【実施例】
【0047】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
本発明で使用した実験装置を
図1に示す。反応器内部に触媒を充填し、反応器を電気炉内で所定の温度へ昇温した。原料ガスの流量はマスフローメーターで制御した。
【0048】
反応で得られたガスはオンラインでガスクロマトグラフ(島津製作所製)へ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの濃度を分析した。なお、ガスクロマトグラフィー測定は、以下の通り行った。
分析機器:ガスクロマトグラフ GC−8A(島津製作所社製)
カラム:Porapak−QS(Waters社製)、長さ1メートル、直径3mm
分析対象物の滞留時間(リテンションタイム):モノシラン=7.5分、ジシラン=12.5分、トリシラン=21.0分
キャリア−ガス:ヘリウム(40ml/min)
カラム温度:70℃5分保持後、16℃/分で180℃まで昇温
注入口温度:200℃
TCD検出器温度:200℃
TCD検出器電流:ミリアンペア
原料、生成物の定量方法:
上述のガスクロマトグラフの測定結果から、反応したガス中に含まれるモノシラン(MS)、ジシラン(DS)、トリシラン(TS)の含有量(mol%)を求めた。時間当りのMS供給量(mol/min)および上記各成分の含有量から、反応後の、時間当たりのDS生成量(Si原子換算mol数/min)、時間当たりのTS生成量(Si原子換算mol数/min)、未反応のMS残存量(Si原子換算mol数/min)を求めた。なお、いずれの場合も、テトラシラン以上の高級シランは検出されなかった。
【0049】
これらの値から、モノシランを原料とした場合には、以下のようにして、MS転化率(mol%)、DS選択率(mol%)、TS選択率(mol%)を求めた。
MS転化率(mol%)=(DS生成量(mol)×2+TS生成量(mol)×3)/MS供給量(mol)
DS選択率(mol%)=DS生成量(mol)×2/(DS生成量(mol)×2+TS生成量(mol)×3)
TS選択率(mol%)=TS生成量(mol)×3/(DS生成量(mol)×2+TS生成量(mol)×3)
また、ジシランを原料とした場合には、以下のようにして、DS転化率(mol%)を求めた。
DS転化率(mol%)=(TS生成量(mol)×3)/(DS供給量(mol)×2)
【0050】
[実施例1]
モルデナイト(SiO
2/Al
2O
3モル比=18、Na含有量[wt%]=0.04、Na以外のアルカリ金属およびアルカリ土類金属は検出限界以下、細孔直径=0.48nm、0.57nm(0.4nm以上0.6nm
以下である)、形状:1.5mmペレット、バインダー種:アルミナ)を、内径が8mmの反応管に45cc充填した後、窒素流通下400℃で加熱することで触媒の前処理を実施した。モノシランガスと水素ガスとの混合ガス(モノシラン濃度:80vol%)を、ガス空間速度が140h
-1となるように反応器に導入し、200℃、0.12MPaGで反応を行った。10時間後に、反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフGC−8A(島津製作所製)へ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めた。これらの値から、MS転化率1.06(mol%)であった。また、反応管の壁面での固体ケイ素の析出は目視上、認められなかった。結果を表1に示す。
【0051】
[実施例2]
反応温度を250℃とした以外は、実施例1と同様に反応を行った。実施例1と同様に、反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフへ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めた。トリシランの生成量は検出下限界以下であった。また、反応管の壁面での固体ケイ素の析出は目視上、認められなかった。MS転化率は1.88(mol%)であった。結果を表1に示す。
【0052】
[実施例3]
実施例1の触媒の替わりにZSM−5(SiO
2/Al
2O
3モル比=23、Na含有量[wt%]=0.01、Na以外のアルカリ金属およびアルカリ土類金属は検出限界以下、細孔直径=0.51nm、0.53nm、0.55nm、0.56nm(0.4nm以上0.6nm以下である)、形状:3mmペレット、バインダー種:アルミナ)を使用した以外は、実施例1と同様に反応を行った。実施例1と同様に、反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフへ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めた。トリシランの生成量は検出下限界以下であった。また、反応管の壁面での固体ケイ素の析出は目視上、認められなかった。MS転化率は0.93(mol%)であった。結果を表1に示す。
【0053】
[実施例4]
反応温度を250℃とした以外は、実施例3と同様に反応を行った。実施例1と同様に、反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフへ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めた。トリシランの生成量は検出下限界以下であった。また、反応管の壁面での固体ケイ素の析出は目視上、認められなかった。MS転化率は4.20(mol%)であった。結果を表1に示す。
