特許第6162116号(P6162116)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6162116
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】太陽電池およびそれを作製する方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/0224 20060101AFI20170703BHJP
【FI】
   H01L31/04 260
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-521953(P2014-521953)
(86)(22)【出願日】2012年6月26日
(65)【公表番号】特表2014-524153(P2014-524153A)
(43)【公表日】2014年9月18日
(86)【国際出願番号】DE2012100189
(87)【国際公開番号】WO2013013666
(87)【国際公開日】20130131
【審査請求日】2015年4月21日
(31)【優先権主張番号】102011052256.5
(32)【優先日】2011年7月28日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】513143249
【氏名又は名称】ハンファ キュー セルズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100162765
【弁理士】
【氏名又は名称】宇佐美 綾
(72)【発明者】
【氏名】アンドレイ ステコルニコフ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ゼグイン
(72)【発明者】
【氏名】マックス コントップ
(72)【発明者】
【氏名】マクシミリアン シェルフ
(72)【発明者】
【氏名】ぺーター エンゲルハルト
(72)【発明者】
【氏名】マティアス ハイマン
(72)【発明者】
【氏名】ティル バーテル
(72)【発明者】
【氏名】マルクス トレーガー
【審査官】 佐竹 政彦
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−520277(JP,A)
【文献】 特開2009−016713(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0098840(US,A1)
【文献】 特開2009−152589(JP,A)
【文献】 特開2011−066424(JP,A)
【文献】 特表2010−539727(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/02−31/078
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウエハ(3、33)と、前記半導体ウエハ(3、33)面上に配置された少なくとも一つの誘電体層(5、35)と、前記誘電体層面上に配置された金属層(7、37)と、前記誘電体層(5、35)中に配置されたコンタクト構造体とを含み、前記コンタクト構造体が前記金属層(7、37)と前記半導体ウエハ(3、33)との間の電気接続を提供するようにされた太陽電池(1、31)であって、前記コンタクト構造体は、最小寸法を持つ少なくとも一つの第一構造体(9a、39a)と、最大寸法を持つ少なくとも一つの第二構造体(9b、39b)とを有し、前記最小寸法および前記最大寸法は、前記半導体ウエハ(3、33)の表面沿いに定義され、前記第一構造体(9a、39a)の前記最小寸法が前記第二構造体(9b、39b)の前記最大寸法より大きく、
前記第一構造体(9a、39a)の前記最小寸法はミリメートル域であり、前記第二構造体(9b、39b)の前記最大寸法はマイクロメートル域であること、並びに、
前記ミリメートル域は0.1〜10mmの範囲であり、前記マイクロメートル域は10〜70μmの範囲であり、
前記金属層が少なくとも一つの第一領域を含み、
前記第一領域が、前記誘電体層に対して反応性があり、かつ、前記第1構造体(9a)を生成する金属ペースト(15)からなり、
前記少なくとも一つの第一領域が、前記誘電体層に対して不活性な金属ペースト(13)からなり、かつ、前記誘電体層(5)における少なくとも一つの穴を貫通して前記第二構造体(9b)を形成する金属で、囲まれていることを特徴とする、太陽電池(1、31)。
【請求項2】
前記第一構造体(9a、39a)がアルミニウム−ケイ素共晶混合物を含み、および/または前記第二構造体(9b、39b)がシリコン金属コンタクトまたはレーザ照射コンタクト(LFC)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池(1、31)。
【請求項3】
