特許第6161922号(P6161922)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6161922
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】水中燃焼式気化装置
(51)【国際特許分類】
   F17C 9/02 20060101AFI20170703BHJP
【FI】
   F17C9/02
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-48603(P2013-48603)
(22)【出願日】2013年3月12日
(65)【公開番号】特開2014-173689(P2014-173689A)
(43)【公開日】2014年9月22日
【審査請求日】2016年1月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183369
【氏名又は名称】住友精密工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 淳司
【審査官】 浅野 弘一郎
(56)【参考文献】
【文献】 実開平05−075599(JP,U)
【文献】 特開平05−306890(JP,A)
【文献】 特開2001−025649(JP,A)
【文献】 西独国特許出願公開第19739935(DE,A)
【文献】 実開平05−077700(JP,U)
【文献】 特開2006−317047(JP,A)
【文献】 特開昭64−069898(JP,A)
【文献】 特表2008−539384(JP,A)
【文献】 特開平07−294413(JP,A)
【文献】 特開平11−159963(JP,A)
【文献】 特開2013−002734(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17C 1/00−13/12
C10L 3/06,10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板で覆われた水槽内に浸漬されたダウンカマーに設けられ且つ、ブロワーから供給された空気及び燃料供給源から供給された燃料を燃焼させて、該燃焼ガスをスパージパイプに設けた小孔を介して水中に噴出させて気泡を発生させるよう構成されたバーナーと、
上記水槽内に浸漬配置された伝熱管束を有し且つ、該伝熱管束内を通過する低温液化ガスを気化するように構成された熱交換器と
上記水槽の天板に設けられ、上端が大気と連通して燃焼排ガスを排気する煙突状のスタックとを備えた水中燃焼式気化装置であって、
上記水槽内には、上端側が上記天板に設けた開口に挿通され、下端が少なくとも水面よりも下方へ延び、上端側から上記水中内に添加剤を投入させる添加剤投入管が設けられている
ことを特徴とする水中燃焼式気化装置。
【請求項2】
請求項1に記載の水中燃焼式気化装置において、
上記添加剤投入管は、上記燃焼ガスの気泡が発生する気泡領域を避けて配置されている
ことを特徴とする水中燃焼式気化装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の水中燃焼式気化装置において、
上記添加剤投入管は、下端が上記気泡による水面の揺動領域よりも深く挿入されている
ことを特徴とする水中燃焼式気化装置。
【請求項4】
請求項1乃至のいずれか1つに記載の水中燃焼式気化装置において、
上記添加剤投入管の下端は、上記スパージパイプの小孔よりも上方に配置されている
ことを特徴とする水中燃焼式気化装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1つに記載の水中燃焼式気化装置において、
上記添加剤投入管は、水槽内の下降流が発生する領域に下端が挿入されている
ことを特徴とする水中燃焼式気化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに開示する技術は、水中燃焼式気化装置に関し、特にその水槽内に中和剤などの添加剤を投入する構造に関する。
【背景技術】
【0002】
