(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6161805
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】手持型機器
(51)【国際特許分類】
A45D 20/12 20060101AFI20170703BHJP
【FI】
A45D20/12 Z
【請求項の数】42
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-518150(P2016-518150)
(86)(22)【出願日】2014年9月18日
(65)【公表番号】特表2016-531626(P2016-531626A)
(43)【公表日】2016年10月13日
(86)【国際出願番号】GB2014052851
(87)【国際公開番号】WO2015044646
(87)【国際公開日】20150402
【審査請求日】2016年3月28日
(31)【優先権主張番号】1317103.8
(32)【優先日】2013年9月26日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】1317104.6
(32)【優先日】2013年9月26日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】508032310
【氏名又は名称】ダイソン テクノロジー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168871
【弁理士】
【氏名又は名称】岩上 健
(72)【発明者】
【氏名】アトキンソン アントワーヌ フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】ハイルバート リンゼイ ゲリア
(72)【発明者】
【氏名】カー トーマス ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】スミス マーク アドリアン
【審査官】
村山 睦
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭58−058403(JP,U)
【文献】
実開昭54−110382(JP,U)
【文献】
実開昭60−077504(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0079239(US,A1)
【文献】
実開昭61−086102(JP,U)
【文献】
特開平06−014809(JP,A)
【文献】
特開2012−010863(JP,A)
【文献】
実開昭59−108501(JP,U)
【文献】
特開2003−153731(JP,A)
【文献】
特開昭60−249907(JP,A)
【文献】
特開2002−238649(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3004384(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0111777(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0188126(US,A1)
【文献】
欧州特許出願公開第02497385(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 20/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘアケア機器であって、
本体と、
前記本体に接続された第1の端部と、該第1の端部に対して遠位側の第2の端部とを有するハンドルと、
前記ハンドルの第2の端部において前記ハンドルを横切って広がる端壁と、
フィルタと、
を備え、
前記端壁は、前記ハンドルから取り外し可能であり、前記フィルタは、前記ハンドル内に設けられ、円筒形であり、前記ハンドルの前記第2の端部から前記第1の端部に向かって延びることを特徴とするヘアケア機器。
【請求項2】
前記端壁は、複数の開口部を含む、
請求項1に記載の機器。
【請求項3】
前記複数の開口部は、前記機器内への流体入口を含む、
請求項2に記載の機器。
【請求項4】
前記端壁は、リムと、該リムの半径方向内向きに延びるリップ部とを含む、
請求項1から3のいずれか1項に記載の機器。
【請求項5】
前記フィルタは、取り外し可能なフィルタである、
請求項1から4のいずれか1項に記載の機器。
【請求項6】
前記フィルタは、前記端壁を前記ハンドルから取り外した時に取り外すことができる、請求項1から5のいずれか1項に記載の機器。
【請求項7】
前記ハンドルは、外部からアクセス可能な外面と、前記ハンドルの内部領域を定める内面とを有する外壁を有する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の機器。
【請求項8】
前記端壁は、前記外壁を半径方向に横切って延びる、
請求項7に記載の機器。
【請求項9】
前記端壁は、前記外壁の外径と一致する、
請求項8に記載の機器。
【請求項10】
前記端壁は、前記端壁の内側リムによって定められたさらなる開口部を含む、
請求項1から9のいずれか1項に記載の機器。
【請求項11】
前記さらなる開口部は、前記端壁の中心に配置される、
請求項10に記載の機器。
【請求項12】
前記端壁は、複数の開口部を含み、該複数の開口部は、前記さらなる開口部から離間する、
請求項10又は11に記載の機器。
【請求項13】
前記機器に電源からの電力を供給するための電力ケーブルを備え、該電力ケーブルは、前記さらなる開口部を通って延びる、
請求項10から12のいずれか1項に記載の機器。
【請求項14】
前記端壁は、該端壁を前記ハンドルから取り外した時に前記電力ケーブル上に保持される、
請求項13に記載の機器。
【請求項15】
ヘアケア機器であって、
本体と、
前記本体に接続された第1の端部と、該第1の端部に対して遠位側の第2の端部とを有するハンドルと、
前記ハンドルの前記第2の端部において前記ハンドルを横切って広がる端壁と、
フィルタと、
前記機器に電源からの電力を供給する電力ケーブルと、
を備え、
前記端壁は、前記ハンドルから取り外し可能であり、前記フィルタは、前記ハンドル内に設けられ、円筒形であり、前記ハンドルの前記第2の端部から前記第1の端部に向かって延び、前記電力ケーブルは、前記端壁を貫いて延び、前記端壁は、該端壁を前記ハンドルから取り外した時に前記電力ケーブル上に保持される、
