特許第6162357号(P6162357)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ブラウン,ガレット,ダブリュー.の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6162357
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】関節式アーム・サポート
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/56 20060101AFI20170703BHJP
   A61F 2/58 20060101ALI20170703BHJP
【FI】
   A61F2/56
   A61F2/58
【請求項の数】14
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2010-523123(P2010-523123)
(86)(22)【出願日】2008年8月28日
(65)【公表番号】特表2010-537740(P2010-537740A)
(43)【公表日】2010年12月9日
(86)【国際出願番号】US2008074554
(87)【国際公開番号】WO2009029693
(87)【国際公開日】20090305
【審査請求日】2011年6月29日
【審判番号】不服2015-5961(P2015-5961/J1)
【審判請求日】2015年4月1日
(31)【優先権主張番号】60/968,974
(32)【優先日】2007年8月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507334680
【氏名又は名称】ブラウン,ガレット,ダブリュー.
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153084
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 康史
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100157211
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 一夫
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,ガレット ダブリュ.
【合議体】
【審判長】 平岩 正一
【審判官】 西村 泰英
【審判官】 長清 吉範
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第6042064(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0015879(US,A1)
【文献】 米国特許第5111983(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0012376(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上半身付属肢支持装置であって、
一つ以上の弾性機構(41、42)を有する少なくとも1つの関節式支持構造体(1)であって、前記一つ以上の弾性機構(41、42)によって上方に偏っている、少なくとも1つの関節式支持構造体(1)と、
前記関節式支持構造体(1)に可動的に取付けられた、上半身付属肢支持構造体(10)と、を具備し、
前記上半身付属肢支持構造体(10)は、上半身付属肢の少なくとも一部を乗せる、面を備え、
前記上半身付属肢支持構造体(10)は、第1ピボット(16)において前記関節式支持構造体(1)にピボット回転自在に接続されており、軸まわりにおける前記関節式支持構造体(1)に対する前記上半身付属肢支持構造体(10)の傾斜運動が提供され、
前記上半身付属肢支持構造体(10)は、更に第2ピボット(12)において前記関節式支持構造体(1)にピボット回転自在に接続されており、軸まわりにおける前記関節式支持構造体(1)に対する前記上半身付属肢支持構造体(10)のパン運動が提供され、
前記関節式支持構造体(1)は、前記一つ以上の弾性機構(41、42)によって前記上半身付属肢支持構造体(10)において生成される垂直方向の持ち上げる力を及ぼすことによって、前記上半身付属肢支持構造体(10)の重さ、及び前記面にかかるすべての重さに対抗して支える、
上半身付属肢支持装置。
【請求項2】
当該装置を支持体に取付けるための、前記関節式支持構造体(1)に取付けられた、取付け部材を具備する、請求項1に記載の支持装置。
【請求項3】
当該装置は、ユーザーが着用することができるハーネスに取付けられている、請求項1に記載の支持装置。
【請求項4】
前記関節式支持構造体(1)の選択された横方向の面に実質的に垂直な面内で、前記関節式支持構造体(1)を偏らせるための偏りヒンジを少なくとも1つ具備する、請求項1に記載の支持装置。
【請求項5】
前記上半身付属肢支持構造体(10)は、遠端ピボット回転位置(2)で前記関節式支持構造体(1)にピボット回転可能に接続されており、
前記上半身付属肢支持構造体(10)前記遠端ピボット回転位置(2)は、ノブ(25)によって前記一つ以上の弾性機構(41、42)の近端の終端部を上方あるいは下方に向けることによって前記遠端ピボット回転位置(2)の持上げ量が変更される、請求項1に記載の支持装置。
【請求項6】
前腕を収容するように構成された、第一の部分、及び手又は手首を収容するように構成された、第二の部分の、2つの部分を有する上半身付属肢支持構造体(10)を具備する、請求項1に記載の支持装置。
【請求項7】