液化天然ガスといった低温液化ガスの気化装置の1つとして、水中燃焼式気化装置(Submerged Combustion Vaporizer)が知られている(例えば特許文献1参照)。この水中燃焼式気化装置は、水槽内に浸漬されたダウンカマーに設けられ且つ、ブロワーから供給された空気及び燃料供給源から供給された燃料を燃焼室内で燃焼させて、その燃焼ガスをスパージパイプを介して水中に噴出するよう構成された水中燃焼バーナーと、上記水槽内に浸漬配置された伝熱管束を有する熱交換器とを備えており、水中に気泡として噴出された燃焼ガスが水槽内の水を撹拌しつつ、伝熱管束内を通過する低温液化ガスを加熱することによって、その低温液化ガスを気化させるように構成されている。
【0003】
このような水中燃焼式気化装置では、燃焼ガスに含まれる窒素酸化物の影響で水槽内の水のpHが徐々に低下する。この酸性化した水をそのまま排水することはできないので、適宜中和剤を投入する必要がある。一般に用いられる中和剤は、入手性がよく取り扱いが容易な炭酸水素ナトリウム(重曹)等のアルカリ性粉体材料である。この粉体材料よりなる中和剤を水槽を覆う天板に設けたマンホールからスコップ等を用いて投入することが知られている。
【0004】
粉体材料を投入した場合、その粉塵に対する対処が必要となる。例えば、特許文献2の粉体溶解装置では、フィルター層及び貯水を通過させた上で槽内の空気を排気するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平5−75599号公報
【特許文献2】特開2001−25649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
水中燃焼式気化装置の運転中は、ブロワーからの吐出空気及びバーナーの燃焼ガスが水槽内の水中に送り込まれ、水槽の上方に設けた大気と連通する煙突状スタック(stack)から勢いよく排出されるので、水槽の水面上には排ガスが吹き荒れている。このため、中和剤をマンホール等の開口部からスコップ等で投入しようとすれば、中和剤が飛び散って投入できないという問題がある。また、スタックから勢いよく燃焼ガスを排出しなければならず、特許文献2のようにフィルターや貯水を通過させることはできないので、無理やり中和剤を放り込むことができても、中和剤の一部が水中に到達せずにスタックから放出されてしまう場合がある。このようなことから、中和剤投入作業は、運転停止時にしか行えなかった。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、運転中でも中和剤を安全且つ確実に投入できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、この発明では、下端が水面よりも下方へ延びる専用の添加剤投入管を設けた。
【0009】
具体的には、第1の発明では、天板で覆われた水槽内に浸漬されたダウンカマーに設けられ且つ、ブロワーから供給された空気及び燃料供給源から供給された燃料を燃焼室内で燃焼させて、その燃焼ガスをスパージパイプに設けた小孔を介して水中に噴出させて気泡を発生させるよう構成されたバーナーと、
上記水槽内に浸漬配置された伝熱管束を有し且つ、該伝熱管束内を通過する低温液化ガスを気化するように構成された熱交換器とを備えた水中燃焼式気化装置を対象とする。
【0010】
そして、上記水槽内には、上端側が上記天板に設けた開口に挿通され、下端が少なくとも水面よりも下方へ延び、上端側から上記水中内に添加剤を投入させる添加剤投入管が設けられている。
【0011】
この構成によると、上端側が水槽の天板に設けた開口に挿通された添加剤投入管の下端が水面よりも下方へ延びているので、添加剤投入管に水面上の排ガスが入り込まない。このため、添加剤を投入するときに添加剤が飛び散ることがないので、水中燃焼式気化装置を停止させる必要がない。ここで、「添加剤」は、中和剤、防腐剤、殺菌剤などを含み、特に限定されない。また、「ダウンカマー(downcomer)」は、下端が水槽内に浸漬される中空管のことを示し、上端側から空気及び燃料が供給される。「スパージパイプ(sparge pipe)」は、燃焼ガスを水中へ噴出するための多数の小孔が形成された管状部材であり、その配置構成は特に限定されない。