ことを特徴とするヘアケア機器。
【請求項16】
前記機器内に流体を引き込むためのファンユニットを備える、
請求項1から15のいずれか1項に記載の機器。
【請求項17】
前記ファンユニットは、前記端壁を通じて流体を引き込む、
請求項16に記載の機器。
【請求項18】
前記ファンユニットは、前記ハンドル内に存在する、
請求項16又は17に記載の機器。
【請求項19】
前記ハンドルの前記第2の端部は、前記ハンドルの周囲で少なくとも部分的に半径方向に広がるとともに前記第2の端部から前記ハンドルに沿って延びる複数の開口部を含む、請求項1から18のいずれか1項に記載の機器。
【請求項20】
ヘアケア機器であって、
本体と、
前記本体に接続された第1の端部と、該第1の端部に対して遠位側の第2の端部とを有するハンドルと、
前記ハンドルの前記第2の端部において前記ハンドルを横切って広がる端壁と、
フィルタと、
を備え、
前記端壁は、前記ハンドルから取り外し可能であり、前記フィルタは、前記ハンドル内に設けられ、円筒形であり、前記ハンドルの前記第2の端部から前記第1の端部に向かって延び、前記ハンドルの前記第2の端部は、前記ハンドルの周囲で少なくとも部分的に半径方向に広がるとともに前記第2の端部から前記ハンドルに沿って延びる複数の開口部を含む、
ことを特徴とするヘアケア機器。
【請求項21】
手持型機器であって、
本体と、
前記本体に接続された第1の端部と、該第1の端部に対して遠位側の第2の端部とを有するハンドルと、
前記ハンドルの前記第2の端部において前記ハンドルを横切って広がる端壁と、
フィルタと、
を備え、
前記端壁は、前記ハンドルから取り外し可能であり、前記フィルタは、前記ハンドル内に設けられ、円筒形であり、前記ハンドルの前記第2の端部から前記第1の端部に向かって延びることを特徴とする手持型機器。
【請求項22】
前記端壁は、複数の開口部を含む、
請求項21に記載の機器。
【請求項23】
前記複数の開口部は、前記機器内への流体入口を含む、
請求項22に記載の機器。
【請求項24】
前記端壁は、プラスチック材料で作製される、
請求項21から23のいずれか1項に記載の機器。
【請求項25】
前記端壁は、リムと、該リムの半径方向内向きに延びるリップ部とを含む、
請求項21から24のいずれか1項に記載の機器。
【請求項26】
前記フィルタは、取り外し可能なフィルタである、
請求項21から25のいずれか1項に記載の機器。
【請求項27】
前記フィルタは、前記端壁を前記ハンドルから取り外した時に取り外すことができる、請求項26に記載の機器。
【請求項28】
前記ハンドルは、外部からアクセス可能な外面と、前記ハンドルの内部領域を定める内面とを有する外壁を有する、
請求項21から27のいずれか1項に記載の機器。
【請求項29】
前記端壁は、前記外壁を半径方向に横切って延びる、
請求項28に記載の機器。
【請求項30】
前記端壁は、前記外壁の外径と一致する、
請求項29に記載の機器。
【請求項31】
前記端壁は、前記端壁の内側リムによって定められたさらなる開口部を含む、
請求項21から30のいずれか1項に記載の機器。
【請求項32】
前記さらなる開口部は、前記端壁の中心に配置される、
請求項31に記載の機器。
【請求項33】
前記端壁は、複数の開口部を含み、該複数の開口部は、前記さらなる開口部から離間する、
請求項31又は32に記載の機器。
【請求項34】
前記機器に電源からの電力を供給するための電力ケーブルを備え、該電力ケーブルは、前記さらなる開口部を通って延びる、
請求項31から33のいずれか1項に記載の機器。
【請求項35】
前記端壁は、該端壁を前記ハンドルから取り外した時に前記電力ケーブル上に保持される、
請求項34に記載の機器。
【請求項36】
手持型機器であって、
本体と、
前記本体に接続された第1の端部と、該第1の端部に対して遠位側の第2の端部とを有するハンドルと、
前記ハンドルの前記第2の端部において前記ハンドルを横切って広がる端壁と、
フィルタと、
前記機器に電源からの電力を供給する電力ケーブルと、
を備え、
前記端壁は、前記ハンドルから取り外し可能であり、前記フィルタは、前記ハンドル内に設けられ、円筒形であり、前記ハンドルの前記第2の端部から前記第1の端部に向かって延び、前記電力ケーブルは、前記端壁を貫いて延び、前記端壁は、該端壁を前記ハンドルから取り外した時に電力ケーブル上に保持される、
ことを特徴とする手持型機器。
【請求項37】
前記機器内に流体を引き込むためのファンユニットを備える、
請求項21から36のいずれか1項に記載の機器。
【請求項38】
前記ファンユニットは、前記端壁を通じて流体を引き込む、
請求項37に記載の機器。
【請求項39】
前記ファンユニットは、前記ハンドル内に存在する、
請求項37又は38に記載の機器。
【請求項40】
前記ハンドルの前記第2の端部は、前記ハンドルの周囲で少なくとも部分的に半径方向に広がるとともに前記第2の端部から前記ハンドルに沿って延びる複数の開口部を含む、請求項21から39のいずれか1項に記載の機器。
【請求項41】
手持型機器であって、
本体と、
前記本体に接続された第1の端部と、該第1の端部に対して遠位側の第2の端部とを有するハンドルと、
前記ハンドルの前記第2の端部において前記ハンドルを横切って広がる端壁と、
フィルタと、
を備え、
前記端壁は前記ハンドルから取り外し可能であり、前記フィルタは、前記ハンドル内に設けられ、円筒形であり、前記ハンドルの前記第2の端部から前記第1の端部に向かって延び、前記ハンドルの前記第2の端部は、前記ハンドルの周囲で少なくとも部分的に半径方向に広がるとともに前記第2の端部から前記ハンドルに沿って延びる複数の開口部を含む、
ことを特徴とする手持型機器。
【請求項42】
前記機器は、ヘアドライヤである、
請求項11から20のいずれか1項に記載の機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手持型機器に関し、特にヘアドライヤ又は高温整髪ブラシなどのヘアケア機器に関する。
【背景技術】
【0002】
塗料又は毛髪などの物質の乾燥、及び表層の洗浄又は除去などの様々な用途には、送風機、特に温風送風機が使用される。また、髪を濡れた状態又は乾いた状態から整えるためにも、高温整髪ブラシなどの温風送風機が使用される。
【0003】
