(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6161714
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】3次元の物体の直線寸法を制御する方法
(51)【国際特許分類】
G01B 11/00 20060101AFI20170703BHJP
G01B 11/25 20060101ALI20170703BHJP
【FI】
G01B11/00 A
G01B11/25 H
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-541737(P2015-541737)
(86)(22)【出願日】2012年11月7日
(65)【公表番号】特表2015-534091(P2015-534091A)
(43)【公表日】2015年11月26日
(86)【国際出願番号】RU2012000909
(87)【国際公開番号】WO2014074003
(87)【国際公開日】20140515
【審査請求日】2015年10月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】515121542
【氏名又は名称】アルテック・ヨーロッパ・ソシエテ・ア・レスポンサビリテ・リミテ
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100118083
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 孝美
(72)【発明者】
【氏名】クリモフ,アンドレイ・ウラジミロヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ロマキン,アレクサンドル・ゲオルギエヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】スホヴェイ,セルゲイ・ウラジミロヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】グーセフ,グレブ・アレクサンドロヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ユーヒン,アルテム・レオニードヴィッチ
【審査官】
岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−003367(JP,A)
【文献】
特開2007−093412(JP,A)
【文献】
特開2002−156209(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0169095(US,A1)
【文献】
特許第3781438(JP,B2)
【文献】
米国特許第05307151(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00−11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造化された背面照射を使用して、制御される物体の3D測定を行う方法であって、長手方向軸の1つに沿って少なくとも2つの交差しない線を有する所定の画像を、前記制御される物体上へ投影するステップと、投影ユニットから異なる距離をあけて設置された少なくとも2つのカメラを使用して、前記投影ユニットの中心ビームと前記カメラの中心ビームとの間に異なる三角測量角度を形成し、前記投影ユニットによって放出されて前記物体から反射した光を記録するステップと、その後、前記投影ユニットによって投影されて各カメラが受け取った前記反射光によって形成される各線を、前記カメラが受け取った前記線の座標を比較することによって識別し、前記投影ユニットの前記中心ビームと前記投影ユニットから最小の距離をあけて配置された第1のカメラの前記中心ビームとの間の前記三角測量角度が、投影される帯域間の距離とこのカメラのレンズの焦点深度との間の比の逆正接に等しくなるように選択されるステップと、前記第1のカメラからの画像内で、線中心の長手方向座標および垂直座標を、長手方向座標を前記投影ユニットの前記中心ビームと前記第1のカメラの前記中心ビームとの間の前記三角測量角度の正接で割った商として判定するステップと、前記垂直座標を調整するために前記第1のカメラより大きい三角測量角度で配置された第2のカメラを使用して得られた垂直座標値を使用するステップとからなり、したがって、前記第2のカメラからの画像内で、同じ線の位置が、前記第1のカメラを使用して判定された前記垂直座標に、前記第2のカメラの三角測量角度の正接を掛けた積として計算される長手方向座標に最も近いと識別され、その後、前記長手方向座標および垂直座標の調整された値が、これらの線に対して判定される、方法。
