(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
オゾン水に適量の過酸化水素水を添加して、前記オゾン水中のオゾンと前記過酸化水素水中の過酸化水素とが反応して生成されるラジカルによって処理対象を酸化させる、促進酸化処理方法であって、
前記促進酸化処理を行う間に前記オゾン水に前記過酸化水素水を間欠的に添加し、
前記促進酸化処理を行う間にオゾン水に過酸化水素水を間欠的に添加するにあたって、前記オゾン水への前記過酸化水素水の添加を停止してから少なくとも2時間以内に前記オゾン水への前記過酸化水素水の添加を開始するようにして、前記促進酸化処理を行う間に前記オゾン水に前記過酸化水素水を間欠的に添加し、
間欠的にオゾン水に添加される適量の過酸化水素水としては、オゾン水へ添加される一回分の過酸化水素水中の過酸化水素とオゾン濃度との関係が、過酸化水素/オゾン濃度=0.049〜0.235の関係を満たす
ことを特徴とする促進酸化処理方法。
オゾン水に適量の過酸化水素水を添加して、前記オゾン水中のオゾンと前記過酸化水素水中の過酸化水素とが反応して生成されるラジカルによって処理対象を酸化させる、促進酸化処理方法であって、
前記促進酸化処理を行う間に、前記オゾン水に過酸化水素水を間欠的に添加し、
前記過酸化水素水を間欠的に添加するにあたって、オゾン水への過酸化水素水の添加を1分間行い、次いで、オゾン水への過酸化水素水の添加の停止を9分間行うことを繰り返し行うことにより、過酸化水素水を間欠的に添加し、
間欠的にオゾン水に添加される適量の過酸化水素水としては、オゾン水へ添加される一回分の過酸化水素水中の過酸化水素とオゾン濃度との関係が、過酸化水素/オゾン濃度=0.049〜0.235の関係を満たす
ことを特徴とする促進酸化処理方法。
【背景技術】
【0002】
従来、処理対象を酸化させて、これを殺菌、洗浄、または、脱臭等する酸化処理方法に関する技術は種々知られている。前記酸化処理方法には、オゾンを用いて処理対象の酸化処理を行うものがある(特許文献1参照)。前記酸化処理方法によって酸化処理が行われる処理対象には、例えば、医療機器、電子部品、汚染された水、または、汚染された土壌等がある。
【0003】
また、前記酸化処理方法には、オゾンと過酸化水素とを反応させてラジカル(例えば、OHラジカル(ヒドロキシカルラジカル))を生成し、当該ラジカルによって処理対象を酸化させる、促進酸化処理方法がある。さらに、前記促進酸化処理方法には、オゾン水に適量の過酸化水素水を添加して、オゾン水中のオゾン(O3)と過酸化水素水中の過酸化水素(H2O2)とが反応して生成されるラジカルによって処理対象を酸化させるもの(促進酸化処理)がある。
【0004】
ここで、促進酸化処理(AOP(Advanced Oxidation Process))とは、OHラジカルを利用して処理対象表面の有機物またはその他の物質を分解するものであることが知られている。また、OHラジカルは、オゾンまたは過酸化水素よりも酸化力が強く、有機物との反応性に富むものであることが知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記促進酸化処理方法では、ラジカルによって処理対象を酸化させる間(促進酸化処理の初期段階から終期段階にわたって)、定量の過酸化水素水を連続してオゾン水に添加するように行われている。このように、前記促進酸化処理方法では、促進酸化処理の初期段階から終期段階にわたって過酸化水素水を連続してオゾン水に添加することから、促進酸化処理作業が繁雑であった。
【0007】
本発明は、以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、促進酸化処理作業を容易に行うことができる促進酸化処理方法を提要することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
請求項1においては、オゾン水に適量の過酸化水素水を添加して、前記オゾン水中のオゾンと前記過酸化水素水中の過酸化水素とが反応して生成されるラジカルによって処理対象を酸化させる、促進酸化処理方法であって、