一般的には、本体に流体を吸い込むモータ及びファンが設けられ、流体を本体から排出する前に加熱することができる。モータは、ほこり又は毛髪などの異物によって損傷を受け易く、従って通常はブロワへの流体吸気口にフィルタが設けられる。従来、このような機器は、機器から排出される流体流の形状及び速度を変化させる、取り付け及び取り外しが可能なノズルを備える。このようなノズルは、その時のユーザの要求に応じて、機器の流出を集中させたり、又は流出を拡散させたりするために使用することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の態様によれば、本発明は、手持型機器であって、本体と、本体に接続された第1の端部、及び第1の端部に対して遠位側の第2の端部を有するハンドルと、ハンドルの第2の端部においてハンドルを横切って広がる、ハンドルから取り外し可能な端壁とを含む手持型機器を提供する。
【0005】
ハンドル内には、フィルタが設けられることが好ましい。
【0006】
機器は、第2の端部において外壁を横切って広がる端壁を含む。端壁は、複数の開口部を含むことが好ましく、複数の開口部は、端壁を貫いて延びることが好ましい。端壁を貫いて延びる開口部は、機器内への流体入口の一部を形成することが好ましい。
【0007】
複数の開口部は、機器内への流体入口を含むことが好ましい。好ましい実施形態では、端壁が可撓性である。端壁は、プラスチック材料で作製されることが好ましい。プラスチック材料は、ポリプロピレン又はアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)の一方であることが好ましい。
【0008】
端壁は、リムと、リムの半径方向内向きに延びるリップ部とを含むことが好ましい。リップ部は、リムからの延長部によってリムから離間することが好ましい。一対のリップ部を設けることが好ましい。機器は、(単複の)リップ部を収容する凹部を含むことが好ましい。凹部は、ハンドルの内面に形成されることが好ましい。一対の凹部を設けることが好ましい。
【0009】
ハンドルは、取り外し可能なフィルタをさらに含むことが好ましい。取り外し可能なフィルタは、洗浄可能であることが好ましい。フィルタは、端壁をハンドルから取り外した時に取り外せることが好ましい。
【0010】
好ましい実施形態では、機器が、フィルタに対して保持されたフィルタ骨格を含む。フィルタ骨格は、フィルタを越えて延び、フィルタをハンドルから引き出すようにアクセスできることが好ましい。
【0011】
ハンドルは、外部からアクセス可能な外面と、ハンドルの内部領域を定める内面とを有する外壁を有することが好ましい。端壁は、外壁を半径方向に横切って延びることが好ましい。端壁は、外壁の外径と一致することが好ましい。或いは、端壁は、外壁よりも大きな直径を有する。端壁は、少なくとも部分的に端壁の外周の周囲に外向きに広がる外側リップ部を含むことが好ましい。
【0012】
端壁は、端壁の内側リムによって定められたさらなる開口部を含むことが好ましい。
【0013】
別の態様によれば、本発明は、手持型機器であって、本体と、本体に接続された第1の端部、及び第1の端部に対して遠位側の第2の端部を有するハンドルと、ハンドルの第2の端部においてハンドルを横切って広がる端壁とを備え、端壁は、ハンドルから取り外し可能であり、端壁は、端壁の内側リムによって定められたさらなる開口部を含む手持型機器を提供する。
【0014】
さらなる開口部は、端壁の中心に配置されることが好ましい。
【0015】
好ましい実施形態では、機器が、機器に電源からの電力を供給するための電力ケーブルを含み、電力ケーブルは、さらなる開口部を通って延びる。電力ケーブルは、電力ケーブルの周囲を半径方向に延びるハウジング内に位置することが好ましい。
【0016】
機器は、電力ケーブルを含み、電力ケーブルは、端壁を通って機器に入り込むことが好ましい。フィルタは、電力ケーブルを収容するための穴又はさらなる開口部を含むことが好ましい。端壁の複数の開口部は、穴又はさらなる開口部から離間することが好ましい。フィルタは、電力ケーブルに当接することが好ましい。
【0017】
ハウジングは、ハウジングの周囲に半径方向に広がる凹部を含むことが好ましい。さらなる開口部は、内側リムの半径方向内向きに延びるリップ部を含み、リップ部は、凹部と協働するように適合されることが好ましい。
【0018】
端壁は、端壁をハンドルから取り外した時に電力ケーブル上に保持されることが好ましい。
【0019】
本発明は、手持型機器であって、本体と、本体に接続された第1の端部、及び第1の端部に対して遠位側の第2の端部を有するハンドルと、ハンドルの第2の端部においてハンドルを横切って広がる、ハンドルから取り外し可能な端壁と、機器に電源からの電力を供給する電力ケーブルとを備え、電力ケーブルは、端壁を貫いて延び、端壁は、端壁をハンドルから取り外した時に電力ケーブル上に保持される手持型機器も提供する。
【0020】
好ましい実施形態では、機器が、機器内に流体を引き込むためのファンユニットを含む。ファンユニットは、端壁を通じて流体を引き込むことが好ましい。ファンユニットは、ハンドル内に存在することが好ましい。
【0021】
ハンドルの第2の端部は、ハンドルの周囲で少なくとも部分的に半径方向に広がるとともに第2の端部からハンドルに沿って延びる複数の開口部を含むことが好ましい。
【0022】
本発明は、手持型機器であって、本体と、本体に接続された第1の端部、及び第1の端部に対して遠位側の第2の端部を有するハンドルと、ハンドルの第2の端部においてハンドルを横切って広がる端壁とを備え、端壁は、ハンドルから取り外し可能であり、ハンドルの第2の端部は、ハンドルの周囲で少なくとも部分的に半径方向に広がるとともに第2の端部からハンドルに沿って延びる複数の開口部を含む手持型機器を提供する。
【0023】
ハンドルは、内壁と、内壁に沿ってその周囲に延びる外壁とを有し、内壁は、少なくとも部分的に内壁に沿って延びる複数の穿孔部を含むことが好ましい。
【0024】
内壁は、少なくとも部分的に内壁の周囲に延びる複数の穿孔部を含むことが好ましい。
【0025】
好ましい実施形態では、外壁が、少なくとも部分的に外壁の周囲に延びる複数の穿孔部を含む。外壁は、少なくとも部分的に外壁に沿って延びる複数の穿孔部を含むことが好ましい。
【0026】
好ましい実施形態では、外壁の穿孔部が、内壁の穿孔部から離間する。従って、外壁の穿孔部と内壁の穿孔部とは重なり合わない。
【0027】
ハンドルは、第1及び第2の端部を含むことが好ましい。
【0028】
好ましい実施形態では、内壁が、第1の端部と第2の端部とを有し、内壁は、ハンドルの第1の端部からハンドルの第2の端部に向かって延びる。
【0029】
ハンドルの外壁は、ハンドルの第1の端部からハンドルの第2の端部に向かって延びることが好ましい。好ましい実施形態では、外壁が、ハンドルの第2の端部に向かって延びる。