前記上半身付属肢支持構造体(10)の前記第二の部分は、前記上半身付属肢支持構造体(10)の前記第一の部分にピボット回転可能に取付けられた、請求項に記載の支持装置。
【請求項8】
前記上半身付属肢支持構造体(10)の前記第二の部分は、前記関節式支持構造体(1)にピボット回転可能に取付けられた、請求項に記載の支持装置。
【請求項9】
さらに、1つあるいはそれ以上のロール機構を具備し、
前記ロール機構の少なくとも1つは、
ローラ・トラックを持つ、ロール・プレートと、
前記ローラ・トラック上をロールして前記乗せる面が弧状に動くことができるようにするように構成された、複数のトラック・ローラを有するトラック・ローラ・サポートと、
を具備する、請求項に記載の支持装置。
【請求項10】
前記第一の部分に機能的に接続されている、ロール機構、及び、前記第二の部分に機能するように接続されている、ロール機構を具備して、これら前記ロール機構の回転軸は互いに一直線上にある、請求項に記載の支持装置。
【請求項11】
前記ロール機構は、約20°から約30°の範囲の前記乗せる面の回転を提供する、請求項又は10に記載の支持装置。
【請求項12】
請求項1に記載の支持構造体を具備する、椅子。
【請求項13】
請求項1に記載の支持構造体を具備する、テーブル。
【請求項14】
上半身付属肢支持装置であって、
一つ以上の弾性機構(41、42)を有する少なくとも1つの関節式支持構造体(1)であって、前記一つ以上の弾性機構(41、42)によって上方に偏っている、少なくとも1つの関節式支持構造体(1)と、
遠端ピボット回転位置(2)で、ピボット回転可能に前記関節式支持構造体(1)に取付けられた、上半身付属肢支持構造体(10)と、
前記上半身付属肢支持構造体(10)の前記遠端ピボット回転位置(2)の位置を調整する、調整機構(25)と、を具備し、
前記上半身付属肢支持構造体(10)は、
上半身付属肢の少なくとも一部を乗せる、面を備え、
前記関節式支持構造体(1)は、前記一つ以上の弾性機構(41、42)によって前記上半身付属肢支持構造体(10)において生成される垂直面内の持ち上げる力を及ぼすことによって、前記上半身付属肢支持構造体(10)の重さ、及び前記面にかかるすべての重さに対抗して支え、
当該上半身付属肢支持装置は、さらに、
前記上半身付属肢支持構造体(10)の前記上半身付属肢の少なくとも一部を乗せる、面から持ち上げたり、前記上半身付属肢支持構造体(10)の前記上半身付属肢の少なくとも一部を乗せる、面の上で横滑りしたりせずに、上半身付属肢を回転できる、ロール機構であって、ローラ・トラックを持つロール・プレートと、前記ローラ・トラック上をロールして前記乗せる面が弧状に動くことができるようにするように構成された、複数のトラック・ローラを有するトラック・ローラ・サポートとを備えた、ロール機構と、
当該装置を支持体に取付けるために、前記関節式支持構造体(1)に取付けられた、取付け部材と、
を具備する、上半身付属肢支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の例示的な実施態様は、一般に、作業時の負荷を和らげるための人間工学に基づく装置に関し、より具体的には、引き延ばされた、支持されていない人の腕、手首、及び手と一体化した状態での作業による累積的なストレスを和らげることに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの科学、医療、及び産業での作業には、軽量の対象物、あるいは、器具を、長い時間に渡って空中に保持しながら空中で操作しなければならない、手作業が含まれる。“ピペッティング”(少量の液体を容器に投与する)の行為は、例えば、その間、作業者の腕が本質的に支持されないままに繊細な繰り返しが何時間も必要となることがある。この繰り返されるストレスは、結果として、回旋肢板及び手根管の傷害などの、作業関連の肩及び腕の障害の原因となることが知られている。当該技術分野では、固定的なアーム・サポート、いくらかの横方向の動きができる支持体が知られており、前腕、及び/又は、手首にかかるストレスを限定的に和らげることが提案されている。しかしながら、より広い範囲の、時には更により広い範囲の水平方向及び垂直方向の引き伸ばす動きが必要となる、このような作業において高い確率で問題が発生している。
【0003】
科学、及び医療での作業では、軽量の手で操作する器具及び装置のみを含むことがあるが、それでも、単に、これらの作業期間が延びて、彼あるいは彼女の伸ばした、支持されていない腕の重さのために、作業者にとってのストレスは深刻であることがある。横方向の自由度は提供する、スイング・アーム上のシェルフ・サポートを含む、既知の“人間工学的”シェルフ・サポート(支持体)は、基準支持位置の高さの上方あるいは下方で作業を行うために、垂直方向の動きを制限するかあるいはぎこちない腕の回転が必要とされる。
【0004】
しかしながら、ピペッティング、及び“エマルジョンブレーク”のような実験室での共通の作業では、様々な器具を摘み上げ、操作して、下に置くときに、繰返して、水平及び垂直方向の動きの自由度が必要となる。実際、“負荷(payload)”は取るに足りないものではあるが、作業者の長く伸ばした腕の重さの総量は、通常、1.4から4.5Kg(3から10ポンド)の間で変化し、(支持されていない)自己支持場合には全作業期間に渡って疲労して、結果的に、多くの傷害に悩まされて作業時間を失うことがある。実験室で使用されるよりもより重い有効量を使用する複数の行為によって問題は複合される。このような行為は多くの産業で数限りなく存在する。
【0005】