前記促進酸化処理を行う間に前記オゾン水に前記過酸化水素水を間欠的に添加し、前記促進酸化処理を行う間にオゾン水に過酸化水素水を間欠的に添加するにあたって、前記オゾン水への前記過酸化水素水の添加を停止してから少なくとも2時間以内に前記オゾン水への前記過酸化水素水の添加を開始するようにして、前記促進酸化処理を行う間に前記オゾン水に前記過酸化水素水を間欠的に添加し、間欠的にオゾン水に添加される適量の過酸化水素水としては、オゾン水へ添加される一回分の過酸化水素水中の過酸化水素とオゾン濃度との関係が、過酸化水素/オゾン濃度=0.049〜0.235の関係を満たす促進酸化処理方法である。
【0010】
請求項2においては、オゾン水に適量の過酸化水素水を添加して、前記オゾン水中のオゾンと前記過酸化水素水中の過酸化水素とが反応して生成されるラジカルによって処理対象を酸化させる、促進酸化処理方法であって、
前記促進酸化処理を行う間に、前記オゾン水に過酸化水素水を間欠的に添加し、前記過酸化水素水を間欠的に添加するにあたって、オゾン水への過酸化水素水の添加を1分間行い、次いで、オゾン水への過酸化水素水の添加の停止を9分間行うことを繰り返し行うことにより、過酸化水素水を間欠的に添加し、間欠的にオゾン水に添加される適量の過酸化水素水としては、オゾン水へ添加される一回分の過酸化水素水中の過酸化水素とオゾン濃度との関係が、過酸化水素/オゾン濃度=0.049〜0.235の関係を満たす促進酸化処理方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0012】
即ち、本発明によれば、促進酸化処理作業を容易に行うことができるができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の実施形態に係る、促進酸化処理方法について
図1または
図2を用いて説明する。
【0015】
促進酸化処理方法は、オゾン水に適量の過酸化水素水を添加して、オゾン水中のオゾン(O3)と過酸化水素水中の過酸化水素(H2O2)とが反応して生成されるラジカル(例えば、OHラジカル(ヒドロキシカルラジカル))によって処理対象を酸化させるものである。ここで、促進酸化処理方法において酸化される処理対象には、例えば、医療機器、電子部品、または、揮発性有機塩素化合物や農薬などの生物難分解性物質によって汚染された汚染水(汚染された地下水)若しくは汚染土壌等がある。また、前記促進酸化処理方法における適量の過酸化水素水とは、オゾン水に過酸化水素水が添加されたときにオゾン水中において生成されるラジカルの量がオゾン水に過酸化水素水が添加されないときとに比べて多くなるような量の過酸化水素水を示す。処理
対象が農薬(例えば、マラチオン農薬)に汚染された汚染水の場合には、前記促進酸化処理方法における適量の過酸化水素水としては、オゾン水に添加される過酸化水素水中の過酸化水素と前記オゾン水を生成するにあたって原水(汚染水)に添加されるオゾンとの質量比が過酸化水素/オゾン=0.02〜0.2の関係を満たすものであることが好ましい。
【0016】
促進酸化処理方法は、
図1に示すように、処理槽1とオゾンガス発生装置2とを用いて行われる。
【0017】
促進酸化処理方法に用いられる処理槽1は、処理対象が固体(例えば、医療機器や電子部品等)の場合には、例えば、4000Lの原水またはオゾン水を処理槽1に貯留するように構成される。そして、処理槽1は、処理対象が固体の場合には、処理槽1に貯留されるオゾン水中に処理対象が配置されるように構成される。また、処理槽1は、処理対象が液体(例えば、汚染水)の場合には、処理槽1に処理対象を貯留(配置)するように構成される。
【0018】
促進酸化処理方法に用いられるオゾンガス発生装置2は、濃縮酸素を原料としてオゾンガスを発生するように構成される。オゾンガス発生装置2は、これにおいて発生させたオゾンガスを処理槽1に供給するように構成される。
【0019】
次に、促進酸化処理方法において、所望のオゾン濃度のオゾン水を生成し、当該オゾン水に適量の過酸化水素水を添加して、オゾン水中のオゾンと過酸化水素水中の過酸化水素とが反応して生成されるラジカルによって、処理槽1内の処理対象を酸化させる(促進酸化処理を行う)、一連の動作について説明する。
【0020】
図2に示すように、まず、促進酸化処理方法では、オゾンガス発生装置2において発生させたオゾンガスを処理槽1に供給することによって、処理槽1内において所望のオゾン濃度のオゾン水を生成する工程を行う(ステップS1)。促進酸化処理方法では、オゾンガス発生装置2において発生させたオゾンガスを処理槽1に供給することによって、処理槽1内の原水または汚染水(処理対象)から所望のオゾン濃度のオゾン水を生成する。促進酸化処理方法では、処理槽1にオゾンガスの供給を開始してから、処理槽1内において所望のオゾン濃度のオゾン水を生成するまで、約二時間程度要する。促進酸化処理方法では、処理槽1内のオゾン水が所望のオゾン濃度となった後、オゾンガス発生装置2から処理槽1へのオゾンガスの供給量を調節して、前記オゾン水のオゾン濃度が所望のオゾン濃度の状態が保持されるようにする。前記処理槽1内において所望のオゾン濃度のオゾン水を生成する工程(ステップS1)を行った後、ステップS2を行う。
