(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明に係る実施例を説明する。
図1は、本実施例に係るフォーカルプレーンシャッタの正面図である。
図2、3は、フォーカルプレーンシャッタの一部の構成のみを示した正面図である。尚、
図1〜3には一部の部材のみ符号を付している。
【0014】
図1に示すように、フォーカルプレーンシャッタ1は、基板10、羽根21a、21b〜24b、アーム31a、32a、31b、32b、自己保持型ソレノイド70b等を有している。基板10は、樹脂により成形して作られている。そして、基板10には、矩形状の開口11を有している。
【0015】
後幕20Bは、4枚の羽根21b〜24bから構成される。遮光部材20Aも同様に、4枚の羽根から構成されるが、
図1、2に示すように、1枚の羽根21aのみを示している。
図1〜3は、遮光部材20Aが重畳状態であり後幕20Bが展開状態の場合を示している。
図1〜3の場合には、遮光部材20Aは開口11から退避し、後幕20Bが開口11を閉鎖している。
【0016】
図2に示すように、遮光部材20Aはアーム31a、32aに連結されている。後幕20Bは、アーム31b、32bに連結されている。これらアーム31a、32a、31b、32bは、それぞれ基板10に揺動自在に支持されている。アーム31a、31bには、それぞれ嵌合孔33a、33bが形成されている。
【0017】
図3に示すように、基板10には、アーム31a、31bをそれぞれ駆動するための遮光部材駆動レバー40a(以下、駆動レバーと称する)、後幕駆動レバー40b(以下、駆動レバーと称する)が設けられている。駆動レバー40a、40bは、それぞれ、軸部45a、45bを有している。軸部45a、45bは、基板10に対して回転可能に支持されている。これにより、駆動レバー40a、40bは、基板10に所定範囲を揺動可能に支持されている。駆動レバー40a、40bには、それぞれ駆動ピン43a、43bが設けられている。基板10には、駆動ピン43a、43bの移動をそれぞれ逃す逃げ孔13a、13bが設けられている。逃げ孔13a、13bは、それぞれ円弧状である。駆動ピン43a、43bは、それぞれアーム31aの嵌合孔33a、アーム31bの嵌合孔33bと嵌合している。駆動レバー40aが揺動することにより、アーム31aが揺動し、これにより遮光部材20Aが移動する。同様に、駆動レバー40bが揺動することにより、アーム31bが揺動し、これにより後幕20Bが移動する。
【0018】
駆動レバー40bは、可動鉄片47bを保持している。駆動レバー40bは、可動鉄片47bが自己保持型ソレノイド70bに当接した位置から、可動鉄片47bが自己保持型ソレノイド70bから退避した位置の間を揺動可能である。軸部45bには、コイル状の付勢バネ60bが嵌合している。付勢バネ60bは、可動鉄片47bが自己保持型ソレノイド70bから離れる方向に駆動レバー40bを付勢している。
【0019】
軸部45bには、ラチェット車50bが係合している。ラチェット車50bは、付勢バネ60bの一端が係合している。付勢バネ60bの他端は駆動レバー40bに係合している。ラチェット車50bの回転量を調整することにより、付勢バネ60bの付勢力を調整することができる。
【0020】
自己保持型ソレノイド70bは、非通電状態で可動鉄片47bを所定の吸引力で吸着可能であり、通電状態で可動鉄片47bへ作用する吸引力が弱まる。自己保持型ソレノイド70bは、ヨーク72、ヨーク72に取り付けられたコイルボビン73、コイルボビン73に巻回されたコイル74、ヨーク72に固定された永久磁石71、を含む。ヨーク72に永久磁石71が設けられているので、ヨーク72も磁石として作用する。これにより、自己保持型ソレノイド70bは、非通電状態でも可動鉄片47bを吸着可能となる。
【0021】
また、永久磁石71によりヨーク72に生じている極性を相殺するようにコイル74が通電されると、ヨーク72と可動鉄片47bとの間に作用する磁気的吸引力が弱まる。したがって、可動鉄片47bが自己保持型ソレノイド70bのヨーク72に当接した状態において、永久磁石71によりヨーク72に生じている極性を相殺するように自己保持型ソレノイド70bのコイル74に通電すると、自己保持型ソレノイド70bのヨーク72と可動鉄片47bとの間の磁気的吸引力が弱まる。これにより、駆動レバー40bは、付勢バネ60bの付勢力に従って揺動する。このようにして、可動鉄片47bを吸着していた自己保持型ソレノイド70bから可動鉄片47bが離れる。自己保持型ソレノイド70bは電磁石の一例である。
