【文献】
Xiao-Bing Lu et al.,Cobalt catalysts for the coupling of CO2 and epoxides to provide polycarbonates and cyclic carbonates,Chem Soc Rev,2012年,41,1462-1484
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
Gは、独立に、置換されていてもよいヘテロ脂肪族基、置換されていてもよいヘテロ脂環式基、置換されていてもよいヘテロアリール基、ハライド、ヒドロキシド、ヒドリド、カルボキシラート、エーテル、チオエーテル、カルベン、ホスフィン、ホスフィンオキシド、アミン、アセトアミド、アセトニトリル、エステル、スルホキシド、スルホナート、および水より選択される、請求項1に記載の方法。
前記連鎖移動剤は、水、モノ−アルコール、ジオール、トリオール、テトラオール、ポリオール、モノ−アミン、ポリアミン、モノ−チオール、ポリチオール、モノ−カルボン酸、またはポリカルボン酸である、請求項1または2に記載の方法。
前記連鎖移動剤は、水、ジフェニルホスフィン酸、4−エチルベンゼンスルホン酸、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、フェノール、シクロヘキサノール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ジフェノール、1,3−ジフェノール、1,4−ジフェノール、カテコール、シクロヘキセンジオール、グリセロール、ベンゼントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トリス(メチルアルコール)プロパン、トリス(メチルアルコール)エタン、トリス(メチルアルコール)ニトロプロパン、D−(+)−グルコース、D−ソルビトール、カリックス[4]アレーン、2,2−ビス(メチルアルコール)−1,3−プロパンジオール、ポリ乳酸、ポリ(エチレングリコール)、デンプン、リグニン、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、ペンチルアミン、ジペンチルアミン、ヘキシルアミン、ジヘキシルアミン、1,4−ブタンジアミン、3,5−ジ−tert−ブチル安息香酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、テレフタル酸、クエン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸、乳酸、グリコール酸、および3−ヒドロキシプロピオン酸よりなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
Aは、ラクチド、ラクトン、エポキシド、環状カルボナート、エポキシドモノマー若しくはこれらの組み合わせ、またはエポキシド、および無水物、および/または二酸化炭素、および/またはジ−若しくは多価カルボン酸の組み合わせ、またはジ−イソシアネート、および2つ以上のヒドロキシル基を含む化合物(例えば、ジオール、トリオール、テトラオール、またはポリオール)の組み合わせより形成されたポリマーである、請求項9または10に記載のコポリマーの製造方法。
Aは、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカルボナート、ポリアミド、ポリウレタン、またはこれらの任意の組み合わせのコポリマーである、請求項9〜11のいずれか1項に記載のコポリマーの製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面の簡単な説明
本発明の実施態様は、以下に、一例として、および添付図面を参照として記載されている。
【0019】
図1は、[L
1Mg
2Cl
2(ジメチルアミノピリジン)]の分子構造を表す。
【0020】
図2は、[L
1Mg
2Cl
2(メチルイミダゾール)]の
1H NMR スペクトルを表す。
【0021】
図3は、[L
1Mg
2Br
2(ジメチルアミノピリジン)]の
1H NMR スペクトルを表す。
【0022】
図4は、CDCl
3中の[L
1Zn
2(O
2CCF3)
2]の
1H NMR スペクトルを表す。
【0023】
図5は、[L
1Zn
2(OOCC(CH
3)
3)
2]のLSIMS スペクトルを表す。
【0024】
図6は、[L
1Co
2Cl
3][HNEt
3]の分子構造を表す。
【0025】
図7は、[L
1Co
2Cl
2(メチルイミダゾール)]の分子構造を表す。
【0026】
図8は、[L
1Co
2(OAc)
3]、およびCTAとして10当量のエチレングリコールにて製造したポリカルボナートのMALDI−TOF MS スペクトルを表す。
【0027】
図9は、エチレングリコールからのHO−PCHC−OH(M
n=2000)、およびPLA−PCHC−PLA(M
n=30400)のGPCトレースの重ね書きを表す。
【0028】
図10は、[L
1Zn
2(O
2CCF
3)
2]により製造したPCHCの
1H NMR スペクトルを表す。ピークAは、ポリカルボナート結合のメチレンプロトンに当たる。ピークBは、末端ヒドロキシル基のメチレンプロトンに当たる。ピークCは、環状カルボナート副産物CHCに当たる。ピークDは、エーテル結合のメチレンプロトンに当たる。ピークEは、未反応CHOに当たる。
【0029】
図11は、[L
1Zn
2(O
2CCF
3)
2]により製造したPCHCのMALDI−TOF MS スペクトルを表し、ポリマー系[HO(C
7H
10O
3)nC
6H
11O
2]Li
+を表す。[17.01+(142.15)n+99.15+6.9]。
【0030】
図12は、PCHC(青)、およびPLA−PCHC−PLA(赤)の
1H NMR スペクトルの重ね書きを表し、末端、および結合メチレンシクロヘキサンプロトンを表す。
【0031】
図13は、THF中における、狭いポリスチレン標準品に対する、PCHC(M
n=9100)、およびPLA−PCHC−PLA(M
n=51000)のGPCトレースの重ね書きを表す。
【0032】
図14は、沈殿したPLA−PCHC−PLA(PCHC M
n=9000、400当量 PLA、PLA−PCHC−PLA M
n=51000)の
1H NMR スペクトルを表す。
【0033】
図15は、水の存在下において、触媒[L
1Mg
2(OAc)
2]、および[L
1Mg
2(OCOCF
3)
2](それぞれ触媒2a、および2c)により製造したPCHCに対して、SECを使用して決定された分子量分布を表す。
【0034】
定義
本発明の目的のため、脂肪族基は、直鎖であっても分岐していてもよく、および完全に飽和、または1つ以上の不飽和単位を含んでも良いが、芳香族ではない。用語「不飽和」は、1つ以上の二重、および/または三重結合を有する部分を意味する。用語「脂肪族」は、それ故、アルキル、アルケニル、またはアルキニル基、およびこれらの組み合わせを含むことが意図される。脂肪族は、好ましくは「C
1−20脂肪族基」であり、これは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20炭素原子である脂肪族基である。好ましくは、脂肪族基はC
1−15脂肪族であり、好ましくはC
1−12脂肪族、より好ましくはC
1−10脂肪族、さらにより好ましくはC
1−8脂肪族、例えばC
1−6脂肪族基である。
【0035】
アルキル基は、好ましくは「C
1−20アルキル基」であり、これは、1〜20炭素の直鎖または分岐鎖のアルキル基である。アルキル基は、それ故、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20炭素原子を有する。好ましくは、アルキル基はC
1−15アルキルであり、好ましくはC
1−12アルキルであり、より好ましくはC
1−10アルキルであり、さらにより好ましくはC
1−8アルキルであり、さらにより好ましくはC
1−6アルキル基である。特定の実施態様において、アルキル基 は「C
1−6アルキル基」であり、これは、1〜6炭素の直鎖または分岐鎖のアルキル基である。アルキル基は、それ故、1、2、3、4、5、または6炭素原子を有する。特に、「C
1−20アルキル基」の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、n−ヘキシル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1−エチルブチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基などが挙げられる。アルケニル、及びアルキニル基は、それぞれ、好ましくは「C
2−20アルケニル」、および「C
2−20アルキニル」、より好ましくは「C
2−15アルケニル」、および「C
2−15アルキニル」、さらにより好ましくは「C
2−12アルケニル」、および「C
2−12アルキニル」、さらにより好ましくは「C
2−10アルケニル」、および「C
2−10アルキニル」、さらにより好ましくは「C
2−8アルケニル」、および「C
2−8アルキニル」、最も好ましくは「C
2−6アルケニル」、および「C
2−6アルキニル」基である。
【0036】
ヘテロ脂肪族基は、上記のような脂肪族基で、さらに1つ以上のヘテロ原子を含むものである。ヘテロ脂肪族基は、それ故、好ましくは2から21の原子を含み、好ましくは2から16の原子、より好ましくは2から13の原子、より好ましくは2から11の原子、より好ましくは2から9の原子、さらにより好ましくは2から7の原子で、少なくとも1つの原子が炭素原子である。特に、好ましいヘテロ原子はO、S、N、P、及びSiより選ばれる。ヘテロ脂肪族基が2つ以上のヘテロ原子を有するとき、ヘテロ原子は同じ、または異なっていてもよい。
【0037】
脂環式基は、2から20の炭素原子を有する、飽和、または部分的に不飽和である、環式脂肪族単環式、または多環式(縮合、架橋、およびスピロ縮合を含む)環系であり、これは、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20炭素原子である脂環式基である。好ましくは、脂環式基は3から15、より好ましくは3から12、さらにより好ましくは3から10、さらにより好ましくは3から8の炭素原子を有する。用語「脂環式」は、シクロアルキル、シクロアルケニル、およびシクロアルキニル基を含む。脂環式基は、例えば−CH
2−シクロヘキシルのような、1つ以上の連結、または非連結アルキル置換基を結合する脂環式環を含んでもよい。
【0038】
シクロアルキル、シクロアルケニル、およびシクロアルキニル基は3〜20の炭素原子を有する。シクロアルキル、シクロアルケニル、およびシクロアルキニル基は、それ故、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20炭素原子を有する。シクロアルキル、シクロアルケニル、およびシクロアルキニル基は、好ましくは3から15、より好ましくは3から12、さらにより好ましくは3から10、さらにより好ましくは3から8の炭素原子を有する。脂環式基が3から8の炭素原子を有するとき、これは、脂環式基が3、5、6、7、または8炭素原子を有することを意味する。特に、C
3−20 シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル、およびシクロオクチルが挙げられる。
【0039】
ヘテロ脂環式基は、上記のような脂環式基で、炭素原子に加え、1つ以上の、好ましくはO、S、N、P、およびSiより選ばれる、環ヘテロ原子を含む。ヘテロ脂環式基は、好ましくは1から4の、同じ、または異なっていてもよい、ヘテロ原子を含む。ヘテロ環式基は、好ましくは5から20の原子を含み、より好ましくは5〜14の原子、さらにより好ましくは5から12の原子である。
【0040】
アリール基は、5から20の炭素原子を有する単環式、または多環式環系である。アリール基は、好ましくは「C
6−12アリール基」、および6、7、8、9、10、11、または12炭素原子により構成されたアリール基であり、並びに、例えば単環式環基、または二環式環基などの、縮合環基を含む。特に、「C
6−12アリール基」の例としては、フェニル基、ビフェニル基、インデニル基、ナフチル基、またはアズレニル基などが挙げられる。インダン、およびテトラヒドロナフタレンもまたアリール基に含まれることに留意すべきである。
【0041】
ヘテロアリール基は、炭素原子に加えて、1から4つの、好ましくはO、S、N、P、およびSiより選ばれる、環ヘテロ原子を有するアリール基である。ヘテロアリール基は、好ましくは5〜20、より好ましくは5から14の環原子を有する。特に、ヘテロアリール基の例としては、ピリジン、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、および4−ジメチルアミノピリジンが挙げられる。
【0042】
脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、およびヘテロアリール基の例としては、シクロヘキシル、フェニル、アクリジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、シンノリン、ジオキシン、ジオキサン、ジオキソラン、ジチアン、ジチアジン、ジチアゾール、ジチオレン、フラン、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、インドール、インドリン、インドリジン、インダゾール、イソインドール、イソキノリン、イソオキサゾール、イソチアゾール、モルホリン、ナフチリジン、オキサゾール、オキサジアゾール、オキサチアゾール、オキサチアゾリジン、オキサジン、オキサジアジン、フェナジン、フェノチアジン、フェノキサジン、フタラジン、ピペラジン、ピペリジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、ピロリジン、ピロリン、キノリン、キノキサリン、キナゾリン、キノリジン、テトラヒドロフラン、テトラジン、テトラゾール、チオフェン、チアジアジン、チアジアゾール、チアトリアゾール、チアジン、チアゾール、チオモルフォリン、チアナフタレン、チオピラン、トリアジン、トリアゾール、およびトリチアンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
用語「ハライド」、または「ハロゲン」は区別せずに用いられ、および本明細書においては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などを、好ましくはフッ素原子、臭素原子、または塩素原子を、さらに好ましくはフッ素原子、または臭素原子を意味するものとして使用される。
【0044】
ハロアルキル基は、好ましくは「C
1−20ハロアルキル基」、より好ましくは「C
1−15ハロアルキル基」、より好ましくは「C
1−12ハロアルキル基」、より好ましくは「C
1−10ハロアルキル基」、さらにより好ましくは「C
1−8ハロアルキル基」、さらにより好ましくは「C
1−6ハロアルキル基」であり、および、それぞれ、少なくとも1つのハロゲン原子、好ましくは1、2、または3ハロゲン原子で置換された上記のC
1−20アルキル、C
1−15アルキル、C
1ー12アルキル、C
1-10アルキル、C
1-8アルキル、またはC
1-6アルキル基である。特に、「C
1−20ハロアルキル基」の例としては、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基などが挙げられる。
【0045】
アルコキシ基 は、好ましくは「C
1−20アルコキシ基」であり、より好ましくは「C
1−15アルコキシ基」、さらに好ましくは「C
1−12アルコキシ基」、さらに好ましくは「C
1−10アルコキシ基」、よりさらに好ましくは「C
1−8アルコキシ基」、よりさらに好ましくは「C
1−6アルコキシ基」であり、および、それぞれ、既定のC
1−20アルキル、C
1−15アルキル、C
1−12アルキル、C
1−10アルキル、C
1−8アルキル、またはC
1−6 アルキル基と結合されたオキシ基である。特に、「C
1−20アルコキシ基」の例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、iso−ペンチルオキシ基、sec−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、iso−ヘキシルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−エイコシルオキシ基、1,1-ジメチルプロポキシ基、1,2−ジメチルプロポキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基、2−メチルブトキシ基、1−エチル−2−メチルプロポキシ基、1,1,2−トリメチルプロポキシ基、1,1-ジメチルブトキシ基、1,2−ジメチルブトキシ基、2,2−ジメチルブトキシ基、2,3−ジメチルブトキシ基、1,3−ジメチルブトキシ基、2−エチルブトキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、3−メチルペンチルオキシ基などが挙げられる。
【0046】
アルキルチオ基は、好ましくは「C
1−20アルキルチオ基」であり、より好ましくは「C
1−15アルキルチオ基」、より好ましくは「C
1−12アルキルチオ基」、より好ましくは「C
1−10アルキルチオ基」、さらにより好ましくは「C
1−8アルキルチオ基」、さらにより好ましくは「C
1−6アルキルチオ基」であり、および、それぞれ、既定のC
1−20アルキル、C
1−15アルキル、C
1−12アルキル、C
1−10アルキル、C
1−8アルキル、またはC
1−6アルキル基と結合されたチオ(−S−)基である。
【0047】
アルキルアリール基は、好ましくは「C
6−12アリールC
1−20 アルキル基」であり、より好ましくは「C
6−12アリールC
1―16 アルキル基」、さらにより好ましくは「C
6−12アリールC
1−6 アルキル基」であり、および、任意の位置へ、上記のアルキル基が結合された、上記のアリール基である。分子へのアルキルアリール基の 結合点は、アルキル部分を通してもよく、および、それ故、好ましくは、アルキルアリール基 は−CH
2−Ph、または−CH
2CH
2−Phである。アルキルアリール基はまた、「アラルキル」として表現され得る。
【0048】
エーテル基は、好ましくはOR
5基であり、ここで、R
5は、上記の脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、またはヘテロアリール基であり得る。特定の実施態様において、R
5は、非置換の脂肪族、脂環式、またはアリールであり得る。好ましくは、R
5は、メチル、エチル、またはプロピルより選ばれるアルキル基である。チオエーテル基は、好ましくは、SR
5基であり、ここで、R
5は上記である。
【0049】
シリル基は、好ましくは−Si(R
6)
3基であり、 ここで、各R
6は、独立に、上記の脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、またはヘテロアリール基であり得る。特定の実施態様において、各R
6は、独立に、非置換の脂肪族、脂環式、またはアリールである。好ましくは、各R
6は、メチル、エチル、またはプロピルから選ばれるアルキル基である。
【0050】
シリルエーテル基は、好ましくはOSi(R
6)
3基であり、ここで、各R
6は、独立に、上記の脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、またはヘテロアリール基であり得る。特定の実施態様において、 各R
6は、独立に、非置換の脂肪族、脂環式、またはアリールであり得る。好ましくは、各R
6は、メチル、エチル、またはプロピルより選ばれるアルキル基である。
【0052】
イミン基は、−CRNR基、好ましくは−CHNR
7 基であり、ここで、R
7は、上記の脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、またはヘテロアリール基である。特定の実施態様において、R
7は、非置換の脂肪族、脂環式、またはアリールである。好ましくは、R
7は、メチル、エチル、またはプロピルより選ばれるアルキル基である。
【0053】
アセチリド基は、三重結合−C≡C−R
9を含み、好ましくは、ここで、R
9は、上記の脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、またはヘテロアリール基 であり得る。本発明の目的のため、R
9がアルキルであるとき、三重結合は、アルキル鎖の間の任意の位置に存在し得る。特定の実施態様において、R
9は、非置換の脂肪族、脂環式、またはアリールである。好ましくは、R
9は、メチル、エチル、プロピル、またはフェニルである。
【0054】
アミノ基は、好ましくは−NH
2、−NHR
10、または−N(R
10)
2であり、ここで、R
10は、上記の脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、シリルアルキル、アリール、またはヘテロアリール基であり得る。アミノ基 がN(R
10)
2であるとき、各R
10基は、独立に、上記の脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、シリルアルキル基、ヘテロアリール、またはアリール基より選ばれ得る。特定の実施態様において、各R
10は、独立に、非置換の脂肪族、脂環式、またはアリールである。好ましくは、R
10は、メチル、エチル、プロピル、SiMe
