特許第6162407号(P6162407)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6162407
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】消音器
(51)【国際特許分類】
   F01N 13/18 20100101AFI20170703BHJP
   F01N 1/02 20060101ALI20170703BHJP
【FI】
   F01N13/18
   F01N1/02 D
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-3714(P2013-3714)
(22)【出願日】2013年1月11日
(65)【公開番号】特開2014-134180(P2014-134180A)
(43)【公開日】2014年7月24日
【審査請求日】2015年12月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】391002498
【氏名又は名称】フタバ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】貝沼 克彦
(72)【発明者】
【氏名】古屋 智大
【審査官】 小笠原 恵理
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−150516(JP,U)
【文献】 実開昭55−006436(JP,U)
【文献】 特開2000−161042(JP,A)
【文献】 実開昭56−067318(JP,U)
【文献】 実開昭50−023518(JP,U)
【文献】 特開2003−113706(JP,A)
【文献】 実開平02−043416(JP,U)
【文献】 特開平10−266835(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 13/18
F01N 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の排気流路を形成する第1の管状部材と、
前記第1の管状部材に接続され、前記第1の管状部材とともに前記排気流路を形成する第2の管状部材と、
複数のスペーサと、
を備え、
前記第1の管状部材の端部が前記第2の管状部材の端部から内側に挿入された二重管部が形成され、
前記第2の管状部材の先端部は、前記第1の管状部材の外周面に接合され、
前記第2の管状部材における前記二重管部を形成する部分は、前記第1の管状部材の先端寄りの第1の部分と、前記第2の管状部材の先端寄りの部分であって前記第1の部分と比較して径が拡大された第2の部分と、を備え、
前記第1の管状部材と前記第2の部分との間には、共鳴室が形成され、
前記第1の管状部材と前記第1の部分との間には、前記排気流路と前記共鳴室とを連通する連通路が形成され、
前記共鳴室及び前記連通路によりヘルムホルツ型共鳴系が構成されており、
前記複数のスペーサは、前記連通路において、前記第1の管状部材の外周全周における一部に、前記第1の管状部材の外周面に沿って配置され、すべてを合わせても前記第1の管状部材の外周全周に満たない長さであって、前記第1の管状部材の軸方向から見て互いに重ならないように、かつ前記第1の管状部材の軸方向において異なる位置にそれぞれ配置されている
ことを特徴とする消音器。
【請求項2】
請求項1に記載の消音器であって、
前記複数のスペーサは、前記第1の管状部材と前記第2の管状部材との接触を防ぐために設けられ、前記連通路が塞がれないように、前記第1の管状部材の外周において通気路が確保されるように配置されている
ことを特徴とする消音器。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の消音器であって、
前記第1の管状部材及び前記第2の管状部材は、それぞれが単一の部品で形成されている
ことを特徴とする消音器。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の消音器であって、
前記第2の管状部材は、前記第1の管状部材における下流側の端部に接続されている
ことを特徴とする消音器。
【請求項5】
請求項4に記載の消音器であって、
前記第1の管状部材は、円管部品における下流側となる先端から所定の長さの部分が縮径され、縮径された部分である縮径部と、縮径されていない部分である本体部と、を有する部材であり、
前記第2の管状部材は、円管部品における上流側となる先端から所定の長さの部分が拡径され、拡径された部分である拡径部と、拡径されていない部分である本体部と、を有する部材であり、
