特許 6161963 農作業機

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】6161963

(24)【登録日】2017年6月23日

(45)【発行日】2017年7月12日

(54)【発明の名称】農作業機

(51)【国際特許分類】

   A01D 34/535 20060101AFI20170703BHJP

【ＦＩ】

   A01D34/535

【請求項の数】3

【全頁数】12

(21)【出願番号】特願2013-120618(P2013-120618)

(22)【出願日】2013年6月7日

(65)【公開番号】特開2014-236692(P2014-236692A)

(43)【公開日】2014年12月18日

【審査請求日】2016年3月7日

(73)【特許権者】

【識別番号】000188009

【氏名又は名称】松山株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100062764

【弁理士】

【氏名又は名称】樺澤 襄

(74)【代理人】

【識別番号】100092565

【弁理士】

【氏名又は名称】樺澤 聡

(74)【代理人】

【識別番号】100112449

【弁理士】

【氏名又は名称】山田 哲也

(72)【発明者】

【氏名】戸谷 貴之

(72)【発明者】

【氏名】星原 宏文

【審査官】 木村 隆一

(56)【参考文献】

【文献】 実開昭６１−０８３８２８（ＪＰ，Ｕ）

【文献】 特開２００２−３２０８７２（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開平１０−０５６８０１（ＪＰ，Ａ）

【文献】 米国特許第０６０００２０５（ＵＳ，Ａ）

【文献】 米国特許第０４２１１０６０（ＵＳ，Ａ）

(58)【調査した分野】（Int.Cl.，ＤＢ名）

Ａ０１Ｄ ３４／４１２−３４／９０

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

機体と、
この機体に回転可能に設けられた回転軸体と、
この回転軸体に可動可能に取り付けられた爪体と、
この爪体が倒れた状態となって前記機体と係合することを防止する爪倒れ防止体とを備え、
前記爪体は、前記回転軸体の爪取付部に取付手段を介して可動可能に取り付けられ、
前記爪倒れ防止体は、前記取付手段に回動可能に取り付けられている
ことを特徴とする農作業機。

【請求項2】

爪倒れ防止体は、取付手段のボルト軸部にこのボルト軸部を中心として回動可能に取り付けられている
ことを特徴とする請求項１記載の農作業機。

【請求項3】

爪倒れ防止体のうち回転方向前側に位置する部分には、回転軸体の外周面との当接により、前記爪倒れ防止体の前記ボルト軸部を中心とする回動を規制する回動規制凸部が形成されている
ことを特徴とする請求項２記載の農作業機。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、爪体が回転軸体の回転の妨げになることを防ぐことができる農作業機に関するものである。

【背景技術】

【0002】

従来から、例えば機体と、この機体に回転可能に設けられた回転軸体と、この回転軸体に可動可能に取り付けられた爪体とを備えたフレールモア等の農作業機が知られている（例えば特許文献１等）。

【0003】

そして、この種の農作業機としては、例えば図１２ないし図１４に示すものがあり、この従来の農作業機は、互いに離間対向する左右１対の側板部１を有する機体２を備え、この機体２の両側板部１にて左右方向の回転軸体３が回転可能に支持されている。

【0004】

また、回転軸体３は、複数の爪取付部４を外周側に有し、この各爪取付部４には、２枚の板刃部材５からなる爪体６が取付手段７を介して可動可能に取り付けられている。この取付手段７は、ボルト８、ナット９およびＵ字状部材（シャックル）10からなり、このＵ字状部材10が爪取付部４に固着されたボルト８のボルト軸部8aの外周側に回動可能に連結され、この連結されたＵ字状部材10の先端側に爪体６が取り付けられている。

【0005】

なお、機体２の各側板部１は、上側板11と、この上側板11の下端部にボルト13およびナット14にて取り付けられた下側板12とを有している。上側板11の外面側には、回転軸体３の軸方向端部を回転可能に支持する軸受部材15がボルト16およびナット17にて取り付けられている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0006】

【特許文献1】特開２０１２−２３５７５３号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0007】

しかしながら、上記従来の農作業機では、回転軸体３の回転停止時における爪取付部４の停止位置によっては、爪体６が倒れた状態となって機体２の側板部１やボルト16等と当接係合するような場合がある。