3、またはフェニルである。ここで、連鎖移動剤Wがアミンであるとき、アミンは、好ましくはNH
2、またはNHR
10である。
【0055】
アルキルアミノ基は、上記の−NHR
10、または−N(R
10)
2基でもよい。
【0056】
アミド基は、好ましくは−NR
11C(O)−、または−C(O)―NR
11−であり、ここで、R
11は、上記の水素、脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、またはヘテロアリール基であり得る。特定の実施態様において、R
11は、非置換の脂肪族、脂環式、またはアリールである。好ましくは、 R
11は、水素、メチル、エチル、プロピル、またはフェニルである。
【0057】
エステル基は、好ましくは−OC(O)R
12−、または−C(O)OR
12−であり、ここで、R
12は、上記の水素、脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、またはヘテロアリール基 であり得る。特定の実施態様において、R
12は、非置換の脂肪族、脂環式、またはアリールであり得る。好ましくは、R
12は、水素、メチル、エチル、プロピル、またはフェニルである。
【0058】
スルホキシド、またはスルホナート基は、好ましくは−SOR
13、または−OS(O)
2R
13−であり、 ここで、R
13は、上記の水素、脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、またはヘテロアリール基であり得る。特定の実施態様において、R
13は、非置換の脂肪族、脂環式、またはアリールである。好ましくは、R
13は、水素、メチル、エチル、プロピル、またはフェニルである。
【0059】
カルボキシラート基は、好ましくはOC(O)R
14であり、ここで、R
14は、上記の水素、脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、またはヘテロアリール基であり得る。特定の実施態様において、R
14は、非置換の脂肪族、脂環式、またはアリールである。好ましくは、R
14は、水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル(例えばn−ブチル、イソブチル、またはtert−ブチル)、フェニル、ペンタフルオロフェニル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、トリフルオロメチル、またはアダマンチルである。
【0060】
アセトアミドは、好ましくはMeC(O)N(R
15)
2であり、ここで、R
15は、上記の水素、脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、またはヘテロアリール基であり得る。特定の実施態様において、R
15は、非置換の脂肪族、脂環式、またはアリール基である。好ましくは、R
15は、水素、メチル、エチル、プロピル、またはフェニルである。
【0061】
ホスフィナート基は、好ましくは−OP(O)(R
16)
2基であり、ここで、各R
16は、独立に、水素、または上記の脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、若しくはヘテロアリール基より選ばれる。特定の実施態様において、R
16は、脂肪族、脂環式、またはアリールであり、これらは、脂肪族、脂環式、アリール、またはC
1−6アルコキシにより任意に置換される。 好ましくは、R
16は、任意に置換されたアリール、またはC
1−20アルキルであり、より好ましくはC
1−6アルコキシ(好ましくはメトキシ)により任意に置換されたフェニル、または非置換のC
1−20アルキル(例えば、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、ステアリル)である。
【0062】
スルフィナート基は、好ましくは−OSOR
17であり、ここで、R
17は、上記の水素、脂肪族、ヘテロ脂肪族、ハロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、またはヘテロアリール基であり得る。特定の実施態様において、R
17は、非置換の脂肪族、脂環式、またはアリールである。好ましくは、R
17は、水素、メチル、エチル、プロピル、またはフェニルである。
【0063】
ルイス塩基G中に上記の任意の基が存在するとき、必要に応じて、価数を満たすように、1つ以上の追加R基が存在してもよい。例えば、エーテルとの関係で、追加R基はROR
5を与えるために存在してもよく、ここで、Rは、上記の水素、任意に置換された脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、またはヘテロアリール基である。好ましくは、Rは、水素、または脂肪族、脂環式、若しくはアリールである。
【0064】
上記の何処かで説明された、任意の脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアリール、エーテル、エステル、スルホキシド、スルホナート、カルボキシラート、シリルエーテル、イミン、アセチリド、アミノ、アルキルアミノ、またはアミド基は、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、カルボナート、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、イミン、ニトリル、アセチリド、または任意に置換された脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、若しくはヘテロアリール基(例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、カルボナート、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、イミン、ニトリル、またはアセチリドにより任意に置換された)により任意に置換されてもよい。
【0065】
ジオール、またはポリオールの例としては、ジオール(例えば、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ジフェノール、1,3−ジフェノール、1,4−ジフェノール、カテコール、およびシクロヘキセンジオール)、トリオール(例えば、グリセロール、ベンゼントリオール、シクロヘキサントリオール、トリス(メチルアルコール)プロパン、トリス(メチルアルコール)エタン、トリス(メチルアルコール)ニトロプロパン)、テトラオール(例えば、カリックス[4]アレーン、2,2−ビス(メチルアルコール)−1,3−1,3−プロパンジオール)、およびポリオール(例えば、ポリ(エチレングリコール)、D−(+)−グルコース、およびD−ソルビトール)が挙げられる。
【0066】
式(I)、および(III)において、X、およびG基は、1つのM金属中心と会合するよう説明されているが、1つ以上のX、およびG基が、2つの金属中心Mの間を架橋してもよい。
【0067】
本発明の目的のため、エポキシド基質は限定されない。用語エポキシドは、それ故、エポキシド部分を含む任意の化合物を意味する。本発明の目的のために好ましいエポキシドの例としては、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、プロピレンオキシド、置換シクロヘキセンオキシド(例えば、リモネンオキシド、C
10H
16O、または2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、C
11H
22O)、アルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシド、および置換エチレンオキシド)、または置換オキシラン(例えば、エピクロルヒドリン、1,2−エポキシブタン、グリシジルエーテル)が挙げられる。エポキシドは、好ましくは少なくとも98%、より好ましくは>99%の純度を有する。
【0068】
詳細な説明
本発明の第1の形態においては、ポリカルボナートの合成方法が提供され、前記方法は、式(I)の触媒及び、水または式(II)の化合物より選択される連鎖移動剤の存在下で、二酸化炭素を少なくとも1つのエポキシドと反応させる工程を含む。
【0070】
ここで、R
1およびR
2は、独立に、水素、ハライド、ニトロ基、ニトリル基、イミン、アミン、エーテル基、シリルエーテル基、若しくはアセチリド基、または置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、脂環式 、若しくはヘテロ脂環式基であり;
R
3は、独立に、置換されていてもよいアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、 ヘテロアルキニレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、またはシクロアルキレンより選択され、
ここで、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、およびヘテロアルキニレンは、アリール、ヘテロアリール、脂環式、またはヘテロ脂環式により中断されてもよく;
R
4は、独立に、H、または置換されていてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族, 脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、若しくはアルキルアリールより選択され;
R
5は、H、または置換されていてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、若しくはアルキルアリールであり;
E
1がCでありE
2がO、S、若しくはNHであるか、または、E
1がNでありE
2がOであり;
Xは、独立に、OC(O)R
x、OSO
2R
x、OSOR
x、OSO(R
x)
2、OR
x、ホスフィナート、ハライド、ニトラート、ヒドロキシル、カルボナート、アミド、または置換されていてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、若しくはヘテロアリールより選択され;
R
xは、独立に、水素、または置換されていてもよい脂肪族、ハロ脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、アルキルアリール、若しくはヘテロアリールであり;
Gは、存在しないか、または、独立に、中性、若しくはアニオン性のルイス塩基であるドナー配位子より選択され;
Mは、独立に、Zn(II)、Cr(II)、Co(II)、Mn(II)、Ti(II)、Mg(II)、Fe(II)、Cr(III)−X、Co(III)−X、Mn(III)−X、Fe(III)−X、、Ca(II)、Ge(II)、Al(III)−X、Ti(III)−X、V(III)−X、Ge(IV)−(X)
2、またはTi(IV)−(X)
2より選択される;
Z−(W)
n (II)
ここで、
Zは、脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカルボナート、またはこれらの組み合わせよりなる群より選択される、置換されていてもよい部分であり、
各Wは、独立に、ヒドロキシル、アミン、チオール、またはカルボン酸より選択され、および
nは少なくとも1の整数である。
【0071】
本発明の第1の形態において有用な触媒について、R
1、およびR
2基は同じでもよいし、異なっていてもよい。R
1、およびR
2は、好ましくは、独立に、水素、tBu、Me、CF
3、フェニル、F、Cl、Br、I、NMe
2、NEt
2、NO
2、OMe、OSiEt
3、CNMe、CN、またはCCPhであり、より好ましくは水素、OMe、Me、NO
2、ハロゲン、またはtBu(例えば、水素、またはtBu)より選ばれる。ある実施態様において、R
2は、水素、およびR
1は、上記の基の任意の1つであり、好ましくはNO
2、ハロゲン、tBu、OMe、またはMeであり、より好ましくはtBu、OMe、またはMeである。
【0072】
R
3基は、二置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、若しくはヘテロアルキニル基(アリール、ヘテロアリール、脂環式、若しくはヘテロ脂環式基により中断されてもよい)であるか、または、式(I)の触媒における2つの窒素中心の間で架橋基として働く二置換のアリール、若しくはシクロアルキル基であり得る。それ故、R
3がアルキレン基、例えば、ジメチルプロピレンのとき、R
3基は、−CH
2−C(CH
3)
2−CH
2−の構造を有する。上記に記載された、アルキル、アリール、シクロアルキルなどの基の定義は、それ故、また、R
3に対して記載された、アルキレン、アリーレン、シクロアルキレンなどの基とそれぞれ関連する。好ましくは、R
3は、エチレン、2,2−ジメチルプロピレン、プロピレン、ブチレン、フェニレン、シクロへキシレン、若しくはビフェニレンであり、より好ましくは2,2−ジメチルプロピレンである。R
3がシクロへキシレンのとき、これはラセミ体、RR−、またはSS−型であり得る。
【0073】
好ましくは、R
4は、独立に、水素、または置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、ヘテロアリール、若しくはアルキルヘテロアリールより選択される。より好ましくは、R
4は、独立に、水素、または置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、若しくはヘテロアリールより選択される。R
4に対する例となる選択肢は、H、Me、Et、Bn、iPr、tBu、またはPhである。さらなる例となる選択肢は、−CH
2−(2−ピリジン)である。R
4 は、好ましくは水素である。
【0074】
好ましくは、R
5は、独立に、水素、または置換されていてもよい脂肪族、若しくはアリールより選ばれる。より好ましくは、R
5は、水素、アルキル、またはアリールより選ばれる。例となるR
5基としては、水素、メチル、エチル、フェニル、およびトリフルオロメチル、好ましくは水素、メチル、またはトリフルオロメチルが挙げられる。特に好ましい具体例においては、R
5は水素である。
【0075】
Xは、第1の形態の方法に対する開始種として働く。各Xは、独立に、OC(O)R
x、OSO
2R
x、OS(O)R
x、OSO(R
x)
2、OR
x、ホスフィナート、ハライド、ニトラート、ヒドロキシル、カルボナート、アミド、または置換されていてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族(例えば、シリル)、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、若しくはヘテロアリールより選ばれる。ある実施態様において、各Xは、独立に、OC(O)R
x、OSO
2R
x、OSO(R
x)
2、OR
x、ハライド、ニトラート、ヒドロキシル、カルボナート、アミド、または置換されていてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族(例えば、シリル)、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、若しくはヘテロアリールである。R
xは、独立に、水素、または置換されていてもよい脂肪族、ハロ脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、アルキルアリール、若しくはヘテロアリールである。好ましくは、Xは、OC(O)R
x、またはOR
xである。好ましくは、R
xは、独立に、水素、置換されていてもよい脂肪族、ハロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、シリル、またはアルキルアリールである。Xに対する、例となる選択肢としては、OCOCH
3、OCOCF
3、OSO
2C
7H
7、OSO(CH
3)
2、Et、Me、PhOEt、OMe、OiPr、OtBu、Cl、Br、I、F、N(iPr)
2、N(SiMe
3)
2、ヘキサノアート、オクタノアート、デカノアート、ドデカノアート、ステアラート、ピバラート、アダマンチルカルボキシラート、ベンゾアート、ペンタフルオロベンゾアート、ジオクチルホスフィナート、ジフェニルホスフィナート、およびビス(4−メトキシ)フェニルホスフィナートが挙げられる。Xに対する、好ましい例となる選択肢としては、OCOCH
3、OCOCF
3、OSO
2C
7H
7、OSO(CH
3)
2、Et、Me、PhOEt、OMe、OiPr、OtBu、Cl、Br、I、F、N(iPr)
2、またはN(SiMe
3)
2が挙げられる。
【0076】
Gが存在するとき、これは、孤立電子対を供与することができる基(すなわち、ルイス塩基)である。ある実施態様において、Gは窒素含有のルイス塩基である。各Gは、中性であってもよいし、負に帯電していてもよい。Gが負に帯電している場合には、錯体の電荷を相殺するために、1つ以上の正の対イオンが必要とされる。適切な正の対イオンとしては、1族の金属イオン(Na
+、K
+、など)、2族の金属イオン(Mg
2+、Ca
2+、など)、イミダゾリウムイオン、正に帯電した置換されていてもよいヘテロアリール、ヘテロ脂肪族、またはヘテロ脂環式基、アンモニウムイオン(すなわち、N(R
12)
4+)、イミニウムイオン(すなわち、(R
12)
2C=N(R
12)
2+、例えば、ビス(トリフェニルホスフィン)イミニウムイオン)、またはホスホニウムイオン(P(R
12)
4+)が挙げられ、
ここで、各R
12は、独立に、水素、または置換されていてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、若しくはヘテロアリールより選ばれる。例となる対イオンとしては、[H−B]
+が挙げられ、ここで、Bは、トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデク−7−エン、および7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4,4,0]デク−5−エンより選ばれる。
【0077】
Gは、好ましくは、独立に、置換されていてもよいヘテロ脂肪族基、置換されていてもよいヘテロ脂環式基、置換されていてもよいヘテロアリール基、ハライド、ヒドロキシド、ヒドリド、カルボキシラート、および水より選ばれる。より好ましくは、Gは、独立に、水、アルコール、置換または非置換のヘテロアリール(イミダゾール、メチルイミダゾール(例えば、N−メチルイミダゾール)、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、ピロール、ピラゾール、など)、エーテル(ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、環状エーテル、など)、チオエーテル、カルベン、ホスフィン、ホスフィンオキシド、置換または非置換のヘテロ脂環式(モルホリン、ピペリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、など)、アミン、アルキルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、など)、アセトニトリル、エステル(エチルアセタート、など)、アセトアミド(ジメチルアセトアミド、など)、スルホキシド(ジメチルスルホキシド、など)、カルボキシラート、ヒドロキシド、ヒドリド、ハライド、ニトラート、スルホナート、などより選択される。いくつかの実施態様において、1つ、または両方のGは、独立に、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロ脂肪族、置換されていてもよいヘテロ脂環式、ハライド、ヒドロキシド、ヒドリド、エーテル、チオエーテル、カルベン、ホスフィン、ホスフィンオキシド、アミン、アルキルアミン、アセトニトリル、エステル、アセトアミド、スルホキシド、カルボキシラート、ニトラート、またはスルホナートより選ばれる。ある実施態様において、Gは、ハライド;ヒドロキシド;ヒドリド;水;アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、またはニトリルにより置換されていてもよいヘテロアリール、ヘテロ脂環式、またはカルボキシラート基であり得る。好ましい実施態様において、Gは、独立に、ハライド;水;アルキル(例えば、メチル、エチルなど)、アルケニル、アルキニル、アルコキシ(好ましくはメトキシ)、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、またはニトリルにより置換されていてもよいヘテロアリールより選択される。いくつかの実施態様においては、1つ、または両方のGが負に帯電している(例えば、ハライド)。さらなる実施態様において、1つ、または両方のGは、置換されていてもよいヘテロアリールである。例となるG基としては、クロリド、ブロミド、ピリジン、メチルイミダゾール(例えばN−メチルイミダゾール)、およびジメチルアミノピリジン(例えば、4−メチルアミノピリジン)が挙げられる。
【0078】
G基が存在するとき、G基は、式(I)に示すように1つのM金属中心と会合していてもよく、またはG基は、両方の金属中心と会合して下記式(Ia)に示すように2つの金属中心の間を架橋してもよい。
【0080】
ここで、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、M、G、X、E
1、およびE