【0021】
次に、促進酸化処理方法では、処理槽1において生成されて貯留される所望のオゾン濃度のオゾン水に適量の過酸化水素水を添加して、オゾン水中のオゾンと過酸化水素水中の過酸化水素とが反応して生成されるラジカルによって、処理槽1内の処理対象を酸化させる工程(促進酸化処理)を行う(ステップS2)。このとき、促進酸化処理方法では、促進酸化処理の初期段階でオゾン水に過酸化水素水を添加する。そして、促進酸化処理方法では、前記オゾン水に過酸化水素水を添加した後にオゾン水への過酸化水素水の添加を停止する。つまり、促進酸化処理方法では、促進酸化処理を行う間に、オゾン水に過酸化水素水を添加しているときと、オゾン水に過酸化水素水を添加していないときと、がある。前記処理対象を酸化させる工程(ステップS2)を行った後、その動作を終了する。なお、処理対象が固体(例えば、医療機器等)の場合には、前記処理対象を酸化させる工程(ステップS2)においては、処理槽1において生成されて貯留される所望のオゾン濃度のオゾン水中に処理対象を配置した状態で、当該オゾン水に適量の過酸化水素水を添加して、処理槽1内(オゾン水中)の処理対象を酸化させる。このようにして、促進酸化処理方法において、所望のオゾン濃度のオゾン水を生成し(ステップS1)、当該オゾン水に適量の過酸化水素水を添加してオゾン水中のオゾンと過酸化水素水中の過酸化水素とが反応して生成されるラジカルによって処理対象を酸化させる(ステップS2)。
【0022】
以上のように、促進酸化処理の初期段階でオゾン水に過酸化水素水を添加し、前記オゾン水に過酸化水素水を添加した後にオゾン水への過酸化水素水の添加を停止する、促進酸化処理方法では、従来の促進酸化処理方法のように、促進酸化処理の初期段階から終期段階にわたって過酸化水素水を連続してオゾン水に添加することを要さない。したがって、促進酸化処理方法によれば、従来のものに比べて、促進酸化処理作業を容易に行うことができる。
【0023】
また、促進酸化処理方法では、前記オゾン水に適量の過酸化水素水を添加して処理対象を酸化させる工程(ステップS2)において、促進酸化処理を行う間にオゾン水に過酸化水素水を間欠的に添加する。つまり、促進酸化処理方法では、前記オゾン水への過酸化水素水の添加を停止した後に、更に、オゾン水への過酸化水素水の添加を開始する。促進酸化処理方法では、例えば、オゾン水への過酸化水素水の添加を1分間行い、次いで、オゾン水への過酸化水素水の添加の停止を9分間行うこと、を繰り返し行うことによって、オゾン水に過酸化水素水を間欠的に添加する。
【0024】
以上のように、促進酸化処理を行う間にオゾン水に過酸化水素水を間欠的に添加する、促進酸化処理方法によれば、従来の促進酸化処理を行う間に過酸化水素水を連続してオゾン水に添加する促進酸化処理方法に比べて、オゾン水中のラジカルの量が比較的多くなるようにオゾン水に添加する過酸化水素水の添加量の調整を容易に行うことができる。
【0025】
ここで、オゾン水への過酸化水素水の添加を停止してから約2時間が経過すると、オゾン水中のラジカルが促進酸化処理を行うにあたって不十分な量に減少する場合がある。
このため、促進酸化処理方法では、前記オゾン水に適量の過酸化水素水を添加して処理対象を酸化させる工程(ステップS2)において、促進酸化処理を行う間にオゾン水に過酸化水素水を間欠的に添加する間隔として、オゾン水に過酸化水素水を添加する動作を停止してから少なくとも2時間以内にオゾン水に過酸化水素水を添加する動作を開始することが好ましい。このように、促進酸化処理方法では、オゾン水への過酸化水素水の添加を停止してから少なくとも2時間以内にオゾン水への過酸化水素水の添加を開始するようにして促進酸化処理を行う間にオゾン水に過酸化水素水を間欠的に添加することにより、オゾン水中において促進酸化処理を行うために十分なラジカルを確保して、確実に、促進酸化処理を行うことができる。
【0026】
