特許第6162204号(P6162204)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6162204-フェノール性化合物を用いた記録材料 図000017
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6162204
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】フェノール性化合物を用いた記録材料
(51)【国際特許分類】
   C07C 231/02 20060101AFI20170703BHJP
   C07C 231/24 20060101ALI20170703BHJP
   C07C 233/29 20060101ALI20170703BHJP
   C07C 213/10 20060101ALI20170703BHJP
   C07C 215/76 20060101ALI20170703BHJP
   B41M 5/333 20060101ALI20170703BHJP
【FI】
   C07C231/02
   C07C231/24
   C07C233/29
   C07C213/10
   C07C215/76
   B41M5/333 220
【請求項の数】1
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2015-241535(P2015-241535)
(22)【出願日】2015年12月10日
(62)【分割の表示】特願2012-531681(P2012-531681)の分割
【原出願日】2011年8月29日
(65)【公開番号】特開2016-117719(P2016-117719A)
(43)【公開日】2016年6月30日
【審査請求日】2015年12月11日
(31)【優先権主張番号】特願2010-195363(P2010-195363)
(32)【優先日】2010年9月1日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004307
【氏名又は名称】日本曹達株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107984
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 雅紀
(74)【代理人】
【識別番号】100096482
【弁理士】
【氏名又は名称】東海 裕作
(72)【発明者】
【氏名】酒井 宏
(72)【発明者】
【氏名】木下 俊太郎
(72)【発明者】
【氏名】近藤 忠弘
(72)【発明者】
【氏名】重城 一美
【審査官】 安藤 倫世
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭50−135048(JP,A)
【文献】 特開2003−305959(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/089984(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/089982(WO,A1)
【文献】 特開昭60−239447(JP,A)
【文献】 特開2000−290238(JP,A)
【文献】 特開昭62−061956(JP,A)
【文献】 特開昭51−011722(JP,A)
【文献】 特開昭63−280047(JP,A)
【文献】 特開平05−186408(JP,A)
【文献】 特開2009−035565(JP,A)
【文献】 特開平10−087587(JP,A)
【文献】 Fungitoxic and phototoxic activities of cinnamic acid ester and amides,J. Pesticide Sci.,2000年,Vol. 25, No. 3, P263-266
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 231/00
C07C 233/00
C07C 213/00
C07C 215/00
B41M 5/00
CAplus/CASREACT/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイドロサルファイトナトリウム及びその水和物、並びにハイドロサルファイトカリウム及びその水和物から選ばれる少なくとも1種による還元精製により精製した式(II)
【化1】
[式中、Rは水素原子を表す。]で表される化合物と、式(III)
【化2】
[式中、及びRは水素原子を表し、pは0を表し、Xは水酸基又はハロゲン原子を表す。波線で示した結合は、E、Z又はそれらの混合体であることを表す。]で表される化合物を塩基の存在下で反応させた後、結晶化させ、さらに結晶を酸性条件で洗浄することを特徴とする、色彩値bが10以下である式(I)
【化3】
[式中、、R、及びRは水素原子を表し、pは0を表す。波線で示した結合は、E、Z又はそれらの混合体であることを表す。]で表される顕色剤用フェノール性化合物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発色性染料と顕色剤との反応による発色を利用した感熱または感圧記録材料に関する。
本願は、2010年9月1日に出願された日本国特許出願第2010−195363号に対し優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
発色性染料と顕色剤との反応による発色を利用した記録材料は、現像定着等の煩雑な処理を施すことなく比較的簡単な装置で短時間に記録できることから、ファクシミリ、プリンター等の出力記録のための感熱記録紙又は数枚を同時に複写する帳票のための感圧複写紙等に広く使用されている。これらの記録材料としては、速やかに発色し、未発色部分(以下「地肌」という)の白度が保持され、又発色した画像の堅牢性の高いものが要望されているが、長期保存安定性の面から、特に地肌の耐光性に優れた記録材料が求められている。そのために、発色性染料、顕色剤、保存安定剤等の開発努力がなされているが、発色の感度、地肌並びに画像の保存性などのバランスが良く、充分に満足できるものは未だ見出されていない。
【0003】
また、従来から地肌の保存性に優れた記録材料として、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン及び4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンが知られているが、地肌耐光性は未だ満足できるものではなかった。
【0004】
本発明者らは桂皮酸アミド系化合物を顕色剤として用いた地肌の耐光性に優れた記録材料をすでに提案している(特許文献1参照)が、得られる結晶は黄色く着色しており、またいまだ充分満足のできるものではなく、実用的な記録材料は得られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−305959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、前記のような従来の記録材料が有する欠点を改善し、地肌の白色度が優れているだけではなく、地肌及び画像の保存性が優れ、さらに優れた発色感度を有する記録材料や記録シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、先に見出した桂皮酸アミド系化合物においてアミド基と水酸基がオルト位に位置した顕色剤を用いることで、地肌及び画像の保存性が優れ、さらに優れた発色感度を有する記録材料が得られる事を見出し、さらに致命的な欠陥である結晶の着色を除去できることを見出したことから、地肌の白色度が優れている顕色剤の発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は
(1)式(I)
【0009】
【化1】
【0010】
[式中、Rは、水酸基、ハロゲン原子、C〜Cアルキル基、又はC〜Cアルコキシ基を表し、pは0又は1〜5のいずれかの整数を表し、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、又はC〜Cアルキル基を表し、Rは水素原子、C〜Cアルキル基、置換されていてもよいフェニル基、又は置換されていてもよいベンジル基を表す。波線で示した結合は、E、Z又はそれらの混合体であることを表す。]で表される化合物において、色彩値bが10以下であることを特徴とするフェノール性化合物、
(2)さらにハンター白色度が75以上であることを特徴とする前記(1)に記載のフェノール性化合物、
(3)精製した式(II)
【0011】
【化2】