【0008】

そして、このような場合に、その状態のまま回転軸体３の回転を開始すると、爪体６が側板部１やボルト16等に噛み込んで回転軸体３の回転の妨げになるおそれがある。

【0009】

本発明は、このような点に鑑みなされたもので、爪体が回転軸体の回転の妨げになることを防ぐことができる農作業機を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0010】

請求項１記載の農作業機は、機体と、この機体に回転可能に設けられた回転軸体と、この回転軸体に可動可能に取り付けられた爪体と、この爪体が倒れた状態となって前記機体と係合することを防止する爪倒れ防止体とを備え、前記爪体は、前記回転軸体の爪取付部に取付手段を介して可動可能に取り付けられ、前記爪倒れ防止体は、前記取付手段に回動可能に取り付けられているものである。

【0011】

請求項２記載の農作業機は、請求項１記載の農作業機において、爪倒れ防止体は、取付手段のボルト軸部にこのボルト軸部を中心として回動可能に取り付けられているものである。

【0012】

請求項３記載の農作業機は、請求項２記載の農作業機において、爪倒れ防止体のうち回転方向前側に位置する部分には、前記回転軸体の外周面との当接により、前記爪倒れ防止体の前記ボルト軸部を中心とする回動を規制する回動規制凸部が形成されているものである。

【発明の効果】

【0013】

本発明によれば、爪体が倒れた状態となって機体と係合することを防止する爪倒れ防止体を備えるため、爪体が回転軸体の回転の妨げになることを防ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

【0014】

【図1】本発明の第１の実施の形態に係る農作業機の正面図である。

【図2】同上農作業機の側面図である。

【図3】同上農作業機の部分正面図である。

【図4】同上農作業機の部分側面図（一部分解）である。

【図5】同上農作業機の部分正面図である。

【図6】同上農作業機の部分側面図である。

【図7】本発明の第２の実施の形態に係る農作業機の部分正面図である。

【図8】同上農作業機の部分側面図である。

【図9】本発明の第３の実施の形態に係る農作業機の部分側面図である。

【図10】本発明の第４の実施の形態に係る農作業機の部分正面図である。

【図11】同上農作業機の部分側面図である。

【図12】従来の農作業機の部分正面図である。

【図13】従来の農作業機の部分正面図である。

【図14】従来の農作業機の部分側面図である。

【発明を実施するための形態】

【0015】

本発明の第１の実施の形態について図１ないし図６を参照して説明する。

【0016】

図中の21は農作業機で、この農作業機21は、例えば走行車であるトラクタ（図示せず）の後部に連結され、圃場上をトラクタの前進走行により前方（進行方向）に移動しながら草刈作業をする草刈作業機（フレールモア）である。

【0017】

農作業機21は、図１および図２等に示されるように、トラクタの後部の３点ヒッチ部（作業機昇降支持部）に解除可能に連結される機体22と、この機体22に所定方向（図２等に示す回転方向）に回転可能に設けられた左右方向の回転軸体23と、この回転軸体23に可動可能に取り付けられた草刈用の複数の爪体24とを備えている。

【0018】

機体22は、図示しないトラクタの後部の３点ヒッチ部に解除可能に連結される３点連結部26を有している。３点連結部26は、トラクタの３点ヒッチ部の上部リンクに連結される１本のトップマスト27と、トラクタの３点ヒッチ部の下部リンクに連結される左右２本のロワアーム28とを有している。

【0019】

また、機体22は、左右方向中央部に入力軸支持部29を有し、この入力軸支持部29にて前後方向の入力軸30が回転可能に支持されている。入力軸30は、トラクタのＰＴＯ軸にジョイントを介して接続され、そのＰＴＯ軸から出力される動力が入力軸30に入力される。また、入力軸30には、この入力軸30に入力された動力を回転軸体23へ伝達する動力伝達手段31が接続されている。

【0020】

動力伝達手段31は、伝動シャフト32、上下のプーリ33，34、これら両プーリ33，34に掛け渡された無端状の伝動ベルト35等にて構成されている。そして、両プーリ33，34および伝動ベルト35は、機体22の左右方向一端側である左端側（進行方向左側）に位置する伝動ケース部36内に収納配設されている。伝動シャフト32は、入力軸支持部29から突出したフレームパイプ部37内に配設されている。