【0022】
尚、自己保持型ソレノイド70bの代わりに、一般的な電磁石を用いてもよい。電磁石は、ヨーク、ヨークに組み付けられたコイルボビン、コイルボビンに巻回されたコイル、を含む。コイルが通電されることにより、ヨークが励磁され、可動鉄片47bとの間で磁気的吸引力が生じる。これにより、駆動レバー40bを所定位置で保持される。電磁石への通電を遮断することにより、付勢バネ60bの付勢力に従って駆動レバー40bが揺動する。
【0023】
セット部材90は、駆動レバー40bを所望の位置に位置付けるためのものである。セット部材90は、基板10に回転可能に支持された軸部95を有している。セット部材90には、セット部材90を初期位置に復帰するための復帰バネ80が取り付けられている。復帰バネ80は、軸部95に嵌合している。復帰バネ80は、一端が基板10に形成された突起部18に当接している。復帰バネ80の他端は、セット部材90に形成された突起部98に当接している。復帰バネ80はセット部材90を反時計方向に付勢している。
【0024】
セット部材90の外周部の一部分にはギヤ部94が形成されている。また、駆動レバー40aの外周部の一部分にもギヤ部49aが形成されている。セット部材90のギヤ部94、駆動レバー40aのギヤ部49aが互いに噛合することにより、駆動レバー40aはセット部材90に連動している。即ち、セット部材90、駆動レバー40aは、常に一体的に駆動する。
【0025】
駆動レバー40bと同軸上に薄板Pが配置されている。薄板Pは、薄い板状である。駆動レバー40bには、係合ピン48bが形成されており、係合ピン48bには薄板Pが嵌合している。これにより、薄板Pは、駆動レバー40bと共に揺動する。また、駆動レバー40bの近傍には、センサSが配置されている。センサSは、薄板Pの位置を検出可能なセンサである。センサSは、薄板Pの位置を検出することにより、後幕20Bの位置を検出することができる。
【0026】
図4A、4Bは、センサSの説明図である。センサSは、基板10上に配置されている。センサSは、互いに対向するように配置された発光素子S2、受光素子S3を有している。発光素子S2から照射された光は、受光素子S3で受光される。
図4A、4Bに示すように、駆動レバー40bの揺動に応じて、薄板Pは、発光素子S2、受光素子S3間に移動する。薄板Pが発光素子S2、受光素子S3間に位置すると、発光素子S2から照射された光は薄板Pにより遮断される。この際に受光素子S3の出力信号に基づいて、薄板Pが発光素子S2と受光素子S3との間に位置しているか否かを検出でき、駆動レバー40bの位置を検出することができる。この結果、後幕20Bの位置を検出することができる。
【0027】
尚、センサSは上記のような構成に限定されない。例えば、センサSは、発光素子と、発光素子の光を反射するミラーと、ミラーにより反射された光を受光する受光素子と、を含む構成であってもよい。薄板Pが、発光素子とミラーとの間、または、受光素子とミラーとの間に位置することにより、薄板Pの位置を検出できる。
【0028】
フォーカルプレーンシャッタ1を備えたカメラの構成について説明する。
図5は、フォーカルプレーンシャッタ1を備えたカメラのブロック図である。カメラは、フォーカルプレーンシャッタ1、駆動機構150、制御部300、撮像素子400等を備えている。制御部300は、カメラ全体の動作を制御し、CPU、ROM、RAM等を備えている。尚、カメラは、
図5には図示していないが、焦点距離を調整するためのレンズ等を備えている。
【0029】
制御部300は、自己保持型ソレノイド70bのコイル74の通電状態を制御する。撮像素子400は、被写体像を電気信号に変換して画像データを生成する。制御部300は、撮像素子400で生成された画像データを読み出して記録する。撮像素子400は、例えばCCDやCMOSである。駆動機構150は、制御部300からの指令に応じてセット部材90を駆動する。制御部300は、詳しくは後述するがセンサSの出力信号に基づいて、自己保持型ソレノイド70bのコイル74の通電を制御する。
【0030】
駆動機構150は、セット部材90を駆動するレバー100、周知の技術によりレバー100を直線上に往復動可能に駆動する正逆回転可能なモータ120を備えている。モータ120はステッピングモータであり、図示しない輪列を介してレバー100を駆動する。制御部300は、モータ120の駆動を制御することにより、レバー100の駆動を制御することができる。これにより、セット部材90の回転が制御される。制御部300は、モータ120の回転速度を制御することにより、レバー100の駆動速度を制御することができる。これにより、セット部材90の回転速度を制御することができる。