【0012】
[式中、Rは前記式(I)におけるRと同じ意味を表す。]で表される化合物と、式(III)
【0013】
【化3】
【0014】
[式中、R〜R、pは前記式(I)におけるR〜R、pと同じ意味を表し、Xは水酸基又はハロゲン原子を表す。]で表される化合物を塩基の存在下で反応させた後、結晶化させて得た化合物であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のフェノール性化合物、
(4)塩基が弱アルカリ性の無機化合物であることを特徴とする前記(3)に記載のフェノール性化合物、及び
(5)結晶化溶媒に極性溶媒を用いて結晶化することを特徴とする前記(3)又は前記(4)に記載のフェノール性化合物に関する。
またさらに、本発明は
(6)発色性染料及び前記(1)〜(5)に記載のフェノール性化合物を少なくとも一種含有することを特徴とする記録材料、
(7)支持体上に前記(6)に記載の記録材料から形成されてなる記録材料層を有することを特徴とする記録シートに関する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】動的発色感度の試験例の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(式(I)で表されるフェノール性化合物)
以下、式(I)で表されるフェノール性化合物について説明する。
式(I)中、Rとしては、水素原子;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、シクロプロピル、シクロブチル、2−メチルシクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等の直鎖、分岐もしくは環状のC〜Cアルキル基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロプロポキシ、シクロブトキシ、2−メチルシクロプロポキシ、シクロプロピルメトキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ等の直鎖、分岐もしくは環状のC〜Cアルコキシ基を挙げることができ、好ましくは、水素原子である。
【0017】
及びRとしては、それぞれ独立して水素原子;メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、シクロプロピル、シクロブチル、2−メチルシクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等の直鎖、分岐もしくは環状のC〜Cアルキル基を挙げることができ、好ましくは、水素原子である。
【0018】
としては、水素原子;メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、シクロプロピル、シクロブチル、2−メチルシクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等の直鎖、分岐もしくは環状のC〜Cアルキル基;置換されていてもよいフェニル基;置換されていてもよいベンジル基を挙げることができる。
ここで、「置換されていてもよい」の置換基として、水酸基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基等のC〜Cアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基等のC〜Cのアルコキシ基等を挙げることができる。
なお、本発明の化合物である式(I)で表される化合物には、以下に示すように、幾何異性体が存在し、反応条件及び精製方法によって、いずれか1種の異性体のみが得られる場合、あるいは異性体混合物として得られる場合がある。これらの異性体は全て本発明の範囲に含まれる。
【0019】
【化4】
【0020】
式(I)で表される代表的な化合物としては、N−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドが挙げられる。
【0021】
(式(I)で表されるフェノール性化合物の製造方法)
本発明で使用する式(I)で表される化合物は、精製した式(II)
【0022】
【化5】
【0023】
[式中、Rは前記式(I)におけるRと同じ意味を表す。]で表される化合物と、式(III)
【0024】
【化6】
【0025】
[式中、R〜R、pは前記式(I)におけるR〜R、pと同じ意味を表し、Xは水酸基又はハロゲン原子を表す。]で表される化合物を有機溶媒中、塩基の存在下で反応させることにより得ることができる。
ここで、ハロゲン原子としては、前記式(I)におけるRの定義と同じ基を例示できる。
【0026】
有機溶媒としては、式(II)又は式(III)で表される化合物と反応しないものである限り、特に限定されるものではないが、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、アセトニトリル等のニトリル類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類等を例示することができる。また、水との混合溶媒を用いても良い。好ましくは、アセトン−水混合溶媒である。
【0027】
塩基としては、特に限定されるものではないが、ピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等の弱アルカリ性の無機化合物等を例示することができる。好ましくは、炭酸水素ナトリウムである。
【0028】
前記式(III)で表される化合物を反応させる時は、溶媒に溶解させていてもよく、そのままでもよい。また、断続的に少量ずつ加えてもよく、滴下してもよいが、発熱反応であるので一度に加えると急に発熱するので好ましくはない。
【0029】
前記式(I)で表される化合物はNMR等により構造を帰属することができ、液体クロマトグラフィーやガスクロマトグラフィー等によって純度を算出することができる。
【0030】
(白色度の高い式(I)で表されるフェノール性化合物を得るための要件)
式(I)で表される化合物(以下、桂皮酸アミド系化合物とよぶ)を製造する上で、式(II)で表される化合物(以下、2−アミノフェノール化合物と呼ぶ)がガスクロマトグラフィー等の各種分析によって高純度であることを確認しても、桂皮酸アミド系化合物が着色する場合があった。また、長期間保管した2−アミノフェノール化合物を用いて製造した桂皮酸アミド系化合物も着色した。さらに製造直後は着色していなくても、桂皮酸アミド系化合物を長期間保管することで着色した。この原因について鋭意研究を行った結果、着色していない桂皮酸アミド系化合物を得るためには、3つの要件があることが判明した。
【0031】
(第1の要件)
第1の要件としては、2−アミノフェノール化合物を精製することである。具体的には下記の(2−アミノフェノール化合物の精製方法)の項で示される方法で行なうことができる。
【0032】
(第2の要件)
2−アミノフェノール化合物と式(III)で表される化合物(以下、桂皮酸類とよぶ)の反応によって、桂皮酸アミド系化合物の他に、副生成物としてHXが得られる。Xがハロゲン化合物の場合、HXは酸性物質である。このHXは2−アミノフェノール化合物のアミノ基と塩を作ることができる。塩になったアミノ基は桂皮酸類と反応しにくくなる。そのため、副生するHXをアルカリ化合物で補足する必要がある。このアルカリ化合物としては、2−アミノフェノール化合物を用いることができる。しかし、その場合の2−アミノフェノール化合物は桂皮酸アミド系化合物に対して2倍モル以上の量が必要になり、結果として使用した2−アミノフェノール化合物の半分以下しか反応しないため、経済的には不向きである。
そのため、2−アミノフェノール化合物の過剰量分を価格の安いアルカリ性の無機化合物に置き換えることができる。しかし、水酸化ナトリウム等の強アルカリの無機化合物を用いると、原料化合物が変色し、好ましくは無い。したがって、第2の要件は、前記アルカリ性の無機化合物に弱アルカリ性の無機化合物を使用することである。前記弱アルカリ性の無機化合物としては炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等を例示することができる。
【0033】
(第3の要件)
