特許第6162105号(P6162105)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6162105
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】スナップオンコンベアベルトローラ
(51)【国際特許分類】
   B65G 39/20 20060101AFI20170703BHJP
【FI】
   B65G39/20
【請求項の数】42
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2014-512918(P2014-512918)
(86)(22)【出願日】2012年5月21日
(65)【公表番号】特表2014-515343(P2014-515343A)
(43)【公表日】2014年6月30日
(86)【国際出願番号】US2012038820
(87)【国際公開番号】WO2012162232
(87)【国際公開日】20121129
【審査請求日】2015年5月21日
(31)【優先権主張番号】13/113,517
(32)【優先日】2011年5月23日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/327,386
(32)【優先日】2011年12月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508181663
【氏名又は名称】レイトラム,エル.エル.シー.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】マクラクラン,ギルバート ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,アブラハム エル.
(72)【発明者】
【氏名】ワイザー,デイヴィッド シー.
【審査官】 岡崎 克彦
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2006/0011454(US,A1)
【文献】 実開昭60−040322(JP,U)
【文献】 国際公開第2011/054904(WO,A1)
【文献】 米国特許第01758280(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 39/00−39/20
B65G 17/24
F16C 13/00−15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベアベルト用マルチピースローラにおいて、
ベース部材と、当該ベース部材内の第1ねじれチャネルであって、当該第1ねじれチャネルを形成する両側縁部が前記マルチピースローラの長手方向中心軸に対して傾斜している第1ねじれチャネルと、前記第1ねじれチャネルの第1の側において前記ベース部材の第1軸端部から延びる第1フィンガと、前記第1フィンガと反対側の前記第1ねじれチャネルの第2の側において前記ベース部材の第2軸端部から延びる第2フィンガと、を有する第1ローラ切片であって、前記第1および第2フィンガの各々が、上半分と下半分がその中心の周りで回転対称である軸方向内面を含み、当該軸方向内面が、溝と、当該溝と相補的な突出部とを含む第1ローラ切片と、
第2ねじれチャネルであって、当該第2ねじれチャネルを形成する両側縁部が前記マルチピースローラの長手方向中心軸に対して傾斜している第2ねじれチャネルを有し、前記第1ローラ切片と結合して完成ローラを形成する第2ローラ切片であって、前記完成ローラが第1軸端部と、第2軸端部と、前記第1軸端部と前記第2軸端部との間の外周面と、前記第1および第2ねじれチャネルによって画定され、前記第1軸端部から前記第2軸端部まで延びる穴とを含む、第2ローラ切片と、
を含むことを特徴とするマルチピースローラ。
【請求項2】
請求項1に記載のマルチピースローラにおいて、
前記第1ローラ切片が、前記第1ねじれチャネルを画定する第1ベース部材と、前記ベース部材から延びる第1フィンガとを含み、
前記第2ローラ切片が、前記第2ねじれチャネルを画定する第2ベース部材と、前記第1フィンガと係合するように構成された第2フィンガとを含む、
ことを特徴とするマルチピースローラ。
【請求項3】
請求項2に記載のマルチピースローラにおいて、前記第1ベース部材が、前記第2フィンガの半径方向内面と係合するように構成された半径方向外面を含むことを特徴とするマルチピースローラ。
【請求項4】
請求項3に記載のマルチピースローラにおいて、前記第2ベース部材が、前記第1フィンガの半径方向内面と係合するように構成された半径方向外面を含むことを特徴とするマルチピースローラ。
【請求項5】
請求項に記載のマルチピースローラにおいて、前記軸方向内面がそれぞれ、第1湾曲面、第2湾曲面、第1カミング面、および第2カミング面を含むことを特徴とするマルチピースローラ。
【請求項6】
請求項に記載のマルチピースローラにおいて、前記第1フィンガおよび第2フィンガが、前記完成ローラの前記外周面の一部を形成する半径方向外面と、前記半径方向外面と非平行な半径方向内面とを含むことを特徴とするマルチピースローラ。
【請求項7】
請求項に記載のマルチピースローラにおいて、前記ベース部材が、前記第1フィンガおよび前記第2フィンガの前記半径方向内面と相補的な半径方向外面を含むことを特徴とするマルチピースローラ。
【請求項8】
請求項に記載のマルチピースローラにおいて、前記第1フィンガおよび前記第2フィンガが、丸みのある先端を含むことを特徴とするマルチピースローラ。
【請求項9】
請求項1に記載のマルチピースローラにおいて、前記第1ローラ切片が、前記マルチピースローラの長手方向中心軸と直交して当該第1ローラ切片の中心を通る放射軸を中心に回転対称であることを特徴とするマルチピースローラ。
【請求項10】
請求項1に記載のマルチピースローラにおいて、前記第1および第2ねじれチャネルが、面取りされた端部を含むことを特徴とするマルチピースローラ。
【請求項11】
請求項1に記載のマルチピースローラにおいて、前記完成ローラの前記第1軸端部および前記第2軸端部が、前記穴から外方へ面取りされることを特徴とするマルチピースローラ。
【請求項12】
コンベアベルト用マルチピースローラであって、
軸方向に延びるチャネルを有するベース部材と、前記ベース部材から延びる第1フィンガとを含む第1ローラ切片であって、当該第1ローラ切片が、前記マルチピースローラの長手方向中心軸と直交して当該第1ローラ切片の中心を通る放射軸を中心に回転対称であり、前記第1フィンガが軸方向外面と、軸方向内面と、半径方向外面と、半径方向内面とを含む、第1ローラ切片と、
前記第1ローラ切片と結合して、完成ローラを形成する第2ローラ切片であって、前記完成ローラが第1軸端部と、第2軸端部と、前記第1フィンガによって少なくとも部分的に画定される外周面と、前記第1軸端部と前記第2軸端部との間に延びる穴とを含む、第2ローラ切片と、を含み、
前記第1フィンガの軸方向内面が、当該軸方向内面の上半分と下半分がその中心の周りで回転対称であり、湾曲した遠位部分、少なくとも1つの溝、および少なくとも1つの突出部を含むことを特徴とするマルチピースローラ。
【請求項13】
請求項12に記載のマルチピースローラにおいて、前記第2ローラ切片が、前記マルチピースローラの長手方向中心軸と直交して前記第2ローラ切片の中心を通る放射軸を中心に回転対称であることを特徴とするマルチピースローラ。
【請求項14】
請求項12に記載のマルチピースローラにおいて、前記第1ローラ切片が、前記穴の一部を画定する前記ベース部材のねじれチャネルであって、当該ねじれチャネルを形成する両側縁部が前記ローラの長手方向中心軸に対して傾斜しているねじれチャネルを含むことを特徴とするマルチピースローラ。
【請求項15】
請求項12に記載のマルチピースローラにおいて、前記第1フィンガが、前記ベース部材の第1軸端部から延び、前記第1ローラ切片がさらに、前記ベース部材の第2軸端部から延びる第2フィンガを含むことを特徴とするマルチピースローラ。
【請求項16】
請求項12に記載のマルチピースローラにおいて、前記第1フィンガの前記半径方向内面が、前記第1フィンガの前記半径方向外面と非平行であることを特徴とするマルチピースローラ。
【請求項17】
請求項16に記載のマルチピースローラにおいて、前記ベース部材が、前記第1フィンガの前記半径方向内面と相補的な半径方向外面を含むことを特徴とするマルチピースローラ。
【請求項18】
請求項17に記載のマルチピースローラにおいて、前記第1フィンガの前記半径方向内面が、カミング面、溝および前記溝に隣接する突出部を画定する湾曲面を含むことを特徴とするマルチピースローラ。
【請求項19】
請求項12に記載のマルチピースローラにおいて、前記完成ローラの前記第1軸端部および前記第2軸端部が、前記穴から外方へ面取りされることを特徴とするマルチピースローラ。
【請求項20】
コンベアベルト用マルチピースローラにおいて、