数限りない外科的、歯科的、及び治療行為を含む、ピペッティング、その他の医療及び科学での作業は、三次元空間内で彼あるいは彼女の腕あるいは手首を労力しないで大きな及び小さな動きを水平に保つことができる、伸縮自在の手段によって、作業者のために重力の作用を取除くことによって非常に大きな恩恵を受けることができる。しかしながら、既存の関節式支持装置と人によって異なり決して同じではない人間の関節を持った腕、手首、及び/又は、手と間の、心地よく、人間工学に適った、適切な接続を提供する際、問題が発生する。
【0006】
人の腕は生物学的な奇跡であるが、繰り返しのストレスによって、腕は疲れやすく、究極的には、傷害や外傷を負いやすい。必要なことは、その腕と解剖学的に接続されたて、邪魔されない、複数の軸を持つ、そして、角度的に機敏な人間の腕を制限することなくそのまま保存できる、持上げ装置との間の機敏な支持構造である。好適には、さらに必要なことは、軽量で、スプリングで補強されて、実質的に、摩擦のない、外部電源を全く持たず、そして、彼又は彼女の腕の重さをさせている間、かなりの程度、労力なしでユーザーの意図する腕の位置に追従する、機械式腕である。好適には、高度に、(その関節範囲の底部から頂部へ選択した量の重さを抵抗なく持上げるように)すべての方向に同じく伸縮自在であるべきであり、腕の素早い上方向、下方向、又は横方向への動きに追従してその装置を動かすために、より多くの労力を必要としないのように、低い慣性質量を持っているべきである。好適には、また、瞬間的に選択された位置から離れないように、“センタリング”機能を含むべきであり、パン(pan)内での前腕の回転、傾斜、ロール、並びに、水平方向、垂直方向、及びユーザーの体に近づいたりその体から遠ざかったりする空間的な移動を容易にするために、実質的に、摩擦がないものであるべきである。
【0007】
要約すると、必要なのは、空間的に機敏な動作ができて、腕等を伸ばす作業に従事している、伸ばした人の腕、手首、及び手の重さに対抗できる、支持装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許4,017,168(Re.32,213)号明細書
【特許文献2】米国特許5,360,196号明細書
【特許文献3】国際特許出願PCT/US2006/014036号明細書
【特許文献4】米国出願11/403,731号明細書
【発明の概要】
【0009】
本発明の例示的な実施態様は、人間の腕、手首、及び/又は、手の重さを釣合いをとって平衡させるように、機敏に持上げる構造体にピボット回転可能に取付けられた、アーム・サポート装置(腕支持装置)を提供する。好適には、この持上げ構造体は、低摩擦ジョイントを持つ、スプリングで動力を与えられた平行四辺形の持上げ構造体のような、1つあるいはそれ以上の平衡部分を含んでいる。
【0010】
この装置の例示的な実施態様は、ユーザーの肩のそれに類似する、固定的な支持装置に取付けたとき、人の腕や手首に平行な複数の位置を介して伸延する。好適には、この装置は、実質的に、重力に対抗する、上方に偏っている力を有していることによって、人の腕等を自助的に支持している際に伴う人の疲労を低減するか取除いて、好適には、人の手の届く全範囲に渡って、手を伸ばした状態で行われる作業を容易にしている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の例示的な実施態様に関するさらなる詳細に関しては、以下の図面と関連付けて、以下に記載した詳細な説明を参照された。
図1】本発明の例示的な実施態様によるアームレストに沿ったサポート・ブラケットにピボット回転可能に接続された、接続ヒンジを含むアーム・サポートの等角投影図である。
図2】本発明の例示的な実施態様による、アーム・サポートと共に使用するのに適した、機械式サポート・アームを示している。
図3】本発明の例示的な実施態様による、最終末尾ヒンジとアーム・サポート・ブラケットとの間にあって、1つの軸の角変位用の調整機構を含む、2軸ピボット接続を示している。
図4a】本発明の例示的な実施態様による、それぞれ、アームレスト面上の人の前腕(図示せず)に対して、わずかに底が重い状態を提供する、アーム・サポート・ブラケットの、2つの選択可能な垂直方向に変位したピボット位置を示している。
図4b】本発明の例示的な実施態様による、それぞれ、アームレスト面上の人の前腕(図示せず)に対して、ニュートラル・バランスを提供する、アーム・サポート・ブラケットの、2つの選択可能な垂直方向に変位したピボット位置を示している。
図5a】本発明の例示的な実施態様による、規格に準拠したビーンバック(beanbag)タイプの被支持体を乗せる面(rest surface)を示している。
図5b】本発明の例示的な実施態様による、使用中の図5aの乗せる面を示している。
図6a】本発明の例示的な実施態様による、図6bと共に、腕の位置と平行になるときのアーム・サポートの角度追従性能を示すために、前腕を胸の方向へ引いた状態での、人の前腕を支持する、本発明の使用例を示している。
図6b】本発明の例示的な実施態様による、図6aと共に、腕の位置と平行になるときのアーム・サポートの角度追従性能を示すために、前腕を完全に伸ばした状態での、人の前腕を支持する、本発明の使用例を示している。
図7a】本発明の例示的な実施態様による、胸の中間の位置で前腕を支持する、アーム・サポートの例示的な使用を示している。
図7b】本発明の例示的な実施態様による、腰の位置まで下げた位置で前腕を支持する、アーム・サポートの例示的な使用を示している。
図8】本発明の例示的な実施態様による、アーム・サポートを使用している、図7a、図7bに示す位置と反対側に位置するオペレータを示している。
図9a】本発明の例示的な実施態様による、装置の垂直方向のフルレンジの中間の高さよりわずかに下で固定された高さで、作業領域の側からはずれた位置で格納されたアーム・サポートを示している。
