(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
鉛直部と、該鉛直部に固定され、水平方向に張り出した天井梁用継手と、該天井梁用継手に接続され、水平方向に張り出した天井梁と、前記鉛直部の先端と前記天井梁の先端とを連結する斜材と、前記天井梁用継手と前記鉛直部との固定を補強する水平方向に設置された略C字状の水平継手板と、前記天井梁用継手と前記鉛直部との固定を補強する鉛直方向に設置された台形状の鉛直リブと、を有し、
前記天井梁の先端に設置された先端滑車と前記鉛直リブに設置された天井滑車とに支持された天井ネット用ワイヤーによって、天井ネットが吊下げられることを特徴とする天井ネット吊下げ型防球ネットポール。
前記鉛直リブに側面滑車が設置され、該側面滑車に支持された側面ネット用ワイヤーによって、側面ネットが吊下げられることを特徴とする請求項1記載の天井ネット吊下げ型防球ネットポール。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された発明は、支柱の高さを高くすることなく、防球ネットの天端部を水平に支承することができるものの、防球ネットは鉛直面に沿って設置されるものであるため、高く上がった球(ボール)が防球ネットを飛び越えることから、確実な防球が困難であるという問題があった。また、高く上がった球(ボール)を確実に防球しようとすると、支柱の高さが高くなり、製造コストの高騰および景観の悪化を招くという問題があった。
【0005】
本発明は上記問題を解決するものであって、支柱の高さを高くすることなく、防球を確実にすることができる天井ネット吊下げ型防球ネットポールおよび天井吊下げ型防球ネットシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明に係る天井ネット吊下げ型防球ネットポールは、鉛直部と、該鉛直部に固定され、水平方向に張り出した天井梁用継手と、該天井梁用継手に接続され、水平方向に張り出した天井梁と、前記鉛直部の先端と前記天井梁の先端とを連結する斜材と、前記天井梁用継手と前記鉛直部との固定を補強する水平方向に設置された略C字状の水平継手板と、前記天井梁用継手と前記鉛直部との固定を補強する鉛直方向に設置された台形状の鉛直リブと、を有し、
前記天井梁の先端に設置された先端滑車と前記鉛直リブに設置された天井滑車とに支持された天井ネット用ワイヤーによって、天井ネットが吊下げられることを特徴とする。
(2)また、前記鉛直リブに側面滑車が設置され、該側面滑車に支持された側面ネット用ワイヤーによって、側面ネットが吊下げられることを特徴とする。
(3)また、前記水平継手板に接続され、前記天井梁に対して垂直な側面梁を有すことを特徴とする。
【0007】
(4)本発明に係る天井吊下げ型防球ネットシステムは、前記(1)記載の天井ネット吊下げ型防球ネットポールと、前記天井梁の先端に設置された先端滑車と、前記鉛直リブに設置された天井滑車と、前記先端滑車および前記天井滑車に支持された天井ネット用ワイヤーと、前記天井ネット用ワイヤーによって吊り下げられた天井ネットと、を有することを特徴とする。
(5)本発明に係る天井吊下げ型防球ネットシステムは、前記(2)記載の天井ネット吊下げ型防球ネットポールと、前記天井梁の先端に設置された先端滑車と、前記鉛直リブに設置された天井滑車と、前記先端滑車および前記天井滑車に支持された天井ネット用ワイヤーと、前記天井ネット用ワイヤーによって吊り下げられた天井ネットと、前記鉛直リブに設置された側面滑車と、前記側面に支持された側面ネット用ワイヤーと、前記側面ネット用ワイヤーによって吊り下げられた側面ネットと、有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
(i)本発明に係る天井ネット吊下げ型防球ネットポールは、鉛直部と、該鉛直部に固定され、鉛直部に固定された天井梁用継手と、天井梁用継手に接続された天井梁とを有し、該天井梁の先端は斜材を介して鉛直部の先端に連結され、天井梁用継手と鉛直部との固定は水平継手板および鉛直リブによって補強されているから、天井梁の撓みが抑えられている。
