(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6162561
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】整列配置用器具
(51)【国際特許分類】
E03F 5/04 20060101AFI20170703BHJP
【FI】
E03F5/04 Z
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-198266(P2013-198266)
(22)【出願日】2013年9月25日
(65)【公開番号】特開2015-63834(P2015-63834A)
(43)【公開日】2015年4月9日
【審査請求日】2016年8月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】592094243
【氏名又は名称】カネソウ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 優
(74)【代理人】
【識別番号】100135460
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 康利
(72)【発明者】
【氏名】近藤 健治
【審査官】
須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】
実開平04−026293(JP,U)
【文献】
特開2004−124570(JP,A)
【文献】
実開昭58−025384(JP,U)
【文献】
実開昭60−000480(JP,U)
【文献】
実開昭63−023386(JP,U)
【文献】
実開昭63−065787(JP,U)
【文献】
特開平08−189074(JP,A)
【文献】
韓国公開特許第10−2004−0076232(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溝路の長手方向に沿って対向状に並設された左右一対の垂直板部を備えた溝路部材同士を、互いの垂直板部の端部を突き合わせて一列状に配置するために用いるものであって、
前記一対の垂直板部の間隔よりも長尺に形成された断面略V字形状の器具本体に、該垂直板部を嵌入可能な孔幅で該器具本体の折曲稜縁と直交するように切欠きされた左右一対のスリットが、該器具本体の左右方向で前記垂直板部の間隔をおいて互いに平行に形成されてなり、
互いに突き合わせる左右の垂直板部の各端部同士を、前記左右のスリットに夫々嵌入させることによって、溝路部材同士を一列状に位置決めして配置させることを特徴とする整列配置用器具。
【請求項2】
スリットは、その孔幅が器具本体の折曲稜縁で垂直板部の板厚よりも幅広であり且つ該折曲稜縁から前後両側に向かって徐々に狭くなるように、該折曲稜縁を中心として前後対称に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の整列配置用器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水溝等の溝路に設けられる溝路部材を一列状に配置するために用いられる整列配置用器具に関する。
【背景技術】
【0002】
溝路は、コンクリート製のU字溝により構成されるものが良く知られている。そして、U字溝上には、溝蓋を支持するための溝蓋受枠(溝路部材)が設置され、該溝蓋によって溝路の上部開口が被覆される(例えば、特許文献1)。溝蓋受枠は、U字溝上に、溝路の長手方向に沿って複数個が一列状に配設される。
【0003】
こうした溝蓋受枠(以下、溝路部材という)aは、例えば
図8,9のように、左右一対の受体d,dが複数の梁fにより所定間隔に設けられており、梁fにより溝蓋(図示せず)が支承される。左右の受体d,dは、U字溝kに乗載される水平板部bと、該水平板部bの外端から立ち上がる垂直板部cとからなる断面L字形に形成されている。ここで、左右の垂直板部c,cは、溝路h上端で該溝路内外を区画する役割を有するものである。そのため、溝路部材aをU字溝k上に設置する際には、前後に列ぶ溝路部材a,aの左右の垂直板部c,cが夫々一列状に位置決めされて配置されることが必要である。こうした配置を容易かつ安定して行うことができるように、例えば、左右の垂直板部c,cの一端には、矩形状のガイド板片g,gが該垂直板部c,cの外面に沿って突出するように夫々配設されている構成が知られている。