(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の実施例を説明する。実施例と請求項の相互の関係は以下のとおりである。
実施例2は主に請求項1などに関し、実施例3は主に請求項2、請求項3、請求項4などに関する。また、実施例1は本発明に関連する発明に関する。なお、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
【実施例1】
【0018】
<概要>
【0019】
本実施例のLED回路基板構体は、LED回路基板と、前記LED回路基板の裏面に液体冷媒を直接に接してLED回路基板を冷却する冷却機構とを有するものである。
【0020】
<構成>
【0021】
(全般)
【0022】
図1は、本実施例のLED回路基板構体の構成の一例を示す概念図である。このうち、
図1(a)は、LED回路基板構体の外観を斜視図で示したものであり、
図1(b)は
図1(a)のX−X断面図である。本図に示すように、本実施例のLED回路基板構体0100は、LED回路基板0110と、冷却機構0120とを有する。
【0023】
(LED回路基板)
【0024】
LED回路基板は、LEDチップ0111とLEDチップに電流を供給する配線0112を配したものである。LEDチップは、例えばLED照明装置の発光素子などであり、その発熱によりLED回路基板が熱を帯びるため、これを冷却する必要がある。LED回路基板の材料としては、一般に、熱伝導性の高いアルミニウム、銅などの金属やアルミナ(Al
2O
3)、窒化アルミニウム(AlN)などが用いられる。また、LED回路基板の材料として、耐熱性及び放熱性の比較的高い樹脂を用いてもよい。さらには、以上の材料を組み合わせたものを用いてもよい。
【0025】
本発明の特徴は、LED回路基板が液体冷媒に直接接するようにすることで、LED回路基板の冷却を効率的に行うことができるようにした点にある。このため、LED回路基板と液体冷媒0130の間に他の部材は介在しない。
【0026】
本件発明においてLED回路基板とは、LEDチップとLEDチップに電流を供給する配線を配した基板であって、当該基板上に配線を配し(LED回路を形成し)さらにLEDチップを配置する工程(いわゆるウェハ加工工程、後述の基板準備ステップ及び回路形成ステップに相当)において形成されるものをいう。従って、2枚の板を貼り合わせたものであっても、当該貼り合わせた板を上記工程において基板として用いるものであれば、本件発明にいうLED回路基板に含まれる。このような2枚の板を貼り合わせたものを本件発明におけるLED回路基板として用いることの実益としては、例えばLEDチップやLED回路を配置した1枚の板に代えて、LEDチップやLED回路を配置した板の厚みを半分にし、その裏面側により熱伝導率がより高い同じく元の板の半分の厚みの板を貼り合わせることで、元の1枚の板の場合よりも冷却効率を高める場合などが考えられる。
【0027】
一方、このウェハ加工工程において形成された基板に後から付加された部分は、たとえ接着剤などで強力に接着されたものであっても本件発明にいうLED回路基板には含まれない。なお、後から付加される場合の中には、新たに別の部材を付加する場合だけでなく、例えば上記プロセスによって形成された基板をその後の別の工程において折り曲げたような場合も含まれる。なお、かかる基板の生成工程を含むLED回路基板構体の製造方法については後述する。
【0028】
図2は、比較の参考までに、本発明におけるLED回路基板に該当しない一例を示すものであり、
図1(b)と同様の垂直断面図で示したものである。本図は、LED回路基板0210の裏面にもう一枚の板0212を貼り合せて2枚を重ねた基板とした例である。ただし、本図の例は、ウェハ加工工程後の別の工程において他の板を付加し、さらにその下に冷却機構を設けたものであり、はじめから2枚の板を貼り合わせたものをウェハ加工工程において基板として用いるものであれば本件発明にいうLED回路基板に該当することは上でも説明したとおりである。
【0029】
(冷却機構)
【0030】
