特許第6162589号(P6162589)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6162589
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】シフト装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 20/02 20060101AFI20170703BHJP
【FI】
   B60K20/02 E
   B60K20/02 A
【請求項の数】5
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-250151(P2013-250151)
(22)【出願日】2013年12月3日
(65)【公開番号】特開2015-107670(P2015-107670A)
(43)【公開日】2015年6月11日
【審査請求日】2016年5月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 泰典
(72)【発明者】
【氏名】山本 誠
【審査官】 前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−520423(JP,A)
【文献】 特表2010−522115(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 20/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の変速機のシフトレンジを選択するために操作される位置保持型のノブと、
アクチュエータに連動してノブの一部を押すことによりノブをパーキング位置以外の他の位置からパーキング位置へ向けて移動させる接触子と、
アクチュエータに連動して移動することにより接触子にアクチュエータの動力を伝達する移動子と、を有するシフト装置において、
移動子と接触子との間の動力伝達経路には動力伝達方向において弾性変形する弾性体が設けられ
ノブは回転操作されるものであって、
前記ノブの前記一部は、ノブの回転方向に対して交わる方向へ突出しているシフト装置。
【請求項2】
請求項1に記載のシフト装置において、
移動子の移動方向と接触子の移動方向とは互いに異なる方向であることを前提として、前記動力伝達経路には移動子の移動を接触子の移動に変換する変換子を設け、前記弾性体は移動子と変換子との間に設けられているシフト装置。
【請求項3】
請求項1に記載のシフト装置において、
移動子の移動方向と接触子の移動方向とは互いに同じ方向であることを前提として、前記弾性体は移動子と接触子との間に設けられているシフト装置。
【請求項4】
車両の変速機のシフトレンジを選択するために操作される位置保持型のノブと、
アクチュエータに連動してノブの一部を押すことによりノブをパーキング位置以外の他の位置からパーキング位置へ向けて移動させる接触子と、
接触子を前記ノブの一部を押す方向へ常時付勢する弾性体と、
前記接触子の一部における弾性体と反対側に設けられて前記接触子の一部が弾性体の弾性力により押し付けられることにより当接するとともに、アクチュエータに連動して前記接触子の一部に対する距離が異なる2位置間を揺動する移動子と、を有するシフト装置。
【請求項5】
請求項に記載のシフト装置において、
ノブは回転操作されるものであって、
前記ノブの前記一部は、ノブの回転方向に対して交わる方向へ突出しているシフト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイヤルノブを有するバイワイヤ式のシフト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえば特許文献1に記載されるように、ダイヤルノブを操作することにより変速機のシフトレンジを切り替えるバイワイヤ式のシフト装置が提案されている。ダイヤルノブはパーキング位置「P」、リバース位置「R」、ニュートラル位置「N」およびドライブ位置「D」の各操作位置に操作される。ダイヤルノブの動作方法としては、いわゆるステーショナリータイプが採用されている。すなわち、ダイヤルノブが各操作位置に操作された後、当該操作する力が解除されたときであれダイヤルノブは当該操作位置に保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−254946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ステーショナリータイプのダイヤルノブを有するシフト装置では、降車の際にダイヤルノブがたとえばドライブ位置「D」からパーキング位置「P」へ戻し忘れることも考えられる。このため、シフト装置にダイヤルノブの自動復帰機構を設けることが検討されている。自動復帰機構とは、ダイヤルノブがドライブ位置「D」、リバース位置「R」およびニュートラル位置「N」のいずれかの位置に保持された状態でたとえばエンジンが停止されたとき、変速機のシフトレンジが自動的にパーキングレンジに切り替えられる制御の実行に伴いシフトノブの位置をパーキング位置「P」へ自動復帰させるための機構をいう。当該機構の駆動源としては、たとえばモータが考えられる。
【0005】
しかし、自動復帰機構の作動を通じてダイヤルノブをパーキング位置「P」へ復帰させようとする際、ダイヤルノブ14がたとえばドライブ位置「D」に保持された状態に維持されることも想定される。具体的な状況としては、たとえばユーザがダイヤルノブを持ったままエンジンが停止される場合が考えられる。この場合、ダイヤルノブの回転が規制された状態でモータが駆動し続けることになる。このため、モータ負荷が増大し、これに伴いモータ電流も増大する。ひいてはモータが過負荷に至ってモータに過電流が流れることも懸念される。
【0006】
本発明の目的は、ノブの操作が規制された状態で自動復帰動作が行われる場合におけるアクチュエータの負荷増大を抑制することができるシフト装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成し得るシフト装置は、車両の変速機のシフトレンジを選択するために操作される位置保持型のノブと、アクチュエータに連動してノブの一部を押すことによりノブをパーキング位置以外の他の位置からパーキング位置へ向けて移動させる接触子と、アクチュエータに連動して移動することにより接触子にアクチュエータの動力を伝達する移動子と、を有する。移動子と接触子との間の動力伝達経路には動力伝達方向において弾性変形する弾性体が設けられている。
【0008】
ノブの操作が規制された状態でアクチュエータが作動されたとき、接触子がノブの前記一部に当接した以降、当該接触子、ひいては移動体は移動することができない固定状態となる。この状態でアクチュエータの作動が継続されるとき、アクチュエータが過負荷に至ることが懸念される。この点、上記構成によれば、移動子と接触子との間の動力伝達経路に設けられた弾性体が動力伝達方向において弾性変形することにより、移動体の移動が吸収される。これにより、アクチュエータの負荷増大が抑制される。
【0009】
上記のシフト装置において、移動子の移動方向と接触子の移動方向とは互いに異なる方向であってもよい。この場合、前記動力伝達経路には移動子の移動を接触子の移動に変換する変換子を設ければよい。前記弾性体は移動子と変換子との間に設けられていることが好ましい。