軸方向に延びるチャネルを含むベース部材と、前記ベース部材から延びる複数の第1フィンガとを含む第1ローラ切片であって、各第1フィンガが半径方向外面と、第1の溝を有する半径方向内面と、第2の溝を有する軸方向内面とを含み、前記第1の溝と第2の溝が同一平面上にあり、前記半径方向内面が前記半径方向外面と非平行である、第1ローラ切片と、
ベース部材を含み、前記第1ローラ切片と結合して、完成ローラを形成する第2ローラ切片であって、前記完成ローラが第1軸端部と、第2軸端部と、前記第1軸端部から前記第2軸端部まで延びる穴と、前記第1軸端部と前記第2軸端部との間の外周とを含み、前記外周が前記複数の第1フィンガの前記半径方向外面によって少なくとも部分的に画定される第2ローラ切片と、
を含むことを特徴とするマルチピースローラ。
【請求項21】
請求項20に記載のマルチピースローラにおいて、前記第2ローラ切片が、複数の第2フィンガを有するベース部材を含み、前記第1フィンガの前記半径方向内面が前記第2ローラ切片の前記ベース部材の半径方向外面と係合することを特徴とするマルチピースローラ。
【請求項22】
請求項21に記載のマルチピースローラにおいて、前記完成ローラが組み立てられると、前記第2ローラ切片の前記第2フィンガが、前記第1ローラ切片の前記第1フィンガと係合することを特徴とするマルチピースローラ。
【請求項23】
請求項21に記載のマルチピースローラにおいて、前記第1フィンガが、前記第1ベース部材の両軸端部で形成され、前記第2フィンガが、前記第2ローラ切片のベース部材の軸方向中央部分に形成されることを特徴とするマルチピースローラ。
【請求項24】
請求項20に記載のマルチピースローラにおいて、前記第1フィンガが、前記完成ローラが組み立てられると、前記第2ローラ切片のベース部材の平面と当接する平らな遠位端を含むことを特徴とするマルチピースローラ。
【請求項25】
請求項20に記載のマルチピースローラにおいて、前記第1フィンガが、前記第1ローラ切片の第1軸端部に形成され、かつ前記第2ローラ切片の前記ベース部材の一部を受け入れるための起伏のある開口を形成することを特徴とするマルチピースローラ。
【請求項26】
請求項20に記載のマルチピースローラにおいて、前記第1ローラ切片の前記軸方向に延びるチャネルの形状が、当該チャネルを形成する両側縁部が前記マルチピースローラの長手方向中心軸に対して傾斜していることを特徴とするマルチピースローラ。
【請求項27】
請求項20に記載のマルチピースローラにおいて、前記第1ローラ切片の前記軸方向に延びるチャネルが、面取りされた端部を含むことを特徴とするマルチピースローラ。
【請求項28】
請求項20に記載のマルチピースローラにおいて、前記第1フィンガのそれぞれが、上半分と下半分がその中心の周りで回転対称である軸方向内面を含むことを特徴とするマルチピースローラ。
【請求項29】
請求項20に記載のマルチピースローラにおいて、前記第1ローラ切片が、前記マルチピースローラの長手方向中心軸と直交して前記第1ローラ切片の中心を通る放射軸を中心に回転対称であることを特徴とするマルチピースローラ。
【請求項30】
請求項20に記載のマルチピースローラにおいて、前記第2ローラ切片が、前記第1ローラ切片と同一であることを特徴とするマルチピースローラ。
【請求項31】
コンベアベルトのマルチピースローラを形成するためのローラ切片において、
軸方向に延びるチャネルを有するベース部材と、
前記ベース部材から延びる第1フィンガであって、当該第1フィンガが、軸方向外面と、上半分と下半分がその中心の周りで回転対称である軸方向内面と、半径方向外面と、半径方向内面とを含み、前記軸方向内面が、突出部および当該突出部と相補的な溝を有する第1フィンガと、
を含むことを特徴とするローラ切片。
【請求項32】
請求項31に記載のローラ切片において、前記第1フィンガの前記半径方向内面が、前記半径方向外面と非平行であることを特徴とするローラ切片。
【請求項33】
請求項31に記載のローラ切片において、前記第1フィンガが、前記軸方向に延びるチャネルの第1の側において前記ベース部材の第1軸端部に形成されることを特徴とするローラ切片。
【請求項34】
請求項33に記載のローラ切片において、
前記軸方向に延びるチャネルの第2の側において前記ベース部材の第2軸端部から延びる第2フィンガをさらに含むことを特徴とするローラ切片。
【請求項35】
請求項34に記載のローラ切片において、前記第2フィンガが、上半分と下半分がその中心の周りで回転対称である軸方向内面を含むことを特徴とするローラ切片。
【請求項36】
請求項31に記載のローラ切片において、前記軸方向に延びるチャネルの形状が、当該チャネルを形成する両側縁部が前記マルチピースローラの長手方向中心軸に対して傾斜していることを特徴とするローラ切片。
【請求項37】
請求項31に記載のローラ切片において、前記軸方向に延びるチャネルが、面取りされた端部を含むことを特徴とするローラ切片。
【請求項38】
請求項31に記載のローラ切片において、前記軸方向内面が、少なくとも2つの突出部と、前記突出部と相補的な少なくとも2つの溝とを含むことを特徴とするローラ切片。
【請求項39】
請求項31に記載のローラ切片において、前記半径方向内面が、突出部と溝とを含むことを特徴とするローラ切片。
【請求項40】
請求項39に記載のローラ切片において、前記ベース部材が、前記第1フィンガの前記半径方向内面と相補的な半径方向外面を含むことを特徴とするローラ切片。
【請求項41】
請求項40に記載のローラ切片において、前記ベース部材の前記半径方向外面が、湾曲した部分を含むことを特徴とするローラ切片。
【請求項42】
請求項31に記載のローラ切片において、前記第1フィンガの前記軸方向外面が、半径方向外端部に向かって面取りされることを特徴とするローラ切片。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2011年5月23日に出願され、内容が参照することにより援用される“Multi−Piece Conveyor Belt Rollers”と題された米国特許出願第13/113,517号明細書の部分係属である。
【背景技術】
【0002】
本発明は、概して動力駆動式コンベアに関し、詳細にはコンベアベルト用マルチピース物品支持ローラに関する。
【0003】
物品支持ローラは、搬送される物品に低摩擦回転支持を提供するために、モジュール式プラスチックコンベアベルトで使用される。多くのローラトップベルトでは、ローラは、モジュール式ベルトを構成するために使用されるベルトモジュールに形成されたキャビティ内のスチール製回転軸に取り付けられる。スチール製回転軸を備えたローラトップベルトモジュールは、ローラのない標準的なモジュールより製造が難しい。ローラトップモジュールを製造する1つの方法は、スチール製回転軸上のローラの周りにモジュールを射出成形することである。回転軸の端部は金型内に延び、成形されたモジュール本体に包含される。別の方法は、ローラ受け部を備えたモジュール本体を射出成形することである。続いて、第2製造工程において、ローラと回転軸が各受け部に配置され、ローラをモジュール内に保持するためにカバーが溶接されるか、他の方法で回転軸の端部の上に適所に保持される。従って、ローラトップベルトの製造を簡単にする必要性がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明の特徴を具現化し、コンベアベルトで有用なスナップオンローラは、コンベアベルトモジュールに嵌め込まれる。スナップオンローラは一体化された回転軸を含んでもよく、またはコンベアベルトモジュールの回転軸または回転軸突起に直接嵌められるように設計されてもよい。スナップオンローラは、相互に嵌るように設計された複数のピースを含んでもよく、または回転軸を包み込む、もしくはコンベアベルトモジュールに嵌め込まれる単一ピースローラを含んでもよい。
【0005】
一実施形態では、スナップオンローラは、組み合って完成ローラを形成する第1および第2ローラ切片を含むマルチピースローラである。完成ローラは両端部間に外周を有する。同時に、第1および第2ローラ切片は穴を画定し、穴はローラの中心軸に沿って延び、回転軸を受け入れるために両端部で開口する。穴は第1および第2ローラ切片のそれぞれによって部分的に形成される。第1ローラ切片のフィンガが、第2ローラ切片のフィンガと係合する。2つの切片は、完成ローラの中心軸に対して垂直な方向に2つの切片を互いにスライドすることによって組み立てられる。フィンガは噛み合って第1および第2ローラ切片の軸方向の分離を防止する。
【0006】
本発明の一態様において、コンベアベルト用マルチピースローラは、第1のねじれチャネルを有する第1ローラ切片と、第2のねじれチャネルを有する第2ローラ切片とを含む。第2ローラ切片は第1ローラ切片と結合されて完成ローラを形成し、完成ローラは第1軸端部、第2軸端部、第1軸端部と第2軸端部との間の外周面、および第1および第2ねじれチャネルによって画定される穴を有する。穴は第1軸端部から第2軸端部まで延びる。
