特許第6161432号(P6161432)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6161432
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】炊飯器
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/00 20060101AFI20170703BHJP
【FI】
   A47J27/00 103N
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-135251(P2013-135251)
(22)【出願日】2013年6月27日
(65)【公開番号】特開2015-8816(P2015-8816A)
(43)【公開日】2015年1月19日
【審査請求日】2015年12月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085198
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 久夫
(74)【代理人】
【識別番号】100098604
【弁理士】
【氏名又は名称】安島 清
(74)【代理人】
【識別番号】100087620
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 範夫
(74)【代理人】
【識別番号】100125494
【弁理士】
【氏名又は名称】山東 元希
(74)【代理人】
【識別番号】100141324
【弁理士】
【氏名又は名称】小河 卓
(74)【代理人】
【識別番号】100153936
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 健誠
(74)【代理人】
【識別番号】100160831
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 元
(72)【発明者】
【氏名】蜷川 智也
(72)【発明者】
【氏名】根岸 和善
(72)【発明者】
【氏名】橋元 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】高橋 健三
(72)【発明者】
【氏名】上岡 孝暢
【審査官】 青木 良憲
(56)【参考文献】
【文献】 実開平03−049715(JP,U)
【文献】 特開2002−355169(JP,A)
【文献】 特開2012−040218(JP,A)
【文献】 特開2014−226343(JP,A)
【文献】 特開2012−005736(JP,A)
【文献】 特開2002−248050(JP,A)
【文献】 特開2013−034638(JP,A)
【文献】 実開昭58−194725(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体に開閉自在に取り付けられ、上蓋及び下蓋を有する蓋体と、を備え、
前記上蓋は、
上蓋本体と、
前記上蓋本体の外周面を覆い、前記蓋体の意匠面を構成する上蓋カバーと、
該上蓋の上面を構成する表示板と、を有し、
前記上蓋カバーには、係合凹部及びリブが設けられ、
前記上蓋本体には、前記係合凹部と係合する係合凸部及び前記リブが挿入される切欠部が設けられ、
前記上蓋カバーの前記係合凹部と前記上蓋本体の前記係合凸部とが係合し、前記上蓋カバーの前記リブが前記上蓋本体の前記切欠部に挿入され、前記上蓋カバーを前記上蓋本体に嵌合させた状態で、前記表示板を前記上蓋カバーに取り付けることで、前記上蓋カバーは前記上蓋本体に固定されることを特徴とする炊飯器。
【請求項2】
本体と、
前記本体に開閉自在に取り付けられ、上蓋及び下蓋を有する蓋体と、を備え、
前記上蓋は、
上蓋本体と、
前記上蓋本体の外周面を覆い、前記蓋体の意匠面を構成する上蓋カバーと、
該上蓋の上面を構成する表示板と、を有し、
前記上蓋カバーの正面側の内面には、
前記上蓋本体の外面に形成される複数の切欠部に挿入されるリブが複数設けられ、
前記リブの厚みは前記上蓋カバーの厚みよりも薄いことを特徴とする炊飯器。
【請求項3】
前記上蓋本体及び前記上蓋カバーは異なる材料で構成された
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の炊飯器。
【請求項4】
前記上蓋本体は、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂で構成された
ことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の炊飯器。
【請求項5】
前記上蓋カバーは、ABS又はポリカーボネート等の熱可塑性樹脂で構成された
ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の炊飯器。
【請求項6】
前記上蓋本体と前記上蓋カバーとの間に空気層を設けた
ことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の炊飯器。
【請求項7】
前記上蓋本体には、前記本体内から発生した蒸気を放出する蒸気口が形成され、