図9b】本発明の例示的な実施態様による、ユーザーの腕がアームレスト面上にセットされて、ドッキング機構を外すために十分に低くされて、格納を解除する手順を示している。
図10a】本発明の例示的な実施態様による、平衡リフティング・アームの遠端部上方に取付けて、干渉されないで、様々な作業環境での障害物に対応する、アーム・サポート装置を示している。
図10b】本発明の例示的な実施態様による、平衡リフティング・アームの遠端部下方に取付けて、干渉されないで、様々な作業環境での障害物に対応する、アーム・サポート装置を示している。
図11】手のひらの手首に近い部分を前腕に対して独立に回転させることができる、ピボット軸(好適には、手関節(wrist joint)より下方に位置する)によって接続された、前腕、及び手のひらの手首に近い部分用に分離した乗せる面を備えた、本発明の別の例示的な実施態様を示している。
図12a】前腕、及び/又は手のひらの手首に近い方の部分を乗せながら回転をできる、湾曲した、傾斜を持った乗せる面を含む、本発明の例示的な実施態様を示している。
図12b】前腕、及び/又は手のひらの手首に近いほうの部分を乗せながら回転をできる、湾曲した、傾斜を持った乗せる面を含む、本発明の例示的な実施態様を示している。
図13】別々にピボット回転するブラケットが手のひらの手首に近い方の部分を支持する構造体(支持構造体)、及び前腕を支持する構造体(支持構造体)を支持して、これらの間を相対的に回転できる、アーム・サポートの例示的な実施態様を示している。
図14】本発明の例示的な実施態様による、支持構造体上で乗せたまま、持ち上げられた位置でのユーザーの腕を示している。
図15】本発明の例示的な実施態様による、壁に取付けられた、腕支持構造体を示している。
図16】本発明の例示的な実施態様による、ハーネスに取付けられた、腕支持装置の部分を示している。
図17a】本発明の例示的な実施態様による、椅子に取付けられた、腕支持構造体を示している。
図17b】本発明の例示的な実施態様による、椅子に取付けられた、腕支持構造体を示している。
図18】本発明の例示的な実施態様による、テーブルに取付けられた、腕支持構造体を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の例示的な実施態様による、アーム・サポート10の等角投影図である。これは、サポート・ブラケット15とこれを囲むアームレスト17にピボット回転可能に接続された、接続ヒンジ11を含んでいる。ピン24は、ヒンジ11を機械式アームに遠端ピボット回転位置2で接続している。軸12、24の周りをピボット回転する、ヒンジ11は、実質的に、人の腕の機能に直接的に同時に追従するアーム1の同様の機能を邪魔することがないように、手首の動きとアーム・サポートを(図2に示されている)機械式持上げアーム1から横方向に伸ばす動きが要求する、角度的な自由度を提供するようにされている。
【0013】
好適には、アーム・サポート装置の角度調整は、人の腕が上に載っている状態を維持するあるいは様々な作業中に心地よく位置するようにするためにアーム・サポート・シェルフを角度的に偏らせるように提供される。
【0014】
ヒンジのピボット回転軸12は、好適には、アームレスト・サポート・ブロック14に調整可能に取付けられている、ボール・ロッド端13を受ける。アームレスト・サポート・ブラケット15は、軸16の周りをサポート・ブロック15に取付けられたベアリングを介してピボット回転する。軸位置ホール18によって、ブラケット15の前後のバランスをとることができる。取り囲むようにパッドを持ったアームレスト・クッション17は、ブラケット15に取付けられている。その軸位置は、ボール・ロッド端13を使用して微調整して突然の横方向の動きによって上に乗っている腕の位置がずれることを防止するようにすることができる。
【0015】
好適には、本発明のアーム・サポートの実施態様に取付けられている、機械式持上げ構造体は、近端部の方からみていくと、1つあるいはそれ以上の垂直ピボット、4つの水平ピボットを持つ第一の平行四辺形部分、1つあるいはそれ以上の垂直ピボットを持つ中央ヒンジ、を含む、実質的に、摩擦なく連結された、2つの部分を有する平行四辺形スプリング・アーム(図2参照)、4つの水平ピボットと遠端垂直ピボットを持つ遠端部の平行四辺形部分を備えている。単一の平行四辺形アームも、また、使用することができる。その他の様々なヒンジ、ピボット、及び締付け部材も、又、使用することができる。
【0016】
図2は、アーム・サポートを持上げるように調整された、好適には等方的に伸び縮みすることができる機械式サポート・アーム1のイラスト的な側面図を示している。近端コネクタ3は、(図8に示された)固定支持体44あるいは歩行するユーザー(例は図16に図示されている)によって着用されているサポート・ハーネスに取付けられている。ヒンジ5とピボット4は、人の肩と同じように、角度と横方向の自由度を提供する。4つの水平軸6aの回りにピボット回転する近端アーム部分6、及び軸9aの回りにピボット回転する遠端アーム部分9は、弾性機構41、42によって上方へ偏っている。その近端の終端部(図示せず)は、ノブ25によって上方あるいは下方へ向かうことで遠端ピボット位置2での有効持上げ量を変更するように調整されている。本発明の好適な実施態様では、アーム部分6、9は、それぞれ、人の上腕と前腕と同期して、これらと同じように動いて持ち上がる。一方で、医療ヒンジ8とピボット7は、人の肘と同様の角度的機能を提供する。
【0017】