2は、式(I)に対して定義されたものである。好ましくは、Mは、Zn(II)、Cr(III)、Cr(II)、Co(III)、Co(II)、Mn(III)、Mn(II)、Mg(II)、Ti(II)、Fe(II)、Fe(III)、Ca(II)、Ge(II)、Al(III)、Ti(III)、V(III)、Ge(IV)、またはTi(IV)であり、より好ましくはZn(II)、Cr(III)、Co(II)、Mn(II)、Mg(II)、Fe(II)、またはFe(III)であり、および最も好ましくはZn(II)、またはMg(II)である。MがCr(III)、Co(III)、Mn(III)、またはFe(III)であるとき、式(I)の触媒は、金属中心へ配位した追加X基を含む(ここで、Xは、上記で定義されたものである)。MがGe(IV)、またはTi(IV)であるとき、式(I)の触媒は、金属中心へ配位した2つの追加X基を含む(ここで、Xは、上記で定義されたものである)。ある実施態様において、MがGe(IV)、またはTi(IV)であるとき、Gはともに存在しなくてもよい。
【0081】
当業者はまた理解するであろうことであるが、Mは、同じでもよい(例えば、両方のMは、Mg、Zn、Fe、またはCoでもよい)し、または各Mは、異なってもよく、任意の組み合わせで存在し得る(例えば、Fe、およびZn、Co、およびZn、Mg、およびFe、Co、およびFe、Mg、およびCo、Cr、およびMg、Cr、およびZn、Mn、およびMg、Mn、およびZn、Mn、およびFe、Cr、およびFe、Cr、およびCo、Al、およびMg、Al、およびZnなど)。Mが同じ金属であるとき、各Mは、同じ酸化状態(例えば両方のMは、Co(II)、Fe(II)、またはFe(III)でもよい)であっても、または異なる酸化状態(例えば、一方のMは、Co(II)でもよく、および他方のMは、Co(III)でもよく、一方のMは、Fe(II)でもよく、他方のMは、Fe(III)でもよく、または一方のMは、Cr(II)でもよく、他方のMは、Cr(III)でもよい)であってもよい。
【0082】
第1の形態のある実施態様において、触媒は下記より選択される:
【0085】
[L
1Mg
2Cl
2(メチルイミダゾール)]、
[L
1Mg
2Cl
2(ジメチルアミノピリジン)]、
[L
1Mg
2Br
2(ジメチルアミノピリジン)]、
[L
1Zn
2(F
3CCOO)
2]、
[L
1Zn
2(OOCC(CH
3)
3)
2]、
[L
1Zn
2(OC
6H
5)
2]、
[L
1Fe
2Cl
4]、
[L
1Co
2(OAc)
3]、
[L
4Mg
2(OAc)
2]、
[L
1Zn
2(アダマンチルカルボナート)
2]、
[L
1Zn
2(ペンタフルオロベンゾアート)
2]、
[L
1Zn
2(ジフェニルホスフィナート)
2]、
[L
1Zn
2(ビス(4−メトキシ)フェニルホスフィナート)
2]、
[L
1Zn
2(ヘキサノアート)
2]、
[L
1Zn
2(オクタノアート)
2]、
[L
1Zn
2(ドデカノアート)
2]、
[L
1Mg
2(F3CCOO)
2]、および
[L
1Mg
2Br
2]。
【0086】
第1の形態の他の実施態様において、触媒は下記より選択される:
[L
1Zn
2(OAc)
2]、
[L
2Zn
2(OAc)
2]、
[L
3Zn
2(OAc)
2]、
[L
1Mg
2(OAc)
2]、
[L
1Mg
2Cl
2(メチルイミダゾール)]、
[L
1Mg
2Cl
2(ジメチルアミノピリジン)]、
[L
1Mg
2Br
2(ジメチルアミノピリジン)]、
[L
1Zn
2(F
3CCOO)
2]、
[L
1Zn
2(OOCC(CH
3)
3)
2]、
[L
1Zn
2(OC
6H
5)
2]、
【0088】
ある実施態様において、触媒(I)は、本発明の第6の形態に関して定義された、式(III)の触媒である。
【0089】
連鎖移動剤(CTA)は、水、または1つ以上の、例えば、2つ以上の、独立に、ヒドロキシル(−OH)、アミン(−NHR
W)、チオール(−SH)、若しくはカルボキシラート(−C(O)OH)より選択された基を有する化合物でもよく、ここで、R
Wは、水素、置換されていてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、若しくはヘテロアリール、またはこれらの組み合わせ(すなわち、脂肪族アリール、脂肪族ヘテロアリール、ヘテロ脂肪族アリール、など)である。明確に2つの「−OH」基を有さない、水は、明確に2つの「−OH」基を有する分子と、同等の連鎖移動特性を示す。
【0090】
第1の形態の方法に有用な連鎖移動剤は、水、または下記式で表され得る化合物である。
【0091】
Z−(W)
n (II)
各Wは、独立に、ヒドロキシル(−OH)、アミン(−NHR
W)、チオール(−SH)、またはカルボン酸(−C(O)OH)より選ばれる。
【0092】
Zは、連鎖移動剤の核であり、1つ以上、好ましくは2つ以上の、これと結合する「W」基を有し得る、任意の基であり得る。好ましい実施態様において、Zは、脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカルボナート、またはこれらの組み合わせよりなる群より選ばれる、置換されていてもよい部分である。例えば、Zは、置換されていてもよい芳香脂肪族、ヘテロ芳香脂肪族、脂肪族脂環式、などの基であり得る。好ましくは、Zは、アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、ヘテロアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびポリエーテルより選ばれる。
【0093】
Zがポリマーであるとき(すなわち、Zがポリオレフィン、ポリエステル、ポリエーテル、またはポリカルボナート基を含むとき)、このようなポリマーの分子量(M
n)は、好ましくは10,000g/mol未満である。好ましいポリマーは、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、およびポリ(乳酸)(PLA)を含む。
【0094】
連鎖移動剤、特に、Z基は、置換されていてもよい。ある実施態様において、Zは、ハロゲン、ニトリル、イミン、ニトロ、脂肪族、アセチル、アミド、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、またはヘテロアリールにより置換されていてもよい。
【0095】
nは、少なくとも1の整数である。好ましい実施態様において、nは、1から10まで(すなわち、nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり得る)、好ましくは2から10までより選ばれる整数である。さらに好ましくは、nは1から6まで、さらにより好ましくは2から6までより選ばれる整数である。
【0096】
ある実施態様において、各Wの存在は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。他の実施態様において、各Wの存在は、ヒドロキシルである(すなわち、連鎖移動剤は、1つのOH基を有する連鎖移動剤、または2つ以上のOH基を有する連鎖移動剤、言い換えると、ポリオール、例えば、ジオール、トリオール、テトラオールなど、を包含することが意図される、アルコールである)。他の実施態様において、各Wの存在はアミンである(すなわち、連鎖移動剤は、1つのアミン基を有する連鎖移動剤、または2つ以上のアミン基を有する連鎖移動剤、言い換えると、ポリアミン、例えば、ジアミン、トリアミン、テトラアミンなど、を包含することが意図される、アミンである)。他の実施態様において、各Wの存在はカルボン酸である(すなわち、連鎖移動剤は、1つのカルボン酸基、または2つ以上のカルボン酸基を含んでもよい、言い換えると、連鎖移動剤はポリカルボン酸、例えば二価酸、三価酸、四価酸などであり得る)。他の実施態様において、各Wの存在は、チオールである(すなわち、連鎖移動剤は、1つのチオール基、または2つ以上のチオール基を含んでもよい、言い換えると、連鎖移動剤は、ポリチオール、例えばジチオール、トリチオール、テトラチオールなどであり得る)。他の実施態様において、連鎖移動剤は水である。
【0097】
第1の形態のある実施態様において、連鎖移動剤が水であるとき、Xは、OCOCH
3、OCOCF
3、OSO
2C
7H
7、OSO(CH
3)
2、またはハライドではない。第1の形態の他の実施態様において、連鎖移動剤が水であるとき、Xは、OCOCH
3、OCOCF
3、OSO
2C
7H
7、OSO(CH
3)
2、ハライド、アルキル、アルコキシ、またはアミドではない。第1の形態の他のある実施態様において、連鎖移動剤が水であるとき、式(I)の触媒は、本発明の第6の形態に関して以下で説明される、式(III)の触媒である。
【0098】
第1の形態のある実施態様においては、1つの連鎖移動剤が使用される。他の実施態様においては、連鎖移動剤の混合物が使用される。
【0099】
本発明において有効な連鎖移動剤の例としては、水、モノ−アルコール(すなわち、1つのOH基を有するアルコール、例えば、ジフェニルホスフィン酸、4−エチルベンゼンスルホン酸、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、フェノール、シクロヘキサノール)、ジオール(例えば、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ジフェノール、1,3−ジフェノール、1,4−ジフェノール、カテコール、およびシクロヘキセンジオール)、トリオール(グリセロール、ベンゼントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トリス(メチルアルコール)プロパン、トリス(メチルアルコール)エタン、トリス(メチルアルコール)ニトロプロパン、好ましくはグリセロール、またはベンゼントリオール)、テトラオール(例えば、カリックス[4]アレーン、2,2−ビス(メチルアルコール)−1,3−プロパンジオール、好ましくはカリックス[4]アレーン)、ポリオール(例えば、D−(+)−グルコース、またはD−ソルビトール)、ジヒドロキシ末端ポリエステル(例えばポリ乳酸)、ジヒドロキシ末端ポリエーテル(例えばポリ(エチレングリコール))、デンプン、リグニン、モノ−アミン(すなわち、1つのNHR
W基を有するアミン、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、ペンチルアミン、ジペンチルアミン、ヘキシルアミン、ジヘキシルアミン)、ジアミン(例えば1,4−ブタンジアミン)、トリアミン、ジアミン末端ポリエーテル、ジアミン末端ポリエステ、モノ−カルボン酸(例えば、3,5−ジ−tert−ブチル安息香酸)、ジカルボン酸(例えば、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、またはテレフタル酸、好ましくはマレイン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸)、トリカルボン酸(例えば、クエン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、または1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸、好ましくはクエン酸)、モノ−チオール、ジチオール、トリチオール、並びにヒドロキシル、アミン、カルボン酸、およびチオール基の混合を有する化合物、例えば乳酸、グリコール酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、天然アミノ酸、非天然アミノ酸、単糖類、二糖類、オリゴ糖類、および多糖類(ピラノース、およびフラノース型を含む)が挙げられる。
【0100】
ある実施態様において、連鎖移動剤は、シクロヘキサンジオール、1,2,4−ブタントリオール、トリス(メチルアルコール)プロパン、トリス(メチルアルコール)ニトロプロパン、トリス(メチルアルコール)エタン、2,2−ビス(メチルアルコール)−1,3−プロパンジオール、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、ジフェニルホスフィン酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジオール、D−ソルビトール、1−ブチルアミン、テレフタル酸、D−(+)−グルコース、3,5−ジ−tert−ブチル安息香酸、4−エチルベンゼンスルホン酸、および水より選ばれる。
【0101】
第1の形態の一実施態様において、連鎖移動剤は、水ではない。第1の形態の他の実施態様において、連鎖移動剤は、水である。第1の形態の方法に使用される触媒の金属中心、および配位子セットの双方が加水分解的に安定である(すなわち、水の存在下で分解しない)ことがわかった。第1の形態の方法に対して、連鎖移動剤として、水は極めて良好に機能し、並びに安価、および容易に入手できる。さらに、反応開始前において、全ての試薬、例えばモノマー(二酸化炭素を含む)、および溶剤が全く水を含まないことを保証する必要がない。これにより、例えば、高頻度で水に汚染された、二酸化炭素のような試薬(特に、工業発生源から入手した二酸化炭素)の、長期間の、および高価な精製工程が回避される。実際、上記のように、モノマー、溶剤などの中の水不純物は、第1の形態により製造されたポリカルボナートの全ての末端基をヒドロキシル基へと変換するために必要な全量の連鎖移動剤を供給し得る。連鎖移動剤が水のとき、それは金属錯体に対して(例えば、重合プロセス中に使用されるであろう試薬中の不純物として)1:1未満のモル比、金属錯体に対して約1:1のモル比、または金属錯体に対して(すなわち、金属錯体を超えて)1:1以上(例えば、少なくとも2:1、少なくとも4:1、または少なくとも8:1)で存在してもよい。ある実施態様において、水は、金属錯体に対して、約1:1から約128:1、約2:1から約64:1、約4:1から約32:1、約8:1から約16:1のモル比で存在するであろう。
【0102】
ある実施態様において、触媒は、[L
1Zn
2(OAc)
2]、[L
1Zn
2(OC(O)CF
3)
2]、[L
1Mg
2(OAc)
2]、および[L
1Mg
2(OC(O)CF
3)
2](好ましくは[L
1Zn
2(OAc)
2]、[L
1Zn
2(OC(O)CF
3)
2]、および[L
1Mg
2(OC(O)CF
3)
2])より選択され、連鎖移動剤が水であり、および金属錯体に対して少なくとも1:1のモル比で存在する。例えば、水は、金属錯体に対して、約1:1から128:1、例えば約2:1から64:1、例えば約4:1から32:1、例えば約8:1から16:1で存在してもよい。
【0103】
上記連鎖移動剤のいずれかのある実施態様において、連鎖移動剤は、金属錯体(触媒(I))に対して、少なくとも1:1のモル比で存在する。例えば、連鎖移動剤は、金属錯体に対して、少なくとも2:1、少なくとも4:1、少なくとも8:1、少なくとも16:1、または少なくとも32:1のモル比で存在する。ある実施態様において、連鎖移動剤は、金属錯体に対して、約1:1から約128:1、約1:1から約100:1(例えば約10:1から約30:1)、約2:1から約64:1、約4:1から約32:1、または約8:1から約16:1のモル比で存在するだろう。ある実施態様において、連鎖移動剤は1:1から9:1のモル比で存在する。好ましくは、連鎖移動剤は、金属錯体に対して、少なくとも2:1のモル比で存在する。
【0104】
ハロゲン化X基は、両末端がヒドロキシル基で終端となっている、ポリカルボナート鎖を製造するために必要とされる、連鎖移動剤の量を減らす。実際、二酸化炭素中、または触媒の生産より残って存在する(例えば、水和金属アセタートが使用されて、第1の形態の有益な触媒を製造した場合)、水不純物は、十分な量の連鎖移動剤(ここで、連鎖移動剤は水)として働き、全てのポリカルボナート鎖がヒドロキシル基で終端となることを保証し得る。過度の連鎖移動剤は、それ故、要求されない。それ故、ある実施態様において、Xは、ハロゲン化基、および連鎖移動剤:金属錯体のモル比は、少なくとも0.1:1、好ましくは少なくとも1:1、より好ましくは0.1:1から9:1、さらにより好ましくは0.1:1から1:1である。好ましくは、Xは、OC(O)R
x、OSO
2R
x、OSO(R
x)
2、OR
x、OSOR
x、ハロホスフィナート、ハロアリール、ハロヘテロアリール、ハロヘテロ脂肪族、ハロ脂環式、ハロヘテロ脂環式、またはハロ脂肪族(より好ましくはOC(O)R
x、OSO
2R
x、OSO(R
x)
2、OR
x、またはハロ脂肪族)であり、ここで、1つ、または両方のR
x基は、ハロ脂肪族、ハロアリール、またはハロ脂環式、より好ましくはハロ脂肪族(例えばフルオロ脂肪族)である。
【0105】
第1の形態の方法は、溶媒の存在下で実行されてもよい。第1の形態において有用な溶媒の例としては、トルエン、ジエチルカルボナート、ジメチルカルボナート、ジオキサン、ジクロロベンゼン、メチレンクロリド、プロピレンカルボナート、エチレンカルボナート、などが挙げられる。
【0106】
連鎖移動剤は、第1の形態の方法により製造される、ポリマーの分子量(M
n)を制御するために使用されてもよい。好ましくは、第1の形態の方法により製造された、ポリマーの分子量(M
n)は、約1,000g/molから約100,000g/molまでである。第1の形態により製造された、ポリマーの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を使用すること、例えば、Polymer Labs製のGPC−60で、Polymer Labs製のMixed B カラムにおいて、流量1mL/minで、THFを溶離液として使用すること、により、測定され得る。狭い分子量のポリスチレン標準品は、機器を校正するために使用され得る。
【0107】
第1の形態の方法は、エポキシド部分を含む任意の化合物を使用して実行されてもよい。第1の形態のある実施態様において、エポキシドは、二酸化炭素との反応前に、精製(例えば蒸留による、例えばカルシウムヒドリドを通る)されてもよい。例えば、エポキシドは、触媒、および連鎖移動剤を含む反応混合物に加えられる前に、蒸留されてもよい。
【0108】
第1の形態の方法のある実施態様において、当該方法は、
(i)式(I)の触媒、およびエポキシドを準備し、
(ii)式(II)の連鎖移動剤をそこへ加え、
(iii)触媒、エポキシド、および連鎖移動剤を二酸化炭素へさらす、
という中間工程を含む。
【0109】
本発明の第1の形態の方法は、1から100気圧、好ましくは1〜10気圧、より好ましくは1〜2気圧の圧力で実行され得る。第1の形態の方法において使用される触媒により、二酸化炭素のエポキシドとの反応を、低圧で実行することが可能となる。
【0110】
本発明の第1の形態の方法は、約0℃から約120℃、好ましくは約50℃から約100℃の温度で実行され得る。方法の持続時間は、168時間以下、好ましくは1〜24時間であり得る。
【0111】
本発明の第1の形態の方法は、低触媒充填で実行されてもよく、例えば、方法のための触媒充填は、好ましくは1:1,000−100,000 触媒:エポキシドの範囲、より好ましくは1:1,000−50,000 触媒:エポキシドの領域、さらにより好ましくは1:1000−10,000、および最も好ましくは1:10,000 触媒:エポキシドの領域である。
【0112】
第1の形態の方法に使用される触媒は、非常に低圧、例えば1気圧のCO
2において作用し得るが、すっと高圧、例えば40気圧のCO
2においてもまた作用することに留意すべきである。第1の形態の方法に対する上記の種々の特徴は、必要な変更を加えて、組み合わせて存在してもよい。
【0113】
本発明の第2の形態は、第1の形態で定義された触媒、および第1の形態で定義された連鎖移動剤を含む、二酸化炭素、および少なくとも1つのエポキシドの共重合のための重合系を提供する。本発明の第1の形態において定義された、連鎖移動剤、および触媒の全ての好ましい特徴は、本発明の第2の形態へ同様に適用する。
【0114】
本発明の第3の形態は、本発明の第1の形態の方法により製造された、製造物を提供する。本発明の第1の形態の全ての好ましい特徴は、必要な変更を加えて、本発明の第3の形態へ適用する。
【0115】
本発明の第4の形態は、式 B−(A)
nのブロック共重合体を提供し、
ここで、Bは、例えば、本発明の第1の形態の方法により製造されたポリカルボナートであり、Aは、Bとは構造が異なっていてもよい、追加ポリマー単位であり、およびnは、少なくとも1の、好ましくは少なくとも2の整数である。ポリカルボナートの構造は、その製造に使用された連鎖移動剤(CTA)によって決まるだろう。例えば、CTAがZ−(W)
n基でnが1である場合、ポリカルボナートは、直線状で、片末端のみがヒドロキシル基で終端するだろう。CTAが水であるかまたはZ−(W)
n基でnが2ある場合、ポリカルボナートは直線状で、各末端がヒドロキシル基で終端するだろう。CTAがZ−(W)
n基でnが3以上である場合、ポリカルボナートの構造は、CTAのZ基に対応するコア部分で、n個のポリカルボナート鎖を有し、そこから広がった各末端はヒドロキシル基であるものを含む(例えば「星型」構造)。これは、これらのポリカルボナートは、式 B−(A)
nの共重合体を製造するための、第2の重合に対するマクロ開始剤として使用され得ることを意味している。ヒドロキシル基は、Aを形成するための、種々の異なるタイプの重合を開始するために使用され得る。例えば、式 B−(A)