【請求項2】
前記第1のカメラからの前記画像上の前記線中心の前記長手方向座標を、前記画像の幅全体にわたって最も明るい画素をとることによって判定することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記カメラと前記投影ユニットとの間の距離を、前記投影ユニットから前記投影ユニットおよび前記カメラの前記中心ビームの交点までの距離に、前記投影ユニットの前記中心ビームと前記カメラの前記中心ビームとの間の前記三角測量角度の正接を掛けた積として選択することを特徴とする、請求項1および2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
第3のカメラ、第4のカメラ、および後続のカメラを使用して得られる垂直座標値が、前記垂直座標をさらに調整するために使用されることを特徴とする、請求項1、2に記載の方法。
【請求項5】
前記投影ユニットの片側に前記カメラを配置することを特徴とする、請求項1、2、4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記投影ユニットの2つの側に前記カメラを配置することを特徴とする、請求項1、2、4のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
コンピュータプロセッサを使用して前記座標を測定および判定し、3D画像がコンピュータディスプレイへ出力されることを特徴とする、請求項1、2、4のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定器に関し、様々な三角測量角度で既知の投影パターンを観察することによって、3次元の物体の輪郭の十分な精度の3D測定および表示に使用することができる。
【背景技術】
【0002】
3つの座標に基づいて3次元の物体の直線寸法を制御する周知の方法は、制御される物体の表面上に、空間強度の変調を特徴とする光ビームを投影することによって、制御される物体の表面上にプロービングで構造化された背面照射を形成するステップと、制御される物体の表面トポグラフィによって歪んだプロービング背面光パターンの画像を登録し、デジタル電子コンピュータがプロービング背面照射パターンの歪み値に基づいてトポグラフィの高さを測定することで、制御される物体の表面トポグラフィの高さを判定するステップと、登録された画像内の背面照射パターンの歪みの位置に基づいて他の2つの座標を計算するステップとからなる(WO99/58930)。
【0003】
この周知の方法の欠点は、変動のない正常な構造を有する透明フィルタを通って座標の1つに沿って変調された光学放射が、制御される物体表面に誘導されるとき、表面および深い凹部の反射特性が異なることによって引き起こされる画像の歪みを事前に予見または考慮することが不可能であることによって、誤り率が高くなることである。表面および深い凹部は、制御される物体表面のマクロ構造に関する何らかの事前情報がなければ識別することができない。
【0004】
従来の技法は、3つのデカルト座標に基づいて3次元の物体の直線寸法を制御する方法およびそれを実施するデバイスを含む。この方法は、座標の1つに沿ってプロービング光学放射強度の空間変調によって生じさせた多色帯系を投影することからなる。このシステムは、交互の帯域を特徴とし、構造化された背面照射を生じさせる。その結果、制御される物体表面のうち光検出器の視野内にある部分全体と、その表面上に「重畳」される構造化された背面照射の歪んだ画像とが、1つのフレーム内に記録される。制御される寸法は、帯域セットの画像が歪んでいる程度およびデカルト系内の帯域の位置に基づいて評価される(WO00/70303)。
【0005】
従来使用されている方法およびそれを使用するデバイスの制限は、制御される物体表面の輪郭もしくは貫通孔によって、または制御される物体表面の一部の領域の色に応じてスペクトル反射値が低くなることによって、歪んだ帯域の画像内で、間隙を明瞭に解釈することが不可能になることに関係して、精度が不十分になることである。制御される物体が、局所的な構成要素の全体、たとえば1組のタービン羽根である場合、上記の方法を使用してそのような物体のトポロジを復元し、その後、その物体の直線寸法を制御することは不可能である。
【0006】