【0054】
[実施例5]
実施例1の触媒の替わりに実施例3、4とは異なる性質を有するZSM−5(SiO
2/Al
2O
3モル比=1,500、Na含有量[wt%]=0.01、Na以外のアルカリ金属およびアルカリ土類金属は検出限界以下、細孔直径=0.51nm、0.53nm、0.55nm、0.56nm(0.4nm以上0.6nm以下である)、形状:1.5mmペレット、バインダー種:アルミナ)を使用し、反応温度を150℃とした以外は、実施例1と同様に反応を行った。実施例1と同様に、反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフへ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めた。トリシランの生成量は検出下限界以下であった。また、反応管の壁面での固体ケイ素の析出は目視上、認められなかった。MS転化率は2.97(mol%)であった。結果を表1に示す。
【0055】
[実施例6]
反応温度を200℃とした以外は、実施例5と同様に反応を行った。実施例1と同様に、反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフへ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めた。トリシランの生成量は検出下限界以下であった。また、反応管の壁面での固体ケイ素の析出は目視上、認められなかった。MS転化率は6.79(mol%)であった。結果を表1に示す。
【0056】
[実施例7]
実施例1の触媒の替わりにβ型(SiO
2/Al
2O
3モル比=500、Na含有量[wt%]=0.07、Na以外のアルカリ金属およびアルカリ土類金属は検出限界以下、細孔直径=0.56nm(0.4nm以上0.6nm以下である)、形状:1.5mmペレット、バインダー種:粘土)を使用した以外は、実施例1と同様に反応を行った。実施例1と同様に、反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフへ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めた。トリシランの生成量は検出下限界以下であった。また、反応管の壁面での固体ケイ素の析出は目視上、認められなかった。MS転化率は1.74(mol%)であった。結果を表1に示す。
【0057】
[実施例8]
反応温度を250℃とした以外は、実施例7と同様に反応を行った。実施例1と同様に、反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフへ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めた。トリシランの生成量は検出下限界以下であった。また、反応管の壁面での固体ケイ素の析出は目視上、認められなかった。MS転化率は2.15(mol%)であった。結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
[実施例9]
実施例1の触媒の替わりに実施例3、4とは異なる性質を有するZSM−5(SiO
2/Al
2O
3モル比=80、Na含有量[wt%]=0.01、Na以外のアルカリ金属およびアルカリ土類金属は検出限界以下、細孔直径=0.51nm、0.53nm、0.55nm、0.56nm(0.4nm以上0.6nm以下である)、形状:1.5mmペレット、バインダー種:アルミナ)を使用し、反応温度を150℃とした以外は、実施例1と同様に反応を行った。実施例1と同様に、反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフへ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めた。MS転化率は2.23(mol%)であり、反応管の壁面での固体ケイ素の析出は目視上、認められなかった。結果を表2に示す。
【0060】
[実施例10]
反応温度を200℃とした以外は、実施例9と同様に反応を行った。実施例1と同様に、反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフへ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めた。MS転化率は6.21(mol%)であり、反応管の壁面での固体ケイ素の析出は目視上、認められなかった。結果を表2に示す。
【0061】
[実施例11]
実施例1の触媒の替わりに実施例3、4とは異なる性質を有するZSM−5(SiO
2/Al
2O
3モル比=280、Na含有量[wt%]=0.01、Na以外のアルカリ金属およびアルカリ土類金属は検出限界以下、細孔直径=0.51nm、0.53nm、0.55nm、0.56nm(0.4nm以上0.6nm以下である)、形状:1.5mmペレット、バインダー種:アルミナ)を使用し、反応温度を150℃とした以外は、実施例1と同様に反応を行った。実施例1と同様に、反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフへ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めた。MS転化率は2.89(mol%)であり、反応管の壁面での固体ケイ素の析出は目視上、認められなかった。結果を表2に示す。