nの共重合体を形成するため、例えばラクチド、ラクトン、および他の環状カルボナートのようなモノマーの開環重合(ROP)は、金属アルコキシド(例えば、亜鉛、マグネシウム、イットリウム、ランタニド、チタニウム、ジルコニウム、アルミニウム、スズ(IV)、スズ(II)、鉄(II)、鉄(III)、コバルト(II)、リチウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、ガリウム、インジウム、およびスカンジウムアルコキシド)、または求核試薬(カルベン、任意に置換されたアミン、ホスフィン、リパーゼ酵素、またはアルコール、およびチオ尿素、アルコール、および尿素、並びにブレンステッド酸、およびアルコール)、および、第1の形態の方法により製造された、ヒドロキシル末端ポリカルボナートの存在下で実行され得る。ポリエーテルの重合ブロックを製造するため、エポキシドの開環は、第1の形態の方法により製造された、ヒドロキシル末端ポリカルボナートのヒドロキシル基により開始され得る。ヒドロキシル基によるエポキシドの開環が無水物(例えば、マレイン酸無水物)、またはジ−若しくは多価−カルボン酸の存在下で実行された場合、製造される重合ブロックは、ポリエステルである。
【0116】
ポリエステルはまた、ポリオール(すなわち、2つ以上のヒドロキシル基を有するモノマー、例えばジオール、トリオール、テトラオールなど)を、2つ以上のエステル、カルボン酸、または酸クロリド基を有するモノマー(例えば、ジエステル、二価酸、および二価酸クロリド)へと加えることにより合成され得る。2つ以上のW基を有する(すなわち、nが2以上である)連鎖移動剤から製造されたポリカルボナートは、例えばポリエステル、またはポリウレタンのような、ポリマーの製造において、モノマーとして使用され得る。
【0117】
ある実施態様において、Bは、本発明の第1の形態の方法により製造されたポリカルボナートであり、およびAは、a)nが少なくとも2であるときに(このときAは、Bと同じ、または異なっていてもよい)、本発明の第1の形態の方法により製造されたポリカルボナート、または、b)2つ以上の−OH基を含むモノマーを、2つ以上のエステル、カルボン酸、若しくは酸クロリド基を含むモノマーへと加えることにより製造された、ポリエステルである。他の実施態様において、Bは、本発明の第1の形態の方法により製造された、ポリカルボナートであり、およびAは、a)nが少なくとも2であるときに(このときAは、Bと同じ、または異なっていてもよい)、本発明の第1の形態の方法により製造されたポリカルボナート、または、b)2つ以上の−OH基を含むモノマーを、2つ以上のイソシアナート基を含むモノマーへと加えることにより製造された、ポリウレタンである。
【0118】
ポリマーブロックAが加えられる前に、本発明の第1の形態の方法により製造された、ポリカルボナートのヒドロキシル基は、他の官能基、例えばエステル、カルボン酸、アミンを形成するために、反応され(または「機能化され」)得る。ヒドロキシル基を機能化するために使用される試薬は、当該分野において周知である。
【0119】
ある実施態様において、Bのヒドロキシル基は、ヒドロキシル基をエステル、カルボン酸、またはアミン基へと変換するのに適切な試薬と反応する。次いで、「機能化された」Bと、1つ以上のモノマーの反応によりAが形成される。Bのヒドロキシル基がカルボン酸基へと変換されたとき、Aは、2つ以上のヒドロキシル基を有するモノマー(これは、nが少なくとも2であるとき、本発明の第1の形態のプロセスにより製造された、ポリカルボナートでもよい)を、2つ以上のカルボン酸基(これは、nが少なくとも2であるとき、本発明の第1の形態の方法により製造されたポリカルボナートでもよく、およびここで、ヒドロキシル基は、反応してカルボキシラート基を形成しており、並びにBと同じ、または異なっていてもよい)へ加えることにより形成された、ポリエステルであり得る。
【0120】
当業者はまた理解するであろうことであるが、Bのヒドロキシル基がカルボン酸基へと変換された場合、Aはポリアミドであってもよく、Aは、2つ以上のアミン基を有するモノマー(これは、nが少なくとも2であるとき、本発明の第1の形態のプロセスにより製造された、ポリカルボナートでもよく、およびここで、ヒドロキシル基は、反応してアミン基を形成する)を、2つ以上のカルボン酸基を有するモノマー(これは、nが少なくとも2であるとき、本発明の第1の形態の方法により製造されたポリカルボナートでもよく、およびここで、ヒドロキシル基は、反応してカルボキシラート基を形成しており、並びにBと同じ、または異なっていてもよい)へ加えることにより形成される。
【0121】
Bのヒドロキシル基がアミン基へと変換されたとき、Aは、少なくとも2つのエポキシド基を有するモノマーを、少なくとも2つのアミン基を有するモノマー(これは、nが少なくとも2であるとき、本発明の第1の形態の方法により製造された、ポリカルボナートでもよく、およびここで、ヒドロキシル基は、反応してアミン基を形成しており、並びにBと同じ、または異なっていてもよい)へ加えることにより形成されたエポキシ樹脂であり得る。
【0122】
ある実施態様において、Aは、ラクチド、ラクトン、例えばプロピレンカルボナート、若しくはトリメチレンカルボナートのような環状カルボナート、エポキシド、若しくはこれらの組み合わせ、よりなる群より選択されたモノマーから製造されるか、または、ジ−イソシアネートと2つ以上のヒドロキシル基を含む化合物との組み合わせ;2つ以上のアミン基を含む化合物、2つ以上の酸クロリド基を含む化合物、2つ以上のエステル基を含む化合物、若しくは2つ以上のヒドロキシル基を含む化合物と2つ以上のヒドロキシル基を含む化合物との組み合わせ;エポキシドと、無水物、2つ以上のカルボン酸基を含む化合物、若しくは2つ以上のアミン基を含む化合物との組み合わせ、または、好ましくはB、および二酸化炭素を製造するために使用されたエポキシドとは異なるエポキシドから製造される。好ましくは、二つ以上のヒドロキシル基を有する化合物は、ジオール、トリオール、テトラオール、若しくはポリオール、またはnが少なくとも2であるとき、第1の形態の方法により製造された、ポリカルボナートである。好ましくは、2つ以上のアミン基を有する化合物は、アミン、トリアミン、テトラアミン、またはnが少なくとも2であり、およびヒドロキシル基がアミン基へと機能化されたとき、第1の形態の方法により製造された、ポリカルボナートである。好ましくは、2つ以上のカルボン酸基を有する化合物は、ジ、若しくはポリカルボン酸、またはnが少なくとも2であり、ヒドロキシル基がカルボン酸基へと機能化されたとき、第1の形態の方法により製造された、ポリカルボナートである。好ましくは、2つ以上のエステル基を有する化合物は、ジエステル、トリエステル、テトラエステル、またはnが少なくとも2であり、ヒドロキシル基がエステル基へと機能化されたとき、第1の形態の方法により製造された、ポリカルボナートである。好ましくは、2つ以上の酸クロリド基を有する化合物は、二価酸クロリド、三価酸クロリド、四価酸クロリド、またはnが少なくとも2であり、ヒドロキシル基が酸クロリド基へ機能化されたとき、第1の形態の方法により製造された、ポリカルボナートである。
【0123】
Aは、例えば、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカルボナート、ポリアミド、ポリウレタン、またはこれらの組み合わせの任意の共重合体でもよい。ある実施態様において、B−(A)
nは、式A−B−Aのトリ−ブロック共重合体であり、ここでAは、例えば、ポリカルボナートブロック「B」の末端ヒドロキシル基からの、乳酸の開環により形成された、ポリ(ラクチド)でもよい。
【0124】
あるいは、式B−(A)
nの共重合体を得るために、第1の形態の方法により製造されたヒドロキシル末端ポリカルボナートは、あらかじめ形成された「A」ポリマー単位と結合され得る。例えば、あらかじめ形成された「A」は、ヒドロキシル基と反応することができる基、例えば酸クロリド、酸、エステル、アミド、無水物、カルボン酸、イソシアヌラート、または尿素を有する1つの末端で終端されており、および、そのとき、第1の形態のプロセスにより形成された、ポリカルボナートと反応して、式B−(A)
nの共重合体を製造する。Aの定義は、上記の通りである。例えば、Aは、ヒドロキシル基が機能化されて、エステル、カルボン酸、またはアミン基を形成するとき、第1の形態のプロセスにより製造された、ポリカルボナートでもよい。
【0125】
異なる末端を有するポリカルボナート鎖(例えば、1つのヒドロキシル末端基、および1つのアセタート末端基より終端された鎖、並びにヒドロキシル基を有する両末端により終端された鎖)の混合の場合、そのとき、異なる構造を有するブロック共重合体の混合が製造されるだろう。上記の例において、これは回避される。
【0126】
第1の形態の方法は、全ての末端がカルボキシル基を有して終端する、ポリカルボナートを製造する。式B−(A)
nの共重合体の製造は、ポリカルボナートが合成された後に(すなわち、さらなる精製工程で、両末端がヒドロキシル基で終端していることを確認することなしに)、すぐに実行されることは、当業者によって理解されるであろう。
【0127】
本発明の第1の形態の全ての好ましい特徴は、必要な変更を加えて、本発明の第4の形態へ適用される。
【0128】
本発明の第5の形態は、本発明の第4の形態のブロック共重合体の製造方法を提供する。この方法は、第1の形態の方法によってポリカルボナートを合成する工程、および、
少なくとも1つの追加モノマーと、前記ポリカルボナートを反応させるか、または、
前記ポリカルボナートとは構造の異なる、少なくとも1つの追加ポリマー単位と、前記ポリカルボナートを反応させること、
を含む。好ましい実施態様において、少なくとも1つの追加モノマーと、前記ポリカルボナートを反応させる工程、または前記ポリカルボナートとは構造の異なる、少なくとも1つの追加ポリマー単位と、前記ポリカルボナートを反応させる工程は、第1の形態のプロセスによるポリカルボナートの合成工程の直後に行う。第5の形態の方法は、少なくとも1つの追加モノマーと、前記ポリカルボナートを反応させる工程、または前記ポリカルボナートとは構造の異なる、少なくとも1つの追加ポリマー単位と、前記ポリカルボナートを反応させる工程の前に、Bのヒドロキシル基と、ヒドロキシル基をエステル、カルボン酸、アミン基へと変換するのに適切な試薬の反応工程をさらに含んでもよい。本発明の第1の形態、および第4の形態の全ての好ましい特徴は、必要な変更を加えて、第5の形態へ適応する。特に、追加モノマー、またはポリマー単位の定義は、第4の形態においてAに対して記載した定義と一致していてもよい。
【0129】
少なくとも1つのエポキシド、およびCO
2の共重合に対して有用な触媒の範囲内に含まれる触媒の種類は、国際公開第2009/130470号から知られており、この全内容は、参照により本願に引用される。触媒のさらなる種類も開発された。
【0130】
それ故、本発明の第6の形態によれば、式(III)の触媒が提供される:
【0132】
ここで、R
1、およびR
2は、独立に、水素、ハライド、ニトロ基、ニトリル基、イミン、アミン、エーテル基、シリルエーテル基、若しくはアセチリド基、または置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、脂環式、若しくはヘテロ脂環式である;
R
3は、置換されていてもよいアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、またはシクロアルキレンであり、
ここで、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、およびヘテロアルキニレンは、アリール、ヘテロアリール、脂環式、またはヘテロ脂環式により中断されてもよく;
R
4は、H、または置換されていてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、若しくはアルキルアリールであり;
R
5は、H、または置換されていてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、若しくはアルキルアリールであり;
E
1がCでありE
2がO、S、若しくはNHであるか、または、E
1がNでありE
2がOであり;
各Gは、独立に、存在しないか、または中性、若しくはアニオン性のルイス塩基であるドナー配位子であり;
Mは、Zn(II)、Co(II)、Mn(II)、Mg(II)、Fe(II)、Cr(II)、Ti(II)、Cr(III)−X、Co(III)−X、Mn(III)−X、Fe(III)−X、Ca(II)、Ge(II)、Al(III)−X、Ti(III)−X、V(III)−X、Ge(IV)−(X)
2、またはTi(IV)−(X)
2(好ましくはMg(II)、Ca(II)、またはGe(II))であり;
ここで、両方のGが存在せず、および全てのR
5が水素であるとき、Xは、OC(O)R
Z、OSO(R
Z)
2、OSO
2R
Y、OSOR
T、OR
V、ホスフィナート、ヒドロキシル、カルボナート、ニトラート、または置換されていてもよいアリール、ヘテロアリール、脂環式、若しくはヘテロ脂環式であり;
R
Zは、独立に、水素、または置換されていてもよいC
2−20脂肪族、C
2−20ハロ脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、アルキルアリール、若しくはヘテロアリールであり;
R
Yは、水素、または置換されていてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、若しくはアルキルアリールであり、ただし、R
YはC
7H
7ではなく;および、
R
Vは、置換されていてもよいアリール、ハロアリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂肪族、脂環式、アルキルアリール、またはヘテロ脂環式であり;
R
Tは、水素、または置換されていてもよい脂肪族、ハロ脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、アルキルアリール、若しくはヘテロアリールであり;
ここで、1つ、または両方のGが存在するとき、または1つ以上のR
5が水素ではないとき、Xは、OC(O)R
x、OSO
2R
x、OSO(R
x)
2、OSOR
x、OR
x、ホスフィナート、ハライド、ニトラート、ヒドロキシル、カルボナート、アミド、または置換されていてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、若しくはヘテロアリールであり;および、
R
xは、独立に、水素、または置換されていてもよい脂肪族、ハロ脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、アルキルアリール、若しくはヘテロアリールである。
【0133】
好ましい実施態様において、式(III)の触媒は、下記式を有する:
【0135】
ここで、R
1、およびR
2は、独立に、水素、ハライド、ニトロ基、ニトリル基、イミン、アミン、エーテル基、シリルエーテル基、若しくはアセチリド基、または置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、脂環式、若しくはヘテロ脂環式であり;
R
3は、置換されていてもよいアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、またはヘテロアルキニレンであり、アリール、ヘテロアリール、脂環式、またはヘテロ脂環式、アリーレン、ヘテロアリーレン、またはシクロアルキレンにて中断されてもよく;
R
4は、水素、または置換されていてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、若しくはアルキルアリールであり;
E
1がCでありE
2がO、S、若しくはNHであるか、または、E
1がNでありE
2がOであり;
各Gは、独立に、存在しないか、または中性、若しくはアニオン性のルイス塩基であるドナー配位子であり;
Mは、Zn(II)、Co(II)、Mn(II)、Mg(II)、Fe(II)、Cr(II)、Cr(III)−X、Co(III)−X、Mn(III)−X、Fe(III)−X、Ca(II)、Ge(II)、Al(III)−X、Ti(III)−X、またはV(III)−Xであり;
ここで、両方のGが存在しないとき、Xは、OC(O)R
Z、OSO(R
Z)
2、OSO
2R
Y、ORV、ヒドロキシル、カルボナート、ニトラート、または置換されていてもよいアリール、ヘテロアリール、脂環式、若しくはヘテロ脂環式であり;
R
Zは、独立に、水素、または置換されていてもよいC
2−20脂肪族、C
2−20ハロ脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、アルキルアリール、またはヘテロアリールであり;
R
Yは、水素、または置換されていてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、若しくはアルキルアリールであり、ただし、R
YはC
7H
7ではなく;および、
R
Vは、置換されていてもよいアリール、ハロアリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂肪族、脂環式、アルキルアリール、またはヘテロ脂環式である;
ここで、1つ、または両方のGが存在するとき、Xは、OC(O)R
x、OSO
2R
x、OSO(R
x)
2、OR
x、ハライド、ニトラート、ヒドロキシル、カルボナート、アミド、または置換されていてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、若しくはヘテロアリールであり;および、
R
xは、独立に、水素、または置換されていてもよい脂肪族、ハロ脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、アルキルアリール若しくはヘテロアリールである。
【0136】
第6の形態の好ましい実施態様において、R
1、およびR
2は、同じ、または異なっていてもよい。いくつかの実施態様において、R
1、およびR
2は、独立に、水素、ハライド、ニトロ基、ニトリル基、イミン、アミン、エーテル基、シリルエーテル基、若しくはアセチリド基、または置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、脂環式、若しくはヘテロ脂環式である。他の実施態様において、R
1、およびR
2は、独立に、水素、ハライド、ニトロ基、ニトリル基、イミン、エーテル基、シリルエーテル基、若しくはアセチリド基、または置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アリール、若しくは脂環式より選ばれる。R
1、およびR
2は、好ましくは、独立に、水素、tBu、Me、CF
3、フェニル、F、Cl、Br、I、NMe
2、NEt
2、NO
2、OMe、OSiEt
3、CNMe、CN、またはCCPh、より好ましくは水素、OMe、Me、NO
2、ハロゲン、またはtBu(例えば、水素、またはtBu)より選ばれる。ある実施態様において、R
2は、水素、およびR
1は、上記の基の任意の1つであり、好ましくはNO
2、ハロゲン、tBu、OMe、またはMeであり、より好ましくはtBu、OMe、またはMeである。
【0137】
第6の形態において、R
3は、アリール、ヘテロアリール、脂環式、またはヘテロ脂環式基により中断されてもよい二置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、またはヘテロアルキニル基であるか、、または式(III)の触媒における2つの窒素中心の間で架橋基として働く二置換のアリール、若しくはシクロアルキル基であってもよい。それ故、R
3が、例えば、ジメチルプロピレンのような、アルキレン基のとき、R
3基は、−CH
2−C(CH
3)
2−CH
2−の構造を有する。上記に記載された、アルキル、アリール、シクロアルキルなどの基の定義は、それ故、また、R
3に対して記載された、アルキレン、アリーレン、シクロアルキレンなどの基とそれぞれ関連する。ある実施態様において、R
3は、置換されていてもよいアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、またはシクロアルキレンであり、ここで、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、およびヘテロアルキニレンは、アリール、ヘテロアリール、脂環式、またはヘテロ脂環式により中断されてもよい。他の実施態様において、R
3は、置換されていてもよいアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレン、またはシクロアルキレンであり、ここで、アルキレン、アルケニレン、アルキニレンは、アリール、または脂環式により中断されてもよい。好ましい実施態様においては、R
3は、脂肪族(好ましくはC
1−6アルキル)、またはアリール基により置換されていてもよいプロピレン基である。好ましくは、R
3は、エチレン、2,2−ジメチルプロピレン、プロピレン、ブチレン、フェニレン、シクロへキシレン、またはビフェニレンであり、より好ましくは2,2−ジメチルプロピレンである。R
3がシクロへキシレンのとき、これはラセミ体、RR−、またはSS−型であり得る。
【0138】
R
4は、H、または置換されていてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、若しくはアルキルアリールである。好ましくは、R
4は、独立に、水素、または置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、若しくはヘテロアリールより選ばれる。ある実施態様において、R
4は、独立に、水素、または置換されていてもよい脂肪族、脂環式、アリール、若しくはアルキルアリールより選ばれる。より好ましくは、R