前記第一構造体(9a、39a)が帯状形状を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の太陽電池(1、31)。
【請求項4】
前記第二構造体(9b、39b)が点状形状を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池(1、31)。
【請求項5】
前記半導体ウエハと反対面の前記金属層(7)の表面の、平面図で前記第一構造体(9a)にオーバーラップする領域中にコネクタ(11)が配置されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池(1)。
【請求項6】
前記第一構造体(39a)は、コネクタ(311)に直接にコンタクト結合しているアルミニウム−ケイ素共晶混合物を含むことを特徴とする、請求項2に記載の太陽電池。
【請求項7】
太陽電池の作製方法であって、
− 少なくとも一つの誘電体層(5、35)を備えた半導体ウエハ(3、31)を用意するステップと、
− 前記誘電体層(5、35)面上に金属層(7、37)を、および前記誘電体層(5、35)中に配置されたコンタクト構造体を形成し、前記コンタクト構造体が、前記金属層(7、37)と前記半導体ウエハ(3、33)との間に電気的接続を提供するようにするステップと、を含み、
最小寸法を有する少なくとも一つの第一構造体(9a、39a)および最大寸法を有する少なくとも一つの第二構造体(9b、39b)がコンタクト構造体として形成され、前記第一構造体(9a、39a)の前記最小寸法が前記第二構造体(9b、39b)の前記最大寸法より大きくなるようにされること、
前記第一構造体(9a、39a)の前記最小寸法はミリメートル域であり、前記第二構造体(9b、39b)の前記最大寸法はマイクロメートル域であること、並びに、
前記ミリメートル域は0.1〜10mmの範囲であり、前記マイクロメートル域は10〜70μmの範囲であり、
前記金属層(7)および前記コンタクト構造体を形成するステップが、
− 前記誘電体層において、前記第二構造体を生成するのに適した少なくとも一つの穴を形成するステップと、
− 前記誘電体層(5)に対して不活性な少なくとも一つの金属ペースト(13)および前記誘電体層(5)に対して反応性のある少なくとも一つの金属ペースト(15)を、前記誘電体層(5)に対して反応性のある前記金属ペースト(15)が前記誘電体層(5)に対して不活性な前記金属ペースト(13)の中に少なくとも一つの第一領域を形成するように、かつ、前記誘電体層(5)に対して不活性な前記金属ペースト(13)が前記誘電体層における前記少なくとも一つの穴を充填するようにして、前記誘電体層(5)に塗布するステップと、
− 前記誘電体層(5)に対して反応性があり、前記第一領域を形成する前記金属ペースト(15)が、前記誘電体層(5)を貫通し、前記第一構造体(9a)を形成し、前記不活性な金属ペースト(13)が前記第二構造体(9b)を形成する前記少なくとも一つの穴を充填するように、焼成するステップと、
を含むことを特徴とする、作製方法。
【請求項8】
前記少なくとも一つの穴を、レーザ・アブレーションを用いて形成することを特徴とする、請求項に記載の作製方法。
【請求項9】
前記半導体ウエハと反対面の前記金属層(7)の表面の、平面図で前記第一構造体(9a)にオーバーラップする少なくとも一つの領域中に少なくとも一つのコネクタ(11)を取り付けることを特徴とする、請求項7または8に記載の作製方法。
【請求項10】
少なくとも一つの第一構造体(39a)中のアルミニウム−ケイ素共晶混合物を露出し、前記第一構造体(39a)の前記アルミニウム−ケイ素共晶混合物を、各コネクタ(311)に超音波冷間圧接することを特徴とする、請求項7〜のいずれかに記載の作製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池およびそれを作製する方法に関する。具体的には、本発明は、例えばアルミニウム・ペーストなどの金属ペースト上に、太陽電池の相互接続のための特定点コンタクト構造体を有する太陽電池、およびそれを作製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現今のシリコン太陽電池の大部分は、背面に印刷、焼成されたアルミニウム含有ペーストおよび銀含有ペーストのメタライゼーションを含む。この背面の銀含有ペースト領域は、スズめっき銅リボンを使った従来式のはんだ付けによって、複数の太陽電池を相互接続するために必要である。しかしながら、ここにはいくつかの問題がある。コスト上の理由および太陽電池の効率を増進するためにも、太陽電池の背面上の銀ペースト領域を避け、背面の全領域をアルミニウム・ペーストのメタライゼーションにするよう努力するのが望ましい。さらに、太陽電池の効率を増進するため、背面メタライゼーションとシリコン面との間に保護誘電体層を挿入するのが有利である。ここでの課題は、誘電体層への金属層の十分に高い付着力を実現することである。銀ペースト領域(いわゆる、はんだ付けのための母線領域)を用いることにより、銀ペーストが誘電体層を滲み通り、これによりシリコン・ウエハとの十分に高い付着力を生成することによって、この付着が実現されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、誘電性パッシベーションを有する太陽電池において、予定される金属層の直接相互接続のため半導体ウエハ/誘電体層/金属層の間に十分高い付着力を有する太陽電池、およびその作製方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、請求項1に記載の太陽電池および請求項9に記載の太陽電池の作製方法を用いて本発明により達成される。