前記第1の管状部材は、前記縮径部の全体及び前記本体部の一部を含む下流側端部が、前記第2の管状部材の内側に挿入され、
前記第1の管状部材の前記本体部と前記第2の管状部材の前記拡径部との間に、前記排気流路と連通する行き止まりの空間である前記共鳴室が形成され、
前記第1の管状部材の前記縮径部と前記第2の管状部材の前記本体部との間に、軸方向と垂直な断面積が前記共鳴室と比較して小さい空間であって前記排気流路と前記共鳴室とを連通する空間である前記連通路が形成されている
ことを特徴とする消音器。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の消音器であって、
前記第2の部分は、先端を基点とする長さL2の位置から、先端側へ向かって、徐々に外径が大きくなり、先端を基点とする長さL3の位置(L3<L2)で最も大きい外径となり、先端を基点とする長さL4の位置(L4<L3)の位置から、先端側へ向かって、徐々に外径が小さくなる形状である
ことを特徴とする消音器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気騒音を抑制するための消音器に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用の排気システムは、排気流路に設けられた消音器により排気騒音を抑制する。例えば、実長の長い管状部で発生する低周波の気柱共鳴音は排気こもり音を悪化させる要因となるため、メインマフラと直列にサブマフラを設けることで気柱共鳴音を低減するといった対策が講じられている。また、特許文献1には、メインマフラとサブマフラとの間に、サイドブランチ型共鳴系の消音器を設けた構成について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−105918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、共鳴系の消音器としては、前述したサイドブランチ型共鳴系の消音器の他に、ヘルムホルツ型共鳴系の消音器が知られている。しかしながら、ヘルムホルツ型の消音器は、細長い連通路を介して容積の大きい共鳴室へ至る構造によって実現されるため、構造が複雑になってしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、こうした問題に鑑みてなされたものであり、ヘルムホルツ型共鳴系を簡素な構造で実現する消音器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の消音器は、内燃機関の排気流路を形成する第1の管状部材と、前記第1の管状部材に接続され、前記第1の管状部材とともに前記排気流路を形成する第2の管状部材と、を備え、前記第1の管状部材の端部が前記第2の管状部材の端部から内側に挿入された二重管部が形成され、前記第2の管状部材の先端部は、前記第1の管状部材の外周面に接合され、前記第2の管状部材における前記二重管部を形成する部分は、前記第1の管状部材の先端寄りの第1の部分と、前記第2の管状部材の先端寄りの部分であって前記第1の部分と比較して径が拡大された第2の部分と、を備え、前記第1の管状部材と前記第2の部分との間には、共鳴室が形成され、前記第1の管状部材と前記第1の部分との間には、前記排気流路と前記共鳴室とを連通する連通路が形成され、前記共鳴室及び前記連通路によりヘルムホルツ型共鳴系が構成されている。
【0007】
このような構成によれば、第1の管状部材と第2の管状部材との接続部において、排気騒音を抑制することができる。また、排気流路を形成する2つの管状部材により二重管部が形成され、その二重管部を利用してヘルムホルツ型共鳴系の共鳴室及び連通路が形成されるため、ヘルムホルツ型共鳴系を簡素な構造で実現することができる。
【0008】
また、上記構成において、前記連通路には、前記第1の管状部材と前記第2の管状部材との接触を防ぐためのスペーサが設けられ、前記スペーサは、前記連通路が塞がれないように、前記第1の管状部材の外周において通気路が確保されるように配置されていてもよい。このような構成によれば、連通路が塞がれにくくなる分、排気騒音を抑制する効果を高くすることができる。
【0009】
また、上記構成において、前記第1の管状部材及び前記第2の管状部材は、それぞれが単一の部品で形成されていてもよい。このような構成によれば、ヘルムホルツ型共鳴系を構成するために専用の部品を別途用いる必要がないため、省スペース化や低コスト化などを図ることができる。