4は、水素である。R
4に対する選択肢の例としては、H、Me、Et、Bn、iPr、tBu、またはPhが挙げられる。R
4 は、好ましくは水素である。
【0139】
R
5は、H、または置換されていてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、若しくはアルキルアリールである。好ましくは、R
5は、独立に、水素、または置換されていてもよい脂肪族、若しくはアリールより選択される。より好ましくは、R
5は、水素、アルキル、またはアリールより選択される。例となるR
5基は、水素、メチル、トリフルオロメチル、エチル、およびフェニル(好ましくは水素、トリフルオロメチル、およびメチル)を含む。特に好ましい実施態様においては、全てのR
5は、水素である。他の特に好ましい実施態様においては、1つ以上のR
5は、水素ではない。
【0140】
ある実施態様において、R
1、R
2、R
3、R
4、およびR
5は、それぞれ独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、カルボナート、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、イミン、ニトリル、アセチリドにより置換された、または非置換の脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、若しくはヘテロアリールである。好ましくは、R
1、R
2、R
3、R
4、およびR
5は、それぞれ独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、カルボナート、アルコキシ、アリールオキシ、イミン、ニトリル、アセチリド、非置換の脂肪族、非置換の脂環式、および非置換のアリールにより置換されていてもよい。
【0141】
ある実施態様においては、E
1がCでありE
2がO、S、若しくはNHであり、好ましくは、E
2は、Oである。他の実施態様において、E
1がNでありE
2がOである。
【0142】
両方のGが存在しないとき、(好ましくは、両方のGが存在せず、および全てのR
5が水素であるとき)、各Xは、独立に、OC(O)R
Z、OSO(R
Z)
2、OSO
2R
Y、OSO
2R
T、OR
V、ホスフィナート、ヒドロキシル、カルボナート、ニトラート、または置換されていてもよいアリール、ヘテロアリール、脂環式 、若しくはヘテロ脂環式より選択される。ある実施態様において、各Xは、独立に、OC(O)R
Z、OSO(R
Z)
2、OSO
2R
Y、OR
V、ヒドロキシル、カルボナート、ニトラート、または置換されていてもよいアリール、ヘテロアリール、脂環式、若しくはヘテロ脂環式より選択される。他の実施態様において、各Xは、独立に、OC(O)R
Z、OSO(R
Z)
2、OSO
2R
Y、OSO
2R
T、OR
V、ホスフィナート、ヒドロキシル、カルボナート、ニトラート、または置換されていてもよいアリール、若しくは脂環式より選択される。R
Zは、独立に、水素、または置換されていてもよいC
2−20脂肪族、C
2−20ハロ脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、アルキルアリール、若しくはヘテロアリールである。R
Yは、水素、または置換されていてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、若しくはアルキルアリールであり、ただし、R
YはC
7H
7ではない。R
Vは、置換されていてもよいアリール、ハロアリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂肪族、脂環式、アルキルアリール、またはヘテロ脂環式である。好ましくは、Xは、OC(O)R
Z、またはOR
Vである。R
Tは、水素、または置換されていてもよい脂肪族、ハロ脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、アルキルアリール、若しくはヘテロアリールである。両方のGが存在しないときに対して、例となるX基としては、ベンゾアート、ペンタフルオロベンゾアート、ピバラート、アダマンチルカルボキシラート、ジフェニルホスフィナート、ジオクチルホスフィナート、ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィナート、ヘキサノアート、オクタノアート、ドデカノアート、ステアラートが挙げられる。
【0143】
好ましくは、R
Zは、置換されていてもよいアリール、ヘテロアリール、脂環式、ヘテロ脂環式、アルキルアリール、C
2−20脂肪族(好ましくはC
4−20脂肪族、より好ましくはC
8−20脂肪族)、C
2−20ハロ脂肪族(好ましくはC
2−20ハロ脂肪族、より好ましくはC
2−20ハロ脂肪族)、またはC
4−20へテロ脂肪族(好ましくはヘテロC
8−20脂肪族)である。ある実施態様において、R
Zは、置換されていてもよいC
2−20脂肪族、C
2−20ハロ脂肪族、脂環式、アリール、およびアルキルアリールより選ばれる。より好ましくは、R
Zは、置換されていてもよいC
4−20脂肪族、C
4−20ハロ脂肪族、脂環式、またはアリール基であり、さらにより好ましくは、非置換のC
4−12脂肪族基、非置換の脂環式基、または1つ以上のハロゲン基(好ましくはフッ素)により置換されていてもよいアリール基である。例となるR
Z基としては、フェニル、ペンタフルオロフェニル、n−ペンタン、n−ヘプタン、n−ウンデカン、n−ヘプタデカン、tert−ブチル、およびアダマンタンが挙げられる。
【0144】
好ましくは、R
Yは、置換されていてもよいアリール、ヘテロアリール、脂環式、ヘテロ脂環式、アルキルアリール、脂肪族(好ましくはC
4−20脂肪族、より好ましくはC
8−20脂肪族)、またはヘテロC
4−20脂肪族 (好ましくはヘテロC
8−20脂肪族)であり、ただし、R
YはC
7H
7ではない。ある実施態様において、R
Yは、水素、置換されていてもよい脂肪族、脂環式、アリール、またはアルキルアリールであり、ただし、R
YはC
7H
7ではない。さらに好ましくは、R
Yは、置換されていてもよいヘテロアリール、脂環式、またはヘテロ脂環式である。ある実施態様において、R
Vは、置換されていてもよいアリール、ハロアリール、脂環式、またはアルキルアリールである。
【0145】
好ましくは、R
Vは、置換されていてもよいアリール、ヘテロアリール、脂環式、ヘテロ脂環式、またはヘテロC
4−20脂肪族(好ましくはヘテロC
8−20脂肪族)であり、より好ましくは置換されていてもよいアリール、ヘテロアリール、脂環式、またはヘテロ脂環式である。好ましい実施態様において、R
Vは、置換されていてもよいアリール、または脂環式である。
【0146】
好ましくは、R
Tは、水素、または置換されていてもよい脂肪族、ハロ脂肪族、脂環式、アリール、若しくはアルキルアリールである。好ましい実施態様においては、R
Tは、水素、または置換されていてもよい脂肪族、アリール、若しくは脂環式である。
【0147】
R
Z、R
Y、R
V、およびR
Tは、ハロゲン、ヒドロキシル、トリル、ニトロ、アミド、アミノ、イミンにより置換された、または非置換のC
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、C
6−10アリール、ヘテロアリール、C
3−6シクロアルキル、C
3−6シクロアルケニル、C
3−6シクロアルキニル、アルコキシ、若しくはアルキルチオである。ある実施態様において、R
Z、R
Y、R
T、およびR
Vは、それぞれ独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、カルボナート、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、イミン、ニトリル、アセチリドにより置換された、または非置換の脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、若しくはヘテロアリールである。好ましい実施態様において、R
Z、R
Y、R
V、およびR
Tは、それぞれ独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、カルボナート、アルコキシ、アリールオキシ、イミン、ニトリル、アセチリド、非置換の脂肪族、非置換の脂環式、および非置換のアリールにより置換されていてもよい。好ましくは、R
Z、R
Y、R
V、およびR
Tは、ハロゲン、より好ましくは、フッ素により置換される。
【0148】
第1の形態において記載したように、Xがハロゲン化基であるとき、ポリカルボナート鎖の両端がヒドロキシル基で終端することを保証するために必要とされる、連鎖移動剤の量は、著しく減少する。それ故、第6の形態の好ましい実施態様において、両方のGが存在しないとき(好ましくは両方のGが存在せず、および全てのR
5が水素であるとき)、Xは、OC(O)R
Z、OSO(R
Z)
2、OSO
2R
Y、OSOR
T、OR
V、ハロホスフィナート、ハロアリール、ハロヘテロアリール、ハロ脂環式、ハロヘテロ脂環式、ハロヘテロ脂肪族、またはハロ脂肪族であり、ここで、R
Z、R
Y、R
V、およびR
Tは、独立に、C
2−20ハロ脂肪族、C
2−20ハロヘテロ脂肪族、ハロアリール、ハロヘテロアリール、ハロヘテロ脂環式、またはハロ脂環式であり、好ましくはC
2−20ハロ脂肪族、またはハロ脂環式であり、より好ましくはC
2−20フルオロ脂肪族である。XがOSO(R
Z)
2であるとき、1つ、または両方のR
Zは、C
2−20ハロ脂肪族、ハロアリール、またはハロ脂環式であり、より好ましくはC
2−20フルオロ脂肪族である。他のある実施態様において、1つ、または両方のGが存在するとき、Xは、好ましくはOC(O)R
x、OSO
2R
x、OSOR
x、OSO(R
x)
2、OR
x、ハロホスフィナート、ハロヘテロ脂肪族、ハロアリール、ハロヘテロアリール、ハロ脂環式、ハロヘテロ脂環式、またはハロ脂肪族(より好ましくは、OC(O)R
x、OSO
2R
x、OSOR
x、OSO(R
x)
2、OR
x、ハロホスフィナート、またはハロ脂肪族)であり、ここで、少なくとも1つのR
xは、ハロ脂肪族、ハロヘテロ脂肪族、ハロアリール、ハロヘテロアリール、ハロヘテロ脂環式、またはハロ脂環式であり、より好ましくはハロ脂肪族、ハロアリール、またはハロ脂環式(例えばフルオロ脂肪族)である。例えば、R
xペンタフルオロフェニル、またはトリフルオロメチルでもよい。
【0149】
他のある実施態様において、1つ以上のR
5が水素ではないとき、Xは、好ましくはOC(O)R
x、OSO
2R
x、OSOR
x、OSO(R
x)
2、OR
x、ハロホスフィナート、ハロヘテロ脂肪族、ハロアリール、ハロヘテロアリール、ハロ脂環式、ハロヘテロ脂環式、またはハロ脂肪族(より好ましくは、OC(O)R
x、OSO
2R
x、OSOR
x、OSO(R
x)
2、OR
x、ハロホスフィナート、またはハロ脂肪族)であり、ここで、少なくとも1つのR
xは、ハロ脂肪族、ハロヘテロ脂肪族、ハロアリール、ハロヘテロアリール、ハロヘテロ脂環式、またはハロ脂環式であり、より好ましくはハロ脂肪族、ハロアリール、またはハロ脂環式(例えばフルオロ脂肪族)である。例えば、R
xは、ペンタフルオロフェニル、またはトリフルオロメチルでもよい。
【0150】
Gが存在するとき、それは孤立電子対を供与できる基である(すなわちルイス塩基)。ある実施態様において、Gは窒素含有のルイス塩基である。各Gは、独立に、中性、または負に帯電していてもよい。Gが負に帯電しているときには、錯体の電荷を相殺するために、1つ以上の正の対イオンが要求される。適切な正の対イオンとしては、1族の金属イオン(Na
+、K
+、など)、2属の金属イオン(Mg
2+、Ca
2+、など)、イミダゾリウムイオン、正に帯電した任意に置換されたヘテロアリール、ヘテロ脂環式 、またはヘテロ脂肪族基、アンモニウムイオン(すなわち、N(R
12)
4+)、イミニウムイオン(すなわち、(R
12)
2C=N(R
12)
2+、例えばビス(トリフェニルホスフィン)イミニウムイオン)、またはホスホニウムイオン(P(R
12)
4+)が挙げられ、ここで、各R
12は、独立に、水素、または置換されていてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、若しくはヘテロアリールより選ばれる。例となる対イオンとしては、[H−B]
+が挙げられ、ここで、Bは、トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデク−7−エン、および7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4,4,0]デク−5−エンより選ばれる。
【0151】
Gは、好ましくは、独立に、置換されていてもよいヘテロ脂肪族基、置換されていてもよいヘテロ脂環式基、置換されていてもよいヘテロアリール基、ハライド、ヒドロキシド、ヒドリド、カルボキシラート、エーテル、チオエーテル、カルベン、ホスフィン、ホスフィンオキシド、アミン、アセトアミド、アセトニトリル、エステル、スルホキシド、スルホナート、および水より選ばれる。より好ましくは、Gは、独立に、水、アルコール、置換または非置換のヘテロアリール(イミダゾール、メチルイミダゾール、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、ピロール、ピラゾール、など)、エーテル(ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、環状エーテル、など)、チオエーテル、カルベン、ホスフィン、ホスフィンオキシド、置換または非置換のヘテロ脂環式(モルホリン、ピペリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、など)、アミン、アルキルアミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン、など)、アセトニトリル、エステル(エチルアセタート、など)、アセトアミド(ジメチルアセトアミド、など)、スルホキシド(ジメチルスルホキシド、など)、カルボキシラート、ヒドロキシド、ヒドリド、ハライド、ニトラート、スルホナー、などより選ばれる。いくつかの実施態様において、1つ、または両方のGは、独立に、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロ脂肪族、任意に置換されたヘテロ脂環式、ハライド、ヒドロキシド、ヒドリド、エーテル、チオエーテル、カルベン、ホスフィン、ホスフィンオキシド、アミン、アルキルアミン、アセトニトリル、エステル、アセトアミド、スルホキシド、カルボキシラート、ニトラート、またはスルホナートより選ばれる。特定の実施態様において、Gは、ハライド;ヒドロキシド;ヒドリド;水;アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、またはニトリルにより置換されていてもよいヘテロアリール、ヘテロ脂環式、またはカルボキシラート基であってもよい。好ましい実施態様において、Gは、独立に、ハライド;水;アルキル(例えば、メチル、エチルなど)、アルケニル、アルキニル、アルコキシ(好ましくはメトキシ)、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、またはニトリルにより置換されていてもよいヘテロアリールより選ばれる。いくつかの実施態様において、1つ、または両方のGは、負に帯電している(例えば、ハライド)。さらなる実施態様において、1つ、または両方のGは、置換されていてもよいヘテロアリールである。例となるG基としては、クロリド、ブロミド、ピリジン、メチルイミダゾール(例えばN−メチルイミダゾール)、およびジメチルアミノピリジン(例えば、4−メチルアミノピリジン)が挙げられる。
【0152】
1つ、または両方のGが存在するとき、各Xは、独立に、OC(O)R
x、OSO
2R
x、OSOR
x、OSO(R
x)
2、OR
x、ホスフィナート、ハライド、ニトラート、ヒドロキシル、カルボナート、アミド、または置換されていてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、若しくはヘテロアリールより選択される。各R
xは、独立に、水素、または置換されていてもよい脂肪族、ハロ脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、アルキルアリール、またはヘテロアリールである。好ましくは、Xは、OC(O)R
x、またはOR
xである。好ましくは、R
xは、水素、置換されていてもよい脂肪族、脂環式、ハロ脂肪族、アルキルアリール、アリール、またはヘテロアリールであり、より好ましくは、R
xは、水素、置換されていてもよい脂肪族、脂環式、ハロ脂肪族、アルキルアリール、またはアリールである。R
1、およびR
2は、独立に、水素、ハライド、ニトロ基、ニトリル基、イミン、アミン、エーテル基、シリルエーテル基、若しくはアセチリド基、または置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、脂環式、またはヘテロ脂環式である。R
3は、置換されていてもよいアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、またはシクロアルキレンであり、ここで、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、およびヘテロアルキニレンは、アリール、ヘテロアリール、脂環式、またはヘテロ脂環式により中断されてもよい。R
4は、H、または置換されていてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、またはアルキルアリールである。好ましくは、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
xは、それぞれ独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、カルボナート、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、イミン、ニトリル、アセチリドにより置換された、または非置換の脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、若しくはヘテロアリールである。少なくとも1つのGが存在するときに対する、例となるX基としては、ベンゾアート、ペンタフルオロベンゾアート、ピバラート、アダマンチルカルボナート、ジフェニルホスフィナート、ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィナート、ヘキサノアート、オクタノアート、ドデカノアート、ステアラート、クロリド、ブロミド、アセタート、およびトリフルオロアセタート(好ましくはクロリド、ブロミド、アセタート、またはトリフルオロアセタート)が挙げられる。
【0153】
1つ以上のR
5が水素ではないとき、各Xは、独立に、OC(O)R
x、OSO
2R
x、OSOR
x、OSO(R
x)
2、OR
x、ホスフィナート、ハライド、ニトラート、ヒドロキシル、カルボナート、アミド、または置換されていてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、若しくはヘテロアリールより選ばれる。各R
xは、独立に、水素、または置換されていてもよい脂肪族、ハロ脂肪族、脂環式、アリール、またはアルキルアリールである。好ましくは、Xは、OC(O)R
x、またはOR
xである。R
1、およびR
2は、独立に、水素、ハライド、ニトロ基、ニトリル基、イミン、エーテル基、シリルエーテル基、若しくはアセチリド基、または置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アリール、若しくは脂環式基である。R
3は、独立に、置換されていてもよいアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレン、またはシクロアルキレンより選ばれ、ここで、アルキレン、アルケニレン、またはアルキニレンは、アリール、または脂環式により中断されてもよい。R
4は、独立に、H、または置換されていてもよい脂肪族、脂環式、アリール、またはアルキルアリールより選ばれる。R
5は。好ましくは、置換されていてもよい脂肪族、脂環式、アリール、またはアルキルアリールである。R
1、R
2、R
3、R
4、およびR
5 は、それぞれ独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、カルボナート、アルコキシ、アリールオキシ、イミン、ニトリル、アセチリド、非置換の脂肪族、非置換の脂環式、および非置換のアリールにより置換されていてもよい。1つ以上のR
5が水素ではないときに対する、例となるX基としては、ベンゾアート、ペンタフルオロベンゾアート、ピバラート、アダマンチルカルボナート、ジフェニルホスフィナート、ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィナート、ヘキサノアート、オクタノアート、ドデカノアート、ステアラート、クロリド、ブロミド、アセタート、およびトリフルオロアセタート(好ましくはクロリド、ブロミド、アセタート、またはトリフルオロアセタート)が挙げられる。
【0154】
G基が存在するとき、G基は、式(III)に示すように1つのM金属中心と会合していてもよく、G基は、両方の金属中心と会合して下記式(IIIb)に示すように2つの金属中心の間を架橋してもよい:
【0156】
ここで、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、M、G、X、E
1、およびE
2は、式(III)に対して定義されたものである。
【0157】
好ましくは、Mは、Zn(II)、Cr(III)、Cr(II)、Co(III)、Co(II)、Mn(III)、Mn(II)、Mg(II)、Fe(II)、Fe(III)、Ca(II)、Ge(II)、Ti(II)、Al(III)、Ti(III)、V(III)、Ge(IV)、またはTi(IV)であり、より好ましくはZn(II)、Cr(III)、Co(II)、Mn(II)、Mg(II)、Fe(II)、またはFe(III)であり、および最も好ましくはZn(II)、またはMg(II)である。MがCr(III)、Co(III)、Mn(III)、またはFe(III)であるとき、式(III)の触媒は、金属中心へ配位した追加X基を含む(ここで、Xは、上記で定義されたものである)。MがGe(IV)、またはTi(IV)であるとき、式(III)の触媒は、金属中心へ配位した2つの追加X基を含む(ここで、Xは上記で定義されたものである)。ある実施態様において、MがGe(IV)、またはTi(IV)であるとき、両方のGは存在しなくてもよい。
【0158】
当業者はまた理解するであろうことであるが、Mは、同じでもよいし(例えば、両方のMは、Mg、Zn、Fe、またはCoでもよい)、または各Mは、異なっていてもよく、任意の組み合わせで存在し得る。(例えば、Fe、およびZn、Co、およびZn、Mg、およびFe、Co、およびFe、Mg、およびCo、Cr、およびMg、Cr、およびZn、Mn、およびMg、Mn、およびZn、Mn、およびFe、Cr、およびFe、Cr、およびCo、Al、およびMg、Al、およびZnなど)。Mが同じ金属であるとき、各Mは、同じ酸化状態(例えば両方のMは、Co(II)、Fe(II)、またはFe(III)でもよい)であってもよいし、異なる酸化状態(例えば、一方のMは、Co(II)でもよく、および他方のMは、Co(III)でもよく、一方のMは、Fe(II)でもよく、他方のMは、Fe(III)でもよく、または一方のMは、Cr(II)でもよく、他方のMは、Cr(III)でもよい)であってもよい。
【0159】
ある実施態様において、MがGe(II)、Ge(IV)−(X)
2、Ca(II)、またはMg(II)であるとき:
R
1、およびR
2は、独立に、水素、ハライド、ニトロ基、ニトリル基、アミン、イミン、エーテル基、シリルエーテル基、若しくはアセチリド基、または置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、脂環式、若しくはヘテロ脂環式基である;
R
3は、独立に、置換されていてもよいアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、またはシクロアルキレンより選ばれ、ここで、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレンは、アリール、ヘテロアリール、脂環式、またはヘテロ脂環式により中断されてもよい;
R
4は、独立に、H、または置換されていてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、若しくはアルキルアリールより選ばれる;
R
5は、H、または置換されていてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、若しくはアルキルアリール(好ましくは水素)である;
E
1がCでありE
2がO、S、若しくはNHであるか、または、E
1がNでありE
2がOであり;
Gは、存在しないか、または、独立に、中性、若しくはアニオン性のルイス塩基であるドナー配位子より選択され;
ここで、両方のGが存在せず、および全てのR
5が水素であるとき、Xは、独立に、OC(O)R
Z、OSO(R
Z)
2、OSO
2R
Y、OSOR
T、OR
V、ホスフィナート、ヒドロキシル、カルボナート、ニトラート、または置換されていてもよいアリール、ヘテロアリール、脂環式、若しくはヘテロ脂環式より選択され;好ましくは、両方のGが存在せず、すべてのR
5が水素であるとき、Xは、独立に、OC(O)R
Z、OSO(R
Z)
2、OSO
2R
Y、OR
V、ヒドロキシル、カルボナート、ニトラート、または置換されていてもよいアリール、ヘテロアリール、脂環式、若しくはヘテロ脂環式より選ばれ;
R
Zは、独立に、水素、または置換されていてもよいC
2−20脂肪族、C
2−20ハロ脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、アルキルアリール、若しくはヘテロアリールであり;
R
Yは、水素、または置換されていてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、またはアルキルアリールであり、ただし、R
YはC
7H
7ではなく;
R
Vは、置換されていてもよいアリール、ハロアリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂肪族、脂環式、アルキルアリール、またはヘテロ脂環式である;
R
Tは、水素、または置換されていてもよい脂肪族、ハロ脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、アルキルアリール、またはヘテロアリールであり;
ここで、1つ、または両方のGが存在する、または1つ以上のR
5が存在しないとき、Xは、独立に、OC(O)R
x、OSO
2R
x、OSOR
x、OSO(R
x)
2、OR
x、ホスフィナート、ハライド、ニトラート、ヒドロキシル、カルボナート、アミド、または置換されていてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、若しくはヘテロアリールより選択され;好ましくは、1つ、若しくは両方のGが存在する、または1つ以上のR
5が水素ではないとき、Xは、独立に、OC(O)R
x、OSO
2R
x、OSO(R
x)
2、OR
x、ハライド、ニトラート、ヒドロキシル、カルボナート、アミド、または置換されていてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、若しくはヘテロアリールより選ばれ;
R
xは、独立に、水素、または置換されていてもよい脂肪族、ハロ脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、アルキルアリール、またはヘテロアリールである。
【0160】
好ましくは、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
x、R
V、R
Y、R
Z、およびR
Tは、それぞれ独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、カルボナート、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、イミン、ニトリル、アセチリドにより置換された、または非置換の脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、若しくはヘテロアリールである。
【0161】
ある実施態様において、Mは、Zn(II)、Cr(III)−X、Cr(II)、Co(III)−X、Co(II)、Mn(III)−X、Mn(II)、Mg(II)、Ti(II)、Fe(II)、Fe(III)−X、Al(III)−X、Ti(III)−X、V(III)−X、またはTi(IV)−(X)
2(好ましくはZn(II)、Fe(II)、Fe(III)−X、Co(II)、またはCo(III)−X、より好ましくはZn(II)、Fe(II)、またはFe(III)−X)であり;
Gは、存在しないか、または、独立に、中性、若しくはアニオン性のルイス塩基であるドナー配位子より選ばれ;
R
5は、H、または置換されていてもよい脂肪族、脂環式、アリール、またはアルキルアリール(好ましくは水素)であり;
E
1がCでありE
2がO、S、若しくはNHであるか、または、E
1がNでありE
2がOである;ここで、
i)両方のGが存在せず、および全てのR
5が水素であるとき、Xは、独立に、OC(O)R
Z、OSO(R
Z)
2、OSO
2R
Y、OSOR
T、OR
V、ホスフィナート、ヒドロキシル、カルボナート、ニトラート、または置換されていてもよいアリール、ヘテロアリール、脂環式、若しくはヘテロ脂環式より選ばれ;好ましくは、両方のGが存在せず、および全てのR
5が水素であるとき、Xは、独立に、OC(O)R
Z、OSO(R
Z)
2、OSO
2R
Y、OR
V、ヒドロキシル、カルボナート、ニトラート、または置換されていてもよいアリール、ヘテロアリール、脂環式、若しくはヘテロ脂環式より選択され;
R
1、およびR
2は、独立に、水素、ハライド、ニトロ基、ニトリル基、イミン、エーテル基、シリルエーテル基、若しくはアセチリド基、または置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アリール、若しくは脂環式基であり;
R
3は、独立に、置換されていてもよいアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレン またはシクロアルキレンより選択され、ここで、アルキレン、アルケニレン、またはアルキニレンは、アリールまたは脂環式により中断されてもよく;
R
4は、独立に、H、または置換されていてもよい脂肪族、脂環式、アリール、またはアルキルアリールより選ばれ;
R
Zは、独立に、水素、または置換されていてもよいC
2−20脂肪族、C
2−20ハロ脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、アルキルアリール、またはヘテロアリールであり;
R
Yは、水素、または置換されていてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、若しくはアルキルアリールであり、ただし、R
YはC
7H
7ではなく;
R
Vは、置換されていてもよいアリール、ハロアリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂肪族、脂環式、アルキルアリール、またはヘテロ脂環式であり;
R
Tは、水素、または置換されていてもよい脂肪族、ハロ脂肪族、脂環式、アリール、若しくはアルキルアリールであり;
R
1、R
2、R
3、およびR
4は、それぞれ独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、カルボナート、アルコキシ、アリールオキシ、イミン、ニトリル、アセチリド、非置換の脂肪族、非置換の脂環式、および非置換のアリールにより任意に置換されていてもよく;および、
R
V、R
Y、R
Z、およびR
Tは、それぞれ独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、カルボナート、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、イミン、ニトリル、アセチリドにより置換された、または非置換の脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、若しくはヘテロアリールであり;
ii)1つ、または両方のGが存在するとき、Xは、独立に、OC(O)R
x、OSO
2R
x、OSOR
x、OSO(R
x)
2、OR
x、ホスフィナート、ハライド、ニトラート、ヒドロキシル、カルボナート、アミド、または置換されていてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、若しくはヘテロアリールより選ばれ;
R
xは、独立に、水素、または置換されていてもよい脂肪族、ハロ脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、アルキルアリール、若しくはヘテロアリールであり;
R
1、およびR
2は、独立に、水素、ハライド、ニトロ基、ニトリル基、イミン、アミン、エーテル基、シリルエーテル基、若しくはアセチリド基、または置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、脂環式、若しくはヘテロ脂環式であり;
R
3は、置換されていてもよいアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、またはシクロアルキレンであり、ここで、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、およびヘテロアルキニレンは、アリール、ヘテロアリール、脂環式、またはヘテロ脂環式により中断されてもよく;
R
4は、H、または置換されていてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、若しくはアルキルアリールであり;および、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
xは、それぞれ独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、カルボナート、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、イミン、ニトリル、アセチリドにより置換された、または非置換の脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、若しくはヘテロアリールであり;または、
iii)1つ以上のR
5が水素ではないとき、Xは、独立に、OC(O)R
x、OSO
2R
x、OSOR
x、OSO(R
x)
2、OR
x、ホスフィナート、ハライド、ニトラート、ヒドロキシル、カルボナート、アミド、または置換されていてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、若しくはヘテロアリールより選ばれ;
R
xは、独立に、水素、または置換されていてもよい脂肪族、ハロ脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、アルキルアリール、若しくはヘテロアリールであり;
R
1、およびR
2は、独立に、水素、ハライド、ニトロ基、ニトリル基、イミン、エーテル基、シリルエーテル基、若しくはアセチリド基、または置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アリール、若しくは脂環式基であり;
R
3は、独立に、置換されていてもよいアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレンまたはシクロアルキレンより選ばれ、ここで、アルキレン、アルケニレン、またはアルキニレンは、アリール、または脂環式より中断されてもよく;
R
4は、独立に、H、または置換されていてもよい脂肪族、脂環式、アリール、若しくはアルキルアリールより選択され;
R
1、R
2、R
3、R
4、およびR
5は、それぞれ独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、カルボナート、アルコキシ、アリールオキシ、イミン、ニトリル、アセチリド、非置換の脂肪族、非置換の脂環式、および非置換のアリールにより置換されていてもよく;および、
R
xは、独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、カルボナート、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、イミン、ニトリル、アセチリドにより置換された、または非置換の脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、若しくはヘテロアリールである。
【0162】
特定の実施態様において、Mは、Ge(II)、GE(IV)−(X)
2、Ca(II)、またはMg(II)である;
Gは、存在しないか、または、独立に、中性、若しくはアニオン性のルイス塩基であるドナー配位子より選ばれ;
R
5は、H、または置換されていてもよい脂肪族、脂環式、アリール、またはアルキルアリール(好ましくは水素)であり;
E
1がCでありE
2がO、S、若しくはNHであるか、または、E
1がNでありE
2がOであり;ここで、
i)両方のGが存在せず、および全てのR
5が水素であるとき、Xは、独立に、OC(O)R
Z、OSO(R
Z)
2、OSO
2R
Y、OSOR
T、OR
V、ホスフィナート、ヒドロキシル、カルボナート、ニトラート、または置換されていてもよいアリール、ヘテロアリール、脂環式、若しくはヘテロ脂環より選ばれ; 好ましくは、両方のGが存在せず、および全てのR
5が水素であるとき、Xは、独立に、OC(O)R
Z、OSO(R
Z)
2、OSO
2R
Y、OR
V、ヒドロキシル、カルボナート、ニトラート、または置換されていてもよいアリール、ヘテロアリール、脂環式、若しくはヘテロ脂環式より選ばれ;
R
1、およびR
2は、独立に、水素、ハライド、ニトロ基、ニトリル基、イミン、エーテル基、シリルエーテル基、若しくはアセチリド基、または置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アリール、若しくは脂環式基であり;
R
3は、独立に、置換されていてもよいアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレン、またはシクロアルキレンより選ばれ、ここで、アルキレン、アルケニレン、またはアルキニレンは、アリール、または脂環式により中断されてもよく;
R
4は、独立に、H、または置換されていてもよい脂肪族、脂環式、アリール、若しくはアルキルアリールより選ばれ;
R
Zは、独立に、水素、または置換されていてもよいC
2−20脂肪族、C
2−20ハロ脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、アルキルアリール、若しくはヘテロアリールであり;
R
Yは、水素、または置換されていてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、若しくはアルキルアリールであり、ただし、R
YはC
7H
7ではなく;
R
Vは、置換されていてもよいアリール、ハロアリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂肪族、脂環式、アルキルアリール、またはヘテロ脂環式であり;
R
Tは、水素、または置換されていてもよい脂肪族、ハロ脂肪族、脂環式、アリール、若しくはアルキルアリールであり;
R
1、R
2、R
3、およびR
4は、それぞれ独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、カルボナート、アルコキシ、アリールオキシ、イミン、ニトリル、アセチリド、非置換の脂肪族、非置換の脂環式、および非置換のアリールにより置換されていてもよく;および、
R
V、R
Y、R
Z、およびR
Tは、それぞれ独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、カルボナート、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、イミン、ニトリル、アセチリドにより置換された、または非置換の脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、若しくはヘテロアリールである;
ii)1つ、または両方のGが存在するとき、Xは、独立に、OC(O)R
x、OSO
2R
x、OSOR
x、OSO(R
x)
2、OR
x、ホスフィナート、ハライド、ニトラート、ヒドロキシル、カルボナート、アミド、または置換されていてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、若しくはヘテロアリールより選ばれ;
R
xは、独立に、水素、または置換されていてもよい脂肪族、ハロ脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、アルキルアリール、若しくはヘテロアリールであり;
R
1、およびR
2は、独立に、水素、ハライド、ニトロ基、ニトリル基、イミン、アミン、エーテル基、シリルエーテル基、若しくはアセチリド基、または置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、脂環式、若しくはヘテロ脂環式であり;
R
3、置換されていてもよいアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、またはシクロアルキレンであり、
ここでアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、およびヘテロアルキニレンは、アリール、ヘテロアリール、脂環式、またはヘテロ脂環式により中断されてもよく;
R
4は、H、または置換されていてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、若しくはアルキルアリールであり;および、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
xは、それぞれ独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、カルボナート、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、イミン、ニトリル、アセチリドにより置換された、または非置換の脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、若しくはヘテロアリールである;または、