前記蒸気口から前記表示板までの距離を前記蒸気口の短手寸法よりも大きくした
ことを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の炊飯器。
【請求項8】
前記上蓋カバーは、内周面が凹凸の無い平滑な形状で構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の炊飯器。
【請求項9】
前記上蓋カバーは、
樹脂を射出成形することで形成され、
該上蓋カバーの前面側の内面の幅方向中央となる部分から該樹脂が注入されて該上蓋カバーの背面側で合流し、左右対称の形状となるように形成される
ことを特徴とする請求項1〜請求項8の何れか一項に記載の炊飯器。
【請求項10】
前記上蓋カバーの正面側の内面には、
前記上蓋本体の外面に形成される複数の前記切欠部に挿入される前記リブが複数設けられ、
前記リブの厚みは前記上蓋カバーの厚みよりも薄い
ことを特徴とする請求項1又は請求項1に従属する請求項3〜9の何れか1項に記載の炊飯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炊飯器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、「蓋体3は、・・・下枠を外蓋カバー4で構成し・・・蓋体3の上枠は、およそ中央に保湿キャップ14を有し蒸気を本体外へ放出する蒸気口15と、内部に液晶支持板20により支持されている前方に液晶板17、操作ボタン18及び後方にリード線を備えた馬蹄形状をした操作基板10を収納する有底凹形状でリード線25を配線する引き出し口21を設けた凹部22を形成する外蓋9で構成している。」という炊飯器があった(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3365322号公報([0028]、図1図2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の炊飯器は、蓋体が、その外郭を構成する部材と、各種部品を構成する部材と、が一体となって構成されたものである。すなわち、蓋体が製品の外郭を構成する部品であるため、外観を損なわないための意匠性を備えた材料選定や、塗装などの表面処理が必要となる場合が多い。加えて、蓋体は、本体内における重要な構造部品という役割を兼ねている。このため、蓋体は、実使用上問題のない耐熱性及び耐衝撃性を備えた材料を選定する必要があり、それらの条件を満足する材料が限られる。したがって、結果として部品コストの増加に繋がる、という課題があった。
【0005】
本発明は、上述のような課題を背景としてなされたものであり、従来よりもコストを削減しつつ、意匠性を損ねないで蓋体の性能を確保する炊飯器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の炊飯器は、本体と、前記本体に開閉自在に取り付けられ、上蓋及び下蓋を有する蓋体と、を備え、前記上蓋は、上蓋本体と、前記上蓋本体の外周面を覆い、前記蓋体の意匠面を構成する上蓋カバーと、該上蓋の上面を構成する表示板と、を有し、前記上蓋カバーには、係合凹部及びリブが設けられ、前記上蓋本体には、前記係合凹部と係合する係合凸部及び前記リブが挿入される切欠部が設けられ、前記上蓋カバーの前記係合凹部と前記上蓋本体の前記係合凸部とが係合し、前記上蓋カバーの前記リブが前記上蓋本体の前記切欠部に挿入され、前記上蓋カバーを前記上蓋本体に嵌合させた状態で、前記表示板を前記上蓋カバーに取り付けることで、前記上蓋カバーは前記上蓋本体に固定されるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の炊飯器は、蓋体を構成する上蓋が、上蓋本体と、上蓋本体の外周面を覆い、前記蓋体の意匠面を構成する上蓋カバーと、該上蓋の上面を構成する表示板と、を有する。このため、意匠性を考慮しないで上蓋本体の材料を選定することができ、機能性を考慮しないで上蓋カバーの材料を選定することができる。したがって、従来よりもコストを削減しつつ、意匠性を損ねないで蓋体の性能を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る炊飯器100の全体斜視図である。
図2】実施の形態1に係る炊飯器100の平面図である。
図3図2のB−B断面図である。
図4】実施の形態1に係る炊飯器100の上蓋10aの分解斜視図である。
図5図2のA−A断面図である。
図6図5のX部分の拡大図である。
図7図2のB−B断面の蓋体10の部分拡大図である。
図8】実施の形態1に係る炊飯器100の蓋体10の構成要素を示す、第1の例を示す図である。
図9】実施の形態1に係る炊飯器100の蓋体10の構成要素を示す、第2の例を示す図である。
図10】実施の形態1に係る炊飯器100の蓋体10の構成要素を示す、第3の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の炊飯器について、図面を用いて詳細に説明する。
【0010】
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る炊飯器100の全体斜視図である。図2は実施の形態1に係る炊飯器100の平面図である。図3図2のB−B断面図である。
