【実施例】
【0080】
[実施例1]
FSH発現ベクターの構築
FSHアルファポリペプチド(AH007338、配列番号1)およびFSHベータポリペプチド(NM_003032、配列番号2)のコード配列をそれぞれFSHa−fwおよびFSHa−revならびにFSHb−fwおよびFSHb−recのプライマー組合せを用いてPCRによって増幅した。
FSHa-fw 5'-CCAGGATCCGCCACCATGGATTACTACAGAAAAATATGC-3'(配列番号9)
FSHa-rev 5'-GGATGGCTAGCTTAAGATTTGTGATAATAAC-3'(配列番号10)
FSHb-fw 5'-CCAGGCGCGCCACCATGAAGACACTCCAGTTTTTC-3'(配列番号11)
FSHb-rev 5'-CCGGGTTAACTTATTATTCTTTCATTTCACCAAAGG-3'(配列番号12)
【0081】
得られた増幅FSHベータDNAを制限酵素AscIおよびHpaIで消化し、ネオマイシン選択マーカーを保有しているCMV推進哺乳動物発現ベクターのAscIおよびHpaI部位に挿入した。同様にFSHアルファDNAをBamHIおよびNheIで消化し、FSHベータポリペプチドDNAを既に含有している発現ベクター上のBamHIおよびNheI部位に挿入した。
【0082】
ベクターDNAを大腸菌(E.coli)のDH5α株を形質転換するために用いた。コロニーを増幅のために取った。FSHアルファおよびベータの両方を含有しているベクターを含有しているコロニーを配列決定のために選択し、全てが配列番号1および配列番号2による正確な配列を含有していた。プラスミドpFSH A+B#17を形質移入のために選択した(
図1)。
【0083】
[実施例2]
ST3発現ベクターの構築
ベータ−ガラクトシドアルファ−2,3−シアリルトランスフェラーゼ4(ST3、L23767、配列番号3)のコード配列を2,3STfwおよび2,3STrevのプライマー組合せを用いてPCRによって増幅した。
2,3STfw 5'-CCAGGATCCGCCACCATGTGTCCTGCAGGCTGGAAGC-3'(配列番号13)
2,3STrev 5'-TTTTTTTCTTAAGTCAGAAGGACGTGAGGTTCTTG-3'(配列番号14)
【0084】
得られた増幅ST3DNAを制限酵素BamHIおよびAflIIで消化し、ハイグロマイシン耐性マーカーを保有しているCMV推進哺乳動物発現ベクター上のBamHIおよびAflII部位に挿入した。ベクターを既に記載のとおり増幅し、配列決定した。クローンpST3#1(
図2)は配列番号3による正確な配列を含有しており、形質移入のために選択した。
【0085】
[実施例3]
ST6発現ベクターの構築
ベータ−ガラクトサミドアルファ−2,6−シアリルトランスフェラーゼ1(ST6、NM_003032、配列番号4)のコード配列を2,6STfwおよび2,6STrevのプライマー組合せを用いてPCRによって増幅した。
2,6STfw 5'-CCAGGATCCGCCACCATGATTCACACCAACCTGAAG-3'(配列番号15)
2,6STrev 5'-TTTTTTTCTTAAGTTAGCAGTGAATGGTCCGG-3'(配列番号16)
【0086】
得られた増幅ST6DNAを制限酵素BamHIおよびAflIIで消化し、ハイグロマイシン耐性マーカーを保有しているCMV推進哺乳動物発現ベクター上のBamHIおよびAflII部位に挿入した。ベクターを既に記載のとおり増幅し、配列決定した。クローンpST6#11(
図3)は配列番号4による正確な配列を含有しており、形質移入のために選択した。
【0087】
[実施例4]
PER.C6(登録商標)細胞内でのpFSHα+βの安定発現。形質移入単離およびクローンのスクリーニング。
FSHを生成しているPER.C6(登録商標)クローンを、単一のプラスミドからFSHの両ポリペプチド鎖を発現させることによって作製した(実施例1を参照されたい)。
【0088】
安定クローンを得るためのpFSHα+β構築物を含むリポソームに基づく形質移入剤。安定クローンは、10%FCSを補充し、G418を含有しているVPRO中で選択した。形質移入の3週間後、G418耐性クローンが生じた。クローンを単離のために選択した。単離したクローンを選択培地中で70〜80%コンフルエントまで培養した。上清を、FSHタンパク質含有量についてFSH選択的ELISAを用いて、およびクローン化細胞株中のFSH受容体での薬理学的活性についてcAMP蓄積アッセイを用いてアッセイした。機能性タンパク質を発現しているクローンを培養増殖のために24ウエル、6ウエルおよびT80フラスコに移した。
【0089】
7個のクローン由来の材料の生産性および品質を判定するための研究を、十分な材料を作製するためのT80フラスコにおいて開始した。細胞を既に記載の補充培地で7日間培養し、上清を回収した。生産性を、FSH選択的ELISAを用いて判定した。材料の等電点プロファイルを当技術分野において周知の方法による等電点電気泳動法(IEF)によって判定した。十分な生産性および品質を有するクローンを、シアリルトランスフェラーゼを工学的に操作するために選択した。
【0090】
[実施例5]
シアリル化のレベルは、α2,3−シアリルトランスフェラーゼを過剰発現する細胞において増加している。FSH発現PER.C6(登録商標)細胞でのpST3の安定発現;形質移入単離およびクローンのスクリーニング。
