【文献】
Digital Video Broadcasting(DVB);Frame structure channel coding and modulation for a second generation digital terrestrial television broadcasting system (DVB-T2),Final draft ETSI EN 302 755,2010年10月,V1.2.1,pp.118-125
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記被変調基本系列は、該被変調基本系列の固定点の値の少なくとも一部に前記被変調変更用系列の要素を乗算することによって変更されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
− 前記被変調基本系列の固定点に対応する位置における前記受信された被変調被変更系列の値の前記少なくとも一部、及び前記被変調基本系列のそれらの対応する固定点の値から、一時的な値が取得され、
− 前記追加ビット系列は、前記一時的な値から求められ、
− 前記求められた追加ビットに対応する被変調変更用系列、及び前記被変調基本系列の固定点に対応する位置における前記受信された被変調被変更系列の値の前記少なくとも一部から、新たな値が取得され、
− 前記基本ビットは、前記新たな値、及び前記受信された被変調被変更系列の他の値から求められることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
プログラマブルデバイスの中に直接ロード可能にすることができるコンピュータプログラムであって、該コンピュータプログラムがプログラマブルデバイス上で実行されるときに、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法のステップを実施するための命令又はコード部を含む、コンピュータプログラム。
プログラマブルデバイスの中に直接ロード可能にすることができるコンピュータプログラムであって、該コンピュータプログラムがプログラマブルデバイス上で実行されるときに、請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法のステップを実施するための命令又はコード部を含む、コンピュータプログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、シンボルによって用いられるリソースの数を変えることなく、シンボル内に追加情報を追加できるようにする方法及びデバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、本発明は、発信元によって少なくとも1つの受信機に転送されるシンボル内に含まれる情報ビットの量を増やす方法に関する。
シンボルは、複数の取り得る基本ビット系列のうちの発信元によって選択された基本ビット系列を符号化し、当該符号化済みの選択された系列を変調することによって取得される被変調基本系列を表し、
取り得る基本ビット系列から取得することができる取り得る被変調基本系列はそれぞれ固定点を有し、1つの固定点は各被変調基本系列内で同じ所定の位置を有すると共に各被変調基本系列内で同じ値を有し、
当該方法は、
− 誤り訂正符号を用いて選択された基本ビット系列を符号化するステップと、
− 誤り訂正符号を用いて追加ビット系列を符号化するステップと、
− 符号化済みの選択された基本ビット系列を変調することによって、被変調基本系列を取得するステップと、
− 追加ビット系列を変調することによって被変調変更用系列を取得するステップであって、当該被変調変更用系列は被変調基本系列の固定点の数以下の長さを有する、ステップと、
− 被変調被変更系列を取得するために、被変調変更用系列を用いて、被変調基本系列の固定点の値の少なくとも一部を変更することによって、被変調基本系列を変更するステップと、
− 被変調被変更系列を被変更シンボルの形で転送するステップと、
を含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、発信元によって少なくとも1つの受信機に転送されるシンボル内に含まれる情報ビットの量を増やすためのデバイスにも関する。
シンボルは、複数の取り得る基本ビット系列のうちの発信元によって選択された基本ビット系列を符号化し、当該符号化済みの選択された系列を変調することによって取得される被変調基本系列を表し、
取り得る基本ビット系列から取得することができる取り得る被変調基本系列はそれぞれ固定点を有し、1つの固定点は各被変調基本系列内で同じ所定の位置を有すると共に各被変調基本系列内で同じ値を有し、
当該情報ビットの量を増やすためのデバイスは、
− 誤り訂正符号を用いて選択された基本ビット系列を符号化する手段と、
− 誤り訂正符号を用いて追加ビット系列を符号化する手段と、
− 符号化済みの選択された基本ビット系列を変調することによって、被変調基本系列を取得する手段と、
− 追加ビット系列を変調することによって被変調変更用系列を取得する手段であって、当該被変調変更用系列は被変調基本系列の固定点の数以下の長さを有する、手段と、
− 被変調被変更系列を取得するために、被変調変更用系列を用いて、被変調基本系列の固定点の値の少なくとも一部を変更することによって、被変調基本系列を変更する手段と、
− 被変調被変更系列を被変更シンボルの形で転送する手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
それゆえ、シンボルによって用いられるリソースの数を変えることなく、同期シンボルに更なる情報が追加される。
【0010】
特定の特徴によれば、変調は、差動変調である。
【0011】
それゆえ、受信機側においてチャネル推定を実行する必要はない。
【0012】
特定の特徴によれば、発信元は、被変更シンボルを転送する前に、被変調被変更系列にスクランブルをかける。
【0013】
それゆえ、シンボルはチャネル変動に対して、よりロバストである。
【0014】
特定の特徴によれば、被変更シンボルは、直交周波数分割多重化シンボルであり、被変調被変更系列は、直交周波数分割多重化変更後シンボルのサブキャリア上で転送される。
【0015】
それゆえ、ロバストなOFDM送信を用いることができる。
【0016】
特定の特徴によれば、被変更シンボルは、同期シンボルである。
【0017】
それゆえ、同期シンボルの容量は、シンボルによって用いられるリソースの数を変えることなく増やすことができる。
【0018】
特定の特徴によれば、被変更シンボルは、時分割多重化シンボル又は時分割多重化フレームであり、被変調被変更系列は、時分割多重化送信方式のタイムスロット上で転送される。
【0019】
それゆえ、古典的なTDM送信を用いることができる。