冷却機構は、LED回路基板を冷却するためのものであり、そのためにLED回路基板の裏面に液体冷媒を保持、流通させるための部材を取り付けたものである。本発明に係るLED回路基板構体の冷却機構の特徴は、LED回路基板の裏面に液体冷媒を直接に接してこれを冷却することができるようにした点にあり、この点で、液体冷媒をLED回路基板に対して間接的に接触させるものにすぎなかった従来の冷却機構とは異なるものである。このような冷却機構の一例としては、
図1に示したように、LED回路基板に接する側の面全体が開口状態になっている箱状(盆状)の部材をLED回路基板の裏面側に備えたものが挙げられる。即ち、この例では、
図6に示した従来の例とは異なり、冷却機構を構成する箱状の部材がLED回路基板と直接接している部分は当該箱状部材の周壁の上面のみとなる。このような構成によって、液体冷媒が直接にLED回路基板の裏面と接触することが可能となる。
【0031】
なお、LED回路基板の裏面に液体冷媒を直接に接触させてLED回路基板を冷却することができるようにした冷却機構の構成にはこのほかにもいくつかのものが考えられるが、この点については後述する。
【0032】
(液体冷媒)
【0033】
液体冷媒は、LED回路基板の裏面に直接接触させてLED回路基板の熱を吸収するためのものである。LED回路基板に対して常に冷却された状態の液体冷媒を接触させるため、液体冷媒は流路などによって流通させられることが望ましい。
【0034】
液体冷媒を流通させるための機構としては、例えば、リザーブタンク、ポンプ及びラジエータを備えた機構が考えられる。この機構は、LED回路基板構体に設けられていてもよいし、あるいは、LED回路基板構体外に設けられていてもよい。さらに一部がLED回路基板構体内に設けられ一部がLED回路基板構体外に設けられていてもよい。冷却媒体は、例えば、ポンプによってLED回路基板の裏面全体に形成された流路内に送り込まれ、LED回路基板と接触して熱を吸収する。熱を帯びた液体媒体は、流路外に送り出され、ラジエータなどを用いて冷却された後、タンクなどに蓄えられて再びLED回路基板の冷却に用いられる。このようにすることで、冷却媒体を効率的に利用することができる。
【0035】
なお、ポンプ、リザーブタンク、ラジエータを配置する場合、その配置順序については、液体冷媒の流通順序がリザーブタンク、ポンプの順になるように両者を配置することが望ましい。このような構成によれば、ポンプに対してリザーブタンクから液体冷媒を供給することが可能となり、例えばゴム製の羽根を有するインペラ式ポンプのように音が静かである半面呼び水が必要なポンプを用いることが可能となる。この結果、本発明にかかるLED回路基板構体を稼働する際の静音化を図ることが可能となる。また、LED回路基板構体の組立てや補修の際における冷媒の補給や不要な気相の排出が容易になるため、LED回路基板構体の製造及びメンテナンスを簡単に実施することが可能となる。さらに、使用中に液体冷媒の温度が上昇して液体冷媒中に気泡が発生した場合でも、液体冷媒をポンプに送り込む前に、リザーブタンクにて脱気を行うことが可能となる。
【0036】
本発明において使用可能な液体冷媒の種類に特に限定はなく、例えば、イソプロパノール、エチレングリコール、グリセリンなどの水溶液、フロン、水などが用いられる。
【0037】
なお、液体冷媒を流通させるための流路の具体的な構成については後述の実施例において改めて説明する。
【0038】
(本発明にかかるLED回路基板構体の応用例)
【0039】
本発明にかかるLED回路基板構体は、これを例えばLEDを有する照明装置や画像表示装置などに適用することで、これら装置におけるLED回路基板の冷却を効率的に行うことが可能となる。そこで、本発明は、上記の構成を有するLED回路基板構体を備える照明装置、画像表示装置などとして構成することも可能である。
【0040】
<処理の流れ>
【0041】
(LED回路基板構体の製造方法)
【0042】
次に、本件発明にかかるLED回路基板構体の製造方法について説明する。当該製造方法は、以下のステップを有する。
【0043】
まず、基板準備ステップにおいて、LEDチップを配置するとともにこのLEDチップのLED回路を形成するための基板を準備する。
【0044】
次に、回路形成ステップにおいて、基板準備ステップにおいて準備された基板上にLED回路を形成し、さらにLEDチップを配置する。
【0045】
さらに、冷却機構構成ステップにおいて、LED回路を形成し、LEDチップを配置した基板であるLED回路基板の裏面に直接に液体冷媒を接する冷却機構を構成する。