【0062】
[実施例12]
反応温度を200℃とした以外は、実施例11と同様に反応を行った。実施例1と同様に、反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフへ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めた。MS転化率は6.81(mol%)であり、反応管の壁面での固体ケイ素の析出は目視上、認められなかった。結果を表2に示す。
【0063】
[実施例13]
実施例1の触媒の替わりに実施例3、4とは異なる性質を有するZSM−5(SiO
2/Al
2O
3モル比=280、Na含有量[wt%]=0.01、Na以外のアルカリ金属およびアルカリ土類金属は検出限界以下、細孔直径=0.51nm、0.53nm、0.55nm、0.56nm(0.4nm以上0.6nm以下である)、形状:1.5mmペレット、バインダー種:アルミナ)を使用し、反応温度を150℃とした以外は、実施例1と同様に反応を行った。実施例1と同様に、反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフへ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めた。MS転化率は3.02(mol%)であり、反応管の壁面での固体ケイ素の析出は目視上、認められなかった。結果を表2に示す。
【0064】
[実施例14]
反応温度を200℃とした以外は、実施例13と同様に反応を行った。実施例1と同様に、反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフへ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めた。MS転化率は6.94(mol%)であり、反応管の壁面での固体ケイ素の析出は目視上、認められなかった。結果を表2に示す。
【0065】
【表2】
【0066】
[実施例15]
ZSM−5(SiO
2/Al
2O
3モル比=1500、Na含有量[wt%]=0.01、Na以外のアルカリ金属およびアルカリ土類金属は検出限界以下、細孔直径=0.51nm、0.53nm、0.55nm、0.56nm(0.4nm以上0.6nm以下である)、形状:3mmペレット、バインダー種:アルミナ)を内径が8mmの反応管に6.4cc充填した後、窒素流通下400℃で加熱することで触媒の前処理を実施した。モノシランガスと水素ガスとの混合ガス(モノシラン濃度:80vol%)を、ガス空間速度が467h
-1となるように反応器に導入し、150℃、0.2MPaGで反応を行った。反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフGC−8A(島津製作所製)へ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めた。また、反応管の壁面での固体ケイ素の析出は目視上、認められなかった。これらの値から、MS転化率2.37(mol%)、DS選択率88.9(mol%)、TS選択率11.1(mol%)と求められた。結果を表3に示す。
【0067】
[実施例16]
反応温度を200℃とした以外は、実施例15と同様に反応を行った。実施例15と同様に、反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフGC−8A(島津製作所製)へ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めた。また、反応管の壁面での固体ケイ素の析出は目視上、認められなかった。これらの値から、MS転化率4.28(mol%)、DS選択率84.1(mol%)、TS選択率15.9
mol%)と求められた。結果を表3に示す。
【0068】
[実施例17]
ZSM−5(SiO
2/Al
2O
3モル比=1500、Na含有量[wt%]=0.01、Na以外のアルカリ金属およびアルカリ土類金属は検出限界以下、細孔直径=0.51nm、0.53nm、0.55nm、0.56nm(0.4nm以上0.6nm以下である)、形状:3mmペレット、バインダー種:アルミナ)を内径が8mmの反応管に6.4cc充填した後、窒素流通下200℃で加熱することで触媒の前処理を実施した。モノシランガスと水素ガスとの混合ガス(モノシラン濃度:80vol%)を、ガス空間速度が467h
-1となるように反応器に導入し、150℃、0.2MPaGで反応を行った。反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフGC−8A(島津製作所製)へ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めた。また、反応管の壁面での固体ケイ素の析出は目視上、認められなかった。これらの値から、MS転化率2.35(mol%)、DS選択率88.6(mol%)、TS選択率11.5(mol%)と求められた。結果を表3に示す。
【0069】