高度にシアリル化されたFSHを生成しているPER.C6(登録商標)クローンを、FSHの両ポリペプチド鎖を既に発現しているPER.C6(登録商標)細胞(実施例4から)において別のプラスミド(実施例2)からα2,3シアリルトランスフェラーゼを発現させることによって作製した。実施例4に記載のとおりPER.C6(登録商標)細胞から生成されたクローンを、生産性、良好な増殖プロファイル、機能性タンパク質の生成、およびいくつかのシアリル化を有する生成FSHを含むそれらの特徴について選択した。安定クローンを実施例4に既に記載のとおり作製した。クローンを単離し、増殖させ、アッセイした。α2,3−シアリルトランスフェラーゼクローンを無血清培地および懸濁条件に適応させた。
【0091】
前述のとおりクローンを、FSH選択的ELISA、FSH受容体細胞株での機能的応答、IEF、代謝クリアランス率およびSteelman Pohley分析を用いてアッセイした。結果を商業的に入手可能な組換えFSH(Gonal−f、Serono)および親FSH PER.C6(登録商標)細胞株と比較した。大部分のクローンによって生成されたFSHは、α2,3−シアリルトランスフェラーゼを伴わずに発現されたFSHと比較して顕著に改善されたシアリル化を有した(すなわち、概して、多数のシアル酸を有するより多くのFSHアイソフォーム)。結論として、PER.C6(登録商標)細胞でのシアリルトランスフェラーゼを伴うFSHの発現は、FSHだけを発現している細胞と比較してシアリル化FSHレベルの増加をもたらす。
【0092】
[実施例6]
生成および精製の概要
無血清培地中に懸濁で培養したPER.C6(登録商標)細胞においてFSHを生成するための手順を開発した。手順を下に記載し、いくつかのFSH−生成PER.C6(登録商標)細胞株に適用する。
【0093】
α2,3−クローン(実施例5)からFSHをLowryら、(1976)によって記載された方法を改変して用いて調製した。
【0094】
PER.C6(登録商標)−FSHの生成のために、細胞株を無血清培地、すなわちExcell 525(JRH Biosciences)に適応させた。細胞を最初にT80培養フラスコで70%〜90%コンフルエント単層を形成するように培養した。継代で、細胞を無血清培地、Excell 525+4mM L−グルタミンに細胞密度、細胞0.3×10
6個/mlで再懸濁した。25ml細胞懸濁液を250ml振盪フラスコに入れ、100rpm、37℃、5%CO
2で振盪した。細胞密度>細胞1x10
6個/mlに達した後、細胞を細胞密度、細胞0.2または0.3×10
6個/mlに継代培養し、振盪フラスコ中、37°C、5%CO
2および100rpmでさらに培養した。
【0095】
FSHの生成のために、無血清生成培地、すなわち、PER.C6(登録商標)細胞の増殖を非常に高い細胞密度まで(通常、バッチ培養で細胞>10
7個/ml)支持するVPRO(JRH Biosciences)に細胞を移植した。細胞をExcell 525中で最初に細胞>1x10
6個/mlまで培養し、次いで5分間、1000rpmで遠沈し、次にVPRO培地+6mM L−グルタミン中に密度、細胞1x10
6個/mlで懸濁した。次いで細胞を振盪フラスコで7〜10日間、37℃、5%CO
2および100rpmで培養した。この期間中、細胞を密度、細胞>10
7個/mlに増殖させた。培養培地を細胞生存率が低下し始めた後に回収した。細胞を5分間、1000rpmで遠沈し、上清をFSHの定量化および精製のために用いた。FSHの濃度を、ELISA(DRG EIA 1288)を用いて判定した。
【0096】
したがって、FSHの精製は、Lowryら、(1976)によって記載された方法を改変して用いて実行した。電荷選択的クロマトグラフィーを用いる精製を当技術分野において十分周知の方法によって高度にシアリル化された形態を濃縮するために実行した。
【0097】
全てのクロマトグラフィー手順の際に、本明細書において特許請求するFSHのシアリル化形態の濃縮は、RIA(DRG EIA 1288)および/またはIEFによって確認した。
【0098】
[実施例7]
α2,3およびα2,6シアル酸の相対量の定量化
精製rFSH(実施例6)上のα2,3およびα2,6シアル酸の相対的百分率量を周知の技術を用いて測定した。
【0099】
PNGase Fを変性条件下で用いてN−グリカンを試料から遊離させ、次いで2−アミノベンズアミドで標識した。次いで遊離グリカン形態を分離し、電荷分布の測定のために弱アニオン交換(WAX)カラムによって分析した。総シアル酸の測定のために2,3,6,8シアリダーゼで、2,3シアル酸の測定のために2,3シアリダーゼで処理した標識グリカンを、waxカラムによってさらに分析した。
【0100】
電荷グリカンの相対百分率を未消化および消化グリカンプールに存在する構造から算出し、
図4に示す(試料8個について)。これらがα2,3シアリル化については50%〜70%(例えば、約60%または65%)およびα2,6シアリル化については28から50%、一般に30から35%(例えば、約31%または35%)の範囲にあることを見出した。
【0101】
[実施例8]
モノ、ジ、トリおよびテトラシアリル化グリカン構造相対量の定量化
精製rFSH(実施例6)から抽出したグリカン上のモノ、ジ、トリおよびテトラシアリル化構造の相対百分率量を周知の技術を用いて測定した。
【0102】
PNGase Fを変性条件下で用いてNグリカンを試料から遊離させ、次いで2−アミノベンズアミドで標識した。グリカンをPNGase Fを用いて変性条件下で試料から遊離させ、次いで2−アミノベンズアミドで標識した。遊離グリカン形態を次いで分離し、シアリル化分布の測定のために弱アニオン交換(WAX)カラムによって分析した。中性、モノ−シアリル化、ジ−シアリル化、トリ−シアリル化およびテトラ−シアリル化構造の相対量を
図5に示す(試料8個については
図4に示す)。
