(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6161502
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】車載用電子装置
(51)【国際特許分類】
H05K 9/00 20060101AFI20170703BHJP
【FI】
H05K9/00 C
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-210384(P2013-210384)
(22)【出願日】2013年10月7日
(65)【公開番号】特開2015-76448(P2015-76448A)
(43)【公開日】2015年4月20日
【審査請求日】2016年8月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085453
【弁理士】
【氏名又は名称】野▲崎▼ 照夫
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 好則
(72)【発明者】
【氏名】木田 忍
(72)【発明者】
【氏名】新妻 貴
【審査官】
久松 和之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−51880(JP,A)
【文献】
特開2013−4622(JP,A)
【文献】
特開2010−241249(JP,A)
【文献】
特開2012−206631(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 9/00
H05K 5/00 − 5/06
H05K 7/14
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールドケースと、前記シールドケースの内部に収納された回路基板と、前記シールドケースを車両内に固定する固定ブラケットとが設けられた車載用電子装置において、
前記シールドケースは、第1のケース部と第2のケース部とが組み合わされて構成され、前記第1のケース部と前記第2のケース部とが複数か所のねじ止め部で固定されており、
前記固定ブラケットの基部が前記第2のケース部の側部から一体に連続し、前記固定ブラケットの先部が前記シールドケースの外側へ延び出た位置にあり、
前記第2のケース部の前記側部に2か所の前記ねじ止め部が設けられ、2か所の前記ねじ止め部は、前記固定ブラケットの前記基部の両縁部の内側に位置していることを特徴とする車載用電子装置。
【請求項2】
前記シールドケースは、前記第2のケース部の側から見た平面形状が四角形で、その一辺である前記側部から前記固定ブラケットの前記基部が一体に連続しており、前記固定ブラケットの前記基部の前記両縁部の間隔が、前記一辺の長さとほぼ等しい請求項1記載の車載用電子装置。
【請求項3】
前記固定ブラケットの前記両縁部の間隔は、前記基部から前記先部にかけて徐々に小さく形成されている請求項1または2記載の車載用電子装置。
【請求項4】
前記第1のケース部と前記第2のケース部の少なくとも一方には、前記第1のケース部と前記第2のケース部との接合部の隙間を覆う遮蔽片が設けられており、この遮蔽片により、前記隙間の長さが、電磁波ノイズの波長未満に規制されている請求項1ないし3のいずれかに記載の車載用電子装置。
【請求項5】
前記第1のケース部は、板面部と、前記板面部の縁部から立ち上がる側面部を有する凹形状で、前記第2のケース部は、前記第1のケース部の開口部を覆う蓋体部を有しており、前記蓋体部に補強リブが一体に形成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の車載用電子装置。
【請求項6】
前記固定ブラケットは、前記シールドケースの高さ方向に向けて、前記第2のケース部から遠ざかる方向へ湾曲して形成されている請求項1ないし5のいずれかに記載の車載用電子装置。
【請求項7】
前記固定ブラケットに補強リブが一体に形成されている請求項6記載の車載用電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板が収納されたシールドケースを有する電子装置に係り、特に車両内に固定される車載用電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、車載用電子機器に関する発明が開示されている。この車載用電子機器は、ロアーケースとアッパーケースとが組み合わされて金属製ケースが形成され、この金属製ケースの内部に、電子回路を実装したプリント板が収納されている。ロアーケースとアッパーケースは、共に平面形状が長方形であり、それぞれ3つの側面に取付座が一体に突出して形成されている。