【0010】
なお、本発明は、前述した消音器の他、消音器を備える排気システム、排気消音方法など、種々の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態の排気システムの平面図である。
図2図1のII−II断面図である。
図3】(A)は消音器の分解斜視図、(B)は消音器の透過斜視図である。
図4図2のIV−IV断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
図1に示す排気システム1は、自動車の内燃機関から排出された排ガスの流路となる排気流路を形成する。排気システム1は、実長の長い排気流路を形成する管状の流路部材2を中心に構成され、流路部材2(排気流路)に沿って、複数の構成要素3,4,5が直列に配置されている。具体的には、排気システム1は、排気流路の上流側(図1でいう左側)から順に、触媒コンバータ3と、サブマフラ4と、メインマフラ5と、を備える。
【0013】
流路部材2におけるサブマフラ4とメインマフラ5とを接続する部分は、サブマフラ4の下流の排気流路を形成する第1の管状部材10と、第1の管状部材10における下流側の端部に接続され、メインマフラ5の上流の排気流路を形成する第2の管状部材20と、を備える。
【0014】
図2図3(A)及び図3(B)に示すように、第1の管状部材10は、外径R1(例えば60.5mm)の円管部品を加工して形成された部材であり、単一の部品で構成されている。具体的には、第1の管状部材10は、外径R1の円管部品において下流側(図2でいう右側)となる端部、具体的には先端から長さL1の部分が、外径R1よりも小さい外径R2(例えば54.7mm)に縮径された部材である。なお、以下の説明では、第1の管状部材10における先端から長さL1の部分を「縮径部11」といい、残りの部分を「本体部12」という。
【0015】
第2の管状部材20は、第1の管状部材10と同様、外径R1の円管部品を加工して形成された部材であり、第1の管状部材10と同様、単一の部品で構成されている。具体的には、第2の管状部材20は、外径R1の円管部品において上流側(図2でいう左側)となる端部、具体的には先端から長さL2の部分が、外径R1よりも大きい外径に拡径された部材である。具体的には、先端から長さL2の位置から、先端側へ向かって、徐々に外径が大きくなり、先端から長さL3の位置(L3<L2)で最も大きい外径(例えば120mm)となる。そして、先端から長さL4の位置(L4<L3)の位置から、先端側へ向かって、徐々に外径が小さくなる。このような形状は、例えば、先端から長さL2の部分を拡径する加工を行った後、先端から長さL4の部分を縮径する加工を行うことにより、実現される。なお、以下の説明では、第2の管状部材20における先端から長さL2の部分を「拡径部21」といい、残りの部分を「本体部22」という。
【0016】
第1の管状部材10における下流側端部、具体的には縮径部11の全体及び本体部12の一部は、第2の管状部材20における上流側端部(拡径部21の先端部23)から、第2の管状部材20の内側に、中心軸が一致する形で挿入されている。これにより、第1の
管状部材10と第2の管状部材20との接続部(後述する接合箇所及びその近傍の部分)には、第1の管状部材10を内管、第2の管状部材20を外管、とする二重管部(第1の管状部材10と第2の管状部材20とがオーバーラップする部分)が形成されている。そして、以下に説明するように、第1の管状部材10と第2の管状部材20との接続部は、ヘルムホルツ型共鳴系の消音器30として機能する。
【0017】
すなわち、第2の管状部材20、具体的には拡径部21の先端部23は、第1の管状部材10、具体的には本体部12の外周面に接合(本実施形態では全周溶接)されている。これにより、二重管部において、第1の管状部材10と第2の管状部材20との間に、排気流路と連通する、行き止まりの空間が形成されている。具体的には、第1の管状部材10の本体部12と第2の管状部材20の拡径部21との間に、容積の大きい共鳴室31が形成されている。換言すれば、共鳴室31として必要な容積が、第2の管状部材20の拡径部21により確保されている。また、第1の管状部材10の縮径部11と第2の管状部材20の本体部22との間に、軸方向と垂直な断面積が共鳴室31と比較して小さい空間であって、排気流路と共鳴室31とを連通する連通路32が形成されている。そして、これら共鳴室31及び連通路32は、ヘルムホルツ型共鳴系を構成する形状に設計されている。
【0018】