【0007】
本発明の別の態様によれば、コンベアベルト用マルチピースローラは、回転対称の第1ローラ切片と、第1ローラ切片と結合されて完成ローラを形成する第2ローラ切片とを含む。回転対称の第1ローラ切片は、軸方向に延びるチャネルを有するベース部材と、ベース部材から延びる第1フィンガとを含む。第1フィンガは軸方向外面、軸方向内面、半径方向内面、および半径方向外面を含み、完成ローラの周囲面の少なくとも一部を形成する。
【0008】
本発明の別の態様によれば、コンベアベルト用マルチピースローラは、軸方向に延びるチャネルを含むベース部材と、ベース部材から延びる複数の第1フィンガとを含む第1ローラ切片と、第1ローラ切片と結合して完成ローラを形成する第2ローラ切片とを含む。各第1フィンガは、半径方向外面と、半径方向外面と非平行である半径方向内面とを含む。完成ローラは第1軸端部、第2軸端部、第1軸端部と第2軸端部との間の外周、および第1軸端部から第2軸端部まで延びる穴を有する。外周は複数の第1フィンガの半径方向外面によって少なくとも部分的に画定される。
【0009】
本発明のさらに別の態様によれば、コンベアベルト用マルチピースローラを形成するローラ切片は、軸方向に延びるチャネルを有するベース部材と、ベース部材から延びる第1フィンガとを含む。第1フィンガは、軸方向外面、回転対称の軸方向内面、半径方向外面、および半径方向外面と非平行である半径方向内面を含む。
【0010】
本発明のこれら態様および特徴、ならびにその利点を、以下の説明、添付の請求項、および付随する図面でより詳細に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の特徴を具現化するモジュール式プラスチックコンベアベルトの一部の等角図である。
図2図2は、図1のコンベアベルトの一部の上面図である。
図3図3は、図1のようなコンベアベルトのモジュールの上面の拡大等角図である。
図4図4は、線4−4に沿って取られた図3のモジュールの不等角断面図である。
図5A図5Aは、本発明の例示の実施形態による図3のようなコンベアベルトモジュールで有用な完成マルチピースローラを示す。
図5B図5Bは、図5Aのマルチピースローラのローラ切片を示す。
図6A図6Aは、図3のようなコンベアベルトモジュールで有用な第2ローラピースの斜投影図である。
図6B図6Bは、図3のようなコンベアベルトモジュールで有用な第1ローラピースの斜投影図である。
図6C図6Cは、図3のようなコンベアベルトモジュールで有用な完成ローラの斜投影図である。
図7A図7Aは、図3のようなコンベアベルトモジュールで有用な第1ローラピースの不等角図である。
図7B図7Bは、図3のようなコンベアベルトモジュールで有用な第2ローラピースの不等角図である。
図7C図7Cは、図3のようなコンベアベルトモジュールで有用な別の完成ローラの不等角図である。
図8A図8Aは、図3のようなコンベアベルトモジュールで有用なローラピースの不等角図である。
図8B図8Bは、図3のようなコンベアベルトモジュールで有用な別の完成ローラの不等角図である。
図9図9は、図3のようなコンベアベルトモジュール用の金型の等角図である。
図10図10は、図1のようなコンベアベルトを作製するのに有用なコンベアベルトモジュールの別の形態の一部の上側からの等角図である。
図11図11は、図9のコンベアベルトモジュールの底側の一部の等角図である。
図12A図12Aは、本発明の別の実施形態による図3のようなコンベアベルトモジュールで有用なマルチピースローラを示す。
図12B図12Bは、図12Aのマルチピースローラのローラ切片の前面図である。
図12C図12Cは、図12Aのマルチピースローラのローラ切片の側面図である。
図12D図12Dは、二等分された図12Cのローラ切片の側面図である。
図12E図12Eは、図12Bのローラ切片の上面図である。
図12F図12Fは、図12Bのローラ切片の底面図である。
図12G図12Gは、図12Bのローラ切片の斜視図である。
図13図13は、本発明の例示の実施形態による図12Bのローラ切片のフィンガの軸方向内面を詳細に示す。
図14図14は、本発明の例示の実施形態による図12Bのローラ切片のフィンガの半径方向内面を詳細に示す。
図15A図15Aは、本発明の別の実施形態によるマルチピースローラを示す。
図15B図15Bは、本発明の別の実施形態によるマルチピースローラを示す。
図16A図16Aは、本発明の別の実施形態によるマルチピースローラのローラ切片を示す。
図16B図16Bは、本発明の別の実施形態によるマルチピースローラのローラ切片を示す。
図16C図16Cは、図16A〜Bに示されたローラ切片から構成されたマルチピースローラを示す。
図17図17は、本発明の別の実施形態によるマルチピースローラを示す。
図18A図18Aは、本発明の別の実施形態によるマルチピースローラのローラ切片の図を示す。
図18B図18Bは、本発明の別の実施形態によるマルチピースローラのローラ切片の図を示す。
図18C図18Cは、本発明の別の実施形態によるマルチピースローラのローラ切片の図を示す。
図18D図18Dは、本発明の別の実施形態によるマルチピースローラのローラ切片の図を示す。
図18E図18Eは、図18A〜Dに示されたローラ切片の2つから構成されたマルチピースローラを示す。
図19図19は、本発明の別の実施形態による2つのローラ切片を含むマルチピースローラを示す。
図20A図20Aは、本発明の実施形態による単一ピーススナップオンローラを示す。
図20B図20Bは、本発明の実施形態による単一ピーススナップオンローラを示す。
図20C図20Cは、本発明の実施形態による単一ピーススナップオンローラを示す。
図21A図21Aは、可撓性回転軸突起を含む単一ピーススナップオンローラの別の実施形態を示す。
図21B図21Bは、可撓性回転軸突起を含む単一ピーススナップオンローラの別の実施形態を示す。
図21C図21Cは、可撓性回転軸突起を含む単一ピーススナップオンローラの別の実施形態を示す。
図22A図22Aは、第1軸端部に回転軸突起を、第2軸端部に凹部を含む単一ピーススナップオンローラを示す。
図22B図22Bは、第1軸端部に回転軸突起を、第2軸端部に凹部を含む単一ピーススナップオンローラを示す。
図22C図22Cは、第1軸端部に回転軸突起を、第2軸端部に凹部を含む単一ピーススナップオンローラを示す。
図22D図22Dは、第1軸端部に回転軸突起を、第2軸端部に凹部を含む単一ピーススナップオンローラを示す。
図23A図23Aは、本発明の別の実施形態による単一ピーススナップオンローラの別の実施形態を示す。
図23B図23Bは、本発明の別の実施形態による単一ピーススナップオンローラの別の実施形態を示す。
図23C図23Cは、本発明の別の実施形態による単一ピーススナップオンローラの別の実施形態を示す。
図23D図23Dは、本発明の別の実施形態による単一ピーススナップオンローラの別の実施形態を示す。
図23E図23Eは、本発明の別の実施形態による単一ピーススナップオンローラの別の実施形態を示す。
図24A図24Aは、本発明の別の例示の実施形態による、回転軸を受け入れるための、貫通して延びる穴を含む単一ピーススナップオンローラを示す。
図24B図24Bは、本発明の別の例示の実施形態による、回転軸を受け入れるための、貫通して延びる穴を含む単一ピーススナップオンローラを示す。
図25A図25Aは、貫通して延びる穴を含む単一ピーススナップオンローラの別の実施形態を示す。
図25B図25Bは、貫通して延びる穴を含む単一ピーススナップオンローラの別の実施形態を示す。
図26図26は、本発明の別の実施形態による単一ピーススナップオンローラを示す。
図27図27は、本発明の別の実施形態による単一ピーススナップオンローラを示す。
図28図28は、本発明の別の実施形態による、リブ列を有する可撓性の平らな基体を含む単一ピーススナップオンローラを示す。
図29図29は、可撓性の平らな基体と波状リブとを含む単一ピーススナップオンローラの別の実施形態を示す。
図30図30は、可撓性の平らな基体と、複数のリブと、スナップ嵌め閉鎖手段とを含む単一ピーススナップオンローラの別の実施形態を示す。
図31A図31Aは、スナップオン巻付けローラの別の実施形態を示す。
図31B図31Bは、スナップオン巻付けローラの別の実施形態を示す。
図31C図31Cは、スナップオン巻付けローラの別の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、コンベアベルトで使用するためのスナップオンローラを提供する。本発明を以下で例証的実施形態に関して記載する。当業者であれば、本発明は多数の異なる使用および実施形態で実行してもよく、またその使用において、示した特定の実施形態に特に限定されないことは認識するであろう。
【0013】
