(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
オートプレイで実行中のゲームの進行状況をプレイヤーに通知するゲーム制御装置において実行されるゲーム制御プログラムであって、前記ゲーム制御装置に、実行中のゲームのオートプレイのリクエストを受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップでオートプレイのリクエストを受け付けると、前記ゲームをオートプレイで実行する実行ステップと、
前記ゲームのオートプレイによる実行結果が所定の条件に合致すると、前記ゲームの進行状況の通知を出力する出力ステップと、
を実行させ、
前記実行ステップでは、前記出力ステップで通知を出力すると、前記プレイヤーの操作による前記ゲームのオートプレイの停止リクエストを受け付けなくても、前記ゲームのオートプレイによる実行を一時停止し、前記ゲームのオートプレイの再開リクエストを受け付けなくても、所定の時間の経過によって、前記ゲームのオートプレイによる実行を再開すること
を特徴とするゲーム制御プログラム。
前記出力ステップで通知を出力する所定の条件には、ゲームプログラムによって異なる第1の条件と、いずれのゲームプログラムにも共通の第2の条件が含まれていて、前記第1の条件は、選択されたゲームプログラムに応じて設定されること
を特徴とする請求項1記載のゲーム制御プログラム。
前記実行ステップにおけるゲームのオートプレイによる実行には、複数の実行パターンが選択可能であり、前記実行ステップでは、選択されたいずれかの実行パターンに応じて前記ゲームをオートプレイで実行すること
を特徴とする請求項1又は2記載のゲーム制御プログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1記載の発明では、オートプレイの実行中に「大当たり」等の所定の条件に合致すると、サーバから電子メールでプレイヤーにメッセージが送信される。そして、プレイヤーが端末で「変更」の操作を行うことによって、オートプレイからマニュアルプレイへの変更が可能になっており、これによって、プレイヤーは最初から自身が端末でゲームをプレイしていなくても、オートプレイに設定しておくことによって、有利な状況になったところからゲームを楽しめるという遊び方が可能になるものである。
【0006】
特許文献1には、「大当たり」等を電子メールで通知する際に、オートプレイで実行中のゲームが「大当たり」等の状態で一時停止するか否かは明記されていないが、一時停止せずにゲームが進行するとすれば、プレイヤーがマニュアルプレイに切り換えることを決断するまでの間にさらにゲームが進行し、プレイヤーに有利な状況が解消されてしまうおそれが生じることが問題になる。
【0007】
一方、ゲームの進行が一時停止するとしても、特許文献1記載の発明では、プレイヤーが「ゲーム継続」又は「ゲーム中止」のいずれかの選択操作を行わない限り、ゲームの進行は停止されたままの状態が続くことになるが(特許文献1の段落0028、
図12参照)、これではプレイヤーが操作を行わなくてもゲームが進行するオートプレイの意味をなさないことになってしまう。
【0008】
本発明は、このような課題に対応するためになされたものであり、オートプレイで実行中のゲームの進行状況をプレイヤーに通知する際のゲームの進行を制御するゲーム制御プログラム、ゲーム制御装置及びゲーム制御方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような課題を解決する本発明は、オートプレイで実行中のゲームの進行状況をプレイヤーに通知するゲーム制御装置において実行されるゲーム制御プログラムであって、前記ゲーム制御装置に、実行中のゲームのオートプレイのリクエストを受け付ける受付ステップと、前記受付ステップでオートプレイのリクエストを受け付けると、前記ゲームをオートプレイで実行する実行ステップと、前記ゲームのオートプレイによる実行結果が所定の条件に合致すると、前記ゲームの進行状況の通知を出力する出力ステップと、を実行させ、前記実行ステップでは、前記出力ステップで通知を出力すると、前記プレイヤーの操作による前記ゲームのオートプレイの停止リクエストを受け付けなくても、前記ゲームのオートプレイによる実行を一時停止し、