かかる構成では、前後に列ぶ垂直板部c,cの端部同士を、左右のガイド板片gの案内作用によって突き合わせることによって、一列状に位置決めして整列配置することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−163684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、左右の垂直板部にガイド板片を夫々配設した上述の従来構成にあっては、左右の垂直板部に少なくとも一枚のガイド板片が夫々配設されることから、該ガイド板片の材料費や加工費を要し、溝路部材のコスト削減を阻害する一因となっている。また、ガイド板片は、上述したように垂直板部を容易に一列状に位置決めできるという優れた作用効果を奏する一方、垂直板部を位置決めした溝路部材同士が溶接されてしまえば、その必要性が失われる。こうしたことから、溝路部材同士を容易に一列状に配置できると共に、該溝路部材に要するコストを削減できるものが希求されている。
【0006】
本発明は、左右一対の垂直板部を備えた溝路部材同士を、一列状に位置決めして配置できる整列配置用器具を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、溝路の長手方向に沿って対向状に並設された左右一対の垂直板部を備えた溝路部材同士を、互いの垂直板部の端部を突き合わせて一列状に配置するために用いるものであって、前記一対の垂直板部の間隔よりも長尺に形成された断面略V字形状の器具本体に、該垂直板部を嵌入可能な孔幅で該器具本体の折曲稜縁と直交するように切欠きされた左右一対のスリットが、該器具本体の左右方向で前記垂直板部の間隔をおいて互いに平行に形成されてなり、互いに突き合わせる左右の垂直板部の各端部同士を、前記左右のスリットに夫々嵌入させることによって、溝路部材同士を一列状に位置決めして配置させることを特徴とする整列配置用器具である。
【0008】
ここで、器具本体の折曲稜縁としては、角張っている形状や、比較的滑らかに湾曲する形状などを適宜設定できる。さらに、本発明の整列配置用器具は、器具本体の左右方向の長さが一対の垂直板部の間隔よりも長尺であり、かつ左右のスリットが該垂直板部の間隔で形成されていることから、これら寸法が、溝路部材の垂直板部の間隔に応じて適宜設定される。また、溝路部材としては、U字溝上に載置される溝蓋受枠、溝路を構成する断面倒コ字形の樋部材、溝路の側壁を構成する板状部材などが適用され、スチール鋼やステンレス鋼などの金属製の板材から形成されるものが用いられ得る。こうした溝路部材を構成する左右一対の垂直板部としては、その高さ寸法が、前記溝蓋受枠のように比較的短いものから、溝路の深さに相当する比較的長いものまで様々な構成があり得る。
【0009】
かかる構成にあっては、前後に列べた溝路部材の、左右の垂直板部の端部同士を夫々突き合わせた状態で、該端部が突き合わされた左右の部位(以下、突き合わせ部位という)に、左右のスリットを夫々嵌め合わせることによって、前後で突き合わされた左右の垂直板部を夫々略一直線状に位置決めすることができる。ここで、左右のスリットには、それぞれ、前後で突き合わされた垂直板部の端部両方が嵌入される。これにより、前後で突き合わされた左右の垂直板部は、その各端部同士の左右位置が正確に一致するように位置決めされ、夫々に略一直線状に列べられる。こうしたことから、本発明の整列配置用器具を用いることによって、前後に列ぶ溝路部材同士を一列状に整列配置する作業を容易かつ安定して行うことができる。このように本発明の整列配置用器具を用いれば、上述した従来構成のようにガイド板片を必要としない。さらに、本発明の整列配置用器具は、溝路部材とは別体であることから、整列配置後には取り外して再び利用できるため、一個で何度も繰り返し使用することができる。したがって、本発明の整列配置用器具を用いることにより、前後に列ぶ溝路部材同士を一列状に整列配置できると共に、上述した従来構成のガイド板片を要せず、溝路部材に掛かるコストを削減することができる。
【0010】
上述した本発明の整列配置用器具にあって、スリットは、その孔幅が器具本体の折曲稜縁で垂直板部の板厚よりも幅広であり且つ該折曲稜縁から前後両側に向かって徐々に狭くなるように、該折曲稜縁を中心として前後対称に形成されている構成が提案される。
【0011】
かかる構成によれば、前後に列ぶ垂直板部の端部同士が突き合わされた部位を、スリットの中心部分(折曲稜縁と交わる部分)から該スリット内に嵌入し易いと共に、折曲稜縁が前記端部同士の境界に沿って下方移動するように、スリット奥方へ嵌入させることによって、該端部同士の左右位置を容易に一致させることができる。
【0012】
また、本構成は、断面倒コ字形の樋状の溝路部材(