[実施例18]
反応温度を200℃とした以外は、実施例17と同様に反応を行った。実施例17と同様に、反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフGC−8A(島津製作所製)へ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めた。また、反応管の壁面での固体ケイ素の析出は目視上、認められなかった。これらの値から、MS転化率4.33(mol%)、DS選択率84.2(mol%)、TS選択率15.9(mol%)と求められた。結果を表3に示す。
【0070】
[実施例19]
反応圧力を0.3MPaGとした以外は、実施例17と同様に反応を行った。実施例17と同様に、反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフGC−8A(島津製作所製)へ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めた。また、反応管の壁面での固体ケイ素の析出は目視上、認められなかった。これらの値から、MS転化率2.28(mol%)、DS選択率89.3(mol%)、TS選択率10.7(mol%)と求められた。結果を表3に示す。
【0071】
[実施例20]
反応温度を200℃とした以外は、実施例19と同様に反応を行った。実施例17と同様に、反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフGC−8A(島津製作所製)へ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めた。また、反応管の壁面での固体ケイ素の析出は目視上、認められなかった。これらの値から、MS転化率4.70(mol%)、DS選択率83.0(mol%)、TS選択率17.0(mol%)と求められた。結果を表3に示す。
【0072】
[実施例21]
反応圧力を0.4MPaGとした以外は、実施例17と同様に反応を行った。実施例17と同様に、反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフGC−8A(島津製作所製)へ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めた。また、反応管の壁面での固体ケイ素の析出は目視上、認められなかった。これらの値から、MS転化率2.41(mol%)、DS選択率89.0(mol%)、TS選択率11.0(mol%)と求められた。結果を表3に示す。
【0073】
[実施例22]
反応温度を200℃とした以外は、実施例21と同様に反応を行った。実施例21と同様に、反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフGC−8A(島津製作所製)へ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めた。また、反応管の壁面での固体ケイ素の析出は目視上、認められなかった。これらの値から、MS転化率4.93(mol%)、DS選択率82.0(mol%)、TS選択率18.0(mol%)と求められた。結果を表3に示す。
【0074】
[実施例23]
モノシラン濃度を95%とする以外は、実施例17と同様に反応を行った。実施例17と同様に、反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフGC−8A(島津製作所製)へ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めた。また、反応管の壁面での固体ケイ素の析出は目視上、認められなかった。これらの値から、MS転化率1.80(mol%)、DS選択率91.5(mol%)、TS選択率8.5(mol%)と求められた。結果を表3に示す。
【0075】
[実施例24]
反応温度を200℃とした以外は、実施例23と同様に反応を行った。実施例23と同様に、反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフGC−8A(島津製作所製)へ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めた。また、反応管の壁面での固体ケイ素の析出は目視上、認められなかった。これらの値から、MS転化率3.88(mol%)、DS選択率85.6(mol%)、TS選択率14.4(mol%)と求められた。結果を表3に示す。
【0076】
[実施例25]
モノシラン濃度を100%とする以外は、実施例17と同様に反応を行った。実施例17と同様に、反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフGC−8A(島津製作所製)へ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めた。また、反応管の壁面での固体ケイ素の析出は目視上、認められなかった。これらの値から、MS転化率1.67(mol%)、DS選択率92.1(mol%)、TS選択率7.9(mol%)と求められた。結果を表3に示す。
【0077】
[実施例26]