第3の要件としては、結晶化溶媒に極性溶媒を用いることであり、さらに極性溶媒、水、又は極性溶媒と水の混合溶媒で結晶を洗浄することである。具体的な結晶化の操作例は、製造した桂皮酸アミド系化合物に極性溶媒と水を加え、一旦加熱し溶解させた後、冷却して結晶として析出させ、水で結晶を十分に洗浄する方法である。前記極性溶媒としてはメタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、アセトニトリル等のニトリル類等を例示することができる。また結晶化溶媒としては、極性溶媒と水の混合溶媒であっても良い。さらに塩酸等の鉱酸で酸性にした水を加えて結晶化した方が好ましい。また、結晶化の操作の前に水と分液可能な有機溶媒、及び水(又は、塩酸等の鉱酸で酸性にした水)を加えて、水層を分離する操作を行なっても良い。しかし、極性溶媒と非極性溶媒の混合溶媒の場合では、非極性溶媒の比率が高いと着色成分または着色の原因成分を除去できないため好ましくはない。
【0034】
以上の第1〜第3の要件の内、第1の要件は必ず満たす必要があるが、第2および第3の要件は必ずしも満たす必要は無いが、満たした方が好ましい。しかしながら、一つも要件を満たさない場合は、桂皮酸アミド系化合物が着色するか、または製造直後は着色していなくても、長期間保管することで着色する。したがって、これらの要件を満たすことで、初めて長期間着色しない式(I)で表される化合物を得ることができる。
【0035】
(2−アミノフェノール化合物の精製方法)
本発明である桂皮酸アミド系化合物の原料である2−アミノフェノール(o−アミノフェノール)化合物は、精製したものを購入しても、未精製のものを購入し自ら精製してもよい。精製する方法は特に制限されるものではないが、還元剤による還元精製、昇華精製、再結晶化による精製、シリカゲル等による分離精製、活性炭等による吸着除去精製、有機溶媒及び水の分液による分液精製等の精製によって、精製2−アミノフェノール化合物を得ることができる。
上記精製に用いる還元剤は特に限定されるものではないが、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等の亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム等のチオ硫酸塩、ハイドロサルファイトナトリウム、ハイドロサルファイトカリウム及びこれらの水和物等の亜ジチオ酸塩、ヒドラジン、塩化第一スズ等のハロゲン化金属塩、水素化ホウ素ナトリウム等のホウ素化合物等を例示することができる。
【0036】
本発明である白色度の高い桂皮酸アミド系化合物を得るためには、上記記載の精製2−アミノフェノール化合物を原料に用いることと共に桂皮酸アミド系化合物を製造した後に、酸性条件で結晶を洗浄することが好ましい。
酸性にするための酸は特に限定されるものではないが、塩酸、硫酸、リン酸等の酸を用いることができるが、好ましくは塩酸を用いる方法である。
酸性にする方法は、反応終了後に酸を加える方法、結晶の析出前に酸を加える方法、結晶の洗浄溶媒を酸性にする方法等の方法を用いることができるが、好ましくは反応終了後に酸を加える方法である。
酸の量は特に限定されるものではないが、酸性になる程度の量の酸を加えればよい。
着色物を除去するための精製は、原料である2−アミノフェノール化合物を精製する方法、または、桂皮酸アミド系化合物を精製する方法のどちらであっても、両方行なっても特に限定されるものではない。未精製の2−アミノフェノール化合物を原料として着色した桂皮酸アミド系化合物を精製する方法は、再結晶化による精製だけでは十分ではなく、複数の精製方法を組み合わせて行なう必要がある。好ましくは、2−アミノフェノール化合物を還元剤で還元精製し、桂皮酸アミド系化合物を酸性条件で結晶を洗浄する方法である。
【0037】
(白色度等の測定値)
顕色剤は紙等の基材に染料等とともに塗布され、感熱記録紙として使用される。そして、発色前の感熱記録紙はより白色である方が製品として好まれている。そのため、顕色剤はより白色である事が求められている。また、その白色の状況は分光色彩計で測定する事ができる。代表的な白色度測定値は、ハンター白色度(W値)で示される。また色彩値はJIS Z 8729に基づき、L表色系(L、aおよびb)で示す事ができる。
顕色剤としては、特に白色度と色彩値aおよびbが良好である事が好ましい。具体的には、白色度は75以上であれば良く、実用上好ましくは79以上である。また、色彩値aは−5以上0以下であれば良く、実用上好ましくは−3以上0以下であり、色彩値bは0以上10以下であれば良く、実用上好ましくは0以上8以下である。
また白色度はハンター白色度(W値)を示している。
ハンター白色度、色彩値L、a及びbの測定は、以下のように行うことができる。
サンプルを分光色彩計(SD 5000又はSE 2000、日本電色工業株式会社製)の粉体測定用付属セルに光を透過させないように充填させ、測定径を28mmに設定して室温雰囲気下で測定する。
【0038】
(記録材料)
本発明の記録材料は発色性染料と式(I)で表されるフェノール性化合物の少なくとも1種とを含有する記録材料であればどの様な用途にも使用でき、例えば、感熱記録材料又は感圧複写材料等に利用することができる。
【0039】
発色性染料に対する式(I)で表される化合物の使用割合は、通常、発色性染料の1質量部に対し0.01〜10質量部、好ましくは0.5〜10質量部、さらに好ましくは1.0〜5質量部の割合である。
【0040】
(記録材料の他の成分)
本発明の記録材料の中には、発色性染料並びに、式(I)で表される化合物以外に公知の顕色剤、画像安定剤、増感剤、填料、分散剤、酸化防止剤、減感剤、粘着防止剤、消泡剤、光安定剤、蛍光増白剤等を必要に応じ1種又は2種以上含有させることができる。他の成分の使用量は、それぞれ、発色性染料1質量部に対して、通常0.1〜15質量部、好ましくは1〜10質量部の範囲である。
【0041】
これらの薬剤は、発色層中に含有せしめてもよいが、多層構造からなる場合には、例えば、保護層等任意の層中に含有せしめてもよい。特に、発色層の上部及び/又は下部にオーバーコート層やアンダーコート層を設けた場合、これらの層には酸化防止剤、光安定剤等を含有することができる。さらに、酸化防止剤、光安定剤は必要に応じマイクロカプセルに内包するかたちで、これらの層に含有させることができる。
【0042】
本発明の記録材料に使用される発色性染料としては、フルオラン系、フタリド系、ラクタム系、トリフェニルメタン系、フェノチアジン系、スピロピラン系等のロイコ染料を挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、酸性物質である顕色剤と接触することにより発色する発色性染料であれば使用できる。また、これらの発色性染料は単独で使用し、その発色する色の記録材料を製造することは勿論であるが、それらの2種以上を混合使用することができる。例えば、赤色、青色、緑色の3原色の発色性染料又は黒発色染料を混合使用して真に黒色に発色する記録材料を製造することができる。
【0043】
フルオラン系の発色性染料としては、例えば、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)−フタリド、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、3−N−メチル−N−イソプロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−イソブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−イソアミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン、3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチルアミノ−7−アニリノフルオラン、2−{N−(3’−トリフルオルメチルフェニル)アミノ}−6−ジエチルアミノフルオラン、2−{3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム}、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−N−メチル−N−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,4’−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノ−フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エトキシプロピル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノベンゾ[a]フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−ベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−(N,N’−ジベンジルアミノ)フルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン、2,4−ジメチル−6−(4−ジメチルアミノフェニル)アミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,4−キシリルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジフェニルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