【0021】

さらに、機体22は、この機体22の左右方向両端側に鉛直状に位置して互いに離間対向する左右１対の側板部41を有し、これら両側板部41にて水平状の回転軸体23が回転可能に支持されている。この回転軸体23の上方部は、湾曲状のカバー板部42にて覆われている。

【0022】

左右の各側板部（回転軸体支持部）41は、上側板43と、この上側板43の下端部内面にボルト47およびナット48にて取り付けられた下側板44と、上側板43の下部外面にボルト49およびナット50にて取り付けられ回転軸体23の軸方向端部を回転可能に支持する軸受部材45と、上側板43の下部内面に突設されたボス部材46とを有している（図３参照）。なお、左側の側板部41の外面側に伝動ケース部36が設けられている。

【0023】

回転軸体23は、機体22の両側板部41の下部にて回転可能に支持された断面円形状の左右方向の回転軸部51と、この回転軸部51の円筒面状の外周面に突設された複数の爪取付部52とを有している。

【0024】

爪取付部52は、回転軸部51の略全長に分散して位置するように、回転軸部51の外周面における螺旋方向に等間隔をおいた複数位置に突出状に固設されており、側面視では爪取付部52が回転軸部51の周方向に９０度間隔で配設されている。また、各爪取付部52は、例えば左右に互いに離間対向する対をなす対向板53にて構成されている。各対向板53には円形状の挿通用孔54が形成されている。

【0025】

そして、図３ないし図６にも示されるように、回転軸体23の各爪取付部52には、板状の刈爪である爪体24が取付手段56を介して可動可能でかつ脱着可能に取り付けられている。

【0026】

各爪体24は、例えば断面へ字状をなすように中間の１箇所で折り曲げられた板状の２枚の板刃部材（爪構成部材）24aにて構成されている。各板刃部材24aは、側面視で略矩形状をなすもので、この板刃部材24aの基端側には、板刃部材24aの長手方向に沿った長手状の長孔24bが形成されている。

【0027】

また、取付手段56は、例えばボルト軸部57aおよびボルト頭部57bからなるボルト57と、このボルト57のボルト軸部57aのねじ溝部分に螺着可能なナット58と、ボルト軸部57aの外周側に２つの基端側が回動可能に連結された連結部材であるＵ字状部材（シャックル）59とにて構成されている。

【0028】

Ｕ字状部材59は、基端側の円形環状をなす２つの環状部59aと、これら２つの環状部59aを繋ぐ先端側のＵ字部59bとからなり、各環状部59aには円形状の挿通用孔59cが形成されている。

【0029】

そして、Ｕ字状部材59のＵ字部59bが爪体24の長孔24bに遊挿されるとともに、ボルト57のボルト軸部57aがそのＵ字状部材59の環状部59aの挿通用孔59cおよび回転軸体23の爪取付部52の挿通用孔54に挿通され、かつ、その挿通されたボルト57のボルト軸部57aにナット58が螺着されることにより、爪体24がこれらボルト57、ナット58およびＵ字状部材59を介して回転軸体23の爪取付部52に可動可能でかつ脱着可能に取り付けられている。

【0030】

つまり、回転軸体23のすべての各爪取付部52には、取付手段56を介して爪体24が可動可能でかつ脱着可能に取り付けられている。そして、この状態で、Ｕ字状部材59は、取付手段56のボルト57のボルト軸部57aに対してこのボルト軸部57aを中心として回動可能となっている。また、Ｕ字状部材59のＵ字部59bが長孔24bに遊挿されているため、爪体24は、そのＵ字部59bに沿って摺動可能でかつそのＵ字部59bを中心として回動可能になっている。このため、例えば回転軸体23の回転時には、爪体24は、遠心力に基づき、回転軸体23の径方向に沿った状態となる。

【0031】

また、農作業機21は、図３ないし図６等に示されるように、回転軸体23の回転停止時において、回転軸体23の軸方向両端部付近の爪体24が自重によって外側方側へ倒れた状態（倒れた姿勢）となって機体22の側板部41の内面側と当接係合（接触）することを防止する板状の爪倒れ防止体61を備えている。

【0032】

すなわち例えば、回転軸体23の軸方向一端側で側板部41の近傍に位置する例えば４つの爪取付部52および回転軸体23の軸方向他端側で側板部41の近傍に位置する例えば４つの爪取付部52のそれぞれに対して取付手段56を介して取り付けられた各爪体24は、取付手段56に脱着可能に取り付けた鉛直状で板状の爪倒れ防止体61に当接することによって、側板部41側に向かって倒れないようになっている。