【0020】
特定の特徴によれば、被変調基本系列は、その被変調基本系列の固定点の値の少なくとも一部に被変調変更用系列を乗算することによって変更される。
【0021】
それゆえ、送信機側における簡単な変更及び受信機側における簡単な訂正を用いることができる。
【0022】
更に別の態様によれば、本発明は、基本ビット系列及び追加ビット系列を取り出す方法に関する。
発信元によって転送される被変更シンボルを形成するために、追加ビット系列を用いて被変調基本系列が変更され、
被変調基本系列は、複数の取り得る基本ビット系列のうちの発信元によって選択された基本ビット系列を符号化し、当該符号化済みの選択された基本ビット系列を変調することによって取得され、
取り得る基本ビット系列から取得することができる複数の取り得る被変調基本系列の各被変調基本系列は固定点を有し、1つの固定点は各被変調基本系列内で同じ所定の位置を有すると共に各被変調基本系列内で同じ値を有し、
当該方法は、
− 被変更シンボルを受信し、受信された被変調被変更系列を取り出すステップと、
− 新たな値を取得するために、被変調基本系列の固定点に対応する位置における受信された被変調被変更系列の値の少なくとも一部を処理するステップと、
− 少なくとも新たな値から、基本ビット系列及び追加ビット系列を求めるステップと、
を含むことを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、基本ビット系列及び追加ビット系列を取り出すためのデバイスにも関する。
発信元によって転送された被変更シンボルを形成するために、追加ビット系列を用いて被変調基本系列が変更され、
被変調基本系列は、複数の取り得る基本ビット系列のうちの発信元によって選択された基本ビット系列を符号化し、当該符号化済みの選択された基本ビット系列を変調することによって取得され、
取り得る基本ビット系列から取得することができる複数の取り得る被変調基本系列の各被変調基本系列は固定点を有し、1つの固定点は各被変調基本系列内で同じ所定の位置を有すると共に各被変調基本系列内で同じ値を有し、
当該基本ビット系列を取り出すためのデバイスは、
− 被変更シンボルを受信し、受信された被変調被変更系列を取り出す手段と、
− 新たな値を取得するために、被変調基本系列の固定点に対応する位置における受信された被変調被変更系列の値の少なくとも一部を処理する手段と、
− 少なくとも新たな値から、基本ビット系列及び追加ビット系列を求める手段と、
を備えることを特徴とする。
【0024】
それゆえ、容量を拡張された被変更シンボルを復号して、基本ビット及び追加ビットを取り出すことができる。
【0025】
特定の特徴によれば、取り得る被変調変更用系列ごとに、
− 被変調変更用系列、及び固定点に対応する位置における受信された被変調被変更系列の値の少なくとも一部から、新たな値が取得され、
− 新たな値、及び受信された被変調被変更系列の他の値から、関連付けられるコスト関数値及び関連付けられる基本ビット系列が求められ、
基本ビット系列及び追加系列は、求められた最大のコスト関数値に関連付けられる基本ビット系列及び追加ビット系列を選択することによって求められる。
【0026】
それゆえ、基本ビット及び追加ビットの一括検出を実行することができる。
【0027】
特定の特徴によれば、
− 被変調基本系列の固定点に対応する位置における受信された被変調被変更系列の値の少なくとも一部、及び被変調基本系列のそれらの対応する固定点の値から、一時的な値が取得され、
− 追加ビット系列は、一時的な値から求められ、
− 求められた追加ビットに対応する被変調変更用系列、及び被変調基本系列の固定点に対応する位置における受信された被変調被変更系列の値の少なくとも一部から、新たな値が取得され、
− 基本ビットは、新たな値、及び受信された被変調被変更系列の他の値から求められる。
【0028】
それゆえ、最初に追加ビットを取り出し、その後、基本ビットを取り出すことによって、準最適であるが複雑でない検出を実行することができる。
【0029】
更に別の態様によれば、本発明は、プログラマブルデバイスの中に直接ロード可能にすることができるコンピュータプログラムであって、当該コンピュータプログラムがプログラマブルデバイス上で実行されるときに、本発明による方法のステップを実施するための命令又はコード部を含む、コンピュータプログラムに関する。
【0030】
コンピュータプログラムに関する特徴及び利点は、本発明による方法及び装置に関連して上述したものと同じであるので、ここでは繰り返さないことにする。
【0031】
本発明の特徴は、一例の実施形態の以下の説明を読むことによってより明らかになるであろう。この説明は、添付図面に関して作成されたものである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、本発明が実施される通信ネットワークを表している。
【0034】
本発明は、OFDM方式が用いられる例において開示される。また、後に開示されるように、本発明は他の方式においても適用することもできる。
【0035】
通信ネットワークは、例えば、少なくとも1つの発信元Srctが少なくとも1つの受信機Recが位置するエリア内に信号を転送又はブロードキャストする、通信ネットワークである。
【0036】
発信元Srctは、例えば、DVB(デジタルビデオ放送:Digital Video Broadcasting)規格に準拠する信号をブロードキャストする地上局又は衛星である。
【0037】
通信ネットワークは、例えば、基地局がモバイル端末に信号を転送するか、又は少なくとも2つのモバイル端末に信号をブロードキャストする、セルラ通信ネットワークである。
【0038】
発信元Srctは、基地局に信号を転送するモバイル端末であってもよい。
【0039】
受信機Recは、ビデオ信号のようなデータがブロードキャストされるモバイル端末であってもよいし、モバイル電話のような遠隔通信デバイス若しくはサーバと通信するモバイル端末であってもよいし、モバイル端末から信号を受信する基地局若しくはホーム基地局であってもよい。
【0040】
簡単のために、
図1には1つの発信元Srctしか示されていないが、ネットワークは更に多くの数の発信元Srctを備えることができる。
【0041】
簡単のために、
図1には1つの受信機Recしか示されていないが、更に多くの数の受信機Recに信号を転送又はブロードキャストすることができる。
【0042】
発信元Srcsによってブロードキャストされる信号は、例えばDVB−NGH(デジタルビデオ放送次世代ハンドヘルド:Digital Video Broadcasting Next Generation Handheld)放送規準と互換性のあるOFDMシンボルとすることができる。
【0043】