【0044】
ベンゾイルロイコメチレンブルー、6’−クロロ−8’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、6’−ブロモ−3’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−クロルフェニル)フタリド、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−ニトロフェニル)フタリド、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジエチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−メチルフェニル)フタリド、3−(2’−メトキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−ヒドロキシ−4’−クロル−5’−メチルフェニル)フタリド、3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−n−ブチルアニリノ)フルオラン、3−(N−メチル−N−イソプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4’−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−(2−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4’,5’−ベンゾフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(メチルフェニルアミノ)フルオラン等が挙げられる。
【0045】
これらの発色染料の中では3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノ−フルオラン、3−(N−エトキシプロピル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジフェニルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(メチルフェニルアミノ)フルオランを好ましく挙げることができる。
【0046】
また、近赤外吸収染料としては、3−[4−[4−(4−アニリノ)−アニリノ]アニリノ]−6−メチル−7−クロロフルオラン、3,3−ビス[2−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)ビニル]−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,6,6’−トリス(ジメチルアミノ)スピロ(フルオレン−9,3’−フタリド)等が挙げられる。
【0047】
本発明の式(I)で表される化合物は、主に感熱性記録材料において、顕色剤として好適に用いられるが、単独で用いてもよく、公知の複数の顕色剤と併用してもよい。その比率は任意である。
他の顕色剤としては具体的には例えば、次のものが例示できる。
ビスフェノールA、4,4’−sec−ブチリデンビスフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3’−ジメチルブタン、2,2’−ジヒドロキシジフェニル、ペンタメチレン−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、2,2−ジメチル−3,3−ジ(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ジ(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、4,4’−(1−フェニルエチリデン)ビスフェノール、4,4’−エチリデンビスフェノール、(ヒドロキシフェニル)メチルフェノール、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニル−フェニル)プロパン、4,4’−(1,3−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール、4,4’−(1,4−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル等のビスフェノール化合物;4,4’−ジヒドロキシジフェニルチオエーテル、1,7−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)ジエチルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルチオエーテル等の含硫黄ビスフェノール化合物;4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸エチル、4−ヒドロキシ安息香酸プロピル、4−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、4−ヒドロキシ安息香酸ブチル、4−ヒドロキシ安息香酸イソブチル、4−ヒドロキシ安息香酸クロロベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸メチルベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸ジフェニルメチル等の4−ヒドロキシ安息香酸エステル類;安息香酸亜鉛、4−ニトロ安息香酸亜鉛等の安息香酸金属塩、4−[2−(4−メトキシフェニルオキシ)エチルオキシ]サリチル酸等のサリチル酸類;サリチル酸亜鉛、ビス[4−(オクチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシ安息香酸]亜鉛等のサリチル酸金属塩;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−ブトキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジアリルジフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラブロモジフェニルスルホン、4−アリルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノール、4,4’−スルホニルビス[2−(2−プロペニル)]フェノール、4−[{4−(プロポキシ)フェニル}スルホニル]フェノール、4−[{4−(アリロキシ)フェニル}スルホニル]フェノール、4−[{4−(ベンジロキシ)フェニル}スルホニル]フェノール、2,4−ビス(フェニルスルホニル)−5−メチル−フェノール等のヒドロキシスルホン類;4−フェニルスルホニルフェノキシ亜鉛マグネシウム、アルミニウム、チタン等のヒドロキシスルホン類の多価金属塩類;4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシフタル酸ジシクロヘキシル、4−ヒドロキシフタル酸ジフェニル等の4−ヒドロキシフタル酸ジエステル類;2−ヒドロキシ−6−カルボキシナフタレン等のヒドロキシナフトエ酸のエステル類;トリブロモメチルフェニルスルホン等のトリハロメチルスルホン類;4,4’−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、N−(4−メチルフェニルスルホニル)−N’−(3−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)フェニル)ウレア等のスルホニルウレア類;ヒドロキシアセトフェノン、p−フェニルフェノール、4−ヒドロキシフェニル酢酸ベンジル、p−ベンジルフェノール、ハイドロキノン−モノベンジルエーテル、2,4−ジヒドロキシ−2’−メトキシベンズアニリド、テトラシアノキノジメタン類、N−(2−ヒドロキシフェニル)−2−[(4−ヒドロキシフェニル)チオ]アセタミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)−2−[(4−ヒドロキシフェニル)チオ]アセタミド、4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリド、4’−ヒドロキシ−4−メチルベンゼンスルホンアニリド、4,4’−ビス(4−メチル−3−フェノキシカルボニル)アミノフェニルウレイド))ジフェニルスルホン、3−(3−フェニルウレイド)ベンゼンスルホンアニリド、オクタデシルリン酸、ドデシルリン酸;又は下記式で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物若しくはそれらの混合物等が挙げられる。