【0033】

各爪倒れ防止体61は、例えば所定形状の１枚の板状部材のみからなるもので、楕円状（略楕円状を含む）の本体板部62と、この本体板部62の基端側における回転軸体23の回転方向の前側部分に一体に突設された３角状（略３角状を含む）の突出板部である回動規制凸部63とにて構成されている。つまり、爪倒れ防止体61の基端側のうち、回転軸体23の回転方向の前側に位置する部分に、回転軸体23の回転軸部51の外周面との当接により、爪倒れ防止体61のボルト軸部57aを中心とする回転方向前側への回動（図４中、時計回りの回動）を規制する回動規制凸部63が突出状に形成されている。

【0034】

また、本体板部62の基端側の幅方向中央部には、円形状の挿通用孔64が形成されている。本体板部62の先端側には、本体板部62の長手方向に沿った長手状の長孔65が形成されている。

【0035】

そして、本体板部62の挿通用孔64にはボルト57のボルト軸部57aが挿通され、かつ、本体板部62の長孔65にはＵ字状部材59のＵ字部59bが遊挿されている。

【0036】

こうして、爪倒れ防止体61は、回転軸体23とともに回転するように、取付手段56のボルト57のボルト軸部57aにこのボルト軸部57aを中心として回動可能に取り付けられている。つまり、爪倒れ防止体61は、Ｕ字状部材59と一体となって、ボルト57のボルト軸部57aに対してこのボルト軸部57aを中心として回動可能となっている。そして、この鉛直板状の爪倒れ防止体61は、常にボルト軸部57aに対してその軸方向に直交する立ち状態となっており、倒れた状態にはならない。

【0037】

なお、図２に示されるように、機体22の後部には接地輪67が設けられ、この接地輪67の高さ位置はハンドル68の操作によって調整可能となっている。

【0038】

次に、上記農作業機21の作用等を説明する。

【0039】

農作業機21を用いて草刈作業をする場合、農作業機21をトラクタの後部に連結した状態でトラクタの前進走行により進行方向に移動させつつ、トラクタ側からの動力によって回転軸体23を所定方向に高速回転させる。

【0040】

すると、複数の爪体24が、回転軸体23とともに所定の回転方向に高速回転しながら、圃場に植生した雑草等を細断処理する。

【0041】

ここで、例えば草刈作業終了等により回転軸体23を停止させると、爪取付部52の停止位置によっては、回転軸体23の軸方向両端部付近の爪体24が、その自重に基づいて、近接状に対向する側板部41側に向かって倒れようとする場合がある。

【0042】

しかし、この場合、図５および図６に示されるように、爪体24は、爪倒れ防止体61に当接することにより、側板部41側への倒れ動作が規制される。つまり、爪倒れ防止体61によって、爪体24が機体22の側板部41と当接係合することが防止される。その結果、爪体24は、上側板43の内面、下側板44の上面、或いはボルト49の頭部等に接触することがなく噛み込むこともない。

【0043】

このように農作業機21によれば、爪体24が倒れた状態となって機体22の側板部41と係合することを防止する爪倒れ防止体61を備えるため、例えば回転軸体23の所定方向への回転を開始した際に爪体24が側板部41やボルト49等に噛み込むことがなく、爪体24が回転軸体23の回転の妨げになることを適切に防ぐことができる。

【0044】

また、爪倒れ防止体61は、取付手段56のボルト57に容易に取り付けることができ、またボルト57を外すことで交換も容易であり、しかも、従来品に対して後付けすることもできる。

【0045】

さらに、爪倒れ防止体61のうち回転方向前側に位置する部分には、回転軸体23の回転軸部51の外周面との当接により爪倒れ防止体61のボルト軸部57aを中心とする一方向（回転方向前側）への回動を規制する回動規制凸部63が突出状に形成されているため、爪体24が回転軸体23の回転の妨げになることを適切かつ効果的に防ぐことができる。