【0010】
上記のシフト装置において、移動子の移動方向と接触子の移動方向とは互いに同じ方向であってもよい。この場合、前記弾性体は移動子と変換子との間に設けられていることが好ましい。
【0011】
上記目的を達成し得るシフト装置は、車両の変速機のシフトレンジを選択するために操作される位置保持型のノブと、アクチュエータに連動してノブの一部を押すことによりノブをパーキング位置以外の他の位置からパーキング位置へ向けて移動させる接触子と、接触子を前記ノブの一部を押す方向へ常時付勢する弾性体と、前記接触子の一部における弾性体と反対側に設けられて前記接触子の一部が弾性体の弾性力により押し付けられることにより当接するとともに、アクチュエータに連動して前記接触子の一部に対する距離が異なる2位置間を揺動する移動子と、を有する。
【0012】
この構成によれば、ノブの操作が規制されて接触子が固定状態に至ったときであれ、移動体の揺動は特に規制されない。このため、アクチュエータの負荷増大が抑制される。
上記のシフト装置において、ノブは回転操作されるものであってもよい。前記ノブの前記一部は、ノブの回転方向に対して交わる方向へ突出していることが好ましい。
【0013】
前記ノブの一部がノブの回転方向に対して交わる方向へ突出する分、接触子を係合させやすくなる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ノブの操作が規制された状態で自動復帰動作が行われる場合におけるアクチュエータの負荷増大を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】シフト装置が設置された車室内の斜視図。
図2】第1の実施の形態におけるシフト装置の内部構造をダイヤルノブの軸線方向からみた要部平面図。
図3】(a)は第1の実施の形態におけるシフト装置の内部構造をダイヤルノブの軸線に直交する方向からみた正面図(自動復帰実行前)、(b)は同じく第2のカムと受け部材との係合状態を示すダイヤルノブの斜視図。
図4】第1の実施の形態における第1のカムを案内孔の開口方向から見た側面図。
図5】第1の実施の形態におけるシフト装置の電気的な構成を示すブロック図。
図6】(a)は第1の実施の形態におけるシフト装置の内部構造をダイヤルノブの軸線に直交する方向からみた正面図(自動復帰実行後)、(b)は同じく第2のカムと受け部材との係合状態を示すダイヤルノブの斜視図。
図7】第1の実施の形態におけるシフトロック動作および自動復帰動作の手順を示すフローチャート。
図8】第1の実施の形態におけるシフトロック解除動作の手順を示すフローチャート。
図9】第1の実施の形態におけるシフト装置の内部構造をダイヤルノブの軸線に直交する方向からみた正面図(ノブ操作規制時)。
図10】第2の実施の形態におけるシフト装置の内部構造をダイヤルノブの軸線方向からみた正面図(自動復帰実行前)。
図11】第2の実施の形態におけるシフト装置の内部構造をダイヤルノブの軸線方向からみた正面図(自動復帰実行後)。
図12】第3の実施の形態におけるシフト装置の内部構造をダイヤルノブの軸線方向からみた正面図。
図13】他の実施の形態におけるシフトロック動作または自動復帰動作の手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1の実施の形態>
以下、シフト装置の第1の実施の形態を説明する。
<機械的な構成>
図1に示すように、シフト装置11はたとえば車両のセンターコンソール12に設けられる。シフト装置11はケース13およびケース13に対して回転可能に設けられた円柱状のダイヤルノブ14を有している。ケース13はセンターコンソール12の内部に設けられている。ダイヤルノブ14はセンターコンソール12の外部に露出している。ダイヤルノブ14が回転操作されることにより図示しない変速機のシフトレンジが切り替えられる。
【0017】
図2に示すように、ダイヤルノブ14には4つの操作位置が設定されている。パーキング位置「P」、リバース位置「R」、ニュートラル位置「N」およびドライブ位置「D」である。ダイヤルノブ14をその軸線に沿った方向から見たとき、11時位置近傍にはパーキング位置「P」が設定されている。パーキング位置「P」を基準としたとき、時計方向へ向けてリバース位置「R」、ニュートラル位置「N」およびドライブ位置「D」がそれぞれ設定されている。各操作位置「P」,「R」,「N」,「D」はダイヤルノブ14の回転方向に沿って等間隔に設定されている。
【0018】
ケース13の内部には戻り止め機構(ディテント機構)20が設けられている。戻り止め機構20は、ケース13の内部に固定される案内部材21およびダイヤルノブ14と一体回転するピン22を有している。
【0019】
案内部材21はダイヤルノブ14の半径方向における外側に位置している。案内部材21のダイヤルノブ14側の側面には円弧状に湾曲する案内面24が形成されている。案内面24には、ダイヤルノブ14の回転方向に沿って4つの凹部24p,24r,24n,24dが設けられている。各凹部24p,24r,24n,24dはダイヤルノブ14の各操作位置「P」,「R」,「N」,「D」に対応している。また、各凹部24p,24r,24n,24dはダイヤルノブ14の回転方向において滑らかに連続している。
【0020】
ピン22は、ダイヤルノブ14の周面に設けられている。ピン22はダイヤルノブ14の周面に設けられた収容穴26に圧縮コイルばね27を介して抜け止め状態で収容されている。ピン22の先端部は球面状に形成されるとともに、ダイヤルノブ14の周面から突出している。ピン22は圧縮コイルばね27の弾性力に抗して収容穴26の内方へ移動可能である。ピン22の先端部は案内面24に対して摺動するとともに、各凹部24p,24r,24n,24dに係止される。図2では、ピン22がドライブ位置「D」に対応する凹部24dに係止されている。
【0021】
図3(a)に示すように、ケース13の内部には送り機構30および動力伝達機構40も設けられている。
送り機構30は、モータ31、送りねじ32およびナット33を有している。モータ31はケース13の内部に固定される。モータ31の出力軸31aはダイヤルノブ14の軸線に沿う方向(図3(a)中の上下方向)へ延びている。送りねじ32はモータ31の出力軸31aに対して同軸状に連結されている。ナット33は送りねじ32に対して進退可能に螺合されている。ナット33の周面には押し部材34が一体的に設けられている。押し部材34は送りねじ32の軸線に対して直交する方向(図3(a)中の左右方向)に沿って延びている。押し部材34には孔35が設けられている。孔35は送りねじ32の軸線に沿う方向において押し部材34を貫通している。
【0022】
動力伝達機構40は、第1のカム41および第2のカム42を有している。