【0005】
本発明の有利な構成は、従属請求項に明記されている。
【0006】
本発明は、半導体ウエハと、半導体ウエハ面上に配置された少なくとも一つの誘電体層と、誘電体層面上に配置された金属層と、誘電体層中に配置されたコンタクト構造体とを含み、コンタクト構造体が金属層と半導体ウエハとの間の電気接続を提供するようにされた太陽電池に関する。このコンタクト構造体は、最小寸法を持つ少なくとも一つの第一構造体と、最大寸法を持つ少なくとも一つの第二構造体とを有する。これら最小寸法および最大寸法は、半導体ウエハの表面沿いに定義される。したがって、構造体の最小寸法は、該構造体の半導体ウエハの表面に沿った最小の寸法であり、構造体の最大寸法は、該構造体の半導体ウエハの表面に沿った最大の寸法である。当然ながら、円形構造体の最小寸法と最大寸法とは同じである。本発明によれば、第一構造体の最小寸法は、第二構造体の最大寸法より大きい。
【0007】
本発明は、誘電性パッシベーションを有する太陽電池において、予定される金属層の直接相互接続のため半導体ウエハ/誘電体層/金属層の間に十分高い付着力を提供する、太陽電池の誘電性にパッシベートされた層中のコンタクト構造体を提案する。この場合、太陽電池中への銀の使用を回避することができ、しかしてコストの節減が可能である。太陽電池の効率も従来型の太陽電池と比べて高い。
【0008】
半導体ウエハは、望ましくはシリコン・ウエハである。誘電体層の一例として、酸化アルミニウム層または窒化ケイ素層がある。金属層は例えばアルミニウム層である。
【0009】
コンタクト構造体は、相異なる寸法を持つ第一構造体と第二構造体との組み合わせを構成する。第一構造体の最小寸法は、第二構造体の最大寸法より大きい。結果として、金属層および半導体ウエハが、相互比較においてより大きな面積とより小さな面積との結合点を有し、これにより、太陽電池の寸法と太陽電池の特定位置における付着力必要条件とに応じて、太陽電池中のより大きな面積およびより小さな面積に付着力が働く点コンタクト構造体が得られる。第一構造体群の間への小面積の付着力を有する第二構造体の配置は、第二構造体のない太陽電池との比較において、例えば、後者がこの領域に何の付着力も有しなければ、すなわち、この領域に第一構造体が配置されていなければ、これに比べて付加的な付着力を提供し、あるいは、第二構造体のない太陽電池がこの領域に第一構造体を有する場合には、その第二構造体のない太陽電池との比較において、材料の節減を提供する。第二構造体だけを有し第一構造体を持たない太陽電池は、本発明による太陽電池に比べ、半導体ウエハ/誘電体層/金属層の間の付着力が劣弱である。太陽電池中の第一および第二構造体の組み合わせによって、最適の付着力を実現することができる。
【0010】
本太陽電池の一つの好適な実施形態において、第一構造体の最小寸法はミリメートル域であり、第二構造体の最大寸法はマイクロメートル域である。第一構造体のミリメートル域の最小寸法と第二構造体のマイクロメートル域の最大寸法との選択によって、誘電体層中に相異なるサイズの構造体を配置し、半導体ウエハ/誘電体層/金属層の間の高い付着能力を有する太陽電池を作製することが可能となる。大面積の付着領域の設置に加え、小面積の付着領域によって、誘電体層およびその特性を除去することなく、付着能力が追加して増大される。
【0011】
上記ミリメートル域は、望ましくは0.1〜10mm、さらに望ましくは1〜7mm、なおさらに望ましくは3〜5mmの範囲である。上記マイクロメートル域は、望ましくは10〜70μm、さらに望ましくは20〜60μm、なおさらに望ましくは30〜55μmの範囲である。これらの大きさのオーダーを有する構造体の組み合わせは、半導体ウエハ/誘電体層/金属層の間の良好な付着を実現する点コンタクト構造体を提供する。
【0012】
一つの好適な実施形態において、太陽電池は、第一構造体としてアルミニウム−ケイ素共晶混合物、および/または第二構造体として、シリコン金属コンタクトまたはレーザ照射コンタクト(LFC:laser fired contact)を含む。アルミニウム−ケイ素共晶混合物は堅固で安定的構造体を構成する。本例ではアルミニウム層である金属層と、本例ではシリコン・ウエハである半導体ウエハとの密着的な結合は、これらアルミニウム層とシリコン・ウエハとの間の付着能力を向上させる。コンタクト部へのレーザ照射は、どんな問題もなく小寸法の前記コンタクトを生成し、例えばアルミニウムなどの金属と、例えばシリコン・ウエハなどのウエハとの間の結合を局所的に生成することを可能にし、しかして、金属層とウエハとの間の付着力を向上できる利点を有する。