本発明は、信号がOFDM(直交周波数分割多重化)シンボルである一例において開示される。また、後に開示されるように、本発明は、時分割多重化方式を用いて信号が転送又はブロードキャストされるときにも適用可能である。
【0044】
DVB、例えば規格ETSI EN 302755 v1.2.1(2010−10)、「デジタルビデオ放送(DVB);第2世代DVBシステム(DVB−T2)のためのフレーム構造チャネルコーティング及び変調」においては、或る特定の同期が存在する。
【0045】
P1で表される同期シンボルは、1024個のサブキャリアを含むOFDMシンボルにプレフィックス/ポストフィックスを付加することによって形成される。1024個のサブキャリアのうち、帯域の中央にある853個のサブキャリアは有効サブキャリアであり、残りはガードサブキャリアである。
【0046】
853個の有効サブキャリアのうち384個のサブキャリアだけが用いられ、それらのサブキャリアはアクティブサブキャリアと呼ばれる。未使用サブキャリアと呼ばれる他のサブキャリアは、0に設定されたままである。
【0047】
発信元Srctは、フィールドS内に含まれるp=7個の基本情報ビットを用いてP1同期シンボルを生成し、それらの基本情報ビットを誤り訂正符号化して384ビット系列を形成する。
【0048】
フィールドSは、それぞれ3ビット及び4ビットを含む2つのフィールドS1及びS2から構成される。誤り訂正符号は、2つのパターンCSS1及びCSS2によって形成される相補系列セット(CSS)の形で転送される。CSS1パターンは、長さ8の8個の相補系列の8個の直交する集合に基づいて、S1を符号化する。その際、各CSSS1パターンの全長は64である。一方、CSS2パターンは、長さ16の16個の相補系列の16個の直交する集合に基づいて、S2を符号化する。その際、各CSS2パターンの全長は256である。
【0049】
S=[S1 S2]に対応する系列bは、b=[CSS1 CSS2 CSS1]として構築され、それゆえ384の長さを有する。この2値系列bは、対応する+1/−1コードワードdに置き換えられる。
【0050】
dは、例えば差動2相位相変調(DBPSK)を用いて変調されてx=MSS_DIFFが得られ、その後、スクランブルをかけられて384個のアクティブサブキャリアにマッピングされることになる384個のシンボルから構成されるx
SCR=MSS_SCRが得られる。この特定の場合には、全てのコードワードdが同じ値から開始し、この例では1から開始する。追加系列開始シンボルは不要であるので、d及びxは同じサイズを有する。他の場合には、コードワードdの長さは、差動変調された系列xの長さより1だけ短い場合がある。
【0051】
本発明において、必ずしも差動変調でない、他の種類の変調を用いることもできることに留意されたい。
【0052】
被変調基本系列xの384個のシンボルのうち、128シンボルは固定値を有する。これら128個の値が
図2において与えられている。
【0053】
本発明によれば、発信元Srctは、発信元によって少なくとも1つの受信機に向けて転送されるシンボル内に含まれる情報ビットの量を増やす。シンボルは被変調基本系列を表し、当該被変調基本系列は、複数の取り得る基本ビット系列の中から発信元Srctによって選択された1つの基本ビット系列を符号化し、当該選択されて符号化された系列を変調することによって取得される。取り得る基本ビット系列から取得することができる取り得る被変調基本系列はそれぞれ固定点を有し、固定点は各被変調基本系列内で同じ所定の位置を有すると共に各被変調基本系列内で同じ値を有する。
発信元Srctは、
− 誤り訂正符号を用いて選択された基本ビット系列を符号化し、
− 誤り訂正符号を用いて追加ビット系列を符号化し、
− 符号化済みの選択された基本ビット系列を変調することによって、被変調基本系列を取得し、
− 追加ビット系列を変調することによって、被変調基本系列の固定点の数以下の長さを有する被変調変更用系列を取得し、
− 被変調被変更系列を取得するために、被変調変更用系列を用いて、被変調基本系列の固定点の値の少なくとも一部を変更することによって、被変調基本系列を変更し、
− 被変調被変更系列を被変更シンボルの形で転送する。
【0054】
本発明によれば、受信機Recは、基本ビット系列及び追加ビット系列を取り出す。追加ビット系列は、被変調基本系列を変更して、発信元Srctによって転送される被変更シンボルを形成するために用いられる。被変調基本系列は、複数の取り得る基本ビット系列の中から発信元によって選択された基本ビット系列を符号化し、当該選択されて符号化された基本ビット系列を変調することによって取得される。取り得る基本ビット系列から取得することができる複数の取り得る被変調基本系列の各被変調基本系列は、固定点を有する。固定点は、各被変調基本系列内で同じ所定の位置を有すると共に各被変調基本系列内で同じ値を有する。
受信機Recは、
− 被変更シンボルを受信し、受信された被変調被変更系列を取り出し、
− 新たな値を取得するために、被変調基本系列の固定点に対応する位置における受信された被変調被変更系列の値の少なくとも一部を処理し、
− 少なくとも上記新たな値から、基本ビット系列及び追加ビット系列を求める。
【0055】
図2は、発信元によって転送される同期シンボルP1を構成するために用いられる、被変調基本系列の各固定点の値を開示している。
【0056】
これらの値は全ての取り得るP1系列について一定であり、これらは
図3に与えられるインデックスを有するサブキャリア上にマッピングされる。
【0057】
図3は、384個のアクティブキャリアの集合内におけるアクティブサブキャリアのインデックスの集合の一例を開示しており、それらには被変調基本系列の固定点が発信元によってマッピングされる。
【0058】
シンボルP1の固定点がマッピングされるアクティブサブキャリアのインデックスはindex_fixed(i)と呼ばれ、
図3において示される値を有する。これらのインデックスの番号付けは、1から開始される。
【0059】
図4は、発信元のアーキテクチャを表す図である。
【0060】
発信元Srctは、例えば、バス401によって互いに接続される構成要素と、プログラムによって制御されるプロセッサ400とに基づくアーキテクチャを有している。
【0061】
ここで、発信元Srctは、専用集積回路に基づくアーキテクチャを有することもできることに留意されたい。
【0062】
バス401は、プロセッサ400を、リードオンリーメモリROM402、ランダムアクセスメモリRAM403及び無線インターフェース405にリンクする。
【0063】
メモリ403は、
図8において開示されるようなプログラムの変数及び命令を受信するように意図されたレジスタを含む。
【0064】
プロセッサ400は、無線インターフェース405の動作を制御する。
【0065】
リードオンリーメモリ402は、発信元Srctが起動された際にランダムアクセスメモリ403に転送される、