そして、前述のように、基板準備ステップ及び回路形成ステップにおいて形成された基板だけが本件発明にいうLED回路基板に該当することになる。
【0046】
<効果>
【0047】
本実施例の発明により、LED回路基板から液体冷媒への放熱を冷却ジャケットを経由することなく直接に行うことができることとなり、これによりLED回路基板の冷却効率を高めることが可能となる。
【実施例2】
【0048】
<概要>
【0049】
本実施例のLED回路基板構体は、実施例1のLED回路基板構体と基本的に共通するが、冷却機構が、液体冷媒をLED回路基板の裏面に沿って流通させるための流路を有する点に特徴があるものである。
【0050】
<構成>
【0051】
(全般)
【0052】
本実施例におけるLED回路基板構体は実施例1のLED回路基板構体と基本的に共通する。ただし、本実施例のLED回路基板構体では、冷却機構が液体冷媒をLED回路基板の裏面に沿って流通させるための流路を有している。以下、かかる流路の構成について説明する。その余の構成は実施例1と同様であるので、説明を省略する。
【0053】
(流路:全般)
【0054】
既に述べたように、本発明にかかるLED回路基板構体には、液体冷媒を流通させるための流路が設けられていることが望ましい。流路の設置のしかたとしては、大別して、当該流路を構成するための凹凸構造を備えた部材をLED回路基板の下に取り付ける構成と、LED回路基板に流路を形成するための凹凸構造を設けたうえでその下に平板状などの部材を取り付ける構成とが考えられる。本実施例で説明する流路は、このうち前者の構成によるものである。後者の構成によるものについては、次実施例において改めて述べる。
【0055】
(流路:流路を構成するための凹凸構造を備えた部材をLED回路基板の下に取り付ける場合の具体的構成)
【0056】
流路を構成するための凹凸構造を備えた部材をLED回路基板の下に取り付ける場合の具体的な構成としては、例えば、
図1に示したように、冷却機構を構成する部材が上面に開口を有する箱状(盆状)の形状をなしており、これをLED回路基板の裏面側に取り付けたものが考えられる。その場合における流路の形状にも様々なものが考えられる。
【0057】
(流路の形状:渦巻き形状)
【0058】
図3は、本実施例におけるLED回路基板構体に設けられる流路の形状の一例を示す図であって、流路が渦巻き形状をなしている例を示す。本図は、LED回路基板を除去して流路を備える箱状(盆状)部材のみを示した図であり、
図3(a)は平面図、
図3(b)は
図3(a)のX−X断面図である。
【0059】
図3(a)に示すように、本例の流路0321は、渦巻き形状をなしてLED回路基板(図示されない)の裏面全体にわたって配置されている。また本図の例では、液体冷媒は、LED回路基板裏面の中央付近に設けられた取込口0322から流路内に取り込まれ、渦巻き形状の流路に沿って中心から外周方向に流通したのち、外周付近に設けられた排出口0323から流路外に排出される。図中矢印は液体冷媒の流れの方向を示す。なお、取込口を中心付近に、排出口を外周付近に設けて、液体冷媒が渦巻き状の流路を中心から外側に向かって流れるようにしたのは、実験の結果、この向きの方が逆向きにする場合に比べて液体冷媒がより円滑に流通することが実証されたためである。ただし、取込口及び排出口の取付け位置は、LEDチップの配置位置などに照らし、冷却効率を高めるように適切に設計される。例えば、
図1に示した例のように、LEDチップがLED回路基板上の比較的中央寄りの位置に配置されている場合には、基板のうち中央付近の温度が相対的に高くなることが考えられることから、LED回路基板の裏面のうち中央付近において冷却媒体を流路内に取り込むことが冷却効率を高めるうえで適切であるといえる。
【0060】
(流路の形状:ジグザグ形状)
【0061】
図4は、本実施例におけるLED回路基板構体の冷却機構に設けられる流路の形状の別の一例を示す図である。このうち、
図4(a)は、流路がジグザグ形状をなしている例を示す。本図も、LED回路基板を除去して冷却機構のみを示した図であり、
図3(a)と同様の平面図で表したものである。
【0062】