【0012】
また、上記水槽の天板には、燃焼排ガスを排気する煙突状のスタックが設けられ、このスタックの上端が大気と連通していてもよい。この場合、水中燃焼式気化装置の運転中は、ブロワーからの吐出空気及びバーナーの燃焼ガスが水槽内の水中に送り込まれ、水槽の上方に設けた大気と連通する煙突状スタックから勢いよく排出されるので、水槽の水面上には排ガスが吹き荒れているが、天板から水面よりも下方へ延びる添加剤投入管を用いて添加剤を添加できるので、添加剤が飛び散ることはない。また、添加剤は、添加剤投入管を通して水面よりも下に添加されるので、添加剤の一部が水中に到達せずにスタックから放出されてしまうことはない。このため、中和剤投入作業を運転中にも行える。
【0013】
また、上記添加剤投入管は、上記燃焼ガスの気泡が発生する気泡領域を避けて配置されているとよい。この場合、添加剤投入管が気泡領域から外れているので、勢いよく上昇してくる気泡の影響で添加剤を投入しにくくなることはない。このため、さらに安全且つ確実に添加剤を投入することができる。なお、「気泡領域」は、スパージパイプの小孔が設けられた領域のほぼ真上で、大量の気泡が勢いよく発生して他の領域よりも水面が盛り上がっている領域を意味する。
【0014】
また、上記添加剤投入管は、下端が上記気泡による水面の揺動領域よりも深く挿入されているのが望ましい。この構成によると、水面が燃焼ガスの気泡の影響等により揺動しても、添加剤投入管の下端が水面上に現れることはないので、添加剤をさらに安全且つ確実に投入できる。なお、ここでいう「揺動領域」は、所定の水位に対し、燃焼ガスの気泡の影響等により上下に変動する、最小水位から最大水位までの範囲を示す
【0015】
らに、上記添加剤投入管の下端は、上記スパージパイプの小孔よりも上方に配置されているとよい。この場合、気泡によって投入した添加剤が効率的に水槽内に行き渡る。
【0016】
また、水槽内に浸漬されたダウンカマーに設けられ且つ、ブロワーから供給された空気及び燃料供給源から供給された燃料を燃焼室内で燃焼させて、その燃焼ガスをスパージパイプに設けた小孔を介して水中に噴出させて気泡を発生させるよう構成されたバーナーと、上記水槽内に浸漬配置された伝熱管束を有し且つ、該伝熱管束内を通過する低温液化ガスを気化するように構成された熱交換器とを備えた水中燃焼式気化装置を対象とし、上記水槽内には、下端が少なくとも水面よりも下方へ延び、上端側から上記水中内に添加剤を投入させる添加剤投入管が設けられており、この添加剤投入管は、水槽内の燃焼ガスによる気泡領域の周囲等の下降流が発生する領域に下端が挿入されていてもよい。特にこの場合、投入した添加剤が下降流にのって迅速に水槽内で撹拌される。「下降流が発生する領域」は、主として上記気泡領域の周囲に生じる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明によれば、天板で覆われた水槽内に上端側が天板に設けた開口に挿通され、下端が少なくとも水面よりも下方へ延び、上端側から水中内に添加剤を投入させる添加剤投入管を設けたことにより、運転中でも添加剤を安全且つ確実に投入することができる。また、添加剤投入管を水槽内の燃焼ガスによる気泡領域の周囲等の下降流が発生する領域に下端が挿入したことにより、投入した添加剤を下降流にのせて迅速に水槽内で撹拌させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】水中燃焼式気化装置の構成を一部破断して示す概略正面図である。
図2】水中燃焼式気化装置の構成を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、水中燃焼式気化装置の実施形態を図面に基づいて説明する。図1及び図2は、水中燃焼式気化装置1の概略を示している。この水中燃焼式気化装置1は、液化天然ガス(LNG)の気化装置であって、例えば直方体状の水槽11中に浸漬されると共に、LNGの流路となる多数の伝熱管12aが多段に曲げ成形されて構成された熱交換器12を備えている。熱交換器12の一端は、LNGの入口となるLNG導入管12bに連通し、他端が、気化した天然ガス(NG)を排出させるNG排出管12cに連通している。図1では、伝熱管12aの束は、簡易化して図示されているが、実際には、図1の奥行きに多数列の伝熱管12aが配置されて互いに連通されている(図2では簡略化のために省略)。伝熱管12aの本数やその配置は、効率よく熱交換できるものであれば特に制限されない。