図8において開示されるようなプログラムの命令を含む。
【0066】
無線インターフェース405は、本発明によるシンボルを転送する手段を備えている
。
【0067】
無線インターフェース405は、本発明による信号を転送又はブロードキャストするために用いられるアンテナAntsに接続されている。
【0068】
無線インターフェース405は、
図5において開示されるような構成要素を備えている。
【0069】
図5は、本発明による発信元の無線インターフェースの構成要素のブロック図を開示している。
【0070】
発信元Srctの無線インターフェース405は、P1シンボルによって搬送されるp個の基本ビットを誤り訂正符号によって符号化する、誤り訂正符号化モジュール500を備えている。
【0071】
誤り訂正モジュール500の出力は、基本コードワードの集合のうちのコードワードdを形成する+1/−1の2値系列に置き換えられ、当該系列を変調する差動変調モジュール502に与えられる。変調は、DBPSK、DQPSK、DAPSK、DPSK、又は任意の他の差動変調若しくは非差動変調とすることができる。結果として生成されるM長被変調基本系列xは、固定点変更モジュール504に供給される。
【0072】
発信元Srctの無線インターフェースは、p
3個の追加ビットを誤り訂正符号によって符号化する、誤り訂正符号化モジュール501を備えている。
【0073】
誤り訂正モジュール501の出力は、追加コードワードの集合のうちのコードワードd’を形成する+1/−1の2値系列に置き換えられ、当該系列を変調する差動変調モジュール503に与えられる。変調は、DBPSK、DQPSK、DAPSK、DPSK、又は任意の他の差動変調若しくは非差動変調とすることができる。結果として生成される被変調変更用系列zは、固定点変更モジュール504に供給される。
【0074】
追加ビット系列の長さp
3は、被変調変更用系列zが被変調基本系列xの固定点の数以下の長さを有するように選択される。p
3個の追加ビットを符号化するために用いられるコードワードの集合は、符号化率がp
3/長さ(d’)である任意のタイプの誤り訂正符号から得ることができる。
【0075】
固定点変更モジュール504は、被変調変更用系列zに従って、被変調基本系列xの固定点の一部又は全てを変更する。
【0076】
例えば、固定点変更モジュール504は、xの固定点の少なくとも一部の値に対して系列zの要素を乗算する。
【0077】
特定の場合には、被変調変更用系列zは被変調基本系列xの固定点の数に等しい長さを有し、固定点変更モジュール504は、被変調基本系列xの全ての固定点に対して変更用系列zの要素を乗算する。乗算は系列の要素ごとに行われる。
【0078】
p
3個の追加ビットを表すために用いられる
【数1】
個の被変調変更用系列の集合における第kの被変調変更用系列を、z
kによって表すものとする。
【0079】
本発明は、第lの被変調被変更系列x’
lを、被変調基本系列x
nによって表されるp個の基本ビットと、被変調変更用系列z
kによって表されるp
3個の追加ビットとによって構成される、p’=p+p
3個の情報ビットの送信に関連付ける。特定の例では、
【数2】
であると仮定することができる。
【0080】
新たな被変調被変更系列を得るために全ての固定点値が変更される場合、固定点変更モジュール504は、以下のように動作する。
− i=1...fpであるfp個のインデックスindex_fixed(i)について、
【数3】
− M−fp個の残りのインデックスj∈{1...M}\index_fixedについて、
【数4】
【0081】
結果として生成される系列x’
lは、スクランブルモジュール505によって、オプションでスクランブルをかけることができる。スクランブルをかけられた系列は、マッピングパターンモジュール507によって与えられる所与のサブキャリアマッピングパターンに従って、ゼロ挿入及びマッピングモジュール506によってM個のアクティブサブキャリア上にマッピングされる。
【0082】
IDFTモジュール508によって実行されるN点の逆離散フーリエ変換の後、送信に先立って、プレフィックス/ポストフィックス挿入モジュール509によって、プレフィックス及び/又はサフィックスを挿入することができる。
【0083】
図6は、本発明が実施される受信機のアーキテクチャを表す図である。
【0084】
受信機Recは、例えば、バス601によって互いに接続される構成要素と、
図9又は
図10において開示されるようなプログラムによって制御されるプロセッサ600とに基づくアーキテクチャを有している。
【0085】
ここで、受信機Recは、専用集積回路に基づくアーキテクチャを有することもできることに留意されたい。
【0086】
バス601は、プロセッサ600を、リードオンリーメモリROM602、ランダムアクセスメモリRAM603及び無線インターフェース605にリンクする。
【0087】
メモリ603は、
図9又は
図10において開示されるようなアルゴリズムに関連するプログラムの変数及び命令を受信するように意図されたレジスタを含む。
【0088】
プロセッサ600は、無線インターフェース605の動作を制御する。
【0089】
リードオンリーメモリ602は、受信機Recが起動される際にランダムアクセスメモリ603に転送される、
図9又は
図10において開示されるようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令を含む。
【0090】
無線インターフェース605は、発信元Srctによって転送又はブロードキャストされた無線信号を受信する手段を備えている。
【0091】
無線インターフェース605は、発信元Srctによって転送又はブロードキャストされた無線信号を受信するために用いられる少なくとも1つのアンテナAntに接続されている。
【0092】
無線インターフェース605は、
図7において開示される構成要素を備えている。
【0093】
図7は、受信機の無線インターフェースの構成要素のブロック図を開示している。
【0094】
受信機Recの無線インターフェース605は、同期を実行する時間及び周波数同期モジュール700を備えている。
【0095】
ここで、
図11を参照しながら後に開示されるように、同期によって時間及び/又は周波数誤差が発生する場合があることに留意されたい。
【0096】
受信機Recの無線インターフェース605は、同期した受信シンボルのプレフィックス及び/又はサフィックスを除去する、プレフィックス及び/又はポストフィックス除去モジュール701を備えている。
【0097】
受信機Recの無線インターフェース605は、プレフィックス及び/又はサフィックスが除去された受信シンボルに対して離散フーリエ変換を実行する、DFTモジュール702を備えている。
【0098】