【0048】
【化7】
【0049】
これらの中では4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンやジフェニルスルホン架橋型化合物若しくはそれらの混合物が好ましく挙げられる。
【0050】
画像安定剤としては、例えば、4−ベンジルオキシ−4’−(2−メチルグリシジルオキシ)−ジフェニルスルホン、4,4’−ジグリシジルオキシジフェニルスルホン等のエポキシ基含有ジフェニルスルホン類;1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、4−[α−(ヒドロキシメチル)ベンジルオキシ]−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、2−プロパノール誘導体、サリチル酸誘導体、オキシナフトエ酸誘導体の金属塩(特に亜鉛塩)、2,2−メチレンビス(4,6−t−ブチルフェニル)フォスフェイトの金属塩、その他水不溶性の亜鉛化合物、2,2−ビス(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジブロモフェニル)プロパン、4,4’−スルホニルビス(2,6−ジブロモフェノール)、4,4’−ブチリデン(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチル−4,4’−スルホニルジフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン等のヒンダードフェノール化合物、フェノールノボラック型化合物、エポキシレジン等を挙げることができる。
【0051】
なお、画像安定剤は好ましくは常温で固体であり、特に好ましくは融点が60℃以上であり、水に溶けにくい化合物である。
【0052】
増感剤としては、例えば、ステアリン酸アミド、ステアリン酸アニリド、またはパルチミン酸アミド等の高級脂肪酸アミド類;ベンズアミド、アセト酢酸アニリド、チオアセトアニリドアクリル酸アミド、エチレンビスアミド、オルトトルエンスルホンアミド、パラトルエンスルホンアミド等のアミド類;フタル酸ジメチル、イソフタル酸ジベンジル、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジフェニル、テレフタル酸ジベンジル等のフタル酸ジエステル類;シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)、シュウ酸ジ(4−クロロベンジル)、シュウ酸ベンジルとシュウ酸ジ(4−クロロベンジル)の等量混合物、シュウ酸ジ(4−クロロベンジル)とシュウ酸ジ(4−メチルベンジル)の等量混合物等のシュウ酸ジエステル類;2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス−2,6−ジ−t−ブチルフェノール等のビス(t−ブチルフェノール)類;4,4’−ジメトキシジフェニルスルホン、4,4’−ジエトキシジフェニルスルホン、4,4’−ジプロポキシジフェニルスルホン、4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホン、4,4’−ジブトキシジフェニルスルホン、4,4’−ジイソブトキシジフェニルスルホン、4,4’−ジペンチルオキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヘキシルオキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアリルオキシジフェニルスルホン等の4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンのジエーテル類;2,4’−ジメトキシジフェニルスルホン、2,4’−ジエトキシジフェニルスルホン、2,4’−ジプロポキシジフェニルスルホン、2,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホン、2,4’−ジブトキシジフェニルスルホン、2,4’−ジイソブトキシジフェニルスルホン、2,4’−ジペンチルオキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヘキシルオキシジフェニルスルホン、2,4’−ジアリルオキシジフェニルスルホン等の2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンのジエーテル類;
【0053】
1,2−ビス(フェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン、1,2−ビス(4−メトキシフェニルチオ)エタン、1,2−ビス(4−メトキシフェノキシ)プロパン、1,3−フェノキシ−2−プロパノール、1,4−ジフェニルチオ−2−ブテン、1,4−ジフェニルチオブタン、1,4−ジフェノキシ−2−ブテン、1,5−ビス(4−メトキシフェノキシ)−3−オキサペンタン、1,3−ジベンゾイルオキシプロパン、ジベンゾイルオキシメタン、4,4’−エチレンジオキシ−ビス−安息香酸ジベンジルエステル、ビス〔2−(4−メトキシ−フェノキシ)エチル〕エーテル、2−ナフチルベンジルエーテル、1,3−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ジエトキシナフタレン、1,4−ジベンジルオキシナフタレン、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、p−(2−ビニルオキシエトキシ)ビフェル、p−アリールオキシビフェニル、p−プロパギルオキシビフェニル、p−ベンジルオキシベンジルアルコール、4−(m−メチルフェノキシメチル)ビフェニル、4−メチルフェニル−ビフェニルエーテル、ジ−β−ナフチルフェニレンジアミン、ジフェニルアミン、カルバゾール、2,3−ジ−m−トリルブタン、4−ベンジルビフェニル、4,4’−ジメチルビフェニル、
【0054】
m−ターフェニル、p−ターフェニル等のターフェニル類;
【0055】
1,2−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エタン、2,3,5,6−テトラメチル−4’−メチルジフェニルメタン、4−アセチルビフェニル、ジベンゾイルメタン、トリフェニルメタン、1−ヒドロキシ−ナフトエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル、N−オクタデシルカルバモイル−p−メトキシカルボニルベンゼン、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、β−ナフトエ酸フェニル、p−ニトロ安息香酸メチル、ジフェニルスルホン、
【0056】
炭酸ジフェニル、グアイアコールカーボネート、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−α−ナフチルカーボネート等の炭酸誘導体;
【0057】
1,1−ジフェニルプロパノール、1,1−ジフェニルエタノール、N−オクタデシルカルバモイルベンゼン、ジベンジルジスルフィド、ステアリン酸、アマイドAP−1(ステアリン酸アミドとパルミチン酸アミドの7:3混合物)、
【0058】
ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等のステアリン酸塩類;パルチミン酸亜鉛、ベヘン酸、ベヘン酸亜鉛、モンタン酸ワックス、ポリエチレンワックス等を挙げることができる。
【0059】
好ましくは、2−ナフチルベンジルエーテル、m−ターフェニル、4−ベンジルビフェニル、シュウ酸ベンジル、シュウ酸ジ(4−クロロベンジル)、シュウ酸ベンジルとシュウ酸ジ(4−クロロベンジル)の等量混合物、シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)、シュウ酸ジ(4−クロロベンジル)とシュウ酸ジ(4−メチルベンジル)の等量混合物、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、1,2−ビス(フェノキシ)エタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン、テレフタル酸ジメチル、ステアリン酸アミド、アマイドAP−1(ステアリン酸アミドとパルミチン酸アミドの7:3混合物)、ジフェニルスルホン、4−アセチルビフェニルを挙げることができる。