前記ゲームのオートプレイの再開リクエストを受け付けなくても、所定の時間の経過によって、前記ゲームのオートプレイによる実行を再開することを特徴とするゲーム制御プログラムである。
【0010】
本発明では、通知の送信とあわせてオートプレイを一時停止することによって、プレイヤー自身によるプレイを再開するまでの間にゲームの進行状況が変化して、プレイヤーに有利な状況が失われてしまうといった事態を回避することが可能になる。また、オートプレイの再開リクエストのみでなく、所定の時間の経過をトリガとしてもオートプレイの実行が再開されるため、通知を受けたプレイヤーが操作をできない状況にある場合であっても、そのままオートプレイを継続することが可能になる。
【0011】
また、本発明は、前記出力ステップで通知を出力する所定の条件には、ゲームプログラムによって異なる第1の条件と、いずれのゲームプログラムにも共通の第2の条件が含まれていて、前記第1の条件は、選択されたゲームプログラムに応じて設定されることを特徴とすることもできる。
【0012】
上記の要件によって、得点の累積や時間の経過といったゲームの種類に依存せずに共通の条件として設定可能な通知条件の他に、ゲームによって異なるプレイヤーに有利な条件の発生などに関する通知条件を、プレイヤーが選択したゲームに応じて設定することができるので、オートプレイが進行中のプレイヤーに、プレイしているゲームに応じた通知を送信することが可能になる。
【0013】
さらに、本発明は、前記実行ステップにおけるゲームのオートプレイによる実行には、複数の実行パターンが選択可能であり、前記実行ステップでは、選択されたいずれかの実行パターンに応じて前記ゲームをオートプレイで実行することを特徴としてもよい。
【0014】
上記の要件によって、プレイヤーはゲームサーバ側に完全に依存したオートプレイを実行するだけでなく、プレイヤーが実行パターンを選択可能とすることによって、プレイヤーの意思も反映したオートプレイが実行できることになる。
【0015】
さらに、本発明は、前記受付ステップでは、プレイヤーが操作するプレイヤー端末において実行中のゲームのセーブデータを含む前記ゲームのオートプレイのリクエストを、前記プレイヤー端末からネットワーク経由で受け付け、前記実行ステップでは、前記受付ステップで受け付けたセーブデータを用いて前記ゲームをオートプレイで実行し、前記出力ステップでは、前記通知をネットワーク経由で送信して前記プレイヤー端末に出力させることを特徴としてもよい。
【0016】
上記の要件によって、プレイヤーはスマートフォンなどのプレイヤー端末でゲームをプレイし、オートプレイはプレイヤー端末とネットワークを介して接続されたサーバで実行される構成においても、本発明を適用することが可能になる。
【0017】
本発明は、本発明に係るゲーム制御プログラムを備えるゲーム制御装置として特定することもできる。
【0018】
本発明に係るゲーム制御装置は、オートプレイで実行中のゲームの進行状況をプレイヤーに通知するゲーム制御装置であって、実行中のゲームのオートプレイのリクエストを受け付ける受付手段と、前記受付手段がオートプレイのリクエストを受け付けると、前記ゲームをオートプレイで実行する実行手段と、前記ゲームのオートプレイによる実行結果が所定の条件に合致すると、前記ゲームの進行状況の通知を出力する出力手段と、を備えていて、前記実行手段は、前記出力手段が通知を出力すると、前記プレイヤーの操作による前記ゲームのオートプレイの停止リクエストを受け付けなくても、前記ゲームのオートプレイによる実行を一時停止し、
前記ゲームのオートプレイの再開リクエストを受け付けなくても、所定の時間の経過によって、前記ゲームのオートプレイによる実行を再開することを特徴とするゲーム制御装置である。
【0019】
また、本発明に係るゲーム制御装置は、先に説明した各々の態様の本発明に係るゲーム制御プログラムを備えるゲーム制御装置として特定することもできる。