受信機Recの無線インターフェース605は、サブキャリアデマッピング及びスクランブル解除モジュール703を備えている。サブキャリアデマッピング及びスクランブル解除モジュール703は、ガードサブキャリア及び未使用のサブキャリアを除去することによってDFTモジュール702の出力をデマッピングしてアクティブサブキャリアを取得し、その後、最終的なスクランブルを除去する
【0099】
このようにして、サブキャリアデマッピング及びスクランブル解除モジュール703は、所与のサブキャリアマッピングパターンに従ってアクティブサブキャリア上で転送されて受信された被変調被変更系列yのM個の要素を取り出す。差動変調が用いられる場合、サブキャリアデマッピング及びスクランブル解除モジュール703は、受信された被差動変調被変更シンボル系列を取り出す。
【0100】
受信機Recの無線インターフェース605は、デマッピング及びスクランブル解除モジュール703の出力を復号する、復号モジュール704を備えている。
【0101】
本発明によれば、復号モジュール705は、
図9又は
図10において開示されるようなアルゴリズムを実行する。
【0102】
図8は、本発明による、発信元によって実行されるアルゴリズムの一例を開示している。
【0103】
より厳密には、本アルゴリズムは、発信元Srctのプロセッサ400によって実行される。
【0104】
ステップS800において、プロセッサ400は、発信元Srctの無線インターフェース405に指示し、p個の基本ビットを誤り訂正符号によって符号化してコードワードdを取得すると共に、p
3個の追加ビットを前記p個の基本ビットを符号化するために用いられたのとは異なり得る誤り訂正符号によって符号化して追加コードワードd’を取得する。
【0105】
p
3個の追加ビットは、p個の基本ビットによって搬送される情報に対する追加情報を搬送する。これらの情報は、例えば、多入力多出力能力に関連するパラメータ、又は他のシステムパラメータ、例えばサイクリックプレフィックス長若しくは後続のデータフレームのDFTサイズ、既存の通信規格の拡張についてのパラメータ、又は他のシステム情報である。
【0106】
次のステップS801において、プロセッサ400は、無線インターフェース405に指示し、符号化された基本ビット及び符号化された追加ビットを変調する。
【0107】
例えば、差動変調が実行される。変調は、DBPSK、DQPSK、DAPSK、DPSK、又は任意の他の差動変調若しくは非差動変調とすることができる。
【0108】
被変調基本ビット系列は、xで表されるM長系列である。被変調変更用系列は、zで表される変更用系列であり、その長さは被変調基本系列xの固定点の数以下である。
【0109】
p
3個の追加ビットを符号化するために用いられるコードワードの集合は、符号化率がp
3/長さ(d’)である任意のタイプの誤り訂正符号から得ることができる。
【0110】
次のステップS802において、プロセッサ400は、無線インターフェース405に指示し、変更用系列zに従って、被変調基本系列xの固定点の少なくとも一部の値を変更する。
【0111】
変更は、例えば被変調基本系列xの固定点の値の少なくとも一部に対して、変更用系列zの要素を乗算することによって行うことができる。場合によっては、総和、パンクチャリング等の他のタイプの系列変更を利用することもできる。
【0112】
例えば、128個の固定点が存在する場合には、被変調基本系列xの最大でfp=128個の固定点に対して、変更用系列zの要素を乗算する。
【0113】
より具体的には、本例では、被変調基本系列xの全てのfp=128個の固定点に対して、変更用系列zの要素を乗算する。
【0114】
既に開示されているように、新たな被変調被変更系列を得るために、固定点変更モジュール504は、以下のように動作する。
− i=1...fpであるfp個のインデックスindex_fixed(i)について、
【数5】
− M−fp個の残りのインデックスj∈{1...M}\index_fixedについて、
【数6】
【0115】
ここで、この特定の例では、変更用系列zはfp個の要素から構成されることに留意されたい。変更用系列zがfp個未満の要素を有する場合には、系列xのfp個の固定点のうちの長さ(z)点の部分集合のみが変更される。
【0116】
次のステップS803において、プロセッサ400は、無線インターフェース405に指示し、結果として生成されたx’lにスクランブルをかける。
【0117】
ここで、一変形形態では、ステップS803は実行されず、プロセッサ400はステップS802からS804に移行することに留意されたい。
【0118】
次のステップS804において、プロセッサ400は、無線インターフェース405に指示し、結果として生成されたx’lを、所与のサブキャリアマッピングパターンに従ってマッピングする。
【0119】
次のステップS805において、プロセッサ400は、無線インターフェース405に指示し、N点の逆離散フーリエ変換を実行する。
【0120】
次のステップS806において、プロセッサ400は、無線インターフェース405に指示し、送信に先立ってプレフィックス及び/又はサフィックスを挿入する。
【0121】
図9は、本発明の第1の実現形態による、受信機によって実行されるアルゴリズムの一例を開示している。
【0122】
より厳密には、本アルゴリズムは、受信機Recのプロセッサ600によって実行される。
【0123】
本アルゴリズムは、取り得る被変調変更用系列ごとに:
− 被変調変更用系列、及び受信された被変調被変更系列の固定点に対応する位置における値の少なくとも一部から、新たな値を取得し、
− 上記新たな値、及び受信された被変調被変更系列の他の値から、関連するコスト関数値及び関連する基本ビット系列を求め、
そして、求められた最大のコスト関数値に関連付けられる基本ビット系列及び追加ビット系列を選択することによって、基本ビット系列及び追加系列が求められる。
【0124】
ステップS900において、プロセッサ600は、被変調基本系列xを変更するために発信元Srctによって用いることができる被変調変更用系列の集合
【数7】
の中から、1つの取り得る被変調変更用系列z
mを選択する。
【0125】
被変調基本系列を変更するために発信元Srctによって用いることができる被変調変更用系列の集合は、例えばRAMメモリ603に記憶されている。
【0126】
次のステップS901において、プロセッサ600は、無線インターフェース405に指示し、変更用系列の影響を補正する。
【0127】
例えば、被変調基本系列xの固定点と被変調変更用系列zとの乗算によって変更が行われた場合、プロセッサ600は、無線インターフェース405に指示し、
図3のサブキャリア上にマッピングされた値を、選択された被変調変更用系列z
mで割る。
【0128】
受信された被変調補正済み系列y