【0060】
さらに好ましくは、シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン、ジフェニルスルホン又は2−ナフチルベンジルエーテルを挙げることができる。
【0061】
填料としては、例えば、シリカ、クレー、カオリン、焼成カオリン、タルク、サテンホワイト、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、プラスチックピグメント、珪藻土、タルク、水酸化アルミニウム等を挙げることができる。これらの中でも、焼成カオリン、炭酸カルシウムを好適に例示することができる。填料の使用割合は、発色染料1質量部に対して0.1〜15質量部、好ましくは1〜10質量部である。また上記填料を混合して使用することも可能である。
【0062】
分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコールや、アセトアセチル化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、アマイド変性ポリビニルアルコール、ブチラール変性ビニルアルコールなどの各種のケン化度、重合度のポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、アセチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルアミド、デンプン、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム等のスルホコハク酸エステル類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルのナトリウム塩、脂肪酸塩、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、ポリスチレン及びそれらの共重合体、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、クマロ樹脂等を挙げることができる。
分散剤は水、アルコール、ケトン、エステル、炭化水素等の溶剤に溶かして使用するほか、水又は他の溶媒中に乳化あるいはペースト状に分散させた状態で使用することも可能である。
【0063】
酸化防止剤としては、例えば、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−プロピルメチレンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4−{4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−α,α−ジメチルベンジル}フェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、1,3,5−トリス[{4−(1,1−ジメチルエチル)−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルフェニル}メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス[{3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル}メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン等を挙げることができる。
【0064】
減感剤としては、例えば、脂肪族高級アルコール、ポリエチレングリコール、グアニジン誘導体等を挙げることができる。
【0065】
粘着防止剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、カルナウバワックス、パラフィンワックス、エステルワックス等を挙げることができる。
【0066】
消泡剤としては、例えば、高級アルコール系、脂肪酸エステル系、オイル系、シリコーン系、ポリエーテル系、変性炭化水素系、パラフィン系等を挙げることができる。
【0067】
光安定剤としては、例えば、フェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1'',1'',3'',3''−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3'',4'',5'',6''−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ドデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ウンデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−トリデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−テトラデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ペンタデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ヘキサデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(2''−エチルヘキシル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(2''−エチルヘプチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(2''−エチルオクチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(2''−プロピルオクチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(2''−プロピルヘプチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(2''−プロピルヘキシル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(1''−エチルヘキシル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(1''−エチルヘプチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(1’−エチルオクチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(1''−プロピルオクチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(1''−プロピルヘプチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(1''−プロピルヘキシル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)]フェノール、ポリエチレングリコールとメチル−3−[3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネートとの縮合物等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2’−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系紫外線吸収剤;ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)エステル、2−(3,5−ジ−t−ブチル)マロン酸−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)エステル等のヒンダードアミン系紫外線吸収剤;1,8−ジヒドロキシ−2−アセチル−3−メチル−6−メトキシナフタレン等を挙げることができる。
【0068】