同図に示すように、本例の流路0421はジグザグ形状をなしてLED回路基板(図示されない)の裏面全体にわたって配置されている。また、液体冷媒は、取込口0422から流路内に取り込まれ、ジグザグ形状の流路に沿って流通したのち、排出口0423から流路外に排出される。図中矢印は液体冷媒の流れの方向を示す。液体冷媒の流通をより円滑にするために、流路が折れ曲がる部分の形状を略R形状としてもよい。なお、本図における取入口、排出口の位置もあくまで一例であり、LEDチップの配置位置などに照らし、冷却効率を高めるように適切に設計される。
【0063】
(流路の形状:放射形状)
【0064】
図4(b)は、流路が放射形状をなしている例を示す。本図も、LED回路基板を除去して冷却機構のみを示した図であり、これを平面図で表したものである。
同図に示すように、本例の流路0421は、放射形状をなしてLED回路基板(図示されない)の裏面全体にわたって配置されている。また、液体冷媒は、取込口0422から流路内に取り込まれ、放射形状の流路に沿って流通したのち、排出口0423から流路外に排出される。図中矢印は液体冷媒の流れの方向を示す。液体冷媒がより流通しやすい形状としてもよいことや、取込口、排出口の位置が適切に設計されることは、
図4(a)について説明したところと同様である。
【0065】
(流路の形状:その他、組合せ)
流路の形状は、上に述べたような形状のほかにも、流路がLED回路基板の裏面全体に配置され、液体冷媒が流路内に取り込まれたのち円滑に流通して流路外に排出されるようなものであれば、どのような形状であってもよい。また、流路の形状は、例えば中心付近はジグザグ形状で外周付近は渦巻き形状といったように複数の形状を組み合わせたものであってもよい。
【0066】
(流路の形状:まとめ)
【0067】
以上のように、流路をLED回路基板の裏面全体にわたって配置するように構成することにより、液体冷媒をLED回路基板の裏面全体に接触させることができ、しかも、液体冷媒をLED回路基板の裏面で滞留することがないように絶えず流通させることで、常に冷却された状態の液体冷媒をLED回路基板に接触させることが可能となる。
【0068】
<効果>
【0069】
本実施例の発明により、液体冷媒をLED回路基板の裏面全体に接触させることができ、しかも、液体冷媒をLED回路基板の裏面で滞留することがないように絶えず流通させることで、常に冷却された状態の液体冷媒をLED回路基板に接触させることが可能となるため、LED回路基板の冷却効率をさらに高めることが可能となる。
【実施例3】
【0070】
<概要>
【0071】
本実施例のLED回路基板構体は、実施例1又は2のLED回路基板構体と基本的に共通するが、LED回路基板の裏面には放熱フィンないしは放熱フィンと同等の機能を有する凹凸構造を有する点に特徴があるものである。また、冷却機構をLED回路基板の裏面にかぶせて配置される裏面カバープレートによって構成するようにしたものも本実施例に含まれる。
【0072】
<構成>
【0073】
(全般)
【0074】
本実施例におけるLED回路基板構体は実施例1又は2のLED回路基板構体と基本的に共通する。ただし、本実施例のLED回路基板構体は、LED回路基板の裏面に放熱フィンないしは放熱フィンと同等の機能を有する凹凸構造を有している。またその際に、冷却機構をLED回路基板の裏面にかぶせて配置される裏面カバープレートによって構成するようにしてもよい。以下、かかる放熱フィンもしくは凹凸構造及び裏面カバープレートの構成について説明する。その余の構成は実施例1又は2と同様であるので、説明を省略する。
【0075】
(放熱フィン・凹凸構造:全般)
【0076】
図5は、本実施例のLED回路基板構体の構成の一例を示す図であって、垂直断面図の状態で示した概念図である。本図の例では、LED回路基板構体0500のLED回路基板0510は、その裏面に放熱フィン0513を有している。なお、放熱フィンやこれと同等の機能を有する凹凸構造が流路を形成するようにしてもよい。
【0077】
放熱フィンとは、LED回路基板の表面積を増大させて放熱効果を高めるためにLED回路基板に付加される羽根状の形状を有する突起構造をいう。また、放熱フィンと同等の機能を有する構造とは、羽根状の形状を有するものではないが、やはりLED回路基板の表面積を増大させて放熱効果を高めるためにLED回路基板に付加される突起構造をいい、その形状としては、例えば棒状のものや剣山状のものなどが考えられる。ただし、両者の機能は同等であるから、これらを厳密に区別する必要はない。