【0030】
外壁の穿孔部は、ハンドルの第2の端部に隣接することが好ましい。好ましい実施形態では、外壁の穿孔部が、ハンドルに沿って第1の端部に向かって延びる。
【0031】
外壁の穿孔部は、内壁の穿孔部から長手方向に離間することが好ましい。
【0032】
好ましい実施形態では、機器が、外壁内の穿孔部を横切ってその周囲に延びる、外壁内に配置されたフィルタを含む。
【0033】
フィルタは、ハンドルの第2の端部から延びることが好ましい。フィルタは、第2の端部から第1の端部に向かって延びることが好ましい。好ましい実施形態では、フィルタが、ハンドルの第2の端部から延びて内壁の第2の端部に当接する。
【0034】
内壁の第2の端部は、湾曲することが好ましい。
【0035】
好ましい実施形態では、内壁が、内壁と外壁の間に突出する少なくとも1つの支持リブを含む。少なくとも1つの支持リブは、内壁の周囲で湾曲することが好ましい。これとは別に、又はこれに加えて、少なくとも1つの支持リブは、内壁に沿って長手方向に延びる。
【0036】
ハンドルの外壁と内壁の間には、ライニング材が設けられることが好ましい。
【0037】
好ましい実施形態では、外壁の穿孔部が、ハンドル内への流体入口を含む。
【0038】
機器は、流体入口からハンドルに沿って延びる流体流路を含み、流体流路は、少なくとも部分的に内壁によって定められることが好ましい。
【0039】
好ましい実施形態では、ハンドルがファンユニットを含む。内壁は、ファンユニットをハンドル内に収容するためのハウジングを含むことが好ましい。好ましい実施形態では、ハウジングが、ハンドルの第1の端部とハンドルの第2の端部との間に存在する。
【0040】
ハンドルの第1の端部は、ハンドルの上流端であることが好ましい。好ましい実施形態では、ハンドルの第2の端部が、ハンドルの下流端である。
【0041】
ハンドルの第2の端部は、流体入口を含むことが好ましい。
【0042】
好ましい実施形態では、内壁が、第2の端部とファンユニットのためのハウジングとの間に複数の穿孔部を含む。
【0043】
内壁は、ファンユニットのためのハウジングとハンドルの第1の端部との間に穿孔部を有さないことが好ましい。
【0044】
好ましい実施形態では、内壁が、第1のパーツ及び第2のパーツから形成される。第1のパーツ及び第2のパーツは、連続内壁を形成するように互いに接合されることが好ましい。
【0045】
好ましい実施形態では、第1のパーツが、内壁の第1の端部から内壁の第2の端部に延びる。
【0046】
第2のパーツは、内壁の第1の端部から内壁の第2の端部に延びることが好ましい。
【0047】
好ましい実施形態では、内壁の第1のパーツ及び第2のパーツが、接続支柱によって互いに接続される。接続支柱は、内壁のための補強リブであることが好ましい。
【0048】
好ましい実施形態では、内壁が、ハンドルの第2の端部に隣接する、複数の穿孔部を含む第1の部分と、穿孔部を有さず、ファンユニットのためのハウジングを含む第2の部分と、第2の部分から、穿孔部を有さない内壁の第1の端部に向かって延びる第3の部分とを含む。
【0049】
別の態様によれば、本発明は、手持型機器であって、入口と、出口と、入口から出口に流れる流体流路と、フィルタとを備え、入口は、複数の開口部を含み、フィルタは、複数の開口部の各々の周囲に延びる手持型機器を提供する。
【0050】
フィルタが複数の開口部の各々の周囲に延びているので、複数の開口部を通って流れるあらゆる流体は、フィルタを通って流れる。
【0051】
機器は、外壁を備え、入口は外壁に存在することが好ましい。開口部は、少なくとも部分的に外壁に沿って延びることが好ましい。
【0052】
外壁は、管状であることが好ましい。開口部は、少なくとも部分的に外壁の周囲に延びることが好ましい。
【0053】
フィルタは、発泡体ブロックであることが好ましい。フィルタは、円筒形であることが好ましい。
【0054】
入口は、第2の端部から第1の端部に向かって延びることが好ましい。
【0055】
フィルタは、第2の端部から入口よりも遠くに延びることが好ましい。
【0056】
フィルタは、端壁を貫く複数の開口部の周囲に延びることが好ましい。フィルタは、端壁を横切って延びることが好ましい。
【0057】
第7の態様によれば、本発明は、ヘアケア機器であって、入口と、出口と、入口から出口に流れる流体流路と、フィルタとを備え、入口は、複数の開口部を含み、フィルタは、複数の開口部の各々の周囲に延びるヘアケア機器を提供する。
【0058】
第8の態様によれば、本発明は、ヘアケア機器であって、本体と、本体に接続された第1の端部、及び第1の端部に対して遠位側の第2の端部を有するハンドルと、ハンドルの第2の端部においてハンドルを横切って広がる、ハンドルから取り外し可能な端壁とを備えたヘアケア機器を提供する。
【0059】
また、ヘアケア機器であって、本体と、本体に接続された第1の端部、及び第1の端部に対して遠位側の第2の端部を有するハンドルと、ハンドルの第2の端部においてハンドルを横切って広がる端壁とを備え、端壁は、ハンドルから取り外し可能であり、端壁は、端壁の内側リムによって定められたさらなる開口部を含むヘアケア機器も提供する。
【0060】
また、ヘアケア機器であって、本体と、本体に接続された第1の端部、及び第1の端部に対して遠位側の第2の端部を有するハンドルと、ハンドルの第2の端部においてハンドルを横切って広がる、ハンドルから取り外し可能な端壁とを備え、端壁は、端壁をハンドルから取り外した時に電力ケーブル上に保持されるヘアケア機器も提供する。
【0061】
また、ヘアケア機器であって、本体と、本体に接続された第1の端部、及び第1の端部に対して遠位側の第2の端部を有するハンドルと、ハンドルの第2の端部においてハンドルを横切って広がる端壁とを備え、端壁はハンドルから取り外し可能であり、ハンドルの第2の端部は、ハンドルの周囲で少なくとも部分的に半径方向に広がるとともに第2の端部からハンドルに沿って延びる複数の開口部を含むヘアケア機器も提供する。
【0062】
ヘアケア機器は、ヘアドライヤであることが好ましい。
【0063】
以下、添付図面を参照しながら本発明を一例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【
図3c】入口を分解した機器のさらに別のビューである。
【
図9】
図8の入口の取り外し可能部分を取り外した図である。
【
図10】フィルタブロック及び取り外し可能部分の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