表面形状の光学測定のための従来使用されている方法は、その表面を光学投影システムの照射範囲内に配置すると同時にデバイスの視野内に配置して、上記表面の画像を記録するステップと、上記の投影光学システムを使用して、光束の既知の構造を有する1組の画像を、測定される表面に投影するステップと、画像セット投影角度とは異なる角度で観察された表面の1組の対応する画像を記録するステップと、記録された画像に基づいて測定される表面の形状を判定するステップとを伴う。この場合、光強度の少なくとも3つの周期的分布が上記の表面へ交互に投影され、これらの分布は、正弦曲線の原理に従って強度が横方向に変動する1組の帯域であり、この1組の帯域が、これらの帯域に対して直角の方向に、1帯域内で制御された1つの値だけシフトすることに関して異なり、記録された画像は、表面上の点に対応する位相を含む予備位相分布を受け取るように処理される。さらに、光強度の相補型の分布が、上記の表面上に瞬間的に投影され、上記の表面の各点に対する上記の1組の帯域からの帯域の数を判定することが可能になり、上記の表面の追加の画像が記録され、その結果生じる位相分布は、予備位相分布によって照射された物体の上記の画像および相補型位相分布によって照射された物体の上記の画像に基づいて、上記の表面の各可視点に対して得られる。また、上記の結果生じる位相分布に基づいて、予備較正データを使用して、上記の表面点の絶対座標が得られる。上記の方法を使用して測定が実行されるときは、投影ユニットによって放出される直接ビームのみで照射されるとき、これらの条件下で表面の各点の画像が記録されると仮定され、記録されたこの物体点画像の照射は、投影ユニットから直接この点上に集束されるビームの輝度に比例すると見なされる(RU2148793)。
【0007】
この方法の制限は、それを使用するデバイスが複雑になること、ならびにこのプロセスの所要時間により測定に相当な時間が必要とされ、機器(投影ユニットおよびカメラ)の位置の機械的な変動が生じた場合に誤りの可能性が残されることからなる。
【0008】
従来の技法は、構造化された背面照射方法を使用して3次元の物体表面の遠隔制御および認識を行う方法およびデバイスを含み、このデバイスは、光学放射源と、帯域の非周期的線構造を形成する可能性を提供する透明フィルタと、制御される表面上に透明フィルタ画像を投影する無限焦点光学系と、制御される物体表面上に現れる線構造の図が制御される物体表面の輪郭によって歪んだ画像を形成する受光レンズと、受光レンズによって形成された画像をデジタル化する写真記録器と、写真記録器によって記録されたデジタル画像を制御される表面上の座標値に変換する電子デジタル演算ユニットとを伴い(放射経路に従って順に設置される)、このデバイスは、それぞれ放射スペクトル範囲内で他とは異なる追加のN−1個の放射源と、それぞれ少なくとも1つの帯域で他とは異なるN−1個の透明フィルタと、透明フィルタの後に設置されたN−1個のレンズと、無限焦点光学系の第2の構成要素の前に、N−1個のレンズのそれぞれの光軸に対して45度の角度で設置されたN−1個の鏡と、受光レンズの後ろに、受光レンズの光軸に対して45度の角度で設置された第2のN−1個の鏡と、それぞれ第2のN−1個の鏡のそれぞれの後ろに設置され、受光レンズとともに、制御される物体表面上に現れる線構造の図が制御される物体表面の輪郭によって歪んだ画像を形成するN−1個の2次受光レンズと、それぞれN−1個の放射源の1つのスペクトル放射範囲に合致するスペクトル感度範囲を有するN−1個の写真記録器と、N−1個のデジタル電子演算ユニットとを備え、デジタル電子演算ユニットの数に等しい数の入力を有する電子画像加算ユニットが実施され、電子画像加算ユニットの入力がそれぞれ、各デジタル電子演算ユニットの出力に接続され、数Nは、式N=Log
2(L)に従って判定され、ここでLは、写真記録器サンプル分解セルの対の数である(RU2199718)。
【0009】
この方法の制限もまた、それを使用するデバイスが複雑になること、ならびにこのプロセスの所要時間により測定に相当な時間が必要とされ、機器(投影ユニットおよびカメラ)の位置の機械的な変動が生じた場合に誤りの可能性が残されることからなる。
【0010】
従来の技法は、3つのデカルト座標に基づいて3次元の物体の直線寸法を制御する方法およびそれを使用するデバイスを含み、投影ユニットの左右に2つのカメラが配置され、したがって人間の視覚に類似している立体的な対を形成する。この投影ユニットは、帯域の画像を物体上へ投影する。左右両方のカメラから画像を受け取り、次いで2つの画像は、相関方法を使用して比較され、すなわち、右側の画像からの各帯域は、左側の画像内のすべての帯域を検索することによって、左側の画像内の類似の帯域と対にされる(米国特許第6377700号、プロトタイプ)。