図7参照)を整列配置する場合に、好適に用い得る。断面倒コ字形の溝路部材は、鋼板(金属製平板)を折曲げ加工することにより形成されることから、その左右の垂直板部の間隔に誤差を生じる等、該垂直板部の寸法形状に製造上の誤差を生じ易い。こうした誤差を生じている場合にあっても、本構成によれば、スリットの中心部分の孔幅が垂直板部の板厚よりも幅広であることから、該スリットに左右の垂直板部を嵌入でき、溝路部材を整列配置する作業を容易に行うことができる。
【0013】
また、溝路部材を構成する垂直板部は、その板厚が異なる種類のものもある。こうした異なる板厚の範囲に対応するように、スリットの中心部分(折曲稜縁と交わる部分)における最も広い孔幅と、前後両端における最も狭い孔幅とを適宜設定した構成とすることによって、異なる板厚の垂直板部の溝路部材を整列配置する作業に用いることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の整列配置用器具によれば、上述したように、前後に列べた溝路部材の、互いに突き合わされる左右の垂直板部の端部同士を、左右のスリットに夫々嵌入させることによって、前後に突き合わされた左右の垂直板部を夫々略一直線状に位置決めすることができ、前後の溝路部材を一列状に整列配置する作業を容易かつ安定して行うことができる。また、上述した従来構成のようにガイド板片を必要とせずに、溝路部材の整列配置を行うことができるため、ガイド板片に要するコストが不要であり、溝路部材に掛かるコストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】溝路1を構築するU字溝ブロック2に配設される溝路部材4を示す斜視図である。
【
図2】本実施例の整列配置用器具11を示す斜視図である。
【
図3】整列配置用器具11を示す、(A)側面図と(B)平面図である。
【
図4】整列配置用器具11の使用態様を説明する側面図である。
【
図5】整列配置用器具11を使用した状態を示す平面図である。
【
図6】整列配置用器具11を使用した状態を示す斜視図である。
【
図7】別例の溝路部材34の整列配置に、整列配置用器具11を使用した状態を説明する斜視図である。
【
図9】従来構成の溝路部材a,aを一列状に配置した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明にかかる実施例を、添付図面を用いて以下に説明する。
溝路1は、
図1のように、断面略U字形に形成されたU字溝ブロック2により構築されるものであり、該U字溝ブロック2を地盤の所定深さ位置に一列状に埋設して構築される。尚、こうしたU字溝ブロック2を用いる施工に代えて、現場で組み付けた型枠にコンクリートを打設することにより断面略U字形状の溝路1を形成することもできる。
【0017】
尚、本実施例にあって、溝路1の長手方向を前後方向とし、溝路1の幅方向(長手方向と直交する方向)を左右方向としている。
【0018】
この溝路1を構成するU字溝ブロック2の左右両側の側壁3,3の上部には、左右一対の溝蓋受体5,5を備えた複数個の溝路部材4が、該溝路1の長手方向に沿って一列状に配設される。ここで、左右の溝蓋受体5,5は、前記側壁3の上面に載置される水平板部6と、該水平板部6の外端から起立する垂直板部7とを備えており、スチール鋼やステンレス鋼等の金属からなる帯板材を断面L字形に曲成した所定長さのものである。さらに、溝路部材4には、その長手方向に所定間隔をおいて複数の乗載梁8が、左右の溝蓋受体5,5に差し渡されている。そして、各乗載梁8は、両端部が、左右の水平板部6,6に乗載されて溶接されている。この乗載梁8によって、左右の溝蓋受体5,5の左右方向の間隔が決まっており、該間隔がU字溝ブロック2の左右の側壁3,3の間隔に合わせて設定されている。こうした溝路部材4は、左右の溝蓋受体5,5が左右の垂直板部7,7を互いに平行とした状態で一体化されてなる。尚、溝路部材4には、図示しない固定手段を備えており、該固定手段によってU字溝ブロック2に固定される。
【0019】
溝路部材4の乗載梁8には、溝蓋10が支承されて、該溝蓋10により溝路1が被覆される。尚、溝路部材4の垂直板部7は、その高さ寸法が、乗載梁8の厚みと上記溝蓋10の厚みとを合算した寸法と略一致するように設定されている。
【0020】
溝蓋10としては、縦目グレーチングが適用される。この縦目グレーチングは、溝路1の長手方向に沿って所定間隔で並列された複数のメインバー(図示せず)と、各メインバーの長手方向の両端に差し渡された二本のサイドバー(図示せず)と、両サイドバー間に所定間隔で各メインバーに直交状に差し渡されたクロスバー(図示せず)とによって構成される。そして、縦目グレーチングは、その横幅が、溝路部材4の左右の垂直板部7の間隔よりも若干短い寸法に設定されており、所定個数を一列状に配することによって溝路1の上部開口を被覆する。
【0021】