図1及び
図2に、ハンドル20及び本体30を備えたヘアドライヤ10を示す。ハンドルは、本体30に接続された第1の端部22と、本体30から遠位側に存在する、一次流体入口40を含む第2の端部24とを有する。ヘアドライヤ10には、ケーブル50を介して電力が供給される。
【0066】
本体30は、第1の端部32及び第2の端部34を有し、2つの部分を有していると見なすことができる。第1の端部32からは、概ね管状の第1のパーツ36が延び、第2の端部34からは、第2のパーツ38が延びて第1のパーツ36に交わる。第2のパーツ38は円錐形であり、その長さに沿って本体30の第1のパーツ36の直径から本体の第2の端部34のより小さな直径へと直径が変化する。この例では、第2のパーツ38が一定の傾斜を有し、本体30の第1のパーツ36の外壁360から定められる角度αは約40°である。
【0067】
ハンドル20は、本体30からハンドルの遠位端24に延びる外壁200を有する。ハンドルの遠位端24では、外壁200を横切って端壁210が広がる。ケーブル50は、この端壁210を通じてヘアドライヤに入り込む。ハンドル20の一次流体入口40は、ハンドルの外壁200に沿ってその周囲に広がる第1の開口部42と、ハンドル20の端壁210を貫いてその全体に広がる第2の開口部46とを有する。ケーブル50は、端壁210のほぼ中央に位置し、従ってハンドル20の中心から延びる。端壁210は、ハンドルの外壁200及び内壁220に直交する。
【0068】
ケーブル50は、ユーザの手の中のハンドル20の向きに関係なくヘアドライヤの平衡が保たれるという理由で、ハンドル20の中心から延びることが好ましい。また、ユーザがハンドル20上で手の位置を動かした場合でも、手に対するケーブル50の位置が変化しないので、ケーブル50から引っ張られることがない。仮にケーブルの中心をずらしてハンドルの片側に近付けた場合、ヘアドライヤの重量分布が向きとともに変化し、ユーザの気が散ってしまう。
【0069】
一次流体入口40の上流には、ファンユニット70が設けられる。ファンユニット70は、ファン及びモータを含む。ファンユニット70は、一次流体入口40から本体30内に延びる一次流体流路400を通じて、一次流体入口40から本体30に向けて流体を吸い込み、ハンドル20と本体30は90において接合される。一次流体流路400は、本体30内を本体の第2の端部34に向かい、ヒータ80の周囲を通って一次流体出口440まで続き、ファンユニットによって吸い込まれた流体は、ここで一次流体流路400から出る。一次流体流路400は直線ではなく、ハンドル20内では第1の方向に進み、本体30内では第1の方向と直交する第2の方向に進む。
【0070】
本体30は、外壁360及び内側ダクト310を含む。一次流体流路400は、ハンドル20と本体30の接合部90から本体に沿って、外壁360とダクト310の間を本体30の第2の端部34における一次流体出口440に向かって延びる。
【0071】
本体内には別の流体流路も設けられ、この流れはファンユニット又はヒータによって直接処理されず、ヘアドライヤ内の一次流を生成するファンユニットの作用によってヘアドライヤに吸い込まれる。この流体流は、一次流体流路400内を流れる流体によってヘアドライヤ内に取り込まれる。
【0072】
本体の第1の端部32は、流体入口320を含み、本体の第2の端部34は、流体出口340を含む。流体入口320及び流体出口340は、本体内を本体に沿って延びる、本体30の内壁であるダクト310によって少なくとも部分的に定められる。流体流路300は、ダクト内を流体入口320から流体出口340に延びる。本体30の第1の端部32では、外壁360とダクト310との間に側壁350が広がる。この側壁350は、少なくとも部分的に流体入口320を定める。本体の第2の端部34では、外壁360とダクトの間に間隙が設けられ、この間隙が一次流体出口440を定める。一次流体出口440は環状であり、流体流路を取り囲む。一次流体出口440は、一次流体流路400が本体30内で流体流路300に合流できるように内側に存在することができる。或いは、一次流体出口440は外側に存在し、流体出口340において流体流路300からの流体とは別に本体30から排出される。
【0073】
本体の外壁360は、ダクト310、及び本体30の中心線A−Aに向かって収束する。ダクト310に向かって収束する外壁360には、一次流体出口440から排出される一次流が本体30の中心線A−Aに向かって導かれるという利点がある。一次流体出口440から排出される流体は、この一次出口440からの流体の動きに起因して、ヘアドライヤの外側からの流体の何らかの外部同伴490を引き起こす。この効果は、ダクト310に向かって収束する外壁360によって高められる。この理由は、1つには、一次流が発散性でなく集中性であるためであり、1つには、本体30の外壁360がヘアドライヤの第2の端部34に向かって傾斜しているためである。
【0074】
ダクト310は、ヘアドライヤの外側からアクセスできるヘアドライヤの内壁である。従って、ダクト310は、ヘアドライヤの外周壁である。ダクト310は、本体30内の奥まった所に存在し、従って外壁360とダクト310を接続する側壁350は、外壁360に対して角度を成す。
【0075】
本体30内の側壁350及び流体入口320の近くには、ヘアドライヤの制御電子回路を含むPCB75が存在する。PCB75はリング状であり、ダクト310と外壁360の間においてダクト310の周囲に延びる。PCB75は、一次流体流路400と流体連通する。PCB75は、流体流路300の周囲に延び、ダクト310によって流体流路300から分離される。
【0076】
PCB75は、ヒータ80の温度及びファンユニット70の回転速度などのパラメータを制御する。PCB75は、内部配線(図示せず)によってヒータ80、ファンユニット70及びケーブル50に電気的に接続される。PCB75には、例えばユーザが様々な温度設定及び流速から選択を行えるように設けられた制御ボタン62、64が接続される。
【0077】
使用時には、ファンユニット70の作用によって流体が一次流体流路400内に吸い込まれ、任意にヒータ80によって加熱されて一次流体出口440から排出される。この処理流により、流体入口320において流体が流体流路300内に取り込まれるようになる。この流体は、本体の第2の端部34において処理流と合流する。