本発明の特徴を具現化するコンベアベルトの一部が図1に示されている。示されているモジュール式コンベアベルト10の一部は内側部分である。3個のコンベアベルトモジュール12が、3つのベルト列14において互いに接続される。一列ごとにれんが積みパターンで横方向にオフセットされたモジュールが示されている。各列14に1つだけモジュール12が示されているが、他の同様のモジュールが各列に横並びに接続されてエンドレスコンベアベルトを形成する。モジュールの底側18に開口する駆動ポケット16が、駆動または従動スプロケット22の歯20、21を受け入れる。駆動スプロケットの歯20、21が、ポケットと境界を成す先行駆動面24にぶつかる。従動スプロケットの歯20、21は、先行駆動面と反対側の、ポケットと境界を成す後続駆動面25によって駆動される。歯は、スプロケットのそれぞれの周囲に、2つのグループにおいて配列される。各グループは、スプロケットの幅にわたり、他方グループから横方向にオフセットされる。第1グループの歯20は、円周方向において第2グループの歯21とジグザグになるように配置され、この際、各グループの歯は、コンベアベルトのピッチの2倍離される。このようにして、歯は、一列ごとに横方向にオフセットされている駆動ポケット16と係合するように位置付けられる。第1グループの歯20は、全ての偶数列と係合し、第2グループの歯21は、全ての奇数列と係合する。エンドレスベルトは、スプロケットの穴26の中に収容されるシャフト(不図示)に取り付けられた従動および駆動スプロケットセットの周囲に巻かれる。駆動スプロケットのシャフトは、モータおよびギヤボックス(不図示)によって回転され、ベルトを移動方向28に駆動する。
【0014】
図2に示されるように、各モジュール12は、第1端部32から反対側の第2端部33まで延在する、モジュールの長さを決める中間部分30を有する。モジュールは幅が、第1側縁部42から反対側の第2側縁部43まで延在する。モジュールの厚さは、底側18から反対側の上側19まで測定される。第1セット34のヒンジ要素は、第1端部32に沿って横方向に離間され、第2セット35のヒンジ要素は、第2端部33に沿って横方向に離間される。第1および第2セット34、35のヒンジ要素間の第1および第2間隙36、37は、1つの列の第1のヒンジ要素セットが、隣接する列の第2のヒンジ要素セットと交互に配置することが可能になるように寸法決めされる。交互配置されたヒンジ要素の整列された開口39を貫くヒンジピン38が、エンドレスベルト10のヒンジ結合部40で、隣接する列を接続する。
【0015】
各ベルトモジュール12は、モジュールの上側19に開口する1つまたは複数のキャビティ44を有する。例示のキャビティ44は、モジュール12の中間部分30の真中に形成されている。あるいは、キャビティ44は、中間部分の側縁部または他の位置に形成された開口または凹部を含んでもよく、それは2個のモジュールが横並びに配置されたとき、境界キャビティの一部を形成する。図2に示されるモジュールの形態では、キャビティは底側18にも開口し、かつ同じく上側19に開口して示されている駆動ポケット16と中間部分の幅にわたり交互に配置される。あるいは、キャビティは、モジュールの上側19または底側18のみに開口してもよい。ベルトローラ46が、軸47上で回転するように各キャビティ内に取り付けられる。軸47は、示されるように中間部分の長さと平行であるが、任意の適切な向きを有することができる。1つの列14のローラ46は、より均等に物品を支持するため、隣接列14’のローラから、幅方向においてオフセットされて示されている。一列ごとの横方向のオフセットは、駆動ポケット16が同じく一列ごとに横方向にオフセットされることを意味する。この横方向のオフセット、およびスプロケットの歯20、21の円周方向にジグザグに配置されたグループにより、オフセットローラ配置が実現される。ローラ46の突出部が、ベルトの上側19を越えて、搬送される物品を支持する位置に延びる。
【0016】
第1および第2の平行な隆起部48、49が、モジュールの幅にわたり、第1および第2端部32、33に沿って横方向に延在する。隆起部はモジュールのビーム強度を増大する。示される隆起部は波状であり、上側より上のそれらの高さはモジュールの幅にわたり変化する。隆起部の高さは、ローラキャビティ44の位置で最大である。しかし、隆起部の最大高さは、ローラの頂部より低い。隆起部の高さは、モジュールのキャビティ位置間の中間で最小まで減少する。このようにして、搬送される物品の底部がローラの頂部に乗ることが保証され、隆起部のトリップ点は最小化される。
【0017】
ローラのないベルトモジュール12の部分が図3に示されている。中間部分30のローラキャビティ44は、周囲壁50によって囲まれるが、代わりに、ローラキャビティ44は中間部分50の側縁部または他の箇所に形成されてもよい。ローラの回転軸52はキャビティを横切って延びる。図3の実施形態では、回転軸52は、キャビティを横切って直径方向に延び、回転軸の端部54は壁50の反対側の位置で終端するが、回転軸52は代わりにキャビティ44の一部だけを横切って延びてもよい。あるいは、キャビティ44は、壁50に接続された1つまたは複数の突起状回転軸を含んでもよく、またはローラに接続された回転軸端部を収容するための回転軸凹部を含んでもよい。
【0018】
好ましくは、回転軸52は中間部分30に対して固定される。図4の断面に示されるように、回転軸52はモジュール12の中間部分30と一体に形成され、その端部54、55は壁50およびモジュールの残りと連続している。あるいは、回転軸をキャビティ内に固定するように、モジュール12の中間部分30を、回転軸の一方または両方の端部54、55の周りで成形してもよい。すなわち、回転軸はベルトモジュールの受け部の中に嵌め込まれてもよい。この例では、回転軸の軸(47、図2)は、ローラが進行方向に対して横に回転するように、中間部分30の長さと平行である。しかし、進行方向に、または進行方向と反対に回転するようにその回転軸が中間部分の幅と平行である、あるいは、その回転軸がベルト進行方向に対して斜めであるなど、回転軸52を他の角度でキャビティ内に形成することができる。
【0019】
剛性ローラトップベルトを構成するために使用可能なコンベアベルトモジュールの別の形態が、図10および11において、上側および底側から示されている。図3のベルトモジュール12と同様であるコンベアベルトモジュール110は、その上側111に、第1および第2隆起部112、113を有し、それらはモジュールの中間部分の幅にわたって個々の隆起部部分112’、113’に分割され、その最大高さはローラ46の位置と一致する。図11においてモジュールの底側115から見ることができるように、駆動ポケット16の長さ寸法116は、ローラキャビティ44の長さ寸法117未満であり、これは、ヒンジ要素とキャビティとの間のビーム部分118が、ヒンジ要素と駆動ポケット16との間のビーム部分119より薄いことを意味する。より薄いビーム部分118の上側の隆起部部分112’、113’により、より薄い部分の剛性が増大される。
【0020】
モジュールを製造する1つの方法が図9に示されている。ポリプロピレン、ポリエチレン、アセチル、または複合ポリマーなどの溶融熱可塑性ポリマーを、2つの金型半部58、59(分離して示されている)からなる閉鎖金型のキャビティ領域56に注入する。(金型の片方の回転軸およびキャビティ部分60が図9に示されている。)金型キャビティが満たされたら、モジュールを成形するために熱および圧力を接合した金型半部にかける。金型半部を分離し、成形されたモジュールを取り出す。このようにして、回転軸を、モジュールの中間部分と一体に成形してもよい。
【0021】
回転軸52はモジュールに対して固定され、回転軸の両端部54、55は壁50に接続されているので、ベルトローラ46を回転軸に軸方向に挿入することはできない。従って、スナップオンローラが使用されてもよく、その様々な実施形態を以下に記載する。いくつかの実施形態では、スナップオンマルチピースローラは、互いに結合して完成ローラを形成する2つ以上の別個のピースを含んでもよい。例えば、図5Aおよび5Bに示されるように、完成ローラ146は、結合部148に沿って結合される第1ローラ切片162と第2ローラ切片163とを含む。完成ローラは、第1端部に第1軸面151、第2端部に第2軸面152、および実質的に円筒状の外周面153を有する。回転軸を収容するために、穴164が第1軸面151から第2軸面152まで長手軸166に沿って延在する。複数のローラ切片162、163は、回転軸を包み込み、かつスナップ嵌め、ボンディング、機械的手段または他の適切な手段を用いて互いに結合されて完成ローラを形成する。
【0022】
好ましくは、各ローラ切片162、163は、2つのローラ切片162、163を一緒に保持するために、ベース部材178から延びるフィンガ167として示される少なくとも1つの保持機構を含む。各フィンガ167は、完成ローラ146の組立てを容易にするために、相手方ローラ切片の、凹部169として示される特徴部と係合するように構成される。
【0023】