【0103】
rFSHは、中性、モノ−シアリル化、ジ−シアリル化、トリ−シアリル化およびテトラ−シアリル化グリカン構造を次の相対量:中性5〜6%;15〜17%モノ−シアリル化;26〜30%ジ−シアリル化;30〜32%トリ−シアリル化および17〜23%テトラ−シアリル化で含む。
【0104】
[実施例8a]
精製rFSH(実施例6の方法によって生成された)の試料9個から抽出された精製rFSH上のα2,6シアル酸の相対百分率量を周知の技術を用いて測定した。
【0105】
PNGase Fを変性条件下で用いてN−グリカンを試料から遊離させ、次いで2−アミノベンズアミドで標識した。遊離グリカン形態を次いで分離し、電荷分布の測定のために弱アニオン交換(WAX)カラムによって分析した。総シアル酸の測定のために2,3,6,8シアリダーゼで、2,3シアル酸の測定のために2,3シアリダーゼで標識グリカンを処理し、waxカラムによってさらに分析した(実施例8を参照されたい)。分析は、α2,6シアル酸の算出を可能にする。
【0106】
電荷グリカンの相対百分率を未消化および消化グリカンプールに存在する構造から算出し、次の表に示す。これらは、α2,6シアリル化については25から50%、一般に30から35%の範囲にあることが見出された。
【0107】
精製rFSH(実施例6の方法によって生成された)試料9個から抽出されたグリカン上のバイセクティングGlcNac、GalNAcおよび1−フコースルイスの相対百分率量を周知の技術を用いて測定した。PNGase Fを用いてN−グリカンを糖タンパク質から遊離させ、2−アミノベンズアミド(2AB)で標識した。分析は、二次元(2D)HPLC分析をグリカンの酵素分解と組み合わせて行った。検証のためにグリカンをMALDI−MSによって分析した。アルファ2,6−シアル酸の相対量および末端残基を次の表に、Gonal F(CHO細胞由来組換えFSH)およびBravelle(ヒト尿FSH)についてのものと共に示す。
【0108】
【0109】
本発明のFSHにおけるGalNAcの量は、約44.9から51%の間で変化し、平均約47.1%であることが認められうる。
【0110】
本発明のFSHにおけるバイセクティングGlcNacの量は、8.7から13.9%の間で変化し、平均およそ10.9%であることが認められうる。
【0111】
本発明のFSHにおける1フコースルイスの量は、16.1から23.3%の間で変化し、平均およそ19%であることが認められうる。
【0112】
本発明のFSHにおける2フコースルイスの量は、1.9から4.4%の間で変化し、平均およそ3.7%であることが認められうる。
【0113】
[実施例9]
FE999049の安全性、忍容性、薬物動態、薬力学および免疫原性をGONAL−Fと比較して調査する複数回投与研究
調査対象母集団
一日用量14.6μgのFE999049(本発明による組成物、実施例6により生成された)または16.5μgのGonal−Fを7日間受けた合計48名(各薬物について24名)の健康な女性。
【0114】
安全性結果
FE999049およびGONAL−Fの複数回投与は、安全であり、有害事象(AEs)、生命徴候、ECG、臨床検査測定および理学的診察による評価のとおり一般に良好に忍容された。重大な有害事象または死亡は、研究中に生じなかった。
【0115】
薬物動態結果
7日間のFE999049およびGONAL−Fの投与後、次回の注射の直前に評価したFSH濃度値は増加しており、6〜7日後に定常状態レベルに達したと考えられた。しかしFE999049の暴露(AUCおよびCmax)は、Gonal−Fと比較して60%高かった。
【0116】
薬力学的結果
インヒビン−B(
図6を参照されたい)、エストラジオールおよびプロゲステロンの濃度は、FE999049およびGONAL−Fの投与後に全て増加したが、GONAL−Fと比較してFE999049の投与後により程度が大きかった。卵胞の数および大きさの分布の両方は、GONAL−Fと比較してFE999049により大きな応答を示した。
【0117】
実施例9は、テトラ−シアリル化グリカン構造の特定の量(17〜23%)、ならびに例えばα2,3シアリル化およびα2,6シアリル化の特定の量を有するFSHが、現在市販されている組換えFSH生成物よりも著しく有効であることを実証する。
【0118】
[実施例10]
GONAL−Fと比較してFE999049を調査する複数回投与研究
下に、体外受精(IVF)/卵細胞質内精子注入法(ICSI)のための調節卵巣刺激を受けている患者におけるFE999049の用量−応答関係を評価する無作為対照評価者盲検並行群多国籍多施設治験を記載する。患者集団は、IVF患者265名、年齢18から37歳、BMI 18.5から32.0kg/m
2であった。
治験は、主要評価項目としての採取された卵母細胞の数での用量−応答治験として設計された。副次的評価項目は、内分泌プロファイル、卵胞発育、卵母細胞受精、胚品質および治療効率(すなわち総ゴナトロピン使用量および刺激期間)に関する様々な用量のFE999049の定性的および定量的影響を精査する。治験は、IVF/ICSIサイクルのための調節卵巣刺激において用いられる場合に妊娠を確立させるためのFE999049の有効性を評価するために設計する。
【0119】
対象を、卵巣応答に関して治験対象集団の均一性を増加させ、治験で用いられるFE999049の用量およびGONAL−Fの用量に対する潜在的低応答者および過剰応答者の数を最小化するための抗ミュラー管ホルモン(AMH)評価を含む対象選定基準および除外基準を有する適応性について、無作為化の前の3カ月以内に評価した。AMH評価は、AMH Gen−II enzyme linked immunosorbent assay kit(Beckman Coulter、Inc.、Webster、Texas)を用いて測定した。このアッセイは、1.1pmol/Lの定量下限を有して0.57pmol/Lを超えるAMH濃度を検出できる。