反応温度を200℃とした以外は、実施例25と同様に反応を行った。実施例25と同様に、反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフGC−8A(島津製作所製)へ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めた。また、反応管の壁面での固体ケイ素の析出は目視上、認められなかった。これらの値から、MS転化率3.72(mol%)、DS選択率85.8(mol%)、TS選択率14.2(mol%)と求められた。結果を表3に示す。
【0078】
[実施例27]
ガス
空間速度を233h
-1とする以外は、実施例17と同様に反応を行った。実施例17と同様に、反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフGC−8A(島津製作所製)へ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めた。また、反応管の壁面での固体ケイ素の析出は目視上、認められなかった。これらの値から、MS転化率2.34(mol%)、DS選択率89.3(mol%)、TS選択率10.7(mol%)と求められた。結果を表3に示す。
【0079】
[実施例28]
反応温度を200℃とした以外は、実施例27と同様に反応を行った。実施例27と同様に、反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフGC−8A(島津製作所製)へ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めた。また、反応管の壁面での固体ケイ素の析出は目視上、認められなかった。これらの値から、MS転化率5.52(mol%)、DS選択率80.8(mol%)、TS選択率19.2(mol%)と求められた。結果を表3に示す。
【0080】
【表3】
【0081】
[実施例29](製造触媒の寿命試験)
ZSM−5(SiO
2/Al
2O
3モル比=1500、Na含有量[wt%]=0.01、Na以外のアルカリ金属およびアルカリ土類金属は検出限界以下、細孔直径=0.51nm、0.53nm、0.55nm、0.56nm(0.4nm以上0.6nm以下である)、形状:3mmペレット、バインダー種:アルミナ)を内径が8mmの反応管に6.4cc充填した後、窒素流通下200℃で加熱することで触媒の前処理を実施した。モノシランガスと水素ガスとの混合ガス(モノシラン濃度:80vol%)を、ガス空間速度が467h
-1となるように反応器に導入し、180℃、0.4MPaGで反応を行った。反応開始10時間後の反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフGC−8A(島津製作所製)へ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めたところ、MS転化率4.26(mol%)、DS選択率82.1(mol%)、TS選択率17.9(mol%)であった。反応を継続し、反応開始200時間後の反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフGC−8A(島津製作所製)へ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めたところ、MS転化率2.32(mol%)、DS選択率89.3(mol%)、TS選択率10.7(mol%)であった。結果を表4に示す。
【0082】
[実施例30](製造触媒の再生試験)
実施例29に記載の反応開始200時間後に、モノシランの供給を停止し、水素ガスのみ流通、常圧下、180℃で、触媒賦活処理を3時間行った。触媒賦活処理後、実施例29と同等の条件で反応を行った。反応再開1時間後の反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフGC−8A(島津製作所製)へ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めたところ、MS転化率3.77(mol%)、DS選択率84.8(mol%)、TS選択率15.2(mol%)であった。再度、モノシランの供給を停止し、水素ガスのみ流通、常圧下、180℃で、触媒賦活処理を72時間行った。触媒賦活処理後、実施例29と同等の条件で反応を行った。反応再開1時間後の反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフGC−8A(島津製作所製)へ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めたところ、MS転化率4.24(mol%)、DS選択率81.5(mol%)、TS選択率18.5(mol%)であった。結果を表4に示す。
【0083】
【表4】
【0084】
[比較例1]
実施例1の触媒の替わりに実施例1とは異なる性質を有するモルデナイト(SiO
2/Al
2O