したがって、天井梁の先端に設置された先端滑車と鉛直リブに設置された天井滑車とによって天井ネット用ワイヤーを支持すれば、天井ネット用ワイヤーによって吊り下げられた天井ネットの垂れ下がりが抑えられる。
【0009】
(ii)また、本発明に係る天井吊下げ型防球ネットシステムは、本発明に係る天井ネット吊下げ型防球ネットポールを有するものであって、天井ネット用ワイヤーによって吊り下げられた天井ネットの垂れ下がりが抑えられるから、鉛直部(支柱)の高さを高くすることなく、防球を確実にすることができ、また、景観の悪化を防止すると共に、製造コストを安価に抑えることが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施の形態1]
図1および
図2は、本発明の実施の形態1に係る天井ネット吊下げ型防球ネットポールを説明するものであって、
図1の(a)は平面図、
図1の(b)は正面図、
図1の(c)は底面図、
図2の(a)は左側面図、
図2の(b)は右側面図である。なお、各部は模式的に示すものであって、本発明は図示された形態(形状や相対的な大きさ)に限定されるものではない。
【0012】
(天井ネット吊下げ型防球ネットポール)
図1および
図2において、天井ネット吊下げ型防球ネットポール(以下「ネットポール」と称す)100は、何れも鋼管によって形成された鉛直部10、鉛直部10の途中から水平方向に張り出した天井梁20、鉛直部10の先端と天井梁20の先端とを連結する斜材30、を有している。
なお、ネットポール100は、野球やゴルフ等の球技の競技場や練習場に設置され、ボールの場外への飛散を防止する防球ネットを設置するためのものである(これについては、別途詳細に説明する)。
【0013】
(鉛直部)
鉛直部10は1本または複数本の鋼管を連結したものであって、途中から水平方向に張り出すように天井梁用継手管50が固定され、先端部には管軸に対して平行に、斜材用上継手板13が固定され、上端は鉛直部蓋12によって塞がれている。
【0014】
(天井梁用継手管)
天井梁用継手管(以下「継手管」と称す)50は、鉛直部10の外面に水平方向に張り出すように固定され、継手管50の先端(鉛直部10から遠い側の端面)には、継手管フランジ52が固定されている。そして、継手管50は、水平継手板40と、鉛直部10の外面に管軸に対して平行に固定された鉛直リブ53、51とに、よって補強されている。なお、鉛直リブ51には、図示しない天井滑車を取り付けるための貫通孔と、図示しない側面滑車を取り付けるための貫通孔と、が形成されている。
【0015】
(水平継手板管)
水平継手板40は、略C字状の板材(鋼材)であって、中央に鉛直部10の外径に略等しい内径の中心孔と、中心孔に連通し、継手管50の外径に略等しい幅のスリットとが形成されている。そして、中心孔の周囲において、中心孔を貫通した鉛直部10の外面に溶接によって固定されている。
また、スリットには継手管50が侵入し、スリットに沿って、継手管50の外周と継手管用範囲45とが溶接によって接合されている。
また、継手管用範囲45に対して垂直の位置に、側面梁用範囲46、47が形成されている。なお、側面梁用範囲46、47には、貫通孔が形成され、側面梁用範囲46、47の上面に後記する側面梁60、70が設置されることになる(これについては別途詳細に説明する)。
さらに、側面梁用範囲46、47の下面には、鉛直部10の外面に管軸に対して平行に固定された補強リブ48、49が溶接によって固定され、水平継手板40は補強されている。
【0016】
(天井梁)
天井梁20の一方の端部に天井梁フランジ25が固定され、天井梁フランジ25は継手管フランジ52に突き合わされ、両者に形成された貫通孔を貫通するボルトと、これに螺合するナットとによって、互いに接続されている。