mは、受信された被変調被変更系列yにおいて、インデックスindex_fixedの集合によって示されるfp個のサンプルを補正することによって得ることができる。
【数8】
【0129】
ここで、変更用系列zはfp個の要素を有することに留意されたい。変更用系列zがfp個未満の要素を有する場合、被変調被変更シンボルの系列x’内の被変更要素と同じランク、すなわち発信元によって実効的に変更された被変調基本系列x内の固定点と同じランクを有する、受信された被変調被変更系列y内の長さ(z)点の部分集合のみが補正される。
【0130】
次のステップS902において、変更用系列z
mに関連付けられるp
3個の追加ビットが送信されたという仮定のもとで、受信された被変調補正済み系列y
mを復号し、被変調基本系列に対応するp個の送信された基本ビットを推定する。
【0131】
そのため、プロセッサ600は、無線インターフェース405に指示し、受信された被変調補正済み系列y
mを復号し、復号にコスト関数を関連付ける。
【0132】
ここで、コスト関数は、性能指数、又は信頼水準、又は効用関数、又は信頼性関数とも呼ばれる場合があることに留意されたい。
【0133】
これは、例えば、基本コードワードの集合の中から取り得るコードワードd
nごとに、コードワード当たりのコスト関数
【数9】
を計算することによって行うことができる。
【0134】
その際、変更用系列z
mに関連付けられるp
3個の追加ビットが送信された仮定のもとで、送信されたp個の基本ビットの集合がコードワードd
n(m)に対応し、それゆえ被変調系列x
n(m)の送信に対応すると判断される。ただし、
【数10】
である。
【0135】
変更用系列z
mに関連付けられるp
3個の追加ビットが送信された仮定のもとで、検出に関連付けられる条件付きコスト関数は、以下の通りである。
【数11】
【0136】
コードワード当たりの条件付きコスト関数Γ
nmy
mは、数多くのやり方で計算することができ、例えば条件付き確率
【数12】
=確率y
m|x
n、又はこの関数若しくは他のタイプの適切なコスト関数の近似とすることができる。
【0137】
次のステップS903において、発信元Srctによって用いられた被変調変更用系列が選択された被変調変更用系列z
mであるという仮定のもとで、プロセッサ600は、p個の検出された基本ビットを表す情報及び関連付けられる条件付きコスト関数Γ
mを表す情報を、RAMメモリ603に記憶する。
【0138】
次のステップS904において、プロセッサ600は、取り得る被変調変更用系列がそれぞれ選択されたか否かをチェックする。
【0139】
取り得る被変調変更用系列がそれぞれ選択された場合には、プロセッサ600はステップS906に進む。そうでない場合には、プロセッサ600はステップS905に進み、例えばmを1だけインクリメントすることによって別の被変調変更用系列を選択し、ステップS901に戻る。
【0140】
次のステップS906において、プロセッサ600は、記憶された条件付きコスト関数値の中から、最も高い値を有する値を選択する。
【0141】
次のステップS907において、プロセッサ600は、発信元Srctによって用いられた系列として、条件付きコスト関数が最も高い値を有する変更用系列を選択する。
【0142】
次のステップS908において、プロセッサ600は、ステップS906において求められた最も高い値を有する条件付きコスト関数に関連付けられる、ステップS903において記憶された基本ビットを選択する。
【0143】
図10は、本発明の第2の実現形態による、受信機によって実行されるアルゴリズムの一例を開示している。
【0144】
本アルゴリズムは、
− 受信された被変調被変更系列における被変調基本系列の固定点に対応する位置の値の少なくとも一部、及び被変調基本系列におけるそれらの対応する固定点の値から、一時的な値を取得し、
− 上記一時的な値から追加ビットを求め、
− 求められた追加ビットに対応する被変調変更用系列、及び受信された被変調被変更系列における固定点に対応する位置の値の少なくとも一部から、新たな値を取得し、
− 上記新たな値、及び受信された被変調被変更系列の他の値から、基本系列を求める。
【0145】
より詳細には、本アルゴリズムは、受信機Recのプロセッサ600によって実行される。
【0146】
ステップS1000において、プロセッサ600は、受信された被変調被変更系列yの要素の中から、発信元Srctによって変更された送信要素の受信に対応する要素の集合y’を識別する。
【0147】
y’を形成するyの要素は、
図3において与えられるインデックスのサブキャリア上で転送されたものである。
【0148】
それゆえ、y’を形成するyの要素は、受信された被変調被変更系列y内において、被変調被変更シンボルの系列x’内の被変更要素と同じランク、それゆえ発信元Srctによって実効的に変更された被変調基本系列x内の固定点と同じランクを有する。
【0149】
より厳密には、本例では、被変調基本系列xの全ての固定点が変更されたので、発信元Srctによって変更された送信要素の受信に対応する要素の集合y’は、
図3に列挙されたランクを有し、それゆえ、受信された被変調被変更系列yから以下のようにして得られる。
【数13】
【0150】
y’は、
図2において与えられる固定点Values_fixedの系列を、被変調変更用系列zを用いて変更することによって、発信元Srctにおいて得られた要素の受信バージョンを再編成する。
【0151】
被変調基本系列xの固定点の一部のみが発信元によって変更されるとき、y’は、同じ位置を有する要素の受信バージョンを、被変調変更用系列zを用いて発信元Srctにおいて変更された基本系列xの固定点として再編成する。
【0152】
次のステップS1001において、プロセッサ600は、無線インターフェース405に指示し、発信元Srctによって変更された要素の受信に対応する要素の集合y’から、被変調変更用系列zの受信バージョンz’を得る。
【0153】
それを果たすために、無線インターフェース405は、y’から、発信元Srctによって実効的に変更された固定点の元の値の影響を除去する。例えば、変更が乗算によって行われるとき、受信された被変調変更用系列z’は、発信元Srctによって変更された要素の受信に対応する要素の集合y’の要素を、被変更固定点の元の値で割ることによって得ることができる。
【0154】
本例では、fp個の全ての固定点が変更されたので、無線インターフェース405は、Values_fixed:
【数14】
の影響を除去する。
【0155】
次のステップS1002において、プロセッサ600は、無線インターフェース405に指示し、受信された変更用系列を復号し、それゆえp
3個の追加情報ビットを推定する。
【0156】
p
3個の追加ビットを推定するために、受信された変更用系列z’を復号することは、任意の適切な手段によって果たすことができる。