【0011】
この方法の制限は、すべての可能な帯域の対を検索するのに長い時間が必要とされ、相関アルゴリズム実行時間が長くなることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明の目的は、3次元の物体の直線寸法を制御する効果的かつ効率的な方法を作ること、ならびに3次元の物体の直線寸法を制御する方法の範囲を拡大することである。
【0013】
物体を確実に実現する技術的結果は、投影ユニットおよびカメラが単一のハウジングに入った携帯型の器具として実行されるとき、3次元の物体の直線寸法を制御するプロセスを簡略化しかつ完全に自動化すること、測定プロセスの所要時間を削減すること、ならびに測定物体に対して機器(投影ユニットおよびカメラ)の位置に機械的な変動が起きた場合に生じる誤りをほぼ完全に解消することからなる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の本質は、構造化された背面照射を使用して物体の3D測定を実施する方法が、投影ユニットを使用して、長手方向軸の1つに沿って少なくとも2つの交差しない線を有する既知の画像を、制御される物体上へ投影し、次いで、投影ユニットから異なる距離をあけて配置された少なくとも2つのカメラを使用して、中心投影ビームとカメラの中心ビームとの間に異なる三角測量角度を形成して、物体から反射する投影光が記録され、投影ユニットによって投影されて各カメラが受け取った反射光によって形成される各線が、カメラが受け取った線の座標を比較することによって識別され、投影ユニットの中心ビームと、投影ユニットから最小の距離をあけて配置された第1のカメラの中心ビームとの間の三角測量角度が、投影される帯域間の距離とこのカメラレンズの焦点深度との比の逆正接に等しくなるように設定され、第1のカメラからの画像内で、線中心の長手方向座標および垂直座標が、長手方向座標を投影ユニットの中心ビームと第1のカメラの中心ビームとの間の三角測量角度の正接で割った商として判定され、垂直座標を調整するために、第1のカメラより大きい三角測量角度で配置された第2のカメラを使用して得られた値が使用され、第2のカメラ画像内で、同じ線の位置が、第1のカメラを使用して判定された上記の垂直座標に、第2のカメラの三角測量角度の正接を掛けた積として計算される長手方向座標に最も近いと識別され、次いで、長手方向座標および垂直座標の調整された値が、これらの線に対して判定されることを仮定することである。
【0015】
第1のカメラ画像内で線中心の長手方向座標を判定する好ましい方法は、その画像の幅全体にわたって最も明るい画素をとることである。カメラと投影ユニットとの間の距離は、投影ユニットから投影ユニットおよびカメラの中心ビームの交点までの距離に、投影ユニットの中心ビームとカメラの中心ビームとの間の三角測量角度の正接を掛けた積として仮定される。第3のカメラ、第4のカメラ、および後続のカメラを使用して得られる垂直座標値は、垂直座標のさらなる調整のために使用される。
【0016】
この方法を使用する特定のデバイスでは、カメラは、投影ユニットの片側または両側に配置される。好ましくはコンピュータプロセッサを使用して座標が測定および判定され、3D画像がコンピュータディスプレイへ出力される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】1つのビームが投影されたときの投影ユニットおよびカメラの配置図である。
【
図2】3次元の物体上へ投影される1本の線の図である。
【
図3】3次元の物体上へ投影される2本の線の図である。
【
図4】2つのビームが投影されたときの投影ユニットおよびカメラの配置図である。
【
図5a】
図5aは、投影ユニットによって投影され、カメラによって受け取られる可能な帯域画像を示す図であり、投影ユニット上の帯域の画像の図である。
【
図5b】
図5bは、投影ユニットによって投影され、カメラによって受け取られる可能な帯域画像を示す図であり、カメラ上の帯域の画像の図である。
【
図5c】
図5cは、投影ユニットによって投影され、カメラによって受け取られる可能な帯域画像を示す図であり、投影ユニット上の帯域画像の輪郭の図である。
【
図5d】
図5dは、投影ユニットによって投影され、カメラによって受け取られる可能な帯域画像を示す図であり、カメラ上の帯域画像の輪郭の図である。
【
図6】平行な直線として投影ユニットから放出される帯域に対応する線の図である。
【
図7】投影ユニットから放出される帯域に対応する追加の線の図である。
【