【0013】
望ましくは、第一構造体は帯状形状を有する。この場合、第一構造体の最小寸法と最大寸法とは、互に大きく離れている。帯状形状は、相互接続リボンなど、太陽電池を相互接続させるためコネクタを使う相互接続に適している。
【0014】
第二構造体は望ましくは点状形状を有する。第二構造体の最小寸法と最大寸法とは、同じにすることも異ならせることも可能である。但し、これらは、異なっている場合でも望ましくはほぼ等しく、第二構造体は点状形状である。
【0015】
第一構造体は、金属層およびウエハに対して大面積の付着領域の配置を提供し、他方、第二構造体は、第一構造体の付着力効果をサポートする小面積の付着領域を提供して、コンタクト構造体の配置により接着力を得るための誘電体層の除去を小規模にし、しかして誘電体層の特性の大部分が維持されるようにする。言い換えれば、誘電体層の除去を小規模にして、誘電体層内にコンタクト構造体を挿入することによって、誘電体層の配置による太陽電池の効率の増大が維持され、相互に付着した層構成要素を有する安定的太陽電池がさらに提供される。
【0016】
第一構造体に対し帯状形状を、および第二構造体に対し点状形状を選択することによって、大面積の付着力を持つ第一構造体、および第一構造体と比べて小面積の付着力を持つ第二構造体を有することにより、半導体ウエハ/誘電体層/金属層の間に極めて良好な付着力を有するコンタクト構造体が実現される。第一構造体群の間への、小面積付着力を有する第二構造体の配置は、第二構造体のない太陽電池との比較において、追加的な付着力もしくは材料の削減を提供する。大面積および小面積構造体の設置は、必要条件に従って太陽電池に合わせられるサイズで付着点を配置することをさらに可能にする。
【0017】
一つの好適な実施形態において、半導体ウエハと反対面の金属層の表面の、平面図で第一構造体にオーバーラップする領域中にコネクタが配置される。このコネクタは、望ましくはアルミニウム・リボンである。このコネクタは、当該太陽電池をさらなる太陽電池と相互接続するのに適している。
【0018】
望ましくは、第一構造体は、コネクタに直接にコンタクト結合しているアルミニウム−ケイ素共晶混合物を含む。この例では、半導体ウエハは、シリコン・ウエハであり、金属層はアルミニウム層である。コネクタは、望ましくはアルミニウム・リボンである。コネクタとアルミニウム−ケイ素共晶混合物とは密着的な結合を形成することが可能である。例として、密着的なコンタクトが超音波冷間圧接によって常温で生成される。アルミニウムおよびアルミニウム−ケイ素共晶混合物を含む領域によって太陽電池の効率をさらに増大することが可能である。結果として、太陽電池の背面のより良好なパッシベーションが実現される。さらに、かかる太陽電池の作製コストは、アルミニウムから成るコネクタが使われる場合、従来の通例的な銀母線が使われないので低減される。
【0019】
本発明は、さらに太陽電池の作製方法に関し、本方法は、少なくとも一つの誘電体層を備えた半導体ウエハを用意するステップと、誘電体層面上に金属層を、および誘電体層中に配置されたコンタクト構造体を形成し、コンタクト構造体が金属層と半導体ウエハとの間に電気的接続を提供するようにするステップとを含み、最小寸法を有する少なくとも一つの第一構造体および最大寸法を有する少なくとも一つの第二構造体がコンタクト構造体として形成され、第一構造体の最小寸法は第二構造体の最大寸法より大きくなるようにされる。
【0020】
少なくとも一つの第一および第二構造体は、以下に記載のさまざまな仕方で生成することができる。第一および第二構造体は、同一のまたは相異なる方法ステップによって生成することができる。第一および第二構造体の形成は相互に独立的に実施することができる。第一構造体の最小寸法および第二構造体の最大寸法の設定は、方法によって異なる。
【0021】
一つの好適な作製方法の実施形態において、金属層およびコンタクト構造体を形成するステップは、誘電体層に対して不活性な少なくとも一つの金属ペーストおよび誘電体層に対して反応性のある少なくとも一つの金属ペーストを、誘電体層に対して反応性のある金属ペーストが、誘電体層に対して不活性な金属ペーストの中に少なくとも一つの第一領域および/または少なくとも一つの第二領域を形成するように、誘電体層に塗布するステップと、誘電体層に対して反応性があり、第一および/または第二領域を形成する金属ペーストが、誘電体層を貫通し、第一構造体および/または第二構造体を形成するように、焼成するステップと、を含む。誘電体層に対して不活性なおよび反応性のある金属ペーストの誘電体層への塗布は、スクリーン印刷を用いて実行することができる。第一構造体の最小寸法および第二構造体の最大寸法は、スクリーンの穴のサイズで設定される。