【0157】
これは、例えば、被変調基本系列xの固定点を変更するために発信元Srctによって用いることができる被変調変更用系列の集合
【数15】
の中から取り得る被変調変更用系列z
mごとに、受信された被変調変更用系列z’及び仮定された被変調変更用系列z
mに依存するコスト関数Γ
3,mz’を計算することによって果たすことができる。
【0158】
古典的には、この関数は、z’が受信されたことがわかっているとき、z
mを送信した確率に比例する。送信されたp
3個の追加ビットの集合は、変更用系列
【数16】
に対応する。
ただし、
【数17】
である。
【0159】
コスト関数Γ
3,mz’は数多くのやり方で計算することができ、例えば、条件付き確率Γ
3,mz’=確率(z’|z
m)、又は他のタイプの適切なコスト関数によって与えることができる。この確率は、例えば差動変調が利用されるシステムにおいて、差動復調後に求めることができる。
【0160】
p
3個の追加ビットの情報を表す復号された変更用系列は、最も高い条件付き確率を有する系列である。
【0161】
次のステップS1003において、プロセッサ600は、受信された被変調被変更系列yから、推定された変更用系列
【数18】
の影響を除去する。
【0162】
本例では、変更用系列はfp個の要素を有する。
【数19】
ただし、
【数20】
は復号された変更用系列である。
【0163】
変更用系列zがfp個未満の要素を有する場合、被変調被変更シンボルの系列x’内の被変更要素と同じランク、それゆえ発信元によって実効的に変更された被変調基本系列x内の固定点と同じランクを有する、受信された被変調被変更系列y内の長さ(z)点の部分集合のみが補正される。
【0164】
次のステップS1004において、プロセッサ600は、無線インターフェース405に指示し、受信された被変調補正済みシンボル
【数21】
の系列を復号する。変更の影響は除去されたので、
【数22】
はp個の基本ビットを表す情報を含み、古典的なP1シンボルを送信する場合と同様に復号することができる。
【0165】
図11は、本発明の特定の実現形態による、受信機の無線インターフェースの復号モジュールの構成要素のブロック図を開示している。
【0166】
図9のステップS902において、又は
図10のステップS1002及び/又はS1004において開示された実現形態の代わりに、特定の実現形態が実行される。
【0167】
以下において、ステップS902の代わりに実行される際の特定の実現形態が開示される。
【0168】
基本コードワードの集合の中のコードワードdから被変調基本系列xを取得すると共に、追加コードワードの集合の中のコードワードd’から被変調変更用系列zを取得するために、発信元Srctによって常に差動変調が用いられると仮定する。本発明は、zがfp個の点からなる長さを有し、変更が乗算によって果たされる場合において示される。
【0169】
特定の実現形態は、例えば受信機Recにおいて不完全なタイミング同期によって発生するタイミングオフセットに起因して生じるおそれがある、差動変調された受信シンボルの系列において生じる可能性がある位相ランプによって近似することができる位相ランプ誤差又は位相誤差を効率的に補正する。
【0170】
既に開示されているように、受信機Recの無線インターフェース605は、デマッピング及びスクランブル解除モジュール703の出力を復号する復号モジュール704を備えている。
【0171】
既に言及されているように、時間/周波数同期モジュール700は不完全であり、TOサンプルのタイミングオフセットが発生する。
【0173】
インデックスk
iの第iの有効サブキャリア上でのDFT及びサブキャリアデマッピングの後において(ただし、k
iは必ずしも連続的ではないか、又は等距離に分布していない)、サブキャリアデマッピング及びスクランブル解除モジュール703の出力における信号は、以下のように表すことができる。
【数23】
ただし、h
iは第iの有効キャリアに対応するチャネル伝達関数であり、η
iはそのサブキャリア上で受ける分散σ
2の雑音であり、y
iは受信された被変調被変更シンボルの要素であり、x
i’は被変調被変更系列の要素である。
【0174】
系列yは、例えば
図9において説明される手順に従って、復号器704によって復号される。
【0175】
ステップS900において、復号器704は、被変調変更用系列の集合
【数24】
の中から被変調変更用系列z
mを選択し、ステップS901において、復号器704は、この変更用系列の影響を除去して、受信された被変調補正済みシンボルの系列y
mを取得する。この系列は、被変調変更用系列z
mが用いられたとの仮定のもとで、以下の要素を有する。
【数25】
【0176】
被変調変更用系列z
mが用いられたとの仮定のもとで、差動復調モジュール704の出力における信号は、以下のように表すことができる。
【数26】
ただし、n
iは分散
【数27】
の等価雑音
【数28】
であり、ρ
i=|h
i|、ρ
i=|h
i|である。
【0177】
上記の式において、各コードワードdの初めの要素d
0=1は無視される。一般的な場合と同様に、差動変調前のコードワードd及び差動復調後の差動復調された系列rが、1からM−1までの番号を付されたM−1個の有効要素を有すると考える。要素d
0=1も考える必要があり、それゆえM個の要素を有するコードワードdの場合には、ダミー値r
0が挿入されなければならない。差動変調前のコードワードd及び差動復調後の差動復調された系列rは、同じ数の要素を有する必要がある。各要素r
iは、コードワードd内で、差動復調されたシンボルの系列r内の受信バージョンr
iと同じランクを有する要素d
iの受信バージョンである。
【0178】
タイミングオフセットが、復調された信号への位相ランプによって近似することができる位相誤差を発生させる。任意の復調されたシンボルが被る位相回転は、タイミングオフセットTOと、現在の被復調シンボルを推定できるようにする、差動変調されたシンボルを搬送するサブキャリア間の距離α
iとに依存する。α
iは、2つの連続的な差動変調されたシンボルがマッピングされるサブキャリア間の異なる距離を含むベクトルαの要素である。距離は、対応するサブキャリアインデックスの差であると理解される。
【0179】
本発明によれば、復号モジュール705は、位相ランプを補正するために構成される。
【0180】
対数尤度比判定基準から導出される判定基準が適用される。これは、グローバルコスト関数
【数29】
を最大化することを意味する。
【0181】
各コードワードd
nについて、復号モジュール705は、
【数30】
を達成する推定位相
【数31】
を見つける。
【0182】
DVB規格及びP1シンボルにおける特定の場合、d
nは、Sフィールド内に含まれるp=7個の情報ビットを符号化するために用いられる128個のコードワードの集合の中の第nのコードワードである。