また、連通路32には、金属製の緩衝部材であるワイヤメッシュ40が設けられている。ワイヤメッシュ40は、第1の管状部材10と第2の管状部材20との接触を防ぐためのスペーサとして機能する。また、ワイヤメッシュ40は、第1の管状部材10と第2の管状部材20との熱収縮差の応力を低減する機能も有する。なお、ワイヤメッシュ40の外径は、第1の管状部材10の本体部12の外径R1以下である。
【0019】
ただし、ワイヤメッシュ40により連通路32が塞がれると、共鳴現象を発生させる音圧の加振力が共鳴室31へ伝達されにくくなってしまう。そこで、ワイヤメッシュ40は、第1の管状部材10の外周において通気路が確保されるように配置されている。具体的には、図4に示すように、本実施形態では、第1の管状部材10の外周全周(360度の範囲)における一部に、第1の管状部材10の外周面に沿った円弧状の複数(この例では3つ)のワイヤメッシュ40が配置されている。3つのワイヤメッシュ40は、すべてを合わせても第1の管状部材10の外周全周に満たない長さであり、しかも、3つのワイヤメッシュ40は、第1の管状部材10の軸方向において、ずらして(軸方向において異なる位置に)配置されている(図2参照)。したがって、第1の管状部材10の外周において通気路が良好に確保される。
【0020】
また、消音器30は、共鳴周波数がパイプの気柱共鳴周波数のN次モード(Nは自然数であり、本実施形態では1。)に合致するように設計されており、第1の管状部材10の先端がN次モードの最大音圧の位置となるように配置されている。
【0021】
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
[A1]消音器30は、内燃機関の排気流路を形成する第1の管状部材10と、第1の管状部材10に接続され、第1の管状部材10とともに排気流路を形成する第2の管状部材20と、を備える。第1の管状部材10と第2の管状部材20との接続部には、第1の管状部材10の端部が第2の管状部材20の先端部23から内側に挿入された二重管部が形成されており、第2の管状部材20の先端部23は、第1の管状部材10の外周面に接合されている。第2の管状部材20における二重管部を形成する部分は、第1の管状部材10の先端寄りの本体部22と、第2の管状部材20の先端寄りの部分であって本体部22と比較して径が拡大された拡径部21と、を備えている。第1の管状部材10と拡径部21との間には、共鳴室31が形成され、第1の管状部材10と本体部22との間には、排気流路と共鳴室31とを連通する連通路32が形成されており、共鳴室31及び連通路
32によりヘルムホルツ型共鳴系が構成されている。
【0022】
したがって、本実施形態によれば、第1の管状部材10と第2の管状部材20との接続部において、気柱共鳴音を抑制することができ、その結果、排気騒音を抑制することができる。また、排気流路を形成する第1の管状部材10及び第2の管状部材20により二重管部が形成され、その二重管部を利用してヘルムホルツ型共鳴系の共鳴室31及び連通路32が形成されるため、ヘルムホルツ型共鳴系を簡素な構造で実現することができる。特に、ヘルムホルツ型共鳴系を採用しているため、共鳴室31の容積を大きくすることで、消音効果を高めることができる。なお、第1の管状部材10に貫通孔を形成し、この貫通孔をヘルムホルツ型共鳴系の連通路として機能させることも可能ではあるが、このような構造では連通路の長さが板厚分しか得られず、十分な効果が得られにくい。この点、本実施形態では、連通路の長い構造が実現され、騒音抑制効果を高くすることができる。
【0023】
[A2]連通路32には、第1の管状部材10と第2の管状部材20との接触を防ぐためのワイヤメッシュ40が設けられている。ワイヤメッシュ40は、連通路32が塞がれないように、第1の管状部材10の外周において通気路が確保されるように配置されている。したがって、本実施形態によれば、連通路32が塞がれにくくなる分、排気騒音を抑制する効果を高くすることができる。
【0024】
[A3]第1の管状部材10及び第2の管状部材20は、それぞれが単一の部品で形成されている。したがって、本実施形態によれば、ヘルムホルツ型共鳴系を構成するために専用の部品を別途用いる必要がないため、省スペース化や低コスト化などを図ることができる。すなわち、排気流路を形成する部品に対し、消音器(共鳴室及び連通路)を形成するための専用部品を付加する構成では、構造が複雑となって大型化しやすく、また、部品点数が多く、接合(溶接)箇所も増えるため、コスト高となりやすい。これに対し、本実施形態の消音器30は、排気流路を形成する第1の管状部材10及び第2の管状部材20で構成され、しかも、接合(溶接)箇所が1箇所であるため、省スペース化や低コスト化などを図りやすいという利点がある。加えて、管状部材で構成されるため、曲げ加工が可能であり、排気システム1のレイアウトに適応しやすいという利点もある。