【0020】
本発明は、本発明に係るゲーム制御プログラムによって実行されるゲーム制御方法として特定することもできる。
【0021】
本発明に係るゲーム制御方法は、オートプレイで実行中のゲームの進行状況をプレイヤーに通知するゲーム制御装置によって実行されるゲーム制御方法であって、前記ゲーム制御装置が、実行中のゲームのオートプレイのリクエストを受け付ける受付ステップと、前記ゲーム制御装置が、前記受付ステップでオートプレイのリクエストを受け付けると、前記ゲームをオートプレイで実行する実行ステップと、前記ゲーム制御装置が、前記ゲームのオートプレイによる実行結果が所定の条件に合致すると、前記ゲームの進行状況の通知を出力する出力ステップと、を有していて、前記ゲーム制御装置は、前記実行ステップでは、前記出力ステップで通知を出力すると、前記プレイヤーの操作による前記ゲームのオートプレイの停止リクエストを受け付けなくても、前記ゲームのオートプレイによる実行を一時停止し、
前記ゲームのオートプレイの再開リクエストを受け付けなくても、所定の時間の経過によって、前記ゲームのオートプレイによる実行を再開することを特徴とするゲーム制御方法である。
【0022】
また、本発明に係るゲーム制御方法は、先に説明した各々の態様の本発明に係るゲーム制御プログラムによって実行されるゲーム制御方法として特定することもできる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によると、通知を受けたプレイヤーが自身によるプレイを再開するまでの間にゲームの進行状況が変化して、プレイヤーに有利な状況が失われてしまうといった事態を回避することが可能になるとともに、通知を受けたプレイヤーが操作をできない状況にある場合であっても、そのままオートプレイを継続することが可能になる。こうしたオートプレイ機能を有するゲームの進行を制御する仕組みは、パチンコやパチスロのように、プレイヤーが長時間にわたってプレイを継続することが多いゲームに、特に好適である。
【0024】
また、本発明は、プレイしているゲームに応じた通知を送信することができる、オートプレイにもプレイヤーの意思を反映することができるなど、オートプレイの利便性を様々な面で高めることにも資するものである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明を実施するための形態について、図面を用いて以下に詳細に説明する。尚、以下の説明では、本発明をパチスロゲームに適用する例について、
図1−8を用いて、プレイヤーがプレイヤー端末でゲームをプレイしてオートプレイはゲームサーバで実行する第1の実施形態について、
図9−10を用いて、プレイヤーがプレイするゲーム装置でオートプレイも実行する第2の実施形態について説明するが、これらは本発明の実施形態を例示したものであって、ゲームの種類、通知条件、ゲームサーバやゲーム装置でのオートプレイの継続方法などの実施形態は、ここに示した例に限定されるものではない。
【0027】
図1は、本発明の第1の実施形態の概要を示している。本発明の第1の実施形態におけるゲームサーバは、プレイヤーがゲームをプレイするスマートフォンなどのプレイヤー端末からインターネットを介して接続可能なサーバコンピュータであり、プレイヤー端末とゲームサーバには同じゲームをプレイすることが可能なゲームプログラム(同じゲームプログラムか、相互の実行環境に応じたカスタマイズ等による差異を有する相互に関連するゲームプログラム)が備えられている。
【0028】
プレイヤー自身がゲームをプレイする際には、プレイヤー端末でゲームプログラムが実行され、プレイヤーがゲームの操作を一旦中断するためにオートプレイに切り換えると、ゲームサーバでゲームプログラムが実行される。プレイヤー自身によるプレイとゲームサーバでのオートプレイを切り換える際には、プレイヤー端末とゲームサーバの間で、その時点の状況に対応するゲームのセーブデータが受け渡され、ゲームの継続が可能となっている。
【0029】