【0031】
制御部300は、撮像素子400の蓄積電荷を画素ライン毎に所定方向に順次リセットすることにより電子先幕を擬似的に走行させる制御部の一例に相当する。具体的には、後幕20Bの走行方向と直交する撮像素子400の画素ライン毎に、撮像素子400の蓄積電荷をリセットする。これにより、電子的な先幕が露光開始位置から露光終了位置へ向けて擬似的に走行する。また、撮像素子400は、遮光部材20A、後幕20Bが開口11から退避している場合には開口11により露出される。
【0032】
尚、カメラのレリーズボタンへの操作に応じて、連写モード又は単写モードに切り替えられる。レリーズボタンへの長押しにより連写モードに切り替えられ、レリーズボタンを押している間はカメラは連続的に撮影する。レリーズボタンへの短押しにより単写モードに切り替えられてレリーズボタンを押す毎にカメラは1枚の画像を撮影する。
【0033】
次に、フォーカルプレーンシャッタ1の動作について説明する。
図6は、フォーカルプレーンシャッタ1のタイミングチャートである。
図7〜11は、フォーカルプレーンシャッタ1の動作の説明図である。尚、
図7〜11においては、一部構成を省略してある。また、
図7〜11には、一部の符号を省略してある。
図1〜3は、露光作動終了直後の状態を示している。
【0034】
図1〜3に示された露光作動終了後、チャージ動作が開始される。具体的には、
図3に図示するレバー100が駆動されることにより、セット部材90が復帰バネ80の付勢力に抗して、時計方向へ回転させられる。セット部材90のギヤ部94が駆動レバー40aのギヤ部49aに噛み合っているため、駆動レバー40aは反時計方向に揺動する。また、セット部材90は、駆動レバー40bに設けられたローラ49bに当接して、駆動レバー40bを反時計方向に揺動させる。これにより、遮光部材20Aは展開して開口11を閉鎖するように移動する。後幕20Bは、開口11から退避するように移動する。これにより、後幕20Bは走行開始位置に位置づけられる。ここで、チャージ動作中では、開口11が閉鎖状態に維持されるように遮光部材20A、後幕20Bは移動する。詳細には、開口11から退避する後幕20Bに追従するようにして遮光部材20Aが開口11に進行する。従って、後幕20Bが開口11から退避している間は遮光部材20Aが開口11に進行して、開口11を閉鎖状態に維持する。詳しくは後述する。尚、駆動レバー40bが反時計方向に揺動することにより、薄板Pも反時計方向に揺動する。
【0035】
薄板Pが反時計方向に揺動することにより、薄板PがセンサSにより検出される。
図7は、センサSにより薄板Pが検出され始める状態でのフォーカルプレーンシャッタ1を示している。後幕20Bが開口11から完全に退避する前であり可動鉄片47bが自己保持型ソレノイド70bに当接する前に、センサSにより薄板Pが検出される。
【0036】
更に、セット部材90が時計方向に回転すると、駆動レバー40a、駆動レバー40bが更に反時計方向に揺動する。
図8に示すように、遮光部材20Aが開口11を閉鎖し、後幕20Bが開口11から退避する。この状態において、可動鉄片47bは、自己保持型ソレノイド70bに当接する。
【0037】
その後に、制御部300は、レバー100をセット部材90から退避させる。これにより、セット部材90は、復帰バネ80の付勢力に従って反時計方向に揺動する。駆動レバー40aはセット部材90に噛み合っているため、駆動レバー40aは時計方向に揺動し、遮光部材20Aは開口11から退避する。また、駆動レバー40bの可動鉄片47bは自己保持型ソレノイド70bのヨーク72に吸着保持された状態に維持される。このため、後幕20Bも開口11から退避した状態に維持される。これにより、
図9に示すように、遮光部材20A、後幕20Bが開口11から退避して開口11が開放状態となる。フォーカルプレーンシャッタ1は、
図6のタイミングチャートに示した待機状態となる。尚、この待機の状態においては、自己保持型ソレノイド70bは通電されていない。また、待機状態では、遮光部材20A、後幕20Bは開口11から退避しているため、撮像素子400からの出力をカメラの液晶モニタにリアルタイムに映し出すライブビュー表示が可能である。
【0038】