第1のカム41は角柱状であって送りねじ32の軸線に沿って延びている。第1のカム41の下端部は、ダイヤルノブ14の半径方向(図3(a)中の左右方向)においてダイヤルノブ14と対向している。第1のカム41の下端部には傾斜面43が設けられている。傾斜面43は第1のカム41の下端に向かうにつれてダイヤルノブ14から離れるように傾斜している。また、第1のカム41には案内孔44が設けられている。案内孔44は送りねじ32の軸線に対して直交する方向において第1のカム41を貫通している。案内孔44の内部には案内棒45および圧縮コイルばね46が設けられている。案内棒45は圧縮コイルばね46に通された状態で案内孔44の内底面と内頂面との間に連結されている。また案内孔44にはその側方(図3(a)中の左方)から押し部材34が挿入されている。押し部材34の孔35には案内棒45が通されている。圧縮コイルばね46は押し部材34と案内孔44の内底面との間に設けられている。なお図4に示すように、第1のカム41を案内孔44の貫通方向からみたとき、案内孔44は矩形を呈する。
【0023】
図3(a)に示すように、第2のカム42は第1のカム41の下端付近に設けられている。第2のカム42は角柱状であって第1のカム41と直交する方向(図3(a)中の左右方向)へ延びるとともに、当該方向に沿って移動可能である。ただし、第2のカム42はダイヤルノブ14の軸線方向への移動が規制された状態であることが好ましい。第2のカム42の左端部には傾斜面47が設けられている。傾斜面47は第2のカム42の左端に向かうにつれて下方へ傾斜している。傾斜面47は第1のカム41の傾斜面43と平行であってもよい。また、傾斜面47は第1のカム41の傾斜面43と対向している。第1のカム41が下方へ移動されるとき、傾斜面43は傾斜面47に当接する。第1のカム41の下方への移動は、2つの傾斜面43,47の係合を通じて第2のカム42の右方への移動に変換される。第2のカム42の右端部は、ダイヤルノブ14の周面に設けられた受け部材48に当接する。
【0024】
図2に示すように、受け部材48はダイヤルノブ14の半径方向においてピン22と反対側に設けられている。ピン22は図2中の上部に、受け部材48は図2中の下部に設けられている。受け部材48はダイヤルノブ14の半径方向に沿って、かつ第2のカム42の直線状の移動軌跡を横切るように延びている。受け部材48が第2のカム42によって押されるにつれてダイヤルノブ14は図2中の反時計方向へ回転する。ダイヤルノブ14がたとえばドライブ位置「D」に保持されているとき、ダイヤルノブ14が反時計方向に回転するのに伴い、ピン22は案内部材21の案内面24に案内されて凹部24d、凹部24n、凹部24r、凹部24pの順に移動する。このように、受け部材48は第2のカム42の直線運動をダイヤルノブ14の回転運動に変換する。また受け部材48は、ダイヤルノブ14がドライブ位置「D」からパーキング位置「P」に至るまで、換言すればピン22が凹部24dから凹部24pに至るまで第2のカム42によって押すことができるように、ダイヤルノブ14の周面に対する突出長さが設定される。
【0025】
なお、ケース13の内部には第1および第2のストッパ49a,49bを設けてもよい。この場合、第1および第2のストッパ49a,49bは受け部材48の回転軌跡上に間隔をおいて設けられる。第1のストッパ49aは、ダイヤルノブ14が反時計方向へ回転されてパーキング位置「P」に至ったときに受け部材48が当接する位置に設けられる。第2のストッパ49bはダイヤルノブ14が時計方向へ回転されてドライブ位置「D」に至ったときに受け部材48が当接する位置に設けられる。すなわち、受け部材48は第1のストッパ49aと第2のストッパ49bとの間を移動する。
【0026】
<第1および第2のカムの移動範囲>
第1のカム41は、図3(a)に示される第1の位置P1と図6(a)に示される第2の位置P2との間を移動する。第1の位置P1は、第1のカム41の傾斜面43が第2のカム42の傾斜面47の直上に位置する位置である。第2の位置P2は、第1のカム41の下方移動に伴い第2のカム42が右方へ押しのけられて第1のカム41の側面(図6(a)中の右側面)に第2のカム42の端部が接触する位置である。
【0027】
第2のカム42は、図3(a)に示される第3の位置P3と図6(a)に示される第4の位置P4との間を移動する。第3の位置P3は、第2のカム42の傾斜面47が第1のカム41の傾斜面43の直下に位置する位置である。第4の位置P4は、第1のカム41の下方移動に伴い第2のカム42が右方へ押しのけられて第2のカム42の受け部材48と反対側の端部が第1のカム41の側面(図6(a)中の右側面)に接触する位置である。
【0028】
また図2に実線で示されるように、第3の位置P3は、ピン22が凹部24dに係合しているときの受け部材48の先端角部に第2のカム42の先端が当接する位置でもある。図2に二点鎖線で示されるように、第4の位置P4は、ピン22が凹部24pに係合しているときの受け部材48の先端側面に第2のカム42の先端角部が当接する位置でもある。第2のカム42は第3の位置P3から第4の位置P4へ移動する過程においてダイヤルノブ14の受け部材48と当接可能である。
【0029】
<送り機構および動力伝達機構の動作>
つぎに、送り機構30および動力伝達機構40の動作を説明する。
図3(a)に示すように、ダイヤルノブ14がたとえばドライブ位置「D」に保持されているとき、第1のカム41は第1の位置P1に、第2のカム42は第3の位置P3に位置している。同図に二点鎖線で示すように、この状態でモータ31の駆動を通じてナット33を下方へ移動させるとき、ナット33と一緒に押し部材34も下方へ移動する。押し部材34が下方へ移動しようとする力は圧縮コイルばね46を介して第1のカム41に伝達される。これにより、第1のカム41も下方へ移動する。第1のカム41の下方への移動に伴い第1のカム41の傾斜面43は第2のカム42の傾斜面47に押し付けられる。この後、さらに第1のカム41が下方へ移動するにつれて、第1のカム41の傾斜面43は第2のカム42の傾斜面47に対して相対的に摺動しつつ傾斜面47を下る。これに伴い第2のカム42は右方へ押しのけられるように移動しつつダイヤルノブ14の受け部材48を押す。図3(b)に示されるようにダイヤルノブ14は第2のカム42に押されることにより反時計方向へ回転する。図6(a)に示すように、やがて第1のカム41は第2のカム42の左端を乗り越え第2の位置P2に、第2のカム42は第4の位置P4にそれぞれ至る。このとき、ダイヤルノブ14はパーキング位置「P」に至る。
【0030】
ダイヤルノブ14がパーキング位置「P」以外の他の位置「N」,「R」に保持されているときについても同様である。すなわち、ダイヤルノブ14がパーキング位置「P」以外の位置「R」,「N」,「D」に保持されているとき、第2のカム42が第3の位置P3から第4の位置P4へ移動する過程において受け部材48が図3(a)中の右方へ向けて押されることにより、ダイヤルノブ14が反時計方向へ回転してパーキング位置「P」に復帰する(自動復帰動作)。
【0031】
図6(a),(b)に示されるように、ダイヤルノブ14がパーキング位置「P」に保持されている場合、第2のカム42が第3の位置P3から第4の位置P4へ向けて移動されて当該第4の位置P4に達したとき、受け部材48の側面(第1のストッパ49aと反対側の側面)は第2のカム42の先端角部に当接した状態に維持される。このとき、ダイヤルノブ14を時計方向へ回転操作すること、すなわちダイヤルノブ14をパーキング位置「P」から他の操作位置「R」,「N」,「D」へ操作することが規制される(シフトロック動作)。
【0032】