焼成の後、誘電体層に対して不活性な金属ペーストは、誘電体層面上に金属層を形成し、誘電体層に対して反応性のある金属ペーストは、誘電体層を貫通して第一および/または第二構造体を形成する。望ましくは、誘電体層に対して不活性な金属ペーストは、望ましくは粉末状の金属と、随意的に、例えば、バインダ、溶剤、または焼結助剤など誘電体層に対して不活性な少なくとも一つの添加剤とを含有する、アルミニウム・ペーストなどの金属ペーストである。誘電体層に対して反応性のある金属ペーストは、望ましくは、例えば金属粉末などの金属と、例えばエッチャントなどの誘電体層に対して反応性のある少なくとも一つの添加剤と、随意的に、例えば、バインダ、溶剤、または焼結助剤など誘電体層に対して不活性な少なくとも一つの添加剤とを含有する金属ペーストである。例として、誘電体層に対して反応性のあるペーストに、エッチャントとしてガラス・フリットを含有するアルミニウム・ペーストがある。
【0022】
さらなる好適な実施形態において、金属層およびコンタクト構造体を形成するステップは、誘電体層中に、第一構造体を生成するのに適した少なくとも一つの第一穴および/または第二構造体を生成するのに適した少なくとも一つの第二穴を形成するステップと、金属ペーストで、少なくとも一つの第一穴および/または少なくとも一つの第二穴を充填し、誘電体層をコーティングするステップと、焼成するステップとを含む。この変型方法において、誘電体層は配列穿孔され、この穿孔処理により生成された穴は金属ペーストによって充填される。金属ペーストとして、望ましくはアルミニウム・ペーストが用いられる。この金属ペーストは誘電体層に対して不活性である。第一構造体の最小寸法および第二構造体の最大寸法は、誘電体層の穿孔処理の過程で用いられるツールの調節によって設定される。半導体ウエハは、誘電体層中に少なくとも一つの第一穴および/または第二穴がある位置で露出される。アルミニウム・ペーストは、シリコン・ウエハと一緒に焼成される過程で、金属、誘電体層およびシリコン・ウエハの間に非常に堅固な付着構造を構成するアルミニウム−ケイ素共晶混合物を形成することが可能である。
【0023】
望ましくは、少なくとも一つの第一穴および/または少なくとも一つの第二穴は、レーザ・アブレーションを用いて形成される。レーザ・アブレーションは、誘電体層の元の状態を保つよう意図された箇所にクラックまたは破損を生じさせることなく、誘電体層を穿孔することを可能にする。レーザ・アブレーションは、誘電体層中に、極めて正確に所望のサイズの穴を生成することを可能にする。上記に換えて、穴を機械的に生成することも可能である。さらなる別法として、湿式化学的に穴を生成することが可能である。
【0024】
一つの好適な実施形態において、第二構造体は、LFC(レーザ照射コンタクト)の形で生成される。この場合、半導体ウエハと金属との間の結合は局所的に生成される。半導体ウエハがシリコン・ウエハであり、金属層がアルミニウム層である場合、アルミニウム−ケイ素共晶混合物が局所的に生成される。
【0025】
前述のように、第一構造体および第二構造体はいろいろな方法ステップで生成することができる。例として、第一構造体は、前述した、誘電体層に対して反応性のある金属ペーストの塗布およびその後の焼成によって生成することができ、第二構造体をLFCの形で生成することができる。上記に換えて、第一構造体は、前述した、誘電体層中に穴を形成し、その穴に誘電体層に対して不活性な金属ペーストを充填し、その後焼成する手順によって生成することができ、第二構造体をLFCの形で生成することができる。さらなる別法として、第一構造体は、前述した、誘電体層に対して反応性のある金属ペーストの塗布によって生成することができ、第二構造体は、前述した、誘電体層中に穴を形成し、その穴に誘電体層に対して不活性な金属ペーストを充填し、その後に焼成する手順によって生成することができる。さらなる別法として、第一構造体は、前述した、誘電体層中に穴を形成し、その穴に誘電体層に対して不活性な金属ペーストを充填する手順によって生成することができ、第二構造体は、前述した、誘電体層に反応性のある金属ペーストの塗布、およびその後の焼成によって生成することができる。
【0026】
さらに、第一構造体および第二構造体は、共通の方法ステップによって生成することも可能である。例として、第一構造体および第二構造体は、前述した、誘電体層に対して反応性のある金属ペーストの塗布、およびその後の焼成によって生成することができる。これに換えて、第一構造体および第二構造体は、前述した、誘電体層中に穴を形成し、その穴に誘電体層に対して不活性な金属ペーストを充填し、その後に焼成する手順によって生成することも可能である。
【0027】
一つの好適な作製方法の実施形態において、半導体ウエハと反対面の金属層の表面の、平面図で第一構造体にオーバーラップする少なくとも一つの領域中に、少なくとも一つのコネクタが取り付けられる。コネクタは、例えばボンディングまたははんだ付けによって取り付けられ、望ましくは、さらなる太陽電池と相互接続するのに適したアルミニウム・リボンである。