図5Aおよび5Bの実施形態では、各ローラ切片162、163は、穴164の一部を画定する長手方向に延在するチャネル168を含む。本発明の1つの特徴によれば、チャネル168は、ノイズを低減しかつ完成ローラ146の円滑な回転動作を保証するためにねじれていてもよい。示されるように、チャネル168の側縁部172、173は、チャネル168の長手軸166に対してある角度(すなわち非平行)で延在する。好ましくは、側縁部172、173は、反対方向に斜めに進んでもよい。穴164内の得られる内側結合部148aは、長手軸166に対して傾斜する。内側結合部148aは周囲面上の外側結合部148bと平行であってもよく、または、斜めにされても、もしくはその他の方法で外側結合部148bと異なった構成にされてもよく、その結果、回転軸52の外側に沿って両側に延在し得る隆起した成形された分割線45(図3)に引っ掛からないようにする。
【0024】
一実施形態では、少なくとも1つのローラ切片は、完成ローラ146の製造および組立てを容易にするために、長手軸166に対して垂直な、ローラ切片の中間を通って延びる放射軸176の周りで回転的に対称である。例示の実施形態では、ローラ切片163は、2回対称の回転対称を有し、その結果、ローラ切片163は中心放射軸176の周りで反転可能である。この方法では、各ローラ切片162および163は180°回転させてなおも同じ構成を有することができる。
【0025】
同じく図5Aおよび5Bに示されるように、各チャネル168の端部174、175は、面取りされてもよく、その結果、得られる穴164の端部は、軸から外方へ広がり、穴に挿入される回転軸との接触が低減され、かつローラのこう着の可能性が低減される。広がった穴の端部は、広がった回転軸端部54を収容してもよく、および/または、壁50および回転軸52間の移行を容易にしてもよく、その結果、得られるコンベアベルトの安全性が向上される。
【0026】
さらに、完成ローラ146の軸面151、152が、軸面151、152の半径方向外側部分に向けて面取りされてもよい。ローラ端部の面取りにより、モジュールの側壁と接触することなく結合する間ローラ切片が振れることを可能にしながら、ローラ−キャビティの間隙を最小にすることが可能になる。
【0027】
図6A〜6Cはマルチピースローラ46の別の形態を示す。ローラは2つの異なるピース、すなわち、第1ローラ切片62と第2ローラ切片63とからなる。2つの部分は回転軸に半径方向に挿入され、3次元パズルピースのように結合される。結合されると、2つのローラ切片は、ローラの中心軸66に沿って中心穴64を備えた完成ローラ46を形成する。第1ローラ切片62は、第1嵌合部材68を有し、第1嵌合部材68は第2ローラ切片63の一対の第2嵌合部材69と嵌合し、完成ローラ46を形成する。完成ローラは2つのローラ切片62、63を中心軸66に対して垂直な半径方向70に互いにスライドすることによって組み立てられる。図6A〜6Cの実施形態では、ローラ切片62および63の両方は、各ローラ切片を二等分し、かつ長手軸66に対して垂直に伸びる中心軸71の周りで回転対称である。このようにして、各ローラ切片62および63は180°回転させてなおも同じ構成を有することができる。
【0028】
嵌合部材68、69のそれぞれは、隣接する嵌合部材の横面73と接触する横面72を有する。この例では、第1ローラ切片62の軸方向外側を向く横面72、72’が第2ローラ切片63の軸方向内側を向く横面73と接触する。軸方向に重なる面により2つの嵌合ローラ切片が軸方向に分離することが防止される。
【0029】
嵌合部材68、69のそれぞれは、穴64の両側に一対のフィンガ74、75を有する。各フィンガ74、75は完成ローラ46の外周の一部76、77を形成する。フィンガは、キャップ部材78として示されるベース部材から遠位端80、81まで延出する。フィンガのように、キャップ部材は完成ローラの周囲の一部を形成する。各フィンガの半径方向内面91がキャップ部材78の半径方向外面92と係合し、ローラ切片の分離を防止する。例示の実施形態では、各フィンガの半径方向内面91は半径方向70と実質的に平行に、かつ穴64の中心軸66に対して垂直に、遠位端80、81まで延びる。各ローラ切片のフィンガの遠位端80、81と、相手方ローラ切片のキャップ部材78との界面が、完成ローラ46の外周上にフィンガ−キャップ部材結合部48aを形成する。例示のフィンガ−キャップ部材結合部48aは長手軸66と平行である。2つのローラ切片62、63間の結合部のフィンガ−フィンガ部分48bは長手軸66に対して垂直に延びる。
【0030】
嵌合されたローラ切片は、任意の適切な手段によって一緒に保持されてもよい。一実施形態では、嵌合されたローラ切片は、第1ローラ切片62の横面72、72’に形成された整合用回り止め84と協働する第2ローラ切片63の横面73に形成されたロック用突起82の形態のロック手段によって一緒に保持される。突起は回り止め内に適切に嵌り、ローラを回転軸に固定し、運転中にローラが半径方向に分離することを防止する。第1および第2ローラ切片62、63は穴の360°未満を囲み、回転軸を穴に半径方向に入れるのに十分広い、穴に開口する間隙86を形成する。この例では、嵌合部材は穴の約180°を囲む。
【0031】
穴64の一部を画定するローラ切片62、63のチャネル85、89は、ノイズの低減を促し、および完成ローラ46の滑らかな回転を推進するために、捻ることができる。さらに、穴64を形成するチャネルの端部は、穴がローラの軸端部でより広い直径を有することを可能にすべく面取りすることができる。
【0032】
マルチピースベルトローラの別の形態が、図7A〜7Cに示されている。完成ローラ46’は、図6Cのローラ46と外面的に同一である。唯一の相違はロック手段であり、ロック用突起82’が第1および第2ローラ切片62’、63’のキャップ部材78’に形成され、相手方の回り止め84’がフィンガ74’75’に形成される。
【0033】
図1のようなコンベアベルトで有用なマルチピースローラのさらに別の形態が、図8Aおよび8Bに示されている。この形態では、完成ローラ90は、2つの同一のローラ切片92からなる。この例の各ローラ切片は、3つの嵌合部材、すなわち、2つの内側部材94と1つの端部部材95とを有する。嵌合部材は、端部部材95が完成ローラ90の軸面を形成する円形外面96を有することを除き同一である。図6A〜6Cおよび7A〜7Cのローラと同様、ローラ90は、キャップ部分98として示される、ローラの完全軸長にわたりその外周の一部を形成するベース部材を有する。嵌合部材94、95はキャップ部材98の平らなベース部100から平らな遠位端102まで延びる。完成ローラが図8Bのように組み立てられると、嵌合部材の遠位端は他方ローラ切片のキャップ部材の平らなベース部に乗る。嵌合部材の半径方向内面101は、穴64の軸に対して実質的に垂直に延在し、かつキャップ部材98の半径方向外側を向く面103と係合し、ローラ切片92、92の結合を容易にする。キャップ部材は互いに対向しているので、それらは衝撃またはショック負荷によりローラ切片が分離することを防止するのに役立つ。
【0034】
このローラの各ローラ切片92の嵌合部材94、95は、穴64の180°超を囲む。図6A〜Cおよび7A〜Cのローラと違い、ローラ90は穴64に通じる間隙104を有し、それは最も狭いところで、穴の直径106よりも狭い。穴部分108への制限された開口により、各ローラ切片が、直径が間隙104の幅よりわずかに広い回転軸に嵌ることが可能になる。穴部分108は、穴64がローラ90の軸端部で広い直径を有することができるように、外面96の近くの端部に面取り109を含む。
【0035】
図12A〜12Gは、本発明の別の実施形態によるコンベアベルト用マルチピースローラを示す。図12A〜12Gの実施形態では、マルチピースローラ246は、図12Aに示されるように、完成ローラ246を形成するために結合部248に沿って結合する2つのローラ切片249を含む。得られるローラは、第1端部に第1軸面251、第2端部に第2軸面252、および実質的に円筒状の周囲面253を有する。穴264は第1軸面251から第2軸面252まで長手軸266に沿って伸び、ベルトモジュールの回転軸を収容する。複数ローラ切片は、回転軸を包み込み、スナップ嵌め、ボンディング、機械的手段または他の適切な手段を用いて互いに結合され、完成ローラを形成する。図12Aの実施形態では、完成ローラ246は、嵌合して完成ローラ246を形成する2つの同一のローラ切片249を含む。
【0036】
図12B〜12Gはローラ切片249を詳細に示す。各ローラ切片249は、好ましくは中心放射軸270の周りで回転的に対称であり、かつ2つの同一の半部249a、249b(図12Fに示される)を含み、2つの同一半部は、ベース部材260から延在する、オフセットされた、直径方向に反対側のフィンガ271、272を有し、2回対称の回転対称をもたらす。第1ローラ切片249のフィンガ271、272は対応するローラ切片のフィンガ271、272と噛み合い、ローラ切片の軸方向および/または半径方向の分離を防止する。
【0037】