図6(a),(b)に示されるシフトロック状態において、第1のカム41が上方へ移動されて第2の位置P2から第1の位置P1まで移動したとき、第1のカム41と第2のカム42との係合が解除されるとともに、第1のカム41は第2のカム42の移動軌跡から外れる。ただし、第2のカム42は第2の位置P2に維持される。このとき、ダイヤルノブ14を時計方向へ回転操作すること、すなわちダイヤルノブ14をパーキング位置「P」から他の操作位置「R」,「N」,「D」へ操作することが許容される(シフトロック解除動作)。ダイヤルノブ14が時計方向へ回転されるとき、今度は第2のカム42が受け部材48によって押されることにより第2のカム42は第4の位置P4から第3の位置P3へ復帰する。
【0033】
<電気的な構成>
つぎに、シフト装置の電気的な構成を説明する。
図5に示すように、シフト装置11は、モータ31に加え、ノブ位置センサ50、第1の位置センサ51、第2の位置センサ52および制御回路53を有している。制御回路53にはノブ位置センサ50、第1の位置センサ51、第2の位置センサ52およびモータ31が接続されている。また制御回路53には、車両に設けられるエンジンスイッチ54、フットブレーキスイッチ55、変速機56および警告装置57も接続されている。制御回路53とモータ31との間の給電経路には電流センサ58が設けられている。
【0034】
ノブ位置センサ50はダイヤルノブ14の操作位置(「P」,「R」,「N」,「D」)を検出する。ノブ位置センサ50としては、たとえばダイヤルノブ14に設けられる磁石の磁界を検出する磁気センサを採用してもよい。磁気センサはダイヤルノブ14の回転位置に応じた電気信号を生成する。
【0035】
第1の位置センサ51は第1のカム41が第1の位置P1に存在するときのナット33を、第2の位置センサ52は第1のカム41が第2の位置P2に存在するときのナット33をそれぞれ検出する。第1および第2の位置センサ51,52としては、たとえばナット33に設けられる磁石の磁界を検出する磁気センサを採用してもよい。
【0036】
エンジンスイッチ54は車両の走行用駆動源である図示しないエンジンを停止あるいは始動させる際の操作を検出する。フットブレーキスイッチ55は図示しないブレーキペダルが踏み込まれていることを検出する。警告装置57は何らかの異常が発生したときに聴覚あるいは視覚に訴えて異常が発生した旨警告する。電流センサ58はモータ31へ供給される電流値Iを検出する。
【0037】
制御回路53は、ノブ位置センサ50により生成される電気信号に基づきダイヤルノブ14の操作位置「P」,「R」,「N」,「D」を検出する。そして制御回路53はダイヤルノブ14の操作位置に応じて変速機56のシフトレンジを切り替える旨の指令信号を生成する。また制御回路53は、ダイヤルノブ14の操作位置、ならびにエンジンスイッチ54、フットブレーキスイッチ55、第1の位置センサ51および第2の位置センサ52のオンオフ状態に応じてモータ31の駆動を制御する。
【0038】
なお、制御回路53は変速機56のシフトレンジをパーキングレンジに切り替えるべきとして予め設定された特定の事象が検出されるとき、ダイヤルノブ14の操作位置にかかわらず、変速機56のシフトレンジを自動的にパーキングレンジに切り替えるための指令信号を生成する。特定の事象としては、たとえばエンジンが停止されること、あるいはメカニカルキーがキーシリンダから引き抜かれたこと、あるいはドアが開けられたことなどが考えられる。これら特定の事象はエンジンスイッチ54を含む各種のセンサにより検出される。
【0039】
また制御回路53は、各種のセンサを通じて特定の事象が検出されるとき、その時々のダイヤルノブ14の状態に応じた制御を実行する。すなわち、特定の事象を検出するセンサにより生成される電気信号は、当該ダイヤルノブ14の状態に応じた制御の実行契機となるトリガ信号として機能する。トリガ信号としては、たとえばエンジンスイッチ54がオフされた旨示す電気信号、あるいはメカニカルキーがキーシリンダから引き抜かれた旨示す電気信号、あるいはドアが開けられた旨示す電気信号などである。
【0040】
<シフト装置の動作:特定の事象検出時>
つぎに、特定の事象が検出されるときのシフト装置の動作を説明する。
特定の事象が検出された旨示すトリガ信号を受信したとき、制御回路53は図7のフローチャートに示される各処理を実行する。このとき、第2のカム42は第3の位置P3に位置している。
【0041】
図7のフローチャートに示すように、制御回路53はまずダイヤルノブ14がパーキング位置「P」に位置しているかどうかを判断する(ステップS101)。制御回路53はダイヤルノブ14がパーキング位置「P」ではない旨判断されるとき(ステップS101でNO)、自動復帰動作を実行する(ステップS2)。すなわち、制御回路53はダイヤルノブ14をパーキング位置「P」へ戻すためにモータ31を駆動する。モータ31の回転方向はナット33を第1の位置P1から第2の位置P2へ移動させるときと同じである。
【0042】
この後、制御回路53はダイヤルノブ14がパーキング位置「P」に位置しているかどうかをもう一度判断する(ステップS103)。制御回路53はダイヤルノブ14がパーキング位置「P」ではない旨判断されるとき(ステップS103でNO)、今度はモータ31の電流値Iが正常かどうかを判断する(ステップS104)。制御回路53の図示しない記憶装置にはモータ31の電流値Iを判定する際の基準となる電流しきい値が記憶されている。制御回路53は電流センサ58を通じて検出される実際の電流値Iと電流しきい値とを比較することにより電流値Iの異常を判定する。制御回路53は電流値Iが電流しきい値未満であるときには正常、電流しきい値以上であるときには異常である旨判断する。
【0043】
制御回路53は電流値Iが正常でない旨判断されるとき(ステップS104でNO)、モータ31を停止(給電停止)させるとともに、警告装置57を通じて異常が発生した旨警告し(ステップS105)、処理を終了する。
【0044】
なお、先のステップS104において、制御回路53は電流値Iが正常である旨判断されるとき(ステップS104でYES)、先のステップS103へ処理を移行して再度ダイヤルノブ14の位置を判定する。
【0045】
また、先のステップS103において、制御回路53はダイヤルノブ14がパーキング位置「P」である旨判断されるとき(ステップS103でYES)、モータ31を停止させて(ステップS106)、処理を終了する。ダイヤルノブ14がパーキング位置「P」に達したとき、第2のカム42は第4の位置P4に位置する。このため、ダイヤルノブ14がパーキング位置「P」に復帰した以降、ダイヤルノブ14を時計方向へ回転操作すること、すなわちダイヤルノブ14をパーキング位置「P」から他の操作位置「R」,「N」,「D」へ操作することが規制される(シフトロック状態)。
【0046】
また、先のステップS101において、制御回路53はダイヤルノブ14がパーキング位置「P」である旨判断されるとき(ステップS101でYES)、シフトロック動作を実行する(ステップS107)。すなわち、制御回路53はモータ31の駆動を通じて第1のカム41を第1の位置P1から第2の位置P2へ移動させることにより、第2のカム42を第3の位置P3から第4の位置P4へ移動させる。制御回路53は第1のカム41が第2の位置P2に至るときのナット位置にナット33が移動した旨検出されるとき、モータ31を停止して処理を終了する。第2のカム42が第4の位置P4に保持されることにより、ダイヤルノブ14をパーキング位置「P」から他の操作位置「R」,「N」,「D」へ操作することが規制される(シフトロック状態)。