【0028】
望ましくは、本作製方法は、少なくとも一つの第一構造体中のアルミニウム−ケイ素共晶混合物を露出し、第一構造体のアルミニウム−ケイ素共晶混合物を各コネクタに超音波冷間圧接するステップを含む。本例では、半導体ウエハはシリコン・ウエハであり、金属層はアルミニウム層である。この露出は、レーザ・アブレーションによって達成することができる。また、上記に換えて、金属層の機械的穿孔処理によって露出を得ることも可能である。超音波冷間圧接を用いることによって、アルミニウム−ケイ素共晶混合物は、例えばアルミニウム・テープなどのコネクタに密着コンタクト結合される。かかる太陽電池の少なくとも一つの第一構造体および少なくとも一つの第二構造体は、前述した、第一および/または第二構造体を形成するための方法ステップのいずれによっても作製することができる。
【0029】
本発明は図面に制約されるものではないが、これら図面を参照しながら、以下に本発明をさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明による太陽電池の断面図を示す。
図2】焼成ステップ前の、図1の太陽電池の断面図を示す。
図3図1の太陽電池の部分断面図を示す。
図4】本発明によるさらなる太陽電池の断面図を示す。
図5図1の太陽電池の作製方法を示す。
図6図1の太陽電池の別の作製方法を示す。
図7図1の太陽電池のさらに別の作製方法を示す。
図8図1の太陽電池のさらに別の作製方法を示す。
図9図4の太陽電池の作製方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、本発明による太陽電池1の断面図を示す。太陽電池1は、例えばシリコン・ウエハなどの半導体ウエハ3を含む。誘電体層5が半導体ウエハ3の背面に配置される。さらに、太陽電池1は2つの第一構造体9aを有する。第一構造体9aは、誘電体層5の中に配置され、部分的に半導体ウエハ3中に突き出している。さらに、第二構造体9b(そのうちの4つが図示されている)が、誘電体層5の中に配置され、前記第二構造体の最大寸法は第一構造体9aの最小寸法よりも小さい。誘電体層5、第一構造体9a、および第二構造体9bは、例えばアルミニウム層などの金属層7で覆われている。例えばアルミニウムから成る2つの相互接続リボン12が、半導体ウエハ3の前面に配置される。太陽電池1の背面に、コネクタとして、例えばアルミニウム・リボンなどの2つの相互接続リボン11が、金属層7面上の平面図で第一構造体9aにオーバーラップする領域に配置される。
【0032】
図2は、焼成ステップ前の、図1の太陽電池1の断面図を示す。太陽電池1は、半導体ウエハ3およびその面上に配置された誘電体層5を含む。金属ペースト層が、誘電体層5面上に配置される。金属ペースト層は、誘電体層に対して不活性な金属ペースト13、および誘電体層に対して反応性のある金属ペースト15を含む。金属ペースト13および15はスクリーン印刷法によって塗布される。図2に示された太陽電池1の焼成の過程で、誘電体層5に対し反応性のある金属ペースト15は、誘電体層5を貫通して、図1に示された構造体9aおよび9bを形成し、誘電体層5に対し不活性な金属ペーストは金属層7を形成する。
【0033】
図3は、図1の太陽電池の部分断面図を示す。この図は、層面に平行に、太陽電池1の誘電体層5を通る断面図を示す。第一構造体9a(そのうちの2つが図示されている)および第二構造体9b(そのうちの24個が図示されている)は誘電体層5の中に配置される。各例において、第一構造体9aは帯状形状を有し、各例において、第二構造体9bは点状形状を有する。第一構造体9aの最小寸法Lminは、第二構造体9bの最大構造体Lmaxより大きい。図3に示された第一構造体9aおよび第二構造体9bは、太陽電池構築の良好な付着力を確実にする。
【0034】
図4は、本発明によるさらなる太陽電池31の断面図を示す。太陽電池31は半導体ウエハ33を含む。誘電体層35が半導体ウエハ33の背面上に配置される。例えばアルミニウム層などの金属層37が誘電体層35面上に配置される。さらに、太陽電池31は2つの第一構造体39aを有する。第一構造体39aは、誘電体層35の中に配置され、部分的に半導体ウエハ33中に突き出している。さらに、第二構造体39b(そのうちの4つが図示されている)が、誘電体層35の中に配置され、前記第二構造体の最大寸法は第一構造体39aの最小寸法よりも小さい。半導体ウエハ33と反対面の金属層37の表面の、平面図で第一構造体39aにオーバーラップする領域中に、相互接続リボンとして、例えばアルミニウム・リボンなどのコネクタ311(そのうちの2つが図示されている)が配置される。このオーバーラップは、例えば機械的処理によって金属層37を配列穿孔することによって達成することができ、構造体39aが露出され、超音波冷間圧接によってコネクタ311が第一構造体39aにコンタクト結合される。例えばアルミニウム・リボンなどの、2つの相互接続リボン312が、半導体ウエハ33の前面に配置される。