各ローラ切片は、ローラ切片が結合されると穴264の一部を画定する、ベース部材260に形成されたチャネル261を含む。例示の実施形態では、チャネル261は、ノイズを低減し、かつ完成ローラ246の滑らかな回転動作を保証するために捻られる。チャネル261の側縁部262、263は、チャネル261の長手軸266に対してある角度(すなわち、非平行)で延びる。示されるように、チャネル261の縁部262は、第1軸端部251においてベース部材260からより離れ、第2端部252に向かって下方へ傾斜する。反対に、縁部263は第1軸端部251においてベース部材260により近く、第2軸端部252に向かって上方へ傾斜する。穴264内の得られる結合部248aは、長手軸266に対して斜めであるか、捻られる。
【0038】
図12A、12C、12E、および12Gに示されるように、チャネル261の端部265は面取りされてもよく、それにより、得られる穴264の端部が軸266から外方へ広がり、穴に挿入される回転軸との間の接触を低減し、ローラのこう着の可能性を低減するようにする。
【0039】
各フィンガ271、272は、ベース部材260およびチャネル261の直径方向に対向する端部に形成してもよく、フィンガは好ましくは互いに同一であり、回転対称を生成する。各フィンガ271は、完成ローラの周囲253の一部を形成する半径方向外面273を含む。軸方向外面274は完成ローラの軸端面251または252の一部を形成する。各フィンガ271、272はさらに、相手方ローラ切片フィンガの軸方向内面275と係合するように構成された起伏のある軸方向内面275を含む。起伏のある半径方向内面276はチャネル縁部262または263から先端277まで延在し、かつ好ましくは半径方向外面273と非平行である。フィンガの半径方向内面276は、完成ローラが組み立てられると、ベース部材260の半径方向外面254と係合する。
【0040】
図13は本発明の例示の実施形態によるローラ切片249のフィンガの軸方向内面275を詳細に示す。例示の軸方向内面275はまた、(Xによって示される、ページに対して垂直な)中心軸279の周りで回転的に対称であり、フィンガ271、272間のスナップ嵌め接続を容易にし、いったん結合されるとローラ切片の分離を防ぐ。例示の面275の回転対称の度合は2であり、それにより軸方向内面275の上半分は、軸279の周りで180°回転すると、軸方向内面の下半分と一致する。軸方向内面275は、長手軸266に対して垂直であってもよい中心平面275aを含む。カミング面(Camming surface)275b、275cが中心面275aから延び、長手軸266および放射軸270に対して傾斜して延びる。頂部の湾曲部分275dがフィンガ271の先端部分277を形成する。頂部の湾曲部分275dが軸方向に延びる平面275eと交差して突出部281を形成する一方、軸方向に延びる平面275eとカミング面275bとの交差により溝282が形成される。下側湾曲面275fと下側の軸方向に延びる面275gが交差して、突出部281と相補的な溝283を形成する。下側カミング面275cと下側軸方向面275gが交差して、溝282と相補的な突出部284を形成する。2つのローラ切片249が互いにスナップ嵌めされると、各フィンガの頂部湾曲部分275dが対向するフィンガの下側カミング面275cの上に摺動し、下側湾曲部分275fと係合する。上側軸方向面275eは下側軸方向面275gと当接し、上側カミング面275bは下側カミング面275cと当接し、中心平面275aは互いに当接する。対応するノッチ282、283および突出部281、284は、いったん適所にロックされると、ローラ切片の分離を防止する。ローラ切片間の得られる外周結合部248bはギザギザにされ、軸方向に延びる部分、半径方向に延びる部分、および傾斜した部分を含む。
【0041】
図14は本発明の例示の実施形態によるローラ切片249のフィンガの半径方向内面276を示す。示されるように、半径方向内面276および/またはキャップ部材の相補的な半径方向外面254は、切込みを入れられてもよく、または2つのローラ切片の噛み合いを容易にするように他の方法で構成されてもよい。示されるように、フィンガの半径方向内面276は、切欠き285および突出部286を含み、それらは軸方向内面275の切欠き282および突出部281と平行であり、交差する。湾曲した上側面276aは先端277から延び、平面276bと交差して、突出部286を形成する。カミング面276cはチャネル261と平面276bとの間に延びる。
【0042】
キャップ部材の半径方向外面254は、対応するカミング面254c、平坦部分254b、および湾曲部分254aを含む。面254bおよび254aの間に形成された切欠き287がフィンガの突出部286を受け入れる一方、突出部288はフィンガの切欠き285に嵌合し、ローラ切片を一緒に固定する。例示の構成は、完成ローラの軸面251または252にギザギザの結合部248cを形成する。キャップ部材の外面254の湾曲部分254aはフィンガの丸みのある先端277を収容して完成ローラの滑らかな円筒状外面253を保証し、かつフィンガの先端がキャップ部材に当接する外周にローラの軸方向端部から延びる図12Aに示される軸方向に延びる結合部248eを形成する。さらに、フィンガの丸みのある先端は、組立ておよび動作中のかぎ裂きの可能性を低減する。
【0043】
完成ローラ246が図12Aのように組み立てられると、フィンガ271、272の遠位端277は他方ローラ切片のベース部材260の面に乗る。ベース部材は互いに対向しているので、それらは衝撃またはショック負荷によってローラ切片が分離することを防止するのに役立つ。
【0044】
先に記載した例示のローラ246のオフセットされたフィンガ271、272および双方向スナップ特徴部により、ローラが斜めに嵌ることが可能になり、頑丈で確実な接続が保証され、摺動およびねじれが制限され、そしてローラ切片249を形成するモールド設計が簡単になる。
【0045】
さらに、図12Dおよび12Fに示されるように、ローラの軸端部を形成する軸面274は、軸面の半径方向外側端部274aに向かって面取りされてもよい。この端部の面取りにより、キャビティの側壁に接触することなく2つのローラ切片が結合する間ローラ切片が振れることを可能にしながら、ローラキャビティとローラとの間の間隙を最小にすることが可能になる。端部面取りにより、ローラ246とベルトモジュールとの間の接触点が制限され、結果、摩擦を低減し、ローラの滑らかな作動を保証する。
【0046】
ローラ246は、第1軸面251から第2軸面252まで開口298が伸びた状態で芯を取られてもよい。開口298によりローラの重量が低減され、コンベアベルトの運転の間、ローラの回転が向上する。
【0047】
図15Aは本発明の別の実施形態によるマルチピースローラ346を示す。示されるように、マルチピースローラ346は、互いにスナップ嵌めされて完成ローラを作るように構成された2つのローラ切片349を含む。図15Aのローラ切片349は同一である。図15Bに示されるように、各ローラ切片349は、完成ローラの穴の一部を画定し、かつ回転軸366に沿って延びるチャネル361を有するベース部材360を含む。チャネル361は、先に記載した実施形態と同様、捻られても、および/または端部で面取りされてもよい。各ローラ切片349は、ベース部材360から延びる3つのフィンガ、すなわち、チャネル361の第1の側から延びる2つの軸方向外側フィンガ371、372と、チャネル361の第2の側から延びる1つの中間フィンガ373とを含む。2つの軸方向外側フィンガ371、372の間の空間は、相手方ローラ切片の中間フィンガ373を受け入れるための開口381を形成する。中間フィンガ373は好ましくは開口381と同じ形状である。
【0048】
図15Aおよび15Bの実施形態では、中間フィンガはスナップ嵌め接続を容易にするために返しを付けられ、かつ放射軸370の周りで対称である。例示の実施形態では、中間フィンガ373の軸方向外側を向く面375は、2つのローラ切片の噛み合いを容易にするために回転的に対称である。フィンガ371、372の軸方向内側を向く面もまた、回転的に対称であり、面375と相補的である。中間フィンガ373は、ベース部材360から延びる平らなベース面384aと384bを含む。ベース面384a、384bはチャネル361の長手軸366に対して垂直であってもよい。軸方向に延びる平面385aおよび385bは、ベース面384aおよび384bと交差して、相手方ローラ切片の外側フィンガの突起391、392を受け入れるための反対側の溝を形成する。テーパ面386a、386bが軸方向に延びる平面385a、385bから延び、中間フィンガ373の真直ぐな中間部分を形成する平面387a、387bで終端する。テーパ面388a、388bが中間平面387a、387bから延び、中間フィンガの幅をさらに狭くする。中間フィンガ373は、外側フィンガ371、372間のベース部に形成された矩形溝393に受け入れられる矩形先端389で終端する。フィンガの遠位端の半径方向内面は、ベース部材の半径方向外面367と係合し、フィンガ371、372、373の平らな頂部369は、マルチピースローラ346が組み立てられると、ベース部材360の平面368と係合する。