【0047】
<シフト装置の動作:エンジン始動時>
つぎに、エンジン始動時におけるシフト装置の動作を説明する。
エンジンが停止している状態でエンジンスイッチ54がオンされたとき、制御回路53は図8のフローチャートに示される各処理を実行する。このとき、ダイヤルノブ14はパーキング位置「P」に、第2のカム42は第4の位置P4に維持されている。
【0048】
図8のフローチャートに示すように、制御回路53はまずフットブレーキスイッチ55がオンしているかどうかを判断する(ステップS201)。制御回路53はフットブレーキスイッチ55がオンしている旨判断されるとき(ステップS201でYES)、シフトロック解除動作を実行する(ステップS202)。すなわち、制御回路53は第1のカム41を第2の位置P2から第1の位置P1へ移動させるためにモータ31を駆動する。このとき、押し部材34が案内孔44の内頂面に当接することにより、第1のカム41は好適に上方へ移動する。制御回路53は第1のカム41が第1の位置P1に至るときのナット位置にナット33が移動した旨検出されるとき、モータ31を停止させて処理を終了する。
【0049】
第1のカム41が第2の位置P2から第1の位置P1へ退避することにより第2のカム42の移動が許容される。すなわち、ダイヤルノブ14を時計方向へ回転操作すること、すなわちダイヤルノブ14をパーキング位置「P」から他の操作位置「R」,「N」,「D」へ操作することが許容される。
【0050】
先のステップS201において、制御回路53はフットブレーキスイッチ55がオンしていない旨判断されるとき(ステップS201でNO)、ダイヤルノブ14をシフトロック状態に維持する(ステップS203)。すなわち、制御回路53はモータ31を駆動させることなく処理を終了する。
【0051】
<自動復帰動作:ノブ操作規制時>
ここで、先の図7のフローチャートにおけるステップS102の処理を実行する際に、つぎのような懸念がある。すなわち、自動復帰動作の実行を通じてダイヤルノブ14をパーキング位置「P」へ復帰させようとする際、ダイヤルノブ14がたとえばドライブ位置「D」に保持された状態でダイヤルノブ14の回転操作が規制されることが想定される。具体的な状況としては、たとえばユーザがダイヤルノブを持ったままエンジンが停止される場合が考えられる。
【0052】
図9に示すように、ダイヤルノブ14がたとえばドライブ位置「D」に保持された状態でダイヤルノブ14の回転が規制されている場合には、第2のカム42、ひいては第1のカム41の移動も規制される。すなわち、第1および第2のカム41,42はそれぞれ移動が規制された固定状態となる。このため、第1のカム41を第1の位置P1から第2の位置P2へ移動させるためにモータ31が駆動されたときであれ、第1のカム41は第1の位置P1に、第2のカム42は第3の位置P3にそれぞれ保持される。
【0053】
これに対して、図9に二点鎖線で示すように、初期状態の押し部材34と案内孔44の内底面との間には圧縮コイルばね46を介して移動スペース(隙間)が存在する。この移動スペースの距離L0は、次式(A)が成立するように設定することが好ましい。
【0054】
L0≧L1+L2+L3 …(A)
ただし、「L1」は圧縮コイルばね46の縮みきったときの長さ、「L2」は押し部材34の厚み、「L3」は第1のカム41が第1の位置P1から第2の位置P2へ至るまでの移動距離である。
【0055】
このため、次式(B)に示すように、圧縮コイルばね46が縮みきるまで押し部材34が移動されたとき、押し部材34と案内孔44の内頂面との間の距離L4は、第1のカム41が第1の位置P1から第2の位置P2へ至るまでの移動距離L3以上となる。
【0056】
L4≧L3 …(B)
したがって、第1のカム41を第1の位置P1から第2の位置P2へ移動させるためにモータ31が駆動されたとき、図9に実線で示すように、押し部材34は圧縮コイルばね46の弾性力に抗して案内孔44の内底面に近接する方向(図9中の下方)へ移動する。これにより、ナット33の移動が吸収される。図9に実線で示すように、ナット33が第2の位置センサ52により検出される位置、すなわち本来であれば第1のカム41が第2の位置P2に至ったときのナット位置に達したとき、モータ31への給電が遮断されてモータ31は停止される。なお、圧縮コイルばね46は圧縮された状態に維持される。
【0057】
この後、ユーザがダイヤルノブ14から手を離すなどしてダイヤルノブ14の規制が解除されたとき、第1および第2のカム41,42の固定状態も解除される。このとき、モータ31は停止されているものの、圧縮コイルばね46の弾性力により第1のカム41は第1の位置P1から第2の位置P2へ移動する。これに伴い第2のカム42は、図9に二点鎖線で示されるように第3の位置P3から第4の位置P4へ移動する。その結果、ダイヤルノブ14はたとえばドライブ位置「D」からパーキング位置「P」へ復帰する。
【0058】
このように、第1のカム41の一部分に圧縮コイルばね46を利用して押し部材34、ひいてはナット33の移動を吸収する変位吸収構造を設けることにより、ダイヤルノブ14の回転操作が規制された状態で自動復帰動作が実行される場合であれ、ナット33および押し部材34はそれぞれ移動することが可能となる。モータ負荷の増大が抑えられるのでモータ31は過負荷に至りにくい。すなわちモータ31に過電流が流れることが抑制されることによりモータ31が保護される。また、ダイヤルノブ14の回転操作の規制が解除された際には、蓄えられた圧縮コイルばね46の弾性力によりモータ31を駆動させることなく、第1および第2のカム41,42を介してダイヤルノブ14がパーキング位置「P」に自動復帰する。
【0059】
なお、移動スペース(隙間)の距離L0を次式(C)が成立するように設定することも可能である。
L0<L1+L2+L3 …(C)
ただしこのときは、次式(D)に示すように、圧縮コイルばね46が縮みきるまで押し部材34が移動されたとき、押し部材34と案内孔44の内頂面との間の距離L4は、第1のカム41が第1の位置P1から第2の位置P2へ至るまでの移動距離L3未満となる。
【0060】
L4<L3 …(D)
したがって、この場合には圧縮コイルばね46が縮みきった後もモータ31は駆動され続ける。これは、ナット33が第2の位置センサ52により検出される位置に達しないからである。そして、押し部材34がそれ以上移動できない状態でモータ31が駆動され続けるとき、モータ負荷の増大に伴い過電流が発生するおそれがある。このため、つぎのようにしてモータ31を停止させてもよい。すなわち、モータ31の電流値Iが電流しきい値に達したとき、モータ31への給電を遮断する。これによりモータ31が保護される。
【0061】
また、モータ31が停止されたとき、ダイヤルノブ14はパーキング位置「P」に戻っていない状況も発生し得る。このため、ダイヤルノブ14をパーキング位置「P」に戻すためにモータ31をもう一度駆動させるリトライ機能を制御回路53に持たせてもよい。制御回路53は、モータ31を停止した後、モータ31の駆動、ダイヤルノブ14の位置判定、モータ31の電流値Iの判定などを含む一連のリトライ動作を設定回数だけ繰り返してもよい。このように、制御回路53にモータ電流の監視機能およびリトライ機能を持たせることによって、モータ31を保護しつつダイヤルノブ14をパーキング位置「P」に自動復帰させることが可能となる。