【0120】
月経周期の2〜3日目に対象を90IU、120IU、150IU、180IUもしくは210IU FE999049または150IU GONAL−Fのいずれかでの治療のために1:1:1:1:1:1に無作為化し、卵巣刺激を開始した。無作為化は、スクリーニングでのAMHレベルによって層別化した[5.0〜14.9pmol/L(低AMH)および15.0から44.9pmol/L(高AMH))。
【0121】
Gonal−Fは、FDA要請で質量充填されている(FbM);したがってμg用量に言及することが適切である。Gonal−Fラベルは、600IU/44μgを示し、150IUが11μgであることを示す。しかしいくらかの変動があり、本治験でのバッチ検定は11.3μg Gonal−Fが150IUと等しかったことを示した。FE999049用量は、生物学的活性よりもタンパク質含有量(μg)によって表された。したがってFE999049の用量は、5.2μg(90IU)、6.9μg(120IU)、8.6μg(150IU)、10.3μg(180IU)または12.1μg(210IU)であった。
【0122】
【表1】
【0123】
FE999049またはGONAL−Fの一日用量レベルは、刺激期間全体を通じて固定する。刺激の際に対象は、刺激1、4および6日目ならびにその後少なくとも隔日でモニターする。≧15mmの卵胞3個が観察されると、来診は毎日実施する。対象は、FE999049またはGONAL−Fで最長16日間治療する。
【0124】
早発性LHサージを防ぐために、GnRHアンタゴニスト(酢酸ガニレリクス、ORGALUTRAN、MSD/Schering−Plough)を刺激6日目に一日用量0.25mgで開始する場合があり、刺激期間を通じて継続する。最終卵胞成熟の誘発は、直径≧17mmを有する卵胞≧3個が観察された日に行う。直径≧12mmを有する卵胞が<25個ある場合は、250μg組換えhCG(絨毛性ゴナドトロピンアルファ、OVITRELLE、Merck Serono/EMD Serono)を投与する。≧12mmを有する卵胞25〜35個ある場合は、0.2mg GnRHアゴニスト(酢酸トリプトレリン、DECAPEPTYL/GONAPEPTYL、Ferring Pharmaceuticals)を投与する。直径≧12mmを有する卵胞>35個と定義される過剰卵巣応答の場合は、治療は中止する。刺激10日目に直径≧10mmを有する卵胞<3個が観察されると定義される卵巣応答が乏しい場合は、サイクルは中止される場合がある。
【0125】
卵母細胞採取は、最終卵胞成熟の誘発後36h(±2h)で行い、卵母細胞はIVFおよび/またはICSIによって受精させた。受精および胚発育は、卵母細胞採取から移植日まで評価する。hCGでの最終卵胞成熟の誘発を受けた対象について、利用可能な最高品質の胚盤胞の1個を卵母細胞採取の5日後に移植し、残りの胚盤胞は凍結する。GnRHアゴニストでの最終卵胞成熟の誘発を受けた対象については、新たなサイクルでは胚移植は行わず、代わりに胚盤胞を5日目に凍結する。Vaginal progesterone tablets(LUTINUS、Ferring Pharmaceuticals)100mg、1日3回を黄体期支持のために卵母細胞採取日後から臨床妊娠来診日まで与える。βhCG検査を胚移植の13〜15日後に実施し、臨床的妊娠を胚移植の5〜6週間後に経膣超音波(TVU)によって確認する。
【0126】
結果
採取した卵母細胞の数(主要評価項目)を下の表に示す。
【0127】
【表2】
【0128】
主要目的は合致した:採取された卵母細胞の数に関してFE999049についての顕著な用量−応答関係が確立された。この発見は、治験対象集団全体についてだけでなく、無作為化で用いられた2つのAMH層それぞれについても観察された。FE999049についての顕著な用量−応答関係が、全ての重要目的である薬物動態パラメーター、例えばエストラジオール、インヒビンBおよびインヒビンAについて実証された。同様のマイクログラム用量レベルでは、FE999049の薬力学的応答はGONAL−Fより大きかった(これらの結果は未記載)。
FE999049への暴露後の血清FSH濃度は、GONAL−Fについてよりも顕著に高かった。結果は、FE999049のPKプロファイルがGONAL−Fのものとは異なることを確認する。
FE999049で治療したIVF/ICSI患者における受精率、胚盤胞発育および妊娠率は、予測内であった。
FE999049の使用について安全への懸念はなかった。良好な局所忍容性が記録された。
【0129】
さらなる分析
本出願人らは、採取される卵母細胞の数に関する以下の基準を満たすFE999049用量を同定するためにデータをさらに分析した:
・採取される卵母細胞が8〜14個の範囲
・<8個の卵母細胞を有する患者の割合を最小化
・≧20個の卵母細胞を有する患者の割合を最小化
【0130】
本出願人らは、体重の影響も調査した。関連する場合、用量は平均的対象についてμg/kgに換算される。このμg/kgおよび±0.01μg/kgの値を採取された卵母細胞の分布および安全性プロファイルに関してモデルにおいて評価し、最適用量を同定する。
【0131】
低AMH層
表2に示すとおり、第一基準を満たすFE999049の用量(採取される卵母細胞が8〜14個の範囲)は、12.1μgであった(採取された卵母細胞平均9.4個)。卵母細胞の分布を下の表3に示す。
【0132】
【表3】
【0133】