また、ゲームサーバでのオートプレイとなっている間に、プレイヤーに有利な状況が発生したり、一定の状況が進行したりすると、ゲームサーバからプレイヤー端末にプッシュ型の通知が送信される。プレイヤーはゲームの進行状況やその変化を知ることができるので、ゲームサーバからセーブデータを受け取って、再びプレイヤー自身によるプレイに切り換えることが可能である。
【0030】
図2は、本発明の第1の実施形態におけるゲームサーバでのオートプレイ進行の流れを示している。プレイヤー端末でゲームプログラムを起動してゲームをプレイしていたプレイヤーが、オートプレイに移行するための所定の操作を行うと、移行時点におけるゲームのセーブデータがゲームサーバに送信され、ゲームサーバ側の同じゲームをプレイすることが可能なゲームプログラムが起動されて、受信したセーブデータによって再現された状況から、オートプレイでゲームが再開される。ゲームサーバでオートプレイが実行されている間は、プレイヤーはプレイヤー端末に別アプリを起動して他の操作を行っていてもよいし、プレイヤー端末の操作をしばらく中断することとしてもよい。
【0031】
ゲームサーバでオートプレイを実行中に、ゲームの進行がプレイヤーに有利な状況に変化する、いわゆる「アツい状況」に突入すると、ゲームサーバからプレイヤー端末にプッシュ通知が送信される。通知の具体的な方法は特に限定されるものではないが、例えば、一般的なスマートフォンが備えているプッシュ通知の機能を用いることとすればよい。
【0032】
ここで本発明では、プッシュ通知の送信とあわせて、ゲームサーバでのオートプレイを一時的に停止する。これによって、プレイヤーがゲームの進行状況の変化を知ってプレイヤー自身によるプレイに切り換えるまでの間に、さらにゲームが進行して「アツい状況」が解消されてしまうといった事態を回避することが可能になる。
【0033】
プレイヤーがプレイヤー自身によるプレイを再開するための操作を行うと、ゲームサーバからプレイヤー端末にセーブデータが送信され、このセーブデータを用いてプレイヤー端末のゲームプログラムを起動することによって、プレイヤーは「アツい状況」からプレイを再開することができる。プッシュ通知が送信されたものの、プレイヤー自身がプレイを再開できる状況にないような場合には、プレイヤーがオートプレイを再開するための操作を行うか、何ら操作を行わずに一定時間放置することによって、ゲームサーバではゲームのオートプレイが再開されることになる。
【0034】
図3は、本発明の第1の実施形態におけるゲームサーバの構成の一例を示している。ゲームサーバ10は、インターネットに接続された、プレイヤー端末20とのデータの交信が可能なサーバコンピュータである。ゲームサーバ10を構成するコンピュータの物理的な構成は特に限定されるものではなく、一のコンピュータの全部又は一部の機能として構成されるものであってもよいし、複数のコンピュータに備えられる機能により構成されるものであってもよい。
【0035】
ゲームサーバ10は、CPU、メインメモリ、HDD等の補助記憶装置を備えていて、所定の機能を実現するために、HDD等の補助記憶装置に格納された各々の機能に対応するアプリケーションプログラムをメインメモリ等に読み出し、メインメモリ等をワーキングエリアとして機能させながら、CPUで演算処理を実行する。
【0036】
ゲームサーバ10には、ゲーム制御部11、ゲーム実行部12、リクエスト受付部13、通知送信部14が備えられるが、これらの各部はいずれも機能的に特定されるものであって、各々の機能は、HDD等の補助記憶装置に格納された各々の機能に対応するアプリケーションプログラムをメインメモリ等に読み出し、メインメモリ等をワーキングエリアとして機能させながら、CPUで演算処理を実行することによって実現されるものである。また、ゲームサーバ10に設けられる通知条件記憶部15には、HDD等の補助記憶装置の所定の記憶領域が割り当てられる。
【0037】