蛍光増白剤としては、例えば、4,4’−ビス[2−アニリノ−4−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=二ナトリウム塩、4,4’−ビス[2−アニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=二ナトリウム塩、4,4’−ビス[2−アニリノ−4−ビス(ヒドロキシプロピル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=二ナトリウム塩、4,4’−ビス[2−メトキシ−4−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=二ナトリウム塩、4,4’−ビス[2−メトキシ−4−(2−ヒドロキシプロピル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=二ナトリウム塩、4,4’−ビス[2−m−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=二ナトリウム塩、4−[2−p−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]−4’−[2−m−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=四ナトリウム塩、4,4’−ビス[2−p−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=四ナトリウム塩、4,4’−ビス[2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−フェノキシアミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=六ナトリウム塩、4,4’−ビス[2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−(p−メトキシカルボニルフェノキシ)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=六ナトリウム塩、4,4’−ビス[2−(p−スルホフェノキシ)−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=六ナトリウム塩、4,4’−ビス[2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−ホルマリニルアミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=六ナトリウム塩、4,4’−ビス[2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=六ナトリウム塩等を挙げることができる。
【0069】
(記録材料の製造方法)
本発明を感熱記録紙に使用する場合には、既知の使用方法と同様に行えばよく、例えば、本発明の化合物の微粒子及び発色性染料の微粒子のそれぞれをポリビニルアルコールやセルロース等の水溶性結合剤の水溶液中に分散された懸濁液を混合して紙等の支持体に塗布して乾燥することにより製造できる。
【0070】
本発明を感圧複写紙に使用するには、既知の顕色剤あるいは増感剤を使用する場合と同様にして製造できる。例えば、公知の方法によりマイクロカプセル化した発色性染料を適当な分散剤によって分散し、紙に塗布して発色剤シートを作製する。また、顕色剤の分散液を紙に塗布して顕色剤シートを作製する。このようにして作製された両シートを組合せて感圧複写紙が作製される。感圧複写紙としては、発色性染料の有機溶媒溶液を内包するマイクロカプセルを下面に塗布担持している上用紙と顕色剤(酸性物質)を上面に塗布担持している下用紙とからなるユニットでも、あるいはマイクロカプセルと顕色剤とが同一の紙面に塗布されているいわゆるセルフコンテントペーパーであってもよい。
【0071】
その際使用する顕色剤又は混合して使用する顕色剤としては、従来既知のものが用いられ、例えば酸性白土、活性白土、アパタルジャイト、ベントナイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸亜鉛、珪酸錫、焼成カオリン、タルク等の無機酸性物質;蓚酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、ステアリン酸等の脂肪族カルボン酸;安息香酸、p−t−ブチル安息香酸、フタル酸、没食子酸、サリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−フェニルサリチル酸、3−シクロヘキシルサリチル酸、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸、3−メチル−5−ベンジルサリチル酸、3−フェニル−5−(2,2−ジメチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−(2−メチルベンジル)サリチル酸、2−ヒドロキシ−1−ベンジル−3−ナフトエ酸等の芳香族カルボン酸及びこれら芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、チタン等の金属塩;p−フェニルフェノール−ホルマリン樹脂、p−ブチルフェノール−アセチレン樹脂等のフェノール樹脂系顕色剤及びこれらフェノール樹脂系顕色剤と上記芳香族カルボン酸の金属塩との混合物等を挙げることができる。
【0072】
本発明で使用する支持体は従来公知の紙、合成紙、フィルム、プラスチックフィルム、発砲プラスチックフィルム、不織布、古紙パルプ等の再生紙等を使用することができる。またこれらを組み合わせたものを支持体として使用することもできる。
【0073】
紙を支持体に用いる場合は、そのまま紙に染料分散液、顕色剤分散液、填料分散液を含有する分散液を塗布してもよいが、予め、アンダーコート層分散液を塗布して乾燥させた後、前記分散液を塗布してもよい。好ましくは、アンダーコート層分散液を塗布した後、前記分散液を塗布した方の発色感度が良好である。
アンダーコート層分散液は、支持体の表面の平滑性を向上させるために用いるのであって、特に限定されるものではないが、填料、分散剤、水が含まれる方がよく、具体的には、填料としては焼成カオリン、炭酸カルシウム、分散剤としてはポリビニルアルコールが好ましい。
【0074】
支持体上に記録材料層を形成させる場合には、染料分散液、顕色剤分散液、填料分散液を含有する分散液を支持体に塗布して乾燥させる方法、分散液をスプレー等で噴霧して乾燥させる方法、分散液に一定時間浸漬して乾燥させる方法等があげられる。また、塗布する場合には、手塗り、サイズブレスコーター法、ロールコーター法、エアナイフコーター法、ブレンドコーター法、ブローコーター法、カーテンコーター法、コンマダイレクト法、グラビアダイレクト法、グラビアリバース法、リバース・ロールコーター法等が挙げられる。
【実施例】
【0075】
以下、本発明の記録材料について実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明は必ずしもこれだけに限定されるものではない。
【0076】
[実施例1]N−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドの合成
精製された2−アミノフェノール(アルドリッチ社製、純度99%)6.0gをアセトン75ml、水25ml、炭酸水素ナトリウム4.6g中に加え、5℃まで冷却した。ここに、桂皮酸クロライド8.6gの塩化メチレン10ml溶液を、温度が10℃以上にならないように滴下した。滴下終了後、室温にて2時間反応を行った。反応終了後、35%塩酸2.6gを加えて反応液のpHを酸性とした後、減圧下、溶媒を留去した。残渣にメタノール50mlと水25mlを加え、一旦60℃まで加熱した後、5℃まで冷却した。析出した結晶をろ取した後、水でろ液が無色になるまで結晶を十分洗浄した。得られた結晶を減圧下乾燥することにより、目的物を白色の結晶として11.1g(桂皮酸クロライド換算の収率93%)を得た。
H―NMR(d―DMSO):δ6.79(dt,1H),δ6.88(dd,1H),δ6.95(dt,1H),δ7.16(d,1H),δ7.41(m,3H),δ7.56(d,1H),δ7.63(d,2H),δ7.92(d,1H),δ9.47(s,1H),δ9.96(bs,1H).
融点:160−163℃
【0077】
[実施例2]特開平6−239813の精製法による2−アミノフェノールの精製およびN−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドの合成
純度の低い2−アミノフェノール(純度97%)6.0gを水20ml中に分散させた後、35%塩酸5.7gを加えて均一溶液とした。この溶液にハイドロサルファイトナトリウム0.1gを加えて溶解させ、次いで10℃まで冷却した後、28%水酸化ナトリウム7.9gをゆっくり加えて中和した。ここにアセトン75ml、炭酸水素ナトリウム4.6gを加えた後、5℃まで冷却した。ここに桂皮酸クロライド8.6gの塩化メチレン10ml溶液を滴下し、室温まで昇温した後、2時間反応を行った。以下、実施例1と同様の後処理を行い、目的物を白色の結晶として11.8g(桂皮酸クロライド換算の収率99%)を得た。融点:158−163℃