図8】2つのカメラへ投影される帯域に対応する線の図である。
【
図10】投影ユニットの両側にカメラが配置され、それに対応してカメラの視野が重複する代替デバイスの図である。
【
図11】投影ユニットの片側に3つのカメラが位置し、それに対応してカメラの視野が重複する代替の配置図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、所定の画像を物体上へ投影する投影ユニット1と、特定の三角測量角度α(投影ユニット3の中心ビームとカメラ1の中心ビーム4との間の角度)で、投影ユニット1によって放出されて物体から反射する光をコンピュータ(図示せず)へ記録および伝送するカメラ2とから構成されるデバイスを示す。
【0019】
カメラと投影ユニットとの間の距離Lを底辺と呼ぶ。底辺は、次のように選択することができる。
【0020】
L=s*tgαであり、ここでsは、投影ユニットから投影ユニットおよびカメラの中心ビームの交点までの距離(m)である。
【0021】
最も簡単な場合、投影ユニット1は、
図1で投影ユニットの中心ビームと一致する1つの水平な帯域3を投影する。
図2は、カメラ2からの視界である。
図2は、平面5および6として示す物体の湾曲によって帯域3がどのように歪むかを示し、カメラ2の画像内には、反射した帯域3のトレース7が見られる。
図1は、
図2と同じ構成の側面図を示し、帯域3は、カメラから異なる距離Z1およびZ2のところで平面5および平面6と交差し、交点8および9は、異なる座標Y1およびY2を有する。概して、この後、Z=y/tgα比に従って、Y座標を使用してZ座標を得る。次いで通常、この帯域を使用して、
図2のY軸に沿って表面を走査し、可能な限り最も詳細なカメラの視野内の物体の3D測定を得る。
【0022】
カメラ2が、そのような測定を得るために、投影ユニット1によって投影された帯域を1フレーム当たり1つだけ捕捉する場合、この帯域は、可能な限り最小の距離をシフトしなければならないはずであり、可能な限り多くの画像をカメラ2から受け取らなければならないはずである。これは常に、多くの時間を必要とする。一般に入手可能なカメラ2のフレーム率は25fpsであり、分解能は1MP、すなわちY座標軸に沿って1,000画素およびX座標軸に沿って1,000画素である。帯域上にはX座標軸に沿って1,000画素を有し、すなわち1,000回の測定が行われる。両方の軸に沿って同じ数の測定を得るには、Y座標軸に沿って1画素ずつ帯域をシフトさせながらこの帯域を1,000回投影し、この目的のためにカメラ2から1,000個のフレームを受け取らなければならない。これには40秒かかる。画像の数を減少させて、カメラ2の1つの画像からより多くの測定を得るべきである場合、この方法によれば、1つの帯域だけではなく、
図3のように2つの帯域またはそれ以上の帯域を投影するべきであるが、帯域の識別が不明確になる。
図3では、1つのカメラ(2)から見て、帯域7は点12で帯域11と同化している。この不明確さの結果、Z座標を判定する際に誤りが生じる。1つのY座標が、カメラ画像上の2つのZ1およびZ2座標に対応することがある。
図4では、これらの帯域を表す2つのビームが、投影ユニット1から放出される。
図4の点13および14は、不明確な点である。
【0023】
いくつかの帯域が投影されるときには、不明確さは解決されなければならない。この目的のため、以下の項およびアルゴリズムが導入される。Tは、帯域間の間隔であり、Tzは、測定される量であり、通常、投影ユニットおよびカメラ2内で使用されるレンズの焦点深度によって画定される。焦点深度Tzは、Z軸に沿った距離であり、その範囲内では、投影される帯域の十分な対照をなす画像を観察することができ、すなわち帯域がどこで開始および終了するかを見ることができる。焦点深度Tzは、カメラレンズの基準値とすることができる。
【0024】
それぞれの特有の場合に対するカメラレンズの焦点深度Tzは、たとえばTz=2DC/(f/s)
2として判定することができる。
【0025】
上式で、Dはカメラレンズの開口(m
2)であり、Cはカメラの画素寸法(μm)であり、fはカメラレンズの焦点距離(m)であり、sは投影ユニットから投影ユニットおよびカメラの中心ビームの交点までの距離(m)である。
【0026】
カメラ2の画像では、投影される帯域は通常、これらの帯域でレンズの焦点がはずれることがあり、または物体が反射によって光を放散させることがあるため、カメラ2のCCDアレイの数画素分の幅を有し(数画素分を占める)、これらの帯域には、明白に画定されたY座標がない。
【0027】
サブ画素判定アルゴリズムを使用して、Y座標を判定する。サブ画素判定アルゴリズムは、次のものからなる。