【0078】
前実施例で述べたように、液体冷媒を流通させるための流路を設ける場合には、流路を構成するための凹凸構造を備えた部材をLED回路基板の下に取り付ける場合と、LED回路基板に流路を形成するための凹凸構造を設けたうえでその下に平板状などの部材を取り付ける場合とが考えられるところ、本実施例において、凹凸構造を流路として設ける場合は、後者の例となる。以下、凹凸構造が流路である場合を中心に説明する。
【0079】
(流路:LED回路基板に設けられる流路の具体的構成)
【0080】
流路をLED回路基板に設ける場合の具体的な構成としては、例えば、LED回路基板の裏面側に流路を形成するための壁を立設し、これに平板状(蓋状)などの形状を有する部材をかぶせて配置することが考えられる。このLED回路基板の裏面にかぶせて配置される部材を裏面カバープレートと呼ぶ。この場合、裏面カバープレートが冷却機構を構成することになる。なお、裏面カバープレートの詳細については後述する。
【0081】
(流路の形状)
【0082】
本実施例のLED回路基板に設けられる流路も、LED回路基板の放熱効果を高めるために、LED回路基板の裏面全体にわたって設けられる。従って、その形状としては、前実施例で述べた流路の場合と同様に、渦巻き形状、ジグザグ形状、放射形状などや、これらの組み合わせといった形状が考えられる。
【0083】
流路を渦巻き形状とする意義は、前実施例において同様の形状の流路について述べたところと同様である。また、流路を他の形状、例えばジグザグ形状や放射形状とする場合の意義についても同様である
【0084】
。
(裏面カバープレート:全般)
【0085】
上述のように、LED回路基板の裏面に立設した壁をその一部として流路を形成するために、冷却機構は、これを裏面カバープレートとして構成することが考えられる。前出の
図5にも、裏面カバープレート0520が配置される例が示されている。裏面カバープレートの代表的な形状は、同図に示したような平板状(蓋状)の形状である。ただし、平板の一部に液体冷媒の流路内への取込み、流路外への排出を行うための取込口、排出口が設けられていることはもちろん妨げられない。
【0086】
(裏面カバープレート:材料)
【0087】
裏面カバープレートは金属材料で構成されていることが望ましく、特に熱伝導性の高い銅、アルミニウムなどの材料で構成されていることが望ましい。また、裏面カバープレートの材料として、耐熱性及び放熱性の比較的高い樹脂を用いてもよい。さらには、以上の材料を組み合わせたものを用いてもよい。このような構成により、裏面カバープレートによってLED回路基板構体の剛性をより高めることができるとともに、LED回路基板に接触して熱を帯びた液体冷媒が流通する際に、当該液体冷媒からの熱を吸収して液体冷媒の冷却に資することができる。
【0088】
<処理の流れ>
【0089】
(LED回路基板構体の製造方法)
【0090】
次に、本実施例にかかるLED回路基板構体の製造方法について説明する。当該製造方法は、基本的に実施例1で述べた製造方法と共通するが、本実施例では、基板準備ステップが、基板の裏面に放熱フィンを加工する放熱フィン加工サブステップを有する点に特徴がある。つまりこの製造方法においては、基板にLED回路及びLEDチップを配置する前に、放熱フィンの加工処理が行われることになる。このような製造方法によれば、放熱フィンの加工をより簡単に行うことが可能となる。また、仮に基板にLEDチップ及びLED回路を配置してLED回路基板を形成した後に、放熱フィンを付加した場合には、放熱フィンの付加工程において当該放熱フィンがLEDチップやLED回路を傷つけるおそれがあるが、本実施例の方法を用いれば、これを避けることができるという利点もある。その余の処理の流れは、実施例1で延べた処理の流れと共通する。
【0091】
<効果>
【0092】
本実施例の発明により、液体冷媒をLED回路基板の裏面全体に接触させることができ、しかも、液体冷媒をLED回路基板の裏面で滞留することがないように絶えず流通させることで、常に冷却された状態の液体冷媒をLED回路基板に接触させることが可能となるため、LED回路基板の冷却効率をさらに高めることが可能となる。