iii)1つ以上のR
5が水素ではないとき、Xは、独立に、OC(O)R
x、OSO
2R
x、OSOR
x、OSO(R
x)
2、OR
x、ホスフィナート、ハライド、ニトラート、ヒドロキシル、カルボナート、アミド、または置換されていてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、若しくはヘテロアリールより選ばれ;
R
xは、独立に、水素、または置換されていてもよい脂肪族、ハロ脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、アルキルアリール、若しくはヘテロアリールであり;
R
1、およびR
2は、独立に、水素、ハライド、ニトロ基、ニトリル基、イミン、エーテル基、シリルエーテル基、若しくはアセチリド基、または置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アリール、若しくは脂環式基であり;
R
3は、独立に、置換されていてもよいアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレン、またはシクロアルキレンより選ばれ、ここで、アルキレン、アルケニレン、またはアルキニレンは、アリール、または脂環式により中断されてもよく;
R
4は、独立に、H、または置換されていてもよい脂肪族、脂環式、アリール、若しくはアルキルアリールより選ばれ;
R
1、R
2、R
3、R
4、およびR
5は、それぞれ独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、カルボナート、アルコキシ、アリールオキシ、イミン、ニトリル、アセチリド、非置換の脂肪族、非置換の脂環式、および非置換のアリールにより置換されていてもよく;および、
R
xは、独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、カルボナート、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、イミン、ニトリル、アセチリドにより置換された、または非置換の脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、若しくはヘテロアリールである。
【0163】
他の実施態様において、Mは、独立に、Mg(II)、Zn(II)、Ca(II)、Ge(II)、Co(II)、Mn(II)、Ti(II)、Fe(II)、Cr(II)、Cr(III)−X、Co(III)−X、Mn(III)−X、Fe(III)−X、Al(III)−X、Ti(III)−X、V(III)−X、Ge(IV)−(X)
2、またはTi(IV)−(X)
2より選ばれ、
R
1、およびR
2は、独立に、水素、ハライド、ニトロ基、ニトリル基、イミン、エーテル基、シリルエーテル基、若しくはアセチリド基、または置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アリール、若しくは脂環式基であり;
R
3は、独立に、置換されていてもよいアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレン、またはシクロアルキレンより選ばれ、ここで、アルキレン、アルケニレン、またはアルキニレンは、アリール、または脂環式により中断されてもよく;
R
4は、独立に、H、または置換されていてもよい脂肪族、脂環式、アリール、若しくはアルキルアリールより選ばれ;
R
5はH、または置換されていてもよい脂肪族、脂環式、アリール、若しくはアルキルアリールであり;
E
1がCでありE
2がO、S、若しくはNHであるか、または、E
1がNでありE
2がOであり;
Gは、存在しないか、または、独立に、中性、若しくはアニオン性のルイス塩基であるドナー配位子より選ばれ;
Xは、独立に、OC(O)R
Z、OSO(R
Z)
2、OSO
2R
Y、OSOR
T、OR
V、ホスフィナート、ヒドロキシル、カルボナート、ニトラート、または置換されていてもよいアリール、ヘテロアリール、脂環式、若しくはヘテロ脂環式より選択され;
R
Zは、独立に、水素、または置換されていてもよいC
2−20脂肪族、C
2−20ハロ脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、アルキルアリール、若しくはヘテロアリールであり;
R
Yは、水素、または置換されていてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、若しくはアルキルアリールであり、ただし、R
YはC
7H
7ではなく;
R
Vは、置換されていてもよいアリール、ハロアリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂肪族、脂環式、アルキルアリール、またはヘテロ脂環式であり;
R
Tは、水素、または置換されていてもよい脂肪族、ハロ脂肪族、脂環式、アリール、若しくはアルキルアリールであり;
R
1、R
2、R
3、R
4、およびR
5は、それぞれ独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、カルボナート、アルコキシ、アリールオキシ、イミン、ニトリル、アセチリド、非置換の脂肪族、非置換の脂環式、および非置換のアリールより置換されていてもよく;および、
R
V、R
Y、R
Z、およびR
Tは、それぞれ独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、カルボナート、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、イミン、ニトリル、アセチリドにより置換された、または非置換の脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、若しくはヘテロアリールである。
【0164】
好ましい実施態様において、MはMg(II)であり、1つ、若しくは両方のG基が存在し、または両方のGが存在しない、および1つ以上のR
5が水素ではなく、Gは、置換されていてもよいヘテロアリールであり、Xは、ハロゲン、ホスフィナート、またはOC(O)R
xであり、R
xは、置換されていてもよいアリール、脂環式、または脂肪族(好ましくはC
1−6アルキル、またはC
1−6ハロアルキル)であり、R
1は、水素、またはC
1−6アルキルであり、R
2は、水素であり、R
3は、C
1−6アルキル、またはアリールにより置換されていてもよいアルキレンであり、R
4は、水素であり、R
5は、独立に、水素、または置換されていてもよいC
1−20脂肪族(好ましくはメチル、またはトリフルオロメチル)であり、E
1はCであり、E
2はOである。好ましくは、Gは、アミン(好ましくはジメチルアミン)、またはC
1−6アルキル(好ましくはメチル)により置換されていてもよいヘテロアリールであり、より好ましくは、Gは、ピリジン、N−メチルイミダゾール、または4−ジメチルアミノピリジンである。
【0165】
より好ましくは、MはMg(II)であり、1つ、若しくは両方のG基が存在し、または両方のGが存在しない、および1つ以上のR
5が水素ではなく、Xは、塩素、臭素、ヨウ素、ホスフィナート、またはOC(O)R
xであり、R
xは、置換されていてもよいC
1−20脂肪族、C
1−20脂環式、またはアリールであり、R
1は、水素、またはtert−ブチルであり、R
2は、水素であり、R
3は、プロピレン、または2,2−ジメチルプロピレンであり、R
5は、水素、またはメチルであり、E
1はCであり、E
2はOである。特に好ましい実施態様において、Xは、アセタート、トリフルオロアセタート、ピバラート、ベンゾアート、ペンタフルオロベンゾアート、クロリド、ブロミド、ヘキサノアート、オクタノアート、ドデカノアート、アダマンチルカルボキシラート、ジフェニルホスフィナート、またはビス(4−メトキシ)フェニルホスフィナート(好ましくはアセタート)である。
【0166】
好ましい実施態様において、Mは、Zn(II)であり、両方のG基が存在せず、Xは、ホスフィナート、またはOC(O)R
Zであり、R
Zは、置換されていてもよいC
4−20脂肪族、C
4−20脂環式、またはアリールであり、R
1は、水素、またはC
1−6アルキルであり、R
2は、水素であり、R
3は、C
1−6アルキル、またはアリールにより置換されていてもよいアルキレンであり、R
4は、水素であり、R
5は、水素、または置換されていてもよいC
1−20脂肪族(好ましくはトリフルオロメチル、またはメチル)であり、E
1はCであり、E
2はOである。より好ましくは、Mは、Zn(II)であり、両方のG基が存在せず、Xは、ベンゾアート、ペンタフルオロベンゾアート、ヘキサノアート、オクタノアート、ステアラート、ドデカノアート、アダマンチルカルボキシラート、ジフェニルホスフィナート、ビス(4−メトキシ)フェニルホスフィナート、ジオクタニルホスフィナート、またはピバラートであり、R
1は、水素、またはtert−ブチルであり、R
2は、水素であり、R
3は、プロピレン、または2,2−ジメチルプロピレンであり、R
4は、水素であり、R
5は、水素であり、E
1はCであり、E
2はOである。
【0167】
好ましい実施態様において、Mは、Zn(II)であり、1つ、または両方のG基は存在し、並びに置換されていてもよいヘテロアリール、およびハロゲンより選ばれ、Xは、塩素、臭素、ヨウ素、ホスフィナート、またはOC(O)R
xであり、R
xは、置換されていてもよいC
1−20脂肪族、C
1−20脂環式、またはアリールであり、R
1は、水素、またはtert−ブチルであり、R
2は、水素であり、R
3は、プロピレン、または2,2−ジメチルプロピレンであり、R
5は、水素、または、独立に、置換されていてもよいC
1−20脂肪族(好ましくはメチル、またはトリフルオロメチル)であり、E
1はCであり、E
2はOである。特に好ましい実施態様において、Xは、アセタート、トリフルオロアセタート、ピバラート、ベンゾアート、ペンタフルオロベンゾアート、クロリド、ブロミド、ヘキサノアート、オクタノアート、ドデカノアート、アダマンチルカルボキシラート、ジフェニルホスフィナート、またはビス(4−メトキシ)フェニルホスフィナート(好ましくはアセタート)である。Gがハロゲンのときには、対イオンが存在しなければならない。好ましくは、対イオンは、[H−B]
+であり、ここで、Bは、好ましくはNEt
3、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデク−7−エン(DBU)、および7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4,4,0]デク−5−エン(MTBD)より選ばれる。
【0168】
好ましい実施態様において、MがCo(II)であるとき、1つ、または両方のG基が存在し、および置換されていてもよいヘテロアリール、およびハロゲンより選ばれ、Xは、ハロゲン、またはOC(O)R
xであり、R
xは、置換されていてもよいC
1−20脂肪族、C
1−20脂環式、またはアリールであり、R
1は、水素、またはC
1−6アルキルであり、R
2は、水素であり、R
3は、C
1−6アルキル、またはアリールにより置換されていてもよいアルキレンであり、R
4は、水素であり、R
5は、水素、または置換されていてもよいC
1−20脂肪族(好ましくはトリフルオロメチル、またはメチル)であり、E
1はCであり、E
2はOである。好ましい実施態様において、Gは、C
1−6アルキル(好ましくはメチル)、またはアミン(好ましくはジメチルアミン)により置換されていてもよいヘテロアリールである。より好ましくは、Mは、Co(II)であり、1つ、または両方のGが存在し、およびピリジン、ジメチルアミノピリジン(好ましくは4−ジメチルアミノピリジン)、メチルイミダゾール(好ましくはN−メチルイミダゾール)、塩素、臭素、またはヨウ素であり、Xは、塩素、臭素、またはヨウ素(好ましくは塩素、または臭素)であり、R
1は、水素、またはtert−ブチルであり、R
3は、プロピレン、または2,2−ジメチルプロピレンであり、R
4は、水素であり、R
5は、水素、トリフルオロメチル、またはメチルであり、 E
1はCであり、E
2はOである。Gがハロゲンのときには、対イオンが存在しなければならない。好ましくは、対イオンは、[H−B]
+であり、ここで、Bは、好ましくはNEt
3、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデク−7−エン(DBU)、および7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4,4,0]デク−5−エン(MTBD)より選ばれる。
【0169】
好ましい実施態様において、Mは、Fe(II)、またはFe(III)−Xであり、1つ、または両方のG基が存在し、および置換されていてもよいヘテロアリール、およびハロゲンより選択され、Xは、ハロゲン、またはOC(O)R
xであり、R
xは、置換されていてもよいC
1−20脂肪族、C
1−20脂環式、またはアリールであり、R
1は、水素、またはC
1−6アルキルであり、R
2は、水素であり、R
3は、C
1−6アルキル、またはアリールにより置換されていてもよいアルキレンであり、R
4は、水素であり、R
5は、水素、または置換されていてもよいC
1−20脂肪族(好ましくはトリフルオロメチル、またはメチル)であり、E
1はCであり、E
2はOである。特に好ましい実施態様において、Gは、C
1−6アルキル(好ましくはメチル)、またはアミン(好ましくは ジメチルアミン)により置換されていてもよいヘテロアリールである。より好ましくは、MがFe(II)、またはFe(III)−Xであるとき、1つ、または両方のGが存在し、およびピリジン、ジメチルアミノピリジン(好ましくは4−ジメチルアミノピリジン)、メチルイミダゾール(好ましくはN−メチルイミダゾール)、塩素、臭素、またはヨウ素(好ましくは塩素、または臭素)であり、Xは、塩素、臭素、またはヨウ素(好ましくは塩素、または臭素)であり、R
1は、水素、またはtert−ブチルであり、R
3は、プロピレン、または2,2−ジメチルプロピレンであり、R
4は、水素であり、R
5は、水素であり、E
1はCであり、E
2はOである。Gがハロゲンであるときには、対イオンが存在しなければならない。適切な対イオンは、上記出願に記載されている。
【0170】
第6の形態による例となる触媒は、下記を含む:
[L
1Mg
2Cl
2(メチルイミダゾール)]、
[L
1Mg
2Cl
2(ジメチルアミノピリジン)]、
[L
1Mg
2Br
2(ジメチルアミノピリジン)]、
[L
1Zn
2(OOCC(CH
3)
3)
2]、
[L
1Zn
2(OC6H5)
2]、
[L
1Zn
2(ペンタフルオロベンゾアート)
2]、
[L
1Zn
2(アダマンチルカルボキシラート)
2]、
[L
1Zn
2(ジフェニルホスフィナート)
2]、
[L
1Zn
2(ビス(4−メトキシ)フェニルホスフィナート)
2]、
[L
4Mg
2(OAc)
2]、
[L
1Zn
2(ヘキサノアート)
2]、
[L
1Zn
2(オクタノアート)
2]、
[L
1Zn
2(ドデカノアート)
2]、および、
【0172】
第6の形態の触媒は、好ましくは上記の式(III)の触媒であり、前記触媒は、[Co
2L
1Cl
2(CH
3OH)
2]・H
2O、[Co
2L
1Br
2(CH
3OH)
2]・H
2O、[Mn
2L
1Cl
2(CH
3OH)
2]・H
2O、[Mn
2L
1Br
2(CH
3OH)
2]・H
2O、[Co
IICo
IIIL
1Cl
2Br(CH
3OH)]・0.5CH
2Cl
2、[Mn
IIMn
IIIL
1Cl
2Br(CH
3OH)]、[Fe
IIIZn
IIL
1(μ−OAc)(OAc)(H
2O)](ClO
4)・H
2O、[Fe
IIICo
IIL
1(μ−OAc)(OAc)(H
2O)]ClO
4・2H
2O、または[Fe
IIIMn
IIL
1(μ−OAc)(OAc)(H
2O)](ClO
4)・2H
2Oではない。
【0173】
当然のことながら、第6の形態の触媒に対する上記の種々の特徴は、必要な変更を加えて、組み合わせて存在してもよい。本発明の第6の形態の全ての好ましい特徴は、本発明の第1の形態へ、必要な変更を加えて適用する。
【0174】
本発明のさらなる形態によれば、ポリカルボナートの合成方法が提供され、当該方法は、本発明の第6の形態について定義された式(III)の触媒、および本発明に第1の形態について定義された連鎖移動剤の存在下で、二酸化炭素と少なくとも1つのエポキシドとを反応させる工程を含む。本発明の第1の形態の方法の特徴は、必要な変更を加えて、当該形態へ同様に適応される。
【0175】
本発明は、種々の方法にて実行されてもよく、複数の特定の実施態様は、以下の限定されない例に記載されるだろう。
【実施例】
【0176】
実施例1:触媒の合成
材料、および方法
以下の例にて使用される配位子H
2L
1は、以下の構造を有する:
【0177】
【化13】
【0178】
配位子H
2L
1は、国際公開第2009/130470号の記載のように用意されてもよく、この全内容は、参照により本願に引用される。
【0179】
[L
1Mg
2X
2(G)]の合成のための基本手順
H
2L
1(0.20g、0.36mmol)を、THF(10mL)へ溶解し、KH(0.44g、1.1mmol)を含むシュレンク管へと移し、窒素下、−78℃まで冷却した。懸濁液を室温まで昇温させ、1時間攪拌したままとした。余分なKHは濾過し、求核試薬基G(0.36mmol)を溶液へ加え、5分間攪拌したままとし、その後、MgX
2(0.72mmol)をゆっくりと加えた。遠心分離により溶液を濾過し、溶媒を真空下で除去する前に、反応物を16時間攪拌した。
【0180】
[L
1Mg
2Cl
2(メチルイミダゾール)] (0.21 g, 0.28 mmol, 77 %) Anal. Calc. for C
38H
60Cl
2Mg
2N
6O
2: C, 60.66; H, 8.04; N, 11.17. Found: C, 60.57; H,8.12; N, 11.03.
1H NMR (
図2) (400 MHz, CDCl
3) δ 8.60 (s, 1H, MeIm), 7.07 (s, 1H, MeIm), 6.88 (br s, 5H, Ar−H + MeIm), 5.03 (s, 2H, NH), 4.08 (s, 2H, NH), 3.65 (s, 3H, MeIm), 3.39−1.76 (M, 16H, CH
2), 1.22 (s, 24H, Ar−C−CH
3 + N−C−CH
3), 0.99 (s, 6H, C−CH
3).
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ: 159.1, 142.7, 137.3, 127.7, 126.3, 125.2, 120.3, 62.9, 55.6, 34.3, 34.1, 33.4, 31.6, 28.2, 21.0. M/z (LSIMS) = 756 (100 %, [M − Cl − メチルイミダゾール]
+).。
【0181】
[L
1Mg
2Cl
2(ジメチルアミノピリジン)] (0.2 g, 0.26 mmol, 72 %).
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.59 (d, J = 6.7, 2H, DMAP), 6.85 (s, 4H, Ar−H), 6.55 (d, J = 6.9, 2H, DMAP), 4.53 (br s, 4H, NH), 3.06 (d, J = 12.0, 4H, N−CH
2), 2.94 (s, 10H, N−CH
3 + N−CH
2), 2.74 (s, 4H, C−CH
2), 2.19 (s, 4H, C−CH
2), 1.27 (d, J = 10.6, 6H, C−CH
3), 1.22 (s, 18H, Ar−C−CH
3), 1.00 (s, 6H, C−CH
3).
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ: 159.0, 154.6, 149.9, 137.2, 127.7, 125.1, 107.1, 62.9, 55.6, 39.0, 34.5, 33.4, 31.6, 28.2, 21.2. M/z (LSIMS) = 756 (100 %, [M − Cl − ジメチルアミノピリジン]
+).。
【0182】
[L
1Mg
2Br
2(ジメチルアミノピリジン)] (0.27 g, 0.3 mmol, 84 %) Anal. Calc. for C
41H
64Br
2Mg
2N
6O
2: C, 55.87; H, 7.32; N, 9.53. Found: C, 55.78; H, 7.34; N, 9.48.
1H NMR (
図3) (400 MHz, CD
3CN) δ 8.29 (s, 2H, DMAP), 7.05 (s, 4H, Ar−H), 6.61 (d, J = 6.5, 2H, DMAP), 4.38 (s, 4H, NH), 3.20 (d, J = 12.2, 4H, CH
2), 3.00 (s, 6H, N−CH
3), 2.94−2.55 (M, 8H, CH
2), 2.24 (s, 4H, C−CH
2), 1.28 (s, 18H, Ar−C−CH
3), 1.20 (s, 6H, C−CH
3), 0.98 (s, 6H, C−CH
3).