【0028】
投影ユニット1は、最小および最大輝度レベル15で、
図5の平行な帯域の画像を投影する。カメラ2で、レンズの焦点はずれ、カメラ2の画素ノイズ、および他の歪みによりわずかにぼやけた画素の輝度が変動している帯域17を観察する。最も明るい画素を線中心と仮定し、またはたとえば放物曲線または正弦曲線18を使用して画素値の(ソフトウェア)近似を行い、1画素の何分の1かまで、カメラ2の画像内の線中心のY座標を判定することができる。
【0029】
いくつかの線が同時に投影されるときの不明確さを解決するための利用可能な選択肢は、次のとおりである。
【0030】
図3および
図4に基づいて、Z座標に沿って点13および14間に位置する領域は、投影された帯域の画定の明確さがカメラ2の画像内で保持される領域であると結論付けることができる。したがって、測定領域Tzをこの距離以下にすることを試みるべきである。
【0031】
図6および
図7は、投影ユニット1の中心ビーム3に対して平行である平行な直線として投影ユニット1から放出される帯域に対応する線を示す。
【0032】
これらの図面から、角度α、間隔T、および測定領域Tzの間に、tgα=T/Tzという関係が存在し、ならびにΔYと角度αとの間にtgα=ΔY/Zという関係が存在することが理解されよう。
【0033】
角度αが大きければ大きいほど、カメラ2の画像内で観察される帯域のシフトΔYもより大きくなり、帯域はカメラ画像内に線19として投影され、より大きい精度でZ座標を判定することが可能になり、すなわち本システムでは、Z軸に沿った測定に対する感度がより大きくなることが明らかである。さらに、角度が大きければ大きいほど、判定ドメインTzはより小さくなる。これは、
図6のTz値が
図7の値Tzと比較される場合に明らかである。
【0034】
三角測量角度の値が最小である場合、カメラは、投影された線および長手方向座標Yを明白に知覚するが、垂直座標Zの知覚精度は最小である。帯域の三角測量角度の値が最大である場合、画像内の帯域が同化し始め、長手方向座標Yを判定することが困難になるが、垂直座標Zの知覚精度は最大になる。これには、異なる三角測量角度で設置された少なくとも2つのカメラの使用が必要とされる。
【0035】
図9のデバイスは、光源(ランプ)29と、集光レンズ30と、水平で平行な帯域の図面を含むスライド31と、レンズ32とからなる投影システム(ユニット)1を備える。このデバイスはまた、3つのカメラ22、23、33を含む。これらのカメラが可能な限り投影ユニット1に近接していることを確実にするために、第1のカメラ22は、投影ユニットに近すぎるところに配置しなければならず、これらのカメラ寸法は、選択された角度αに対応する底辺の寸法(底辺距離)Lを超過することがある。
【0036】
この問題を解決するために、カメラ22および投影システムのビームの経路内で半透鏡34またはプリズムを使用することが提案され、これにより、カメラと投影ユニットをより遠くに隔置することが可能になる。
【0037】
可能な限り投影ユニットに近接してカメラを配置するための第2の解決策は、次のとおりである。
【0038】
カメラ22および23を投影ユニット1の左右に配置する。
図10は、三角測量角度に対応する投影ユニットの片側に配置された底辺距離L1およびL2を示す。この場合、その結果生じるカメラの視野35の重複は不完全になり、物体の測定領域が低減するが、この解決策は、半透鏡またはプリズムの設置および調整を必要とする解決策より実施するのが技術的に簡単である。
【0039】
第3の方法を
図11に示す。カメラは、投影ユニット1の片側に配置される。これにより、カメラの視野35のより大きい重複を実現することが可能になる。
【0040】
概して、構造化された背面照射による物体の3D測定のための方法は、次のように実施される。投影ユニット1を使用して、長手方向軸の1つに沿って少なくとも2つの交差しない線を有する所定の画像が、制御される物体上へ投影される。投影ユニットから異なる距離をあけて位置する少なくとも2つのカメラによって、したがって投影ユニットの中心ビームとカメラの中心ビームとの間に異なる三角測量角度を形成して、物体から反射した投影ユニット1の光が記録される。第1のカメラ2からの画像内で、線中心の長手方向座標が、最も明るい画素として判定される。
【0041】
次いで、投影ユニット1によって投影されて各カメラが受け取った反射光によって形成される各線が、カメラによって知覚されるこれらの線の座標を比較することによって識別される。この目的のため、投影ユニット1の中心ビームと、投影ユニット1から最小の距離をあけて最小の角度α1で配置された第1のカメラ22の中心ビームとの間の三角測量角度が選択され、投影される帯域間の距離とこのカメラレンズの焦点深度Tzとの比の逆正接に等しくなるように設定される。