図2に示す例では、この処理流が、流体出口340を通じてヘアドライヤから排出される取り込まれた流れを取り囲む環状流として一次流体出口440及びヘアドライヤから排出される。従って、ファンユニット及びヒータによって処理された流体は、取り込まれた流れによって増大する。
【0078】
図3a、
図3b及び
図3cは、ヘアドライヤ10の一次流体入口40をさらに詳細に示す分解斜視図である。機器10は、本体30及びハンドル20を含む。ハンドル20は管状であり、ハンドル20の外壁200は、アルミニウム、アルミニウム合金又は鋼などの圧延金属板で作製された円筒形スリーブである。ハンドルは、第1の端部22が本体30に接続され、遠位側の第2の端部24には一次流体入口40が設けられる。一次流体入口40は、一次流体流路400に入り込む流体を濾過する第1の手段である。
【0079】
使用時にハンドル20の第2の端部24に挿入される発泡体ブロック48が設けられる。発泡体ブロック48は、一次流体入口40を通って一次流体流路400に入り込む流体を濾過する第2の手段である。発泡体ブロック48は、一次流体入口40を越えてさらにハンドルの第1の端部22に向かって延び、これによって一次流体入口40に入り込んだ流体が発泡体ブロック48を通過し、従って二段階濾過を受けることを確実にすることが有利である。
【0080】
図示の発泡体ブロック48は円筒形であり、一次流体入口40におけるハンドル20内の領域を実質的に満たす。これにより、ハンドルの周囲にハンドルに沿って広がる第1の開口部42を通じて一次流体入口に入り込む全ての流体、及びハンドル20の端壁210を横切って端壁210を貫いて広がる第2の開口部46を通じて入り込む流体が、この第2の濾過段階を確実に通過するようになる。発泡体ブロック48は、ハンドル20の第2の端部24から、一次流体入口40の第1の開口部42よりも遠くまで長手方向に延びる。
【0081】
一次流体入口40が、単にハンドル20の外壁に沿ってその周囲に延びているだけの場合、発泡体ブロック48は、リング状に形成されハンドル20の外壁200の内面に接して位置する矩形ブロックを含むことができる。端壁210を通じてハンドル20に入り込む流体が存在しなくなるので、ハンドル20の端壁210を覆う必要性がなくなる。
【0082】
図4は、本発明による機器の分解斜視図であり、
図5は、異なるハンドル部品の分解側面図であり、
図6は、内側ハンドルの斜視図であり、
図7には、組み立てた内側ハンドルを示す。
【0083】
ハンドル20は、外壁200と、ハンドル20を貫く一次流体流路400を少なくとも部分的に定める内壁220とを有する。内壁220は、本体30からハンドル20の第2の端部24に向かって下流端220aに延びるが、一次流体入口40の一部を形成する第1の開口部42ほど遠くまでは延びない。内壁220は、下流端220aにおいて発泡体ブロック48に当接する。内壁220は、一次流体入口40の第1の開口部42から離間する。
【0084】
内壁220は、一次流体流路400の断面積の変化の周囲に流体流を導くように成形される。例えば、内壁220の下流端220aでは、内壁が一次流体流路400に沿って外壁200から半径方向内向きに湾曲する。この湾曲部分228は、フィルタブロック48から排出された流体を、内壁220と外壁200との間に位置するライニング材222を収容するように外壁200の直径に対して直径が小さくなった内壁220内に導く。ライニング材222は、ファンユニット70によってハンドル20内に流体が引き込まれる際に発生するノイズを少なくとも軽減する(消音効果を有する)発泡体又はフェルトである。明確にするために、ライニング材222は、内壁220の一部の周囲にしか示していない。実際には、ライニング材222は、補強リブ226によって定められる内壁220の各八分円を実質的に満たす。内壁220は、ライニング材222と一次流体流路400内を流れる流体とを接触させ、従ってノイズの軽減を可能にするために、内壁220の長さに少なくとも部分的に沿ってその周囲に広がる穿孔部224を含む。内壁220は、一次流体入口40の第1の開口部42上に延びていないので、内壁220内の穿孔部224は、一次流体入口40の第1の開口部42から長手方向に離間する。
【0085】
本体30の外壁360と、ハンドル20の内壁220の第1のパーツ220cは、単一片として成形される。内壁220の第2のパーツ220bは、第1のパーツ220cと共に、外壁200の内側の周囲に延びる連続的な内壁220を形成する。内壁220は、本体からハンドルの一次流体入口40に向かって延びる。この例では、内壁220が、ハンドル20の外壁200の一次流体入口40と重なり合っていない。内壁220の端部220aとハンドル20の端壁210との間には、発泡体ブロック48が存在する。
【0086】
外壁200に沿ってその周囲に広がる第1の開口部42は、外壁200を形成する金属板から機械加工され、打ち抜かれ、又はレーザ切断される。外壁200を内壁220上に摺動させて完成品を形成する。
【0087】
特に
図8、
図9及び
図10を参照して分かるように、一次流体入口40は、毛髪及び非液体ヘアケア製品(例えば、ムース及びワックス)が一次流体流路400に入り込むのを防ぐように意図されている。毛髪、繊維及び埃を取り除いて一次流体入口40の開口部42の閉塞を解除するには、一次流体入口40の外面を拭えばよい。発泡体ブロック48は、網状の発泡体ブロックであることが好ましく、毛髪の進入及び浮遊微小粒子が一次流体流路400に入り込むのを防ぐように意図されている。この発泡体ブロック48は、常に清掃又は交換のためにアクセスできるわけではないので、一次流体入口40は、取り外し可能部分44を有し、ユーザは、取り外し可能部分44を取り外すと、清掃又は交換のために外壁200の内側から発泡体ブロック48を取り出せるようになる。
【0088】
取り外し可能部分44は、ハンドル20の端壁210を含むとともに、ハンドルの外壁200の端部200aを覆って外壁200の少なくとも半径を横切って延びるリップ部440を含む外部リム430を有する。取り外し可能部分44は、ハンドル20内への一次流体入口40の一部を形成する第2の開口部46も含む。
【0089】
この例では、リップ部440が、ハンドル20の外壁200を越えて延び、ユーザがリップ部440において端壁44を把持してハンドルの端部200aから剥がせるようにしている。取り外し可能部分44は、ハンドル20の遠位端24に対して着脱操作ができるように、プラスチック又はゴムなどの可撓性材料で作製される。
【0090】
取り外し可能部分44は、ハンドルの第2の端部24に取り付けられた時に外壁200の内側に延びる内側部分402も含み、これによって一次流体入口40の2つの部分42、44間における良好なシールの形成が確実になる。