また、天井梁20の他方の端部(先端に同じ)には、斜材用下継手板23が固定され、斜材用下継手板23に対向する位置に先端滑車取付板21が固定され、先端滑車取付板21に対して垂直な位置(水平方向に同じ)に横滑車取付板26、27が固定されている。また、天井梁20の他方の端部(先端に同じ)は、天井梁蓋24によって塞がれている。なお、先端滑車取付板21には、図示しない先端滑車を取り付けるための貫通孔が形成されている。
【0017】
(斜材)
斜材30の両端には、それぞれ斜材継手板31、32が固定されて、両端はそれぞれ斜材蓋33、34によって塞がれている。すなわち、斜材蓋33、34のそれぞれには斜材蓋33、34を二等分するスリットが形成され、該スリットに連なったスリットが斜材30の両端面にも形成されている。そして、斜材継手板31、32の一部が、斜材蓋33、34に形成されたスリットと斜材30に形成されたスリットに挿入され、スリットに沿った溶接によって、斜材30の外面と斜材継手板31、32とが、および斜材蓋33、34と斜材継手板31、32とが、それぞれ接合されている。
そして、鉛直部10に固定された斜材用上継手板13と斜材30の斜材継手板31とは、両者の一部同士が重ねられた状態で、両者に形成された貫通孔を貫通するボルトと、これに螺合するナットとによって、互いに接続されている。
また、天井梁20に固定された斜材用下継手板23と斜材30の斜材継手板32とは、両者の一部同士が重ねられた状態で、両者に形成された貫通孔を貫通するボルトと、これに螺合するナットとによって、互いに接続されている。
【0018】
(作用)
以上のように、ネットポール100は、同一面内に配置された鉛直部10と天井梁20と斜材30とによって、側面視で直角三角形を形成し、鉛直部10と天井梁20と斜材30とが堅固に接続されている。したがって、天井梁20の先端(先端滑車取付板21に同じ)に鉛直部10の軸心と平行な力が作用しても、天井梁20の先端の撓みが抑えられる。
【0019】
(側面梁)
図3は、本発明の実施の形態1に係る天井ネット吊下げ型防球ネットポールを説明するものであって、側面梁が取り付けられた状態を示す平面図である。
図3において、側面梁60の端部には、貫通孔が形成された側面梁継手板61が固定されて、側面梁60の端面は側面梁蓋62によって塞がれている。また、側面梁蓋62には側面梁蓋62を二等分するスリットが形成され、該スリットに連なったスリットが側面梁60の端部にも形成されている。そして、側面梁継手板61の一部が、スリットに挿入され、スリットに沿った溶接によって、側面梁継手板61は、側面梁60および側面梁蓋62に固定されている。
そして、水平継手板40の側面梁用範囲46の上面に側面梁60の側面梁継手板61がボルト/ナットによって、接続されている。
また、同様に、側面梁70の端部には側面梁継手板71が固定されて、その端面は側面梁蓋72によって塞がれている。そして、水平継手板40の側面梁用範囲47の上面に側面梁70の側面梁継手板71がボルト/ナットによって、接続されている。
【0020】
すなわち、側面梁60、70は水平継手板40を介して鉛直部10に接続されている。このとき、水平継手板40の内周は、鉛直部10の外面に固定され、また、水平継手板40は補強リブ41a、41bによって補強され、さらに、水平継手板40は鉛直部10に固定された継手管50の外面にも固定されているから、同一面内に配置された天井梁20と側面梁60、70との間で、両者によって形成される角度(90°)を変更させるような力が作用しても、かかる角度の変更が抑えられている。すなわち、ネットポール100は、側面梁60、70を堅固に配置することが可能な構造になっている。
そして、ネットポール100は、天井梁20に対して垂直な両方にそれぞれ側面梁60、70が設置されるから、複数のネットポール100を所定の間隔(側面梁60、70の長さ)だけ離して立設することによって、広い範囲に渡って、防球ネットを設置することが可能になる(これについては別途詳細に説明する)。
【0021】
[実施の形態2]