囲みおよび矢印で示すとおり、12.1μg FE999049の用量は、低AMH群において対象の60%で最も望ましい数の採取された卵母細胞を提供する。これは、Gonal−F(最も望ましい数の卵母細胞は、対象の33%だけ)について顕著な改善である。
【0134】
下の表4は、低AMH層における過剰応答の徴候の分析を示す(データは対象の数)。中程度性または重度性の初期OHSSの適応はなく、予防的処置が必要となる出現はなかったことが認められうる;低AMHを有する患者において12.1μg FE999049の用量に関連する懸案事項はない。
【0135】
【表4】
【0136】
図7は、種々の用量について(低AMH層に関して)採取される卵母細胞への体重の影響を示す。矢印は、用量12.1μgで治療した体重45kgから90kgの間の対象から採取された卵母細胞の数を示す。認められるとおり(テキストボックス)体重45kgの患者と体重90kgの患者との間の変化は、卵母細胞約0.5個未満である;換言すると、この用量では体重については採取される卵母細胞に顕著な変化がないことから、FE999049の用量が少なくとも12μgである場合には、低AMHを有する患者において体重による投与は必要ではない。
【0137】
したがって本出願人らは、6から18μg、例えば9から14μg、例えば12μgのヒト由来組換えFSHの用量または等量は、<15pmol/L、例えば0.05〜14.9pmol/L、例えば5.0〜14.9pmol/Lの血清AMHを有する患者における不妊症治療での使用のために好適であることを見出した。用量は、OHSSの危険性を最小化しながら有効な応答を提供する。
【0138】
高AMH層
表2に示すとおり、FE999049の3種の用量が第一基準(採取される卵母細胞が8〜14個の範囲)を満たした:6.9μg(採取される卵母細胞平均9.1個)、8.6μg(採取される卵母細胞平均10.6個)および10.3μg(採取される卵母細胞平均13.6個)。
【0139】
図8は、種々の用量について(高AMH層に関して)採取される卵母細胞への体重の影響を示す。矢印は、用量6.9μg、8.6μgおよび10.3μgで治療された体重45kgから90kgの間の対象から採取された卵母細胞の数を示す。認められるとおり(テキストボックス)変化は顕著である:用量6.9μgに関して90kgの患者と比較して45kgの患者からは6個の追加的卵母細胞が採取される;用量8.6μgに関して90kgの患者と比較して45kgの患者からは4個の追加的卵母細胞が採取される;用量10.1μgに関して90kgの患者と比較して45kgの患者からは2.5個の追加的卵母細胞が採取される。換言すると、体重による投与は、高AMHを有する患者でFE999049の用量が12μg未満である場合に、これらの用量で採取される卵母細胞が体重で顕著に変化することから、影響を有する。
【0140】
下の表5aは、採取された卵母細胞(表2から)のAMHによるさらなる分解を示す。これは、AMHの各サブ層について第一基準(採取される卵母細胞が8〜14個の範囲)を満たす用量を示す(囲み)。
【0141】
【表5a】
【0142】
下の表5bは、これらのサブ群について、過剰応答またはアゴニスト誘発のいずれかにより治療が中止された患者の分析を示す。例えば、25〜34pmol/L AMH層の患者1名が用量10.3μg後に過剰応答により中止され、25〜34pmol/L AMH層の患者1名が用量12.1μg後に過剰応答により中止され;35〜45pmol/L AMH層の患者1名が用量10.3μg後にアゴニスト誘発後に中止され;35〜45pmol/L AMH層の患者1名が用量6.9μg後にアゴニスト誘発後に中止された。
【0143】
【表5b】
【0144】
したがって、体重による投与の調整(
図8)およびAMHレベルは、高AMH層において中止を最小化し、卵母細胞採取を最大化するために有用であることが認められうる。
【0145】
本出願人らは下の用量がOHSSの危険性を最小化しながら有効な応答を提供することを見出した(kgは、患者のkg体重である)。
【0146】
【表6】
【0147】
下は、体重による投与が求められない場合に適切である。
【0148】
【表7】
【0149】
下は、AMHのより少ない分類が必要である場合に適切である。
【0150】
【表8】
【0151】
下は、体重による投与が求められない場合に適切である。
【0152】
【表9】
【0153】
したがって本出願人らは、9から14μg、例えば12μgのヒト由来組換えFSHの用量または等量が<15pmol/L、例えば0.05〜14.9pmol/L、例えば5.0〜14.9pmol/Lの血清AMHを有する患者における不妊症治療での使用のために好適であることを見出した。用量は、OHSSの危険性を最小化しながら有効な応答を提供する。
【0154】
本出願人らは、5から12.5μg、例えば6から10.5μgのヒト由来組換えFSHの用量または等量が≧15pmol/Lの血清AMHを有する患者における不妊症治療での使用のために好適であることを見出した。用量は、OHSSの危険性を最小化しながら有効な応答を提供する。
【0155】