【0049】
図16Aおよび16Bは、本発明の別の実施形態による、図16Cに示されるマルチピースローラ446のローラ切片を示す。示されるように、マルチピースローラ446は、互いにスナップ嵌めされて完成ローラを作るように構成された2つの同一のローラ切片449を含む。各ローラ切片449は、軸方向に延びるチャネル461を含むベース部材460を含み、このチャネルは捻られても、および/または面取りされてもよい。軸方向に整列される対向フィンガ471、472が、ベース部材から延び、チャネル461の第1軸端部に位置付けられる。フィンガの軸方向外面474が、完成ローラの軸面の少なくとも一部を形成する。フィンガ471、472の半径方向外面475が、完成ローラの外周の少なくとも一部を画定する。フィンガの軸方向内面476は、相手方ローラ切片に形成されたフィンガの軸方向内面476と係合するように構成される。フィンガの半径方向内面477は空間を形成し、この空間は、対応するローラ切片のベース部材460の対向軸端部を受け入れ、かつチャネル461によって形成される穴の軸端部を画定するように構成されている。ベース部材460の半径方向外面453は、フィンガの半径方向内面477と係合するように構成されている。突起481、482は、それぞれ凹部483、484に嵌め込まれ、完成ローラ446を形成する。軸方向スライドロック機構(不図示)を使用して、組み立てられたときのローラ切片の互いに対する軸方向移動を制限してもよい。
【0050】
図17は互いに結合された同一ローラ切片を含むマルチピースローラ546のさらに別の実施形態を示す。図17の実施形態では、各ローラ切片549は、ベース部材560から延びる4つの嵌合フィンガを含む。ベース部材560はまた、完成ローラ546の穴の一部を形成する長手方向に延びるチャネル561を含む。チャネル561は先に記載したように捻られても、および/または面取りされてもよい。嵌合フィンガは、チャネル561の両側においてベース部材560の軸端部に形成された2つの外側フィンガ571と、チャネル561の両側においてベース部材560の軸方向内側部分に形成された内側フィンガ572とを含む。外側フィンガ571の軸方向外面574は完成ローラ546の軸端面を形成する。フィンガ571および572の半径方向外面573は、完成ローラ546の外周面の一部を形成する。
【0051】
完成ローラ546は、中心軸566に対して垂直な半径方向570に2つのローラ切片549を互いに滑らせることによって組み立てられる。内側フィンガ572が、対向ローラ切片の外側フィンガと内側フィンガとの間に形成された空間581に嵌め込まれ、外側フィンガ571は対向ローラ切片の内側フィンガの軸方向外端部に取り付けられる。ベース部材560の半径方向外側を向く面586は、外側および内側フィンガ571、572の半径方向内側を向く面526と係合する。示されるように、外側フィンガの軸方向内面575は形状が内側フィンガ572の軸方向外面578と相補的である。回転的に対称である内側フィンガの軸方向内面577は、互いに係合するように構成される。フィンガ571、572の波状の面は、2つのローラ切片間の確実な接続を保証するように構成された、切欠き、カミング面、テーパ面、および/または突出部を含む。
【0052】
2つのローラ切片を互いにロックするための他のロック手段は、接着剤接合、超音波溶接、および他の慣習的な機械的および化学的結合技法を含む。さらに、ローラ切片のそれぞれは、所望の動作特性および様々な外周質感を提供するために、2種類以上の材料から成形することもできる。
【0053】
図18A〜18Dは、本発明の別の実施形態による、一体回転軸突起869を含む図18Eに示されるツーピースローラ846を形成するために使用されるローラ切片845を示す。ツーピースローラは、互いに嵌められて完成ローラを形成するように構成された同一のローラ半部845を含む。各ローラ半部845は、円形底面854、第1軸端面851、第2軸端面852、および結合面853を有するベース部材878を含む。回転軸突起869はローラ長手軸877に沿って第1軸端面851から延びる。複数のフィンガ867が第1軸端面において結合面853から延び、複数の相補的な凹部868が第2端面において結合面に形成される。例示の凹部868は、ローラ半部の第1軸端面まで延びるが、代わりに凹部は長さを制限されてもよい。
【0054】
好ましくは、結合面853は、各ローラ半部845をコンベアベルトモジュールのキャビティに挿入することを容易にするために、ローラの長手軸877に対して角度を付けられる。関連するコンベアベルトモジュールは、回転軸突起869を受け入れ、完成ローラがキャビティ内で軸877の周りで回転することを可能にするために、キャビティ壁に回転軸凹部を含む。第1軸端面851は従って、第2軸方向端面852より大きい。ローラを使用するコンベアベルトモジュールは、以下のように組み立てられる。すなわち、回転軸突起869が回転軸凹部に入るように第1ローラ半部845がキャビティに挿入され、その後、第2ローラ半部の回転軸突起869がモジュールキャビティの第2の壁の回転軸凹部に入るように第2ローラ半部845が第1ローラ半部に嵌められる。第1ローラ半部の凹部868は第2ローラ半部のフィンガ867を受け入れ、第2ローラ半部の凹部868は第1ローラ半部のフィンガ867を受け入れる。ローラ846の外周面上の得られた結合部890は、軸877に対して角度を付けられ、それにより完成ローラがコンベアベルトモジュールに対して軸877の周りで回転することが容易になり得る。
【0055】
フィンガ867および対応凹部868は、ローラ半部845間のスナップ嵌め接続を容易にすべく任意の適切な構成を有してもよい。例示のフィンガ867は、テーパ状上部と、突出部を凹部868に係合するための溝とを含む。凹部868は軸端面852に開口している。ローラ半部が嵌合すると、フィンガ867の軸端面は、相補的ローラ半部の軸端面852と面一になる。
【0056】
示されるように、回転軸突起869は、組立ておよび完成ローラの動作を容易にするためにテーパされてもよい。例示の回転軸突起869は形状が切頭円錐であるが、突起は任意の適切な構成を有してもよい。
【0057】
ツーピースローラ946の別の実施形態が図19に示されている。ツーピースローラ946は、半円筒ベース部978と、軸977に沿ってベース部978の各軸端に形成された回転軸突起969とを含む第1ローラ半部947を含む。可撓性回転軸タブ951が、回転軸突起をベース部978に接続する。第2ローラ半部948は、ベース部979と、回転軸突起969を受け入れるためのスロット959を有する軸端面952と、軸方向に延びる支持リブ971とを含む。ツーピースローラ946は、回転軸突起969を受け入れるように設計された回転軸凹部を有するコンベアベルトモジュールのキャビティ内に取り付けられてもよい。ツーピースローラ946は、可撓性タブ951に取り付けられた回転軸突起969を押圧し、ローラ946をキャビティに挿入し、そして突起が回転軸凹部にはね返ることができるようにタブを解放することによって、コンベアベルトモジュールのキャビティに回転可能に取り付けられる。回転軸突起969はテーパされてもよい。ローラ半部947、948は、スナップ嵌め、機械的接続、接着剤接合、超音波溶接、および他の慣習的な機械的および化学的結合技法など、任意の適切な手段を用いて結合してもよい。
【0058】
別の実施形態によれば、スナップ嵌めローラは、1つまたは複数の回転軸突起を含む単一ピースを含んでもよい。ローラは、ベルトモジュールのキャビティへのローラの挿入を容易にするために、可撓性の壁を含んでもよい。あるいは、ベルトモジュールが、回転軸突起を受け入れてロックする可撓性の壁を含んでもよい。例えば、単一ピーススナップ嵌めローラ1046の実施形態が、図20A〜Cに示されている。ローラ1046は円筒本体1078を含み、円筒本体1078はその両端部に中心ローラ軸1077に沿って延びる回転軸突起1069を含む。回転軸突起1069が取り付けられた軸端面1051、1052は可撓性であり、テーパされていてもよい回転軸突起1069が撓むことを可能にする。例示の実施形態では、各軸端面1051、1052は、円筒本体1078から回転軸突起1069に向かって半径方向内側に延びる可撓性膜1053、1054を含む。軸端面1051を形成する可撓性膜1053は、例示の実施形態に示されるように、軸端面1052を形成する可撓性膜1054からオフセットされてもよい。ローラ1046はローラの内側の回転軸突起1069間に空間1071を含み、回転軸突起1069が内側に撓むことを可能にする。ローラ1046は以下のようにしてコンベアベルトモジュールのキャビティに回転可能に取り付けてもよい。すなわち、回転軸突起1069を撓ませ、ローラ1046をキャビティに挿入し、そして回転軸突起1069を解放し、回転軸突起1069をキャビティ回転軸凹部にはね返し、回転可能にロックする。