図4は、本発明の実施の形態2に係る天井ネット吊下げ型防球ネットポールを説明するものであって、側面梁が取り付けられた状態を示す平面図である。なお、実施の形態1と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図4において、天井ネット吊下げ型防球ネットポール(以下「ネットポール」と称す)200は、実施の形態1において説明したネットポール100の水平継手板40を水平継手板80に変更したものであって、これを除く部分はネットポール100に同じである。したがって、以下、水平継手板40と水平継手板80との相違について説明する。
【0022】
水平継手板80は、水平継手板40の側面梁用範囲47が撤去されたものと同じであり、継手管用範囲45と側面梁用範囲46とを具備している。そのため、水平継手板80には一対の側面梁60、70を設置することができないが、一方の側面梁60を設置することができる。
すなわち、ネットポール200は、天井梁20に対して垂直な片側のみに側面梁60が設置されるから、ネットポール100と協働して、あるいはネットポール200単独で、様々な形態の天井吊下げ型防球ネットシステムを形成することができる。
【0023】
[実施の形態3]
図5および
図6は、本発明の実施の形態3に係る天井吊下げ型防球ネットシステムを説明するものであって、
図5の(a)は平面図、
図5の(b)は展開図、
図6は一部を示す正面図である。なお、各部は模式的に示すものであって、本発明は図示された形態(形状や相対的な大きさ)に限定されるものではない。また、実施の形態1、2と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図5において、天井吊下げ型防球ネットシステム(以下「防球ネットシステム」と称す)300は、野球場の地盤900に設置されたものであって、本塁ベース(図示しない)を挟んで、一塁側と三塁側とのそれぞれに、複数本のネットポール100(実施の形態1参照)が立設されている。
このとき、一塁側の形態と三塁側の形態とが対称であるため、以下、一塁側について説明するが、本発明は、一塁側の形態と三塁側の形態とが対称であるものに限定するものではなく、例えば、三塁側のみにネットポール100を立設したり、三塁側のネットポール100の本数を一塁側よりも多くしたりしてもよい。
【0024】
防球ネットシステム300の一塁側には、ネットポール100a、100b、100cおよび鋼管柱310a、310b、310cが、所定の間隔を空けて立設されている。以下、説明の便宜上、ネットポール100a、100b、100cを形成する部材については符号に「a、b、c」を追記する。
本塁ベース(図示しない)から最も離れた位置に鋼管柱310aが立設され、鋼管柱310aよりも本塁ベース(図示しない)寄り(バックネット寄りに同じ)にネットポール100a、100b、100cおよび鋼管柱310b、310cが、直線状に立設されている。
【0025】
そして、ネットポール100aの水平継手板40a(
図3に示す40に同じ)には、側面梁60a、60b(
図3における側面梁70に相当する)の一方の端部が設置されている。側面梁60aの他方の端部は鋼管柱310aに設置され、側面梁60bの他方の端部は、ネットポール100bの水平継手板40b(
図3等参照)に設置されている。
また、ネットポール100bの水平継手板40b(
図3等参照)とネットポール100cの水平継手板40c(
図3等参照)とに、側面梁60cの両端がそれぞれ設置されている。さらに、ネットポール100cの水平継手板40c(
図3等参照)と鋼管柱310bとに、側面梁70cの両端がそれぞれ設置されている。
【0026】
図6において、ネットポール100aの天井梁20aの先端滑車取付板21(
図1の(b)参照)に先端滑車32a1が取り付けられ、鉛直リブ51a(