本出願人らは、患者の体重1kgあたり0.09から0.19μgのヒト由来組換えFSHの(例えば、一日)用量または等量が、≧15pmol/Lの血清AMHレベルを有する患者における不妊症治療での使用のために好適であることを見出した。本出願人らは、患者の体重1kgあたり0.14から0.19μgのヒト由来組換えFSH(好ましくは0.15から0.16μgのヒト由来組換えFSH)の(例えば、一日)用量または等量が、15から24.9pmol/Lの血清AMHレベルを有する患者における不妊症治療での使用のために好適であることを見出した。本出願人らは、患者の体重1kgあたり0.11から0.14μgのヒト由来組換えFSH(好ましくは0.12から0.13μgのヒト由来組換えFSH)の(例えば、一日)用量または等量が、25から34.9pmol/Lの血清AMHレベルを有する患者における不妊症治療での使用のために好適であることを見出した。本出願人らは、患者の体重1kgあたり0.10から0.11μgのヒト由来組換えFSHの(例えば、一日)用量または等量が、≧35pmol/Lの血清AMHレベルを有する患者における不妊症治療での使用のために好適であることを見出した。これらの用量は、OHSSの危険性を最小化しながら有効な応答を提供する。
【0156】
本出願人らは、例えばヒト由来組換えFSHでの初回刺激サイクルについて、患者の体重1kgあたり0.15から0.21μg(例えば、0.16μg)のヒト由来組換えFSHの(例えば、一日)用量または等量が、<15pmol/Lの血清AMHレベルを有する患者における不妊症治療での使用のために好適であることを見出した。しかし、このAMHレベルで患者が体重によって投与される必要はない。
【0157】
[実施例10A]
個別化されたCOSプロトコール(低AMH)
選択された患者は、当技術分野において周知の方法による体外受精(IVF)/卵細胞質内精子注入法(ICSI)のためのCOSを受けるところである。前処置プロトコールは、AMH Gen−II enzyme linked immunosorbent assay kit(Beckman Coulter、Inc.、Webster、Texas)を用いる患者の血清AMHの評価/スクリーニングを含む。このアッセイは、1.1pmol/Lの定量下限を有して0.57pmol/Lを超えるAMH濃度を検出できる。AMHは他のアッセイキット(例えば、Rocheから入手可能)を用いて測定することができる。
【0158】
スクリーニング時のAMHレベルによるFE999049の初回量の投与を除いてCOSプロトコールは、通常のやり方で進行する。<14.9pmol/LのAMHレベルを有する患者は、およそ12μg FE999049(実施例6の方法により製造されたヒト由来組換えFSH生成物)の初回一日投与量を投与される。15から24.9pmol/LのAMHレベルを有する患者は、患者の体重1kgあたり0.15から0.19μgのヒト由来組換えFSHの初回一日投与量を受ける。25から34.9pmol/LのAMHレベルを有する患者は、患者の体重1kgあたり0.11から0.13μgのヒト由来組換えFSHの初回一日投与量を受ける。≧35pmol/LのAMHレベルを有する患者は、患者の体重1kgあたり0.10から0.11μgのヒト由来組換えFSHの初回一日投与量を受ける。
【0159】
[実施例11]
個別化されたCOSプロトコール
このプロトコールにおける用量は、実施例10Aよりも好ましくは少ない。
【0160】
選択された患者は、当技術分野において周知の方法による体外受精(IVF)/卵細胞質内精子注入法(ICSI)のためのCOSを受けるところである。前処置プロトコールは、AMH Gen−II enzyme linked immunosorbent assay kit(Beckman Coulter、Inc.、Webster、Texas)を用いる患者の血清AMHの評価/スクリーニングを含む。このアッセイは、1.1pmol/Lの定量下限を有して0.57pmol/Lを超えるAMH濃度を検出できる。
【0161】
COSプロトコールは、下の表と合致するスクリーニング時でのAMHレベルによるFE999049の初回量の投与を除いて通常のやり方で進行する。したがって、5〜14.8pmol/LのAMHレベルを有する患者には、180IU FSHをおよそ8〜11μgのFE999049、実施例6の方法により製造されたヒト由来組換えFSH産物の形態で投与する。30〜44.9pmol/LのAMHレベルを有する患者には、120IU FSHをおよそ4〜7μgのFE999049、実施例6の方法により製造されたヒト由来組換えFSH産物の形態で投与する。AMHレベルが利用可能ではない場合、患者に120〜180IU FSHをおよそ6〜11μgのFE999049、実施例6の方法により製造されたヒト由来組換えFSH産物の形態で投与する。
【0162】
【表10】
【0163】
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【0164】
SEQ ID NO: 1
Follicle stimulating hormone alpha polypeptide
Accession number AH007338
Nucleotide sequence of FSH alpha
1 ATGGATTACT ACAGAAAATA TGCAGCTATC TTTCTGGTCA CATTGTCGGT GTTTCTGCAT
61 GTTCTCCATT CCGCTCCTGA TGTGCAGGAT TGCCCAGAAT GCACGCTACA GGAAAACCCA
121 TTCTTCTCCC AGCCGGGTGC CCCAATACTT CAGTGCATGG GCTGCTGCTT CTCTAGAGCA
181 TATCCCACTC CACTAAGGTC CAAGAAGACG ATGTTGGTCC AAAAGAACGT CACCTCAGAG
241 TCCACTTGCT GTGTAGCTAA ATCATATAAC AGGGTCACAG TAATGGGGGG TTTCAAAGTG
301 GAGAACCACA CGGCGTGCCA CTGCAGTACT TGTTATTATC ACAAATCTTA A
Protein sequence of FSH alpha (SEQ ID NO: 5)