【0046】

すなわち例えば、回転軸体23の回転停止時に、図３および図４に示す状態になった場合でも、回転軸体23を回転方向へ回転させると、爪体24は、ボルト49や下側板44の上面に当たっても回転方向後側へ逃げるため、爪体24が回転軸体23の回転の妨げになることがない。これに対し、従来の構成では、図１４の状態で回転軸体３を回転方向へ回転させた場合、爪体６は回転方向後側へ逃げず、例えば爪体６がボルト16に噛み込んで回転軸体３の回転の妨げとなる。

【0047】

次に、図７および図８には、本発明の第２の実施の形態が示されている。

【0048】

この第２の実施の形態に係る農作業機21は、爪体24が自重で外側方側（側板部側）へ倒れた状態となって機体22の側板部41の内面側と当接係合することを防止する環状の爪倒れ防止体71を備えている。

【0049】

この爪倒れ防止体71は、例えば回転軸体23の回転軸部51よりも径大な円形環状に形成されている。そして、爪倒れ防止体71は、回転軸体23の回転軸部51の軸方向端部の外周面に複数本、例えば放射状の４本の棒状の取付部材（取付パイプ）72を介して固定的に取り付けられている。つまり、各取付部材72の基端部が回転軸体23の回転軸部51の外周面の所定箇所に固着され、かつ、各取付部材72の先端部に環状の爪倒れ防止体71が固着されており、この爪倒れ防止体71は回転軸体23とともに回転する。なお、その他の構成は第１の実施の形態と基本的に同じである。

【0050】

そして、この第２の実施の形態に係る農作業機21でも、爪体24の倒れを防止する爪倒れ防止体71を備えるため、爪体24が回転軸体23の回転の妨げになることを防ぐことができる。

【0051】

また、爪倒れ防止体71の形状は、円形環状には限定されず、例えば図９に示す第３の実施の形態のように、多角形環状、例えば矩形環状（略矩形環状を含む）であっても同じ作用効果を奏する。この図９に示された矩形環状の爪倒れ防止体71は、取付部材72を介さずに、回転軸体23の回転軸部51の外周面に溶接等により直接固着されている。

【0052】

なお、例えば図示しないが、爪倒れ防止体71は、正方形環状、６角形環状や８角形環状等でもよく、また、軸方向長さ寸法が比較的短い短筒状等でもよい。

【0053】

また、図１０および図１１には、本発明の第４の実施の形態が示されている。

【0054】

この第４の実施の形態に係る農作業機21は、爪体24が自重で外側方側（側板部側）へ倒れた状態となって機体22の側板部41の内面側と当接係合することを防止する短筒状の爪倒れ防止体81を備えている。

【0055】

この爪倒れ防止体81は、例えば回転軸体23の回転軸部51よりも径大な円筒状で、かつ軸方向長さ寸法が比較的短い短筒状に形成されている。そして、爪倒れ防止体81は、機体22の側板部41の上側板43の内面に固定的に取り付けられている。つまり、この爪倒れ防止体81は、前記爪倒れ防止体61，71とは異なり、回転軸体23とともに回転するものではない。なお、その他の構成は第１の実施の形態と基本的に同じである。

【0056】

そして、この第４の実施の形態に係る農作業機21でも、爪体24の倒れを防止する爪倒れ防止体81を備えるため、爪体24が回転軸体23の回転の妨げになることを防ぐことができる。

【0057】

なお、爪倒れ防止体81の形状は、例えば図示しないが、多角形の短筒状でもよく、また円形や多角形の環状でもよい。

【0058】

また、爪倒れ防止体81が機体22の側板部41に直接固着された構成でもよく、爪倒れ防止体81が取付部材を介して機体22の側板部41に固着された構成等でもよい。

【0059】

さらに、爪倒れ防止体81が機体22に脱着可能に取り付けられた構成や、爪倒れ防止体81が回転軸体23に脱着可能に取り付けられた構成等でもよい。

【0060】

なお、農作業機21は、草刈作業をする草刈作業機である場合について説明したが、例えば耕耘整地作業をするロータリやハロー等でもよい。

【0061】

また、農作業機21は、トラクタの後部に連結する牽引式には限定されず、走行手段を備えた自走式でもよい。

【符号の説明】

【0062】

21 農作業機
22 機体
23 回転軸体
24 爪体
52 爪取付部
56 取付手段
57a ボルト軸部
61，71，81 爪倒れ防止体
63 回動規制凸部

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】