こうした溝路部材4は、上述したように、U字溝ブロック2上に所定個数が一列状に配置されて、該U字溝ブロック2に固定される。ここで、前後に列ぶ各溝路部材4は、左右の垂直板部7,7が略一直線状に列ぶように整列配置されることを要する。このように列ぶ左右の垂直板部7,7によって、溝路1の内外を区画する。
【0022】
次に、本発明の要部にかかる整列配置用器具11について説明する。
整列配置用器具11は、
図2,3のように、矩形状の平板がその中央から折り曲げられた断面略V字形状に形成された器具本体12を備え、該器具本体12の左右両端部にスリット13,13が形成されている。ここで、器具本体12は、スチール鋼やステンレス鋼等の金属からなる矩形状平板材を断面略V字形に曲成したものであり、その折り曲げられた折曲稜縁15から前後上方へ傾斜する傾斜板部16,16が前後対称となるように形成されている。そして、器具本体12は、折曲稜縁15に沿った左右方向の長さ寸法が、上記した溝路部材4を構成する左右の垂直板部7,7の間隔よりも長くなるように設定されている(
図5参照)。尚、折曲稜縁15は、前後の傾斜板部16,16の下縁が比較的滑らかに連成されるように、湾曲状に形成されている。
【0023】
上記のスリット13,13は、器具本体12の左右両端部に、溝路部材4の左右の垂直板部7,7の間隔をおいて左右一対に形成されている(
図5参照)。左右のスリット13,13は、折曲稜縁15と略直交するように前後の傾斜板部16,16に切欠き形成されており、互いに平行となっている。こうした左右のスリット13,13は、器具本体12の上下に貫通しており、溝路部材4の左右の垂直板部7,7を同時に嵌入可能となっている。また、スリット13は、その孔幅が、折曲稜縁15と交わる部位で最も広く、前後両端へ向かって徐々に狭くなっていくように夫々形成されており、該折曲稜縁15を中心として前後対称の形態を成す。そして、スリット13の、折曲稜縁15と交わる中心部分の孔幅が、上記した垂直板部7の板厚よりも広い幅に設定され、前後両端の孔幅が、該中心部分よりも狭い幅に設定される。例えば、スリット13は、その中心部分の孔幅が垂直板部7の1.2倍に設定され、前後両端の孔幅が垂直板部7の板厚以下(該板厚の0.9倍等)となるように設定されている。この場合には、スリット13は、その中心部分で垂直板部7を嵌入し易くなっていると共に、前後両端まで垂直板部7を嵌入できない。尚、スリット13の孔幅は、これに限定されず、適宜設定可能である。
【0024】
尚、こうした整列配置用器具11は、左右のスリット13,13に左右の垂直板部7,7を夫々嵌入した場合に、各垂直板部7の端部7aで嵌入される領域がある程度広くなるように、前後の傾斜板部16,16間の角度、該傾斜板部16の幅寸法、スリット13の長さ寸法などが夫々設定されている(
図4参照)。
【0025】
本実施例の整列配置用器具11は、U字溝ブロック2上に乗載されて前後に列ぶ溝路部材4,4を一列状に整列させるために用いられる。すなわち、前後に列べた溝路部材4,4を、互いの左右の垂直板部7,7の各端部同士を突き合わせるようにして、U字溝ブロック2上に乗載する。この状態で、
図4(A)のように、左右の垂直板部7,7の各端部7a,7a同士が突き合わされた左右の部位(突き合わせ部位)を、左右のスリット13,13の中心部分に嵌入するように、整列配置用器具11を上方から嵌め合わせる。ここで、
図4(B)のように、整列配置用器具11を、その折曲稜縁15が互いに突き合わされた前後の垂直板部7,7の境界に略沿うように、前記突き合わせ部位に嵌め合わせる。これにより、
図4(B)、
図5、および
図6のように、左右のスリット13,13には、それぞれ、前後で突き合わされた垂直板部7,7の端部7a,7aの両方が略等しく嵌入されることから、該端部7a,7a同士の左右位置を夫々正確に一致させることができる。このように整列配置用器具11を前記突き合わせ部位に嵌入することによって、前後に突き合わせた左右の垂直板部7,7を夫々略一直線状に整列させることができ、前後の溝路部材4,4を一列状に整列配置することができる。
【0026】
こうした溝路部材4,4を配置する際にあって、整列配置用器具11は、左右のスリット13,13が、折曲稜縁15と交わる中心部分で垂直板部7の板厚よりも幅広な孔幅に形成されていることから(
図3参照)、前後の垂直板部7,7の突き合わせ部位に該中心部分から容易に嵌め合わせることができる。さらに、整列配置用器具11を嵌める前に、前後で突き合わせたの垂直板部7,7の左右位置をある程度合わせておけば、スリット13の中心部分から嵌入可能な左右位置に調整することも容易である。これは、前後の垂直板部7,7の端部7a,7a同士を突き合わせた部位に、スリット13の中心部分から嵌め合わせるようにした本構成の利点と言える。また、左右のスリット13,13は孔幅が中心部分から前後両端に向かって徐々に狭くなっていくように形成されていることから(