【0011】
図1に示されるように、炊飯器100は、本体50と、本体50の上部に開閉自在に取り付けられる蓋体10と、を備える。本体50の前面には、蓋開閉ボタン26が設けられる。
【0012】
図1図2に示されるように、蓋体10の上面に、蒸気口カバー5、透過部6、及び操作部7が設けられている。蒸気口カバー5は、蒸気口5aを覆わないように一部が開口した形状となっている。蒸気口5aは、本体50内部で発生した蒸気を放出するための開口部である。透過部6は、この部分を通して蓋体10の内部を視認できるように、少なくとも一部が透明になっている。このため、使用者は、透過部6を介して、透過部6の下に設けられた表示部(図示省略)を確認することができる。
【0013】
図3に示されるように、蓋体10は、上蓋10a及び下蓋10bを備える。上蓋10aは、複数の部品から構成される。上蓋10aについては、図4以降で詳述する。
【0014】
本体50は、内釜24が設置されるように上面が開口しており、この開口に内釜24が設置されている。内釜24の底面の下方には、内釜24の温度を検知するサーミスタ33、及び内釜24を誘導加熱する誘導加熱コイル23が設けられる。内釜24の背面側には、サーミスタ33の検知温度等に基づいて誘導加熱コイル23の火力を制御する制御基板20、制御基板20を冷却する冷却ファン32、及び胴ヒータ34が設けられる。下蓋10bには、内蓋12が着脱自在に装着されている。
【0015】
内釜24の上方には、内釜24内の調理物の加熱時に発生する蒸気を外部に排出するカートリッジ13が着脱自在に装着されている。蓋体10の後部には、ヒンジ部16が設けられている。また、蓋体10の後部には、蓋体10と本体50とを連結するヒンジ部16が設けられる。ヒンジ部16には、ヒンジ部16に巻き付けられ、蓋体10を常時開蓋方向に付勢するヒンジバネ15が設けられている。
【0016】
図4は実施の形態1に係る炊飯器100の上蓋10aの分解斜視図である。図5は、図2のA−A断面図である。図6は、図5のX部分の拡大図である。図7図2のB−B断面の蓋体10の部分拡大図である。上蓋10aは、上蓋本体1と、上蓋カバー2と、表示板3と、蒸気口カバー5と、を備える。
【0017】
上蓋本体1は、上蓋10aの底面を構成する部材である。上蓋本体1は、全体的に凹状を逆さまにした形状に構成されている。そして、上蓋本体1には、その上面から下方に向かって開口する開口部(図示省略)が形成されている。そして、この開口部に操作基板4が設けられている。上蓋本体1の外面には、係合凸部1a及び切欠部1bが形成されている。係合凸部1a及び切欠部1bの機能については、後述する図8以降で詳述する。上蓋本体1の上面には、穴部1cが複数形成されている。
【0018】
上蓋カバー2は、上蓋本体1の外周面を覆うカバーである。上蓋カバー2は、上下面が開口し、例えば、内周面が凹凸の無い平滑な形状となっている。上蓋カバー2は、左右対称の形状の部材であり、樹脂を射出成形することで形成される。上蓋カバー2は、その前面側の内面の幅方向中央となる部分から注入された樹脂が上蓋カバー2の背面側で合流することで形成される。このようにして得られた上蓋カバー2は、左右対称の形状となっている。例えば、上蓋カバー2を成形するための型のうち、上蓋カバー2の成形後に上蓋カバー2の前面の内面の幅方向略中央に相当する部分に、樹脂を流し込む流入口(図示省略)が形成されている。
【0019】
表示板3は、上蓋カバー2の開口した上面を覆う部材である。すなわち、表示板3が上蓋本体1の上面を覆っている。すなわち、表示板3が上蓋10aの上面を構成する。また、表示板3の下面には、下方に突出する突出部3cが複数設けられている。突出部3cは、上蓋10aを組み立てるときに穴部1cに挿入される部材である。
【0020】
なお、上蓋本体1及び上蓋カバー2は、例えば、異なる材料で構成されている。例えば、上蓋本体1は、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂で構成されている。また、例えば、上蓋カバー2は、ABS又はポリカーボネート等の熱可塑性樹脂で構成される。
【0021】
また、上蓋カバー2が上蓋本体1に取り付けられた状態で、上蓋本体1の外面と上蓋カバー2の内面との間に空気層が設けられるように、上蓋本体1及び上蓋カバー2の寸法を決定することが望ましい。このように構成すれば、内釜24で発生した熱が上蓋本体1に伝わっても、上蓋本体1と上蓋カバー2との間に空気層が設けられているため、上蓋本体1から上蓋カバー2に熱が伝わりにくくなる。このため、断熱効果を発揮することができる。
【0022】
上蓋本体1、上蓋カバー2、及び表示板3の位置関係は、図5の一部を拡大した図6に示されるようになっている。上蓋本体1、上蓋カバー2、表示板3、操作基板4、蒸気口カバー5、及び透過部6の位置関係は、図7に示されるようになっている。
【0023】
図8は実施の形態1に係る炊飯器100の蓋体10の構成要素を示す、第1の例を示す図である。図8(a)は上蓋カバー2の斜視図である。図8(b)は上蓋カバー2のX−X縦断面図である。図8(c)は上蓋カバー2の内側面図である。
【0024】