本願発明の実施態様においては、支持するのに使用されているもののような、様々なスプリングによって動力を与えられて“平衡状態にある”平行四辺形アーム、及び、ランプ、X線装置、及び歯科処置装置のような、取付けられるもの(搭載物)を使用することができる。理想的には、アームは、全方向に等方的な弾性を持っているべきである。これらのアームは、多かれ少なかれ、選択された角度あるいは位置を保持ために摩擦に頼っているが、必ずしも、平行四辺形リンクの通常の角度的軌道からの外れのすべてを同じように持上げられるようにする必要はない。その図表をここで参照してその内容を取込むものとする、出願人の特許文献1に記載されたアームもまた、適切なアームである。その図表をここで参照してその内容を取込むものとする、出願人の特許文献2には、本発明の例示的な実施態様での使用に適しているであろう、等方的な弾性を持つアームの例が提供されている。これらのアームは、ほぼ一定の搭載物を持上げる力で支持して、アセンブリの一定の値に固定された重量に対抗することによって、等方的な持上げ範囲を作り出している。
【0018】
ここで参照してその内容を取込むものとする、出願人の最近の出願である特許文献3あるいは特許文献4に記載されたアーム、平衡支持装置もまた、本発明の例示的な実施態様と共に使用するのに適切である。その出願では、平行四辺形の関節を同じように持上げることができる範囲を動的に改善するために、カムあるいはクランクを使用する、単一スプリング・ジオメトリ、様々な記載されている。本発明の実施態様で、その出願に記載された調整機構を使用することができ、ユーザーが調整することができる。
【0019】
上述の特許文献に記載されたような、平衡アームは、所望する等方的な弾性を持った横方向及び垂直方向の範囲を提供することができる。人の腕の重さを最も軽いものから最も重いものまで浮動させる範囲をノブで調整された、搭載物の調整、及び“肩、上腕、肘、及び前腕”に似せた部分のような機構は、本発明の例示的な実施態様には効果的なものとなる。
【0020】
ここで参照したスプリングに替えて、その他の張力発生機構を使用できることに留意すべきである。
【0021】
図3は、本発明の例示的な実施態様による、ヒンジ11とアーム・サポート・ブラケット15との間にあって、1つの軸の角度変位用の調整機構13を含む、2軸ピボット接続を示している。ボール・ロッド端13は、軸12とアームレスト・サポート・ブロック14との間で可能な角度変位の範囲を例示するために、詳細に示されている。(アーム・サポート・ヒンジ11は、ここではアーム・サポート・ブラケット15と角度をなしてこれとほぼ同一水準に示されていることに留意すべきである。)軸16は、サポート・ブロック14に対してアームレスト・ブラケット15を盛上った位置20aでピボット回転させて、休息している人の腕の質量中心の上方に取り付けられた、底が重い、振り子を提供する。ベアリング・ホール位置20bと(ホール19の垂直列内で隣接する位置にみられる)ホール19aは、より低く、軸16に対するより中立なバランス位置を提供することができる。
【0022】
水平アーム・サポート・ピボットは、遠端アーム端に対して、1つあるいはそれ以上の方向に調整されることができる。作業者が所望すれば、水平アーム・サポート装置のピボットは、腕が休息している面と、上方、下方、あるいは、同一水準に位置することができる。このピボットを水平重力中心と同じ水準に位置させて、ほとんどあるいはまったく角度的な偏らせないことができ、又は、このアームの重力中心の上方あるいは下方に変位させて、そのアームに対して選択可能に偏らせて所望の傾斜を維持することができる。このピボットを、実質的に、水平に調整して、作業に応じて、前腕がわずかに上あるいは下に角度をなすように偏らせることもでき、あるいは、心地良さを求めて、再度、人の腕の質量中心の前後のバランスをとることもできる。
【0023】
図4aと図4bとは、本発明の例示的な実施態様による、支持される人の腕(図示せず)に対して、わずかに底が重い状態(図4a)、あるいは、ニュートラル・バランス(図4b)を提供する、アーム・サポート・ブラケット15の、2つの選択可能な垂直方向に変位したピボット位置を示している。位置20aに取り付けられた、軸16は、パッド17上に休息しているとき、前腕(図示せず)の平均的な質量中心の上方に位置している。一方、位置20b(図4b)は、その質量中心のより近傍にあって、前腕をよりニュートラルにバランスして、このようにして、作業に追従する際、軸16の回りに傾斜させる労力をほとんどあるいはまったく要しない。
【0024】
図5aは、本発明の例示的な実施態様による、規格に準拠したビーンバック(beanbag)タイプのアームレスト・パッド21を示し、図5bは、本発明の例示的な実施態様による、使用中のアームレスト・パッド21を人の前腕22bと手首22a、及び/又は、手のひらの手首に近い部分22cとの間の強制的な回転を示している。例えば、蕎麦の実、亜麻の種、豆、プラスチック・ボール、あるいは、その他適切なフィラー材料を含む、ビーンバック21は、前腕全体にわたって血液とリンパ液の循環を続けながら、ねじれの範囲に起因する、手首と肘(図示しない)との間のねじれ回転に順応して、前腕の尺骨を収容することができる面を提供することができる。フィラー材料によって、パッドは直ちに新しい腕あるいは手の位置に追従することができる。この順応収容機能は、航海術やカメラに応用したときのジンバルの“ロール”軸に類似する機能を提供する。アーム・サポート10によって、“パン(垂直軸の回りに回転すること)”及び“傾斜(腕22の長手方向に垂直な水平軸の回りに回転すること)”することができる。しかしながら、様々な作業に関連する手の角度に順応するために、より安定している前腕の位置に対して、手のひらの手首に近い部分でビーンバッグ内部のフィラーが移動することによって、“ロール”の有効自由度を得ることができる。前腕支持のみで必要とされる実施態様は、形状を保持する、電子レンジで使用できるビーンバッグ・バージョン及び真空定着したバージョン、及び心地よく様々なユーザーの前腕を長期の手を伸ばす作業中に支持するようにされた交換可能な外注成形部パッドを含む、その他の従来手法及び材料を使用して個別の心地よさを提供することができる。