3モル比=18、Na含有量[wt%]=3.7、Na以外のアルカリ金属およびアルカリ土類金属は検出限界以下、細孔直径=0.48nm、0.57nm(0.4nm以上0.6nm以下である)、形状:1.2mmペレット、バインダー種:粘土)を使用し、実施例1と同様に反応を行った。実施例1と同様に、反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフへ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めた。トリシランの生成量は検出下限界以下であった。また、反応管の壁面での固体ケイ素の析出は目視上、認められなかった。MS転化率は0.07(mol%)、DS選択率は100(mol%)、TS選択率は0(mol%)であった。この結果からも分かるように、同じモルデナイトでもそのモルデナイトに含まれるナトリウムイオンが水素イオンに置換された形態であるモルデナイトを使用して同じ条件にて反応を行った実施例1と比較して、モノシランの転化率は非常に低い結果となった。結果を表5に示す。
【0085】
[比較例2]
反応温度を250℃とした以外は、比較例1と同様に反応を行った。実施例1と同様に、反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフへ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めた。トリシランの生成量は検出下限界以下であった。また、反応管の壁面での固体ケイ素の析出は目視上、認められなかった。MS転化率は0.13(mol%)、DS選択率は100(mol%)、TS選択率は0(mol%)であった。この結果からも分かるように、同じモルデナイトでもそのモルデナイトに含まれるナトリウムイオンが水素イオンに置換された形態であるモルデナイトを使用して同じ条件にて反応を行った実施例1と比較して、モノシランの転化率は非常に低い結果となった。結果を表5に示す。
【0086】
[比較例3]
γ―アルミナ(住化アルケム製FD−24;2〜4mm球状、BET比表面積=330
m2/g)を使用し、実施例1と同様に反応を行った。実施例1と同様に、反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフへ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めた。トリシランの生成量は検出下限界以下であった。また、反応管の壁面での固体ケイ素の析出は目視上、認められなかった。MS転化率は0.15(mol%)、DS選択率は100(mol%)、TS選択率は0(mol%)であった。この結果からも分かるように、同じ条件にて反応を行った実施例1、3、6、7と比較して、モノシランの転化率は非常に低い結果となった。結果を表5に示す。
【0087】
[参考例1]
触媒を充填せずに、反応温度を350℃、375℃、400℃、425℃とした以外は実施例1と同様に反応を行った。実施例1と同様に、反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフへ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めた。300℃以下ではモノシランの転化は全く認められず、ジシランを生成させるためには350℃の高温が必要であった。また400℃以上の温度では、トリシランの生成が確認されるとともに、反応管の壁面での固体ケイ素の析出が認められた。反応温度350℃では、MS転化率0.04(mol%)、DS選択率100(mol%)、TS選択率0(mol%)であり、反応温度375℃では、MS転化率0.25(mol%)、DS選択率100(mol%)、TS選択率0(mol%)であった。また、反応温度400℃では、MS転化率1.13(mol%)、DS選択率89.0(mol%)、TS選択率10.8(mol%)であり、反応温度425℃では、MS転化率4.75(mol%)、DS選択率82.6(mol%)、TS選択率17.2(mol%)であった。結果を表5に示す。
【0088】
[参考例2]
Y型ゼオライト(SiO
2/Al
2O
3モル比=6、Na含有量[wt%]=0.01、Na以外のアルカリ金属およびアルカリ土類金属は検出限界以下、細孔直径=0.74nm、形状:1.5mmペレット、バインダー種:アルミナ)を使用し、実施例15と同様に反応を行った。実施例15と同様に、反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフへ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めたところ、MS転化率は0.26(mol%)であった。また、反応管の壁面での固体ケイ素の析出は目視上、認められなかった。結果を表5に示す。
【0089】
[参考例3]
反応温度を200℃とした以外は、参考例2と同様に反応を行った。参考例2と同様に、反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフへ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めたところ、MS転化率は0.48(mol%)であった。また、反応管の壁面での固体ケイ素の析出は目視上、認められなかった。結果を表5に示す。
【0090】
[参考例4]
反応温度を250℃とした以外は、参考例2と同様に反応を行った。参考例2と同様に、反応生成物をオンラインでガスクロマトグラフへ導入し、モノシラン、ジシラン、トリシランの含有量を求めたところ、MS転化率は0.89(mol%)であった。また、反応管の壁面での固体ケイ素の析出は目視上、認められなかった。結果を表5に示す。
【0091】
【表5】