図8に示されるように、上蓋カバー2の内面には、係合凹部2a及びリブ2bが複数ヶ所形成されている。係合凹部2aは、上蓋カバー2を上蓋本体1に取り付けるときに、係合凸部1aと係合する部位である。リブ2bは、上蓋カバー2を上蓋本体1に取り付けるときに、切欠部1bに挿入される部材である。なお、リブ2bの厚みは上蓋カバー2の厚みよりも薄く構成することが望ましい。このように構成すれば、ヒケが生じて意匠性を損ねることを低減できる。
【0025】
図4図8を参照して上蓋10aの組立手順を説明する。
まず、係合凸部1aと係合凹部2aとが係合し、リブ2bが切欠部1bに挿入されるように、上蓋カバー2を上蓋本体1に嵌合させ、上蓋カバー2を上蓋本体1に取り付ける。なお、上蓋カバー2を上蓋本体1に取り付けた状態で、これらの部材間に多少のクリアランスが生じるような寸法で設計されていてもよい。
【0026】
次に、表示板3の突出部3cを上蓋本体1の穴部1cに挿入することで、表示板3が上蓋本体1に取り付けられ、例えばネジ11のような締結部品によって固定される。このようにして、表示板3及び上蓋カバー2の位置が決定され、表示板3は上蓋カバー2に対して動かなくなる。そして、表示板3が取り付けられる上蓋本体1も、上蓋カバー2との関係で位置が決定される。このため、上蓋カバー2は上蓋本体1に固定され、上蓋カバー2の上蓋本体1への取付状態が強固となる。
【0027】
図9は実施の形態1に係る炊飯器100の蓋体10の構成要素を示す、第2の例を示す図である。図9(a)は上蓋カバー2の斜視図である。図9(b)は上蓋カバー2のX−X断面図である。図9(c)は上蓋カバー2の内側面図である。
【0028】
図9は、上蓋カバー2に係合凹部2aを設けずに構成した例である。このように構成しても、リブ2bを上蓋本体1の切欠部1bに挿入し、上蓋カバー2を上蓋本体1に取り付けることができる。
【0029】
図10は実施の形態1に係る炊飯器100の蓋体10の構成要素を示す、第3の例を示す図である。図10(a)は上蓋カバー2の斜視図である。図10(b)は上蓋カバー2のX−X断面図である。図10(c)は上蓋カバー2の内側面図である。
【0030】
図10は、上蓋カバー2に係合凹部2a及びリブ2bを設けず、凹凸の無い平滑な形状とした例である。このように構成すれば、肉厚が相対的に極端に厚い部分及び薄い部分があるときに起こりうるヒケが発生しにくく、外観上影響が無くなるため、意匠性が損なわれにくくなる。
【0031】
ここで上蓋カバー2の射出成形について説明する。上述したように、上蓋カバー2を成形するための型のうち、上蓋カバー2の成形後に上蓋カバー2の前面の内面の幅方向略中央に相当する部分に、樹脂を流し込む流入口が形成されている。そして、この流入口から樹脂が流し込まれると、材料が均一に流れて上蓋カバー2の背面側の内面の幅方向中央まで達して合流し、上蓋カバー2の背面側の内面の略中心にウェルドラインが形成され、左右対称の形状である上蓋カバー2が得られる。すなわち、流入口を特定することで、ウェルドラインが形成される位置を容易に特定することができる。そして、上述したように流入口を形成することで、外観上目立たない、上蓋カバー2の背面側の内面の略中心にウェルドラインが形成されることになるため、意匠性を損なうことがない。
【0032】
以上のように、実施の形態1に係る炊飯器100は、本体50と、本体50に開閉自在に取り付けられ、上蓋10a及び下蓋10bを有する蓋体10と、を備え、上蓋10aは、上蓋本体1と、上蓋本体1の外周面を覆い、蓋体10の意匠面を構成する上蓋カバー2と、上蓋10aの上面を構成する表示板3と、を有する。このため、意匠性を考慮しないで上蓋本体1の材料を選定することができ、機能性を考慮しないで上蓋カバー2の材料を選定することができる。したがって、従来よりもコストを削減しつつ、意匠性を損ねないで蓋体10の性能を確保することができる。
【0033】
また、上蓋本体1及び上蓋カバー2は異なる材料で構成される。このため、例えば、上蓋本体1として、内釜24で発生する熱に耐えうるように耐熱性の高い材料を選定し、上蓋カバー2として、意匠性の良い光沢のある材料を選定し、それぞれの部品に見合った材料を選定することができる。したがって、蓋体10のコストを低減することができる。
【0034】
なお、蒸気口5aから表示板3までの距離は、蒸気口5aの短手寸法よりも大きく構成されていることが望ましい。このように構成すれば、蒸気口5aから炊飯器100の外部に排出された蒸気の熱が、表示板3に伝わりにくくなる。このため、表示板3が熱で変形することを抑制することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 上蓋本体、1a 係合凸部、1b 切欠部、1c 穴部、2 上蓋カバー、2a 係合凹部、2b リブ、3 表示板、3c 突出部、4 操作基板、5 蒸気口カバー、5a 蒸気口、6 透過部、7 操作部、10 蓋体、10a 上蓋、10b 下蓋、11 ネジ、12 内蓋、13 カートリッジ、15 ヒンジバネ、16 ヒンジ部、20 制御基板、23 誘導加熱コイル、24 内釜、26 蓋開閉ボタン、32 冷却ファン、33 サーミスタ、34 胴ヒータ、50 本体、100 炊飯器。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10