【0003】
特許文献1には、ロアーケースの3か所の取付座とアッパーケースの3か所の取付座とが共締めされることが記載されていることから、この取付座によって、金属製ケースが車両の内部に固定されるものと考えられる。
【0004】
特許文献2に記載された高周波電子機器は、高周波回路部品を収納したフレームと、このフレームの一方の開口面を覆う上面カバーと、前記フレームの他方の開口面を覆う下面カバーとを有している。上面カバーと下面カバーのそれぞれに、2個の取付部が一体に突出形成されており、上面カバーの取付部と下面カバーの取付部とが重ね合されて、一緒に筐体にねじ止めされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭61−168683号公報
【特許文献2】特開平8−32269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1と特許文献2に記載されたものは、前記取付座や取付部の幅寸法が、ケースの側面の長さ寸法に対してきわめて小さくなっている。前記取付座や取付部はケースを支えるのに十分な強度を有するものではなく、外部振動が作用したときに、ケースが振動しやすくなり、さらには前記取付座や取付部に変形などが発生しやすい。
【0007】
また、前記取付座や取付部はケースを構成している金属板から一体に延び出ているため、前記取付座や取付部に発生した歪みがそのままケースを構成する金属板に伝達されやすい。ケースに歪が伝達されると、ケースに隙間が形成されやすくなり、内部の電子回路を外部ノイズから十分に保護できないこともあり得る。
【0008】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、ケース部と一体に形成された固定ブラケットによって、回路基板を収納しているシールドケースを車体内に十分な強度で支持でき、さらに固定ブラケットに作用する外力でシールドケースが変形することも起こりにくい構造の車載用電子機器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、シールドケースと、前記シールドケースの内部に収納された回路基板と、前記シールドケースを車両内に固定する固定ブラケットとが設けられた車載用電子装置において、
前記シールドケースは、第1のケース部と第2のケース部とが組み合わされて構成され、前記第1のケース部と前記第2のケース部とが複数か所のねじ止め部で固定されており、
前記固定ブラケットの基部が前記第2のケース部の側部から一体に連続し、前記固定ブラケットの先部が前記シールドケースの外側へ延び出た位置にあり、
前記第2のケース部の前記側部に2か所の前記ねじ止め部が設けられ、2か所の前記ねじ止め部は、前記固定ブラケットの前記基部の両縁部の内側に位置していることを特徴とするものである。
【0010】
本発明の車載用電子装置は、第2のケース部と第1のケース部とを固定しているねじ止め部が、固定ブラケットの基部の両縁部の内側に位置している。このねじ止めにより、第2のケース部と一体に形成されている固定ブラケットの基部の剛性が高められ、シールドケースの支持強度を高くできる。また、固定ブラケットに歪みが発生しても、この歪みが第2のケース部に伝達されにくくなり、シールドケースが変形するのを防止でき、第1のケース部と第2のケース部との間の隙間が広がることも規制できるようになる。
【0011】
本発明では、前記シールドケースは、前記第2のケース部の側から見た平面形状が四角形で、その一辺である前記側部から前記固定ブラケットの前記基部が一体に連続しており、前記固定ブラケットの前記基部の前記両縁部の間隔が、前記一辺の長さとほぼ等しいことが好ましい。
【0012】
上記構成では、固定ブラケットの基部の幅寸法を十分に大きくでき、固定ブラケットの強度を高くできる。
【0013】
さらに本発明は、前記固定ブラケットの前記両縁部の間隔は、前記基部から前記先部にかけて徐々に小さく形成されていることが好ましい。
【0014】