その後、撮影に際して、カメラのレリーズボタンが押されると、制御部300は、撮像素子400に蓄積された電荷を消去するセンサリセットを行う。次に、制御部300は、撮像素子400を制御して電子先幕を露光開始位置から露光終了位置へと擬似的に走行させる。電子先幕の走行が開始して所定時間後、制御部300は自己保持型ソレノイド70bのコイル74を通電させる。これにより、自己保持型ソレノイド70bと可動鉄片47bとの間に作用する磁気的吸引力が弱まり、付勢バネ60bの付勢力により駆動レバー40bが時計方向に揺動する。これにより、
図10に示すように、後幕20Bは開口11を閉鎖するように走行する。
図11は、露光作動を終了した直後の状態を示している。
図11に示した状態は、
図1〜3に示した状態と同じである。これにより1回の撮影が終了する。自己保持型ソレノイド70bのコイル74への通電は、通電開始から所定期間経過後に遮断される。尚、駆動レバー40bが反時計方向に揺動することにより、薄板PがセンサSから退避してセンサSの出力値も変化する。
図9に示した、開口11を全開にした状態は、写真撮影時のみならず、例えば動画撮影時においてもこのような状態が形成される。
【0039】
露光作動が終了すると、
図7、8に示したように再び後幕20Bが開口11から退避した状態に維持して、チャージ動作が行われる。また、後幕20Bが開口11から退避した状態で、遮蔽部材20Aは開口11から退避する。
【0040】
連写モードでは、チャージ動作終了後に所定期間待機した後に、撮像素子400に蓄積した電荷を消去するセンサリセットが行われて再び露光が行われる。連写モードでの待機時間は、遮光部材20Aが開口11から退避して停止した際の遮光部材20Aのバウンドが停止する時間よりも長く設定されている。単写モードでは、チャージ動作終了後の待機状態で、カメラの液晶モニタにリアルタイムに画像を映し出す。
【0041】
ここで、チャージ動作においては、上述したように後幕20Bが開口11から退避するように移動している間、遮光部材20Aは後幕20Bと協働で開口11が閉鎖状態に維持されるように開口11に進行する。このチャージ動作中での遮光部材20A、後幕20Bが協働で開口11を閉鎖している間、制御部300は撮像素子400から画像データを読み出す。このように本実施例では、チャージ動作中に、撮像素子400の画像データが読み出される。
【0042】
従って、撮像素子400からの画像データの読み出しが終了してからチャージ動作を行う場合と比較して、1画像の撮影に要する時間を短くできる。よって、連写モードでは高速連写が可能となる。また、単写モードでも、1画像の撮影に要する時間を短くできるので撮影間隔を短くできる。
【0043】
尚、本実施例では開口11が閉鎖状態で撮像素子400からの画像データを読み出すため、スミアの発生などを防止できる。また、露光作動終了後であり後幕20Bが開口11から退避し始める前に、画像データの読み出しを開始してもよい。後幕20Bが開口11を閉鎖した状態で遮光部材20Aが開口11から退避して開口11が開き始める前に、画像データの読み出しが終了していればよい。
【0044】
フォーカルプレーンシャッタ1では、駆動レバー40aを所定位置で保持するための電磁石は設けられていない。このため、フォーカルプレーンシャッタ1は、部品点数が削減され、小型化、軽量化、低コスト化が達成されている。また、駆動レバー40aを所定位置で保持するための電磁石が設けられていないため、消費電力が抑制されている。
【0045】
自己保持型ソレノイド70bは、無通電で駆動レバー40bを吸着保持可能な自己保持型のソレノイドである。従って、
図6に示すように、自己保持型ソレノイド70bのコイル74には、自己保持型ソレノイド70bから駆動レバー40bを離間させる時だけ通電される。このため、通電することによって駆動レバー40bを吸着保持する電磁石と比較して、本実施例では自己保持型ソレノイド70bへの通電期間が短く消費電力が抑制されている。
【0046】
尚、
図9に示すように、遮光部材20Aが開口11から退避した状態では、セット部材90は復帰バネ80により時計方向に揺動しないように規制されている。即ち、
図9の状態で、何らかの原因によりセット部材90に時計方向の力が作用した場合、復帰バネ80の付勢力はセット部材90を元の位置に戻すように作用する。ここで、駆動レバー40aはセット部材90に噛み合っているため、復帰バネ80の付勢力は駆動レバー40aを元の位置に戻すように作用する。このため、例えばフォーカルプレーンシャッタ1に衝撃が加わった場合に駆動レバー40aの位置がずれることが防止される。これにより、衝撃等により遮光部材20Aの位置がずれて開口11に進行することが防止される。