【0091】
取り外し可能部分44は、ハンドル20内に延びる電力ケーブル50が通過するさらなる開口部406を含む。さらなる開口部406は、取り外し可能部分44の中心に存在する。電力ケーブル50は、ハンドル20に固定され、従って一次流体入口40の取り外し可能部分44は、ハンドルの端部24から取り外された際に電力ケーブル50上に残ったままになる。これにより、洗浄又は交換のために発泡体ブロック48を取り外している時に、取り外し可能部分44をうっかり置き忘れることがなくなる。取り外し可能部分44をハンドルの端部24に戻すには、取り外し可能部分44を電力ケーブル50に沿って単純に引っ張り、その後にハンドルの端部24上に押し込めばよい。
【0092】
発泡体ブロック48は、電力ケーブル50を収納するための中心開口部48a(
図3及び
図10)を有する円筒形である。フィルタブロック48を電力ケーブル50から除去するために、発泡体ブロック48の厚みを通じてスリット148が設けられる。発泡体ブロック48は、電力ケーブル50の周囲から発泡体ブロック48を取り外すようにスリット148において引き離せるほど十分な可撓性を有する。
【0093】
取り外し可能部分44に形成された第2の開口部46を通じて一次流体入口40に入り込んだ全ての流体を発泡体ブロック48に通すことによって確実に濾過するために、第2の開口部46は、取り外し可能部分44に設けられたさらなる開口部406から離間する。発泡体ブロック48の中心開口部48aの直径は、取り外し可能部分44のさらなる開口部406の直径に、第2の開口部46の最も内側の行46aと取り外し可能部分44のさらなる開口部406との間の距離の2倍を加えたものよりも小さい。これにより、発泡体ブロック48は、全ての第2の開口部46と確実に重なり合うようになる。
【0094】
取り外し可能部分44は可撓性であるため、電力ケーブル50の外縁の周囲を密封して、流体が一次流体入口40を通過せずに流体流路に入り込むのを防ぐ。
【0095】
特に
図4〜
図7を参照して分かるように、内壁220は、複数の異なる機能を有する。1つの機能は、ハンドル20内に配置されたライニング材222の範囲を定めることである。内壁220は、外壁200に対してライニング材222を押し潰し、一次流体流路400がライニング材222によって制約されないことを確実にする。明確にするために、ライニング材222は、内壁220の一部に沿ってその周囲にしか示していないが、実際には、ハンドル20の外壁200と内壁220の間で実質的に連続する。ライニング材222は、発泡体又はフェルトであり、ハンドル20に音響障壁及び熱障壁をもたらす。
【0096】
内壁220の別の機能は、内部にファンユニット70が配置されるハウジング230を提供することである。ハウジング230は円筒形であり、ハウジング230の各端部には内向きに突出する桟部232、234が1つずつ配置されて、ハンドル20内におけるファンユニット70の位置を維持する。ファンユニット70は、一次流体入口40内に流体を引き込み、一次流体流路400に沿って本体30に至らせる。この過程でノイズ及び振動が発生し、これらはライニング材によって部分的に軽減されるが、内壁220の形状、並びに内壁220に沿ってその周囲に設けられた穿孔部224によっても軽減される。
【0097】
内壁220は、内壁220の外径の周囲で螺旋状になった補強リブ226を有する。補強リブ226は、ヘアドライヤ10を落下又は強打した場合にハンドル20のための構造的支持を提供する。この実施形態では、ライニング材222が、補強リブ226間に収まる小片に切断されているが、ライニング材を連続片として設けることもできる。これらの両選択肢には、組み立て、ノイズ及び振動の減衰、並びに補強リブ226の有効性の点で長所も短所もある。
【0098】
さらに、接続支柱236の形の長手方向補強リブも設けられる。この接続支柱は、内壁220の第1のパーツ220cと第2のパーツ220bの協働する縁部に沿って長手方向に延びる。この接続支柱は、内壁220を補強することと、内壁の第1のパーツ220cと第2のパーツ220bを確実に接続することという2つの機能を有する。
【0099】
補強リブの使用は、同じ強度のハンドルについて内壁220を薄くすることができ、これによって製品の重量が減少することを意味する。また、各穿孔部224も、他の利点をもたらすことに加えて内壁220の重量を減少させる。
【0100】
内壁220は、本体30の外壁360から延びる、本体30の外壁360と一体的に成形される第1のパーツ220cと、別個に成形される第2のパーツ220bという2つの部分から形成される。これにより、一体部品の内壁よりも、ハンドル20内におけるファンユニット70の取り付けが容易になる。
【0101】
図11及び
図12に、内壁250の別の構成を示す。内壁250は、本体30と一体的に成形される第1のパーツ250aと、第1のパーツ250aに接合して完全な内壁250を形成する第2のパーツ250bという2つの部分で形成される。
【0102】
内壁250は、本体30に接続された第1の端部252から、本体30から遠位側の第2の端部254に延びる。第2の端部254及びファンユニットハウジング230に向かって延びる途中の部分には、内壁250の周囲に複数の穿孔部256が形成され、この部分が内壁の第1の部分260を形成する。内壁の第2の部分262は、ファンユニット70のためのハウジング230を含む。大型の開口部258が、接続支柱266によって2つに分割される。接続支柱266は、2つの主な機能を有し、第1の機能は、内壁250の第1のパーツ250aと第2のパーツ250bの間の接続点を提供することである。内壁の第3の部分264は、ファンハウジング230の上端から内壁の第1の端部252に延びる。この内壁250の第3の部分264には、開口部又は穿孔部は存在しない。
【0103】
内側ハンドル250の第1の部分260に沿って、ライニング材270が設けられる。明確にするために、ライニング材270は、内壁の第1のパーツ250a上にしか示していないが、使用時には、内壁250の第1の部分260の周囲全体に広がるようになる。このライニング材270は、内壁の第1のパーツ250a及び第2のパーツ250bに対してそれぞれ1つずつの2つの断片として設けられる。
【0104】