【0025】
図6a、図6bは、それぞれ、胸に向かって惹かれた状態、完全に伸ばした状態における、機械式アーム1に可動に接続されて人の腕28を載せて運ぶアーム・サポート10を備えた、アーム・サポート装置23の角度及び横方向の異なる変位状態を示している。これにより、アーム・サポート10の角度的な機敏さ、及び、ヒンジ11とピボット12、16によって提供される、アーム・サポート・ブラケット15を機械式持上げアーム1から2軸で角度的に独立させている状態(2軸角度的分離)を示している。
【0026】
図7a、図7bは、本発明の例示的な実施態様による、アーム・サポート10に連結されて、それぞれ、胸の中央の高さ、腰の高さに腕がある状態での、人の腕28を載せて運ぶ、等方的弾性を持った機械式アーム1の別方向の動きを示している。図7a、図7bに見られるように、ヒンジ11が、水平線に対して、平行、あるいは、同一の角度で維持されている間ずっと、アーム1の実質的に等方的弾性を持って摩擦が低減されたピボットによって、最も低い位置から最も高い位置までアーム1の全関節動作で、上方平行四辺形アーム部6と前腕平行四辺形アーム部9が(ほぼ同じ角度で)同期して上がったり下がったりできるようになる。
【0027】
図8は、本発明の例示的な実施態様による、図7a、図7bに示す位置と反対側に連結された関節式アーム・サポート23の伸ばした状態の位置を示している。例示的なアーム・サポート装置1は、図7a、図7bに示す例のようには、ユーザーの腕に沿って接触して配置されていない。その代わり、機械式アーム部6、9、アーム・ブラケット15、及びパッド17は、作業者の前に配置されている。機械式アーム1の通常の好適な位置は、機械式アーム1を位置と角度の双方で人の上腕と前腕に大まかに平行にするために、ユーザーの肩の一方に沿ったものではあるが、図8に示したアーム・サポートの使用によって、人の肩から遠くに取付けられ場合であっても、同様かつ相補的な角度的空間的範囲を得ることもできる。このような配置が有益であることがあり、例えば、最も適切な取付け位置は、ピペッティングのような作業が行われる実験室内にあるような、テーブル上である。テーブル、ワークベンチ、机、あるいは、その類のもの上で実行される作業に対しては、1つあるいはそれ以上の機械式アームを椅子に取付けることができる。
【0028】
図9aは、装置の垂直方向のフルレンジの中間の高さよりわずかに下で固定された高さで、作業領域の側から外れた位置で仕舞われた(格納された)アーム・サポート10を示している。この実施態様では、ヒンジ11に関連するドッキング・リング26とピボット・ピン24は、近端部のヒンジ・ピン27の底に係合している。図9bは、ユーザーの腕28がアームレスト面17上にセットされており、ドッキング部材26、27の係合を解除できる程度に低くされたときの仕舞われた状態を解除する手順を示している。
【0029】
本発明の実施態様は、作業スペースや空間的な障害物の制約に応じて、支持される人の腕、及び/又は、手の平の手首に近い部分が、相似的に連結された平衡アームの上方に、下方に、あるいは、沿って配置されるように、機械式アームから吊るされた、機械式アームの上方に据え付けられた、若しくは、機械式アームに沿って伸びた、又は、異なる位置から作業者の腕あるいは手の背後に伸びる、アーム・サポート装置を提供することもできる。
【0030】
図10a、図10bは、サポート・ブラケットのアームレスト・ブラケット14への横方向へ隣接する代替的な取付け方として、それぞれ、平衡リフティング・アームの遠端部のピボット2の上方、下方に取り付けられて、干渉されないで、様々な作業環境での障害物に対応する、アーム・サポート装置10のその他の実施態様を示している。これらの配置によって、横方向の余裕がなく制限されてはいるが、人の腕のある最適範囲の上方あるいは下方には使用できる空間がある領域内で作業を容易にできる。これらの配置によって、人の腕あるいはその部分が機械式アーム1の上方あるいは下方を通過することもできる。図10aにおいて、直立した取付けピン29は、ピボット位置2にアーム部9の遠端部で回転可能に取付けられており、軸16を支えるベアリングを収容するために上方がくりぬかれている。図10bでは、取付けピン30は、同様に、ピボット位置2に回転可能に取付けられて、軸16を支えるベアリングを収容するために下方がくりぬかれている。図10bに示されているように、取付けピン30は、直線的でない形状を有することもでき、湾曲したあるいはジグザク形状を有して様々な使用に適応するようにできる。
【0031】
図10a、図10bの各々において、軸16は、トラック・ローラ・サポート45にピボット回転可能に取付けられている。トラック・ローラ32は、サポート45によって位置決めされて、パッド付のアームレスト31を支持するローラ・プレート33に取付けられている、ローラ・トラック35を係合している(オプションの反対側のトラック・ローラとローラは見えていない)。パッド付のアームレスト31がユーザーの前腕に実質的に平行なある軸の回りに“ロール”できる、その他のローリング機構を使用することができる。例えば、ローラ、あるいは、ホイール機構の代わりに、ボール・ベアリング機構を使用することができる。
【0032】
本発明の例示的な実施態様では、作業での手の操作の必要に応じて、乗っている前腕、及び/又は、手のひらの手首に近い部分がプラス・マイナスほぼ25°の範囲で低減された摩擦が低減された、又は摩擦のない軸上をロールできるようにされている。ロール範囲は、例えば、約15°から約35°、及び約20°から約30°である。ジンバル式カメラあるいはツール・サポートのロール軸ベアリングのように、これらのロール・プレートは、図5a、図5bのビーンバッグ・アームレストのロール軸の遊びを超えることができる3つの回転自由度を提供するか、又は、追加のあるいは代替のロール手段を提供する。