図3参照)、前後の垂直板部7,7の突き合わせ部位がスリット13の奥方まで嵌入するように、前後の垂直板部7,7を位置調整することによって、これら前後の垂直板部7,7を略一直線状に整列させることができる(
図5,6参照)。こうして整列配置用器具11を用いることにより、前後に列べた溝路部材4,4を、比較的容易かつ安定して、一列状に整列配置することができる。
【0027】
このように整列配置すると、溝路部材4,4同士を溶接し(図示せず)、その後に整列配置用器具11を取り外す。そして、同様に、整列配置用器具11を用いて溝路部材4を一列状に配置していくことを繰り返し行うことによって、複数の溝路部材4を一列状に整列配置することができる(
図1参照)。また、この整列配置用器具11を用いて溝路部材4を配置すれば、上述した従来の、溝路部材の一端にガイド板片を配設する構成(
図8,9参照)を必要としないことから、該ガイド板片のコストが不要となり、溝路部材に掛かるコストを削減することができる。整列配置用器具11は、一個で何度も使用することができることから、各溝路部材毎にガイド板片が必要な従来構成に比して、前記したコスト削減効果が極めて大きい。
【0028】
また、溝路部材4にあって、その左右の垂直板部7,7の間隔が溝蓋10の幅やU字溝ブロック2の幅などにより決まっていることから、該間隔の設定値が予め定まっている。そのため、予め定まっている垂直板部7,7の間隔に合わせた整列配置用器具11を用意することによって、様々な溝路部材4の配置作業に適用できる。
【0029】
また、溝路部材にあって、その垂直板部の板厚が異なる種類のものも設定されていることから、これら異なる板厚の構成に夫々対応可能とする整列配置用器具11を用意することもできる。すなわち、垂直板部に設定された各板厚の範囲が、スリット13の中心部分から前後両端まで変化する孔幅の範囲内に含まれるように該スリット13を設定する。これにより、一種類の整列配置用器具11により、様々な板厚の垂直板部を備えた溝路部材の配置作業に適用できる。
【0030】
上述した実施例では、U字溝ブロック2に乗載する溝路部材4について説明したが、
図7のように、断面倒コ字形の樋状の溝路部材34を整列配置する場合にも適用できる。断面倒コ字形の溝路部材34は、スチール鋼やステンレス鋼の平板材を折曲げ加工することにより形成され、底板部36とその左右両端から垂直状に起立する垂直板部37,37とから構成されている。さらに、左右の垂直板部37,37の上部には、長手方向に所定間隔をおいて複数の乗載梁38が差し渡されて固定されている。複数の溝路部材34を長手方向に沿って一列状に配設することにより溝路31が構築され、溝蓋10を乗載梁38で支承することにより該溝路31を被覆する(図示せず)。こうした溝路部材34を一列状に配置する際に、上述した本実施例の整列配置用器具11を適用できる。ここで、整列配置用器具11には、左右のスリット13,13が、前記左右の垂直板部37,37の間隔をおいて切欠き形成されたものを用いる。整列配置用器具11を用いて溝路部材34を配置する場合には、上述した実施例と同様に行う。すなわち、前後に列べた溝路部材34,34の、互いの左右の垂直板部37,37の端部37a,37a同士を突き合わせ、該突き合わせた左右の部位に整列配置用器具11の左右のスリット13,13を夫々嵌め合わせる。これにより、前後に突き合わせた左右の垂直板部37,37を夫々略一直線状に整列させることができ、前後の溝路部材34,34を一列状に整列配置することができる。また、この溝路部材34は、その左右の垂直板部37,37の寸法形状に製造上の誤差を生じ易い。こうした誤差を、本実施例の整列配置用器具11によれば、そのスリット13の中央部分が幅広であることによって吸収できる。すなわち、前記誤差を有していた場合にも、スリット13が左右の垂直板部37,37を嵌入でき、当該溝路部材4の整列配置を行うことができる。このように本実施例の整列配置用器具11を用いれば、断面倒コ字形の溝路部材34を容易かつ安定して一列状の整列配置することができ、上述した実施例と同様の作用効果を奏する。
【0031】
本発明にあっては、上述した実施例に限定されるものではなく、上述の実施例以外の構成についても本発明の趣旨の範囲内で適宜変更して実施可能である。例えば、本実施例の整列配置用器具11は、スチール鋼等の金属製としたものであるが、FRP製等のものとしても良い。
【符号の説明】
【0032】
1 溝路
4 溝路部材
7 垂直板部
7a 端部
10 溝蓋
11 整列配置用器具
12 器具本体
13 スリット
15 折曲稜縁