【0183】
復号は
【数32】
を見つけることによって実行される。ただし、n
max(m)は、
【数33】
を確実にするインデックスである。
【0184】
コードワード当たりのコスト関数
【数34】
を最大にすることは、以下を最大にすることと等価である。
【数35】
【0185】
通信ネットワークはチャネル推定の実行されない差動変調を利用するので、項
【数36】
は最大化において無視される。その際、以下の式が成り立つ。
【数37】
【0186】
特定の実現形態によれば、αの要素α
iがA
k、k=1...Qで表されるQ個の異なる値をとるとき、本発明は差動復調されたシンボルのQ個のグループを形成し、各グループを別々に処理する。
【0187】
上記の式は、コードワード当たりの部分コスト関数の和として書き換えることができ、各部分コスト関数は、所与のサブキャリア距離に関連付けられる変調シンボルに対応する。
【数38】
【0188】
例えば、部分コスト関数
【数39】
は、第nのコードワードd
nを構成するそれらの変調シンボル
【数40】
、i∈I
3に対応し、またk=3ステップだけ隔てられた853個の有効サブキャリアの集合内における、インデックスk
i−1及びk
iのアクティブサブキャリアの380個の中の第i及び第i+1上にマッピングされる、受信された被差動変調シンボル
【数41】
から取り出すことができる、受信された被差動復調シンボル
【数42】
に対応する。上付き文字mは、被変調変更用系列z
mが用いられたという仮定を示している。
【0189】
第kのグループ内の識別された被差動復調シンボルr
iのインデックスiの集合は、I
kによって表される。
【0190】
各部分コスト関数の個別の最大化が実行される。上記で言及された式を、以下のように簡略化することができる。
【数43】
【0191】
したがって、以下を見つける必要がある。
【数44】
【0192】
この値を用いて、
【数45】
は以下の式に置き換えられる。
【数46】
【0193】
復号モジュール705は、dで表される送信シンボルを一括して復号し、本発明の特定の実現形態に従って位相ランプを補正する。
【0194】
復号器705は、抽出モジュール110を備えている。抽出モジュール110は、所与の距離だけ隔てられたアクティブサブキャリア上で転送される受信シンボルから得られる差動復調されたシンボルを抽出モジュール110が識別できるようにするテーブル111を用いて、差動復調シンボルのQ個のグループを形成する。
【0195】
図11及び以下の説明において、上付き文字mは一般性の理由から省略される。
【0196】
図9のステップS902において開示された実現形態の代わりに、特定の実現形態が実行されるとき、以下において、r
iは
【数47】
に置き換えられるべきである。
【0197】
図10のステップS1004において開示された実現形態の代わりに、特定の実現形態が実行されるとき、r
iは
【数48】
に置き換えられるべきである。
【0198】
図10のステップS1002において開示された実現形態の代わりに、特定の実現形態が実行されるとき、r
iは、受信された被変調変更用系列の差動復調されたバージョン、
【数49】
と理解されるべきであり、基本コードワードdの集合は、追加コードワードd’の集合に置き換えられるべきであり、結果として、p個の基本ビットはp
3個の追加ビットに置き換えられるべきである。また、この特定の場合に、以下において、アクティブサブキャリア及び全てのサブキャリア距離、インデックス及びインデックスのテーブルの概念は、被変更シンボルを搬送するサブキャリアに関してのみ、理解されるべきである。
【0199】
抽出モジュール110は、差動復調されたシンボルr
iのQ個のグループを識別する。各第kのグループは、q
k個の差動復調されたシンボルを有する。そのような差動復調されたシンボルr
iはそれぞれ、一定の距離A
k=k
i−k
i−1だけ隔てられた有効サブキャリアの空間内でインデックスk
i、k
i−1によって識別されるサブキャリア上で転送される受信シンボルy
i、y
i−1を組み合わせることによって得られる。
【0200】
復号器704は、2
p個の予備和計算モジュールを備えている。明確にするために、
図11には2つの予備和計算モジュール113及び117のみが示されている。
【0201】
予備和計算モジュール113は、コードワードテーブル112によって与えられるコードワードd
1を用いて、和
【数50】
を計算する。
【0202】
予備和計算モジュール117は、コードワードテーブル122によって与えられるコードワード
【数51】
を用いて、和
【数52】
を計算する。
【0203】
各予備和計算モジュール113、117は、Q個の部分コスト関数モジュールに、Q個のそれぞれの和を与える。
【0204】
明確にするために、
図11には4つの部分コスト関数モジュールのみが示されている。
【0205】
予備和計算モジュール113は、第1の和
【数53】
を、部分コスト関数モジュール114に与える。部分コスト関数モジュール114は、部分コスト関数
【数54】
を計算する。
【0206】
予備和計算モジュール113は、第Qの和
【数55】
を、部分コスト関数モジュール115に与える。部分コスト関数モジュール115は、部分コスト関数
【数56】
を計算する。
【0207】
予備和計算モジュール117は、第1の和
【数57】
を、部分コスト関数モジュール118に与える。部分コスト関数モジュール118は、部分コスト関数
【数58】
を計算する。
【0208】
予備和計算モジュール117は、第Qの和
【数59】
を部分コスト関数モジュール119に与え、部分コスト関数モジュール119は部分コスト関数
【数60】
を計算する。
【0209】
その後、既に識別された被差動復調シンボルのQ個のグループの第kのグループごとに、部分コスト関数が計算される。推定された共通位相シフトA
kφ
kはこのグループに対して局所的に補償されるので、この部分コスト関数は暗黙のうちに準最適なタイミングオフセット補償を含む。
【0210】
部分コスト関数モジュール114及び115は、計算された部分コスト関数をコードワード当たりコスト関数計算モジュール116に与える。モジュール116は、以下を計算する。
【数61】
【0211】
部分コスト関数モジュール118及び119は、計算された部分コスト関数をコードワード当たりコスト関数計算モジュール120に与える。モジュール120は、以下を計算する。
【数62】
【0212】
各部分コスト関数は最大化モジュール121に供給され、最大化モジュール121は
【数63】
を選択することによって、コードワード
【数64】
が送信されたことを判断する。
【0213】
当然のことながら、本発明の範囲から逸脱することなく、上述した本発明の実施形態に対して多くの変更を行うことができる。