上記構成では、シールドケースの慣性力などにより、固定ブラケットに曲げモーメントが作用したときに、第2のケース部と固定ブラケットの基部との連続部での曲げ応力を小さくすることができる。
【0015】
本発明は、前記第1のケース部と前記第2のケース部の少なくとも一方には、前記第1のケース部と前記第2のケース部との接合部の隙間を覆う遮蔽片が設けられており、この遮蔽片により、前記隙間の長さが、電磁波ノイズの波長未満に規制されていることが好ましい。
【0016】
上記遮蔽片を設けることにより、第1のケース部と第2のケース部との隙間から電磁波ノイズが入り込みにくくなる。
【0017】
本発明では、前記第1のケース部は、板面部と、前記板面部の縁部から立ち上がる側面部を有する凹形状で、前記第2のケース部は、前記第1のケース部の開口部を覆う蓋体部を有しており、前記蓋体部に補強リブが一体に形成されているものが好ましい。
【0018】
本発明の車載用電子装置では、前記固定ブラケットは、前記シールドケースの高さ方向に向けて、前記第2のケース部から遠ざかる方向へ湾曲して形成されている構造において特に有効である。
【0019】
本発明は、前記固定ブラケットに補強リブが一体に形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、第2のケース部から一体に延び出る固定ブラケットの基部の剛性を高くできるので、固定ブラケットの強度を高めることができる。また、第2のケース部と固定ブラケットとの境界部に2か所のねじ止め部が存在しているため、固定ブラケットが弾性変形したときに、その変形が第2のケースに伝達されにくくなる。そのため、シールドケースの全体の剛性も高くなり、第1のケース部と第2のケース部との間の隙間が広がることなども防止しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施の形態の車載用電子装置の斜視図、
【
図5】車載用電子装置を
図2に示すII−II線で切断した断面図、
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1以下に示されている車載用電子装置1は、車外を撮影するカメラから送られた画像信号の処理などを行うものであり、車両内の例えばスペアタイヤ設置領域などに固定されて使用される。
【0023】
車載用電子装置1にはシールドケース2が設けられている。シールドケース2は第1のケース部10と第2のケース部20とが組み合わされて構成されている。第1のケース部10と第2のケース部20は、共に鋼板などの磁性を有する金属板で形成されている。
図5に示すように、シールドケース2の内部に回路基板5が収納されている。回路基板5には電子回路4を構成する電子部品が実装されている。また、回路基板5の端部にコネクタ6が固定されている。
【0024】
第1のケース部10は金属板を曲げて凹形状に形成されている。第1のケース部10はZ2側に向けられる板面部11と、X1側に向く第1の側面部12と、X2側に向く第2の側面部13と、Y1側に向く第3の側面部14、ならびにY2側に向く第4の側面部15とが一体に形成されている。第1のケース部10はZ1側に開口部が向けられた立方体形状であり。Z1側またはZ2側から見た平面形状が四角形である。
【0025】
図3に示すように、第1の側面部12の中央部にコネクタ窓16が形成されている。コネクタ窓16は上方(Z1方向)に解放されて形成されている。
【0026】
第2のケース部20には、X1側に、第1の固定ブラケット30が連続して一体に形成されており、X2側に、第2の固定ブラケット40が連続して一体に形成されている。
図1と
図5に示すように、第1の固定ブラケット30と第2の固定ブラケット40は、第1のケース部10と第2のケース部20とが組み合わされたシールドケース2からZ1方向へ離れるように折り曲げられて形成されている。この折曲げ部分が第2のケース部20と第1の固定ブラケット30との境界部B1、ならびに第2のケース部20と第2の固定ブラケット40との境界部B2である。
【0027】
第2のケース部20は、境界部B1に接している部分が第1の側部21であり、境界部B2に接している部分が第2の側部22である。第1の固定ブラケット30は、境界部B1に接している部分が基部31であり、シールドケース2からX1方向とZ1方向に離れた部分に先部32が位置している。第2の固定ブラケット40は、境界部B2に接している部分が基部41であり、シールドケース2からX2方向とZ1方向に離れた部分に先部42が位置している。