1 MDYYRKYAAI FLVTLSVFLH VLHSAPDVQD CPECTLQENP FFSQPGAPIL QCMGCCFSRA
61 YPTPLRSKKT MLVQKNVTSE STCCVAKSYN RVTVMGGFKV ENHTACHCST CYYHKS
SEQ ID NO: 2
Follicle stimulating hormone beta polypeptide
Accession number NM_000510
Nucleotide sequence of FSH beta
1 ATGAAGACAC TCCAGTTTTT CTTCCTTTTC TGTTGCTGGA AAGCAATCTG CTGCAATAGC
61 TGTGAGCTGA CCAACATCAC CATTGCAATA GAGAAAGAAG AATGTCGTTT CTGCATAAGC
121 ATCAACACCA CTTGGTGTGC TGGCTACTGC TACACCAGGG ATCTGGTGTA TAAGGACCCA
181 GCCAGGCCCA AAATCCAGAA AACATGTACC TTCAAGGAAC TGGTATATGA AACAGTGAGA
241 GTGCCCGGCT GTGCTCACCA TGCAGATTCC TTGTATACAT ACCCAGTGGC CACCCAGTGT
301 CACTGTGGCA AGTGTGACAG CGACAGCACT GATTGTACTG TGCGAGGCCT GGGGCCCAGC
361 TACTGCTCCT TTGGTGAAAT GAAAGAATAA
Protein sequence of FSH beta (SEQ ID NO: 6)
1 MKTLQFFFLF CCWKAICCNS CELTNITIAI EKEECRFCIS INTTWCAGYC YTRDLVYKDP
61 ARPKIQKTCT FKELVYETVR VPGCAHHADS LYTYPVATQC HCGKCDSDST DCTVRGLGPS
121 YCSFGEMKE
SEQ ID NO: 3
Beta-galactoside alpha-2,3-sialyltransferase 4
Accession Number L23767
Nucleotide sequence of ST3GAL4
1 ATGTGTCCTG CAGGCTGGAA GCTCCTGGCC ATGTTGGCTC TGGTCCTGGT CGTCATGGTG
61 TGGTATTCCA TCTCCCGGGA AGACAGGTAC ATCGAGCTTT TTTATTTTCC CATCCCAGAG
121 AAGAAGGAGC CGTGCCTCCA GGGTGAGGCA GAGAGCAAGG CCTCTAAGCT CTTTGGCAAC
181 TACTCCCGGG ATCAGCCCAT CTTCCTGCGG CTTGAGGATT ATTTCTGGGT CAAGACGCCA
241 TCTGCTTACG AGCTGCCCTA TGGGACCAAG GGGAGTGAGG ATCTGCTCCT CCGGGTGCTA
301 GCCATCACCA GCTCCTCCAT CCCCAAGAAC ATCCAGAGCC TCAGGTGCCG CCGCTGTGTG
361 GTCGTGGGGA ACGGGCACCG GCTGCGGAAC AGCTCACTGG GAGATGCCAT CAACAAGTAC
421 GATGTGGTCA TCAGATTGAA CAATGCCCCA GTGGCTGGCT ATGAGGGTGA CGTGGGCTCC
481 AAGACCACCA TGCGTCTCTT CTACCCTGAA TCTGCCCACT TCGACCCCAA AGTAGAAAAC
541 AACCCAGACA CACTCCTCGT CCTGGTAGCT TTCAAGGCAA TGGACTTCCA CTGGATTGAG
601 ACCATCCTGA GTGATAAGAA GCGGGTGCGA AAGGGTTTCT GGAAACAGCC TCCCCTCATC
661 TGGGATGTCA ATCCTAAACA GATTCGGATT CTCAACCCCT TCTTCATGGA GATTGCAGCT
721 GACAAACTGC TGAGCCTGCC AATGCAACAG CCACGGAAGA TTAAGCAGAA GCCCACCACG
781 GGCCTGTTGG CCATCACGCT GGCCCTCCAC CTCTGTGACT TGGTGCACAT TGCCGGCTTT
841 GGCTACCCAG ACGCCTACAA CAAGAAGCAG ACCATTCACT ACTATGAGCA GATCACGCTC
901 AAGTCCATGG CGGGGTCAGG CCATAATGTC TCCCAAGAGG CCCTGGCCAT TAAGCGGATG
961 CTGGAGATGG GAGCTATCAA GAACCTCACG TCCTTCTGA
Protein Sequence of ST3GAL4 (SEQ ID NO: 7)
1 MCPAGWKLLA MLALVLVVMV WYSISREDRY IELFYFPIPE KKEPCLQGEA ESKASKLFGN
61 YSRDQPIFLR LEDYFWVKTP SAYELPYGTK GSEDLLLRVL AITSSSIPKN IQSLRCRRCV
121 VVGNGHRLRN SSLGDAINKY DVVIRLNNAP VAGYEGDVGS KTTMRLFYPE SAHFDPKVEN
181 NPDTLLVLVA FKAMDFHWIE TILSDKKRVR KGFWKQPPLI WDVNPKQIRI LNPFFMEIAA