【0078】
[実施例5]
特開2003−305959号公報の実施例1で記載された方法で、精製された2−アミノフェノール(アルドリッチ社製、純度99%)10.0g及び桂皮酸クロライド7.7gを用いてN−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミド8.38g(桂皮酸クロライド換算の収率70.1%)を合成した。得られた結晶は白色であった。
【0079】
[比較例1]
ハイドロサルファイトナトリウムの添加を行なわずに、実施例2を実施し、N−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミドを合成した。目的物は黄色結晶として得られた。また、得られた結晶を再度n−ヘキサン/酢酸エチルから再結晶を行っても結晶は黄色いままであった。
【0080】
[比較例2]
特開2003−305959号公報の実施例1で記載された方法で、精製処理をしていない2−アミノフェノール5.0g(東京化成工業株式会社製、純度99.5%)及び桂皮酸クロライド3.8gを用いてN−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミド2.3g(桂皮酸クロライド換算の収率38%)を合成した。得られた結晶は黄色であった。融点:158−162℃
【0081】
[比較例7]
特開2003−305959号公報の実施例1で記載された方法で、精製処理をしていない2−アミノフェノール(東京化成工業株式会社製、純度99.5%)を開封し、1年間室温下で保管した2−アミノフェノール5.0g及び桂皮酸クロライド3.8gを用いてN−(2−ヒドロキシフェニル)−シンナモイルアミド8.71g(桂皮酸クロライド換算の収率72.8%)を合成した。得られた結晶は黄色であった。
【0082】
[測定例1]色差計による粉体の白色度の測定
サンプルを分光色彩計(SD 5000、日本電色工業株式会社製)の粉体測定用付属セルに光を透過させないように充填させ、測定径を28mmに設定して室温雰囲気下で測定して、実施例1〜2、5および比較例1〜2、7のハンター白色度、色彩値L、aおよびbを測定し、その結果を第1表に示した。
【0083】
【表1】
【0084】
第1表の結果から、2−アミノフェノールを精製せずに製造した場合(比較例1)ではbが高く黄色であることがわかり、特開2003−305959号での製法(比較例2)でもbが高いことから黄色であることがわかった。また、2−アミノフェノールを精製せずに本発明の製造法で製造した場合(比較例7)でもbが高いことから黄色であることがわかった。しかし、精製した2−アミノフェノールを用いた場合(実施例1、2、5)では白色度に優れ、bが低い値であることがわかった。
【0085】
[実施例3]感熱記録紙の作製
染料分散液(A液)
3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 16部
ポリビニルアルコール10%水溶液 84部
顕色剤分散液(B液)
実施例1の化合物 16部
ポリビニルアルコール10%水溶液 84部
填料分散液(C液)
炭酸カルシウム 27.8部
ポリビニルアルコール10%水溶液 26.2部
水 71部
(部は質量部)
【0086】
まず、A〜C液の各組成の混合物をそれぞれサンドグラインダーで充分に磨砕して、A〜C液の各成分の分散液を調整し、A液1質量部、B液2質量部、C液4質量部を混合して塗布液とした。この塗布液をワイヤーロッド(Webster社製、ワイヤーバーNO.12)を使用して白色紙に塗布・乾燥した後、カレンダー掛け処理をして、感熱記録紙を作製した(塗布液は乾燥質量で約5.5g/m)。
【0087】
[実施例6]
実施例3の顕色剤分散液(B液)中、実施例1の化合物の代わりに実施例5の化合物を用いた以外は、実施例3に記載の方法で感熱紙を作製した。
【0088】
[比較例3]
実施例3の顕色剤分散液(B液)中、実施例1の化合物の代わりに4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンを用いた以外は、実施例3に記載の方法で感熱紙を作製した。
【0089】
[比較例4]
実施例3の顕色剤分散液(B液)中、実施例1の化合物の代わりに
【0090】
【化8】
【0091】
を用いた以外は、実施例3に記載の方法で感熱紙を作製した。
【0092】
[比較例5]
実施例3の顕色剤分散液(B液)中、実施例1の化合物の代わりに
【0093】
【化9】
【0094】
を用いた以外は、実施例3に記載の方法で感熱紙を作製した。
【0095】
[比較例8]
実施例3の顕色剤分散液(B液)中、実施例1の化合物の代わりに比較例7の化合物を用いた以外は、実施例3に記載の方法で感熱紙を作製した。
【0096】
[実施例4]
実施例3の白色紙に代えて、白色紙に下記組成のアンダーコート層分散液を乾燥質量で約8g/m塗布し、それを乾燥させた紙を用いた以外は、実施例3に記載の方法で感熱紙を作製した。
アンダーコート層分散液
炭酸カルシウム(白石工業製 Unibur−70) 27.8部
ポリビニルアルコール10%水溶液 26.2部
水 71部
【0097】
[比較例6]
実施例3の顕色剤分散液(B液)中、実施例1の化合物の代わりに4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンを用いた以外は、実施例3に記載の分散液を使用し、実施例4に記載の方法で感熱紙を作製した。
【0098】
[試験例1](動的発色感度)
実施例3〜4及び比較例3〜6で作製した各記録紙の一部を切り取り、感熱紙発色試験装置(商品名:TH−PMH型、大倉電機製)を使用して動的発色感度試験を行い、印字電圧17V、パルス幅0.2、0.35、0.5、0.65、0.8、0.95、1.1、1.25、1.4、1.6、1.8msの各条件で発色させた後、その印字濃度をマクベス反射濃度計(商品名:RD−19I グレタグマクベス社製)で測定した。
その結果を第1図にまとめて示した。また、代表的な値として1.1および1.25msの条件で発色させた値を第2表に記載した。この結果から実施例3は4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンと同等の発色感度を有し、アミノフェノール側の芳香族はアミノ基とフェノール基がパラ位よりもオルト位に置換した化合物の方の発色感度が良好であることがわかった。
【0099】
【表2】
【0100】
第2表より、実施例3と比較例3、また実施例4と比較例6とを比較すると、本発明品は市販の顕色剤と同等の発色感度であることが判明した。また本発明品はアンダーコート層を塗布した後に発色層を塗布した方が発色感度の向上が大きいことが判明した。
【0101】
[測定例2](感熱紙色差計測結果)
実施例3、6及び比較例8で作製した各記録紙のISO白色度を分光白色度計(FP 10、日本電色工業社製)を用いて測定し、色彩値を分光測色計(Spectroeye LT、X−rite社製)を用いてL、aおよびbを測定した。その結果を第3表に示した。
【0102】
【表3】
【0103】
感熱紙を作製して色差を評価した結果(第3表)、精製していない2−アミノフェノールを用いた場合(比較例8)は、ISO白色度、a、bが悪いことが判明した。
また、精製された2−アミノフェノールを用いても、本願発明の製造方法(注1)で製造した場合(実施例3)は、公知の製造方法(注2)で製造した場合(実施例6)よりも、ISO白色度、a、bが良くなることが判明した。
注1:本願発明の製造方法とは、2−アミノフェノールと桂皮酸クロライドを当モル使用し、アルカリ化合物として炭酸水素ナトリウムを用いて反応を行い、結晶はメタノールと水の混合溶媒から析出させ、水で結晶を洗浄した方法である。
注2:公知の製造方法とは、2−アミノフェノールと桂皮酸クロライドをモル比で2対1の割合で反応させ、トルエン/メチルイソブチルケトンの混合溶媒から析出させた方法である。
【0104】
(まとめ)
地肌の白色度が優れている顕色剤を製造するには、第1の要件を必ず満たす必要があり、さらに好ましくは第2の要件と第3の要件を満たすことである。本願発明の製造方法により、結晶の着色が見られず、さらに感熱紙にした時も着色が見られない桂皮酸アミド系フェノール性化合物を初めて得ることができた。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明によれば、特定の桂皮酸アミド系フェノール性化合物を顕色剤として用いると、従来にない地肌の白色度が優れ、発色性能、地肌及び画像の両方の保存性を兼ね備えた、特に地肌の白色度が優れ、発色性能のいずれにおいても極めて実用的に優れた記録材料を得ることができる。
図1