【0028】
図1と
図2に示すように、第1のケース部10と第2のケース部20は、4か所のねじ止め部7a,7b,7c,7dで互いに固定されている。それぞれのねじ止め部7a,7b,7c,7dでは、第1のケース部10の側面部12,13,14,15のZ1側の縁部からケース内方に向けて折り曲げられた固定片が一体に形成され、これら固定片に雌ねじ穴が形成されている。第2のケース部20の4か所に取付け穴が形成され、固定ねじ8が取付け穴に挿通され雌ねじ穴に螺着されて、4か所のねじ止め部7a,7b,7c,7dで、第1のケース部10と第2のケース部20とが固定されている。
【0029】
図2に示すように、4か所のねじ止め部7a,7b,7c,7dは、平面形状が四角形のシールドケース2の4つの角部の内側に設けられている。2か所のねじ止め部7a,7bは、第2のケース部20の第1の側部21に設けられている。ねじ止め部7a,7bは、第1の固定ブラケット30の基部31の両縁部31a,31aよりもY方向において内側に配置されている。そして、両縁部31a,31aのY方向での間隔W1は、ねじ止め部7a,7bのY方向でのピッチP1よりも広くなっている。また、第1の固定ブラケット30の基部31のY方向の幅寸法W1は、第2のケース部20の第1の側部21におけるY方向の幅寸法とほぼ一致している。
【0030】
同様に、ねじ止め部7c,7dは、Y方向において、第2の固定ブラケット40の基部41の両縁部41a,41aの内側に設けられている。また、基部41の両縁部41a,41aの間隔W2は、ねじ止め部7c,7dのY方向のピッチP1よりも広くなっている。また、基部41の間隔W2は、第2のケース部20の第2の側部22におけるY方向の幅寸法にほぼ一致している。
【0031】
第1の固定ブラケット30は境界部B1において第2のケース部20と連続して一体に形成されている。ただし、基部31が、第2のケース部20の幅寸法とほぼ一致して広く形成され、第2のケース部20の第1の側部21が両縁部31a,31aの内側において、ねじ止め部7a,7bで第1のケース部10に固定されている。そのため、第1の固定ブラケット30に歪みが発生しても、第2のケース部20に直接に歪みが伝達されることがない。したがって、第2のケース部20の歪みによって、シールドケース2が変形しにくくなる。また、第1のケース部10と第2のケース部20の合わせ部が広げられるのを抑制でき、合わせ部から電磁波ノイズがシールドケース2の内部に入り込むのを規制しやすくなる。
【0032】
これは、第2の固定ブラケット40においても同じである。第2の固定ブラケット40と第2のケース部20との連続部においても、第2のケース部20がねじ止め部7c,7dで固定されているため、第2の固定ブラケット40の強度が高くなり、第2の固定ブラケット40の歪みが第2のケース部20に伝達されにくくなる。
【0033】
第1の固定ブラケット30にはY1側とY2側に、側方折曲げ部34,34が形成され、第1の固定ブラケット30が断面コの字形状となっている。また、第1の固定ブラケット30の2か所には、Z2方向へ窪む補強リブ35,35が形成されている。同様に、第2の固定ブラケット40にも、側方折曲げ部44,44と、Z2方向に窪む2か所の補強リブ45,45が形成されている。側方折曲げ部34,44と補強リブ35,45が形成されていることによって、第1の固定ブラケット30と第2の固定ブラケット40は曲げ強度が増強されている。
【0034】
図1と
図2に示すように、第1の固定ブラケット30は、基部31から先部32にかけて幅寸法がW1からW3へ徐々に小さくなっている。同様に第2の固定ブラケット40も、基部41から先部42にかけて幅寸法がW2からW4へ徐々に小さくなっている。
【0035】
第1の固定ブラケット30の先部32に雌ねじ穴33が形成され、第2の固定ブラケット40の先部42に雌ねじ穴43が形成されている。この車載用電子装置1を自動車などの車両に取付けるときは、先部32,42が車両の構造物であるフレームなどに設置され、フレームに形成された取付け穴に挿通された固定ねじ51が雌ねじ穴33に螺着され、取付け穴に挿通された固定ねじ52が雌ねじ穴43に螺着される。
【0036】
車載用電子装置1は、第1の固定ブラケット30の先部32と第2の固定ブラケット40の先部42がフレームに固定された状態で、シールドケース2が支持される質量となる。