【0059】
図21A〜Cは、可撓性回転軸突起を含む単一ピーススナップ嵌めローラ1146の別の実施形態を示す。単一ピーススナップ嵌めローラ1146は、円筒本体1178と、ローラの中心軸1177に沿って可撓性中央壁1151から延びる回転軸突起1169とを含む。あるいは、回転軸突起1169が、回転軸突起1169の撓みを可能にするために軸方向1177に可撓性であってもよい。
【0060】
図22A〜Dに示される別の実施形態では、単一ピーススナップ嵌めローラ1246は、円筒本体1278の第1軸端部1251の1つの回転軸突起1269と、円筒本体1278の第2軸端部1252の凹部1268とを含む。回転軸突起および凹部の両方は、ローラの中心軸1277に沿って延びる。回転軸突起1269は、ローラの周囲面を画定する円筒本体1278に、可撓性タブ1253によって接続される。可撓性タブ1253によって回転軸突起1269が第1軸端部1251に対して撓むことが可能になる。凹部は、可撓性であってもよい円筒本体1278から半径方向内側に延びる対向タブ1254によって画定される。タブ1254は、軸1277に沿って円形凹部1268を協働して画定する円弧状延在部1255で終端する。例示の実施形態では、タブ1253はタブ1254からオフセットされているが、本発明はそのように限定されない。ローラ1246は、凹部1268に嵌め込まれるように構成された回転軸突起と、回転軸突起1269を受け入れるように構成された回転軸凹部とを有するコンベアベルトモジュールのキャビティに挿入されてもよい。
【0061】
図23A〜Eに示されるように、単一ピーススナップ嵌めローラ1346は、回転軸突起1369を取り付けるための円筒本体1378の第1端部1351から半径方向内側に延びる複数の可撓性テーパ状タブ1353と、軸1377に沿って回転軸突起1369と整列された凹部1368を画定する円筒本体1378の第2端部1352から半径方向内側に延びる複数のテーパ状タブ1354とを含んでもよい。テーパ状タブ1354は、タブ1354の可撓性を増すために切抜き1355を有してもよい。例示の実施形態では、タブ1353は、タブ1354からオフセットされ、結果、タブ1353はタブ1354間の空間1357と整列する。
【0062】
本発明の別の実施形態では、単一ピーススナップオンローラは、コンベアベルトモジュールのキャビティの回転軸または回転軸突起に嵌るように設計される。例えば、図24A〜Bに示されるように、単一ピーススナップ嵌めローラ1446は、ローラの外周面を画定する円筒ベース部1478と、ベース部から半径方向内側に延びかつローラ中心軸1477に沿って延びる穴1464を画定する複数のリブ1454とを含んでもよい。ベース部1478は、2つのリブの間に軸方向に延びるスリット1479として示される開口を含み、それを介して回転軸は穴1464の中に通される。回転軸を挿入した後、ローラは、スナップ嵌め、機械的接続、接着剤接合、または他の適切な閉鎖機構など、任意の適切な手段を介してスリット1479の第1の側1481をスリットの第2の側1482に結合することによって閉鎖されてもよい。
【0063】
図25A〜Bに示される別の実施形態では、スナップオンローラ1546は、ローラの回転を容易にするために、ローラの回転軸1577に対して角度の付いた軸方向に延びるスリット1579を含む。図25A〜Bの実施形態では、第1リブセット1554が、円筒ベース部1578から半径方向内側に延びる。リブ1554は、第1リブセット1554の端部を接続する軸方向に延びるチャネル1565で終端する。チャネル1565は、回転軸を受け入れるための軸方向に延びる穴1564を画定する。スリット1579に隣接する2つの別個のリブ1555は、回転軸の通過を可能にするように構成され、その結果、回転軸はチャネル1565に配置される。
【0064】
図26に示されるように、単一ピーススナップオンローラ1646の別の実施形態では、円筒ベース部1678のスリット1679に隣接するリブ1655は、回転軸のチャネル1664への通過を容易にするために曲げられてもよい。図25A〜Bの実施形態と同様、円筒ベース部1678から軸方向内側に延びるリブ1654のセットは、軸方向に延びるチャネル1665で終端し、このチャネルはリブ1654の第1セットの端部を接続し、回転軸を受け入れるための軸方向に延びる穴1664を画定する。
【0065】
図27に示されるように、湾曲リブ1755と、チャネル1765を画定する半径方向内側に延びるリブ1754とを含む単一ピーススナップオンローラ1746は、回転軸を受け入れるための傾斜したスリット1779を有してもよい。
【0066】
本発明の別の実施形態では、スナップオンローラは、複数のリブが形成された実質的に平らな基体を含んでもよい。基体は回転軸を包み込み、基体端部はローラ構造を形成するために結合される。例えば、図28に示されるように、スナップオンローラ1846は、リブ1850の列を有する可撓性の平らな基体1879を含んでもよい。各リブ1850は、ベース部1851と、湾曲した端部部材1852と、湾曲した端部部材1852に接続された第1横突出部1853と、溝1855を画定するために湾曲した端部部材から離された第2横突出部1854とを含む。回転可能なローラを形成するため、基体1879は回転軸の周りに巻かれ、基体の第1側端部1876は基体の第2側端部1877と結合し、円筒ローラを形成する。基体が湾曲すると、リブの第1横突出部1853は溝1855と嵌合し、湾曲した端部部材1852が回転軸を収容するチャネルを形成する。基体の側端部1876、1877は閉鎖機構を含んでもよい。例えば、第1側端部1876は、第2側端部1877の突出部1892を受け入れて、2つの端部を結合し、ローラ形状を形成するように構成されたチャネル1891を含む。
【0067】
図29は、可撓性の平らな基体1979と波状リブ1950とを含むスナップオンローラ1946の別の実施形態を示す。リブ1950の上面は、基体1979が回転軸の周りに巻かれるとき回転軸を受け入れる穴を画定する。基体の側端部1976、1977は閉鎖機構を含んでもよい。例えば、第1側端部1976は、第2側端部1977の突出部1992を受け入れ、2つの端部を結合し、ローラ形状を形成するように構成されたチャネル1991を含む。
【0068】
図30に示されるように、スナップオンローラ2046の別の実施形態は、可撓性の平らな基体2079と、複数のリブ2050と、スナップ嵌め閉鎖手段とを含む。リブ2050の上面は、基体2079が回転軸の周りに巻かれるとき回転軸を受け入れる穴を画定する。スナップ嵌め閉鎖手段は、基体より薄い基体の第1の側から延びるストラップ2081と、基体の第2の側の中に延びるスロット2082とを含む。スロット2082は、基体2079が回転軸の周りに巻かれるときストラップ2081を受け入れる。ストラップ2081は、リブ2050の突出部2084を受け入れ、基体2079をロール構造に固定するように構成された複数の開口2083を含む。
【0069】
図31A〜Cに示される本発明の別の実施形態によれば、スナップオンローラ2146は、可撓性の基体2179と、複数のリブ2150と、閉鎖機構とを含んでもよい。リブ2150の上面は、基体2179が回転軸の周りに巻かれたとき回転軸を受け入れる穴2164を画定する。閉鎖機構は、基体2179の第1端部から延びるストラップ2181を含み、このストラップは基体の第2端部のスロット2183と合致する。
【0070】
本発明の例示の実施形態のスナップオンローラは、キャビティを備えたコンベアベルトモジュールでの使用に制限されず、任意の適切なシステムに実装することができる。例えば、本発明の例示の実施形態のスナップオンローラは、回転軸が2つのヒンジ間に延びるローラクレードル装置で、またはスナップオンローラが有用であり得る任意の装置とともに使用されてもよい。回転軸または回転軸突起は、ベルトモジュールの上側から直立する支柱間に完全に支持することができる。または、選択されたヒンジ要素を除去するか、スナップオンローラを収容するために十分なヒンジピンを露出するのに十分に薄くすることができる。
【0071】
本発明を特定の例示的実施形態に関して記載した。記載した構成に本発明の範囲から逸脱することなく特定の変更を加えてもよいので、本記載に含まれる、または添付図面に示される全ての内容は、例として解釈され、限定する意味はないことが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図12F
図12G
図13
図14
図15A
図15B
図16A
図16B
図16C
図17
図18A
図18B
図18C
図18D
図18E
図19
図20A
図20B
図20C
図21A
図21B
図21C
図22A
図22B
図22C
図22D
図23A
図23B
図23C
図23D
図23E
図24A
図24B
図25A
図25B
図26
図27
図28
図29
図30
図31A
図31B
図31C