【0062】
<実施の形態の効果>
したがって、本実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)ダイヤルノブ14の回転操作が規制された状態で自動復帰動作が実行されたとき、押し部材34は第1のカム41に対して相対的に移動する。これにより、モータ負荷の増大が抑えられる。モータ31に過電流が流れることも抑制される。したがって、モータ31が保護される。
【0063】
(2)押し部材34の移動スペースの距離L0を式(A)が成立するように設定する場合、つぎの利点が得られる。すなわち、ダイヤルノブ14の回転操作の規制が解除された際には、蓄えられた圧縮コイルばね46の弾性力によりモータ31を駆動させることなく、第1および第2のカム41,42を介してダイヤルノブ14がパーキング位置「P」に自動復帰する。このため、モータ31の駆動を通じてダイヤルノブ14をパーキング位置「P」に復帰させる構成を採用する場合に比べて制御回路53の処理負担が軽減される。
【0064】
(3)単一の送り機構30を利用して自動復帰動作およびシフトロック動作をそれぞれ実行することができる。すなわち、シフトロック機構と自動復帰機構とを別個に設ける場合に比べて、シフト装置11の部品点数を抑えることができるし、その分製品コストを低減することも可能である。また、シフト装置11の体格を小さくすることが可能である。
【0065】
(4)制御回路53の制御対象はモータ31だけである。このため、モータ31の制御負担が軽減される。自動復帰機構およびシフトロック機構を別個に設ける場合、それら機構にはそれぞれ駆動源(アクチュエータ)を持たせる必要がある。制御回路53は2つの駆動源を制御する必要があるため、その分制御回路の制御負担も増える。
【0066】
<第2の実施の形態>
つぎに、シフト装置の第2の実施の形態を説明する。本例のシフト装置は第2のカム42が省略されるとともに第1のカム41によりダイヤルノブ14の受け部材48が押されるようにした点で第1の実施の形態と異なる。したがって、第1の実施の形態と同様の部材および構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を割愛する。
【0067】
<シフト装置の構成>
図10に示すように、本例のシフト装置61では、モータ31の出力軸31aおよび送りねじ32は、それぞれダイヤルノブ14の軸線に対して直交する方向(図10中の左右方向)へ延びている。ナット33、押し部材34および第1のカム41はそれぞれ送りねじ32の延びる方向に沿って移動する。
【0068】
受け部材48はダイヤルノブ14の半径方向に沿って、かつ第1のカム41の直線状の移動軌跡上に位置している。受け部材48が第1のカム41によって押されるにつれてダイヤルノブ14は図10中の反時計方向へ回転する。また受け部材48は、ダイヤルノブ14がドライブ位置「D」からパーキング位置「P」に至るまで、換言すればピン22が凹部24dから凹部24pに至るまで第1のカム41によって押すことができるように、ダイヤルノブ14の周面に対する突出長さが設定される。
【0069】
第1のカム41の先端は平面である。第1のカム41はモータ31の駆動を通じて図10に示される第5の位置P5と図11に示される第6の位置P6との間を移動する。図10に示されるように、第5の位置P5はピン22が凹部24dに係合しているときの受け部材48の先端側部に第1のカム41の先端が当接する位置である。図11に示されるように、第6の位置P6はピン22が凹部24pに係合しているときの受け部材48の先端が第1のカム41の先端を乗り越えて第1のカム41の側面(ダイヤルノブ14側の側面)に当接する位置である。
【0070】
ピン22が案内面24の凹部24dに係合している場合、第1のカム41が第5の位置P5から第6の位置P6まで移動するとき、受け部材48が第1のカム41により押されることによってダイヤルノブ14は反時計方向に回転する。これに伴いピン22は凹部24dを基準として案内面24を摺動しつつ凹部24n、凹部24r、凹部24pの順に移動する。第1のカム41が第6の位置P6に至ったとき、第1のカム41のダイヤルノブ14と反対側の側面は、ケース13の内部に設けられた壁62に接触した状態に維持される。
【0071】
<シフト装置の動作>
さて、特定の事象が検出された旨示すトリガ信号を受信したとき、制御回路53は先の図7のフローチャートに示される各処理と同様の処理を実行する。
【0072】
制御回路53はダイヤルノブ14がパーキング位置「P」に位置しているとき(ステップS101でYES)、シフトロック動作を実行する(ステップS107)。図11に示されるように、受け部材48の先端が第1のカム41の側面(図11中の上面)に当接することにより、ダイヤルノブ14をパーキング位置「P」から他の操作位置「R」,「N」,「D」へ操作することが規制される。また、制御回路53はダイヤルノブ14がパーキング位置「P」に位置していないとき(ステップS101でNO)、自動復帰動作を実行する(ステップS102)。そして制御回路53はダイヤルノブ14がパーキング位置「P」に達したとき(ステップS103でYES)、モータ31を停止させる(ステップS106)。
【0073】
エンジンが停止している状態でエンジンスイッチ54がオンされたとき、制御回路53は先の図8のフローチャートに示される各処理と同様の処理を実行する。
制御回路53はフットブレーキスイッチ55がオンしているとき(ステップS201でYES)、シフトロック解除動作を実行する(ステップS202)。第1のカム41が第6の位置P6から第5の位置P5へ退避することにより、ダイヤルノブ14をパーキング位置「P」から他の操作位置「R」,「N」,「D」へ操作することが許容される。また、制御回路53はフットブレーキスイッチ55がオンしていないとき(ステップS201でNO)、第1のカム41を第6の位置P6に維持する(ステップS203)。ダイヤルノブ14はパーキング位置「P」から他の操作位置「R」,「N」,「D」へ操作することが規制されたシフトロック状態に維持される。
【0074】
図10に示すように、ダイヤルノブ14がたとえばドライブ位置「D」に保持された状態でダイヤルノブ14の回転が規制されている場合、第1のカム41の移動も規制される。この状態で、第1のカム41を第5の位置P5から第6の位置P6へ移動させるためにモータ31が駆動されたとき、押し部材34は圧縮コイルばね46の弾性力に抗して案内孔44の内底面(図10中の右内側面)に近接する方向(図10中の右方)へ移動する。これにより、ナット33の移動が吸収される。この後、ダイヤルノブ14の規制が解除されたとき、第1のカム41の固定状態も解除される。このとき、モータ31は停止されているものの、圧縮コイルばね46の弾性力により第1のカム41は第5の位置P5から第6の位置P6へ向けて移動する。押し部材34の移動スペースの距離L0が先の式(A)を満足するとき、ダイヤルノブ14はパーキング位置「P」へ復帰する。
【0075】
したがって、本実施の形態によれば、第1の実施の形態の(1)〜(4)の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
(5)第2のカム42が省略されている分、シフト装置61の構成が簡単になる。
【0076】