促進酸化処理方法では、オゾン水への過酸化水素水の添加は、ポンプを用いて行う。このとき、促進酸化処理方法では、一定量毎の過酸化水素水を一定間隔ごとにオゾン水に添加して、オゾン水に過酸化水素水を間欠的に添加するように構成されるポンプを用いて行う。ここで、従来の促進酸化処理を行う間に過酸化水素水を連続してオゾン水に添加する促進酸化処理方法では、単位時間当たりのオゾン水への過酸化水素水の添加量を調整できるような高価なポンプを要する。促進酸化処理方法では、一定量毎の過酸化水素水をオゾン水へ添加する動作と前記オゾン水への過酸化水素水の添加する動作の停止とを一定間隔毎に行うことが可能なポンプであれば良く、従来の促進酸化処理方法に用いられるポンプ(促進酸化処理を行う間にオゾン水中に過酸化水素水を連続して添加するポンプ)よりも安価なポンプを用いて行うことができる。
【0027】
なお、促進酸化処理方法では、前記オゾン水に適量の過酸化水素水を添加して処理対象を酸化させる工程(ステップS2)において、促進酸化処理を行う時間は、処理対象や処理性能によって異なる。促進酸化処理方法では、前記オゾン水に適量の過酸化水素水を添加して処理対象を酸化させる工程(ステップS2)において、処理槽1内のオゾン水が所望のオゾン濃度となった後から促進酸化処理が終了するまでの時間は、処理対象や処理性能によって異なり、15分〜10時間程度要する。そして、促進酸化処理方法では、前記オゾン水に適量の過酸化水素水を添加して処理対象を酸化させる工程(ステップS2)において、処理対象や処理性能によっては、促進酸化処理を行う間にオゾン水に添加される過酸化水素水の総量を促進酸化処理の初期段階で一括して添加することもある。
【0028】
また、促進酸化処理方法では、促進酸化処理を終えた後、オゾンガス発生装置2から処理槽1へのオゾンガスの供給を停止するとともに、オゾン水への過酸化水素水の添加を停止する。そして、促進酸化処理方法では、前記オゾン水に酸素または空気を注入して、オゾン水のオゾン濃度を低下させる。促進酸化処理方法では、促進酸化処理を終えた後、オゾン水のオゾン濃度を低下させる動作は、6時間程度要する。
【0029】
次に、表1乃至表4を用いて、促進酸化処理方法の実施例について説明する。
【0030】
表1は、処理対象である所定の有機フッ素化合物(以下「A剤」とう)について酸化処理を行ったデータを、A剤の初濃度を「1」として規格化した表である。A1〜A2は、オゾン水に過酸化水素水を添加せずに、A剤の酸化処理を行ったものである。A3〜A5は、オゾン水に過酸化水素水を間欠的に添加して、A剤の酸化処理(促進参加処理)を行ったものである。A3〜A5は、A剤の酸化処理を行うにあたって、最初に所定量の過酸化水素水をオゾン水に添加してA剤の酸化処理を開始し、次いで、30分毎に同量の過酸化水素水をオゾン水に添加することによって、オゾン水に過酸化水素水を間欠的に添加したものである。
【0031】
A3は、オゾン水濃度が0.5(規格値)のオゾン水に、過酸化水素が0.027(規格値)となるように、過酸化水素水を30分毎に添加したものである。A4は、オゾン水濃度が0.5(規格値)のオゾン水に、過酸化水素が0.053(規格値)となるように、過酸化水素水を、30分毎に添加したものである。A5は、オゾン水濃度が0.5(規格値)のオゾン水に、過酸化水素が0.107(規格値)となるように、過酸化水素水を、30分毎に添加したものである。
【0032】
このように、促進酸化処理方法における適量の過酸化水素水としては、前記促進酸化処理を行う間にオゾン水に過酸化水素水を間欠的に添加するにあたって、間欠的にオゾン水に添加される過酸化水素水のうちオゾン水へ添加される一回分の過酸化水素水中の過酸化水素(0.024〜0.118(規格値))とオゾン濃度(0.5(規格値))との関係が、過酸化水素/オゾン濃度=0.049〜0.235の関係を満たすもの(A3〜A5)であることが好ましい。
【0033】
A3〜A5では、酸化処理時間が60分経過した時に、A1〜A2に比べてA剤の濃度が著しく低下している。A3〜A5では、酸化処理時間が120分経過した時に、A1〜A2に比べてA剤の濃度がさらに著しく低下している。A3〜A5では、酸化処理時間が180分経過した時に、A剤の濃度の検出限界値以下となっている。
【表1】
【0034】