【0035】
図5に示された方法は、図1の太陽電池1を作製する方法の一つの例であり、本方法は、誘電体層を備えたウエハを用意するステップ100と、誘電体層に対して不活性な少なくとも一つの金属ペーストおよび誘電体層に対し反応性のある少なくとも一つの金属ペーストを誘電体層に塗布するステップ101と、焼成するステップ102と、コンタクト結合するステップ103と、を含む。ステップ100は、例えば、誘電体層5を備えた半導体ウエハ3を、誘電体層5をコーティングするのに適したデバイス中に用意するステップを含む。ステップ101は、スクリーン印刷法によって達成することができる。このスクリーン印刷法は、化学的に相異なる金属ペーストを、所定の領域に層として塗布することが可能である。誘電体層5に対して反応性のある金属ペーストは、誘電体層に対して不活性な金属ペースト中に、図2に示された仕方で配置される。すなわち、誘電体層5に対して不活性な金属ペースト13および誘電体層5に対して反応性のある金属ペースト15の層がスクリーン印刷を用いて形成される。ステップ102は、誘電体層5に対して反応性のある金属ペースト15が、誘電体層5を貫通して第一構造体9aおよび第二構造体9bを形成し、しかして、図1に示された半導体ウエハ3と誘電体層5と金属層7との間に付着力が得られる効果を有する。ステップ103の結果として、コネクタ11が金属層7にコンタクト結合され、半導体ウエハ3が相互接続リボン12にコンタクト結合される。
【0036】
図6に示された方法は、図1の太陽電池1を作製する方法のさらなる例であり、本方法は、誘電体層を備えたウエハを用意するステップ100と、誘電体層に対して不活性な少なくとも一つの金属ペーストおよび誘電体層に対し反応性のある少なくとも一つの金属ペーストを誘電体層に塗布するステップ101と、焼成するステップ102と、レーザ照射コンタクト(LFC)を形成するステップ112と、コンタクト結合するステップ103と、を含む。ステップ100は、誘電体層5を備えた半導体ウエハ3を、誘電体層5をコーティングするのに適したデバイス中に用意するステップを含む。ステップ101は、誘電体層5に対し反応性のある金属ペースト15および誘電体層5に対して不活性な金属ペースト13を塗布するステップを含む。すなわち、誘電体層5に対して不活性な金属ペースト13、および誘電体層5に対し反応性があり第一構造体9aを形成するのに適した金属ペースト15の層がスクリーン印刷を用いて形成される。ステップ102は、誘電体層5に対して反応性のある金属ペースト15が、誘電体層5を貫通して第一構造体9aを形成し、誘電体層5に対して不活性な金属ペーストが、金属層7を形成する効果を有する。ステップ112の結果として、第二構造体9bが形成される。ステップ103の結果として、コネクタ11が金属層7にコンタクト結合され、半導体ウエハ3が相互接続リボン12にコンタクト結合される。
【0037】
図7に示された方法は、図1の太陽電池1の作製方法のさらに別の例であり、本方法は、誘電体層を備えたウエハを用意するステップ100と、誘電体層中に、少なくとも一つの第一穴および/または少なくとも一つの第二穴を形成するステップ111と、金属ペーストで、該少なくとも一つの第一穴および/または少なくとも一つの第二穴を充填し、誘電体層をコーティングするステップ121と、焼成するステップ102と、コンタクト結合するステップ103と、を含む。ステップ100は、例えば、誘電体層5を備えた半導体ウエハ3を、誘電体層5をコーティングするのに適したデバイス中に用意するステップを含む。ステップ111は、レーザ・アブレーションによって達成することができる。レーザ・アブレーションによって、誘電体層中に構造体9aおよび9bを形成するのに適した穴が形成される。これらの穴は、穴域内で半導体ウエハ3が露出されるような仕方で形成される。ステップ121は、例えばアルミニウム・ペーストなど、誘電体層5に対して不活性な金属ペーストを塗布するステップを含む。この金属ペーストは、誘電体層5中に生成された穴を満たし、誘電体層5面上に配置された金属ペースト層を形成する。ステップ102は、金属層7が誘電体層5面上に形成され、半導体ウエハ3面上に金属ペーストとしてアルミニウム・ペーストが配置された領域中に、アルミニウム−ケイ素共晶混合物が形成される効果を有する。しかして、図1に示された半導体ウエハ3と誘電体層5と金属層7との間の付着力が得られる。ステップ103の結果として、コネクタ11が金属層7にコンタクト結合され、半導体ウエハ3が相互接続リボン12にコンタクト結合される。
【0038】
