイムを短縮することができる。
【0094】
また、物品落下防止機構62を備えているので、紙箱YA1の内側に入れた複数の包装体XA1を落下させることなく、当該紙箱YA1を確実に復帰させて、開口が上向きの状態となるように載置面に置くことができる。結果として、安定的な箱詰めを実現することができる。
【0095】
さらに、復帰手段60は、挟持機構61及び物品落下防止機構62を、水平軸回りに一体に旋回させる旋回機構63、を備えているので、簡単な構造で復帰手段を構成することができる。結果として、箱詰め装置1の複雑化・大型化を防止することができる。
【0096】
そして、耳折り手段90を備えているので、包装体XA1の耳を箱の内側に押し込むことができ、当該包装体XA1の耳が紙箱YA1の開口からはみ出すことを防止することができる。結果として、安定的な箱詰めを実現することができる。
【0097】
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0098】
すなわち、上記実施形態において、各構成の位置、大きさ、長さ、形状、材質、向きなどは適宜変更できる。また、上記実施形態において、可能な範囲で他の形態の構成を適用してもよい。
【0099】
あるいは、上記実施形態において、押上手段50によって押し上げて紙箱YA1に包装体XA1を入れた後、例えば、特公平05−079566号公報に開示される装置のように、紙箱YA1の開口を下にした状態で封函するようにしてもよい。
【0100】
あるいは、包装能力が低い場合には、上記実施形態のように、包装体XA1を受け入れる位置(上記実施形態における第一の位置PO1)と包装体XA1を紙箱YA1に入れる位置(上記実施形態における第三の位置PO3)が異なっていれば良く、紙箱YA1を供給する位置(上記実施形態における第二の位置PO2)と包装体XA1を紙箱YA1に入れる位置(上記実施形態における第三の位置PO3)とが同じであってもよい。すなわち、上記実施形態において、搬送手段20の複数の収容部22を、複数の物品を受け入れる第四の位置(上記実施形態における第一の位置PO1に相当)から、上方に紙箱YA1を供給すると共に複数の包装体XA1を上方の紙箱YA1の内側に入れる第五の位置(上記実施形態における第二の位置PO2及び第三の位置PO3に相当)に移動するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0101】
1 箱詰め装置
10 送出手段
20 収容手段(コンベア)
22 収容部
31 下方支持手段
40 供給手段
50 押上手段
60 復帰手段
61 挟持機構
62 物品落下防止機構
63 旋回機構
90 耳折り手段
91 棒状部材
XA1 包装体(物品)
YA1 紙箱(箱)
PO1 第一の位置
PO2 第二の位置
PO3 第三の位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10