表2は、処理対象である所定の有機リン化合物(以下「B剤」とう)について酸化処理を行ったデータを、B剤の初濃度を「1」として規格化した表である。B1〜B2は、オゾン水に過酸化水素水を添加せずに、B剤の酸化処理を行ったものである。B3〜B5は、オゾン水に過酸化水素水を間欠的に添加して、B剤の酸化処理(促進参加処理)を行ったものである。B3〜B5は、B剤の酸化処理を行うにあたって、最初に所定量の過酸化水素水をオゾン水に添加してB剤の酸化処理を開始し、次いで、30分毎に同量の過酸化水素水をオゾン水に添加することによって、オゾン水に過酸化水素水を間欠的に添加したものである。
【0035】
B3は、オゾン水濃度が0.5(規格値)のオゾン水に、過酸化水素が0.027(規格値)となるように、過酸化水素水を30分毎に添加したものである。B4は、オゾン水濃度が0.5(規格値)のオゾン水に、過酸化水素が0.053(規格値)となるように、過酸化水素水を、30分毎に添加したものである。B5は、オゾン水濃度が0.5(規格値)のオゾン水に、過酸化水素が0.107(規格値)となるように、過酸化水素水を、30分毎に添加したものである。
【0036】
このように、促進酸化処理方法における適量の過酸化水素水としては、前記促進酸化処理を行う間にオゾン水に過酸化水素水を間欠的に添加するにあたって、間欠的にオゾン水に添加される過酸化水素水のうちオゾン水へ添加される一回分の過酸化水素水中の過酸化水素(0.024〜0.118(規格値))とオゾン濃度(0.5(規格値))との関係が、過酸化水素/オゾン濃度=0.049〜0.235の関係を満たすもの(B3〜B5)であることが好ましい。
【0037】
B3〜B5では、酸化処理時間が120分経過した時に、B1〜B2に比べてB剤の濃度が著しく低下している。B3〜B5では、酸化処理時間が180分経過した時に、B1〜B2に比べてB剤の濃度がさらに著しく低下している。
【表2】
【0038】
表3および表4は、処理対象である所定の有機リン化合物(以下「C剤」とう)について酸化処理を行ったデータを、C剤の初濃度を「1」として規格化した表である。表3に示すように、C1は、オゾン水に過酸化水素水を間欠的に添加して、C剤の酸化処理(促進参加処理)を行ったものである。C1は、C剤の酸化処理を行うにあたって、最初に所定量の過酸化水素水をオゾン水に添加してC剤の酸化処理を開始し、次いで、30分毎に同量の過酸化水素水をオゾン水に添加することによって、オゾン水に過酸化水素水を間欠的に添加したものである。C2は、C剤の酸化処理を行うにあたって、最初に所定量(C1の3時間分)の過酸化水素水をオゾン水に添加した後にオゾン水への前記過酸化水素水の添加を停止したものである。
【0039】
C1は、オゾン水濃度が0.1(規格値)のオゾン水に、過酸化水素が0.0538(規格値)となるように、過酸化水素水を30分毎に添加したものである。C2は、オゾン水濃度が0.1(規格値)のオゾン水に、過酸化水素が0.3227(規格値)となるように、最初に3時間分の過酸化水素水を添加したものである。
【0040】
C2では、C1と同様にC剤の濃度が低下している。つまり、最初に所定量(C1の3時間分)の過酸化水素水をオゾン水に添加した後にオゾン水への前記過酸化水素水の添加を停止してC剤の酸化処理を行うことによっても、オゾン水に過酸化水素水を間欠的に添加してC剤の酸化処理を行う場合と同様の効果を得ることができる。
【表3】
【0041】
表4に示すように、C3およびC4は、オゾン水に過酸化水素水を間欠的に添加して、C剤の酸化処理(促進参加処理)を行ったものである。C3は、C剤の酸化処理を行うにあたって、最初に所定量の過酸化水素水をオゾン水に添加してC剤の酸化処理を開始し、次いで、30分毎に同量の過酸化水素水をオゾン水に添加することによって、オゾン水に過酸化水素水を間欠的に添加したものである。C4は、C剤の酸化処理を行うにあたって、最初に所定量の過酸化水素水をオゾン水に添加してC剤の酸化処理を開始し、次いで、1分毎に同量の過酸化水素水をオゾン水に添加することによって、オゾン水に過酸化水素水を間欠的に添加したものである。
【0042】
C3は、オゾン水濃度が0.5(規格値)のオゾン水に、過酸化水素が0.0269(規格値)となるように、過酸化水素水を、30分毎に添加したものである。C4は、オゾン水濃度が0.5(規格値)のオゾン水に、過酸化水素が0.0009(規格値)となるように、過酸化水素水を、1分毎に添加したものである。
【0043】
C4では、C3同様にC剤の濃度が低下している。つまり、オゾン水への過酸化水素水を添加する間隔が短い場合(1分間隔)であっても、オゾン水への過酸化水素水を添加する間隔が長いもの(30分間隔)場合と同様の効果を得ることができる。
【表4】