【0025】
[A4]消音器30は、共鳴周波数がパイプの気柱共鳴周波数のN次モードに合致するように設計されており、第1の管状部材10の先端がN次モードの最大音圧の位置となるように配置されている。したがって、本実施形態によれば、共鳴周波数に合致させたモードで最大の低減を得ることができ、また、他のモードでも一定の容量により音圧を低減することで、気柱共鳴音を抑制することができる。
【0026】
[A5]第1の管状部材10に縮径部11が形成され、本体部12の外径R1以下の外径のワイヤメッシュ40が用いられているため、ワイヤメッシュ40を装着した状態の第1の管状部材10を、第2の管状部材20に挿入しやすくすることができる。したがって、本実施形態によれば、第1の管状部材10と第2の管状部材20との組立てを行いやすくすることができる。
【0027】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
[B1]上記実施形態で示したワイヤメッシュ40は一例であり、これに限定されるものではない。例えば、ワイヤメッシュ40の個数は1つでもよく、2つ以上でもよい。また、ワイヤメッシュ40を配置する位置も特に限定されない。具体的には、例えば、リングを半分に割った形状の2つのC字状のワイヤメッシュを、第1の管状部材10の軸方向において、ずらして配置してもよい。また、ワイヤメッシュ40以外の部材をスペーサとして用いてもよい。また、第1の管状部材10及び第2の管状部材20のうち少なくとも
一方を加工(例えば凸部を形成)して、スペーサを形成してもよい。また、スペーサを有しない構成としてもよい。
【0028】
[B2]第1の管状部材10は、複数の部品で形成されていてもよい。例えば、外径R2の円管部品と、外径R1の円管部品と、を用いれば、縮径加工する範囲を小さくしたり、縮径加工自体を無くしたりすることができる。同様に、第2の管状部材20も、複数の部品で形成されていてもよい。
【0029】
[B3]第1の管状部材10は、縮径部11を有していなくてもよい。例えば、ワイヤメッシュ40を装着した状態の第1の管状部材10を、第2の管状部材20に挿入した後に、第2の管状部材20の先端部23を縮径してもよい。
【0030】
[B4]上記実施形態では、第1の管状部材10と第2の管状部材20とが、同じ外径の円管部品を用いて形成されているが、これに限定されるものではない。例えば、第2の管状部材20として、第1の管状部材10よりも外径の大きい円管部品を用いてもよい。また、第1の管状部材10及び第2の管状部材20は、円管部品以外の部品(例えば、断面が楕円形や多角形の管状部材)を用いて形成されていてもよい。
【0031】
[B5]上記実施形態で示した共鳴室31は一例であり、これに限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、側方視で(軸方向に対して垂直な方向から見て)概略台形状に膨らんだ拡径部21により共鳴室31が形成されているが、これに代えて、例えば概略三角形状や概略長方形状に膨らんだ拡径部により共鳴室を形成してもよい。
【0032】
[B6]上記実施形態では、サブマフラ4とメインマフラ5とを接続する排気流路に消音器30が配置された構成を例示したが、これに限定されるものではない。また、前提となる排気システムの構成も上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、サブマフラを有しない構成としてもよい。また、第1の管状部材(二重管部の内管)と第2の管状部材(二重管部の外管)との上流/下流の位置関係は、上記実施形態と逆であってもよい。つまり、排気流路の上流側に第2の管状部材を配置し、その下流側に第1の管状部材を配置してもよい。
【0033】
[B7]本発明の各構成要素は概念的なものであり、上記実施形態に限定されない。例えば、1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、同様の機能を有する公知の構成に置き換えてもよい。
【符号の説明】
【0034】
1…排気システム、2…流路部材、3…触媒コンバータ、4…サブマフラ、5…メインマフラ、10…第1の管状部材、11…縮径部、12…本体部、20…第2の管状部材、21…拡径部、22…本体部、23…先端部、30…消音器、31…共鳴室、32…連通路、40…ワイヤメッシュ
図1
図2
図3
図4