【0033】
アーム・サポート装置は、前腕サポートのための簡単なパッド付レスト、あるいは、1つあるいはそれ以上の軸の回りをピボット回転可能に相互接続された分離した面を含んで、前腕と手首(及び/又は、手のひらの手首に近い部分)との間の相対的な角度運動することができる。本発明の別の例示的な実施例では、支持された前腕と手首(及び/又は、手のひらの手首に近い部分)との間の回転自由度は、ビーンバッグあるいは蕎麦を充填したバッグあるいは、その他、長手方向に配置され、空気が充填された環状のクッションのような、相手の形に応じて変形できる媒体を備えたサポート構造体(支持構造体)によって部分的に達成される。
【0034】
本発明の実施態様は、過度の制約あるいは外部の影響を受けずに、人の前腕と手が互いに概ね垂直の3軸内で回転できるように、上記構造体のアーム・サポート部とハンド・サポート部との間に付加的な関節も提供することができる。
【0035】
図11は、好適及び実質的には、手のひらの手首に近い部分がアームレスト・サポート・ブラケット15に支持されている前腕レスト37b上に乗っている前腕に並んで独立して回転できる(好適には、手首ジョイントの直下に位置している)垂直軸ピボット36によってピボット回転可能に相互接続された湾曲した支持ブラケット38に支持されている、ハンド・レスト面37aを持つアーム・サポート10の、本発明の別の例示的な実施態様の等角投影図である。この実施態様では、所望の作業位置を探すために、アームレスト・サポート・ブラケット15を吊るすピボット軸16は、ブラケット38、15、パッド37、37b、及び支持された手と前腕の重さが実質的にバランスする点に位置している。所望の作業位置は、常にではないが、しばしば、実質的に水平である。このことは、ピボット軸16を列18から選択した適切なロケーション・ホールへ変位させることによって達成できる。好適な実施態様では、選択可能なホールと連続的な調整が垂直及び水平のバランス中心を変更すると考えられることに留意すべきである。
【0036】
図12a及び図12bは、乗せる面上から持上げあるいは乗せる面上で横滑りしないで、前腕及び手のひらの手首に近いほうの部分の回転を可能とする、半円筒状あるいは湾曲した傾斜ローム面33を含む、図11のアーム・サポート10の例示的な実施態様を示している。ロール・プレート33は、トラック・ローラ32を収容するローラ・トラック35を含んで、好適には、プラス/マイナス25°まで弧状に動く。ロール・プレート33ロール範囲は、例えば、約15°から約35°、及び約20°から約30°である。複数のトラック・ローラを、遠くの側に配置することもできるが、これらは見えていない。図12aの実施態様によって、ロール・プレート/トラック・ローラ・サポート45をアームレスト・サポート・ブラケット15にピボット回転可能に接続して、垂直軸36の回りの回転を付加することができる。したがって、ハンド・レスト面37aは、前腕及び手のひらの手首に近いほうの部分を連続的個別に支持しながら様々な複雑な手の動きをし易くするために、サポート・ブラケット15上に乗っている前腕支持パッド37bに対して、2つの互いに直行する軸の回りに動くことができる。
【0037】
図12bは、手のひらの手首に近いほうの部分と共にあるいは別々に、固定式パッド(あるいはビーンバッグ(beanbag))よりも前腕をはるかに大きく回転させることができる、傾斜したロール・プレートを示している。アームレスト・パッド31は、前腕のみを収容するように構成することができるか、前腕及び手のひらの手首をその上で乗せることができる。アームレスト・パッド31は、個別に、腕の寸法や形状の幅広い全範囲に合うようにモールドすることができる。
【0038】
図13は、アーム・サポート10の別のバージョンを示しており、平行軸39、46は,それぞれ、手のひらの手首に近い部分のサポート・アセンブリ(支持部材)47、前腕サポート・アセンブリ(支持部材)48を吊っており、ピボット回転の主軸16の周りの回転と共にそれらの間で相対的にスピンターン(counter-rotation)ができるようにされている。この例示的な実施態様では、ハンド・サポート・アセンブリ47は、ロール・プレート33、tラック35、ローラ32も備えて、湾曲したサポート・ブラケット38に取付けられているか支持されている、ハンド・レスト・パッド37aとアームレスト・パッド37bの間で相対的に回転することができる。
【0039】
図14は、本発明の例示的な実施態様による、持ち上げられた位置でのサポート・アーム装置を示しており、アーム・サポート10と複数の機械式アーム部1は、ユーザーの肩よりも高い位置にある。
【0040】
図15は、本発明の例示的な実施態様による、壁に取付けられた腕支持構造体を示している。装置は、アーム部6の近端部に壁に取付けられている。装置の意図する使用による負荷と重さに耐えられるものならば、様々な取付け手段を使用することができる。サポート・アームは、テーブルあるいは椅子のような、その他のものに取付けることができる。本発明の例示的な実施態様において、サポート・アーム構造体は、ユーザーが着用しているハーネスに取付けることができる。
【0041】
図16は、本発明の例示的な実施態様による、腕が終始支持された状態で歩きながら作業できるように、アーム・サポート機構52の近端部は人が着用しているベストに取付けられている、又はハーネス54に取付けられた、腕支持装置の部分を示している。例えば、1あるいは2本の腕に肩の高さで歯科医あるいは外科医が使用しているローリング・チェアに取付けることができることによって、支持装置が長時間に渡る作業中に作業者の前腕を支持する常に適切な位置にあるようにする、アタッチメントのこの様式の様々なハイブリッド・バージョンが可能である。