ライニング材270は、ファンユニット70の作用によって流体が一次流体入口40に引き込まれる際に発生するノイズを低減するために設けられる。ライニング材270は、一次流体流路400を流れる流体に直接曝された時に最も効果が高い。しかしながら、流体の流れが発泡体ブロック48によって濾過された後に内壁250内に向かっている位置では、ライニング材270を流れ誘導面の背後に配置することが有益である。内壁250の第2の端部254は、流体がフィルタブロック48から一次流体流路400に移動する際に滑らかな流体流路を形成するように湾曲して成形される(258)。
【0105】
内壁220の穿孔部256は、ノイズを最も効果的に減衰するように選択された直径を有する。1mm〜10mmの直径が適しており、小さな直径は、(人間の主な音域を上回る音を低減する)良好な音響パワーを得るのに有利であり、大きな直径は、高周波の減衰に有利である。穿孔部は、内壁220、250の表面積の少なくとも40%を形成することが好ましい。
【0106】
ライニング材222を内壁220、250の背後に配置することにより、ライニング材222を一次流体流路に露出するように導く場合よりも厚みの大きなライニング材を使用することができる。この理由は、ハンドル20の内壁220、250と外壁200との間の間隙内にライニング材222を押し潰す内壁220、250によって一次流体流路400の直径が決まるからである。
【0107】
図13a〜
図16には、別の取り外し可能部分244の様々なビューを示す。この取り外し可能部分244は剛性プラスチック材料で作製され、外壁の端部220a上に押し込まれる。取り外し可能部分244は、ハンドル20内への一次流体入口40の一部を形成する第2の開口部46を含む端面246を有する。取り外し可能部分244は、指グリップ302を含む外側リム300を有する概ね「U」字形である。基本的に、指グリップ302は、例えば指の爪又はコインを引っ掛けられるようにリム300内の途中まで延びる凹部であり、取り外し可能部分244をハンドル20の端部200aからてこの作用で外すために使用することができる。
【0108】
指グリップ302は、半径方向に向かい合って2つ設けることができる(
図14b、
図16)。これにより、ハンドル20及び電力ケーブル50によって定められる長手軸に沿って取り外し可能部分244を引っ張ることができるので、取り外しが容易になる。
【0109】
この取り外し可能部分244は、外側リム300においてハンドル20の端部220aに当接し、ハンドルの20の端部において1対の弾性クリップ308を介して適所に固定される。各弾性クリップ308は、取り外し可能部分244の内側リム304から上向きに延びる延長部208aを含む「L」字形である。内側リム304は、取り外し可能部分の中心開口部306を定め、ここを通じて電力ケーブル50がハンドル20に入り込む。弾性クリップ308は、内側リム304から上方に離れた延長部208aの遠位端に、取り外し可能部分244の中心開口部306によって定められる空間内に内側リム304から半径方向内向きに延びるリップ部308bを有する。
【0110】
電力ケーブル50は、ハンドル20内の、電力ケーブル50の周囲に広がるハウジング52に収容される。このハウジングは、弾性クリップ308を保持するように適合された円形凹部54を含む。取り外し可能部分244をハンドル20の端部200aに挿入する場合、取り外し可能部分244は、その取り付け位置に来るまで弾性クリップ308のリップ部308bがハウジング52によって半径方向外向きに押され、取り付け位置に来たらリップ部308bが円形凹部54内に進入して取り外し可能部分244を所定位置に保持する。
【0111】
取り外し可能部分244を取り外すには、弾性クリップ308のリップ部308bを円形凹部54から飛び出るように撓ませるほどの力で(単複の)指グリップ302を引っ張るだけでよい。
【0112】
ハウジング52内の凹部は円形である必要はなく、1対のリップ部308bを受け入れるサイズ及び間隔の1対の凹部であればよい。これにより、ハウジング52、従ってハンドル20に対する取り外し可能部分244の向きを制御できるので有利である。
【0113】
1対の指グリップ302を用い、指グリップ302と弾性クリップ308とを対にして取り外し可能部分244の周囲の半径方向の同じ位置に配置することが好ましい。このことは、弾性クリップ308に加わるあらゆる力が、取り外し可能部分244を横切って関連する弾性クリップ308に直接伝わることを意味する。
【0114】
図13b、
図14a及び
図14cに示すように、ハンドル20の内部からフィルタブロック48を容易に取り出すために、フィルタ骨格480を設けることができる。フィルタ骨格480は、フィルタブロック48の中心開口部48aによって定められるフィルタブロック48の内面48bにおいてフィルタブロック48の長さに沿って延びる複数のリブ482を有する(
図3b、
図10及び
図14b)。リブ482は、フィルタブロック48の材料内に半径方向外向きに延びる保持機構484を含む。この例では、保持機構484が矢印形状であるが、他の形状を用いることもできる。フィルタ骨格の下流端480aには、1対の下向きに延びるラグ486が設けられる。フィルタ48及びフィルタ骨格480をハンドル20内に配置した時には、これらの下向きに延びるラグ486を把持し、ハンドルの端部200aから下向きに引っ張ってフィルタブロック48をハンドル20から引っ張り出せるように外部からアクセスすることができる(
図13b)。
【0115】
ハンドル20の外壁200は、圧延金属板で作製されると説明したが、別の製造方法及び材料を使用することもでき、これらは、以下に限定されるわけではないが、押し出し管及びプラスチック押し出し/成形管、又は炭素繊維強化プラスチックなどの複合管を含む。
【0116】
ヘアドライヤに関して本発明を詳細に説明したが、本発明は、流体を吸い込んでこの流体を機器から流出させるように導くあらゆる機器に適用可能である。
【0117】
この機器は、ヒータの有無に関わらず使用することができ、流体の高速流出作用は乾燥効果を有する。
【0118】
一般に、機器内を流れる流体は空気であるが、異なる気体又は一種類の気体の組み合わせであってもよく、機器の性能、或いは出力が向けられる毛髪などの物体及びそのスタイリングに機器が与える影響を改善する添加物を含むこともできる。
【0119】
本発明は、上述した詳細な説明に限定されるものではない。当業者には、変形例が明らかであろう。
【符号の説明】
【0120】
20 ハンドル
40 一次流体入口
48 発泡体ブロック
48b 発泡体ブロックの内面
50 ケーブル
200 外壁
200a 外壁の端部
244 取り外し可能部分
300 外側リム
302 指グリップ
306 中心開口部
480 フィルタ骨格