【0047】
また、駆動レバー40aはセット部材90に常に噛み合い、セット部材90は復帰バネ80により付勢されている。このため、駆動レバー40a側には駆動レバー40aを一方向に付勢する付勢部材を設ける必要がない。このため、部品点数が削減されている。
【0048】
遮光部材20Aは、露光作動時に駆動するものではない。露光作動は、電子先幕と機械式の後幕20Bによって行われる。従って、機械式の先幕のように、遮光部材20Aの動作特性、例えば走行開始のタイミング等を厳密に設定する必要はない。
【0049】
上記実施例では、セット部材90のギヤ部94と駆動レバー40aのギヤ部49aが互いに噛合することにより、セット部材90と駆動レバー40aとが連動する例を挙げたがこれに限定されない。例えば、セット部材と駆動レバーとがレバー等により連動するようにしてもよい。
【0050】
また、上記実施例では、セット部材90が駆動レバー40aに直接的に係合しているがこれに限定されない。例えば、セット部材と駆動レバーとの間に歯車等の他の部材を介して、セット部材と駆動レバーとが連動するようにしてもよい。
【0051】
図12は、変形例のフォーカルプレーンシャッタ1´の説明図である。尚、類似の構成部分については類似の符号を付することにより重複する説明を省略する。また、
図12においては一部構成を省略している。セット部材90´、駆動レバー40a´にはギヤ部は形成されていない。駆動レバー40a´の軸部45a周りには復帰バネ80´が巻きまわされている。復帰バネ80´の一端は、10´上に形成された突起部18´に当接している。復帰バネ80´の他端は、駆動レバー40a´上に形成された突起部48aに当接している。復帰バネ80´は、駆動レバー40a´を時計方向に付勢している。また、駆動レバー40a´には、ローラ49a´が設けられている。
【0052】
遮光部材20Aが開口11から退避した状態でセット部材90´が時計方向に揺動すると、セット部材90´が駆動レバー40a´のローラ49a´を押して、復帰バネ80´の付勢力に抗して駆動レバー40a´を半時計方向に揺動させる。これにより、遮光部材20Aが開口11に進行する。また、遮光部材20Aが開口11を閉鎖した状態でセット部材90´が反時計方向に揺動すると、復帰バネ80´の付勢力に従ってローラ49a´がセット部材90´を押して、駆動レバー40´がセット部材90´に追従するように時計方向に揺動する。これにより、遮光部材20Aは開口11から退避する。このように、駆動レバー40a´は、セット部材90´に連動している。このようなフォーカルプレーンシャッタ1´によっても、電子先幕の使用時で撮影間隔を短縮できる。
【0053】
復帰バネ80´により駆動レバー40a´が時計方向に付勢されている。このため、開口11から退避した遮光部材20Aが衝撃などにより位置がずれて開口11に進行することを防止できる。
【0054】
セット部材90´、駆動レバー40a´は、常に当接している必要はない。例えば、遮光部材20Aが開口11から退避している状態では、セット部材90´は、駆動レバー40a´から離間していてもよい。セット部材90´が駆動レバー40bを揺動させる時だけ、セット部材90´が駆動レバー40a´に当接して駆動レバー40a´を揺動させてもよい。
【0055】
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、変形・変更が可能である。
【0056】
本実施例のフォーカルプレーンシャッタは、スチールカメラやデジタルカメラなどの光学機器に採用できる。
【0057】
上記実施例においては、羽根が合成樹脂製である場合を説明したが、薄く形成された金属製の羽根であってもよい。
【0058】
上記実施例において、遮光部材及び後幕は、それぞれ4枚の羽根から構成されるが、これに限定されない。遮光部材及び後幕の羽根の枚数は、それぞれ2枚〜5枚の何れであってもよい。遮光部材の羽の枚数と、後幕の羽根の枚数は異なっていてもよい。
【0059】
センサSは、薄板Pにより発光素子S2から受光素子S3に向かう光が遮断されることにより、駆動レバー40bの位置を検出するものであるが、このような構成に限定されない。例えば、後幕20Bの走行に伴い、受光素子から発光素子に向かう光を羽根21bが遮断するような位置にセンサを設けてもよい。