【0037】
車体振動などの慣性力でシールドケース2に加速度が作用すると、第1の固定ブラケット30と第2のケース部20との境界部B1、ならびに第2の固定ブラケット40と第2のケース部20との境界部B2に曲げモーメントが作用する。ただし、境界部B1,B2は幅寸法W1,W2が最大となっているため、前記境界部B1,B2に作用する曲げ応力がきわめて小さくなる。よって、第2のケース部20の第1の側部21と第2の側部22に、支持構造に起因する歪みが発生するのを抑制でき、シールドケース2の変形と、これに伴う隙間の拡大を防止できるようになる。
【0038】
第2のケース部20では、境界部B1と境界部B2との間が蓋体部23となっており、第1のケース部10のZ1方向への開口部が蓋体部23で塞がれている。蓋体部23には、周囲を囲むように形成された枠形状の補強リブ24aと、その内側でクロスする補強リブ24bが一体に形成されている。補強リブ24a,24bは蓋体部23を構成している金属板を部分的にZ1方向に向かって突形状にプレス加工することで形成されている。蓋体部23は、補強リブ24a,24bを設けることで、曲げ強度が補強されている。
【0039】
図1と
図3に示すように、第2のケース部20には、蓋体部23のY1側の縁部からZ2方向へ折り曲げられた第1の遮蔽片25aと、Y2側の縁部からZ2方向へ折り曲げられた第2の遮蔽片25bとが形成されている。第1の遮蔽片25aによって、第1のケース部10の第3の側面部14と、第2のケース部20の蓋体部23との隙間が塞がれている。同様に、第2の遮蔽片25bによって、第4の側面部15と蓋体部23との隙間が塞がれている。
【0040】
図3に示すように、第1の固定ブラケット30には切欠き部36aが形成されて、この切欠き部36aから切り出した第3の遮蔽片36がZ2方向へ折り曲げられている。第3の遮蔽片36によって、第1のケース部10の第1の側面部12に形成されたコネクタ窓16の上部が塞がれている。
【0041】
図3に示すように、第3の遮蔽片36とコネクタ6との間に隙間δ1が形成され、第1のケース部10の板面部11とコネクタ6との間に隙間δ2が形成されている。そして、コネクタ6のY1側とY2側の双方において、第1の側面部12との間に隙間δ3が形成されている。
【0042】
これら隙間δ1,δ2,δ3は、0.3〜1.5mm程度に設定されている。コネクタ6は、第1のケース部10と第2のケース部20の双方に隙間δ1,δ2,δ3を有して配置されているため、コネクタ6がプラグと差し込まれた状態でZ方向ならびにY方向へ動いたとしても、コネクタ6が第1のケース部10と第2のケース部20に強く当たるのを避けることができ、コネクタ6に与えるダメージを低減できる。
【0043】
図4に示すように、第2の固定ブラケット40に切欠き部46a,47aが形成されており、この切欠き部46a,47aで切り起こされた2つの第4の遮蔽片46,47がZ2方向に向けて折り曲げられている。
【0044】
第1のケース部10の第2の側面部13と第2のケース部20との間に隙間53が形成されているが、この隙間53の一部が第4の遮蔽片46,47で塞がれて、隙間53が長さLa,Lb,Lcで制限されている。この長さLa,Lb,Lcを、予想される電磁波ノイズの波長よりも短くしておくことで、電子回路4が電磁波ノイズの影響を受けるのを防止できるようになる。予想される電磁波ノイズのうち短波長の電磁波は、携帯電話で使用される2GHzの電磁波であり、波長は150mmである。よって、長さLa,Lb,Lcは150mm未満とすることが必要である。
【0045】
なお、前記実施の形態では、第2のケース部20に2つの固定ブラケット30,40が一体に形成されているが、いずれか一方の固定ブラケットのみが形成されているものであってもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 車載用電子装置
2 シールドケース
5 回路基板
6 コネクタ
7a,7b,7c,7d ねじ止め部
10 第1のケース部
12,13,14,15 側面
16 コネクタ窓
20 第2のケース部
21 第1の側部
22 第2の側部
23 蓋体部
30 固定ブラケット
31 基部
32 先部
40 第2の固定ブラケット
41 基部
42 先部
46,47 遮蔽片
B1,B2 境界部