図1の(b)参照)には、天井滑車322aおよび側面滑車333aが取り付けられている。そして、先端滑車321aおよび天井滑車322aに天井ネット用ワイヤー323aが支持され、天井滑車322aに天井ネット用ワイヤー324aが支持され、天井ネット用ワイヤー323a、324aの一方の端部は、それぞれ天井ネット320に接続され、天井ネット用ワイヤー323a、324aの他方の端部側は、ネットポール100aの地上近くに設置された天井ネット用ウインチ325aによって巻き上げられる。
また、側面滑車333aに側面ネット用ワイヤー334aが支持され、側面ネット用ワイヤー334aの一方の端部は側面ネット330に接続され、側面ネット用ワイヤー334aの他方の端部側は、ネットポール100aの地上近くに設置された側面ネット用ウインチ335aによって巻き上げられる。
【0027】
同様に、ネットポール100b、100cのそれぞれにおいても、天井ネット320に接続された天井ネット用ワイヤーが天井ネット用ウインチによって巻き上げられ、側面ネット330に接続された側面ネット用ワイヤーが側面ネット用ウインチによって巻き上げられる。
なお、鋼管柱310a、310b、310cには、先端滑車が設置されていないものの、ネットポール100a等と同様に、天井滑車および側面滑車が設置されているから、鋼管柱310a、310b、310cのそれぞれにおいて、天井ネット320に接続された天井ネット用ワイヤーが天井ネット用ウインチによって巻き上げられ、側面ネット330に接続された側面ネット用ワイヤーが側面ネット用ウインチによって巻き上げられる。
【0028】
以上のように、防球ネットシステム300は、実施の形態1において説明したネットポール100を有し、ネットポール100は前記のように、天井梁20および側面梁60、70の撓みを抑え、かつ、天井梁20と側面梁60とのなす角度および天井梁20と側面梁70とのなす角度を垂直に保持するから、天井ネット320の垂れ下がり量を抑え、天井ネット320および側面ネット330を設計通りに配置する(吊り上げる)ことができる。
したがって、ネットポール100の高さを高くすることなく、防球を確実にすることができ、また、景観の悪化を防止すると共に、製造コストを安価に抑えることが可能になる。
なお、以上は、天井ネット320および側面ネット330が何れも、全域を覆う1枚である場合を説明しているが、それぞれ複数枚に分割したものであってもよい。
【0029】
(変形例)
防球ネットシステム300では、鋼管柱310aとネットポール100aとの間に、天井ネット320が設置されているが、本発明はこれに限定するものではなく、鋼管柱310aとネットポール100aとの間のみ天井ネット320がないようにしてもよい。このとき、鋼管柱310aに天井滑車を取り付ける必要がない。
また、防球ネットシステム300では、鋼管柱310bと鋼管柱310cとが側面梁によって連結されていないが、本発明はこれに限定するものではなく、鋼管柱310bと鋼管柱310cとを側面梁によって連結したり、一塁側の鋼管柱310cと三塁側の鋼管柱310cとを側面梁によって連結したりしてもよい。
さらに、防球ネットシステム300では、天井ネット320が略L字状に配置されているが、本発明はこれに限定するものではなく、例えば、テニスコートに沿って、天井ネットを矩形状(ロ字状)や平行(ニ字状)に配置してもよい。
【0030】
[実施の形態4]
図7は、本発明の実施の形態4に係る天井吊下げ型防球ネットシステムを説明するものであって、
図7の(a)は平面図、
図7の(b)は展開図である。なお、各部は模式的に示すものであって、本発明は図示された形態(形状や相対的な大きさ)に限定されるものではない。また、実施の形態1、2と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図7において、天井吊下げ型防球ネットシステム(以下「防球ネットシステム」と称す)400は、野球場に設置されたものであって、本塁ベース(図示しない)を挟んで、一塁側と三塁側とのそれぞれに、複数本のネットポール200(実施の形態1参照)が立設されている。