プレイヤー端末20には、インターネットに接続可能なスマートフォン、タブレット型コンピュータ、ゲーム専用機、パーソナルコンピュータなどのネットワーク端末が用いられる。プレイヤー端末20のゲーム実行部21も機能的に特定されるものであって、HDDやSSD等の補助記憶装置に格納されたゲームプログラムをメインメモリ等に読み出し、メインメモリ等をワーキングエリアとして機能させながら、CPUで演算処理を実行することによって実現されるが、ここでゲームサーバ10のゲーム実行部12とプレイヤー端末20のゲーム実行部21では、同じゲームをプレイすることが可能なゲームプログラムが実行されることになる。
【0038】
尚、プレイヤー端末20のゲーム実行部21において実行されるゲームプログラムは、プレイヤー端末20がインターネットに接続できない環境下でもゲームをプレイできるように、あらかじめプレイヤー端末20にインストールしておくことが好ましいが、ゲームの開始時にゲームサーバ10からゲームプログラムを呼び出して、プレイヤー端末20で実行するよう構成することとしてもよい。
【0039】
以上の構成を前提として、
図4のフローチャートを用いて、本発明の第1の実施形態におけるゲームサーバによって実行される、オートプレイの処理フローについて説明する。ここでは継続してスロットを打つパチスロゲームをプレイする例について説明するが、本発明において実行するゲームは、パチスロゲームに限定されるものではない。
【0040】
プレイヤー端末20でゲーム実行部21を起動し、プレイヤー自身でゲームをプレイしていたプレイヤーが、オートプレイに移行するための操作を行うと、ゲームサーバ10にオートプレイを開始するリクエストが送信される。ゲームサーバ10でのオートプレイの際には、プレイヤーがゲームを中断した状況からゲームを引き継げるように、オートプレイへの移行操作を行った時点でのゲームのセーブデータも、あわせてゲームサーバ10に送信される。
【0041】
リクエスト受付部13でオートプレイを開始するリクエストを受信したゲームサーバ10では、ゲーム制御部11が起動されて、
図4のフローチャートに示したフローに従って、所定の処理を実行する。まず、オートプレイの間にプレイヤーにプッシュ通知を送信するための通知条件を設定して(S01)、通知条件記憶部15に記憶させる。
【0042】
図6は、設定される通知条件の一例を示したものであるが、ここには、ゲームの進行中におけるプレイヤーに有利な状況などのパチスロの機種毎、すなわち、ゲームプログラムの種類毎に設定できる条件と、コイン等の獲得枚数やゲームのプレイ回数、閉店(ゲーム終了)までの残り時間などのパチスロの全機種共通、すなわち、全てのゲームプログラムに共通して設定される条件を含むことができる。
【0043】
パチスロゲームでは、リアルなパチスロホールを模した仮想のホールが設けられ、プレイヤーはその中から自らがプレイしたい機種の台を選んで、ゲームをプレイするよう設計されていることが多い。こうした場合には、プレイヤーが通知を受けたい自らに有利な状況である「アツい状況」は、パチスロの機種、すなわち、ゲームプログラムの種類によって異なるため、こうした条件は機種毎(ゲームプログラムの種類毎)に選択されることとして、プレイヤー端末20から選択された機種(ゲームプログラムの種類)に対応する通知条件を設定して、通知条件記憶部15に記憶させる。その他の全機種(全てのゲームプログラム)に共通する通知条件は、あらかじめ設定され通知条件記憶部15に記憶されている。
【0044】
通知条件が設定されると、ゲームプログラムを実行するゲーム実行部12にリクエストを行うタイミング(オートプレイのリクエスト受信時に通知条件とあわせて設定すればよい)まで待機し、リクエストのタイミングが到来すると(S02)、ゲーム実行部12に抽選リクエストを行う(S03)。抽選リクエストとは、所定の時間内においてパチスロを打った結果(抽選結果)を一括してリクエストするもので、抽選リクエストを受けたゲーム実行部12では、所定の時間内にパチスロを打つ結果の演算処理を一括して行う一括抽選を実行し、一括抽選の実行結果をレスポンスとしてゲーム制御部11に返す。一回の抽選毎に抽選リクエストを行うこととしてもよいが、データ処理の効率性を考えるとこのような一括抽選方式が好ましい。