【0042】
投影ユニット1およびカメラ22の相対位置に課されるそのような条件は、投影される各帯域を識別する際に最大の明確さを提供する。
図8で投影される帯域20および21間の間隔T、および第1のカメラ22と投影ユニット1との間の角度α1は、α1=arctg(T/Tz)という比に基づいて選択される。これにより、第1のカメラからの画像内で投影されるすべての帯域を区別することが可能になる。カメラ22から画像上への帯域投影図を24および25として表す。
【0043】
第1のカメラの画像内で、線中心の長手方向座標および垂直座標が、長手方向座標Y1を投影ユニットの中心ビームと第1のカメラの中心ビームとの間の三角測量角度の正接で割った商として判定される。
【0044】
線中心検索アルゴリズム(サブ画素判定アルゴリズム)を使用して、関係Z=Y1/tgα1(Y1は第1のカメラからの画像内の座標)に基づいて、投影されるすべての帯域のZ座標が、特定の誤りσで計算され、誤りσは主に、三角測量角度α1、カメラのCCDアレイ内の画素数、および選択されたカメラの画素ノイズに依存する。
【0045】
線画像幅の誤りσ(第2のカメラから始まる)は、T/Cosα
2を超過しないものとする。
【0046】
垂直座標Zを調整するために、第1のカメラより大きい三角測量角度α
2で配置された第2のカメラによって得られた値が使用され、したがって、第2のカメラ画像内で、同じ線の位置が、第1のカメラを使用して判定された上記の垂直座標Zに、第2のカメラの三角測量角度の正接を掛けた積として計算される長手方向座標に最も近い線として識別される。したがって、投影される帯域のZ座標を調整するために、投影ユニットに対してより大きい三角測量角度α
2で配置された第2のカメラ23(α
2>α1)が使用される。投影ユニット1によって第2のカメラ23からの画像上へ投影される帯域20および21は、26および27のように見える。見やすいように、帯域26および27をわずかなシフトで表すが、実際には、第2のカメラからの画像内では同化し、識別するのは困難である。しかし、帯域20に対して式Z=Y1/tgα1に従って事前に得られたZ座標が、式Y2=Z*tgα
2に従ってカメラ23からの画像上へ投影された場合、ノイズ曲線28が見えるようになり、これは、カメラ23からの画像上への帯域20の位置を識別するのに役立つ。帯域を互いに区別するために、各帯域に対して同じ手順をたどるものとする。各線の中心は、カメラ23からの画像に基づく調整によって再判定しなければならず、ならびに新しいより正確なZ座標を計算しなければならない。角度α
2は、σがT/Cosα
2を超過しないように選択される。
【0047】
次いで、第1のカメラを使用して座標を判定するための記載の手順と同様に、第2のカメラを使用して、これらの線に対する長手方向座標および垂直座標の調整された値を判定する。
【0048】
第3のカメラ、第4のカメラ、および後続のカメラを使用して得られる垂直座標値は、垂直座標のさらなる調整のために使用される。投影される帯域のZ座標のさらなる調整には、大きい三角測量角度を有する追加のカメラを使用して、帯域のZ座標の画定の必要な精度を実現することができる。大きい三角測量角度を有する後続の各カメラは、小さい三角測量角度を有するカメラに対して上記に提供した条件を満たすものとする。場合によっては、少なくとも2つのカメラが投影ユニットの異なる側に配置されるが、すべてのカメラの画像および三角測量角度を投影ユニットの中心ビームの片側に配置しなければならず、これは、投影ユニット、好ましくは
図9の第1のカメラの中心ビームを横切るように位置決めされた半透鏡を使用して確実にすることができる。
【0049】
コンピュータプロセッサを使用して座標が測定および判定され、3D画像がコンピュータディスプレイへ出力される。
【0050】
技術的結果は、投影ユニットおよびカメラが単一のハウジングに入った携帯型の器具として実行されるとき、3次元の物体の直線寸法を制御するプロセスを簡略化しかつ完全に自動化すること、測定プロセスの所要時間を削減すること、ならびに測定物体に対して機器(投影ユニットおよびカメラ)の位置で機械的な変動が起きた場合に生じる誤りをほぼ完全に解消することからなる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、当業界で広く使用されている汎用の機器で実施される。