このとき、一塁側の形態と三塁側の形態とが対称であるため、以下、一塁側について説明するが、本発明は、一塁側の形態と三塁側の形態とが対称であるものに限定するものではなく、例えば、三塁側のみにネットポール200を立設したり、1塁側または三塁側に鋼管柱に代えてまたは追加してネットポール100を立設したりしてもよい。
【0031】
防球ネットシステム400の一塁側には、ネットポール200および鋼管柱410a、410b、410c、410dが、所定の間隔を空けて立設されている。以下、説明の便宜上、ネットポール100a、100b、100cを形成する部材については符号に「a、b、c」を追記する。
本塁ベース(図示しない)から最も離れた位置に鋼管柱410aが立設され、鋼管柱340aよりも本塁ベース(図示しない)寄り(バックネット寄りに同じ)にネットポール200および鋼管柱410b、410c、410dが、直線状に立設されている。
【0032】
そして、ネットポール200の水平継手板80(
図4等参照)には、側面梁60の一方の端部が設置されている。側面梁60の他方の端部は鋼管柱410aに設置されている。
また、防球ネットシステム300のネットポール100aと同様に(
図6参照)、防球ネットシステム400のネットポール200にも、天井梁20の先端滑車取付板21(
図1の(b)参照)に先端滑車が取り付けられ、鉛直リブ51(
図1の(b)参照)には、天井滑車および側面滑車が取り付けられている(何れも図示しない)。
そして、先端滑車および天井滑車に天井ネット用ワイヤー(図示しない)が支持され、天井滑車にもう1本の第2天井ネット用ワイヤーが支持され、2本の天井ネット用ワイヤーの一方の端部は、それぞれ天井ネット420に接続され、2本の天井ネット用ワイヤーの他方の端部側は、ネットポール200の地上近くに設置された天井ネット用ウインチ(図示しない)によって巻き上げられる。
また、側面滑車に側面ネット用ワイヤー(図示しない)が支持され、側面ネット用ワイヤーの一方の端部は側面ネット430に接続され、側面ネット用ワイヤーの他方の端部側は、ネットポール200の地上近くに設置された側面ネット用ウインチ(図示しない)によって巻き上げられる。
【0033】
なお、鋼管柱410aには側面滑車のみが設置されている。また、鋼管柱410b、410c、410dには、先端滑車がないものの、ネットポール200と同様に、天井滑車および側面滑車が設置されている。
したがって、鋼管柱310a、310b、310cのそれぞれにおいて、天井ネット420に接続された天井ネット用ワイヤーが天井ネット用ウインチによって巻き上げられ、側面ネット430に接続された側面ネット用ワイヤーが側面ネット用ウインチによって巻き上げられる。
したがって、鋼管柱410aとネットポール200との間には、天井ネット420がないものの、これを除く範囲、すなわち、ネットポール200と鋼管柱410dとの間、および一塁側と鋼管柱410dと三塁側の鋼管柱410dとの間に、天井ネット420が配置されて(引き上げられて)いる。
また、鋼管柱410aと鋼管柱410dとの間、および一塁側と鋼管柱410dと三塁側の鋼管柱410dとの間に、側面ネット430が配置されて(引き上げられて)いる。
【0034】
以上のように、防球ネットシステム300は、実施の形態2において説明したネットポール200を有し、ネットポール200はネットポール100と同様に、天井梁20および側面梁60の撓みを抑え、かつ、天井梁20と側面梁60とのなす角度を垂直に保持するから、天井ネット420の垂れ下がり量を抑え、天井ネット420および側面ネット430を設計通りに配置する(吊り上げる)ことができる。
したがって、ネットポール200の高さを高くすることなく、防球を確実にすることができ、また、景観の悪化を防止すると共に、製造コストを安価に抑えることが可能になる。
【0035】
(変形例)
防球ネットシステム400では、以上の構成であるが、鋼管柱410b、410cに代えてネットポール100(実施の形態1参照)を立設して、ネットポール100の先端滑車に支持された天井ネットワイヤーによって、天井ネット420を吊り下げるようにしてもよい。