【0045】
また、この抽選リクエストの方法にプレイヤーが選択可能な複数の実行パターンを設けることとして、プレイヤー端末20から選択された実行パターンに応じてゲーム実行部12で抽選処理を実行することとしてもよい。例えば、仮想ホールでパチスロをプレイしているプレイヤーが、しばらくの間は他のプレイヤーに代理で打ってもらうというシーンを設定して、代理で打つ候補者を複数名表示し、その中からプレイヤーが選択した候補者に対応する実行パターンに応じた抽選リクエストを行うこととすれば、「誰に代わりに打ってもらうか」といったプレイヤーの意思が反映されたオートプレイを提供することが可能になる。
【0046】
ゲーム実行部12からのレスポンスを受け付けると(S04)、レスポンスに含まれる一括抽選結果を保持し、その一括抽選結果からプレイヤー端末20へのプッシュ通知が必要なタイミングがあるかを判断する(S05)。プッシュ通知が必要なタイミングがない場合には、次の抽選リクエストのタイミングを設定して(S06)、設定したタイミングが到来するまで待機する(S02)。プッシュ通知が必要なタイミングがあれば、そのタイミングで通知送信部14を起動して、プレイヤー端末20にプッシュ通知を送信する(S07)。
【0047】
図5のフローチャートは、一括抽選結果からプッシュ通知が必要なタイミングがあるかを判断する処理フローの詳細の一例を示している。
図6によって、プッシュ通知を送信する通知条件に、パチスロの機種毎(ゲームプログラムの種類毎)に設定できる条件と、パチスロの全機種共通(全てのゲームプログラムに共通)で設定されている条件を含むことができることを説明したが、そのような通知条件が設定されて、通知条件記憶部15に記憶されていることを前提とする。
【0048】
前者については、各々のゲームプログラムにおいて通知が必要な「アツい状況」を示す停止状態IDをゲームプログラム毎に登録しておき、レスポンスにプレイヤーがプレイしているゲームプログラムに対応する停止状態IDが含まれている場合には(S051)、プレイヤー端末20にプッシュ通知を送信する(S07)。停止状態IDが含まれていなくても、レスポンスの実行結果を最新のコイン等の獲得枚数やゲームのプレイ回数などに反映して、それらが後者の全てのゲームプログラムに共通の通知条件に合致する場合には(S052)、プレイヤー端末20にプッシュ通知を送信する(S07)。
【0049】
プッシュ通知を送信すると、次の抽選リクエストのタイミングを設定するが(S08)、ここで設定する次の抽選リクエストまでの間隔に、S06で設定したプッシュ通知を送信しない場合の次の抽選リクエストまでの間隔(例えば5分)に比べて、長い時間(例えば15分)を設定することによって、オートプレイの実行を実質的に一時停止することができる。
【0050】
このようにして、プッシュ通知を送信した場合には、プッシュ通知を送信しない場合より長い時間、次のゲーム実行部12への抽選リクエストを待機することになるが、逆に言えば、プッシュ通知を受信したプレイヤーが何ら操作を行わず一定の時間が経過した場合は、オートプレイが再開されることになる。
【0051】
こうした次の抽選リクエストまでの待機が、オートプレイの終了時刻が到来するまで(S09)継続されるが、その間にプレイヤーがプレイヤー端末20で、プレイヤー自身によるプレイを再開する選択操作(
図7や
図8の「自分で打つ」ボタンの押下等)が行われると(S10)、リクエスト受付部13でプレイヤー自身によるプレイの再開リクエストを受信して、ゲーム実行部12において進行しているゲームの進行状況をそのままプレイヤー端末20で引き継げるように、オートプレイを実行中のゲームのセーブデータをプレイヤー端末20に送信する(S11)。
【0052】
プレイヤー自身によるプレイを再開する選択操作は行われず、ゲームサーバ10によるオートプレイを再開する選択操作(
図7や