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ: 158.9, 149.5, 137.6, 128.1, 124.9, 124.4, 106.7, 62.3, 55.0, 38.3, 33.9, 33.2, 30.9, 27.3, 20.9. M/z (LSIMS) = 678 (100 %, [M − Br − ジメチルアミノピリジン]
+).。
【0183】
[L
1Zn
2(F
3CCOO)
2]の合成
H
2L
1(0.25g,0.45mmol)メタノール(20mL)へ溶解し、Zn(CF
3COO)
2(0.26 g,0.90mmol)を加えた。混合物を18時間攪拌し、メタノールを減圧中で除去した。製造物をジクロロメタン中へ入れ、濾過し、溶媒を真空下で除去した。製造物、白い粉は、五酸化二リンの存在下、真空オーブン中で一晩乾燥した。
【0184】
[L
1Zn
2(CF
3COO)
2] (白い粉; 0.30 g, 72 %): Found: C, 50.2; H, 6.1; N, 6.1. Calc. for C
38H
54F
6N
4O
6Zn
2: C, 50.3; H, 6.0; N, 6.2. ν
max\cm
−1 3204 (N−H), 1673 (C=O). (
図4) δ
H (400 MHz, CDCl
3) 主な異性体: 6.98 (s, 4H, Ar−H), 4.15−4.37 (br s, 4H, NH), 3.25 (d, J = 11.2 Hz, 4H, N−CH
2−Ar), 3.00 (br s, 4H, N−CH
2−Ar), 2.71 (d, J = 11.5 Hz, 4H, N−CH
2−C), 2.37 (br s, 4H, N−CH
2−C), 1.26 (s, 18H, Ar−CH
3) 1.19 (s, 6H N−C−CH
3), 1.05 (s, 6H N−C−CH
3) δ
C (400 MHz, CDCl
3) 161.69, 136.91, 127.79, 122.81, 114.69, 62.93, 55.84, 33.86, 33.52, 31.54, 28.36, 20.72. δ
F (400 MHz; d
4−メタノール) −78.13 (s). M/z (FAB) 793 ([M −OAc]
+, 100%).。
【0185】
[L
1Zn
2(OOCC(CH
3)
3)
2]の合成
グローブボックス中のバイアル瓶中において、KH(58mg,1.45mmol)を、冷却したTHF(10mL)中の配位子H
2L
1(200mg,0.36mmol)の溶液へと、少しずつ加えた。4時間の攪拌後、反応混合物を遠心分離し、それから[Zn(OOCC(CH
3)
3)
2](194mg,0.72mmol)を無色溶液へと加え、すぐに濁った白い混合物を製造し、室温にて20時間攪拌したままとした。THFを真空下で除去し、それから10mLのDCMを加えた。遠心分離によりカリウムカルボン酸塩を除去し、最後にヘキサン(3×5mL)を用いて白い固体残留物を洗浄し、それから真空下で20時間乾燥した。
【0186】
[L
1Zn
2(OOCC(CH
3)
3)
2] (白い粉, 300 mg, 0.46 mmol, 94 %). M/z (LSIMS) (
図5) :78.1 ([M − OOCC(CH3)3]
+, 100%). ). δ
H (400 MHz, CDCl
3) 6.88 − 6.97 (M, 4H, Ar−H), 2.46−4.59 (M, 20H, N−CH
2−Ar、およびN−H), 0.53−1.37 (M, 48H, Ar−CH
3) ppm. Anal. Calcd for C
44H
72Zn
2N
4O
6: C, 59.79; H, 8.21; N, 6.34. Found: C, 59.68; H, 8.15; N, 6.35.。
【0187】
[L
1Zn
2(OC
6H
5)
2]の合成
グローブボックス中のバイアル瓶中において、[Zn(OC
6H
5)(C
2H
5)](136mg,0.72 mmol)を、冷却したTHF(10mL)中の配位子H
2L
1(200mg,0.36mmol)の溶液へと、少しずつ加え、すぐに濁った白い沈殿物を製造し、反応混合物を室温にて20時間攪拌したままとした。沈殿物を遠心分離し、10mLのDCMで希釈した。濁った溶液を遠心分離し、DCMを真空下で乾燥した。ヘキサン(3×5mL)を用いて白い固体残留物を洗浄し、それから真空下で20時間乾燥した。
【0188】
[L
1Zn
2(OC
6H
5)
2] (白い粉, 273 mg, 0.31 mmol, 87% ). δ
H (400 MHz, CDCl
3) 6.88−6.97 (M, 4H, Ar−H), 2.46−4.59 (M, 20H, N−CH
2−Ar、およびN−H), 0.53−1.37 (M, 48H, Ar−CH
3) ppm. Anal. Calcd for C
46H
64Zn
2N
4O
4: C, 63.66; H, 7.43; N, 6.46. Found: C, 63.59; H, 7.38; N, 6.45.。
【0189】
[L
1Co
2Cl
3]
− [B−H]
+の合成の基本手順
シュレンク管中のTHF(10mL)にH
2L
1(0.25g,0.45mmol)を溶解した。塩基(0.9mmol)を溶液に加え、1時間攪拌したままとした。CoCl
2(0.12 g,0.9mmol)を溶液へゆっくりと加え、[L
1Co
3Cl
4]を形成しないようにし、溶液を一晩攪拌したままとし、その後、白い沈殿物と共に紫色の溶液を確認した。沈殿物を濾過し、溶媒を真空下で除去して、数時間真空下で乾燥したピンク色の粉を生産した。
【0190】
[L
1Co
2Cl
3][HNEt
3] (
図6) (0.33 g, 0.38 mmol, 84 %): M/z (LSI
+): 102 (100 %, [HNEt
3]
+), (ESI
−): 803 (100 %, [L
1Co
2(HCO
2)
3]
−), 793 (20 %, [L
1Co
2Cl(HCO
2)
2]
−). Anal. Calc. for C
40H
70Cl
3Co
2N
5O
2: C, 54.77; H, 8.04; N, 7.98. Found: C, 54.84; H, 7.98; N, 8.02. UV−Vis λ
max/nm (ε/dm
3mol
−1cm
−1): 473 (67.9), 541(61.8), 565 (52.3).。
【0191】
[L
1Co
2Cl
3][HDBU] (0.33g,0.0.36mmol, 79 %): M/z: (LSI
+): 153 (100 %, [H−DBU]
+), (ESI
−): 803 (100 %, [L
1Co
2(HCO
2)
3]
−), 793 (25 %, [L
1Co
2Cl(HCO
2)
2]
−). Anal. Calc. for C
43H
71Cl
3Co
2N
6O
2: C, 55.64; H, 7.71; N, 9.05. Found: C, 55.69; H, 7.79; N, 9.08.。
【0192】
[L
1Co
2Cl
3][HMTBD] (0.31 g, 0.33 mmol, 74 %): M/z: (LSI
+): 154 (100 %, [H−MTBD]
+), M/z (ESI
−) 803 (100 %, [L
1Co
2(HCO
2)
3]
−), 793 (20 %, [L
1Co
2Cl(HCO
2)
2]
−). Anal. Calc. for C
42H
70Cl
3Co
2N
7O
2: C, 54.28; H, 7.59; N, 10.55%. Found: C, 54.16; H, 7.65; N, 10.41%.。
【0193】
[L
1Co
2Cl
2(G)]の合成の基本手順
H
2L
1(0.40g、0.72mmol)を、THF(10mL)へ溶解し、KH(0.87g、2.20mmol)を含むシュレンク管へと移し、窒素下、−78℃まで冷却した。懸濁液を室温まで加温することを許し、1時間攪拌したままとした。余分なKHは濾過し、求核試薬基G(0.72mmol)を溶液へ加え、5分間攪拌したままとし、その後、CoCl
2をゆっくりと加えた。添加により、溶液は最初は暗い青色になったが、一晩攪拌したままとした後、暗い赤色へと変化した。溶液を濾過し、真空下で溶媒を除去した。
【0194】
[L
1Co
2Cl
2(ピリジン)] (
図7) (0.32 g, 0.39 mmol, 54 %):
M/z (LSI
+): 703 (100 %, [L
1Co
2Cl]
+). Anal. Calc. for C
38H
60Cl
2Co
2N
6O
2: C, 55.54; H, 7.36; N, 10.23. Found: C, 55.68; H, 7.50; N, 10.05.。
【0195】
[L
1Co
2Cl
2(メチルイミダゾール)] (0.47 g, 0.54 mmol, 75 %):
M/z (LSI
+): 703 (100 %, [L
1Co
2Cl]
+). Anal. Calc. for C
41H
64Cl
2Co
2N
6O
2: C, 57.15; H, 7.49; N, 9.75. Found: C, 57.19; H, 7.59; N, 9.63. UV−Vis λ
max/nm (ε/dm
3mol
−1cm
−1): 473 (95.7), 538 (82.4).。
【0196】
[L
1Co
2Cl
2(ジメチルアミノピリジン)] (0.42 g, 0.53 mmol, 70 %): M/z (LSI
+): 703 (100 %, [L
1Co
2Cl]
+). Anal. Calc. for C
39H
59Cl
2Co
2N
5O
2: C, 57.22; H, 7.26; N, 8.55. Found: C, 57.12; H, 7.26; N, 8.46. UV−Vis λ
max/nm (ε/dm
3mol
−1cm
−1): 474 (95.9), 509 (78.9), 535 (76.3).。
【0197】
実施例2:CO
2、およびエポキシドの共重合
基本的なCO
2/シクロヘキセンオキシドの共重合手順
全ての低圧触媒反応は、磁気的に攪拌されたシュレンク管中で、シュレンク管の標準的な技術を用いて行った。使用前には必ず、140℃のオーブンで20時間、シュレンク管を乾燥した。典型的な反応において、シクロヘキセンオキシド(2.5mL,24.7mmol)、および触媒をシュレンク管に加えた。80℃、24時間、(予備のシリンダーを用いて連続的に供給された)1気圧のCO
2下において、攪拌したままとする前に、シクロヘキセンオキシドを急速に脱ガスした。反応の最後に、粗製の反応混合物を、それからCH
2Cl
2へ入れ、HCl/MeOHの5%溶液を0.2mL加えた。空気中で溶液を蒸発させ、その後、一晩中、真空下で、製造物を乾燥した。真空は未反応のシクロヘキセンオキシドを除去するのに十分であったので、製造物のさらなる精製は行わなかった。選択性は、共重合体カルボナート結合(広いシグナル δ=4.65ppm)、共重合体エーテル結合(広いシグナル δ=3.45ppm)、および環状カルボナート(多重項 : δ=3.9ppm(trans−CHC) or 4.63ppm(cis−CHC))を含む、
1H NMRスペクトルにおける、メチレンプロトンの共鳴の積分の規格化により決められた。変換は、[(分離した製造物の質量 − 触媒の重さ)/142.1]/はじめのCHOのモル として計算した。回転数(TON)は、変換/触媒のモルとして計算した。触媒回転頻度(TOF)は、TON/反応時間(時)として計算した。
【0198】
【表1】
【0199】
実施例3:連鎖移動剤(CTA)の存在下におけるCO
2、およびエポキシドの重合、並びに追加モノマーとの後続反応
[L
1Zn
2(OAc)
2](錯体1)を用いたCTAの実験についての実験の詳細
窒素下、触媒(xmmol)、CHO(2.5mL,25mmol)、およびCTA(xmmol)で、オーブンで乾燥したシュレンク管を満たした。3度、シュレンク管を排気してCO
2(1atm)を充填した後、一定流量のCO
2を流通させた。所望の時間、一定流量のCO
2の下で、反応温度に加熱し、攪拌した。
【0200】
【表2】
【0201】
[L
1Co
2(OAc)
3]/エチレングリコールを用いたCTAの実験、および後続の(rac/L)-ラクチドを用いたブロック共重合体の実験の詳細
【0202】
【化14】
【0203】
[L
1Co
2(OAc)
3]、およびエチレングリコールを用いたCHO、およびCO
2の低圧共重合
シクロヘキセンオキシド(5mL,25mmol)、[L
1Co
2(OAc)
3](0.042g,0.049mmol)、およびエチレングリコール(1−20当量)をシュレンク管へ加えた。4時間、調整温度下、1気圧のCO
2下でそのままにする前に、シクロヘキセンオキシドを脱ガスした。粗生成物をCH
2Cl
2へ入れ、空気中で溶液を蒸発させ、その後、一晩中、真空中で製造物を乾燥した。真空は未反応のシクロヘキセンオキシドを除去するのに十分であったので、ポリマーのさらなる精製は行わなかった。
図8は、上記方法により製造されたポリカルボナートのMALDI−TOFスペクトルを表す。この方法により製造された全てのポリマーは、ポリマー鎖の両末端はヒドロキシル基で終端することがわかる。
【0204】
(rac/L)−ラクチドを用いたHO−PCHC−OHのブロック共重合
グローブボックス中における窒素環境下において、(rac/L)−ラクチド(0.5、1、または2mmol)を、バイアル瓶中に、スターラーバーと共に配置し、THF(1.5mL)へ溶解させた。独立して、PCHC(0.005mmol)を、バイアル瓶中に、Y(5.4mg,0.1mmol)と共に配置し、THF(0.5mL)へ溶解させた。その後、この溶液をラクチド溶液へ加え、粘度が増加して攪拌が続けられなくなるまで、約5分間攪拌した。反応が終了し、ヘキサン(〜2mL)の添加によりポリマーが沈殿した。ポリマーを濾過し、真空下で乾燥した。(
図9)
【0205】
【化15】
【0206】
HO−PCHC−OHを製造するための[L
1Zn
2(O
2CCF
3)
2]を用いたCHOの共重合、および後続の(rac/L)−ラクチドを用いたブロック共重合
【0207】
【化16】
【0208】
共重合条件
シクロヘキセンオキシド(2.5mL,25mmol)、および[L
1Zn
2(F
3CCOO)
2](0.022g,0.025mmol)をシュレンク管へ加えた。管を排気し、1気圧のCO
2を満たし、その後、80℃で24時間攪拌したままとした。粗製の反応混合物を、それからCH
2Cl
2(10mL)へ入れ、空気中で蒸発させた。製造物を真空下で一晩中乾燥した。これは未反応モノマーを除去することが分かったので、さらなる精製は必要なかった(
図10、および11)。
【0209】
ブロック共重合条件
グローブボックス中の窒素雰囲気下において、(rac/L)−ラクチド( )を、バイアル瓶中に、スターラーバーと共に配置し、THF(1.5mL)へ溶解した。独立して、ポリ(シクロヘキセンカルボナート)(0.05mmol)を、バイアル瓶中に、Y(5.4mg,0.1mmol)と共に配置し、THF(0.5mL)へ溶解した。その後、この溶液をラクチド溶液に加え、粘度が増加して攪拌が続けられなくなるまで、約5分間攪拌した。反応が終了し、ヘキサン(〜2mL)の添加によりポリマーが沈殿した。ポリマーを濾過し、真空下で乾燥した。(
図11)
【0210】
【表3】
【0211】
実施例3:種々の連鎖移動剤(CTA)の存在下における、二酸化炭素、およびシクロヘキセンオキシド(CHO)の共重合
シクロヘキセンオキシド(CHO)、および二酸化炭素の共重合のために、0.1mol%の化学量論組成において、亜鉛触媒1([L
lZn
2(OAc)
2])、及び2([L
1Zn
2(CF
3COO)
2])を使用し、0.4mol%の連鎖移動剤A〜Q、または水を添加して、ポリシクロヘキセンオキシドカルボナートポリオール、およびジオールを製造した。
【0212】
【化17】
【0213】
【化18】
【0214】
各反応は、以下の反応条件により実行された:
0.1mol%の触媒充填,80℃,700rpmの攪拌速度,0.4mol%の連鎖移動剤(CTA),5mLのCHO。
【0215】
表4、および5は、触媒活性、および各反応に対する変換のパーセントを示す。
【0216】
【表4】
【0217】
【表5】
【0218】
上記結果は、本発明の触媒は、広い範囲の連鎖移動剤へ適合することを表す。
【0219】
さらなる一連の実験において、シクロヘキセンオキシド(CHO)、および二酸化炭素の共重合のために、0.1mol%の化学量論組成において、亜鉛触媒1([L
1Zn
2(OAc)
2])、および2([L
1Zn
2(CF
3COO)
2])を使用し、連鎖移動剤として0.1mol%〜10mol%の水を添加して、ポリシクロヘキセンオキシドカルボナートジオールを製造した。
【0220】
表6、および7は、触媒活性、および各反応に対する変換のパーセントを表す。
【0221】
【表6】
【0222】
【表7】
【0223】
実施例4:連鎖移動剤としての水の存在下における、二酸化炭素、およびシクロヘキセンオキシド(CHO)の共重合
外因的な連鎖移動剤としての水の存在下および非存在下の両方で、CHO、及び二酸化炭素の共重合のため、3つのマグネシウム触媒2a、2b、および2cを使用した。
【0224】
【化19】
【0225】
2つの当量の適切なMg前駆体Mg(OAc)
2、MgBr
2を用いた塩メタセシス反応に続いて、KHを用いて、触媒2a、および2bを、大環式配位子H
2L
1の脱プロトン化により調製した。触媒2cは、室温のTHF中で、2bを2当量のK(O
2CCF
3)と反応させることにより調製した。
【0226】
各反応は、純CHO中において、1気圧のCO
2圧力、および1:1000の触媒充填で3〜18時間実行した。表8は重合反応の結果を表す。
【0227】
【表8】
【0228】
2cにより形成された共重合体は、MALDI−ToF質量分析法(図示なし)、およびSEC(
図15)により分析され、これは、連鎖移動、および開始反応の両方からの末端基を表した(Y=OH、およびO
2CCF
3;それぞれ)。2cの場合において、HO−PCHC−O
2CCF
3の有意な減少、すなわち、2a(
図15参照)により製造された共重合と比較した、モノ−ヒドロキシルのピークは、SEC分析により観察された。これは、2cは、ポリオールの形成に対する増強された選択性を表す可能性があることを意味する。ポリオールの形成の選択性を促進するために、共重合は、連鎖移動剤として、2cに対して10、および30当量の水を用いて処理される。これらの実験は、分子量を減少させること、および狭い分子量分布を作製するために、水は有効な連鎖移動剤であることを示す。
【0229】
30当量の水を加えたとき、トリフルオロアセタート末端基のほとんど完全な抑制が確認された(
図15)。共重合体の
1H NMRスペクトルの分析により、2cは、追加の水なしで、約50%のポリオールを製造すると推定された。30当量の水を追加したとき、ポリオールに対する選択制は85%へ増加した。過剰な水を用いてさえ、2cは、なお良好な触媒活性を表す。(同じ条件下で水なしの2a、表8のエントリー4参照)
さらに、過剰な水の存在下においてさえ、2cは共重合の形成に対する高い選択性を維持する(
1H NMRによる、>99%のカルボナート結合、>99%の共重合に対する選択性)。CO
2、およびエポキシドの共重合に用いる他の触媒は、水により不活性化され、触媒活性の完全な抑制に導くのだが(Seong,J.E.他;Macromolecules 2010,43,903−908; Lu,X.−B.; Darensbourg,D.J.Chem.Soc.Rev.2012,41,1462−1484; Na,S.J他;Inorg.Chem.2009,48,10455−10465)、これは、特に異例である。石炭燃焼からの燃焼排ガスから捕捉された二酸化炭素において、〜2%の典型的な濃度を含み、水は、捕捉された二酸化炭素の一般的な混入物質であるから、過剰な水に対するこのような高い耐性は、特に、炭素の捕捉による本プロセスの統合に適している。
【0230】
実施例5:種々の触媒の存在下における、シクロヘキセンオキシド、およびCO
2の共重合
新しい触媒[L
1Zn
2(ヘキサノアート)
2]、[L
1Zn
2(オクタノアート)
2]、および[L
1Zn
2(ドデカノアート)
2]の活性を試験し、触媒[L
1Zn
2(OAc)
2]と比較した。
【0231】
各反応は、80℃、1気圧のCO
2、および0.1%の触媒充填において行った。これらの試験の結果は、表9に示す。
【0232】
【表9】
【0233】
実施例6:種々の触媒の存在下における、シクロヘキセンオキシド、およびCO
2の共重合
式[L
1Zn
2X
2]を有する新たな触媒の活性を試験し、これらの結果を以下の表10に示した。
【0234】
【表10】
【0235】
実施例7:L
4Mg
2(OAc)
2の合成
【0236】
【化20】
【0237】
2,6−ジアセチル−4−tert−ブチルフェノールの合成は、 文献の手順(Aromi他,Synth.Comm.2003, 33, 11−18.)を用いて行った。L
4の合成は、国際公開第2009/130470号の記載の手順を用いて、L
1の合成に対して、全収率66%で、2,6−ジホルミル−4−tert−ブチルフェノールを2,6−ジアセチル−4−tert−ブチルフェノールと代えることにより、行った。
【0238】
L
4: Anal. Calc. for C
38H
64N
4O
2: C, 74.95; H, 10.59; N, 9.20. Found: C, 74.84; H, 10.54; N, 9.27.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ: 7.10−6.80 (M, 4H, Ar−H), 4.10−3.70 (m, 4H, N−H), 2.60−2.10 (m, 8H, C−CH
2−N), 1.50−1.40 (m, 12H), 1.30 (m, 18H), 1.10−0.90 (m, 12H). M/z (ESI) = 609 (100 %, [M+H]
+).。
【0239】
H
2L
4(0.12g,0.20mmol)をTHF(10 mL)へ溶解し、KH(0.020g、0.49mmol)を含むシュレンク管へと移し、窒素下、−78℃まで冷却した。懸濁液を室温まで昇温させ、1時間攪拌したままとした。余分なKHは濾過し、その後、MgOAc
2(0.056g,0.39mmol)をゆっくりと加えた。遠心分離により溶液を濾過し、溶媒を真空下で除去する前に、反応物を16時間攪拌した。
【0240】
L
4Mg
2(OAc)
2: Anal. Calc. for C
42H
68Mg
2N
4O
6: C, 65.21; H, 8.86; N, 7.24. Found: C, 65.11; H, 8.70; N, 7.18.
1H NMR (400 MHz, D
2−TCE, 373k) δ: 7.05−6.70 (br m, 4H), 4.40−1.80 (br m, 14H), 1.60−0.80 (br m, 42H). M/z (LSIMS) = 713.5 (100 %, [M −OAc]
+).。