【0020】
水槽11は、例えば矩形板状の天板11aで覆われている。この天板11aは、作業員が歩くこともでき、その所定箇所に円筒状のダウンカマー13が水槽11内に浸漬するように配設されている。
【0021】
ダウンカマー13の上端には、図外の燃料ガス供給源から燃料供給管6を介して供給された燃料ガスと、ブロワー14を通じて供給された空気とを、燃焼させるバーナー2が設けられている。
【0022】
水槽11の底部には、ダウンカマー13に連通すると共に、バーナー2の燃焼ガスが噴出する多数の小孔15aが形成されたスパージパイプ15が配置されている。このスパージパイプ15も、図1では1本しか描いていないが、実際には、図2に示すように多数並べられており、少なくとも伝熱管12aの全体に燃焼ガスを含む気泡Bが及ぶようになっている。スパージパイプ15の本数やその配置は特に限定されず、気泡Bをまんべんなく且つ効率よく拡散させるために小孔15aを配置できればよい。小孔15aは、スパージパイプ15に均等に設けてもランダムに設けてもよく、主としてその上面及び側面に設けられるとよい。図1に示すように、水面Wは、この気泡Bが及ぶ気泡領域Aにおいて上昇気流により他の部分よりも盛り上がっている(いわゆるエアリフト効果)。この「気泡領域A」は、スパージパイプ15の小孔15aが設けられた領域のほぼ真上で、大量の気泡Bが発生している領域を意味する。なお、実際には、少量の気泡は、気泡領域A外でも発生している。
【0023】
水槽11の天板11aには、燃焼排ガスを排気する煙突状のスタック16が設けられ、その上端が大気と連通している。
【0024】
水中燃焼式気化装置1は、バーナー2の燃焼ガスをスパージパイプ15の小孔15aを通じて水槽11内に気泡Bとして噴出させることによって、水槽11内の水を撹拌しつつ、熱交換器12内を通過するLNGを加熱する。このことによって、LNGを気化させてNGとし、これをNG排出管12cの出口から送り出すように構成されている。水中燃焼式気化装置1は、燃焼ガスを気泡Bとして水槽11内に噴出して水槽11内の水を撹拌すること、及び、スタック16から排出する燃焼排ガスの温度を低くすることが可能であることから熱効率が極めて高いという特徴がある。
【0025】
そして、水槽内の気泡領域Aの外側で且つ、この気泡領域Aに近い位置において、水面Wよりも若干下方へ下端が延びるように、円筒状の添加剤投入管20が設けられている。この添加剤投入管20の上端側は、天板11aにほぼ鉛直に固定されている。気泡領域Aの直ぐ外側には、気泡Bによって勢いよく上昇してきた水が下降する下降流Cが発生している。このため、添加剤投入管20は、水槽11内の下降流が発生する領域に下端が挿入されているのが望ましい。添加剤投入管20は、例えばステンレス鋼管のパイプを構成部材とし、その上端には、開閉可能な蓋部材21が設けられている。蓋部材21は、例えばヒンジ部(図示せず)によって添加剤投入管20の上端に連結されている。添加剤投入管20は、通常大きな荷重が掛かることはないので、肉厚は3mm程度でもよく、その外周に設けられたフランジ22を天板11aに設けた開口周縁に固定されている。このような簡易な構造であるため、当初から添加剤投入管20が設けられていない水中燃焼式気化装置1であっても、現場で天板11aを加工してこの添加剤投入管20を取り付けてもよい。添加剤投入管20は、スコップ等で粉状の中和剤を投入できるように例えば外径が250mm程度とすればよく、水面Wに対して例えば200mm程度浸かるように取り付けられている。下端部の水面W下からの距離は、少なくとも水面Wの揺動範囲よりも下方となっている。水面Wの揺動は、水中燃焼式気化装置1が発生させるエアリフト効果等によって引き起こされる。一方で添加剤投入管20の下端は下方へ延ばしすぎると撹拌効率という点で適切ではなく、少なくともスパージパイプ15の小孔15aよりも上方に配置されているのがよい。なお、この添加剤投入管20の近傍には、メンテナンス用のマンホール23が設けられている。