241 DKLLSLPMQQ PRKIKQKPTT GLLAITLALH LCDLVHIAGF GYPDAYNKKQ TIHYYEQITL
301 KSMAGSGHNV SQEALAIKRM LEMGAIKNLT SF
SEQ ID NO: 4
Beta-galactosamide alpha-2,6-sialyltransferase 1
Accession number NM_003032
Nucleotide sequence of ST6GAL1
1 ATGATTCACA CCAACCTGAA GAAAAAGTTC AGCTGCTGCG TCCTGGTCTT TCTTCTGTTT
61 GCAGTCATCT GTGTGTGGAA GGAAAAGAAG AAAGGGAGTT ACTATGATTC CTTTAAATTG
121 CAAACCAAGG AATTCCAGGT GTTAAAGAGT CTGGGGAAAT TGGCCATGGG GTCTGATTCC
181 CAGTCTGTAT CCTCAAGCAG CACCCAGGAC CCCCACAGGG GCCGCCAGAC CCTCGGCAGT
241 CTCAGAGGCC TAGCCAAGGC CAAACCAGAG GCCTCCTTCC AGGTGTGGAA CAAGGACAGC
301 TCTTCCAAAA ACCTTATCCC TAGGCTGCAA AAGATCTGGA AGAATTACCT AAGCATGAAC
361 AAGTACAAAG TGTCCTACAA GGGGCCAGGA CCAGGCATCA AGTTCAGTGC AGAGGCCCTG
421 CGCTGCCACC TCCGGGACCA TGTGAATGTA TCCATGGTAG AGGTCACAGA TTTTCCCTTC
481 AATACCTCTG AATGGGAGGG TTATCTGCCC AAGGAGAGCA TTAGGACCAA GGCTGGGCCT
541 TGGGGCAGGT GTGCTGTTGT GTCGTCAGCG GGATCTCTGA AGTCCTCCCA ACTAGGCAGA
601 GAAATCGATG ATCATGACGC AGTCCTGAGG TTTAATGGGG CACCCACAGC CAACTTCCAA
661 CAAGATGTGG GCACAAAAAC TACCATTCGC CTGATGAACT CTCAGTTGGT TACCACAGAG
721 AAGCGCTTCC TCAAAGACAG TTTGTACAAT GAAGGAATCC TAATTGTATG GGACCCATCT
781 GTATACCACT CAGATATCCC AAAGTGGTAC CAGAATCCGG ATTATAATTT CTTTAACAAC
841 TACAAGACTT ATCGTAAGCT GCACCCCAAT CAGCCCTTTT ACATCCTCAA GCCCCAGATG
901 CCTTGGGAGC TATGGGACAT TCTTCAAGAA ATCTCCCCAG AAGAGATTCA GCCAAACCCC
961 CCATCCTCTG GGATGCTTGG TATCATCATC ATGATGACGC TGTGTGACCA GGTGGATATT
1021 TATGAGTTCC TCCCATCCAA GCGCAAGACT GACGTGTGCT ACTACTACCA GAAGTTCTTC
1081 GATAGTGCCT GCACGATGGG TGCCTACCAC CCGCTGCTCT ATGAGAAGAA TTTGGTGAAG
1141 CATCTCAACC AGGGCACAGA TGAGGACATC TACCTGCTTG GAAAAGCCAC ACTGCCTGGC
1201 TTCCGGACCA TTCACTGCTA A
0p-
Protein Sequence of ST6GAL1 (SEQ ID NO: 8)
1 MIHTNLKKKF SCCVLVFLLF AVICVWKEKK KGSYYDSFKL QTKEFQVLKS LGKLAMGSDS
61 QSVSSSSTQD PHRGRQTLGS LRGLAKAKPE ASFQVWNKDS SSKNLIPRLQ KIWKNYLSMN
121 KYKVSYKGPG PGIKFSAEAL RCHLRDHVNV SMVEVTDFPF NTSEWEGYLP KESIRTKAGP
181 WGRCAVVSSA GSLKSSQLGR EIDDHDAVLR FNGAPTANFQ QDVGTKTTIR LMNSQLVTTE
241 KRFLKDSLYN EGILIVWDPS VYHSDIPKWY QNPDYNFFNN YKTYRKLHPN QPFYILKPQM
301 PWELWDILQE ISPEEIQPNP PSSGMLGIII MMTLCDQVDI YEFLPSKRKT DVCYYYQKFF
361 DSACTMGAYH PLLYEKNLVK HLNQGTDEDI YLLGKATLPG FRTIHC
【0165】
図1、2および3:pFSHアルファ/ベータ、pST3およびpST6発現ベクターのプラスミド地図。CMV=サイトメガロウイルスプロモーター、BGHp(A)=ウシ成長ホルモンポリアデニル化配列、fl ori=fl複製開始点、SV40=サルウイルス40プロモーター、Neo=ネオマイシン耐性マーカー、Hyg=ハイグロマイシン耐性マーカー、SV40p(A)=サルウイルス40ポリアデニル化配列、FSH A=卵胞刺激ホルモンアルファポリペプチド、FSH B=卵胞刺激ホルモンベータポリペプチド、ST3GAL4=α2,3−シアリルトランスフェラーゼ、ST6GAL1=α2,6−シアリルトランスフェラーゼ、ColEl=ColEl複製開始点、Amp=アンピシリン耐性マーカー。