(6)ダイヤルノブ14がパーキング位置「P」に位置している場合、第1のカム41が第6の位置P6に位置しているとき、第1のカム41の受け部材48と反対側の側面は壁62に接する。この状態でダイヤルノブ14が他の位置「R」,「N」,「D」へ向けて操作されたとき、第1のカム41は受け部材48に押されて受け部材48と反対方向へ移動しようとする。しかし、当該移動しようとする第1のカム41は壁62に押し付けられるかたちで受け止められる。このため、ダイヤルノブ14の操作をより確実にロックすることができる。
【0077】
<第3の実施の形態>
つぎに、シフト装置の第3の実施の形態を説明する。本例のシフト装置は、ダイヤルノブ14の受け部材48を押すための機構が第2の実施の形態と異なる。
【0078】
<シフト装置の構成>
図12に示すように、本例のシフト装置71は第3のカム72および第4のカム73を有している。
【0079】
第3のカム72は、ダイヤルノブ14の軸線方向からみて楕円状を呈する。第3のカム72の長軸は、ダイヤルノブ14の軸線に対して直交する方向(図12中の左右方向)に沿って延びている。第3のカム72は図示しない回転アクチュエータに連動して回転(揺動)する。第3のカム72は図12に実線で示す第7の位置P7と図12に二点鎖線で示す第8の位置P8との間を移動する。回転アクチュエータとしては、たとえばモータあるいはロータリソレノイドバルブが採用される。第3のカム72の回転中心O1は、第3のカム72の中心O2(長軸と短軸との交点)に対して右側に偏心距離Dだけ偏心している。
【0080】
第4のカム73は、ダイヤルノブ14の軸線方向からみてL字状を呈する。第4のカム73は図12中の上下方向の移動が規制された状態で図12中の左右方向に直線移動する。第4のカム73は、第3のカム72の短軸に平行に延びる支持壁73a、および第3のカム72の長軸に対して平行に延びる押圧壁73bを有している。支持壁73aとケース13の内壁との間には圧縮コイルばね74が設けられている。支持壁73aの圧縮コイルばね74と反対側の側面は、第3のカム72の長軸頂点T1または長軸頂点T2に当接する。長軸頂点T1と回転中心O1との距離L1は、長軸頂点T2と回転中心O1との距離L2よりも長い距離に設定されている。押圧壁73bは受け部材48に当接する。
【0081】
第4のカム73は第3のカム72の回転に伴い図12に実線で示される第9の位置P9と図12に二点鎖線で示される第10の位置P10との間を移動する。第9の位置P9は支持壁73aに第3のカム72の長軸頂点T1が当接するときの位置である。また第9の位置P9は、ピン22が凹部24dに係合しているときの受け部材48の先端部に押圧壁73bの先端が当接する位置でもある。第10の位置P10は支持壁73aに第3のカム72の長軸頂点T2が当接するときの位置である。また第10の位置P10は、ピン22が凹部24pに係合しているときの受け部材48の先端側部に押圧壁73bの先端が当接する位置でもある。
【0082】
第3のカム72が第7の位置P7に、第4のカム73が第9の位置P9にそれぞれ保持されている状態において、第3のカム72が回転中心O1を中心として180°だけ反時計方向へ回転されたとき、第4のカム73は圧縮コイルばね74の弾性力によって第9の位置P9から第10の位置P10へ移動する。このとき第4のカム73は、距離L1と距離L2との差の分だけ移動する。
【0083】
ピン22が案内面24の凹部24dに係合している場合、第4のカム73が第9の位置P9から第10の位置P10まで移動するとき、受け部材48が押圧壁73bにより押されることによってダイヤルノブ14は反時計方向に回転する。これに伴いピン22は凹部24dを基準として案内面24を摺動しつつ凹部24n、凹部24r、凹部24pの順に移動する。
【0084】
本例の電気的な構成は、基本的には先の図5に示される通りである。ただし、第1の位置センサ51は第3のカム72が第7の位置P7に位置することを、第2の位置センサ52は第3のカム72が第8の位置P8に位置することを検出することが好ましい。なお、第1および第2の位置センサ51,52は、第3のカム72ではなく第4のカム73の位置を検出するようにしてもよい。
【0085】
<シフト装置の動作>
さて、特定の事象が検出された旨示すトリガ信号を受信したとき、制御回路53は先の図7のフローチャートに示される各処理と同様の処理を実行する。
【0086】
制御回路53はダイヤルノブ14がパーキング位置「P」に位置しているとき(ステップS101でYES)、シフトロック動作を実行する(ステップS107)。図12に二点鎖線で示されるように、受け部材48の先端側部に第4のカム73における押圧壁73bの先端が当接することにより、ダイヤルノブ14をパーキング位置「P」から他の操作位置「R」,「N」,「D」へ操作することが規制される。また、制御回路53はダイヤルノブ14がパーキング位置「P」に位置していないとき(ステップS101でNO)、自動復帰動作を実行する(ステップS102)。すなわち、第3のカム72が第7の位置P7から第8の位置P8まで反時計方向へ回転することにより第4のカム73は第9の位置P9から第10の位置P10まで移動する。これにより、受け部材48が押されてダイヤルノブ14はパーキング位置「P」に復帰する。制御回路53はダイヤルノブ14がパーキング位置「P」に達したとき(ステップS103でYES)、モータ31を停止させる(ステップS106)。
【0087】
エンジンが停止している状態でエンジンスイッチ54がオンされたとき、制御回路53は先の図8のフローチャートに示される各処理と同様の処理を実行する。
制御回路53はフットブレーキスイッチ55がオンしているとき(ステップS201でYES)、シフトロック解除動作を実行する(ステップS202)。すなわち、第3のカム72が第8の位置P8から第7の位置P7まで時計方向へ回転することにより、第4のカム73は第10の位置P10から第9の位置P9へ退避する。これにより、ダイヤルノブ14をパーキング位置「P」から他の操作位置「R」,「N」,「D」へ操作することが許容される。また、制御回路53はフットブレーキスイッチ55がオンしていないとき(ステップS201でNO)、第4のカム73を第10の位置P10に維持する(ステップS203)。すなわち、ダイヤルノブ14はパーキング位置「P」から他の操作位置「R」,「N」,「D」へ操作することが規制されたシフトロック状態に維持される。
【0088】
図12に実線で示されるように、ダイヤルノブ14がたとえばドライブ位置「D」に保持された状態でダイヤルノブ14の回転が規制されている場合、第1のカム41の移動も規制される。しかしこの状態であれ、第4のカム73を第9の位置P9から第10の位置P10へ移動させるために、第3のカム72を第7の位置P7から第8の位置P8へ向けて反時計方向へ回転させることが許容される。このため、回転アクチュエータの負荷が増大することはない。ただし、第3のカム72の長軸頂点T2と支持壁73aとの間に一定の隙間が形成された状態に維持される。この後、ダイヤルノブ14の規制が解除されたとき、第4のカム73の固定状態も解除される。このとき、回転アクチュエータは停止されているものの、圧縮コイルばね74の弾性力により第4のカム73は第9の位置P9から第10の位置P10へ向けて移動する。
【0089】