【0026】
−添加剤投入管の使用方法−
水中燃焼式気化装置1を作動させることにより、燃焼ガスに含まれる窒素酸化物等の影響で水槽11内の水のpHが徐々に低下する。pHが低下しすぎる悪影響を避けるために、例えば所定時間経過したときに、又はpHが所定値よりも低下したときに、添加剤として例えば粉状の重曹を投入する。
【0027】
水中燃焼式気化装置1を作動させたままで、所定量の重曹を用意して天板11aに向かい、添加剤投入管20の蓋部材21を開く。
【0028】
次いで、添加剤投入管20の上端から重曹をスコップなどで投入する。このとき、添加剤投入管20の下端が水面Wよりも下方へ延び、しかも下端が気泡Bによる水面Wの揺動領域よりも深く挿入されているので、水面Wがエアリフト効果等により揺動しても水面W上に現れることはなく、添加剤投入管20に水面W上の排ガスがほとんど入り込まない。また、添加剤投入管20が気泡領域Aを避けて配置されているので、気泡Bの影響で添加剤を投入しにくくなることはない。このため、添加剤を投入するときに添加剤が飛び散ることがないので、従来のように水中燃焼式気化装置1を停止させなくても、安全且つ確実に添加剤を投入することができる。
【0029】
そして、添加剤投入管20は、水槽11内の下降流Cが発生する領域に下端が挿入されているので、投入した添加剤が下降流Cにのって迅速に水槽11内で撹拌される。しかも、添加剤投入管20の下端は、スパージパイプ15の小孔15aよりも上方に配置されているので、水槽11内の下降流Cが発生する領域で投入された添加剤が、気泡領域の上昇流にのって効率的に行き渡る。
【0030】
したがって、本実施形態にかかる水中燃焼式気化装置1によると、運転中でも粉体材料よりなる添加剤を安全且つ確実に投入することができる。また、このように簡単な構造の添加剤投入管20であれば、コストが低く、天板11aに後付も可能である。
【0031】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0032】
すなわち、上記実施形態では、添加剤は、入手性がよく比較的安全な粉状の重曹としているが、粉状の水酸化ナトリウム、硫酸ナトリウム等のアルカリ剤でもよく、場合によっては、液体のアルカリ剤等でもよい。但し、液体の場合には、専用のタンクを天板11aに設けてもよい。さらには、添加剤は、中和剤に限定されず、水質汚濁を改善するための防腐剤、殺菌剤など特に限定されない。
【0033】
上記実施形態では、添加剤投入管20は、ほぼ鉛直となるように設けられているが、傾斜していてもよく、また、途中で傾斜したり湾曲したりしてもよいが、特にその下端部の位置設定を上記実施形態のようにするのが望ましい。
【0034】
また、添加剤投入管20を既存の天板11aを加工して設けてもよく、さらには、マンホール23の蓋に添加剤投入管20を取り付けるようにしてもよい。蓋に設ける場合には、容易に取り外しができるように軽量なパイプ材等を用いればよい。
【0035】
また、水槽11内のpHを常時監視できるように計測器を設けたり、所定のpH以下となったときに警報を鳴らす警報装置などを設けたりしてもよい。そうすれば、水槽11内のpH管理が容易となる。
【0036】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0037】
以上説明したように、本発明は、液化天然ガスなどの低温液化ガスを気化させる水中燃焼式気化装置について有用である。
【符号の説明】
【0038】
1 水中燃焼式気化装置
2 バーナー
6 燃料供給管
11 水槽
11a 天板
12 熱交換器
12a 伝熱管
12b LNG導入管
12c NG排出管
13 ダウンカマー
14 ブロワー
15 スパージパイプ
15a 小孔
16 スタック
20 添加剤投入管
21 蓋部材
22 フランジ
23 マンホール
図1
図2