図8に示された方法は、図1の太陽電池1を作製する方法のさらなる例であり、本方法は、誘電体層を備えたウエハを用意するステップ100と、誘電体層中に、少なくとも一つの第一穴、および随意的に少なくとも一つの第二穴を形成するステップ111と、金属ペーストで、その少なくとも一つの第一穴、および随意的に少なくとも一つの第二穴を充填し、誘電体層をコーティングするステップ121と、焼成するステップ102と、レーザ照射コンタクト(LFC)を形成するステップ112と、コンタクト結合するステップ103と、を含む。ステップ100は、例えば、誘電体層5を備えた半導体ウエハ3を、誘電体層5をコーティングするのに適したデバイス中に用意するステップを含む。ステップ111は、レーザ・アブレーションによって達成することができる。レーザ・アブレーションによって、誘電体層中に、第一構造体9aおよび随意的に第二構造体9bを形成するのに適した穴が形成される。これらの穴は、穴域内で半導体ウエハ3が露出されるような仕方で形成される。ステップ121は、誘電体層5に対して不活性な金属ペーストを塗布するステップを含む。この金属ペーストは、誘電体層5中に生成された穴を満たし、誘電体層5面上に配置された金属ペースト層を形成する。ステップ102は、金属層7が誘電体層5面上に形成され、構造体9aが誘電体層5の中に形成され、アルミニウム・ペーストが金属ペーストとして半導体ウエハ3面上に配置された域内に、アルミニウム−ケイ素共晶混合物が形成される効果を有する。第二構造体9bは、ステップ112によって形成される。ステップ111、121、および112の組み合わせは、半導体ウエハ3と誘電体層5と金属層7との間に良好な付着力の形成をもたらす。ステップ103は、コネクタ11を金属層7にコンタクト結合するステップと、半導体ウエハ3を相互接続リボン12にコンタクト結合するステップとを含む。
【0039】
図9に示された方法は、図4の太陽電池31を作製する方法の一つの例であり、本方法は、誘電体層を備えたウエハを用意するステップ100と、誘電体層に対して不活性な少なくとも一つの金属ペースト、および誘電体層に対し反応性のある少なくとも一つの金属ペーストを誘電体層に塗布するステップ101と、焼成するステップ102と、第一構造体中のアルミニウム−ケイ素共晶混合物を露出するステップ122と、コンタクト結合するステップ103と、を含む。ステップ100は、例えば、誘電体層35を備えた半導体ウエハ33を、誘電体層35をコーティングするのに適したデバイス中に用意するステップを含む。ステップ101は、スクリーン印刷法によって達成することができる。金属ペーストとしてアルミニウム・ペーストが用いられる。誘電体層35に対して反応性のある金属ペーストが、誘電体層に対して不活性な金属ペーストの中に、図2に示された仕方で配置される。すなわち、誘電体層35に対して不活性な金属ペーストおよび誘電体層35に対して反応性のある金属ペーストの層がスクリーン印刷を用いて形成される。ステップ102は、誘電体層35に対して反応性のある金属ペーストが、誘電体層35を貫通して、第一構造体39aおよび第二構造体39bを形成し、しかして、図4に示された半導体ウエハ33と誘電体層35と金属層37との間に付着力が得られ、半導体ウエハ33と金属層37との間の接合部分にアルミニウム−ケイ素共晶混合物が形成される効果を有する。ステップ122の結果として、焼成過程で形成された、第一構造体39aのアルミニウム−ケイ素共晶混合物がレーザ・アブレーションによって露出される。ステップ103の結果として、コネクタ311がアルミニウム−ケイ素共晶混合物にコンタクト結合され、半導体ウエハ33が相互接続リボン312にコンタクト結合される。
【0040】
図9に示された方法は図5に示された方法に対応し、ステップ103の前に、ステップ122、すなわちアルミニウム−ケイ素共晶混合物を露出するステップが実施される。図6〜8に示された方法において、ステップ102の前にステップ122が実施されれば、前記諸図中に示された方法は、図4の太陽電池31を作製するのに適したものとなる。
【符号の説明】
【0041】
1 太陽電池
3 半導体ウエハ
5 誘電体層
7 金属層
9a 第一構造体
9b 第二構造体
11 コネクタ
12 相互接続リボン
13 誘電体層に対して不活性な金属ペースト
15 誘電体層に対して反応性のある金属ペースト
31 太陽電池
33 半導体ウエハ
35 誘電体層
37 金属層
39a 第一構造体
39b 第二構造体
100 誘電体層を備えたウエハを用意する
101 誘電体層に対して不活性な少なくとも一つの金属ペーストおよび誘電体層に対し反応性のある少なくとも一つの金属ペーストを誘電体層に塗布する
102 焼成する
103 コンタクト結合する
111 誘電体層中に、少なくとも一つの第一穴および/または少なくとも一つの第二穴を形成する
112 レーザ照射コンタクトを形成する
121 金属ペーストで、少なくとも一つの第一穴および/または少なくとも一つの第二穴を充填し、誘電体層をコーティングする
122 第一構造体中のアルミニウム−ケイ素共晶混合物を露出する
311 コネクタ
312 相互接続リボン
min 最小長さ
max 最大長さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9