したがって、本実施の形態によっても、ダイヤルノブ14の回転操作が規制された状態で自動復帰動作が実行されたときであれ、モータ負荷の増大が抑えられる。
<他の実施の形態>
なお、前記実施の形態は、つぎのように変更して実施してもよい。
【0090】
・第1の実施に形態において、第2のカム42の位置を検出する第3および第4の位置センサを設けてもよい。第3の位置センサは第2のカム42が第3の位置P3に存在することを、第4の位置センサは第2のカム42が第4の位置P4に存在することをそれぞれ検出する。
【0091】
・第1の実施の形態において、圧縮コイルばね46は第2のカム42に設けてもよい。たとえば第2のカム42をその移動方向において2つに分割し、これら分割体を圧縮コイルばね46によって互いに連結する。この場合、押し部材34は第1のカム41に固定してもよい。このようにしても、ダイヤルノブ14の操作が規制された状態で第1のカム41が第2の位置P2へ向けて移動されるとき、当該第1のカム41の移動を吸収することが可能である。
【0092】
・第3の実施の形態において、楕円状の第3のカム72に代えて、たとえば回転アクチュエータに連動して支持壁73aに対する距離が異なる2位置間を揺動する移動子としてのレバーを設けてもよい。当該レバーを図12における左右方向へ揺動させることにより、第4のカム73は第9の位置と第10の位置P10との間を移動する。
【0093】
・第1〜第3の実施の形態において、圧縮コイルばね46,74に代えてゴムなどの他の弾性体を採用してもよい。
・第1〜第3の実施の形態では円柱状のダイヤルノブ14を採用したが、ダイヤルノブ14の形状は適宜変更してもよい。たとえば四角柱あるいは五角柱などの多角柱状、または楕円柱状のダイヤルノブ14を採用してもよい。また、ダイヤルノブ14に代えてレバータイプのシフトノブを採用してもよい。
【0094】
・第1〜第3の実施の形態において、受け部材48はダイヤルノブ14と一体形成してもよいし、別部材として設けてもよい。受け部材48がダイヤルノブ14と一体的に回転すればよい。
【0095】
・第1〜第3の実施の形態では、ダイヤルノブ14に対して4つの操作位置「P」,「R」,「N」,「D」を設定したが、これら操作位置は変速機56に設定されるシフトレンジに応じて適宜変更すればよい。各凹部24p,24r,24n,24dの個数および配置間隔なども同様である。
【0096】
・第1〜第3の実施の形態では、案内部材21をケース13に、ピン22をダイヤルノブ14に設けたが、案内部材21をダイヤルノブ14に、ピン22をケース13に設けてもよい。
【0097】
・第1の実施の形態では、図7のフローチャートに示されるように、エンジンが停止されるなどの特定の事象が検出された旨示すトリガ信号を受信したとき、ダイヤルノブ14がパーキング位置「P」に位置しているかどうかを判断するようにした(ステップS101)。しかし、当該判断を実行しない手順を採用してもよい。すなわち、図13のフローチャートに示すように、特定の事象が検出された旨示すトリガ信号を受信したとき、制御回路53は第1のカム41を第1の位置P1から第2の位置P2へ移動させるためにモータ31を駆動する(ステップS301)。そして、制御回路53は第1のカム41が第2の位置P2に至るときのナット位置にナット33が移動した旨検出されるとき(ステップS302)、モータ31を停止させて(ステップS303)、処理を終了する。シフトロック動作および自動復帰動作のいずれを実行する場合であれ、第1のカム41を第2の位置P2へ移動させる点では同じである。なお、第2および第3の実施の形態において図13のフローチャートに係る手順を採用してもよい。ただし、第3の実施の形態に適用する場合、図13のフローチャートにおける「第1のカム」を「第3のカム」と、「第2の位置」を「第8の位置」と読み替える。このようにすれば、制御回路53の演算負荷を低減させることが可能となる。
【0098】
・第1の実施の形態では、シフトロック動作およびシフトロック解除動作を行う際、第1および第2の位置センサ51,52によりナット33が検出されたときにモータ31を停止するようにしたが、つぎのようにしてもよい。すなわち、受け部材48が第1のストッパ49aまたは第2のストッパ49bに当接した後もモータ31を駆動させ続けるとき、モータ負荷の増大に伴いモータ31の電流値も増大する。このことを利用して、モータ31の電流値Iを監視し、当該電流値Iがしきい値を超えたときにモータ31を停止させる。なお、第2および第3の実施の形態においてもモータ31の電流値Iに基づいてモータ31を停止させてもよい。この場合、シフト装置61,71にも第1および第2のストッパ49a,49bを持たせる。この構成を採用する場合、第1および第2の位置センサ51,52を省略してもよい。
【0099】
・第1および第2の実施の形態では、シフトロック動作およびシフトロック解除動作を行う際、第1および第2の位置センサ51,52によりナット33が検出されたときにモータ31を停止するようにしたが、つぎのようにしてもよい。すなわち図5に二点鎖線で示されるように、モータ31の回転角を検出する回転角センサ59を設ける。ナット33はモータ31の回転角(回転量)に応じて移動するため、制御回路53は回転角センサ59を通じて検出されるモータ31の回転角に基づきナット33の位置を検出することができる。制御回路53は第1のカム41が第1の位置P1または第2の位置P2に至るときのナット位置にナット33が移動した旨検出されるときモータ31を停止させる。この構成を採用する場合、第1および第2の位置センサ51,52を省略してもよいし、回転角センサ59と併せて有効に利用するようにしてもよい。たとえば、モータ31の回転角に基づきモータ31が停止されたとき、何らかの原因で第1のカム41が第1の位置P1または第2の位置P2に至るときのナット位置と異なる位置でナット33が停止することも考えられる。この場合、制御回路53は、第1の位置センサ51または第2の位置センサ52によって第1のカム41が第1の位置P1または第2の位置P2に至るときのナット位置までナット33が移動した旨検出されるまでモータ31をさらに回転させる。なお、第3の実施の形態についても回転角センサ59を設け、モータ31の回転量に基づき第3のカム72の位置を検出するようにしてもよい。
【0100】
・第1〜第3の実施の形態では、駆動源としてモータ31などの回転アクチュエータを採用したが、リニアアクチュエータを採用してもよい。リニアアクチュエータとしてはプランジャを直線的に移動させるリニアソレノイドなどがある。
【0101】
・第1〜第3の実施の形態において、受け部材48はダイヤルノブ14の半径方向へ突出させたが、受け部材48の突出方向は半径方向に限られない。たとえばダイヤルノブ14の下面あるいは上面に受け部材48に相当するカム突部などを設け、当該カム突部が押されることによってダイヤルノブ14が回転するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0102】
11,61,71…シフト装置、14…ノブ、31…モータ(アクチュエータ)、41…第1のカム(第1実施例では変換子、第2実施例では接触子)、42…第2のカム(第1実施例では接触子)、34…押し部材(移動子)、46,74…圧縮コイルばね(弾性体)、56…変速機。
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