図8の「いますぐ再開」ボタンの押下等)が行われると、リクエスト受付部13でオートプレイの再開リクエストを受信し、次の抽選リクエストのタイミングを設定して(S13)、設定したタイミングが到来するまで待機する(S02)。ここで設定する次の抽選リクエストまでの間隔には、S06で設定したプッシュ通知を送信しない場合の次の抽選リクエストまでの間隔(先の例であれば5分)を採用することとすれば、プッシュ通知を送信して実質的にオートプレイが一時停止した状態であっても、オートプレイを進行中の状態に復帰させて再開することができる。
【0053】
図7、
図8は、それぞれゲームサーバ10によるオートプレイが進行中、プッシュ通知が送信されてオートプレイが一時停止中における、プレイヤー端末20で表示可能なオートプレイのメニュー画面の一例を示したものである。これらの画面は所定の操作で呼び出すことができて、各々の画面には、プレイヤー自身によるプレイを再開する際に選択するボタン(自分で打つ)とオートプレイを再開する際に選択するボタン(いますぐ再開)が設けられているが、オートプレイの進行中にオートプレイを再開する必要は生じないので、オートプレイが進行中のメニュー画面にはオートプレイを再開する際に選択するボタン(いますぐ再開)は表示されない。
【0054】
図9は、本発明の第2の実施形態におけるゲーム装置でのオートプレイ進行の流れを示している。第2の実施形態では、オートプレイが、プレイヤーがゲームをプレイするゲーム装置とインターネットを介して接続されたゲームザーバではなく、プレイヤーが操作するゲーム装置において実行されることになるが、それ以外の流れは第1の実施形態と同様である。オートプレイは、ネットワークで接続されたゲームサーバではなく、プレイヤーが操作するゲーム装置のバックグラウンドで実行されることになる。
【0055】
そのため、オートプレイを実行中にゲームの進行がプレイヤーに有利な状況に変化する、いわゆる「アツい状況」に突入すると、インターネット経由でプッシュ通知が送信されるのではなく、ゲーム装置のディスプレイに状況の変化を通知する画面が出力されることになる。
【0056】
図10は、本発明の第2の実施形態におけるゲーム装置の構成の一例を示している。ここでゲーム装置30には、スマートフォンやタブレット端末、ゲーム専用機やパーソナルコンピュータなどを用いることとすればよいが、プレイヤー自身によるゲームのプレイとオートプレイはいずれもゲーム装置30に備えられたゲームプログラムによって行われるため、インターネット等のネットワークに接続されることは必ずしも必要とはならない。
【0057】
ゲーム装置30のハードウェアの構成や、ゲーム制御部31、ゲーム実行部32、リクエスト受付部33、通知出力部34、通知条件記憶部35の各部の構成や機能は、いずれも基本的には第1の実施形態におけるゲームサーバ10の場合と同様である。但し、第2の実施形態では、第1の実施形態では、プレイヤー端末20からゲームサーバ10にオートプレイの開始や再開のリクエスト、プレイヤー自身によるプレイに切り換えるリクエストを送信するための操作や、通知等の操作画面への出力は、ゲーム装置30の一部を構成するタッチパネル等の入出力装置40において行われることになる。
【0058】
第1の実施形態について、
図4と
図5を用いて説明したゲームサーバによるオートプレイの処理フローも、第2の実施形態では、ゲームサーバ10をゲーム装置30に、プレイヤー端末20を入出力装置40に置き換えることによって、プレイヤー端末20とインターネットを介してデータの送受信を行うか、入出力装置40との間でデータの入出力を行うかといった差異は有するものの、基本的には同様の処理フローを適用することが可能である。
【0059】
尚、第2の実施形態について、
図9と
図10では、プレイヤーが操作するゲーム装置30でゲームが実行される構成を例示したが、同様に、プレイヤー自身によるプレイとオートプレイを同じコンピュータに備えられるゲームプログラムで実行する実施形態としては、プレイヤーがスマートフォンなどのネットワーク端末からインターネットを介してゲームサーバに接続し、プレイヤー自身によるプレイとオートプレイがいずれもゲームサーバに備えられるゲームプログラムによって実行されるケースにも、本発明を適用することが可能である。