【0042】
アーム・サポート構造体は、限定ではなく例として、テーブル及び椅子を含む、様々な支持構造体に取付けることができる。図17aは、本発明の例示的な実施態様による、椅子(アームチェア)56の背もたれに取付けられた、アーム・サポート構造体(腕支持構造体)52を示しており、図17bは、本発明の例示的な実施態様による、椅子56の肘掛に取付けられた、腕支持構造体52を示しており、図18は、本発明の例示的な実施態様による、テーブル58に取付けられた、装置52を示している。
【0043】
本発明の例示的な実施態様は、支持パフォーマンスを人それぞれに異なる、腕の重さ、長さ、厚さ、嵩、及びユーザーの好みに適応させるために、また、必要なすべての保護具、及び/又は、隔離服の嵩と重さを収容するためにも、持上げ力、及びピボット回転軸のオフセットをユーザーが調整できる機能も提供する。好適には、アーム・サポートを平衡にする(釣合わせる)ことによって、所望の持ち上げを提供するように手で調整できる。
【0044】
別の本発明の例示的な実施態様においては、例えば、カム、あるいは、弾性的な機構によって作動させられる、センタリング機構は、横方向の位置の中立を保持して、関節式部材及びベアリングの許容誤差その他の理由による、ピボット回転した接続リンクの横方向に不安定な傾向に対抗できるようにする。
【0045】
ここで参照してその内容を取り込む特許文献3に記載されたような、ヒンジもまた、本発明の例示的な実施態様と共に使用するのに適切である。特許文献3は、選択された腕の部分の横方向の位置を保持すること(時々、“センタリング”と表現されるが、対称的に中心の位置に偏在させることに限定されない)によって、さらに腕のパフォーマンスを向上することができる、“偏ったヒンジ”を記載している。
【0046】
本発明の例示的な実施態様は、支持面を押して横に動かすことによって、使い易い位置と高さに保持して作業者が瞬時にドッキングを解除することができるように、アーム機構の遠端部で上方へ偏らせることができる、“ドッキング/アンドッキング”機構を提供することもできる。例示的なハードウェアは、例えば、都合のよい位置と高さに単純にスイング・オーバーしてフックが留め穴に引っ掛かることによって、その都合のよい位置と高さでサポート・アーム全体を動かなくするようにできる、フック及びそれを引っ掛ける留め穴を含んでいる。そして、作業彼あるいは彼女の腕を下ろしてアーム・サポートを必要としない他の仕事をすることができる。
【0047】
本発明の例示的な実施態様は、通院作業者が着用しているハーネスに取付けることもでき、自己支持にしばしば伴う疲労を抑えあるいなくした状態で、腕、及び/又は、手首に過度に影響を受けることばく、人の手が届き足が届くことができる全範囲で、手を伸ばしてする作業をすることもできる。装置の重さ、その装置に支えられて休息している人体の部分、及びそれらに取付けられているすべての装置を支えることができて、必要量動くことができる、すべてのハーネスが適切である。好適には、ハーネスは、人間工学に基づいて設計されて着用している人が心地よいことも望ましい。
【0048】
図11、12、及び13に開示して記載した、組合せ、及び入替えを含む、手のひらの手首に近い部分と腕との間の角度的な独立性を許容する、この他の組合せ、及び入替えは、本発明の範囲内であると解釈されることに留意すべきである。
【0049】
以下は、請求項の文言、及びここで記載した実施態様に関する補足である。
【0050】
一貫して、“水平方向”及び“垂直方向”を広い意味で、参照しており、ほぼ水平方向、あるいは、ほぼ垂直方向の位置を含むことを意図するものである。さらに、本発明のある実施態様においては、水平方向の部材は垂直方向の部材と代替可能であることに留意すべきである。
【0051】
上半身付属肢は、ここでは、腕、手、及び手首を含む、付属肢のすべての部分を意味するものとして使用されている。本出願では、一貫して、用語“腕”及び“手”は、それらのすべての部分を含んでおり、いくつかの例では、手首あるいはその部分を含むこともできる。
【0052】
関節式サポート・アームに“取付けられた”あるいは“接続された”部材は、ブロック端、ブラケット他のようなものに、直接的に、あるいは、間接的に、取付けられ、あるいは、接続されることができる。
【0053】
支持体に、関節式支持構造体に取付けることができる、当該支持体は、カート、荷車(dolly)、あるいは、人のように、移動可能であることができ、また、ポスト、梁、椅子、あるいは、テーブルのような、静止しているものであることもできる。
【0054】
本発明は、一貫してここに記載した特定の実施態様を参照して記載されたが、本開示は単に例示としてなされたものであって、本発明の思想と範囲を逸脱せずに、構成の詳細に関して数え切れない設計変更をなし得ることは理解されるべきである。したがって、本発明は上の特定の実施例に限定されるべきではなく、そのすべては、請求項とその等価物の思想と範囲の範囲内にあると理解されるべきであることを意図するものである。
【0055】
本出願は、「関節式アーム・サポート」と題して、出願日が2007年8月30日である、米国仮特許出願60/968,974に基づき、その優先権を主張するものである。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
図6a
図6b
図7a
図7b
図8
図9a
図9b
図10a
図10b
図11
図12a
図12b
図13
図14
図15
図16
図17a
図17b
図18